JPH0926059A - 螺旋管形成用プロファイル - Google Patents

螺旋管形成用プロファイル

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JPH0926059A
JPH0926059A JP17729495A JP17729495A JPH0926059A JP H0926059 A JPH0926059 A JP H0926059A JP 17729495 A JP17729495 A JP 17729495A JP 17729495 A JP17729495 A JP 17729495A JP H0926059 A JPH0926059 A JP H0926059A
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Yasushi Kitayama
康 北山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】拡径するおそれのない螺旋管を形成し得る。 【解決手段】帯板状の基板本体部11が螺旋状に巻回さ
れると、嵌合突条15がソケット13内に嵌合されて抜
け止めされるとともに、基板本体部11の側縁部に設け
られた斜め係止リブ14の先端部が、嵌合突条15に隣
接して設けられた係合リブ14に係止される。さらに、
基板本体部11の嵌合突条15近傍とソケット13近傍
との間に滑り防止材16が挟み込まれた状態になる。こ
のとき、斜め係止リブ14は、滑り防止材16を圧縮す
るような長さになっているために、滑り防止材16は、
基板本体部11の嵌合突条15近傍とソケット13近傍
との間で大きな摩擦力を発揮し、ソケット13内に嵌合
された嵌合突条15はスライドするおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水管等の老朽管
内周面をライニングするために好適に使用される螺旋管
を形成するためのプロファイルに関する。
【0002】
【従来の技術】下水管等の老朽管を更生するために、合
成樹脂管によってライニングすることが行われており、
最近では、合成樹脂管として、帯状になった合成樹脂製
のプロファイルを螺旋状に巻回して製造される螺旋管が
使用される。プロファイルによって製造された螺旋管に
よって老朽管をライニングする方法では、例えば、マン
ホール内に製管機が設置されて、製管機に供給されるプ
ロファイルが、製管機によって螺旋管とされる。製管機
によって製造された螺旋管は、直接、下水管等の老朽管
内に挿入されて、老朽管内に挿入された螺旋管が、その
老朽管内を回転しつつ推進される。
【0003】このような螺旋管の形成に使用されるプロ
ファイルは、例えば、特開昭54−65780号公報に
開示されている。この公報に開示されたプロファイルに
は、帯板状の基板本体部の幅方向の一方の側縁部に、垂
直に立ち上げられた嵌合突条が長手方向に連続して設け
られている。基板本体部の他方の側縁部には、基板本体
部の厚さ分だけ外側に位置する段落ち部が設けられてい
る。この段落ち部には、外側に突出した半円環状のソケ
ットが、基板本体部の長手方向に沿って連続して設けら
れている。
【0004】基板本体部が螺旋状に巻回されると、段落
ち部内には、基板本体部の他方の側縁部が嵌合されて、
ソケット内に嵌合突条が嵌合される。
【0005】ソケットには、段落ち部の平坦面を介し
て、ソケットの突出方向に斜めに延出する斜め係止リブ
が設けられている。この斜め係止リブの先端部は、基板
本体部が螺旋状に巻回された際に、嵌合突条に対して適
当な間隔をあけて配置された係合リブに係合されるよう
になっている。
【0006】このようなプロファイルは、基板本体部が
螺旋状に巻回された際に、ソケット内に嵌合突条が嵌合
されるとともに、側縁部の斜めに延出する斜め係止リブ
の先端部が係合リブに係合される。これにより、所定の
直径の螺旋管が形成されて、形成された螺旋管が、老朽
管内を回転しつつ推進される。
【0007】プロファイルによって製造された螺旋管
は、老朽管内を螺旋状に回転しつつ推進する。このため
に、螺旋管と老朽管の内周面との間には大きな摩擦抵抗
が加わり、螺旋管を構成するプロファイルの嵌合状態に
なったソケットと嵌合突条とが相互にスライドするおそ
れがある。プロファイルにおける嵌合状態になったソケ
ットおよび嵌合突条が相互にスライドすると、螺旋管が
拡径して老朽管内に密着するおそれがある。このように
螺旋管が老朽管の内周面に密着すると、螺旋管の外周面
に老朽管から大きな摩擦抵抗が加わって、螺旋管は老朽
管内を推進できなくなる。
【0008】このような問題を解決するために、螺旋状
に巻回されたプロファイルのソケットと嵌合突条とを嵌
合させる際に、嵌合突条の表面に溶剤系接着剤を塗布す
る方法が提案されている。また、相互に対向した嵌合突
条の近傍部分およびソケットの近傍部分に、摩擦抵抗が
増加するように凹凸をそれぞれ形成する方法も開発され
ている。
【0009】しかし、溶剤系接着剤を塗布する方法で
は、溶剤系接着剤が硬化するまでの間に、ソケットと嵌
合突条とがスライドして、螺旋管が拡径するおそれがあ
る。また、下水管内に螺旋管を推進させる際に下水管内
を下水が流れていると、溶剤系接着剤の接着力が下水に
よって低下するという問題もある。さらに、プロファイ
ルの所定部分に凹凸をそれぞれ形成し、各凹凸同士を接
触させて摩擦力を高める方法では、十分な摩擦抵抗を得
ることが容易ではないために、嵌合突条の表面に溶剤系
接着剤を塗布する方法と併用する必要がある。従って、
プロファイルの所定部分に凹凸をそれぞれ形成する方法
も、溶剤系接着剤を塗布する方法の特有の問題によっ
て、ソケットと嵌合突条とのスライドを十分に防止する
ことができないという問題がある。
【0010】特開平4−12300号公報には、相互に
対向する嵌合突条の近傍部分およびソケット近傍部分の
間に、エラストマー等の軟質弾性体によって構成された
帯状の滑り防止材を挟み込む方法が開示されている。ソ
ケット内に嵌合された嵌合突条は、ソケット内から抜け
止めされた状態になっているために、滑り防止材は、ソ
ケット近傍部と嵌合突条との間に強く圧接され、ソケッ
トと嵌合突条との間に大きな摩擦抵抗を与える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】最近では、大口径の老
朽管を更生するために、大きい直径の螺旋管が必要にな
っている。しかも、大きな直径の螺旋管は、100m以
上にわたって、老朽管内を回転しつつ推進させなければ
ならない。このような大きな直径の螺旋管を、長い距離
にわたって老朽管内に回転しつつ推進させると、螺旋管
を構成するプロファイルに対して、老朽管の内周面から
大きな摩擦抵抗が加わる。このために、ソケット近傍部
と嵌合突条近傍部との間に滑り防止材を介在させるだけ
では十分な摩擦抵抗力が得られず、プロファイルの嵌合
突条とソケットとが相互にスライドするおそれがある。
【0012】また、ソケット近傍部と嵌合突条近傍部と
の間に滑り防止材を介在させると、段落ち部に嵌合され
た基板本体部の側縁部と、段落ち部に連続する基板本体
部との間に段差が形成されるおそれがある。このような
段差が形成されると、螺旋管内に下水等を通流させた場
合に、下水内に混入された土砂等が堆積して下水等の流
下性能を阻害するおそれがある。
【0013】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、大口径の螺旋管を、相互に嵌合し
たソケットと嵌合突条とがスライドすることなく製造し
得る螺旋管形成用プロファイルを提供することにある。
本発明の他の目的は、製造される螺旋管の内周面に段差
が形成されるおそれがなく、従って、螺旋管における下
水等の流下性能が低下するおそれのない螺旋管形成用プ
ロファイルを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の螺旋管形成用プ
ロファイルは、帯板状の基板本体部と、その基板本体部
の一方の側縁部に沿って表面から突出するように設けら
れた嵌合突条と、前記基板本体部が螺旋状に巻回された
際に嵌合突条が嵌入して抜け止めされるように、その基
板本体部の他方の側縁部近傍に沿って設けられた中空の
ソケットと、このソケット内に嵌合突条が嵌入された際
に、基板本体部におけるソケットの近傍部分と嵌合突条
の近傍部分との間に挟み込まれるように設けられた滑り
防止材と、前記ソケットに隣接する基板本体部の側縁部
に、ソケットの突出方向外側に向かって斜めに延出する
ように設けられた斜め係止リブと、前記嵌合突条がソケ
ット内に嵌合した際に、前記斜め係止リブの先端部が係
止するように嵌合突条に隣接して基板本体部に設けられ
た係合リブと、を有し、前記斜め係止リブは、先端部が
係合リブに係止された際に、滑り防止材を圧縮するよう
な長さになっていることを特徴とするものであり、その
ことにより上記目的が達成される。
【0015】前記滑り防止材は、ソケット近傍に予め設
けられているか、嵌合突条近傍に予め設けられている。
【0016】また、本発明の螺旋管形成用プロファイル
は、帯板状の基板本体部、基板本体部の各側縁部に設け
られて基板本体部が螺旋状に巻回された際に各斜め係止
リブ同士が相互に突き合わされるように斜め外側に延出
する斜め係止リブ、各斜め係止リブに隣接して基板本体
部の表面から突出するようにそれぞれ設けられた一対の
中空のソケットを有するプロファイル本体と、このプロ
ファイル本体が螺旋状に巻回された際に基板本体部の隣
接する各側縁部間に対向するように配置される帯板状の
接合本体部、プロファイル本体の各ソケット内にそれぞ
れ嵌入されて抜け止めされるように接合本体部の表面か
ら突出状態で設けられた一対の嵌合突条、相互に突き合
わされる斜め係止リブの各先端部がそれぞれ係止される
ように接合本体部から突出状態で設けられた係合リブを
有し、前記プロファイル本体とは分離状態になった接合
部材と、プロファイル本体の基板本体部と接合部材の接
合本体部との間に挟み込まれるように設けられた滑り防
止材と、を具備し、各斜め係止リブは、先端部が係合リ
ブに係止された際に、滑り防止材を圧縮するような長さ
になっていことを特徴とするものであり、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0017】前記滑り防止材は、前記接合部材における
接合本体部のソケット近傍に予め設けられているか、前
記プロファイル本体における基板本体部の嵌合突条近傍
に予め設けられている。
【0018】さらに、本発明の螺旋管形成用プロファイ
ルは、各側縁部に係止部がそれぞれ設けられた帯板状の
基板本体部、基板本体部の各側縁部近傍からそれぞれ同
方向に立ち上がった一対の立ち上がり部、各立ち上がり
部の先端部から相互に離隔する方向に延出する一対のシ
ョルダー部、各ショルダー部の先端部から各立ち上がり
部と対向するように突出する一対の嵌合突条、を有する
プロファイル本体と、このプロファイル本体が螺旋状に
巻回された際に隣接する各ショルダー部に対向状態で配
置される帯板状の接合本体部、プロファイル本体の各嵌
合突条が内部に嵌合される中空のソケット、プロファイ
ル本体における基板本体部の各側縁部に設けられた係合
部に係止するように接合本体部の各側縁部にてソケット
の突出方向外側に斜めに延出する斜め係止リブを有し、
前記プロファイル本体とは分離状態になった接合部材
と、プロファイル本体の基板本体と接合部材の接合本体
との間に設けられた滑り防止材と、を具備し、前記接合
部材の各斜め係止リブは、先端部が係合部に係止された
際に、滑り防止材を圧縮するような長さになっていこと
を特徴とするものであり、そのことにより上記目的が達
成される。
【0019】前記プロファイルの嵌合突条は、基板本体
部が螺旋状に巻回された際に相互に一体的に突き合わさ
れるようになっており、前記接合部材のソケットは、一
対の嵌合突条を一体的に内部に嵌合するようになってい
る。あるいは、前記接合部材のソケットは、前記プロフ
ァイルの一対の嵌合突条をそれぞれ内部に嵌合するよう
に一対が設けられている。
【0020】前記滑り防止材は、接合部材における接合
本体部のソケット近傍に予め設けられているか、プロフ
ァイル本体におけるショルダー部の嵌合突条近傍に予め
設けられている。
【0021】前記接合部材のソケットには、前記プロフ
ァイル本体が螺旋状に巻回された際に、前記接合部材を
覆うように、隣接する基板本体部と同一周面上に位置す
るフランジ部が設けられているか、プロファイル本体が
螺旋状に巻回された際に、隣接する基板本体部に圧接す
るように重なるフランジ部が設けられている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の螺旋管形
成用プロファイルの一例を示す横断面図である。
【0023】このプロファイル10は、例えば、直径が
900〜2000mm程度の螺旋管を製造するために使
用されるものであり、帯板状の基板本体部11を有して
いる。この基板本体部11は、例えば、厚さが3.4m
mになっており、その幅方向の一方の側縁部には、基板
本体部11の厚さ分だけ外側に位置する段落ち部12が
設けられている。この段落ち部12には、一方の表面に
突出する半円環状のソケット13が、基板本体部11の
長手方向に沿って設けられている。このソケット13
は、基板本体部11が突出する表面とは反対側の表面に
開口した状態になっている。
【0024】ソケット13の内部は、開口側部分が狭
く、内奥側が円弧状に広がっている。ソケット13は、
開口部の一方の内面に形成された抜け止め段差13aを
有している。半円環状のソケット13の外側の周面に
は、段落ち部12とは平行になったフランジ部13bが
設けられている。
【0025】ソケット13の側方には、段落ち部12の
一部を構成する平坦部12bが連続しており、その平坦
部12bの側縁部、すなわち、基板本体部11の側縁部
には、ソケット13の突出側方向であって基板本体部1
1の外側に斜めに延出する斜め係止リブ14が長手方向
に連続して設けられている。
【0026】基板本体部11は、螺旋状に巻回されるよ
うになっており、ソケット13、斜め係止リブ14等が
設けられた表面が外周側になるように巻回される。
【0027】基板本体部11の斜め係止リブ14が設け
られた側縁とは反対側に位置する側縁を形成する側面1
1aは、基板本体部11の外側になるにつれて段落ち部
12側に位置するように傾斜した状態になっている。基
板本体部11の表面には、この側面11aから適当な間
隔をあけて、基板本体部11に対してソケット13の突
出方向と同方向に垂直に立ち上げられた嵌合突条15
が、基板本体部11の長手方向に沿って連続して設けら
れている。この嵌合突条15は、基板本体部11の表面
から垂直に立ち上がった支柱部15aと、その支柱部1
5aの先端に設けられた断面円形状の嵌合部15bとを
有している。嵌合部15bは、段落ち部12に設けられ
たソケット13の中空の断面と整合した断面形状になっ
ており、ソケット13の内周面に設けられた抜け止め段
差13aに係止する段差が設けられている。
【0028】基板本体部11の表面には、嵌合突条15
に近接して、エラストマー等の軟質弾性体によって構成
された帯状の滑り防止材16が、長手方向に連続して基
板本体部11に一体に取り付けられている。この滑り防
止材16の厚さは1.5mm程度である。
【0029】また、基板本体部11の外側面には、嵌合
突条15に対して適当な間隔をあけて、嵌合突条15と
同方向に突出する係合リブ17が設けられている。この
係合リブ17は、基板本体部11から垂直に立ち上がっ
た支柱部17aと、この支柱部17aの先端部にて嵌合
突条15側に突出した係合部17bと、支柱部17aの
先端部にて、係合部17bの突出方向とは反対方向に突
出した補強部17cとを有している。
【0030】この係合リブ17の係合部17bと支柱部
17aとの間には、基板本体部11が螺旋状に巻回され
てソケット13内に嵌合突条15が嵌合された際に、斜
め係止リブ14の先端部が係合されるようになってい
る。斜め係止リブ14は、図2に示すように、係合リブ
17の係合部17bと支柱部17aとの間に先端部が係
合した際に、段落ち部12の平坦部12bが滑り防止材
16を圧縮するようにその長さが設定されており、本実
施形態では、斜め係止リブ14の先端部が係合リブ17
の係合部17bと支柱部17aとの間に係止されると、
滑り防止材16が設けられていない段落ち部12の平坦
部12bが基板本体部11に圧接されるように、斜め係
止リブ14の長さが設定されている。
【0031】基板本体部11の表面には、この係合リブ
17とソケット13とのほぼ中間部に、係合リブ17と
同方向に突出する補強リブ18が設けられている。この
補強リブ18は、基板本体部11から垂直に立ち上がっ
た支柱部18aと、この支柱部18aの先端部にて、左
右の両側方に突出するフランジ部18bとを有してい
る。
【0032】このような構成のプロファイル10は、基
板本体部11、段落ち部12、ソケット13、斜め係止
リブ14、嵌合突条15、各係合リブ17および補強リ
ブ18が、可撓性を有するポリエチレン、ポリプロピレ
ン、塩化ビニル等の合成樹脂によって一体的に成形され
ており、また、エラストマー等の軟質弾性体によって構
成された帯状の滑り防止材16は、基板本体部11等を
押出成型する際に、一体的に押し出されることによって
基板本体部11に取り付けられている。
【0033】プロファイル10は、マンホール内に配置
された製管機によって螺旋状に巻回されて、図2に示す
ように、段落ち部12に設けられたソケット13内に、
嵌合突条15が嵌合されるとともに、斜め係止リブ14
の先端部が、係合リブ17の係合部17bと支柱部17
aとの間に係合される。ソケット13内に嵌合された嵌
合突条15は、ソケット13の抜け止め段差13aに係
止して抜け止め状態にされる。
【0034】斜め係止リブ14は、斜め係止リブ14に
連続して設けられた段落ち部12の平坦部12bに対し
て斜め外側に長く延出した状態になっており、その先端
部が係合リブ17の係合部17bと支柱部17aとの間
に係合されると、段落ち部12の平坦部12bが、基板
本体部11に向かって強く押し付けられる。このとき、
ソケット13内に嵌合された嵌合突条15は、ソケット
13に対して抜け止めされた状態になっているために、
基板本体部11と段落ち部12の平坦部12bとの間に
位置する滑り防止材16は、強く圧縮された状態にな
る。
【0035】その結果、段落ち部12と、滑り防止材1
6が取り付けられた基板本体部11の間に大きな摩擦力
が作用し、ソケット13内に嵌合された嵌合突条15
は、ソケット13内をスライドすることが確実に防止さ
れる。
【0036】製管機に供給されたプロファイル10は、
このようにして螺旋状に巻回されて、隣接する側縁部同
士が、相互にスライドしない状態で螺旋管とされる。製
造された螺旋管は、製管機から、直接、下水管等の老朽
管内に挿入されて、その老朽管内を回転しつつ推進され
る。
【0037】製造された螺旋管は、螺旋状に巻回されて
隣接するプロファイル10同士が相互に滑って拡径する
おそれがなく、一定の直径を保持する。
【0038】図1に示す断面形状のプロファイル10を
使用して螺旋管を製造し、製造された螺旋管が拡径しな
いために必要なプロファイル10の嵌合力を測定した。
使用したプロファイル10は、基板本体部11等がPV
C(ポリ塩化ビニル)によって構成されており、嵌合突
条15の軸心とソケット13の軸心との間隔が79m
m、基板本体部11の内面から各係合リブ17および1
8の先端(ソケット13の先端)までの間隔が21.5
mm、基板本体部11の厚さが3.4mmである。滑り
防止材16の厚さは、約1.5mmである。
【0039】このようなプロファイル10を使用して、
直径1000mmの螺旋管を製造した場合に、例えば、
内径1100mmの老朽化したヒューム管内に挿入して
回転しつつ推進させるために必要とするプロファイル1
0の嵌合力Pfを、図3に示すようにして測定した。
【0040】四角形の枠状の一対の固定枠体21内に円
柱状のマンドレル22を水平状態で配置して、そのマン
ドレル22に、プロファイル10を螺旋状に巻回して、
プロファイル10におけるソケット13内に嵌合突条1
5を嵌合させ、螺旋管を製造した。そして、マンドレル
22と固定枠体21の下部との間にロードセル23を介
在した状態で、螺旋管が拡径するように、固定枠体21
とプロファイルとの間に力を作用させた。そして、螺旋
管が拡径する際のロードセル23の荷重を読み取り、そ
の読み取り荷重を、螺旋管を構成するプロファイル10
が拡径しないために必要な嵌合力とした。
【0041】測定結果を表1に示す。本実施形態のプロ
ファイル10の嵌合力の測定結果の平均は7.04(k
gf/cm)であった。なお、参考のために、斜め係止
リブによって滑り防止材が圧縮されない従来のプロファ
イルを使用して製造された螺旋管の嵌合力を測定した結
果を表1に併記する。従来のプロファイルを使用した螺
旋管の嵌合力の測定結果の平均は、3.23(kgf/
cm)であった。
【0042】
【表1】
【0043】通常、螺旋管を構成するプロファイル10
が拡径しないために必要な嵌合力は次式で計算される。
【0044】Pf=μ・W・L/π・D …(1) ただし、Pf:必要嵌合力(kgf/cm) μ:摩擦係数 W:螺旋管の1m当たりの質量(kg/m) L:製造される螺旋管の長さ(m) D:螺旋管の直径(cm) 既設管がヒューム管の場合、製管された螺旋管が回転し
ながら既設管であるヒューム管に接触するときの摩擦係
数は0.27であり、直径1000mmの螺旋管の1m
当たりの質量は40.6kg/mになるので、螺旋管の
製管長さを100m、製管径を100cmとすると、製
造される螺旋管が拡径しないために必要なプロファイル
の嵌合力Pfは、3.5kgf/cmになる。
【0045】本実施形態のプロファイル10を使用して
製造された螺旋管は、十分な嵌合力を有しているため
に、拡径するおそれがない。
【0046】また、本実施形態のプロファイル10によ
って製造された螺旋管の内周面は段差がなく平滑な状態
になっていた。これに対して、従来のプロファイルを使
用して製造された螺旋管は、隣接するプロファイルの内
周面が、1〜2mm程度の段差が形成されており、手を
触れることにより段差が確認された。
【0047】なお、上記実施形態では、直径900〜2
000mm程度の螺旋管を製造するために使用されるプ
ロファイルについて説明したが、本発明はこのような実
施形態に限定されるものではない。例えば、嵌合突条と
ソケットまでの間隔(幅寸法)が95mmであって、そ
の間に8個の補強リブが設けられた、直径200〜35
0mmの螺旋管を製造するために使用されるプロファイ
ル(厚さ2.5mm程度)、嵌合突条とソケットまでの
間隔(幅寸法)が87mmであって、その間に5個の補
強リブが設けられた、直径400〜500mmの螺旋管
を製造するために使用されるプロファイル(厚さ3.0
mm程度)、嵌合突条とソケットまでの間隔(幅寸法)
が80mmであって、その間に3個の補強リブが設けら
れた、直径600〜800mmの螺旋管を製造するため
に使用されるプロファイル(厚さ3.5mm程度)に
も、本発明は適用される。また、基板本体部11は、ス
チール製の線材等によって補強されたものであってもよ
い。
【0048】さらに、上記実施形態では、プロファイル
10の基板本体部11は、螺旋状に巻回された場合に外
周面となる表面に、ソケット13、嵌合突条15、係合
リブ17および補強リブ18等を設ける構成であった
が、螺旋状に巻回された場合に内周面となる表面に、ソ
ケット13、嵌合突条15、係合リブ17、補強リブ1
8等を設ける構成であってもよい。この場合にも、斜め
係止リブ14は、係合リブ17に係合した際に滑り防止
材16を圧縮するように、斜め方向の延出長さが長く設
定される。
【0049】また、滑り防止材16は、基板本体部11
における嵌合突条15の係合リブ17側の近傍部分に設
ける構成であったが、このような構成に限らず、図1に
二点鎖線で示すように、段落ち部12の平坦部12bの
内面側表面に設ける構成であってもよい。
【0050】図4は、本発明の他の実施形態の螺旋管形
成用プロファイルによって形成された螺旋管の要部を示
す断面図である。本実施形態の螺旋管成形用プロファイ
ルは、図5(a)に示すプロファイル本体30と、図5
(b)に示す接合部材40とによって構成されており、
プロファイル本体30は、螺旋状に巻回された際に、隣
接する側縁部同士が、接合部材40によって接合されて
螺旋管とされる。
【0051】プロファイル本体30は、帯板状の基板本
体部31を有しており、基板本体部31の幅方向の各側
縁部には、基板本体部31の厚さ分だけ外側に位置する
段落ち部32が設けられている。各段落ち部32には、
一方の表面に突出する半円環状のソケット33が、基板
本体部31の長手方向に沿って、それぞれ設けられてい
る。各ソケット33は、段落ち部32が突出する表面と
は反対側の表面に開口している。
【0052】各ソケット33の内部は、開口側部分が狭
く、内奥側が円弧状に広がっている。各ソケット33の
開口の一方の内面には、抜け止め段差33がそれぞれ形
成されている。半円環状の各ソケット33の外周面に
は、段落ち部32とは平行になったフランジ部33bが
それぞれ設けられている。
【0053】各ソケット33の基板本体部31の側縁部
側には、段落ち部32の一部を構成する平坦部32bが
それぞれ連続しており、各平坦部32bの側縁には、ソ
ケット33の突出側であって基板本体部31の外側に斜
めに延出する斜め係止リブ34が、それぞれ、長手方向
に連続して設けられている。
【0054】基板本体部31の表面には、各ソケット3
3の間において等しい間隔をあけて、一対の補強リブ3
8がそれぞれ設けられている。各補強リブ38は、各ソ
ケット33と同方向に基板本体部31から垂直に立設さ
れた支柱部38aと、支柱部38aの先端部にて左右の
各側方に突出するように設けられたフランジ部38bと
を、それぞれ有している。
【0055】基板本体31は、螺旋状に巻回されるよう
になっており、ソケット33、斜め係止リブ34等が設
けられた表面が外周面になるように巻回される。そし
て、螺旋状に巻回されたプロファイル本体30の各側縁
部同士が、接合部材40によって接合される。
【0056】接合部材40は、図5(b)に示すよう
に、帯状の接合本体部41と、この接合本体部41が螺
旋状に巻回された際に外周面となる表面の各側部にそれ
ぞれ同方向に突出するように配置された嵌合突条45
と、各嵌合突条45の間の中央部に各嵌合突条45と同
方向に突出するように配置された係合リブ47とを有し
ている。各嵌合突条45は、接合本体部41の表面から
垂直に立ち上がった支柱部45aと、その支柱部45a
の先端に設けられた断面が円形状の嵌合部45bとを有
している。嵌合部45bは、プロファイル本体30の段
落ち部32に設けられた各ソケット33の中空の断面と
整合した断面形状になっており、各ソケット33の内周
面に設けられた抜け止め段差33aに係止する段差が、
それぞれ設けられている。
【0057】接合本体部41の中央部に設けられた係合
リブ47は、接合本体部41から垂直に立ち上がった支
柱部47aと、この支柱部47aの先端部にて、各側方
にそれぞれ突出した一対の係合部47bとを有する断面
T字状になっている。
【0058】接合本体部41、各嵌合突条45、係合リ
ブ47は、PVC等の合成樹脂によって一体に成形され
ている。
【0059】接合本体部41の表面には、各嵌合突条4
5と係合リブ47との間に、エラストマー等の軟質弾性
体によって構成された帯状の滑り防止材46が設けられ
ている。各滑り防止部材46は、接合本体部41と一体
に取り付けられており、各滑り防止材46の厚さは1.
5mm程度になっている。
【0060】プロファイル本体30は、螺旋状に巻回さ
れて、斜め係止リブ34の先端部同士が相互に隣接した
状態とされるとともに、各斜め係止リブ34に連続する
それぞれの段落ち部32が相互に連続した状態になる。
このような状態で、接合部材40の接合本体部41にお
ける各側部が、隣接する段落ち部32に嵌合されて、各
嵌合突条45が、プロファイル本体30の各ソケット3
3内にそれぞれ嵌合されるとともに、プロファイル本体
30における隣接状態になった各斜め係止リブ34の先
端部が、接合部材40の中央部に設けられた係合リブ4
7の各係合部47bと支柱部47aとの間にそれぞれ係
止される。
【0061】この場合、各斜め係止リブ34の先端部
は、係合リブ47の各係合部47bの先端部から係合部
47bに沿って移動して、係合部47bと支柱部47a
との間に係止される。
【0062】各斜め係止リブ34の斜め方向の延出長さ
は、前記実施形態と同様に、係合リブ47の係合部47
bと支柱部47aとの間に斜め係止リブ37の先端部が
係合した際に、段落ち部32の平坦部32bが滑り防止
材46を圧縮するように設定されており、本実施形態で
も、斜め係止リブ34の先端部が係合リブ47の係合部
47bと支柱部47aとの間に係止されると、段落ち部
32の平坦部32bが基板本体部31に、滑り防止材4
6が設けられていない状態で圧接されるような長さに設
定されている。
【0063】プロファイル本体30の各ソケット33内
に嵌合された接合部材40の各嵌合突条45は、各ソケ
ット33に対して抜け止めされた状態になっているため
に、接合本体部41とプロファイル本体30の段落ち部
32における平坦部32bとの間に位置する各滑り防止
材46は、強く圧縮された状態になる。その結果、段落
ち部32の平坦部32bと、滑り防止材46が取り付け
られた接合本体部41表面とに、大きな摩擦力が作用
し、各ソケット33内に嵌合された嵌合突条45は、各
ソケット33内をスライドすることが確実に防止され
る。
【0064】なお、本実施形態でも、各滑り防止材46
は、図4に二点鎖線で示すように、プロファイル本体3
0における段落ち部32の平坦部32bの内面側表面
に、いずれか一方あるいは両方を設ける構成であっても
よい。
【0065】また、接合部材40には一対の係合部47
bを有する1つの係合リブ47を設ける構成であった
が、相反する方向に突出する1つの係合部をそれぞれ有
する一対の係合リブを設ける構成であってもよい。係合
リブ47は、接合本体部41とは異なった金属等の材質
によって形成してもよい。
【0066】さらに、各斜め係止リブ34の先端部は、
係合リブ47の各係合部47bの先端部に沿って移動し
て、係合部47bと支柱部47aとの間に係止されるよ
うになっているために、各斜め係止リブ34の先端部
が、係合部47bと支柱部47aとの間に容易に係合す
るように、図6(a)に示すように、係合リブ47の各
係合部47bの突出長さを短くするとともに、各係合部
47b間の先端部が先細り状になるように、支柱部47
aの先端側の面をテーパー状にしてもよく、あるいは、
図6(b)に示すように、その面を円弧状にしてもよ
い。
【0067】図7は、本発明のさらに他の実施形態の螺
旋管形成用プロファイルによって形成された螺旋管の要
部を示す断面図である。本実施形態の螺旋管成形用プロ
ファイルも、図8(a)に示すプロファイル本体50
と、図8(b)に示す接合部材60とによって構成され
ており、プロファイル本体50は、螺旋状に巻回された
際に、隣接する側縁部同士が、接合部材60によって接
合されて螺旋管とされる。
【0068】プロファイル本体50は、帯板状の基板本
体部51と、その基板本体部51の一方の表面に適当な
間隔をあけて立設された一対の補強リブ52とを有して
いる。各補強リブ52は、基板本体部51に対して垂直
になった支柱部52aと、各支柱部52の先端部から左
右各側方にそれぞれ突出したフランジ部52bとを有し
ている。
【0069】基板本体部51の各側縁部には、各補強リ
ブ52の立設方向と同方向に垂直に立ち上がった立ち上
がり部53がそれぞれ設けられている。各立ち上がり部
53は、各補強リブ52のフランジ部52bと同じ突出
長さとなっており、各立ち上がり部53の先端部には、
相互に離隔する方向に向かって直角に延出するショルダ
ー部54がそれぞれ設けられている。そして、各ショル
ダー部54の先端部には、各立ち上がり部53に対向す
るように、基板本体部51側に直角に延出する嵌合突条
55がそれぞれ設けられている。
【0070】基板本体部51の各側縁部は、各立ち上が
り部52よりも側方に突出した係合部51aにそれぞれ
なっている。
【0071】各ショルダー部54の嵌合突条55が設け
られた表面には、エラストマー等の軟質弾性体によって
構成された帯状の滑り防止材56がそれぞれ長手方向に
連続して設けられている。各滑り防止材56は、ショル
ダー部54と一体に取り付けられており、各滑り防止材
56の厚さは1.5mm程度になっている。
【0072】各嵌合突条55は、立ち上がり部53に対
向する側面の先端部に、断面半円状になった嵌合部55
aが設けられている。各嵌合突条55の嵌合部55aが
設けられた側面とは反対側に位置する側面は、平坦にな
っている。
【0073】このようなプロファイル本体50は、各補
強リブ52の延出方向が外側になるように螺旋状に巻回
されて、各ショルダー部54の側縁部にそれぞれ位置す
る嵌合突条55の平坦になった側面同士が突き合わされ
る。そして、突き合わされた嵌合突条55同士が、接合
部材60によって接合される。
【0074】接合部材60は、図8(b)に示すよう
に、各嵌合突条55が相互に突き合わされて同一平面内
に位置された各ショルダー部54に幅方向の各側部がそ
れぞれ対向する帯状の接合本体部61と、この接合本体
部61の幅方向中央部に設けられたソケット62とを有
している。ソケット62は、相互に突き合わされた各嵌
合突条55を一体的に内部に嵌合するように、各ショル
ダー部54に対向する表面とは反対側の表面から突出し
ており内部が断面円形状になっている。そして、ソケッ
ト62は、各ショルダー部54に対向する表面に開口し
た状態になっている。
【0075】ソケット62の外周面には、接合本体部6
1とは平行になるように左右の各側方に延出するフラン
ジ部63が設けられている。このフランジ部63は、プ
ロファイル本体50が螺旋状に巻回されて、各嵌合突条
55が接合部材60のソケット62内に嵌合した場合
に、プロファイル本体50の基板本体部51と同一周面
上に位置するように、接合本体部61からの距離が設定
されている。
【0076】接合本体部61の各側縁部には、ソケット
62の突出方向の外側に向かって斜めに延出する斜め係
止リブ64がそれぞれ設けられている。各斜め係止リブ
64は、ソケット62内に、プロファイル本体50の各
嵌合突条55が一体となって嵌合された際に、基板本体
51の各係合部51aに係合するようになっている。そ
して、各斜め係止リブ64の斜め方向の延出長さは、各
係合部51aに斜め係止リブ64の先端部が係止した際
に、接合本体部61の幅方向の各側部が滑り防止材56
を圧縮するように設定されており、本実施形態でも、斜
め係止リブ64の先端部が係合部51aに係止される
と、各ショルダー部54と接合本体部61の各側部と
が、滑り防止材56が設けられていない状態で圧接され
るような長さに設定されている。
【0077】プロファイル本体50は螺旋状に巻回され
て、図8(c)に示すように、各係合突条55が相互に
突き合わされた状態とされる。このような状態で、接合
部材60のソケット62が、相互に突き合わされて一体
になった各嵌合突条55に嵌合されて、接合本体部61
の各側縁部に設けられた斜め係止リブ64の先端部が、
プロファイル本体50の基板本体部51の各側縁部にそ
れぞれ設けられた各係合部51aにそれぞれ係止され
る。
【0078】この場合、各斜め係止リブ64は、前記実
施形態と同様に、基板本体部51の各係合部51aに斜
め係止リブ64の先端部が係止した際に、接合本体部6
1の各側部が滑り防止材56を圧縮する。
【0079】このとき、プロファイル本体50の各嵌合
突条55は、接合部材60のソケット62に対して、各
嵌合部55aによって抜け止めされた状態になっている
ために、接合本体部61と各ショルダー部54との間に
位置する各滑り防止材56は、強く圧縮された状態にな
る。その結果、接合本体部61と、滑り防止材56が取
り付けられた各ショルダー部54表面とに、大きな摩擦
力が作用し、ソケット62内に嵌合された各嵌合突条5
5は、各ソケット62内をスライドすることが確実に防
止される。
【0080】なお、各滑り防止材56は、プロファイル
本体50の各ショルダー部54に設ける構成に限らず、
例えば、図9(a)に示すように、各ショルダー部54
に対向状態になる接合部材60の接合本体部61の幅方
向の各側部にそれぞれ設けて、プロファイル本体50に
は設けない構成としてもよい。
【0081】また、図9(b)および(c)に示すよう
に、接合部材60のソケット62に設けられるフランジ
部63の左右方向の長さを長くする構成であってもよ
い。この場合には、螺旋状に巻回されたプロファイル本
体50の基板本体部51間に、長く延びるフランジ部5
3が位置されて、接合部材60の接合本体部61が覆わ
れた状態になる。この場合も、各滑り防止材56は、図
9(b)に示すように、プロファイル本体50の各ショ
ルダー部54に設ける構成、図9(c)に示すように、
各ショルダー部54に対向状態になる接合部材60の接
合本体部61の幅方向の各側部にそれぞれ設ける構成の
いずれであってもよい。
【0082】さらに、図10(a)および(b)に示す
ように、接合部材60のソケット62に設けられたフラ
ンジ部63が、ソケット62内にプロファイル本体50
の各嵌合突条55を嵌合した状態で、プロファイル本体
50の基板本体部51における補強リブ52が設けられ
ていない表面に圧接されるように、接合本体部61とは
所定の間隙をあけて、左右方向に長く延出させる構成で
あってもよい。この場合には、各斜め係止リブ64が係
止されるプロファイル本体50における基板本体部51
の各係合部51aが、接合部材60のフランジ部61に
圧接された状態になり、各斜め係止リブ64と各係合部
51aとが確実に係止される。また、接合部材60の接
合本体部61および各斜め係止リブ64が、フランジ部
63によって覆われた状態になる。
【0083】この場合も、各滑り防止材56は、図11
に示すように、各ショルダー部54に対向状態になる接
合部材60の接合本体部61の幅方向の各側部にそれぞ
れ設ける構成であってもよい。
【0084】図12は、本発明のさらに他の実施形態の
螺旋管形成用プロファイルによって形成された螺旋管の
要部を示す断面図である。本実施形態の螺旋管成形用プ
ロファイルも、図13(a)に示すプロファイル本体7
0と、図13(b)に示す接合部材80とによって構成
されており、プロファイル本体70は、図7に示す実施
形態のプロファイル本体50と同様に、一対の補強リブ
72が設けられた基板本体部71と、基板本体部71の
各側縁部から垂直に立ち上げられた立ち上がり部73
と、各立ち上がり部73の先端から相互に離隔する方向
に直角に延出するショルダー部74とを有している。そ
して、基板本体部71の各側縁部には、係合部71aが
設けられている。
【0085】基板本体部71の各立ち上がり部73の間
の表面には、等しい間隔をあけて一対の補強リブ72が
設けられている。各補強リブ72は、基板本体部71か
ら垂直に立設された支柱部72aと、各支柱部72aの
先端部に左右の各側方に突出するように設けられたフラ
ンジ部72bとを有している。
【0086】各ショルダー部74の先端部近傍には、各
立ち上がり部73に対向するように、基板本体部51側
に向かって各ショルダー部74から直角に延出する嵌合
突条75が設けられている。従って、各ショルダー部7
4のそれぞれの側縁部は、各嵌合突条75の側方に位置
している。そして、ショルダー部74の各側縁部を構成
する各側面74aは、外方になるにつれて嵌合突条75
とは反対方向に位置するようにテーパー状になってい
る。各嵌合突条75は、基板本体部71に垂直に立設さ
れた支柱部75aの先端部に、断面円形状の嵌合部75
bがそれぞれ設けられている。
【0087】プロファイル本体70は、螺旋状に巻回さ
れた際に、各ショルダー部74のテーパー状になった側
面74a同士が突き合わされた状態にされて、各ショル
ダー部74が同一周面上に位置される。各ショルダー部
74における嵌合突条75と立ち上がり部73との間の
表面には、滑り防止材76がそれぞれ設けられている。
各滑り防止材76は、ショルダー部74と一体に取り付
けられており、各滑り防止材76の厚さは1.5mm程
度になっている。
【0088】プロファイル70が螺旋状に巻回された際
に隣接する側縁部同士を接合する接合部材80は、帯板
状の接合本体部81に、一対のソケット82が設けられ
ており、各ソケット82内に、各ショルダー部74の嵌
合突条75がそれぞれ嵌合されるようになっている。
【0089】各ソケット82には、図8(b)に示す接
合部材60と同様に、ブラケット83がそれぞれ設けら
れており、また、接合本体部81の各側縁部にも、図8
(b)に示す接合部材60と同様に、斜め外方に向かっ
て延出する斜め係止リブ84がそれぞれ設けられてい
る。そして、各斜め係止リブ84の斜め方向の延出長さ
は、基板本体部71の各係合部71aに斜め係止リブ8
4の先端部が係止した際に、接合本体部81の幅方向の
各側部が滑り防止材76を圧縮するように設定されてお
り、本実施形態でも、斜め係止リブ84の先端部が係合
部71aにそれぞれ係止されると、各ショルダー部74
と接合本体部81の各側部とが、滑り防止材76が設け
られていない状態で圧接されるような長さに設定されて
いる。
【0090】プロファイル本体70は螺旋状に巻回され
て、図13(c)に示すように、各係合突条75が相互
に突き合わされた状態とされる。このような状態で、接
合部材80の各ソケット82が、各嵌合突条75にそれ
ぞれ嵌合されて、接合本体部81の各側縁部に設けられ
た斜め係止リブ84の先端部が、プロファイル本体70
における基板本体部71の各側縁部にそれぞれ設けられ
た各係合部71aにそれぞれ係止される。
【0091】この場合、各斜め係止リブ84は、前記実
施形態と同様に、基板本体部71の各係合部71aに斜
め係止リブ84の先端部が係止した際に、接合本体部8
1の各側部が滑り防止材76を圧縮するようになってい
る。
【0092】このとき、プロファイル本体70の各嵌合
突条75は、接合部材80のソケット82に対して嵌合
部75bによって抜け止めされた状態になっているため
に、接合本体部81と各ショルダー部74との間に位置
する各滑り防止材76は、強く圧縮された状態になる。
その結果、接合本体部81と、滑り防止材76が取り付
けられた各ショルダー部74表面とに大きな摩擦力が作
用し、ソケット82内に嵌合された各嵌合突条85は、
各ソケット62内をスライドすることが確実に防止され
る。
【0093】なお、各滑り防止材76は、プロファイル
本体70の各ショルダー部74に設ける構成に限らず、
例えば、図14(a)に示すように、各ショルダー部7
4に対向状態になる接合部材80の接合本体部81の幅
方向の各側部にそれぞれ設ける構成であってもよい。
【0094】また、図14(b)に示すように、接合部
材80のソケット82に設けられるフランジ部83を一
体にする構成であってもよい。この場合には、螺旋状に
巻回されたプロファイル本体70の基板本体部71間
に、一体となったフランジ部83が位置されて、接合部
材80の接合本体部81が覆われた状態になる。この場
合も、各滑り防止材76は、プロファイル本体70の各
ショルダー部74に設ける構成、各ショルダー部74に
対向状態になる接合部材80の接合本体部81の幅方向
の各側部にそれぞれ設ける構成のいずれであってもよ
い。
【0095】
【発明の効果】本発明の螺旋管形成用プロファイルは、
このように、基板本体部が螺旋状に巻回されてソケット
と嵌合突条とが相互に嵌合されて、ソケットに隣接する
側縁部に設けられた斜め係止リブの先端部が、嵌合突条
に隣接して設けられた係合リブに係止した状態になる
と、ソケット近傍と嵌合突条近傍との間に挟み込まれた
滑り防止材を圧縮するように、斜め係止リブの長さが設
定されているために、滑り防止材は、ソケット近傍部と
嵌合突条近傍部との間に大きな摩擦抵抗力を発揮し、ソ
ケット内に嵌合された嵌合突条がスライドするおそれが
なく、形成される螺旋管は所定の直径を保持する。その
結果、製造された螺旋管は、下水管等の老朽管内を円滑
に回転しつつ推進することができる。
【0096】また、プロファイル本体を螺旋状に巻回し
て、隣接する側縁部同士を接合部材によって接合する際
にも、プロファイル本体に設けられた斜め係止リブ、あ
るいは接合部材に設けられた斜め係止リブが、プロファ
イル本体の基板本体部と接合部材の接合本体部との間に
設けられた滑り防止材を圧縮するように、係合部に係止
されるために、滑り防止材は、基板本体部と接合部材の
接合本体部との間で大きな摩擦力を発揮し、ソケット内
に嵌合された嵌合突条はスライドするおそれがない。従
って、形成される螺旋管は一定の直径に保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の螺旋管形成用プロファイルの一例を示
す横断面図である。
【図2】そのプロファイルによって螺旋管を形成した場
合の要部の横断面図である。
【図3】(a)は、そのプロファイルの嵌合力を測定す
る方法の実施状態を示す概略側面図、(b)はその概略
正面図である。
【図4】本発明の他の実施形態のプロファイルによって
形成された螺旋管の要部を示す横断面図である。
【図5】(a)はそのプロファイルに使用されるプロフ
ァイル本体の横断面図、(b)はそのプロファイルに使
用される接合部材の横断面図である。
【図6】(a)および(b)は、それぞれ、その接合部
材の他の実施形態を示す横断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態のプロファイルに
よって形成された螺旋管の要部要部を示す横断面図であ
る。
【図8】(a)はそのプロファイルに使用されるプロフ
ァイル本体の横断面図、(b)はそのプロファイルに使
用される接合部材の横断面図、(c)はそのプロファイ
ル本体と接合部材とを分離した状態を示す横断面図であ
る。
【図9】(a)〜(c)は、それぞれ、そのプロファイ
ルのプロファイル本体および接合部材の他の実施形態を
示す横断面図である。
【図10】(a)は、本発明のさらに他の実施形態のプ
ロファイルによって形成された螺旋管の要部要部を示す
横断面図、(b)はそのプロファイルに使用されるプロ
ファイル本体および接合部材の横断面図である。
【図11】そのプロファイルの接合部材の他の実施形態
を示す横断面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態のプロファイル
によって形成された螺旋管の要部要部を示す横断面図で
ある。
【図13】(a)はそのプロファイルに使用されるプロ
ファイル本体の横断面図、(b)はそのプロファイルに
使用される接合部材の横断面図、(c)はそのプロファ
イル本体と接合部材とを分離した状態を示す横断面図で
ある。
【図14】(a)および(b)は、それぞれ、その接合
部材の他の実施形態を示す横断面図である。
【符号の説明】
10 プロファイル 11 基板本体部 11a 側面 12 段落ち部 12b 平坦面 13 ソケット 13a 抜け止め段差 14 斜め係止リブ 15 嵌合突条 16 滑り防止材 17 嵌合リブ 18 補強リブ 30 プロファイル本体 31 基板本体部 32 段落ち部 33 ソケット 33b フランジ部 34 斜め係止リブ 40 接合部材 41 接合本体部 45 嵌合突条 46 滑り防止材 47 係合リブ 50 プロファイル本体 51 基板本体部 51a 係合部 52 補強リブ 53 立ち上がり部 54 ショルダー部 55 嵌合突条 56 滑り防止材 60 接合部材 61 接合本体部 62 ソケット 63 フランジ部 64 斜め係止リブ 70 プロファイル本体 71 基板本体部 71a 係合部 72 補強リブ 73 立ち上がり部 74 ショルダー部 75 嵌合突条 76 滑り防止材 80 接合部材 81 接合本体部 82 ソケット 83 フランジ部 84 斜め係止リブ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯板状の基板本体部と、 その基板本体部の一方の側縁部に沿って表面から突出す
    るように設けられた嵌合突条と、 前記基板本体部が螺旋状に巻回された際に嵌合突条が嵌
    入して抜け止めされるように、その基板本体部の他方の
    側縁部近傍に沿って設けられた中空のソケットと、 このソケット内に嵌合突条が嵌入された際に、基板本体
    部におけるソケットの近傍部分と嵌合突条の近傍部分と
    の間に挟み込まれるように設けられた滑り防止材と、 前記ソケットに隣接する基板本体部の側縁部に、ソケッ
    トの突出方向外側に向かって斜めに延出するように設け
    られた斜め係止リブと、 前記嵌合突条がソケット内に嵌合した際に、前記斜め係
    止リブの先端部が係止するように嵌合突条に隣接して基
    板本体部に設けられた係合リブと、を有し、 前記斜め係止リブは、先端部が係合リブに係止された際
    に、滑り防止材を圧縮するような長さになっていること
    を特徴とする螺旋管形成用プロファイル。
  2. 【請求項2】 前記滑り防止材は、ソケット近傍に予め
    設けられている請求項1に記載の螺旋管形成用プロファ
    イル。
  3. 【請求項3】 前記滑り防止材は、嵌合突条近傍に予め
    設けられている請求項1に記載の螺旋管形成用プロファ
    イル。
  4. 【請求項4】 帯板状の基板本体部、基板本体部の各側
    縁部に設けられて基板本体部が螺旋状に巻回された際に
    各斜め係止リブ同士が相互に突き合わされるように斜め
    外側に延出する斜め係止リブ、各斜め係止リブに隣接し
    て基板本体部の表面から突出するようにそれぞれ設けら
    れた一対の中空のソケットを有するプロファイル本体
    と、 このプロファイル本体が螺旋状に巻回された際に基板本
    体部の隣接する各側縁部間に対向するように配置される
    帯板状の接合本体部、プロファイル本体の各ソケット内
    にそれぞれ嵌入されて抜け止めされるように接合本体部
    の表面から突出状態で設けられた一対の嵌合突条、相互
    に突き合わされる斜め係止リブの各先端部がそれぞれ係
    止されるように接合本体部から突出状態で設けられた係
    合リブを有し、前記プロファイル本体とは分離状態にな
    った接合部材と、 プロファイル本体の基板本体部と接合部材の接合本体部
    との間に挟み込まれるように設けられた滑り防止材と、
    を具備し、 各斜め係止リブは、先端部が係合リブに係止された際
    に、滑り防止材を圧縮するような長さになっていことを
    特徴とする螺旋管形成用プロファイル。
  5. 【請求項5】 前記滑り防止材は、前記接合部材におけ
    る接合本体部のソケット近傍に予め設けられている請求
    項4に記載の螺旋管形成用プロファイル。
  6. 【請求項6】 前記滑り防止材は、前記プロファイル本
    体における基板本体部の嵌合突条近傍に予め設けられて
    いる請求項4に記載の螺旋管形成用プロファイル。
  7. 【請求項7】 各側縁部に係止部がそれぞれ設けられた
    帯板状の基板本体部、基板本体部の各側縁部近傍からそ
    れぞれ同方向に立ち上がった一対の立ち上がり部、各立
    ち上がり部の先端部から相互に離隔する方向に延出する
    一対のショルダー部、各ショルダー部の先端部から各立
    ち上がり部と対向するように突出する一対の嵌合突条、
    を有するプロファイル本体と、 このプロファイル本体が螺旋状に巻回された際に隣接す
    る各ショルダー部に対向状態で配置される帯板状の接合
    本体部、プロファイル本体の各嵌合突条が内部に嵌合さ
    れる中空のソケット、プロファイル本体における基板本
    体部の各側縁部に設けられた係合部に係止するように接
    合本体部の各側縁部にてソケットの突出方向外側に斜め
    に延出する斜め係止リブを有し、前記プロファイル本体
    とは分離状態になった接合部材と、 プロファイル本体の基板本体と接合部材の接合本体との
    間に設けられた滑り防止材と、を具備し、 前記接合部材の各斜め係止リブは、先端部が係合部に係
    止された際に、滑り防止材を圧縮するような長さになっ
    ていことを特徴とする螺旋管形成用プロファイル。
  8. 【請求項8】 前記プロファイルの嵌合突条は、基板本
    体部が螺旋状に巻回された際に相互に一体的に突き合わ
    されるようになっており、前記接合部材のソケットは、
    一対の嵌合突条を一体的に内部に嵌合するようになって
    いる請求項7に記載の螺旋管形成用プロファイル。
  9. 【請求項9】 前記接合部材のソケットは、前記プロフ
    ァイルの一対の嵌合突条をそれぞれ内部に嵌合するよう
    に一対が設けられている請求項7に記載の螺旋管形成用
    プロファイル。
  10. 【請求項10】 前記滑り防止材は、接合部材における
    接合本体部のソケット近傍に予め設けられている請求項
    7に記載の螺旋管形成用プロファイル。
  11. 【請求項11】 前記滑り防止材は、プロファイル本体
    におけるショルダー部の嵌合突条近傍に予め設けられて
    いる請求項7に記載の螺旋管形成用プロファイル。
  12. 【請求項12】 前記接合部材のソケットには、前記プ
    ロファイル本体が螺旋状に巻回された際に、前記接合部
    材を覆うように、隣接する基板本体部と同一周面上に位
    置するフランジ部が設けられている請求項7に記載の螺
    旋管形成用プロファイル。
  13. 【請求項13】 前記接合部材のソケットには、プロフ
    ァイル本体が螺旋状に巻回された際に、隣接する基板本
    体部に圧接するように重なるフランジ部が設けられてい
    る請求項7に記載の螺旋管形成用プロファイル。
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