JPH0826943B2 - 既設管のライニング工法に使用される帯材 - Google Patents

既設管のライニング工法に使用される帯材

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JPH0826943B2
JPH0826943B2 JP2251478A JP25147890A JPH0826943B2 JP H0826943 B2 JPH0826943 B2 JP H0826943B2 JP 2251478 A JP2251478 A JP 2251478A JP 25147890 A JP25147890 A JP 25147890A JP H0826943 B2 JPH0826943 B2 JP H0826943B2
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憲一 森川
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、老朽化した既設管を更生する際に実施され
る既設管のライニング工法において、合成樹脂製の帯状
体を螺旋状に巻回して製造される螺旋管を、所定の径に
保持するために使用される帯材に関する。
(従来の技術) 上水道や下水道として使用される埋設管には、古くか
ら金属管やヒューム管が採用されている。このような埋
設管は、長期の使用によって老朽化し、割れや腐蝕によ
り漏水するおそれがある。このため、最近では、老朽化
した埋設管等の既設管内に合成樹脂製の管を挿入してラ
イニングすることが行われている。
既設管のライニング工法の一つに、合成樹脂製の帯状
体を螺旋状に巻回することにより製造される螺旋管によ
り既設管をライニングする方法がある。この方法は、例
えば特開昭61−48690号公報に開示されている。該公報
に開示された方法は、既設管の端部開口に対向するよう
に、螺旋管を製造し得る製管機を設置して実施される。
該製管機には、各側縁部同士が相互に係合し得る合成樹
脂製の帯状体が順次供給され、製管機は該帯状体を螺旋
状に巻回すると共に、その巻回により相互に隣り合った
帯状体の側縁部同士を係合させることにより、順次螺旋
管を製造する。製造される螺旋管は回転しつつ、製管機
より順次導出される。そして、該製管機から導出される
螺旋管は、直接、既設管内へ導入され、該既設管内を回
転しつつ推進される。既設管の略全域にわたって螺旋管
が挿入されると、該螺旋管と既設管との間にセメントモ
ルタル等の裏込め材が充填されて該螺旋管が既設管内に
固定される。これにより、既設管が該螺旋管にてライニ
ングされる。
螺旋管とされる帯状体の材料としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の可撓性を有する
合成樹脂が用いられる。該帯状体は、通常、一方の側縁
部に凸条が長手方向に連続的に設けられており、他方の
側縁部には、該凸条が係合し得る凹条が長手方向に連続
的に設けられている。そして、該帯状体が螺旋状に巻回
された場合に、相互に隣り合う帯状体の側縁部の凸条内
に凹条が嵌合されて、螺旋管とされる。
(発明が解決しようとする課題) このようなライニング工法では、既設管内に挿入され
た螺旋管は、回転しつつ該既設管内を推進する。このた
め、既設管内径よりわずかに小さい外径を有する螺旋管
を既設管内に挿入すると、螺旋管外周面のほぼ全面が既
設管内周面に接触することになり、螺旋管には大きな抵
抗が加わる。螺旋管を製造する製管機には、帯状体が順
次供給されており、該製管機にて製管された螺旋管が該
製管機から順次導出されているため、製造された該螺旋
管に抵抗が加わると、螺旋管は既設管内を推進されず、
製管機にて帯状体が螺旋管として順次送り出されること
により、螺旋管における帯状体に推進力が加わり、その
相互に嵌合された凸条と凹条が滑り出して、螺旋管の径
が大きくなる。このようにして、螺旋管の径が大きくな
ると、該螺旋管と既設管との接触抵抗が大きくなり、該
螺旋管は既設管内を推進することができなくなる。
このため、従来のライニング工法では、螺旋管外周面
のほぼ全面に既設管内周面に接触することを防止するた
めに、螺旋管の内径を既設管の内径よりも十分に小さく
して既設管内に推進させることが行われている。従っ
て、従来のライニング工法によりライニングされた既設
管は、流体が通流される部分(螺旋管の内部)が、当初
の流体通流部分(既設管の内部)よりも著しく小さくな
り、ライニング後の流体の通流量が、ライニング前の流
体の通流量よりも著しく低下してしまう。
さらに、既設管と螺旋管との内径差が大きくなると、
螺旋管は既設管に対して傾動し得るため、既設管と螺旋
管との間にセメントモルタル等の裏込め材を充填して、
螺旋管を既設管に固定しなければならない。既設管と螺
旋管との内径差が大きくなると、多量の裏込め材が必要
となるため、裏込め充填作業に非常に手間を要し、しか
も経済性を損なう。
このような問題を解決するために、本願発明者らは、
帯状体を螺旋管に巻回する際に、帯状体の係合される側
縁部間に、線材を係止させて、係合された帯状体の側縁
部間の抵抗を増加させる方法を開発した。しかし、断面
円形状の線材を係止させるだけでは十分な抵抗力を得ら
れず、製造される螺旋管が既設管内を推進される間に拡
径されるおそれがある。
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、そ
の目的は、既設管内に挿入される螺旋状に巻回された帯
状体を、所定の小径に確実に保持することができる帯材
を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の既設管のライニング工法に使用される帯材
は、既設管内周面を、螺旋状の巻回された帯状体により
ライニングする既設管のライニング工法において、基板
の一側縁部に長手方向に沿って立設された嵌合突条と、
螺旋状に巻回された際に嵌合突条側の基板が接合し得る
ように段落ちした段落ち部が形成されその段落ち部に長
手方向に沿って配設された嵌合凹条と、を嵌合するよう
に螺旋状に巻回された帯状体を、各側縁部同士を滑動可
能に係止させた状態で、螺旋状の帯状体が所定の径に保
持されるように、嵌合凹状が配設された段落ち部と該段
落ち部内に接合された基板における嵌合突条配設側の側
縁部との対向面間に介在されるとともに、該螺旋状の帯
状体が既設管内に推進された後に各側縁部同士を滑動可
能となし拡径させるように、該対向面間から離脱される
平板状の帯材であって、螺旋状に巻回された帯状体にお
ける相互に対向する各側縁部にそれぞれ圧接され得る厚
さを有しており、硬度が帯状体の硬度以下80以上および
該帯状体に対する静摩擦係数が1.0以上の合成樹脂層内
に坑張体が長手方向に埋設されていることを特徴として
なり、このことにより上記目的が達成される。
(作用) 本発明の帯材は、各側縁部同士を相互に滑動する状態
で帯状体を螺旋状に巻回した際に、後から螺旋管の対向
面間から離脱可能な部位である各側縁部の嵌合凹条が配
設された段落ち部と該段落ち部内に接合された基板にお
ける嵌合突条側の側縁部との対向面間に介在される。該
帯材は、その各側縁部の各対向面に圧着される厚さを有
しおり、しかも、硬度が帯状体硬度以下80以上および帯
状体に対する静摩擦係数が1.0以上の合成樹脂層内に坑
張体が長手方向に埋設されているために、対向面間から
離脱することなく帯状体の各側縁部に加わる力に対抗で
き、各側縁部同士が滑動するおそれがなく、帯状体によ
り形成される螺旋管は所定の径に保持されるとともに、
該螺旋管が既設管内に推進された後に、帯材が螺旋管の
対向面間から引っ張られるようにして帯状体を傷つける
ことなく離脱されて、各側縁部同士をが滑動可能とさ
れ、該螺旋管が既設管に密着するように拡径される。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
本発明の帯材は、例えば、第2図および第3図に示す
既設管のライニング工法に使用される。該ライニング工
法は、既設管であるコンクリート製の下水管81を更生す
る際に実施される。該ライニング工法では、まず、合成
樹脂製の帯状体10を、製管機20により螺旋管10′とす
る。該製管機20は、下水管81の一端部が接続されたマン
ホール82内に設置されており、製管された螺旋管10′
は、順次、下水管81内に挿入される。このとき、螺旋管
10′は、少なくとも底部以外が下水管81内周面に接触し
ないように、下水管81の内径に対して十分に小さい外径
とされる。
帯状体10は、第4図に示すような断面形状をしてい
る。該帯状体10は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ある
いはこれらの樹脂をガラス繊維で補強した樹脂等の材料
により成形される。
該帯状体10は、帯板状の基板12を有する。帯板状の基
板12は、長手方向に延びる一側面12aの近傍に、該基板1
2の長手方向に沿って立設された嵌合突条13を有する。
該基板12における該嵌合突条13配設部近傍の側面12a
は、嵌合突条13が配設された側面とは反対側面になるに
連れて、順次、外方へ突出した傾斜面になっている。該
嵌合突条13は、基板12の厚さより若干長い支柱部13a
と、該支柱部13a先端に配設された断面半円状の挿入部1
3bとを有している。該挿入部13bは、上面が円弧状に突
出しており、その下部における各側部は支柱部13aの各
側方にそれぞれ突出した係止部13cとなっている。
該嵌合突条13が立設された側縁部とは反対側の基板12
の側縁部は、該基板12が螺旋状に巻回された際に、嵌合
突条13側の基板12一側面12aと該嵌合突条13の基端部と
の間の基板12部分が接合し得るように、基板12の厚み分
だけ嵌合突条13の突出側に段落ちした段落ち部14になっ
ている。該段落ち部14には、上述の嵌合突条13の挿入部
13bが嵌合し得る断面半円状の空間を有する断面半円環
状をした嵌合凹条15が、基板12の長手方向に沿って該嵌
合突条13と同方向へ突出するように設けられている。該
嵌合凹条15の基端部内周面には、嵌合突条13の挿入部13
bにおける各係止部13cが係止し得る一対の係止部15aお
よび15aが、それぞれ半円状の空間内に突出するように
配設されている。嵌合突条13における挿入部13bは、そ
の円弧状の周面から該嵌合凹条15内に円滑に挿入され、
該嵌合凹条15の係止部15aに嵌合突条13の係止部13cが係
止されることにより、嵌合突条13の挿入部13bが嵌合凹
条15の空間部から抜け止めされる。嵌合凹条15内に挿入
された嵌合突条13の挿入部13bは、該嵌合凹条15内を滑
動し得る。嵌合凹条15内に嵌合突条13の挿入部13bが挿
入されると、該段落ち部14内に嵌合された基板12の側面
12aは、段落ち部14の対向面とは若干の間隙があけられ
る。
該嵌合凹条15が配設された段落ち部14における外側の
縁部には、外側になるに連れて基板12に対して嵌合凹条
15の突出側に傾斜した押圧部16が連設されている。基板
12における嵌合突条13と嵌合凹条15との間には、断面T
字状をした複数条の補強リブ19が、適当な間隔をあけて
それぞれ基板12の長手方向に沿って立設されている。各
補強リブ19は基板12とは直交状態の支柱部19aと、該支
柱部19aの先端に基板12とは平行状になったフランジ部1
9bとを有し、該支柱部19aの長さが、基板12の厚さより
若干大きくなっている。嵌合突条13に隣接する補強リブ
19は、該嵌合突条13の挿入部13bが嵌合凹条15内に挿入
された際に、該嵌合凹条15に隣接して配設された押圧部
16の先端が、該補強リブ19のフランジ部19bに当接する
ようになっている。
このような帯状体10は、嵌合突条13、補強リブ19、嵌
合凹条15が立設された基板12表面側が外周側になるよう
に、螺旋状に巻回され、嵌合突条13の挿入部13bが嵌合
凹条15内の空間に嵌合されることにより、螺旋管とされ
る。
帯状体10は、マンホール82内に設置された製管機20に
より螺旋管10′とされる。製管機20は、該製管機20内に
導入される帯状体10を、所定の螺旋角を有して円筒周面
上に配設された製管ローラ21により強制的に屈曲して、
該帯状体10を螺旋状に巻回する。そして、第5図に示す
ように、螺旋状に巻回された帯状体10の嵌合凹条15内の
空間内に、新たに製管機20内に導入される帯状体10の嵌
合突条13の挿入部13bが挿入される。嵌合突条13の挿入
部13bが嵌合凹条15内の空間内に挿入されると、該挿入
部13bの係止部13cが嵌合凹条15の係止部15aに係止する
ことにより抜け止めされ、相互に隣り合う帯状体10の側
縁部同士が、滑動可能な状態で係止される。このとき、
段落ち部14に配設された嵌合凹条15に連設されている押
圧部16の先端が、嵌合突条13に隣接する補強リブ19のフ
ランジ19bと基板12との間に位置される。
このように、製管機20にて螺旋状に巻回された帯状体
10の嵌合凹条15の空間内へ、新たに製管機20内へ送給さ
れる帯状体10の嵌合突条13の挿入部13bが嵌合される際
に、嵌合凹条15が配設された段落ち部14と該段落ち部14
内に嵌合された基板12における嵌合突条13配設側の側縁
部との対向面間に、本発明の帯材30が介在される。
該帯材30は、第1図に示すように、例えば、帯状体10
よりも硬度が低く、しかも、帯状体10に対する静摩擦係
数が高い材質の合成樹脂層31内に、坑張体として長手方
向に延びる多数のガラス繊維コード32が幅方向に並列的
に埋設されて構成されている。該帯材30の幅寸法は、大
きいほど好ましいが、通常は、段落ち部14内に接合した
基板12の側面12aと嵌合突条13との距離(3〜6mm)程度
とされている。該帯材30の厚さは、帯状体の各側縁部に
おける対向面間に介在された場合に、その各対向面にそ
れぞれ圧接されるように、嵌合突条13における支柱部13
a(基板12の厚さよりも若干大きい)と、基板12の厚さ
との差よりも若干大きくなるように設定されており、1
〜2mm程度になっている。
該帯材30は、嵌合突条13の挿入部13bを嵌合凹条15の
空間内に挿入する際に、該嵌合突条13に隣接する基板12
の側縁部および傾斜した側面12aに沿って配設される。
そして、嵌合突条13の挿入部13bが嵌合凹条15の空間内
に挿入されると、該帯材30が段落ち部14と該段落ち部14
内に接合された基板12側縁部および側面12aとの間に挟
まれる。帯材30は、その一側部が基板12の傾斜した側面
12aと段落ち部14の対向面間に位置されている。該帯材3
0は、段落ち部14と該段落ち部14内に接合された基板12
側縁部とを傾斜状態とし、嵌合突条13の嵌合凹条15内に
挿入された挿入部13bにおける基板12の該側面12a側の係
止部13cを、嵌合凹条15の係止部15aに強く係止させる。
これにより、基板12における嵌合突条13と該嵌合突条13
に隣接する補強リブ19との間の部分が段落ち部14との対
向面に強く面圧接され、螺旋状に巻回された帯状体10の
側縁部同士は強固に係止される。このとき、段落ち部14
に連設された押圧部16の先端は、嵌合突条13に隣接する
補強リブ19のフランジ19bに係止され、該段落ち部14が
該段落ち部14内に嵌合された基板12に強く押し付けら
れ、螺旋管とされた帯状体10の側縁部同士を一層強固に
係止する。嵌合凹条15内に挿入された嵌合突条13の挿入
部13bは、その係止部13cが嵌合凹条15の係止部15aに係
止されることにより、該嵌合凹条15内から抜け止めされ
る。従って、製管機20にて製造される螺旋管10′は拡径
することなく、所定の径に維持されて、下水管81内を推
進される。
このようにして、相互に隣り合う帯状体10の側縁部同
士が強固に係止された螺旋管10′が製造されると、該螺
旋管10′は、第2図に示すように、製管機20から、直
接、下水管81内へ挿入される。そして、該螺旋管10′
は、下水管81内を、回転しつつ軸方向に推進される。こ
のとき、螺旋管10′の外径は、下水管81の内径よりも十
分に小さい所定径に保持されるために、螺旋管10′はそ
の底部を除いて下水管81内周面にほとんど接触すること
なく、下水管81内を円滑に推進する。また、螺旋管10が
下水管81内周面に接触しても、その径が小さいために、
該螺旋管10′が下水管81内周面から受ける抵抗が小さ
く、該螺旋管10′は、下水管81内を円滑に推進する。そ
して、螺旋管10′の推進方向先端が、下水管81の端部に
到達すると、第3図に示すように、製管機20による螺旋
管10′の製造を一旦停止して、該螺旋管10′先端を、下
水管81の端部に、例えばアンカー等を打込むことにより
固定する。
このような状態で、製管機20は再び駆動され、該製管
機20に帯状体10が送給されて、螺旋管10′は再び回転し
つつ下水管81内を推進しようとする。このとき、製管機
20の駆動と同時に、螺旋管10′おける段落ち部14と該段
落ち部14内に接合された基板12の側縁部との間に挟まれ
た帯材30を、螺旋管10′が固定された側から、順次離脱
させる。これにより、段落ち部14と該段落ち部14内の基
板12の側縁部との強固な圧接状態が解除され、嵌合凹条
15内に挿入された嵌合突条13の挿入部13bは該嵌合凹条1
5内を円滑に滑動し得る状態となる。そして、製管機20
の駆動により、製管された螺旋管10′に、順次、帯状体
10が送給されると、第3図に示すように、該螺旋管10′
の先端が下水管81に固定されているために、該螺旋管1
0′の嵌合凹条15と該嵌合凹条15内に嵌合された嵌合突
条13の挿入部13bとが相互に滑動し、該螺旋管10′は固
定された先端側から順に拡径される。そして、拡径され
た螺旋管10′は、下水管81内周面にほぼ密着される。
螺旋管10′から帯材30が離脱されると、該螺旋管10′
は、その推進方向に徐々に拡径されてテーパ状となった
後に、下水管81内周面にほぼ密着される。つまり、帯材
30が螺旋管10′から離脱することにより、該螺旋管10′
の段落ち部14と該段落ち部14内の基板12部分とが間隙を
有する状態となる。その結果、嵌合凹条15と嵌合突条13
の挿入部13bが滑動を開始し、螺旋管10′は拡径する。
上記テーパ状部分の軸方向長さは、下水管81の径等によ
って異なるが、下水管81の径が500mm以下の場合は、通
常1〜3m程度とすることが好ましい。そして、帯材30を
螺旋管10′から離脱させる際に、該帯材30を巻取り装置
50により巻取る場合には、該螺旋管10′のテーパ部の長
さが、常時、1〜3m程度となるように、巻き取り装置50
による帯材30の巻き取り速度を制御することが好まし
い。
段落ち部14と該段落ち部14内に接合された基板12との
対向間隙内に介在される帯材30は、螺旋状に巻回された
帯状体10を所定の径に保持するために、合成樹脂層31が
所定の硬度および静摩擦係数を有した状態になってい
る。例えば、既設管の直径が、300mm、管路長が100mの
場合には、帯材30により螺旋管の直径を200mmに保持す
るためには、帯材30が圧接される帯状体10の各側縁部に
おける対向面からは、2300kgf・cm以上のトルク(剪断
力)を受けることになるために、その力によって各対向
面同士が滑動しない力(固定力)が必要になる。特に、
夏場のように、気温が上昇すると、合成樹脂製の帯状体
10および帯材30の合成樹脂層31の硬度が低下するため
に、高温時(35〜40℃)においても、2300kgf・cm以上
のトルクに対する固定力が必要になる。また、帯材30に
おける合成樹脂層31の硬度は、帯状体10を傷つけないた
めには、該帯状体10の硬度よりも低くする必要がある。
このために、帯材30の硬度および静摩擦係数が、帯状体
10に対して、所定の状態とされる。
帯状体10が硬質塩化ビニル(硬質PVC)製の場合に、
該帯状体10よりも硬度が低い合成樹脂層31を有する帯材
30の固定力について検討したので、以下に説明する。硬
質PVCよりも硬度が低い合成樹脂層31の材料としては、
軟質PVC(可塑化PVC)、無可塑PVC(エチレン−酢酸ビ
ニル−塩化ビニル共重合体)、熱可塑性エラストマー
(Thermoplastic Elastomer、TPE)の3種類を選択し
た。それぞれの材料について、第6図に示すように、硬
度を変更して、内部に複数のガラス繊維コード32を埋設
して帯材30を製造した。軟質PVCについては2種類(軟
P−1および軟P−2と略称する)、無可塑PVCについ
ては5種類(無P−1〜無P−5とそれぞれ略称す
る)、TPEについては3種類(TPE−1〜TPE3とそれぞれ
略称する)の帯材を得た。また、無可塑PVCの表面に粘
着剤(エチレン−酢酸ビニル系(EVA系)、50μm以
下)を塗布したものも準備し(無P+粘と略称する)、
それぞれの帯材30における静摩擦係数および固定力を測
定した。結果を第7図および第8図にそれぞれ示す。
各帯材30の硬度は、JIS K−6301の加硫ゴムの硬さを
測定する際に使用されるスプリング式硬さ試験(A形)
による硬度であり、所定の硬度試験機の押し針を帯材表
面に接触させて、そのときの目盛りを読み取ることによ
り、測定される。
また、静摩擦係数(μs)は、帯状体に帯材を重ね、
その上に、重り(Wkg)を載せて、帯材を水平方向に引
っ張り、帯材が滑り出すときの最大荷重(Fkg)を測定
して、F=μs・Wに基づいて演算した。
前述した2300kgf・cmの固定力が得られた帯材として
は、軟P−2、無P−3、および無P−3+粘である。
これらは、第7図に示すように、硬質塩化ビニル製の帯
状体10に対する静摩擦係数が、1.0以上である。TPE製の
帯材30は、帯状体10に対する静摩擦係数が1.0以上にな
ってるが、第6図に示すように、硬度が80以下と低く、
変形しやすいために、所望の固定力が得られない。この
ように、所定の固定力を得るためには、硬度および静摩
擦係数を高くする必要がある。40℃付近において、前述
の2300kg・f・cmの固定力を得るためには、硬度が80以
上、静摩擦係数が1.0以上とすることが必要である。硬
度が80以下になれば、帯材を圧縮する帯状体10の各対向
面に相互に異なる方向への力が作用した場合には、変形
して帯状体の断落ち部14から、はみ出しやすく、所望の
固定力が得られない。また、帯状体に対する静摩擦係数
が1.0以下の場合には、実際に帯状体の各対向面同士を
固定する力が得られない。
このように、帯材30の合成樹脂層31としては、螺旋管
とされる帯状体の硬度以下であって比較的高い硬度、お
よび該帯状体10に対して高い製摩擦係数とすることによ
り、製造される螺旋管は所定の小径を保持して製造され
る。
(発明の効果) 本発明の既設管のライニング工法に使用される帯材
は、このように、螺旋管とされる帯状体に対して、合成
樹脂層の硬度および静摩擦係数を特定することにより、
後から螺旋管の対向面間から離脱可能な部位である、対
向面間から抜け出し易い帯状体の各側縁部の対向面間に
介在されていても、その螺旋管を小径に確実に保持する
ことができ、従って製造された螺旋管を既設管内に円滑
に推進させることができる。帯材の硬度は帯状体の硬度
よりも適正であるために、小径に保持時や対向面間から
の離脱時に帯状体が傷つけられるおそれがなく、合成樹
脂層内に坑張体が長手方向に埋設された帯材が対向面間
から引っ張られて離脱された螺旋管は、円滑に拡径され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の帯材の断面図、第2図および第3図は
本発明の帯材を使用したライニング工法の実施工程をそ
れぞれ示す断面図、第4図は帯状体の断面図、第5図は
側縁部同士が係止された帯状体の要部断面図、第6図は
帯材における合成樹脂層の温度と硬度との関係を示すグ
ラフ、第7図は該合成樹脂層の温度と製摩擦係数との関
係を示すグラフ、第8図はその合成樹脂層の温度と固定
力の関係を示すグラフである。 10…帯状体、10′…螺旋管、12…基板、13…嵌合突条、
13b…挿入部、13c…係止部、14…段落ち部、15…嵌合凹
条、15a…係止部、20…製管機、30…帯材、31…合成樹
脂層、32…ガラス繊維コード。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既設管内周面を、螺旋状に巻回された帯状
    体によりライニングする既設管のライニング工法におい
    て、基板の一側縁部に長手方向に沿って立設された嵌合
    突条と、螺旋状に巻回された際に嵌合突条側の基板が接
    合し得るように段落ちした段落ち部が形成されその段落
    ち部に長手方向に沿って配設された嵌合凹条と、を嵌合
    するように螺旋状に巻回された帯状体を、各側縁部同士
    を滑動可能に係止させた状態で、螺旋状の帯状体が所定
    の径に保持されるように、嵌合凹状が配設された段落ち
    部と該段落ち部内に接合された基板における嵌合突条配
    設側の側縁部との対向面間に介在されるとともに、該螺
    旋状の帯状体が既設管内に推進された後に各側縁部同士
    を滑動可能となし拡径させるように、該対向面間から離
    脱される平板状の帯材であって、 螺旋状に巻回された帯状体における相互に対向する各側
    縁部にそれぞれ圧接され得る厚さを有しており、硬度が
    帯状体の硬度以下80以上および該帯状体に対する静摩擦
    係数が1.0以上の合成樹脂層内に坑張体が長手方向に埋
    設されていることを特徴とする帯材。
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