JPH08270081A - 架構構造物の施工方法 - Google Patents

架構構造物の施工方法

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JPH08270081A
JPH08270081A JP7079145A JP7914595A JPH08270081A JP H08270081 A JPH08270081 A JP H08270081A JP 7079145 A JP7079145 A JP 7079145A JP 7914595 A JP7914595 A JP 7914595A JP H08270081 A JPH08270081 A JP H08270081A
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Masatsune Ogura
正恒 小倉
Kazutomo Yokoyama
一智 横山
Hiroyuki Seki
博之 関
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基準層の下方に無柱空間を有した構造物を、
経済的なものとし、かつその設計の容易化を図ることの
できる架構構造物の施工方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 基準層躯体13上に中間層躯体16の下層部
16aを建方していき、定められた階Fを建方するに際
して、この階Fの各柱部材17aと、先に建方した直下
階F’の柱部材17’aとを接合せずにこれらの間にジ
ャッキ機構22,22を介装させておき、上層部16b
および最上層躯体15を建方した後に、ジャッキ機構2
2,22,…を取り外して、その上下に位置する柱部材
17a,17’aどうしを溶接して接合する構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば地上部に大空間
を形成するために、地上部を柱のない無柱空間としたビ
ルを構築するのに好適な架構構造物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、図12に示すように、地上部に大
空間1を形成するために、外周部にのみ柱2,2,…を
立設するとともに、地上から一定寸法上方に基準階3を
設置し、その上に上層階4を設けた形式として、基準階
3の下方を無柱空間6としたビル(架構構造物)5があ
る。そして、このようなビル5は、言うまでもなく、下
方から上方に向けて順次積み上げ構築していくのが通常
である。
【0003】このようなビル5では、基準階3の躯体
に、それより上方の上層階4の荷重が集中してかかるた
め、基準階3の躯体を設計するに際しては、前記荷重を
支持できるようにしているのは周知のとおりである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の架構構造物には、以下のような問題が存
在する。すなわち、前述したように、基準階3の躯体で
上層階4の全荷重を支持するため、基準階3を構成する
各部材には、前記荷重に耐え得る大断面のものを採用し
ており、非常に不経済であるという問題がある。しか
も、地震時の振動による応力等を組み合わせると、その
設計が非常に複雑で困難なものになってしまう。この問
題は、ビル5が高層となればなるほど顕著なものとなっ
ている。
【0005】また、近年では、ビル5の最上部5aをト
ラス構造とすることによって、上層階4の荷重を基準階
3と最上部5aとで分担して支持する構造も採用されて
いるが、このような構造においても、その施工に際し、
最上部5aの構築が完了するまでの間は、基準階3に上
層階4の全荷重がかかることになる。このため、基準階
3に、最上部5aを除く上層階の荷重を支持するだけの
強度を持たせなければならず、また、施工完了後も上層
階4の荷重による応力が基準階3に残存するため、前記
の問題の解決には至っていない。
【0006】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、経済的で、かつ設計の容易化を図ることの
できる架構構造物の施工方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
外周部に立設されたコア柱と、地表面から一定寸法上方
に設けられたトラス構造の基準層躯体と、トラス構造の
最上層躯体とから外周フレームが構成され、該外周フレ
ームの前記基準層躯体と最上層躯体との間に中間層躯体
が設けられた構成からなる架構構造物の施工方法であっ
て、前記中間層躯体を上層部と下層部とに区分してお
き、前記基準層躯体と最上層躯体とをそれぞれ定められ
た高さにおいて前記コア柱に接合するとともに、前記基
準層躯体で前記中間層躯体の下層部の荷重を支持し、前
記最上層躯体で前記中間層躯体の上層部の荷重を支持し
た状態とし、しかる後に、前記中間層躯体の上層部と下
層部とを接合する構成としたことを特徴としている。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1記載の架
構構造物の施工方法において、まず前記コア柱を所定の
高さまで構築した時点で、基準層躯体を定められた高さ
に建方した後、コア柱の構築と、前記基準層躯体上への
中間層躯体の建方とを行っていき、前記中間層躯体の予
め定めておいた階を建方するときに、この階に配する柱
部材を先に建方した直下階の柱部材に接合しないでおく
とともに、これら互いに上下に位置する柱部材間にジャ
ッキを介装させておき、前記中間層躯体の最上階までの
建方が完了した後に、前記最上層躯体を建方して、該最
上層躯体と前記中間層躯体とを接合した後、前記した階
において前記ジャッキを取り外すとともに、その上下に
位置する柱部材どうしを接合することを特徴としてい
る。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項1記載の架
構構造物の施工方法において、前記コア柱を所定の高さ
まで構築するとともに、前記最上層躯体を地組した後、
前記最上層躯体を上昇手段によって上昇させ、この後
に、前記コア柱を先行させて構築しつつ、前記最上層躯
体の下方に前記中間層躯体を吊り下げて組み立てる工程
と、これら最上層躯体と中間層躯体とを前記上昇手段で
上昇させる工程とを繰り返すことによって、前記中間層
躯体の上層部の予め定めた階数分を上階から下階に向け
て順次組み立てていき、前記コア柱を最上部まで構築し
た時点で、これら中間層躯体の上層部と前記最上層躯体
とを前記上昇手段で上昇させて、これを前記コア柱の定
められた高さに接合し、しかる後に、その下方において
前記基準層躯体を定められた高さに建方し、該基準層躯
体上に、前記中間層躯体の下層部の建方を下方から上方
に向けて行うことを特徴としている。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項1記載の架
構構造物の施工方法において、前記コア柱を所定の高さ
まで構築した後に、前記最上層躯体を組み立てるととも
に、該最上層躯体に前記コア柱に反力をとってこれをク
ライミングさせるためのクライミング機構を取り付け、
この後に、前記クライミング機構で前記最上層躯体を前
記コア柱に沿ってクライミングさせるとともに、その下
方において前記基準層躯体を定められた高さに建方し、
該基準層躯体上において、前記コア柱を積み上げ構築し
つつ、構築したコア柱に反力をとって前記クライミング
機構で前記最上層躯体をクライミングさせていき、これ
とともに、前記基準層躯体上に、前記中間層躯体の下層
部の予め定めた階数分を建方し、前記コア柱を最上部ま
で構築して、これに前記最上層躯体を接合した後に、前
記最上層躯体の下側に、前記中間層躯体の上層部の所定
階層分を吊り下げて建方し、しかる後に、前記中間層躯
体の前記上層部と前記下層部とを接合することを特徴と
している。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明では、基準層躯体と最上層
躯体とをコア柱に接合するとともに、基準層躯体で中間
層躯体の下層部の荷重を支持し、最上層躯体で前記中間
層躯体の上層部の荷重を支持した状態とした後、最終的
に中間層躯体の上層部と下層部とを接合する構成とし
た。これにより、施工中においてはもちろんのこと、中
間層躯体の上層部と下層部とを接合した後においても、
中間層躯体の下層部の荷重を基準層躯体で支持し、上層
部の荷重を最上層躯体で支持する状態を維持することが
できる。
【0012】請求項2記載の発明では、基準層躯体上に
中間層躯体を建方していき、該中間層躯体の定められた
階を建方するに際して、この階に配すべき柱部材を、先
に建方した直下階の柱部材とは接合せずにこれらの柱部
材間にジャッキを介装させておき、この後にこの上に中
間層躯体および最上層躯体を建方した後、最終的にジャ
ッキを取り外し、その上下に位置する柱部材どうしを接
合する構成とした。このようにして、中間層躯体の定め
られた階の柱部材間にジャッキを介して縁切りしてお
き、その後にジャッキを取り外して上下の柱部材を接合
することによって、基準層躯体でジャッキを設置した階
よりも下方の中間層躯体、すなわち下層部の荷重を支持
するとともに、最上層躯体でジャッキを設置した階より
も上方の階の中間層躯体、すなわち上層部の荷重を支持
した状態とした後、最終的に中間層躯体の上層部と下層
部とを接合する構成とすることができる。したがって、
施工途中においてはもちろんのこと施工完了後において
も、中間層躯体の上層部の荷重は最上層躯体に支持さ
れ、下層部の荷重は基準層躯体によって支持されること
になる。
【0013】請求項3記載の発明では、最上層躯体を地
組した後、上昇手段でこれを上昇させつつ、その下方に
おいて中間層躯体の上層部を上階から下階に向けて吊り
下げて組み立てた時点で、これら中間層躯体の上層部と
前記最上層躯体とを、最上部まで構築したコア柱に接合
するとともに、基準層躯体を建方し、その上に中間層躯
体下層部の建方を行う構成とした。このようにすること
によって、基準層躯体で中間層躯体の下層部の荷重を支
持するとともに、最上層躯体で中間層躯体の上層部の荷
重を支持した状態とした後、最終的に中間層躯体の上層
部と下層部とを接合する構成とすることができる。した
がって、施工途中においてはもちろんのこと施工完了後
においても、中間層躯体の上層部の荷重は最上層躯体に
支持され、下層部の荷重は基準層躯体によって支持され
ることになる。
【0014】請求項4記載の発明では、最上層躯体を組
み立てるとともに、これをクライミング機構でクライミ
ングさせつつ、その下方において基準層躯体の建方、コ
ア柱の積み上げ構築を行うとともに、建方した基準層躯
体上に、下層部の所定階層分の中間層躯体を建方してい
く。そして、最上部まで構築したコア柱に最上層躯体を
接合した後に最上層躯体の下側に上層部の所定階層分の
中間層躯体を吊り下げて建方し、しかる後に、中間層躯
体の上層部と下層部とを接合する構成とした。このよう
にすることによって、基準層躯体で中間層躯体の下層部
の荷重を支持するとともに、最上層躯体で中間層躯体の
上層部の荷重を支持した状態とした後、最終的に中間層
躯体の上層部と下層部とを接合する構成とすることがで
きる。したがって、施工途中においてはもちろんのこと
施工完了後においても、中間層躯体の上層部の荷重は最
上層躯体に支持され、下層部の荷重は基準層躯体によっ
て支持されることになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図面に示す第一ないし第三実
施例を参照して説明する。
【0016】[第一実施例]これに先立ち、本発明にか
かる架構構造物の施工方法を適用して構築すべき架構構
造物について説明する。図1に示すように、ビル(架構
構造物)10は、例えば平面視矩形で、その両側面10
a,10aには、両端部と中間部とに、メガ柱(コア
柱)11,11,…が立設されている。各メガ柱11
は、鉄筋コンクリート造を主体とした、例えば上下方向
に連続する断面視ロ字状のコアウォール構造となってお
り、その内部には、例えばエレベータや各種設備、機械
室等が収められている。
【0017】これらメガ柱11,11,…によって支持
されたビル10の躯体12は、その最下部である基準層
躯体13が例えば地上4階に相当する高さに設けられ、
その下方に大空間14が形成された構成となっている。
【0018】基準層躯体13は、例えば2階分の高さ離
間して配された上弦材13aと下弦材13bとの間に、
柱部材13cとラチス材13dとが組み合わされたトラ
ス構造とされている。
【0019】また、躯体12の最上部を構成する最上層
躯体15も同様に、例えば2階分の高さを有しており、
上弦材15aと下弦材15bとの間に、柱部材15cと
ラチス材15dとが組み合わされたトラス構造とされて
いる。
【0020】そして、基準層躯体13と最上層躯体15
との間において、躯体12の中間の各階を構成する中間
層躯体16は、例えば鉄骨造で、一定間隔毎に立設され
た柱17と、各階毎に架設された梁18とからなる、通
常のラーメン構造となっている。
【0021】上記した鉄筋コンクリート造のメガ柱1
1,鉄骨トラス構造の基準層躯体13および最上層躯体
15とから、強固なメガストラクチャー(外周フレー
ム)20が構成されており、ビル10の躯体12は、こ
のメガストラクチャー20の内方に、中間層躯体16が
配された構成となっている。
【0022】次に、このようなビル10の施工方法につ
いて図1ないし図3を参照して説明する。まず、図2に
示すように、地盤G中に構築した図示しない基礎あるい
は地下階躯体上の所定の位置に、メガ柱11,11,…
を構築していく。
【0023】そして、これらのメガ柱11の構築作業
が、少なくとも基準層躯体13を建方すべき高さよりも
上方にまで進行した後に、基準層躯体13を所定の高さ
に建方してメガ柱11,11,…に接合する。
【0024】基準層躯体13の建方が完了した後には、
各メガ柱11の構築作業と、基準層躯体13上における
中間層躯体16の建方作業とを平行して進行させてい
く。
【0025】このようにして中間層躯体16の下層部1
6aを積み上げ構築していき、中間層躯体16の予め定
めた階Fを建方するときには、この階Fを構成する柱部
材17aと、既に建方の完了した直下階F’を構成する
柱部材17’aとを接合しないでおく。そして、この階
Fの組み立てが完了した後、図3に示すように、各柱部
材17aの下部に予め設けておいたブラケット21,2
1と、直下階F’の梁18との間に、例えば油圧ジャッ
キ等のジャッキ機構22,22を介装させる。次いで、
これらジャッキ機構22を一斉に伸長させて、互いに上
下に位置する柱部材17a,17’a間を予め設定した
寸法δだけ離間させておく。
【0026】この後は、図2に示したように、通常と同
様にして、メガ柱11の構築と、中間層躯体16の上層
部16bの建方とを続行し、これらを最上部まで建方す
る。
【0027】そして、中間層躯体16上に最上層躯体1
5を建方し、この最上層躯体15を、各メガ柱11およ
び中間層躯体16に接合する。
【0028】この時点で、ジャッキ機構22,22,…
を設置した階Fよりも下方側の下層部16aの荷重は、
基準層躯体13によって支持されていることになる。一
方、前記階Fよりも上方側の上層部16bの荷重は、最
上層躯体15にも支持されているが、ジャッキ機構2
2,22,…および下層部16aを介して、基準層躯体
13によっても支持された状態となっている。
【0029】この後に、全てのジャッキ機構22を一斉
に収縮させてジャッキダウンさせる。このとき、柱部材
17a,17’aのジャッキダウン前の初期の離間寸法
δ(図3参照)は、ジャッキダウン時の荷重の減少によ
って基準層躯体13の下方へのたわみ量が減少したとき
に、その離間寸法δ’が上下の柱部材17a,17’a
を互いに溶接するためのルートギャップとなるように設
定されている。すなわち、上下に位置する柱部材17
a,17’aどうしはジャッキダウン後においても、当
接せずに前記離間寸法δ’だけ離間した状態となるよう
になっている。
【0030】すると、これらのジャッキ機構22を設置
した階Fよりも下方側の下層部16aの荷重は、基準層
躯体13によって支持されていることに変わりはない
が、上層部16bの荷重は、最上層躯体15によっての
み支持された状態となる。したがって、ジャッキダウン
する前の状態と比較すると、基準層躯体13で支持する
荷重は上層部16bの分だけ減少し、その分だけ応力が
解除されることになる。
【0031】そして、ジャッキダウンの完了後、この階
Fにおいて、各柱部材17a,17’aのジョイント部
を溶接して接合する。
【0032】このようにして、図1に示したビル10の
躯体12の構築が完了する。これ以降においては、ジャ
ッキ機構22を設置した階Fよりも下方側の下層部16
aの荷重が基準層躯体13によって支持され、上層部1
6bの荷重は最上層躯体15によって支持された状態が
維持される。
【0033】上述したビル10の施工方法では、基準層
躯体13上に中間層躯体16を建方していき、定められ
た階Fの中間層躯体16を建方するに際して、この階F
の各柱部材17aと、先に建方した直下階F’の柱部材
17’aとを接合せずにこれらの間にジャッキ機構2
2,22を介装させておき、この後に上層部16bおよ
び最上層躯体15を建方した後に、ジャッキ機構22,
22,…を取り外して、その上下に位置する柱部材17
a,17’aどうしを溶接して接合する構成とした。こ
れにより、ビル10の完成後は、ジャッキ機構22を設
置した階Fよりも下方側の下層部16aの荷重は基準層
躯体13によって支持され、上層部16bの荷重は最上
層躯体15によって支持されることになる。このように
して中間層躯体16の荷重を、それぞれトラス構造の基
準層躯体13と最上層躯体15とで分担して支持するこ
とによって、特に基準層躯体13を構成する各部材の断
面寸法を小さくすることができ、これを経済的なものと
することができる。また、ビル10の基準層躯体13の
設計に際して、施工途中においては中間層躯体16全体
の荷重を支持できるようにして、完成後にはジャッキ機
構22を設置した階Fよりも下方側の下層部16aの荷
重を支持できるように設計すればよい。しかも、施工途
中と完成後を比較すると、支持しなければならない荷重
が激減し、残存する応力が大幅に減少するため、設計の
容易化を図ることができる。しかも減少した応力の分で
地震の水平動、上下動による応力に対する耐力の少なく
とも一部が確保できるため、この点からもビル10の躯
体構造を経済的なものとすることができる。
【0034】しかも、ジャッキ機構22,22,…で、
柱部材17aをジャッキアップするときに、柱部材17
a,17’aの離間間隔δを、ジャッキダウン後の離間
間隔δ’が溶接のルートギャップとなるように予め設定
しておいたので、柱部材17a,17’aの溶接作業を
容易かつ確実に行うことができる。
【0035】なお、上記第一実施例において、ジャッキ
機構22を設置する階Fについては限定するものではな
く、例えば中間層躯体16の最下階、すなわち基準層躯
体13の直上階としてもよいし、また、中間層躯体16
の最上階等、他の階としてもよい。例えば、ジャッキ機
構22を設置する階Fを中間層躯体16の最下階とした
場合には、基準層躯体16で支持する荷重は、ジャッキ
アップ時には基準層躯体16よりも上方の荷重全てであ
ったのが、ジャッキダウン後には、基準層躯体16自身
の荷重のみに激減することになる。すると、仕上げ材に
よる荷重や、基準階に積載する機器等の荷重による応
力、自身の水平動上下動による応力を組み合わせても、
その大部分あるいは全部を、減少した分の荷重に対する
耐力でカバーすることも可能であり、設計を非常に容易
に行うことが可能となる。
【0036】[第二実施例]次に、本発明に係る架構構
造物の施工方法の他の実施例について、図4ないし図7
を参照して説明する。ここで、構築すべき架構構造物
は、前記第一実施例で用いたビル10(図1参照)と同
様であるので、その説明を省略する。
【0037】図1に示したビル10を施工するに際して
は、まず、図4(a)に示すように、メガ柱11,1
1,…の構築を先行させる。そして、地上において、最
上層躯体15を地組する。このとき、最上層躯体15の
組み立ては、床コンクリートの打設までとする。
【0038】次いで、図4(b)に示すように、先行構
築したメガ柱11,11,…の上部に、例えば大型ウイ
ンチ(上昇手段)25等の上昇機構を設置し、そのワイ
ヤー25a,25a,…で最上層躯体15を吊り上げ
る。
【0039】そして、吊り上げた最上層躯体15の下方
で、中間層躯体16の最上階を地組し、最上層躯体15
の下面に接合する。この後、図4(c)に示すように、
最上層躯体15を吊り上げつつ、その下方で中間層躯体
16の上層部16cを上階から下階に向けて順次地組し
て組み付けていく。なお、図5に示すように、中間層躯
体16の上層部16cの各階の梁18は、メガ柱11に
接合せず、また床コンクリート26も外周部を残して打
設するに留める。
【0040】そして、図6に示すように、メガ柱11の
最上部までの構築と、最上層躯体15の下方に予め定め
た階数分の上層部16cの組み付けとが完了した時点
で、これら最上層躯体15と中間層躯体16の上層部1
6cとを大型ウインチ25,25,…で所定の高さにま
で引き上げる。そして、最上層躯体15および上層部1
6cの各梁18をそれぞれメガ柱11,11,…に接合
するとともに、上層部16cの各階の外周部に床コンク
リートを打設する。さらに、上層部16cの下部には、
建方用のクレーン27等、揚重機構を取り付ける。
【0041】これと並行して、地上においては、基準層
躯体13の地組を行う。そして、組み立てた基準層躯体
13を、前記クレーン27等によって所定の高さにまで
吊り上げた後、図7(a)に示すように、これをメガ柱
11,11,…に接合する。
【0042】この後、図7(b)に示すように、基準層
躯体13上において、クレーン27等を用いて、中間層
躯体16の残る部分、すなわち下層部16dを、下方か
ら順次建方していく。
【0043】そして、最終的に、下層部16dを、既に
建方の完了している上層部16cに接合することによっ
て、図1に示したビル10の躯体12の構築が完了す
る。
【0044】上述したビル10の施工方法では、地組し
た最上層躯体15を大型ウインチ25,25,…で上昇
させつつ、その下側に中間層躯体16の予め定めた階数
分の上層部16cを組み付けた後に、これらを所定の高
さにおいてメガ柱11,11,…に接合し、基準層躯体
13を建方した後に、その上に中間層躯体16の下層部
16dを建方していく構成とした。これにより、施工途
中においてはもちろんのこと、完成後においても、中間
層躯体16の上層部16cの荷重は最上層躯体15に支
持され、下層部16dの荷重は基準層躯体13によって
支持されることになる。したがって、前記第一実施例の
施工方法と同様の効果を奏することができ、基準層躯体
13を構成する各部材の断面寸法を小さくすることがで
き、これを経済的なものとすることができるとともに、
その設計の容易化を図ることができる。
【0045】また、最上層躯体15およびその下側に組
み付ける中間層躯体の上層部16cを地組することがで
きるので、高所作業を低減して作業の安全性および作業
効率を向上することができる。
【0046】なお、上記第二実施例において、最上層躯
体15の下側に吊り下げて組み付ける上層部16cの階
数については、最上層躯体15にかかる荷重と、基準層
躯体13にかかる荷重とが最適な配分となるよう、適宜
設定すればよい。また、最上層躯体15を上昇させるた
めの上昇手段として大型ウインチ25を用いる構成とし
たが、これに限定するものではなく、例えばメガ柱11
に沿ってレールを上下方向に敷設し、最上層躯体15を
タワークレーンに備えているのと同様の構造のクライミ
ング機構でメガ柱11に沿ってクライミングさせる構成
とする等、他の機構を採用してもよい。さらに、メガ柱
11の構築手順については何ら限定するものではなく、
メガ柱11を下方から積み上げ構築しつつ、前記大型ウ
インチ25を上方に盛り変えていく構成としてもよい
し、また、構築の完了した部分のメガ柱11を図示しな
いジャッキ機構で持ち上げ、その下方に新たにメガ柱1
1を継ぎ足していく構成とする等してもよい。
【0047】[第三実施例]次に、本発明に係る架構構
造物の施工方法のさらに他の実施例について、図8ない
し図11を参照して説明する。ここで、構築すべき架構
構造物は、前記第一および第二実施例で用いたビル10
(図1参照)と同様であるので、その説明を省略する。
【0048】図8(a)に示すように、ビル10(図1
参照)を構築するに際しては、まず、メガ柱11,1
1,…を、基準層躯体13を設置すべき所定の高さま
で、先行構築する。次いで、図8(b)に示すように、
構築したメガ柱11,11,…上において、各メガ柱1
1の最上部11aと、最上層躯体15とを一体に組み立
てることによって、最上層ユニット30を構成する。さ
らに、先に構築した各メガ柱11と、新たに組み立てた
メガ柱11の最上部11aとの間には、該最上部11a
をクライミングさせるためのクライミング装置(図示な
し)を設置する。また、最上層ユニット30の最上層躯
体15の下面には、図示しないホイストクレーン等の揚
重機構を装備する。
【0049】そして、図8(c)に示すように、クライ
ミング装置(図示なし)で、最上層ユニット30を、先
行して構築したメガ柱11、11,…に反力をとって一
体に上昇させる。続いて、上昇させた最上層ユニット3
0の下方において、1層分のメガ柱11,11,…を積
み上げ構築した後、これらメガ柱11,11,…上に最
上層ユニット30を降ろして載置させる。
【0050】次いで、最上層ユニット30の下面に備え
た揚重機構を用いて、所定の高さに基準層躯体13を建
方し、メガ柱11,11,…に接合する。
【0051】この後、図9(a)に示すように、最上層
ユニット30のクライミングアップと、メガ柱11,1
1,…の積み上げ構築とを繰り返してメガ柱11,1
1,…の構築を常に2〜3層分先行させていく。そし
て、図9(b)に示すように、中間層躯体16の下層部
16eを、最上層ユニット30の下面に備えた揚重機構
を用いて、基準層躯体13上に建方していく。基準層躯
体13上の中間層躯体16の下層部16eを予め定めて
おいた階数分建方した時点で、中間層躯体16のその建
方の進行を停止させ、この後は、メガ柱11,11,…
の構築のみを続行していく。
【0052】そして、図10(a)に示すように、前記
したメガ柱11,11,…の全長の構築が完了し、最上
層ユニット30が所定の高さに設置された後に、この最
上層ユニット30の最上層躯体15の下面に、中間層躯
体16の上層部16fを上方から下方に向けて建方して
いく。このようにして、図10(b)に示すように、最
上層躯体15に吊り下げた中間層躯体16の上層部16
fを、前記基準層躯体13上の下層部16eの直上階
F”を残して建方する。
【0053】また、上記の施工作業と並行して、中間層
躯体の下層部16eおよび上層部16fの各階への床コ
ンクリートの打設を行う。
【0054】この時点で、中間層躯体の下層部16eの
荷重は基準層躯体13に支持され、上層部16fの荷重
は最上層躯体15に支持された状態となっている。
【0055】そして、図11に示すように、全ての階へ
の床コンクリートの打設が完了した後に、前記直上階
F”に柱部材17c,17c,…を建方して、基準層躯
体13上の中間層躯体16の下層部16eと最上層躯体
15に吊り下げられた上層部16fとを接合する。これ
によって、図1に示したビル10の躯体12の構築が完
了する。
【0056】上述したビル10の施工方法では、最上層
ユニット30を組み立てるとともに、これをクライミン
グさせつつ、その下方において基準層躯体13の建方、
メガ柱11の積み上げ構築を行うとともに、基準層躯体
13上に中間層躯体16の下層部16eを建方する。そ
して、メガ柱11,11,…の全長を構築した後、最上
層躯体15の下側に、中間層躯体16の上層部16fを
吊り下げて上方から建方し、最終的に上層部16fと下
層部16eとを接合する構成とした。このようにして、
施工途中においてはもちろんのこと、完成後において
も、中間層躯体の上層部16fの荷重は最上層躯体15
に支持され、下層部16eの荷重は基準層躯体13によ
って支持されることになる。したがって、前記第一およ
び第二実施例の施工方法と同様にして、基準層躯体13
を構成する各部材の断面寸法を小さくすることができ、
これを経済的なものとすることができるとともに、その
設計の容易化を図ることができる。
【0057】なお、上記第三実施例において、最上層ユ
ニット30をクライミングさせるためのクライミング装
置については、いかなる構成のものを適用してもよい。
【0058】なお、上記第一ないし第三実施例におい
て、基準層躯体13,最上層躯体15をそれぞれ例えば
2階分の高さを有する構成としたが、トラス構造とする
のであれば、もちろんこれを1階分の高さとしたり、あ
るいは3階分以上の高さを有する構成としてよいのは言
うまでもない。
【0059】また、構築すべきビル10のメガ柱11,
11,…を、ビル10の両側面に一定間隔毎に配する構
成としたが、その配置については限定するものではな
い。例えば、これを四隅のみに配する構成としてもよい
し、ビル10の両側面全体をメガ柱とする構成としても
よいし、さらには外周部全体にメガ柱を適宜間隔毎に配
する構成としてもよい。加えて、断面視矩形のチューブ
状のメガ柱11を、鉄筋コンクリート造からなる構成と
したが、これを鉄骨鉄筋コンクリート造、鋼管造、充填
鋼管コンクリート造等としてもよいし、また、鉄骨をチ
ューブ状に組んだ立体トラス構造等としてもよい。
【0060】また、基準層躯体13が、一定寸法上方、
すなわち空中に位置するのであれば、その設定階数につ
いては限定するものではない。さらには、ビル10が地
下階を備えている場合はもちろんのこと、例えば地上1
階から3階部分を有するビルにおいて地上5階に基準階
を位置させる場合等においても、前記施工方法を同様に
適用することが可能であり、上記と同様の効果を奏する
ことができる。さらには、各階に打設する床コンクリー
ト、あるいはPCスラブ板等の施工タイミングについて
は、基準層躯体13で施工中および完了後に支持する荷
重のバランス等を考慮して、適宜決定すればよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る架
構構造物の施工方法によれば、基準層躯体と最上層躯体
とをコア柱に接合するとともに、基準層躯体で中間層躯
体の下層部の荷重を支持し、最上層躯体で前記中間層躯
体の上層部の荷重を支持した状態とした後、最終的に中
間層躯体の上層部と下層部とを接合する構成とした。こ
れにより、施工中においてはもちろんのこと、中間層躯
体の上層部と下層部とを接合した後においても、中間層
躯体の下層部の荷重を基準層躯体で支持し、上層部の荷
重を最上層躯体で支持する状態を維持することができ
る。このようにして、中間層躯体の荷重を、それぞれト
ラス構造の基準層躯体と最上層躯体とで分担して支持す
ることによって、特に基準層躯体を構成する各部材の断
面寸法を小さくすることができ、これを経済的なものと
することができる。また、施工途中と完成後を比較する
と、支持しなければならない荷重が激減し、残存する応
力が大幅に減少するため、設計の容易化を図ることがで
きる。しかも減少した応力の分で地震の水平動、上下動
による応力に対する耐力の少なくとも一部が確保できる
ため、この点からも架構構造物の躯体構造を経済的なも
のとすることができる。
【0062】請求項2に係る架構構造物の施工方法によ
れば、基準層躯体上に中間層躯体を建方していき、該中
間層躯体の定められた階を建方するに際して、この階に
配すべき柱部材を、先に建方した直下階の柱部材とは接
合せずにこれらの柱部材間にジャッキを介装させてお
き、この後にこの上に中間層躯体および最上層躯体を建
方した後、最終的にジャッキを取り外し、その上下に位
置する柱部材どうしを接合する構成とした。このように
して、中間層躯体の定められた階の柱部材間にジャッキ
を介して縁切りしておき、その後にジャッキを取り外し
て上下の柱部材を接合することによって、基準層躯体で
ジャッキを設置した階よりも下方の中間層躯体、すなわ
ち下層部の荷重を支持するとともに、最上層躯体でジャ
ッキを設置した階よりも上方の階の中間層躯体、すなわ
ち上層部の荷重を支持した状態とした後、最終的に中間
層躯体の上層部と下層部とを接合する構成とすることが
できる。これにより、施工途中においてはもちろんのこ
と施工完了後においても、中間層躯体の上層部の荷重は
最上層躯体に支持され、下層部の荷重は基準層躯体によ
って支持されることになる。したがって、請求項1にか
かる架構構造物の施工方法を実現しうることができ、基
準層躯体を経済的なものとするとともに、その設計の容
易化を図るという効果を奏することができる。
【0063】請求項3に係る架構構造物の施工方法によ
れば、最上層躯体を地組した後、上昇手段でこれを上昇
させつつ、その下方において中間層躯体の上層部を上階
から下階に向けて吊り下げて組み立てた時点で、これら
中間層躯体の上層部と前記最上層躯体とを、最上部まで
構築したコア柱に接合するとともに、基準層躯体を建方
し、その上に中間層躯体の下層部の建方を行う構成とし
た。このようにすることによって、基準層躯体で中間層
躯体の下層部の荷重を支持するとともに、最上層躯体で
中間層躯体の上層部の荷重を支持した状態とした後、最
終的に中間層躯体の上層部と下層部とを接合する構成と
することができる。これにより、施工途中においてはも
ちろんのこと施工完了後においても、中間層躯体の上層
部の荷重は最上層躯体に支持され、下層部の荷重は基準
層躯体によって支持されることになる。したがって、請
求項1にかかる架構構造物の施工方法を実現しうること
ができ、基準層躯体を経済的なものとするとともに、そ
の設計の容易化を図るという効果を奏することができ
る。
【0064】請求項4に係る架構構造物の施工方法によ
れば、最上層躯体を組み立てるとともに、これをクライ
ミング機構でクライミングさせつつ、その下方において
基準層躯体の建方、コア柱の積み上げ構築を行うととも
に、建方した基準層躯体上に、下層部の所定階層分の中
間層躯体を建方していく。そして、最上部まで構築した
コア柱に最上層躯体を接合した後にその下側に中間層躯
体の上層部の所定階層分を吊り下げて建方し、しかる後
に、中間層躯体の上層部と下層部とを接合する構成とし
た。このようにすることによって、基準層躯体で中間層
躯体の下層部の荷重を支持するとともに、最上層躯体で
中間層躯体の上層部の荷重を支持した状態とした後、最
終的に中間層躯体の上層部と下層部とを接合する構成と
することができる。これにより、施工途中においてはも
ちろんのこと施工完了後においても、中間層躯体の上層
部の荷重は最上層躯体に支持され、下層部の荷重は基準
層躯体によって支持されることになる。したがって、請
求項1にかかる架構構造物の施工方法を実現しうること
ができ、基準層躯体を経済的なものとするとともに、そ
の設計の容易化を図るという効果を奏することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る架構構造物の施工方法を適用して
構築するビルの一例を示す図であって、(a)正面図、
(b)側面図である。
【図2】本発明に係る架構構造物の施工方法の第一実施
例を示す図であって、前記施工方法を適用して構築中の
ビルを示す正面図である。
【図3】前記ビルの要部を示す正面図である。
【図4】本発明に係る架構構造物の施工方法の第二実施
例を適用して構築中のビルを示す図であって、最上層躯
体と中間層躯体の上層部とを組み立てる方法を示す工程
図である。
【図5】前記施工方法において、中間層躯体の上層部の
床の施工状態を示す立断面図である。
【図6】前記ビルの最上層躯体と中間層躯体の上層部と
を一体に上昇させている状態を示す工程図である。
【図7】図6に続く状態を示す図であって、基準層躯体
と中間層躯体の下層部とを建方する方法を示す工程図で
ある。
【図8】本発明に係る架構構造物の施工方法の第三実施
例を適用して構築中のビルを示す図であって、最上層躯
体を基準層躯体およびコア柱上に搭載する方法を示す工
程図である。
【図9】図8に続く状態を示す図であって、基準層躯体
上に中間層躯体の下層部を建方していく方法を示す工程
図である。
【図10】図9に続く状態を示す図であって、最上層躯
体を取り付けた後、中間層躯体の上層部を建方する方法
を示す工程図である。
【図11】図10に続く状態を示す図であって、中間層
躯体の上層部と下層部とを接合した状態を示す工程図で
ある。
【図12】従来の架構構造物の施工方法を適用して構築
したビルの一例を示す立面図である。
【符号の説明】
10 ビル(架構構造物) 11 メガ柱(コア柱) 13 基準層躯体 15 最上層躯体 16 中間層躯体 16a,16d,16e 下層部 16b,16c,16f 上層部 17a,17’a 柱部材 20 メガストラクチャー(外周フレーム) 22 ジャッキ 25 大型ウインチ(上昇手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周部に立設されたコア柱と、地表面か
    ら一定寸法上方に設けられたトラス構造の基準層躯体
    と、トラス構造の最上層躯体とから外周フレームが構成
    され、該外周フレームの前記基準層躯体と最上層躯体と
    の間に中間層躯体が設けられた構成からなる架構構造物
    の施工方法であって、 前記中間層躯体を上層部と下層部とに区分しておき、前
    記基準層躯体と最上層躯体とをそれぞれ定められた高さ
    において前記コア柱に接合するとともに、前記基準層躯
    体で前記中間層躯体の下層部の荷重を支持し、前記最上
    層躯体で前記中間層躯体の上層部の荷重を支持した状態
    とし、 しかる後に、前記中間層躯体の上層部と下層部とを接合
    する構成としたことを特徴とする架構構造物の施工方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の架構構造物の施工方法に
    おいて、まず前記コア柱を所定の高さまで構築した時点
    で、基準層躯体を定められた高さに建方した後、コア柱
    の構築と、前記基準層躯体上への中間層躯体の建方とを
    行っていき、 前記中間層躯体の予め定めておいた階を建方するとき
    に、この階に配する柱部材を先に建方した直下階の柱部
    材に接合しないでおくとともに、これら互いに上下に位
    置する柱部材間にジャッキを介装させておき、 前記中間層躯体の最上階までの建方が完了した後に、前
    記最上層躯体を建方して、該最上層躯体と前記中間層躯
    体とを接合した後、前記した階において前記ジャッキを
    取り外すとともに、その上下に位置する柱部材どうしを
    接合することを特徴とする架構構造物の施工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の架構構造物の施工方法に
    おいて、前記コア柱を所定の高さまで構築するととも
    に、前記最上層躯体を地組した後、前記最上層躯体を上
    昇手段によって上昇させ、 この後に、前記コア柱を先行させて構築しつつ、前記最
    上層躯体の下方に前記中間層躯体を吊り下げて組み立て
    る工程と、これら最上層躯体と中間層躯体とを前記上昇
    手段で上昇させる工程とを繰り返すことによって、前記
    中間層躯体の上層部の予め定めた階数分を上階から下階
    に向けて順次組み立てていき、 前記コア柱を最上部まで構築した時点で、これら中間層
    躯体の上層部と前記最上層躯体とを前記上昇手段で上昇
    させて、これを前記コア柱の定められた高さに接合し、 しかる後に、その下方において前記基準層躯体を定めら
    れた高さに建方し、該基準層躯体上に、前記中間層躯体
    の下層部の建方を下方から上方に向けて行うことを特徴
    とする架構構造物の施工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の架構構造物の施工方法に
    おいて、前記コア柱を所定の高さまで構築した後に、前
    記最上層躯体を組み立てるとともに、該最上層躯体に前
    記コア柱に反力をとってこれをクライミングさせるため
    のクライミング機構を取り付け、 この後に、前記クライミング機構で前記最上層躯体を前
    記コア柱に沿ってクライミングさせるとともに、その下
    方において前記基準層躯体を定められた高さに建方し、
    該基準層躯体上において、前記コア柱を積み上げ構築し
    つつ、構築したコア柱に反力をとって前記クライミング
    機構で前記最上層躯体をクライミングさせていき、 これとともに、前記基準層躯体上に、前記中間層躯体の
    下層部の予め定めた階数分を建方し、 前記コア柱を最上部まで構築して、これに前記最上層躯
    体を接合した後に、前記最上層躯体の下側に、前記中間
    層躯体の上層部の所定階層分を吊り下げて建方し、 しかる後に、前記中間層躯体の前記上層部と前記下層部
    とを接合することを特徴とする架構構造物の施工方法。
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