JP3704732B2 - ジチオカルボンイミド誘導体およびその用途 - Google Patents

ジチオカルボンイミド誘導体およびその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はジチオカルボンイミド誘導体およびその用途に関する。
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
これまで、例えば国際特許出願公開明細書WO93/07116号等にある種のオキシム誘導体を殺菌剤の有効成分として用い得ることが記載されているが、これらのオキシム誘導体は殺菌活性等の点で農園芸用殺菌剤の有効成分として必ずしも常に充分満足のゆくものとは言い難い。
【0002】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はこのような状況に鑑み、優れた農園芸用殺菌剤を開発すべく鋭意検討した結果、後記一般式 化2で示されるある種のジチオカルボンイミド構造を有するオキシム誘導体が、種々の植物病害に対し優れた殺菌活性を有すること、さらに優れた殺虫、殺ダニ活性を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は一般式 化2
【化2】
Figure 0003704732
〔式中、Aは、置換されていてもよいフェニル基を表わすか、または、置換されていてもよい、炭素原子を介してN原子に結合した複素環基を表わし、BはC1 −C6 アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)を表わす。〕
で示されるジチオカルボンイミド誘導体(以下、本発明化合物と記す。)およびそれを有効成分とする農園芸用殺菌剤;殺虫、殺ダニ剤を提供する。
【0003】
本発明において、Aで示される置換されていてもよいフェニル基の置換基としては、同一または相異なり、例えば、C1 −C6 アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、C1 −C6 アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基等)、フェノキシ基、C1 −C6 アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基等)、アルキル(C1 −C6 )オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基、C1 −C6 ハロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基等)、C1 −C6 ハロアルコキシ基(例えば、トリフルオロメトキシ基等)、またはフッ素原子で置換されていてもよいメチレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ基、ジフルオロメチレンジオキシ基等)等が挙げられ、Aで示される置換されていてもよい複素環基の置換基としては、同一または相異なり、例えば、C1 −C6 アルキル基(例えば、メチル基等)、C1 −C6 アルコキシ基(例えば、メトキシ基、イソプロピルオキシ基等)、C1 −C6 ハロアルコキシ基(例えば、トリフルオロエトキシ基)またはハロゲン原子(例えば、塩素原子等)等が挙げられる。Aで示される置換されていてもよい複素環基としては、例えば、5員または6員の芳香族複素環基等が挙げられ、より具体的には、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基またはチアジアゾリル基等が挙げられ、さらに具体的には、2−、3−、4−ピリジル基、2−、4−、5−ピリミジニル基、3−、4−ピリダジニル基、3−、4−、5−ピラゾリル基、2−、4−イミダゾリル基、2−、4−、5−オキサゾリル基、2−、4−、5−チアゾリル基、3−、4−、5−イソチアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基または1,3,4−チアジアゾール−2−イル基が挙げられる。
本発明化合物のうちBはメチル基のものが好ましい。
【0004】
本発明化合物の製造法について説明する。
本発明化合物は、例えば、対応するメチルエステル(本発明化合物のNHをOにかえた化合物)とメチルアミンとを反応させることにより製造することができる。
反応温度の範囲は、通常0℃から30℃であり、反応時間の範囲は、通常 0.5時間から24時間である。
反応に供せられる試剤の量は、本発明化合物の対応するメチルエステルである化合物1モルに対して、メチルアミンは1モル〜大過剰の割合である。
使用しうる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物および水等ならびにそれらの混合物があげられる。
反応終了後は、濃縮等の通常の後処理を行ない、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等の操作によってさらに精製することにより、目的の化合物を得ることができる。
【0005】
本発明化合物は、一般式 化3
【化3】
Figure 0003704732
〔式中、AおよびBは前記と同じ意味を表す。〕
で示されるジチオカーバメート化合物と、一般式 化4
【化4】
Figure 0003704732
〔式中、Yは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシルオキシ基またはトシルオキシ基を表す。〕
で示される化合物とを反応させることによっても製造することができる。
反応温度の範囲は、0℃または使用する溶媒の凝固点から溶媒の沸点または150℃までが可能であるが、通常10℃から30℃である。反応時間の範囲は、通常0.5時間から24時間である。
反応は通常、塩基の存在下で行ない、用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水素化ナトリウム等のアルカリ金属の水素化物等があげられる。
反応に供せられる試剤の量は、一般式 化3で示されるジチオカーバメート化合物1モルに対して、一般式 化4で示される化合物および必要に応じて用いられる塩基はそれぞれ通常0.5〜2モルの割合である。
反応に使用しうる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル等のエステル類、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、アセトニトリル、イソブチルニトリル等のニトリル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物があげられる。水素化ナトリウム等の禁水性の塩基を用いない場合には水を溶媒として用いることもできる。また、上記の溶媒を混合して用いることもできる。
反応終了後は有機溶媒抽出、水洗、濃縮等の通常の後処理を行ない、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等の操作によってさらに精製することにより、目的の化合物を単離することができる。
【0006】
本発明化合物の対応するメチルエステルである化合物は、一般式 化5
【化5】
Figure 0003704732
で示されるジチオカーバメート誘導体と一般式 化6
【化6】
B−Y
〔式中、BおよびYは前記と同じ意味を表わす。〕
で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
反応温度の範囲は、0℃または使用する溶媒の凝固点から溶媒の沸点または150℃までが可能であるが、通常10℃から30℃である。反応時間の範囲は、通常 0.5時間から24時間である。
反応は通常、塩基の存在下で行ない、用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水素化ナトリウム等のアルカリ金属の水素化物があげられる。
反応に供せられる試剤の量は、一般式 化5で示されるジチオカーバメート誘導体1モルに対して、一般式 化6で示される化合物および必要に応じて用いられる塩基はそれぞれ通常1〜2モルの割合である。
反応に使用しうる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、アセトニトリル、イソブチルニトリル等のニトリル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物等があげられる。水素化ナトリウム等の禁水性の塩基を用いない場合には水を溶媒として用いることもできる。また、上記の溶媒を混合して用いることもできる。
反応終了後は有機溶媒抽出、水洗、濃縮等の通常の後処理を行ない、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等の操作によってさらに精製することにより、目的の化合物を得ることができる。
【0007】
本発明化合物の対応するメチルエステルである化合物は、前記一般式 化3で示されるジチオカーバメート化合物と、一般式 化7
【化7】
Figure 0003704732
〔式中、Yは前記と同じ意味を表わす。〕
で示される化合物とを反応させることによって製造することもできる。
反応温度の範囲は、0℃または使用する溶媒の凝固点から溶媒の沸点または150℃までが可能であるが、通常10℃から30℃である。反応時間の範囲は、通常 0.5時間から24時間である。
反応は通常、塩基の存在下で行ない、用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水素化ナトリウム等のアルカリ金属の水素化物等があげられる。
反応に供せられる試剤の量は、一般式 化3で示されるジチオカーバメート化合物1モルに対して、一般式 化7で示される化合物および必要に応じて用いられる塩基はそれぞれ通常1〜2モルの割合である。
反応に使用しうる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル等のエステル類、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、アセトニトリル、イソブチルニトリル等のニトリル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物があげられる。水素化ナトリウム等の禁水性の塩基を用いない場合には水を溶媒として用いることもできる。また、上記の溶媒を混合して用いることもできる。
反応終了後は有機溶媒抽出、水洗、濃縮等の通常の後処理を行ない、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等の操作によってさらに精製することにより、目的の化合物を得ることができる。
【0008】
前記一般式 化5で示されるジチオカーバメート誘導体は、一般式 化8
【化8】
Figure 0003704732
〔式中、Aは前記と同じ意味を表わし、Z+ は第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン等)のアンモニウム塩を表すか、または、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)を表わし、nは1または2を表す。〕
で示されるジチオカルボンイミドの塩と、前記一般式 化7で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
反応温度の範囲は、0℃または使用する溶媒の凝固点から溶媒の沸点または150℃までが可能であるが、通常10℃から30℃である。反応時間の範囲は、通常 0.5時間から24時間である。
反応に供せられる試剤の量は、一般式 化8で示されるジチオカルボンイミドの塩1モルに対して、一般式 化7で示される化合物は通常1〜2モルの割合である。
反応に使用しうる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル等のエステル類、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、アセトニトリル、イソブチルニトリル等のニトリル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物あるいは水があげられる。また、上記の溶媒を混合して用いることもできる。
反応終了後は有機溶媒抽出、水洗、濃縮等の通常の後処理を行ない、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等の操作によってさらに精製することにより、一般式 化5で示されるジチオカーバメート化合物を得ることができる。
【0009】
前記一般式 化3で示されるジチオカーバメート化合物は、前記一般式 化8で示されるジチオカルボンイミドの塩と、前記一般式 化6で示される化合物を反応させることにより得ることができる。
反応温度の範囲は、0℃または使用する溶媒の凝固点から溶媒の沸点または150℃までが可能であるが、通常10℃から30℃である。反応時間の範囲は、通常 0.5時間から24時間である。
反応に供せられる試剤の量は、一般式 化8で示されるジチオカルボンイミドの塩1モルに対して、一般式 化6で示される化合物は通常1〜2モルの割合である。
反応に使用しうる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル等のエステル類、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、アセトニトリル、イソブチルニトリル等のニトリル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物あるいは水があげられる。また、上記の溶媒を混合して用いることもできる。
【0010】
前記一般式 化8で示されるジチオカルボンイミドの塩は、一般式 化9
【化9】
A−NH2
〔式中、Aは前記と同じ意味を表わす。〕
で示されるアミン化合物と、二硫化炭素とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン等の第三級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水素化ナトリウム等のアルカリ金属の水素化物等があげられる。
反応温度の範囲は、0℃または使用する溶媒の凝固点から溶媒の沸点または150℃までが可能であるが、通常10℃から30℃である。反応時間の範囲は、通常1時間から24時間である。
反応に供せられる試剤の量は、一般式 化9で示されるアミン化合物1モルに対して、二硫化炭素の量は通常1〜2モルの割合であり、塩基は通常2〜4モルの割合であるが、塩基は溶媒として大過剰用いることもできる。
反応に使用しうる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル等のエステル類、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、アセトニトリル、イソブチルニトリル等のニトリル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物、メタノール、エタノール、n−ブタノール等のアルコール類あるいは水等があげられる。また、上記の溶媒を混合して用いることもできる。
一般式 化4および化7で示される化合物は、国際特許出願WO−93/071116号公開明細書や特開平 3-246268 号公報に記載された方法により製造することができる。
【0011】
本発明化合物は、一般式 化10
【化10】
Figure 0003704732
で示される化合物と前記一般式 化6で示される化合物とを反応させることにより製造することもできる。
反応温度の範囲は、0℃または使用する溶媒の凝固点から溶媒の沸点または150℃までが可能であるが、通常10℃から30℃である。反応時間の範囲は、通常 0.5時間から24時間である。
反応は通常、塩基の存在下で行ない、用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水素化ナトリウム等のアルカリ金属の水素化物があげられる。
反応に供せられる試剤の量は、一般式 化10で示される化合物1モルに対して、一般式 化6で示される化合物および必要に応じて用いられる塩基はそれぞれ通常1〜2モルの割合である。
反応に使用しうる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、アセトニトリル、イソブチルニトリル等のニトリル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物等があげられる。水素化ナトリウム等の禁水性の塩基を用いない場合には水を溶媒として用いることもできる。また、上記の溶媒を混合して用いることもできる。
反応終了後は有機溶媒抽出、水洗、濃縮等の通常の後処理を行ない、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等の操作によってさらに精製することにより、目的の化合物を得ることができる。
前記一般式 化6で示される化合物は、一般式 化8で示されるジチオカルボンイミドの塩と、前記一般式 化4で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
反応温度の範囲は、0℃または使用する溶媒の凝固点から溶媒の沸点または150℃までが可能であるが、通常10℃から30℃である。反応時間の範囲は、通常 0.5時間から24時間である。
反応に供せられる試剤の量は、一般式 化8で示されるジチオカルボンイミドの塩1モルに対して、一般式 化4で示される化合物は通常1〜2モルの割合である。
反応に使用しうる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル等のエステル類、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、アセトニトリル、イソブチルニトリル等のニトリル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物あるいは水があげられる。また、上記の溶媒を混合して用いることもできる。
反応終了後は有機溶媒抽出、水洗、濃縮等の通常の後処理を行ない、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等の操作によってさらに精製することにより、一般式 化6で示される化合物を得ることができる。
【0012】
本発明化合物を農園芸用殺菌剤の有効成分として用いる場合、他の何らの成分も加えずそのまま用いてもよいが、通常は固体担体、液体担体、界面活性剤、その他の製剤用補助剤と混合して、乳剤、水和剤、懸濁剤、粉剤、粒剤等に製剤して用いる。この場合、製剤中での有効成分含有量は重量比で 0.1〜99.9%、好ましくは1〜90%である。
使用し得る固体担体としては、例えばカオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉、尿素、硫酸アンモニウム、合成含水酸化珪素等の微粉末あるいは粒状物等があげられ、液体担体としては、例えばキシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、イソプロパノール、エチレングリコール、セロソルブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、水等があげられる。
乳化、分散、湿展等のために用いられる界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキル(アリール)スルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤等があげられる。
製剤用補助剤としては、例えばリグニンスルホン酸塩、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、アラビアガム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PAP(酸性リン酸イソプロピル)等があげられる。
本発明化合物の施用方法として、茎葉散布、土壌処理、種子消毒等があげられるが、通常当業者が利用するどのような施用方法にても用いることができる。
本発明化合物を植物病害防除剤の有効成分として用いる場合、その有効成分の施用量は、対象作物の種類、対象病害の種類、病害の発生程度、製剤形態、施用方法、施用時期、気象条件等によって異なるが、1アールあたり通常0.01〜50g、好ましくは0.05〜10gであり、乳剤、水和剤、懸濁剤等を水で希釈して施用する場合、その施用濃度は、0.0001〜 0.5%、好ましくは0.0005〜 0.2%であり、粉剤、粒剤等はなんら希釈することなくそのまま施用する。
本発明化合物は、畑地、水田、果樹園、茶園、牧草地、芝生地等の農園芸用殺菌剤として用いることができ、他の農園芸用殺菌剤と混合して用いることにより、殺菌効力の増強をも期待できる。さらに、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料と混合して用いることもできる。
本発明化合物により防除することができる植物病害としては例えば以下のような病害をあげることができる。
イネのいもち病(Pyricularia oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、
ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Gibberella zeae)、さび病(Puccinia striiformis, P. graminis, P. recondita, P. hordei)、雪腐病(Typhula sp.,Micronectriella nivalis)、裸黒穂病 (Ustilago tritici, U. nuda)、なまぐさ黒穂病 (Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchosporium secalis) 、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、
カンキツ類の黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti) 、果実腐敗病 (Penicillium digitatum, P. italicum) 、
リンゴのモニリア病 (Sclerotinia mali) 、腐らん病 (Valsa mali) 、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria mali)、黒星病(Venturia inaequalis)、
ナシの黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum)、
モモの灰星病(Sclerotinia cinerea)、黒星病(Cladosporium carpophilum) 、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)、
ブドウの黒とう病(Elsinoe ampelina) 、晩腐病(Glomerella cingulata) 、うどんこ病(Uncinula necator) 、さび病 (Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii) 、べと病(Plasmopara viticola)、
カキの炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病 (Cercospora kaki, Mycosphaerella nawae)、
ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea) 、つる枯病 (Mycosphaerella melonis) 、つる割病 (Fusarium oxysporum) 、べと病 (Pseudoperonospora cubensis) 、疫病(Phytophthora sp.) 、苗立枯病 (Pythium sp.)、
トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病 (Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans) 、
ナスの褐紋病(Phomopsis vexans) 、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum) 、アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae)、
ネギのさび病(Puccinia allii) 、ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines) 、黒点病 (Diaporthe phaseolorum var. sojae) 、インゲンの炭そ病(Colletotrichum lindemthianum) 、ラッカセイの黒渋病(Mycosphaerella personatum)、褐斑病(Cercospora arachidicola)、エンドウのうどんこ病(Erysiphe pisi)、ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans) 、イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、チュの網もち病(Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe leucospila) 、タバコの赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum) 、炭そ病(Colletotrichum tabacum) 、べと病(Peronospora tabacina) 、疫病(Phytophthora nicotianae)、テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa) 、
キクの褐班病 (Septoria chrysanthemi-indici) 、白さび病(Puccinia horiana) 、種々の作物の灰色かび病(Botrytis cinerea) 、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum) 等があげられる。
【0013】
本発明化合物を殺虫、殺ダニ剤の有効成分として用いる場合は、他の何らの成分も加えず、そのまま使用してもよいが、通常は、固体担体、液体担体、ガス状担体、餌等と混合し、必要あれば界面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤、粒剤、粉剤、エアゾール、煙霧剤(フォッギング等)、毒餌等に製剤して使用する。
これらの製剤には、有効成分として本発明化合物を、通常、重量比で0.01%〜95%含有する。
製剤化の際に用いられる固体担体としては、たとえば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、タルク類、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末あるいは粒状物等があげられ、液体担体としては、たとえば水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、大豆油、綿実油等の植物油等があげられ、ガス状担体、すなわち噴射剤としては、たとえばフロンガス、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテル、炭酸ガス等があげられる。
界面活性剤としては、たとえばアルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類およびそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等があげられる。
固着剤や分散剤等の製剤用補助剤としては、たとえばカゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)等があげられ、安定剤としては、たとえばPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸またはそのエステル等があげられる。
毒餌の基材としては、たとえば穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末等の誤食防止剤、チーズ香料、タマネギ香料等の誘引性香料等があげられる。
このようにして得られる製剤は、そのままであるいは水等で希釈して用いる。また、他の殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料等と混合して、または混合せずに同時に用いることもできる。
本発明化合物を農業用殺虫、殺ダニ剤として用いる場合、その施用量は、通常、10アールあたり、0.1g〜100gであり、乳剤、水和剤、フロアブル剤等を水で希釈して用いる場合は、その施用濃度は通常、0.1ppm 〜500ppm であり、粒剤、粉剤等は何ら希釈することなく製剤のままで施用する。また、防疫用殺虫、殺ダニ剤として用いる場合には、乳剤、水和剤、フロアブル剤等は、通常、水で0.1ppm 〜500ppm に希釈して施用し、油剤、エアゾール、煙霧剤、毒餌等についてはそのまま施用する。
これらの施用量、施用濃度は、いずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲にかかわることなく増加させたり、減少させたりすることができる。
【0014】
本発明化合物が殺虫、殺ダニ効力を発揮する害虫類としては、たとえば下記のものがあげられる。
半翅目害虫
ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等
鱗翅目害虫
ニカメイガ(ニカメイチュウ)、コブノメイガ、ノシメマダラメイガ(ノシメコクガ)等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ドクガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロティス属害虫(Agrothis spp.)、ヘリオティス属害虫(Heliothis spp.) 、コナガ、イガ、コイガ等
双翅目害虫
アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類等
鞘翅目害虫
ウェスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ類、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属(Epilach-na spp.)、ヒラタキイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ等
網翅目害虫
チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
総翅目害虫
ミナミキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等
膜翅目害虫
アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ等のハバチ類等
直翅目害虫
ケラ、バッタ等
隠翅目害虫
ヒトノミ等
シラミ目害虫
ヒトジラミ、ケジラミ等
等翅目害虫
ヤマトシロアリ、イエシロアリ等
ダニ目
ナミハダニ、ミカンハダニ、ニセナミハダニ、リンゴハダニなどの植物寄生性のダニ類、オウシマダニなどの動物寄生性のマダニ類、室内塵性ダニ類等
さらに既存の殺虫剤に対し、抵抗性の発達した害虫にも有効である。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を製造例、製剤例および試験例等により、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
まず、本発明化合物の製造例を示す。
製造例1
N−(4−エトキシフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.0g(2mmol) をメタノール(5ml)に溶解し、この溶液に40重量%のメチルアミンメタノール溶液(4ml)を加え、室温で2時間反応させた。減圧下に濃縮し、油状物を得た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、N−(4−エトキシフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド(化合物26) 0.6 gを得た。
製造例2
N−(6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−ピリジン−3−イル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.0g(2mmol) をメタノール(5ml)に溶解し、この溶液に40重量%のメチルアミンメタノール溶液(4ml)を加え、室温で2時間反応させた。減圧下に濃縮し、固形物を得た。この固形物を酢酸エチル/ジエチルエーテルから再結晶を行ない、N−(6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−ピリジン−3−イル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド(化合物79) 0.8 gを得た。
【0016】
製造例3
N−(4−メトキシフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.0g(2mmol) をメタノール(5ml)に溶解し、この溶液に40重量%のメチルアミンメタノール溶液(4ml)を加え、室温で2時間反応させた。減圧下に濃縮し、油状物を得た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、N−(4−メトキシフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド(化合物7) 0.6gを得た。
製造例4
N−(4−メチルフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.0g(2.5mmol) をメタノール(5ml)に溶解し、この溶液に40重量%のメチルアミンメタノール溶液(4ml)を加え、室温で2時間反応させた。減圧下に濃縮し、固形物を得た。この固形物を酢酸エチル/ジエチルエーテルから再結晶を行ない、N−(4−メチルフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド(化合物4) 0.8gを得た。
製造例5
N−(3−クロロフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 0.9g(2mmol) をメタノール(5ml)に溶解し、この溶液に40重量%のメチルアミンメタノール溶液(4ml)を加え、室温で2時間反応させた。減圧下に濃縮し、油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(3−クロロフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド(化合物9) 0.5gを得た。
【0017】
製造例6
N−(4−エトキシフェニル)−S−メチルジチオカーバメート 0.9g(4mmol) の無水THF溶液(30ml)に水素化ナトリウム(60重量% in オイルディスパージョン) 0.15g(5mmol) を加え、30分間攪拌した。この溶液に、(E)−N−メチル−2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−メトキシイミノアセトアミド1.1g(4mmol) のDMF溶液を加え、室温下に2時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去して褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(4−エトキシフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド(化合物26) 1.5gを得た。
製造例7
N−(6−エトキシピリジン−3−イルフェニル)−S−メチルジチオカーバメート 0.7g(4mmol) の無水THF溶液(30ml)に水素化ナトリウム(60重量% in オイルディスパージョン) 0.15g(5mmol) を加え、30分間攪拌した。この溶液に、(E)−N−メチル−2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−メトキシイミノアセトアミド1.1g(4mmol) のDMF溶液を加え、室温下に2時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去して褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(6−エトキシピリジン−3−イルフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド(化合物74) 1.4gを得た。
製造例8
N−(3−クロロフェニル)−S−メチルジチオカーバメート 0.8g(4mmol) の無水THF溶液(30ml)に水素化ナトリウム(60重量% in オイルディスパージョン) 0.15g(5mmol) を加え、30分間攪拌した。この溶液に、(E)−N−メチル−2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−メトキシイミノアセトアミド1.1g(4mmol) のDMF溶液を加え、室温下に2時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去して褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(3−クロロフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド(化合物9) 1.2gを得た。
製造例9
N−フェニル−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.0g(2.5mmol) をメタノール(5ml)に溶解し、この溶液に40重量%のメチルアミンメタノール溶液(4ml)を加え、室温で2時間反応させた。減圧下に濃縮し、固形物を得た。この固形物を酢酸エチル/ジエチルエーテルから再結晶し、N−フェニル−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド(化合物1) 0.8gを得た。
製造例10
N−フェニル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカーバメート 2.0g (5mmol) の無水DMF溶液(10ml)に、水素化ナトリウム(60重量% in オイルディスパージョン) 0.24g(6mmol) を加え、30分間攪拌した。この溶液に、よう化メチル 0.9g(6mmol) のDMF溶液を加え、室温下に2時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去して褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−フェニル−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−N’−メチルカルバモイルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド(化合物1 ) 1.8gを得た。
次に、本発明化合物の例をその化合物番号と共に表1〜表6に示す。
【0018】
【表1】
Figure 0003704732
Figure 0003704732
【表2】
Figure 0003704732
【表3】
Figure 0003704732
【0019】
【表4】
Figure 0003704732
【0020】
【表5】
Figure 0003704732
Figure 0003704732
【0021】
【表6】
Figure 0003704732
【0022】
以下に本発明化合物のいくつかの 1H−NMR(60MHz,CDCl3 /TMS,δ(ppm))データを示す。
化合物1 2.43(3H,s) 、2.84(3H,d,J=6Hz)、2.9-3.1(1H,brs) 、3.92(3H,s)、4.21(2H,s)、6.6-7.6(9H,m)
化合物2 2.01(3H,s) 、2.42(3H,s)、2.76(3H,d,J=5Hz)、3.89(3H,s)、4.18(2H,s)、6.5-6.8(2H,m) 、6.8-7.6(7H,m)
化合物3 2.31(3H,s) 、2.42(3H,s)、2.83(3H,d,J=5Hz)、3.92(3H,s)、4.19(2H,s)、6.4-7.6(9H,m)
化合物6 2.44(3H,s) 、2.87(3H,d,J=5.5Hz)、3.76(3H,s)、3.92(3H,s)、4.20(2H,s)、6.3-6.8(4H,m) 、7.0-7.5(5H,m)
化合物7 2.41(3H,s) 、2.80(3H,d,J=6Hz)、3.74(3H,s)、3.91(3H,s)、4.20(2H,s)、6.79(5H,s)、7.0-7.6(4H,m)
【0023】
化合物9 2.44(3H,s) 、2.87(3H,d,J=5Hz)、2.9-3.1(1H,brs) 、3.91(3H,s)、4.19(2H,s)、6.4-7.7(6H,m)
化合物10 2.42(3H,s)、2.82(3H,d,J=6Hz)、2.8-3.1(1H,brs) 、3.90(3H,s)、4.18(2H,s)、6.70(2H,d,J=9Hz)、6.9-7.6(6H,m)
化合物18 1.22(3H,t,J=7Hz)、2.40(3H,s)、2.83(3H,d,J=5Hz)、2.8-3.0(1H,brs) 、3.92(3H,s)、4.21(2H,d)、6.5-7.4(8H,m)
化合物19 1.21(3H,t,J=8Hz)、2.42(3H,s)、2.63(2H,q,J=8Hz)、2.84(3H,d,J=6Hz)、2.9-3.1(1H,brs) 、3.90(3H,s)、4.18(2H,s)、6.69(2H,d,J=8Hz)、6.9-7.5(6H,m)
化合物21 0.94(3H,t,J=7Hz)、1.3-1.9(4H,m) 、2.41(3H,s)、2.59(2H,t,J=6Hz)、2.83(3H,d,J=5Hz)、2.8-3.1(1H,brs) 、3.92(3H,s)、4.20(2H,s)、6.71(2H,d,J=8Hz)、6.9-7.6(6H,m)
化合物26 1.39(3H,t,J=7Hz)、2.41(3H,s)、2.81(3H,d,J=6Hz)、2.9-3.1(1H,brs) 、3.91(3H,s)、3.48(2H,q,J=7Hz)、4.18(2H,s)、6.79(4H,s)、7.0-7.7(4H,m) 化合物30 0.97(3H,t,J=6Hz)、1.3-2.0(4H,m) 、2.42(3H,s)、2.82(3H,d,J=5Hz)、2.8-3.1(1H,brs) 、3.90(3H,s)、3.90(2H,t,J=6Hz)、4.18(2H,s)、6.78(4H,s)、7.0-7.5(4H,m)
化合物31 2.41(3H,s)、2.82(3H,d,J=6Hz)、3.8-3.9(1H,brs) 、3.88(3H,s)、4.15(2H,s)、6.7-7.5(9H,m)
【0024】
化合物33 2.43(6H,s)、2.82(3H,d,J=5Hz)、3.90(3H,s)、4.20(2H,s)、6.78(2H,d,J=8Hz)、7.0-7.5(4H,m)
化合物42 2.41(3H,s)、2.80(3H,d,J=5Hz)、3.89(3H,s)、4.20(2H,s)、6.81(2H,d,J=8Hz)、7.0-7.4(5H,m) 、7.49(2H,d,J=8Hz)
化合物48 2.47(3H,s)、2.87(3H,d,J=4.8)、3.93(3H,s)、4.22(2H,s)、6.74(1H,m)、6.91(2H,d,J=8.4)、7.16(1H,d,J=6.9)、7.28-7.41(2H,m) 、7.47(1H,d,J=6.7)、7.55(2H,d,J=8.4)
化合物50 2.41(3H,s)、2.80(3H,d,J=6Hz)、2.7-3.0(1H,brs) 、3.89(3H,s)、4.19(2H,s)、6.78(2H,d,J=8Hz)、7.0-7.5(6H,m)
化合物52 2.23(6H,s)、2.40(3H,s)、2.80(3H,d,J=5Hz)、3.89(3H,s)、4.18(2H,s)、6.42(2H,s)、6.68(1H,s)、7.0-7.6(5H,m)
化合物55 2.45(3H,s)、2.85(3H,d,J=5Hz)、2.7-2.9(1H,brs) 、3.84(6H,s)、3.92(3H,s)、4.19(2H,s)、6.39(1H,d,J=9Hz)、6.45(1H,s)、6.80(1H,d,J=9Hz)、7.0-7.5(4H,m)
化合物62 2.30(3H,s)、2.42(3H,s)、2.82(3H,d,J=6Hz)、3.88(3H,s)、4.14(2H,s)、6.5-7.6(7H,m)
【0025】
化合物64 2.45(3H,s)、2.87(3H,d,J=5.0)、3.93(3H,s)、4.23(2H,s)、6.82(1H,d,J=4.6)、7.10-7.51(6H,m) 、8.17(1H,d,J=2.0)、8.32(1H,d,J=4.4)
化合物72 2.29(3H,s)、2.46(3H,s)、2.86(3H,d,J=5.0)、3.90(3H,s)、4.28(2H,s)、6.83(1H,d,J=8.1)、7.14(1H,brs)、7.13-7.53(5H,m) 、8.23(1H,s)
化合物74 2.47(3H,s)、2.88(3H,s)、3.92(3H,s)、3.95(3H,s)、4.24(2H,s)、6.65-6.79(2H,m) 、7.10-7.22(2H,m) 、7.26-7.43(2H,m) 、7.49(1H,s)、7.74(1H,d,J=2.5)
化合物76 2.48(3H,s)、2.88(3H,d,J=5.0)、3.92(3H,s)、4.27(2H,s)、6.89(1H,d,J=8.5)、6.97(1H,brs)、7.13-7.50(3H,m) 、7.61(1H,dd,J=5.9,2.6) 、8.36(1H,s)
化合物77 1.39(3H,t,J=8.4)、2.46(3H,s)、2.89(3H,s)、3.96(3H,s)、4.17(2H,brs)、4.32(2H,q,J=8.4)、6.64-6.80(2H,m) 、7.11-7.20(2H,m) 、7.27-7.50(3H,m) 、7.72(1H,s)
化合物78 1.33(6H,d,J=6.1)、2.46(3H,s)、2.87(3H,brs)、3.94(3H,s)、4.25(2H,s)、5.24(1H,sep,J=6.1)、6.63(1H,d,J=8.6)、6.78(1H,d,J=4.7)、7.10-7.20(2H,m) 、7.26-7.52(3H,m) 、7.72(1H,d,J=2.6)
化合物79 2.47(3H,s)、2.86(3H,s)、3.93(3H,s)、4.23(2H,s)、4.72(2H,q,J=8.6)、6.70-6.87(2H,m) 、7.10-7.41(4H,m) 、7.46(1H,s)、7.68(1H,d,J=2.6)
化合物80 2.50(3H,s)、2.89(3H,d,J=5.0)、3.94(3H,s)、4.24(2H,s)、6.87(1H,brs)、7.10-7.54(6H,m) 、7.96(1H,d,J=2.4)
化合物81 2.21(1.2H,s)、2.26(1.8H,s)、2.54(1.2H,s)、2.60(1.8H,s)、2.90(3H,d,J=5.0)、3.70(1.8H,s)、3.75(1.2H,s)、3.97(3H,s)、4.31(2H,s)、5.93(0.4H,s)、5.98(0.6H,s)、6.80(1H,s)、7.10-7.21(1H,m) 、7.27-7.54(3H,m)
化合物82 2.18(3H,s)、2.24(3H,s)、2.90(3H,d,J=5.0)、2.95(3H,s)、3.99(3H,s)、4.28(2H,s)、6.74(1H,brs)、7.14(1H,d,J=7.2)、7.20-7.40(2H,m) 、7.50(1H,d,J=6.8)
【0026】
次に、本発明化合物を製造する際の原料化合物である、本発明化合物の対応するメチルエステルである化合物の製造例を示す。
参考製造例1
N−(4−エトキシフェニル)−S−メチルジチオカーバメート 0.9g(4mmol) の無水THF(テトラヒドロフラン)溶液(30ml)に水素化ナトリウム0.17g(4mmol) を加え、30分間攪拌した。この溶液に、(E)−2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−メトキシイミノ酢酸メチル 1.2g(4mmol) のDMF(ジメチルホルムアミド)溶液を加え、室温下に2時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去して褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(4−エトキシフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.4gを得た。
1H−NMR(60MHz,CDCl3 /TMS,δ(ppm)): 1.39(3H,t,J=7.5Hz)、2.41(3H,s)、3.76(3H,s)、3.85(2H,q,J=8Hz)、4.00(3H,s)、4.18(2H,s)、6.76(4H,s)、7.0-7.6(4H,m)
参考製造例2
N−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−ピリジン−3−イル)−S−メチルジチオカーバメート 1.0g(4mmol) の無水THF溶液(30ml)に水素化ナトリウム(60重量% in オイルディスパージョン) 0.18g(5mmol) を加え、30分間攪拌した。この溶液に、(E)−2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−メトキシイミノ酢酸メチル 1.1g(4mmol) のDMF溶液を加え、室温下に2時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去して褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−ピリジン−3−イル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.3gを得た。
参考製造例3
N−(4−メトキシフェニル)−S−メチルジチオカーバメート 0.9g(4mmol) の無水THF(テトラヒドロフラン)溶液(30ml)に水素化ナトリウム0.17g(4mmol) を加え、30分間攪拌した。この溶液に、(E)−2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−メトキシイミノ酢酸メチル 1.2g(4mmol) のDMF(ジメチルホルムアミド)溶液を加え、室温下に2時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去して褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(4−メトキシフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.3gを得た。
1H−NMR(60MHz,CDCl3 /TMS,δ(ppm)): 2.40(3H,s)、3.73(6H,s)、3.99(3H,s)、4.19(2H,s)、6.79(4H,s)、6.1-7.5(4H,m)
【0027】
参考製造例4
N−(4−メチルフェニル)−S−メチルジチオカーバメート 0.8g(4mmol) の無水THF溶液(30ml)に水素化ナトリウム(60重量% in オイルディスパージョン) 0.18g(5mmol) を加え、30分間攪拌した。この溶液に、(E)−2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−メトキシイミノ酢酸メチル 1.1g(4mmol) のDMF溶液を加え、室温下に2時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去して褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(4−メチルフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.3gを得た。
参考製造例5
N−(3−クロロフェニル)−S−メチルジチオカーバメート 0.8g(4mmol) の無水THF溶液(30ml)に水素化ナトリウム(60重量% in オイルディスパージョン) 0.15g(5mmol) を加え、30分間攪拌した。この溶液に、(E)−2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−メトキシイミノ酢酸メチル 1.1g(4mmol) のDMF溶液を加え、室温下に2時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去して褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(3−クロロフェニル)−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.2gを得た。
1H−NMR(60MHz,CDCl3 /TMS,δ(ppm)): 2.42(3H,s)、3.78(3H,s)、4.00(3H,s)、4.19(2H,s)、6.5-7.7(8H,m)
参考製造例6
N−フェニル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカーバメート 2.0g (5mmol) の無水DMF溶液(10ml)に、水素化ナトリウム(60重量% in オイルディスパージョン) 0.24g(6mmol) を加え、30分間攪拌した。この溶液に、よう化メチル 0.9g(6mmol) のDMF溶液を加え、室温下に2時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去して褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−フェニル−S−メチル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカルボンイミド 1.8gを得た。
1H−NMR(60MHz,CDCl3 /TMS,δ(ppm)): 2.48(3H,s)、3.80(3H,s)、4.05(3H,s)、4.23(2H,s)、6.7-7.6(9H,m)
【0028】
次に、一般式 化5で示されるジチオカーバメート誘導体の製造例を示す。
参考製造例7
アニリン 5.0g(54mmol) とトリエチルアミン11.0g(108mmol) を含むジエチルエーテル溶液(50ml)に二硫化炭素 4.2g(55mmol) を加え、室温下に1晩攪拌した。析出した固形物をろ取し、ジエチルエーテルにて洗浄したのち、乾燥して、N−フェニルジチオカルボンイミドのトリエチルアンモニウム塩11gを得た。
このN−フェニルジチオカルボンイミドのトリエチルアンモニウム塩 3.7g(10mmol) をDMF(30ml)に溶解し、この溶液に、(E)−2−(2−ブロモメチルフェニル)−2−メトキシイミノ酢酸メチル 2.9g(10mmol) を加え、室温下に2時間攪拌した。この反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水を加えて、分液した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)に付し、N−フェニル−S−(2−(α−メトキシイミノ−α−メトキシカルボニルメチル)フェニルメチル)ジチオカーバメート 2.9gを得た。
1H−NMR(60MHz,CDCl3 /TMS,δ(ppm)):3.81(3H,s)、 4.00(3H,s) 、4.43(2H,s)、7.0-7.6(9H,m) 、8.95(1H,brs)
【0029】
次に、一般式 化3で示されるジチオカーバメート化合物の製造例を示す。
参考製造例8
p−アニシジン 2.0g(16mmol) とトリエチルアミン 3.3g(32mmol) を含むジエチルエーテル溶液(30ml)に二硫化炭素 1.3g(16mmol) を加え、室温下に1晩攪拌した。析出した固形物をろ取し、ジエチルエーテルにて洗浄、乾燥を行ない、N−(4−メトキシフェニル)ジチオカルボンイミドのビストリエチルアンモニウム塩 5.6gを得た。
このN−(4−メトキシフェニル)ジチオカルボンイミドのビストリエチルアンモニウム塩 2.0g(5mmol) をメタノール(10ml)に溶解し、この溶液によう化メチル 0.8g(5mmol) のメタノール溶液(5ml)を滴下し、室温下に2時間攪拌した。溶媒を減圧下に留去した後、残渣をジクロロメタンで希釈し、水を加え、分液した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去して固形物を得た。この固形物にヘキサンを加え分散させた後、ろ取、乾燥して、N−(4−メトキシフェニル)−S−メチルジチオカーバメート 0.9gを得た。
1H−NMR(60MHz,CDCl3 /TMS,δ(ppm)): 2.51(3H,s) 、3.81(3H,s)、6.86(2H,d,J=9Hz)、7.28(2H,d,J=9Hz)、8.90(1H,brs)
【0030】
次に製剤例を示す。なお、部は重量部を表わす。
製剤例1
本発明化合物 (1)〜(82)の各々50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部および合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより、各々の水和剤を得る。
製剤例2
本発明化合物 (1)〜(82)の各々25部、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート3部、CMC3部および水69部を混合し、有効成分の粒度が5ミクロン以下になるまで湿式粉砕することにより、各々の懸濁剤を得る。
製剤例3
本発明化合物 (1)〜(82)の各々2部、カオリンクレー88部およびタルク10部をよく粉砕混合することにより、各々の粉剤を得る。
製剤例4
本発明化合物 (1)〜(82)の各々20部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部およびキシレン60部をよく混合することにより、各々の乳剤を得る。
製剤例5
本発明化合物 (1)〜(82)の各々2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー65部をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥することにより、各々の粒剤を得る。
製剤例6
本発明化合物 (1)〜(82)の各々20部とソルビタントリオレエート 1.5部とを、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液28.5部と混合し、サンドグラインダーで微粉砕(粒径3μ以下)した後、この中に、キサンタンガム0.05部およびアルミニウムマグネシウムシリケート 0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合して各々の20%水中懸濁剤を得る。
製剤例7
本発明化合物 (1)〜(82)の各々 0.1部をキシレン5部およびトリクロロエタン5部に溶解し、これを脱臭灯油89.9部に混合して各々の 0.1%油剤を得る。
製剤例8
本発明化合物 (1)〜(82)の各々 0.1部、テトラメスリン 0.2部、d−フェノスリン 0.1部、トリクロロエタン10部および脱臭灯油59.6部を混合溶解し、エアゾール容器に充填し、バルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)30部を加圧充填して各々の油性エアゾールを得る。
製剤例9
本発明化合物 (1)〜(82)の各々 0.2部、d−アレスリン 0.2部、d−フェノスリン 0.2部、キシレン5部、脱臭灯油 3.4部および乳化剤{アトモス300(アトラスケミカル社登録商標名)}1部を混合溶解したものと、純水50部とをエアゾール容器に充填し、バルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を加圧充填して各々の水性エアゾールを得る。
製剤例10
本発明化合物 (1)〜(82)の各々 0.3gにd−アレスリン 0.3gを加え、アセトン20mlに溶解し、蚊取線香用担体(タブ粉:粕粉:木粉を4:3:3の割合で混合)99.4gと均一に攪拌混合した後、水120mlを加え、充分練り合わせたものを成型乾燥して各々の蚊取線香を得る。
製剤例11
本発明化合物 (1)〜(82)の各々 0.4g、d−アレスリン 0.4gおよびピペニルブトキサイド 0.4gにアセトンを加えて溶解し、トータルで10mlとする。この溶液 0.5mlを、 2.5cm×1.5cm 、厚さ 0.3cmの電気マット用基剤(コットンシリンターとパルプの混合物のフィブリルを板状に固めたもの)に均一に含浸させて、各々の電気蚊取マットを得る。
製剤例12
本発明化合物 (1)〜(82)の各々100mgを適量のアセトンに溶解し、 4.0cm× 4.0cm、厚さ 1.2cmの多孔セラミック板に含浸させて各々の加熱燻煙剤を得る。
製剤例13
本発明化合物 (1)〜(82)の各々10mgをアセトン 0.5mlに溶解し、この溶液を、動物用固型飼料粉末(飼育繁殖用固型飼料粉末CE−2、日本クレア株式会社商品名)5gに処理し、均一に混合する。ついでアセトンを風乾し、各々の 0.5%毒餌を得る。
【0031】
次に、本発明化合物が農園芸用殺菌剤として有用であることを試験例で示す。なお、比較対照に用いた化合物は、表7に記載の化合物記号で示す。
【表7】
Figure 0003704732
防除効力は、調査時の供試植物の発病状態すなわち葉、茎等の菌叢、病斑の程度を肉眼観察し、菌叢、病斑が全く認められなければ「5」、10%程度認められれば「4」、30%程度認められれば「3」、50%程度認められれば「2」、70%程度認められれば「1」、それ以上で化合物を供試していない場合の発病状態と差が認められなければ「0」として、6段階に評価し、それぞれ5,4,3,2,1,0で示す。
【0032】
試験例1 イネいもち病防除試験(予防効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(日本晴)を播種し、温室内で20日間育成した。その後、製剤例1に準じて水和剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それをそのイネ葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、植物を風乾し、いもち病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、28℃、多湿下で6日間置いた後、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
化合物Aは防除価「0」を示した。
試験例2 イネいもち病防除試験(治療効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(日本晴)を播種し、温室内で20日間育成し、いもち病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、28℃、多湿下で1日置いた。その後、製剤例1に準じて水和剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それをそのイネの幼苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、28℃多湿下で5日間置いた後、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
化合物Aは防除価「0」を示した。
試験例3 イネ紋枯病防除試験(予防効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(日本晴)を播種し、温室内で20日間育成した。製剤例1に準じて水和剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それをそのイネの葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、植物を風乾し、紋枯病菌のフスマ培養菌糸を根元において接種した。接種後、28℃、多湿下で4日間置いた後、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
化合物Aは防除価「0」を示した。
【0033】
試験例4 トマト疫病防除試験(予防効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(ポンテローザ)を播種し、温室内で20日間育成した。製剤例1に準じて水和剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それを第2〜3本葉が展開したそのトマトの幼苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、トマト疫病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、20℃、多湿下で1日置いた後、さらに照明下で5日間生育し、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
化合物Aは防除価「0」を示した。
試験例5 コムギうどんこ病防除試験(治療効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73号)を播種し、温室内で10日間育成した。第2葉が展開したそのコムギの幼苗にコムギうどんこ病菌をふりかけ、接種した。接種後、23℃の温室で3日間育成し、製剤例2に準じて懸濁剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それをそのコムギの葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、さらに照明下で7日間成育し、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
化合物Aは防除価「0」を示した。
【0034】
試験例6 コムギさび病防除試験(予防効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73号)を播種し、温室内で10日間育成した。製剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それを第2〜3本葉が展開したそのコムギの幼苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。風乾後、コムギさび病菌の胞子を接種し、23℃、暗黒多湿下で1日置いた後、さらに照明下で6日間生育し、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
化合物Aは防除価「0」を示した。
試験例7 コムギ葉枯病防除試験(予防効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73号)を播種し、温室内で10日間育成した。製剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それをそのコムギの幼苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、コムギ葉枯病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、15℃、暗黒多湿下で3日置いた後、さらに照明下で18日間生育し、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
化合物Aは防除価「0」を示した。
試験例8 ブドウべと病防除試験(治療効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、ブドウ(ベリーA)を播種し、温室内で40日間育成した。本葉が3枚程度展開したそのブドウの幼苗に、ブドウべと病菌の遊走子嚢懸濁液を噴霧接種した。接種後、23℃、多湿下で1晩置いた後、製剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それをそのブドウの葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、さらに7日間育成し、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
化合物Aは防除価「0」を示した。
【0035】
試験例9 ブドウうどんこ病防除試験(予防効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、ブドウ(ベリーA)を播種し、温室内で1カ月半育成した。製剤例2に準じて懸濁剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それをそのブドウの幼苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、植物を風乾し、うどんこ病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、25℃の温室で14日間育成し、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
試験例10 キュウリ灰色かび病防除試験(予防効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ(相樸半白)を播種し、温室内で12日間育成した。製剤例1に準じて水和剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それをそのキュウリの幼苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、灰色かび病の胞子懸濁液を接種した。接種後、10℃、多湿、暗黒下で4日間生育し、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
試験例11 リンゴ黒星病防除試験(予防効果)
プラスチックポットに砂壌土を詰め、リンゴ(ふじ))を播種し、温室内で20日間育成した。製剤例2に準じて懸濁剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にし、それを第4〜5本葉が展開したリンゴの幼苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、リンゴ黒星病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、15℃、多湿、暗黒下で4日間置いた後、さらに照明下で15日間生育し、防除効力を調査した。その結果、以下の化合物番号の化合物は防除価「5」を示した。
化合物番号:1,2,3,6,7,9,10,18,19,21,26,30,31,32, 33,42,48, 50,52,55,62,64,72, 74, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82
【0036】
次に、殺虫、殺ダニ試験の例を示す。
試験例12 ワタアブラムシに対する試験
播種7日後の鉢植ワタに、1葉あたり約20頭のワタアブラムシ幼虫を寄生させ、製剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(50ppm)にした。この溶液をターンテーブル上で1鉢あたり15ml散布した。7日後に寄生しているワタアブラムシの数を調査した。
その結果、化合物10、19、21、26、31、48、50、74、77、78、79を処理したワタには全く生存虫が認められなかった。
試験例13 アカイエカに対する試験
製剤例4に準じて得られた供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にした。この溶液0.7mlを100mlのイオン交換水に加えた。(有効成分濃度3.5ppm)。その中にアカイエカ終令幼虫20頭を放ち、8日後の羽化阻害率を調査した。
その結果、化合物3 、7 、9 、10、18、19、21、26、31、42、48、50、77、78、79、80は羽化阻害率90%以上を示した。
試験例14 ニセナミハダニに対する試験
播種7日後の鉢植ツルナシインゲン(初生葉期)に、1葉あたり10頭のニセナミハダニの雌成虫を寄生させ、25℃の恒温室に置いた。6日後、製剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度(500ppm)にした。この溶液をターンテーブル上で1鉢あたり15ml散布し、同時に同液2mlを土壌潅注した。8日後に植物のハダニによる被害程度を調査した。効果判定基準は
−:ほとんど被害が認められない。
+:少し被害が認められる。
++:無処理区と同様の被害が認められる。
とした。
その結果、化合物7 、10、19、21、31、48、50、77、78、79の効果判定は−であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明化合物は、優れた殺菌効力および殺虫、殺ダニ効力を示す。

Claims (8)

  1. 一般式 化1
    Figure 0003704732
    〔式中、Aは、3個以下の置換基(置換基は同一または相異なり、C 1 −C 6 アルキル基、ハロゲン原子、C 1 −C 6 アルコキシ基、フェノキシ基、C 1 −C 6 アルキルチオ基、アルキル(C 1 −C 6 )オキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、C 1 −C 6 ハロアルキル基またはC 1 −C 6 ハロアルコキシ基であるか、あるいはフッ素原子で置換されていてもよいメチレンジオキシ基である)で置換されていてもよいフェニル基であるか、または、3個以下の置換基(置換基は同一または相異なり、C 1 −C 6 アルキル基、C 1 −C 6 アルコキシ基、C 1 −C 6 ハロアルコキシ基またはハロゲン原子)で置換されていてもよい、炭素原子を介してN原子に結合した5員または6員の芳香族複素環基を表わし、BはC1−C6アルキル基を表わす。〕
    で示されるジチオカルボンイミド誘導体。
  2. 5員または6員の芳香族複素環基がピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基またはチアジアゾリル基である、請求項1記載のジチオカルボンイミド誘導体。
  3. Aが、3個以下の置換基(置換基は同一または相異なり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチレンジオキシ基またはジフルオロメチレンジオキシ基である)で置換されていてもよいフェニル基であるか、あるいは各々3個以下の置換基(置換基は同一または相異なり、メチル基、メトキシ基、イソプロピルオキシ基、トリフルオロエトキシ基または塩素原子)で置換されていてもよい、2−、3−、4−ピリジル基、2−、4−、5−ピリミジニル基、3−、4−ピリダジニル基、3−、4−、5−ピラゾリル基、2−、4−イミダゾリル基、2−、4−、5−オキサゾリル基、2−、4−、5−チアゾリル基、3−、4−、5−イソチアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基または1,3,4−チアジアゾール−2−イル基であり、BがC1−C3アルキル基である、請求項1記載のジチオカルボンイミド誘導体。
  4. Bがメチル基である請求項1、2または3記載のジチオカルボンイミド誘導体。
  5. Aが、3個以下の置換基(置換基は同一または相異なり、C 1 −C 6 アルキル基、ハロゲン原子、C 1 −C 6 アルコキシ基、フェノキシ基、C 1 −C 6 アルキルチオ基、シアノ基、C 1 −C 6 ハロアルキル基またはC 1 −C 6 ハロアルコキシ基である)で置換されていてもよいフェニル基であるか、または、3個以下の置換基(置換基は同一または相異なり、C 1 −C 6 アルキル基、C 1 −C 6 アルコキシ基、C 1 −C 6 ハロアルコキシ基またはハロゲン原子)で置換されていてもよい、炭素原子を介してN原子に結合した5員または6員の芳香族 複素環基である、請求項1記載のジチオカルボンイミド誘導体。
  6. Aが、3個以下の置換基(置換基は同一または相異なり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、塩素原子、メトキシ基、エトキシ基、n−ブチルオキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、シアノ基、トリフルオロメチル基またはトリフルオロメトキシ基である)で置換されていてもよいフェニル基であるか、または、3個以下の置換基(置換基は同一または相異なりメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、トリフルオロエトキシ基または塩素原子)で置換されていてもよい、炭素原子を介してN原子に結合した5員または6員の芳香族複素環基である、請求項1記載のジチオカルボンイミド誘導体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のジチオカルボンイミド誘導体を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のジチオカルボンイミド誘導体を有効成分として含有することを特徴とする殺虫、殺ダニ剤。
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