JP2761526B2 - 構造物の構築方法 - Google Patents

構造物の構築方法

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JP2761526B2
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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、建築・土木構造物の構築方法に係り、特
に、構築作業の生産性向上を図りうる構造物の構築方法
に関するものである。
「従来の技術およびその課題」 建築・土木構造物の構築作業は、他の技術分野に比較
してその生産性向上の程度が大変遅れており、近年の労
働者不足の現象とあいまって構造物の構築作業の生産性
向上の達成は大きな課題となっている。
構造物の構築作業の生産性向上を阻害する要因の一つ
としては、建築・土木構造物の作業工程の特殊性があ
る。例えば、一般に複数階の建築物を構築する場合は、
最下階から順に上方に向って施工され、従って、構築作
業は常にその時点で構築が終了した部分の最上階で行な
われることとなる。このため、降雨、強風時等には作業
員が危険な状態にさらされ、あるいは作業を中心せざる
を得なくなることで、作業の進行状況が天候に大きく左
右される結果となる。
また、型枠等の仮設材や仮設機械も、作業の進行に伴
って順次上階に盛り替えたりあるいは積層する必要があ
り、最終的な解体撤去も含めて多くの手間や時間を必要
とすると共に、その作業自体危険性を伴う場合も多い。
当然、資材も作業の進行に伴って順次上階に運搬する必
要があり、その運搬作業に多くの手間や時間がかかると
共に、その管理も煩雑なものとなる。
さらに、生産性向上のために構築作業の機械化を図ろ
うとする場合、前述のような作業現場の変化に対応しう
る機械の存在を必要とするが、一般に使用されている溶
接ロボット等の自動化機械は可搬性や作業状況の変化に
対する柔軟な対応といった面でその適用に問題が多い。
従って、機械化推進のためには各施工現場専用の機械を
用いるか、あるいは高度な機能を付加することで汎用性
を確保した機械を用いるしかなく、いずれにしてもコス
ト高を招いて現実的でない。
近年、このような課題を解決することを目的として、
1階部分で構造物をその最上部から構築し、順次ジャッ
キアップしつつ下階部分へと構築を進める、いわゆるジ
ャッキアップ工法と呼ばれる工法が提案されている。こ
の工法によれば、構築物の構築作業を常時一定位置で行
うことができ、機材搬送の手間等を大幅に削減できて構
造物の構築作業の生産性向上を図ることができる。しか
しながら、構造物をジャッキアップする関係上、構築作
業中はこの構造物と地盤との間は縁が切れた状態にあ
り、地震力等の水平力が作用した場合に水平移動あるい
は転倒のおそれがあるため、現実の適用が困難である。
この発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、構
築作業の生産性向上を図ることができ、しかも構築作業
中でも水平力に対する対応を為しうる構造物の構築方法
の提供を目的としている。
「課題を解決するための手段」 本発明は、構造物を構築するに際し、該構造物のコア
部を他の部分よりも先行してその下部から上部に向って
構築すると共に、地上において該構造物のコア部を除く
最上部を構築し、該構築部分を前記コア部に沿って揚重
手段により上方に押し上げて仮支持し、その後、仮支持
した構築部分の下部に連結せしめて該構築部分の直下の
部分を地上において構築する工程と、それら連結した構
築部分を一括して押し上げて仮支持する工程とを順次繰
り返すことで構造物全体の構築を完成することを特徴と
する。
「実施例」 以下、この発明の実施例について図面を参照して説明
する。
第1図ないし第13図は、この発明の構造物の構築方法
を多層建築物の構築方法に適用した一実施例を示す図で
ある。以下、工程順に説明する。
(i)コア部構築 第1図に示すように、建築物の中央部に設けられたコ
ア部1を、建築物の他の部分に先行して構築を開始す
る。なお、コア部1の下端は地盤G中に埋設しておく。
コア部1の構築方法は任意であり、従来より周知のよ
うに、鉄筋を四角筒状に組み上げてその内外を型枠で包
囲し、この型枠内にコンクリートを打設して鉄筋コンク
リート造のコア部1を構築してもよい。本実施例では、
第1図ないし第3図に示すような自動上昇型枠2を使用
してコア部1を構築する。
この自動上昇型枠2は、第2図ないし第3図に示すよ
うに、略垂直方向に立設された仮設支柱3と、この支柱
3に沿って移動自在に取り付けられた型枠部4と、この
型枠部4上部に配設されたジャッキ(揚重手段)5と、
このジャッキ5上部に配設され、前記支柱3に沿って移
動自在とされたブラケット6とから概略構成されてい
る。
また、型枠部4は、前記ジャッキ5下方に位置するフ
レーム7と、このフレーム7の下部前後(第2図におい
て左右)からそれぞれ下方に延出され、フレーム7に回
動自在に支持された1対のヨーク8、8と、これらヨー
ク8、8の相対向する面にそれぞれ設けられた堰板9、
9と、相対向するヨーク8、8に向って突設された脱型
用ジャッキ10、10と、これら脱型用ジャッキ10、10間に
回動自在に連結されたロッド11から構成されている。
なお、これらジャッキ5とフレーム7、ジャッキ5と
ブラケット6、ブラケット6と支柱3、フレーム6と支
柱3はそれぞれボルト等により連結、固定可能とされて
いる。また、前記堰板9、9間の距離は、これらが互い
に平行に配置された状態で構築すべきコア部1の壁厚に
等しくなるように設定されている。
以上のような構成の自動上昇型枠2を用いてコア部1
を構築するには、フレーム7を支柱3に固定すると共に
ブラケット6を支柱3に対して移動自在な状態とし、次
いでジャッキ5を伸長させることでブラケット6のみを
上昇させた後、逆にブラケット6を支柱3に固定すると
共にフレーム7を支柱3に対して移動自在な状態とし、
今度はジャッキ5を短縮させることでフレーム7、すな
わち型枠部4全体を上昇させて堰板9、9間にコンクリ
ート打設用の間隙を形成する。そして、これら堰板9、
9間に鉄筋を配設した後にコンクリートを打設し、コン
クリートの硬化を待って前述した型枠部4上昇工程を行
い、これらコンクリート打設工程及び型枠部4上昇工程
を繰り返すことで、下部から上部に向ってコア部1を構
築するのである。
また、後述する躯体構築作業に先行して、第1図に示
すように、建築物の柱が立設される箇所の地面にもジャ
ッキ(揚重手段)12、12、…を設置する。前述した自動
上昇型枠2のジャッキ5及び地面に設置されたジャッキ
12は、後述する建築物の躯体上昇工程時に使用されるも
のであり、最下階構築の際には建築物の躯体のほぼ全体
を押し上げるだけの能力を必要とする。但し、10階建程
度の建築物であれば、1000t程度の荷重を発生できれば
十分であり、周知の油圧ジャッキ等が好適に適用可能で
ある。
(ii)躯体構築開始 2層分程度のコア部1を先行して構築したら、第1図
に示すように、このコア部1に沿って建築物の最上部か
ら柱、梁等の躯体の構築作業を開始する。
建築物の躯体を構成する柱、梁としては、鉄骨造、鉄
筋コンクリート造、あるいは鉄骨鉄筋コンクリート造等
周知の柱、梁から任意に選択可能であるが、本実施例で
は柱13は鉄筋コンクリート造、梁14は鉄骨造とされてい
る。
すなわち、第4図ないし第6図に示すように、垂直方
向に存在する主筋15、15、…及びこれら主筋15、…の外
周に巻回された帯筋16、…が四角柱状のコンクリート17
内に埋設されて柱13が構成され、一方、梁14はH型鋼か
ら構成されている。このため、柱13と梁14との交叉部で
ある仕口部には特殊な仕口部材18が配設されている。
この仕口部材18は、第4図に示すように、梁14と同一
の断面形状を有するH型鋼が平面視十字状に交叉した形
状に形成された取付部材19と、前記柱13と同一幅に形成
されて取付部材19の中央部を囲繞する角筒状の端面箱20
と、端面箱20の上面または下面を塞ぐ矩形板状の柱用底
型枠21から概略構成されている。この柱用底型枠21に
は、前記主筋15、…に対応する位置に貫通孔22、…が穿
設されている。
従って、取付部材19の四方から梁14、…が接合される
と共に、柱用底型枠21の貫通孔22、…に主筋15、…が挿
通されて固定され、さらに端面箱20内にコンクリート17
が打設されることで、柱13と梁14との接合が行なわれ
る。
さて、前述の基礎工事が終了したら、第4図に示すよ
うに、地面に設置されたジャッキ12、…の上面に前記柱
用底型枠21を載置し、さらにその上に前記仕口部材18を
載置する。そして、ジャッキ12、…上に仕口部材18、…
が配設されたら、これら仕口部材18、…間を前記梁14、
…で連結する。
また、最初の構築作業においては、後述するジャッキ
5、12、…による押し上げ工程を1回省く目的で、2層
分の梁14、14及びこの間に位置する柱13を同時に構築す
る。すなわち、屋上を構成する梁14と、最上階を構成す
る梁13である。従って、ジャッキ12、…直上に配設され
た梁14、…及び仕口部材18、…から1層分だけ上方に離
間した位置に更に梁14、…及び仕口部材18、…を配設す
る。これら梁14、…及び仕口部材18、…は図示されない
支柱により支持すればよい。また、第7図に示すよう
に、前記コア部1に接する部分には、このコア部1を囲
繞するように梁14を環状に仮設すると共に、この梁14を
前記自動上昇型枠2の仮設支柱3、…に固定しておく。
さらに、第7図に示すように、上方に位置する仕口部
材18、18、…間に仮設構台23、23、…を設置する。
この仮設構台23は、第11図ないし第13図に示すように
スラブ24構築用の型枠としての役割も兼用している。す
なわち、この仮設構台23は、同一階に位置する梁14、…
囲繞される平面内に配置される矩形板状のデッキプレー
ト51と、このデッキプレート51上に配設されてスラブ24
下面に埋殺される同様に矩形板状の波状板52とからな
り、この仮設構台23は、仮設梁53、53を介して地面から
支柱54、…により支持されている。なお、本実施例で
は、スラブ24の構築工程は前記柱13、…及び梁14、…構
築工程に遅れて行なわれるため、前記仮設構台23は地面
から1層分だけ上方に離間されて配置されている。
そして、これら上下方向に並設された仕口部材18、18
間に1層分より若干長目に切断された主筋15、…を配設
し、その上下を前記柱用底型枠21、21に固定する。さら
に、主筋15、…の外周に帯筋16、…を巻回してから、こ
の周囲に柱用型枠26、…を配設する。これと同時に、仮
設構台23、…上にスラブ24用の鉄筋27、…を配設する。
この状態で、柱13及びスラブ24のコンクリートを打設
し、所定の強度が発現した段階で柱用型枠26、…の脱型
を行う。なお、柱13のコンクリート打設は、例えば第5
図ないし第6図に示すように、上階の柱13に柱用型枠2
6、…内に連通する貫通孔28を設けており、この貫通孔2
8を介して打設するような方法が挙げられる。
(iii)躯体押し上げ 柱13、…が自立可能な状態まで硬化した段階で、建築
物の躯体を1層分上方に押し上げる。
まず、第8図(イ)に示すような状態で、ジャッキ5
とフレーム7、ジャッキ5とブラケット6、ブラケット
6と支柱3をそれぞれ固定する。また、脱型用ジャッキ
10、10を伸長させることで、堰板9、9を構築されたコ
ア部1から離す。この状態でジャッキ5を伸長させるこ
とで、フレーム7をコア部1上端に載せる。次に、ジャ
ッキ5とフレーム7の固体を解除して、さらにジャッキ
5を伸長させることでその先端をコア部1上端にまで至
らせる。そして、ブラケット6と支柱3との固定を解除
して、ジャッキ5を短縮させると、第8図(ロ)に示す
ように、支柱3上端がブラケット6の上方に突出した状
態となる。
次に、ブラケット6を支柱3に固定して、ジャッキ5
及び地面に設置されたジャッキ12を伸長させることで、
第8図(ハ)に示すように、支柱3ごと建築物の躯体を
上昇させる。そして、ジャッキ5のストローク分だけこ
のジャッキ5が伸長した段階で、フレーム7を支柱3に
固定すると共にブラケット6と支柱3との固定を解除
し、ジャッキ5を短縮させると、第8図(ニ)に示すよ
うに、ブラケット6上への支柱3の突出量が増加する。
この状態でブラケット6を支柱3に固定すると共にフレ
ーム7と支柱3との固定を解除する。これで、建築物の
躯体上昇工程の1サイクルが終了したことになる。
この後は、前述のようにジャッキ5の伸長及び短縮と
ブラケット6、フレーム7及び支柱3の固定・解除を交
互に行うことで、第8図(ホ)に示すように、建築物の
躯体を1層分上昇させる。躯体上昇のフローチャートを
第9図に示す。
(iv)コア部構築 建築物の躯体を1層分上昇させた後で、ブラケット6
と支柱3との固定を解除してからジャッキ5を伸長させ
ることで、ブラケット6を上昇させる。次いで、ブラケ
ット6を支柱3に固定した後、ジャッキ5を短縮させる
ことでこのジャッキ5自体を上昇させる。この状態で、
コア部1上端に載せられているフレーム7をジャッキ5
に固定し、さらにジャッキ5を短縮させることでフレー
ム7を上昇させ、フレーム7とコア部1との間に所定の
間隙を形成する。
次に、再度フレーム7を支柱3に固定してから、ブラ
ケット6と支柱3との固定を解除し、さらにジャッキ5
を伸長させることでブラケット6を上昇させる。次い
で、ブラケット6を支柱3に固定し、フレーム7と支柱
3との固定を解除してからジャッキ5を短縮させること
でフレーム7ごと型枠部4を上昇させる。そして、以上
述べた工程を繰り返すことで、第8図(ヘ)に示すよう
に、堰板9、9下端部がコア部1上端付近に至るまで型
枠部4を上昇させる。型枠部4上昇のフローチャートを
第10図に示す。
この後は、堰板9、9間に鉄筋を配設してからコンク
リートを打設することで、コア部1の上端にコンクリー
トを打ち継いでこのコア部1の構築を行う。
前述した躯体上昇工程及びコア部1構築工程の順序は
任意であり、全体の作業の進行状況を勘案して適宜決定
されればよい。但し、第8図に示すように、型枠部4の
上昇は、この型枠部4から支柱3が所定長さだけ上方に
突出していなければ不可能であるため、躯体を1層分上
昇させた後にこの上昇分だけ型枠部4を漸次上昇させる
ことでコア部1の構築を行うことが好ましい。
(v)構築作業継続 建築物の躯体上昇工程が終了したら、前述の工程によ
り、建築物の最上階の直下階に相当する柱13、梁14及び
スラブ24構築作業を行う。そして、柱13、梁14及びスラ
ブ24構築作業が終了したら、前述のようにジャッキ5、
12、…を用いて躯体を押し上げ、さらにこれら工程を繰
り返して順次下階へと建築物の構築作業を継続する。
このようにして、建築物の躯体部分は主に地上1階に
おいて構築され、構築が終了した部分については順次上
方に押し上げられてゆくので、外壁工事、設備工事、仕
上工事は地上2階以上の上階において作業階を決定して
行えばよい。
例えば、階段を鉄骨造とするならば、この階段取付工
事は地上2階において行えばよい。一方、階段を鉄筋コ
ンクリート造とする場合、前述のスラブ24の場合と同様
に地面に底型枠だけ配置しておけば、躯体の押し上げ工
程時に自動的に脱型が行なわれて好ましい。
このように、地上2階においてスラブ24、外壁、階段
の構築作業を行い、地上3階において間仕切壁、窓、電
気、設備作業を行い、地上4階において天井、電気、設
備作業を行い、地上5階において床等の仕上作業を行う
といったように、順次上階に移動するに従って建築物の
構築作業の工程が進行するようにすれば、各階の作業を
並行して行うことができ、大変能率的である。また、各
階における作業を固定化することで、資材、人材の配置
も明確化され、その管理も容易なものとなる。
なお、これら各階への資材の搬送は、第1図に示すよ
うに、前記コア部1内に仮設リフト30を設けて、この仮
設リフト30により順次行えばよい。特に、本実施例で
は、重量を有する鉄骨、鉄筋等は地面に吊り降ろせばよ
く、従って、仮設リフト30も小規模なもので済む。さら
に、一般の建築物の構築作業であれば、前述のように各
階における作業工程を定めて作業を行えば5階程度まで
でほとんどの作業は完了するため、仮設リフト30を設置
すべき階数も少なくて済む。
そして、以上のような工程を繰り返すことで建築物の
躯体構築作業を地上1階部分まで完了し、自動上昇型枠
2等の仮設機材を撤去すると共に、前述した電気、設
備、仕上作業が完了した時点で、建築物の構築作業が完
了する。
このように、本実施例では、建築物の躯体構築作業を
地上1階で行うと共に、建築物の最上部から構築を開始
して、構築が終了した部分から順次ジャッキ5、12、…
を用いて躯体を押し上げることで順次下階へと建築物の
構築作業を進めているので、躯体構築以外の作業も含め
て各作業を常時一定位置で行うことができる。しかも、
各作業を行う位置を地上1階等の定位置に固定している
ため、型枠等の仮設材や仮設機械等の盛り替え、積層、
更には解体撤去等の手間がかからず、作業の生産性向上
に大きく寄与できる。そして、このようにして各作業を
一定位置で行えることから、例えば溶接ロボット等を地
上1階に常設して溶接作業の自動化を図ることができ、
各作業への自動化機械導入を現実のものとすることがで
きる。
また、従来のように作業員が最上階にまで登らずに地
上に近い位置において作業することができ、その安全性
確保も容易なものとなる。
さらに、本実施例では作業位置を固定することができ
るため、建築物の構築作業全体を通して資材搬入工程を
一定のものとすることができ、手間、時間の削減が図れ
ると共に、管理が容易なものとなる。特に、本実施例で
は、躯体構築作業を地上1階で行っているので、鉄骨、
鉄筋等の資材搬入は搬送用のトラックから水平移動すれ
ば足り、従来のように鉄骨等の大重量の部材を上階に揚
重する必要がないため、クレーン付トラックのクレーン
程度で鉄骨等の搬入作業が十分可能である。
しかも、本実施例では建築物の最上部から構築を開始
しているので、屋上の防水工事等手間のかかる部分の工
事が余裕をもって施工できるばかりでなく、雨等の天候
の影響を受けずに工事を進めることができる。
そして、本実施例では、建築物の躯体構築に先立って
コア部1構築を行っており、仕上げに手間のかかるコア
部1の施工を先行して行うことができるため、建築物全
体としての工期の短縮を図ることができる。しかも、躯
体構築作業中や躯体押し上げ作業中に地震力等の水平力
が作用しても、コア部1の存在により構築中の躯体が地
盤に支持され、建築物の水平移動や転倒のおそれがなく
て安全な施工が可能となる。
なお、この発明の構造物の構築方法は、その細部が前
記実施例に限定されず、種々の変形例が可能である。一
例として、前記実施例では柱が鉄筋コンクリート造、梁
が鉄骨造であったが、これに限定されず、例えば梁が鉄
筋コンクリート造であってもよい。この場合、前述した
スラブ24や階段のように地上1階に梁の底型枠を設けて
おけば、躯体押し上げ工程により自動的に脱型が行なわ
れて好ましい。
また、前記実施例ではコア部1の構築工程と躯体上昇
工程と連動させていたが、例えば前記仮設支柱3、…の
みをジャッキアップするジャッキをコア部1の側方に配
設することで、コア部1構築工程と躯体上昇工程とを全
く別個に行うこともできる。
「発明の効果」 以上詳細に説明したように、この発明は、構造物を構
築するに際し、該構造物のコア部を他の部分よりも先行
してその下部から上部に向って構築すると共に、地上に
おいて該構造物のコア部を除く最上部を構築し、該構築
部分を前記コア部に沿って揚重手段により上方に押し上
げて仮支持し、その後、仮支持した構築部分の下部に連
結せしめて該構築部分の直下の部分を地上において構築
する工程と、それら連結した構築部分を一括して押し上
げて仮支持する工程とを順次繰り返すことで構造物全体
を完成させる方法であるので、構造物の構築作業以外の
作業も含めて各作業を常時一定位置で行うことができ
る。
しかも、構造物の構築作業を地上で行っているため、
型枠等の仮設材や仮設機械等の盛り替え、積層、更には
解体撤去等の手間がかからず、作業の生産性向上に大き
く寄与できる。さらに、作業位置が固定できることで、
各作業位置に自動化機械を常設する等することで、作業
の自動化を図りうる。また、従来のように作業員が最上
階にまで登らずに地上に近い位置において作業すること
ができ、その安全性確保も容易なものとなる。
さらに、作業位置の固定化により構造物の構築作業全
体を通して資材搬入工程を一定のものとすることがで
き、手間、時間の削減が図れると共に、管理が容易なも
のとなる。特に、この発明では、構造物の構築作業を地
上で行っているので、鉄骨、鉄筋等の資材搬入はトラッ
ク等からクレーン等で水平移動すれば足り、従来のよう
に鉄骨等の大重量の部材を上階に揚重する必要がないた
め、クレーン付トラックのクレーン程度で資材搬入作業
が十分可能である。
しかも、この発明では構造物の最上部から構築を開始
しているので、屋上の防水工事等手間のかかる部分の工
事が余裕をもって施工できるばかりでなく、雨等の天候
の影響を受けずに工事を進めることができる。
そして、この発明では、構造物の躯体構築に先立って
コア部構築を行っており、仕上げに手間のかかるコア部
の施工を先行して行うことができるため、構造物全体と
しての工期の短縮を図ることができる。しかも、躯体構
築作業中や躯体押し上げ作業中に地震力等の水平力が作
用しても、コア部の存在により構築中の躯体が地盤に支
持され、構造物の水平移動や転倒のおそれがなくて安全
な施工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第13図は、この発明の一実施例である構造
物の構築方法を説明するための図であって、第1図は構
築途中の状態を示す断面図、第2図は自動上昇型枠を示
す正面図、第3図は同平面図、第4図はジャッキ上への
仕口部材の配置方法を示す斜視図、第5図は鉄筋の配設
方法を示す斜視図、第6図は柱用型枠の配置状態を示す
斜視図、第7図は構築途中の状態を示す平面図、第8図
は建築物の躯体上昇工程を示す断面図、第9図は同工程
のフローチャート、第10図はコア部構築工程のフローチ
ャート、第11図ないし第13図は仮設構台を取り出して示
した図であって、第11図は平面図、第12図は第11図のA
−A′線に沿う矢視断面図、第13図は第11図のB−B′
線に沿う矢視断面図である。 1……コア部、2……自動上昇型枠、3……仮設支柱、
4……型枠部、5、12……ジャッキ(揚重手段)、13…
…柱、14……梁、24……スラブ。
フロントページの続き (72)発明者 中澤 春生 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (56)参考文献 特公 昭50−27652(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物を構築するに際し、該構造物のコア
    部を他の部分よりも先行してその下部から上部に向って
    構築すると共に、地上において該構造物のコア部を除く
    最上部を構築し、該構築部分を前記コア部に沿って揚重
    手段により上方に押し上げて仮支持し、その後、仮支持
    した構築部分の下部に連結せしめて該構築部分の直下の
    部分を地上において構築する工程と、それら連結した構
    築部分を一括して押し上げて仮支持する工程とを順次繰
    り返すことで構造物全体の構築を完成することを特徴と
    する構造物の構築方法。
JP1242489A 1989-09-19 1989-09-19 構造物の構築方法 Expired - Lifetime JP2761526B2 (ja)

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