JPH0826935A - 口紅オーバーコート - Google Patents

口紅オーバーコート

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JPH0826935A
JPH0826935A JP6186581A JP18658194A JPH0826935A JP H0826935 A JPH0826935 A JP H0826935A JP 6186581 A JP6186581 A JP 6186581A JP 18658194 A JP18658194 A JP 18658194A JP H0826935 A JPH0826935 A JP H0826935A
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徹 高野
Shigesada Momose
重禎 百瀬
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D) (A)フッ素系油剤 10〜80 重量% (B)化粧料用粉体 0.2〜20 重量% (C)水性成分 19.79〜89.79 重量% (D)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.01〜2.0 重量% を含有することを特徴とする口紅オーバーコート。 【効果】 本発明の口紅オーバーコートは、油っぽさを
抑え、なめらかでさっぱりとした使用感があり、塗布後
は、口紅の色うつり防止効果が発現し、経時的に粉うき
がなく、また口紅の輪郭が不鮮明になる、いわゆる色に
じみも抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、口紅オーバーコートに
関し、更に詳細には、口紅を塗布した上に塗布すること
により、口紅の化粧効果の持続性を改善し、食器等への
付着を抑えるとともに粉うきがなく、しかも使用時にな
めらかでさっぱりとした感触が得られる口紅オーバーコ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、口紅オーバーコートは、口紅の化
粧効果の持続性、光沢の改善等を目的とした商品として
提供されている。これらの口紅オーバーコートは、水系
若しくはアルコール系に、セルロース系高分子化合物、
ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等の高分子化合物やシリ
コン油などを配合し、配合する高分子化合物などの特性
を利用するもの、又は油分を混合した粉体を主成分とし
た粉末状若しくはプレス状のものであった(特公昭61
−12883号公報、特開昭61−24512号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
口紅オーバーコートは、口紅の食器等への付着(色うつ
り)を防ぐには充分満足できるものではなかった。ま
た、粉末状のものは使用性が悪く、塗布の仕方により効
果にムラがでてしまい、他方高分子化合物などを配合す
るタイプのものは使用感にはべたつきがあり、官能特性
においても問題があった。このため、口紅の化粧効果の
持続性を改善し、口紅の色うつりを抑えることができ、
しかも使用性に優れた口紅オーバーコートが望まれてい
た。
【0004】一方、フッ素系油剤は、撥水性及び撥油性
に優れた液体油であり、これを応用した化粧料が知られ
ている。(特開昭63−107911号公報、特開平3
−246211号公報、特開平3−246212号公
報、特開平3−264511号公報等)。しかしなが
ら、これを口紅オーバーコートに応用する試みは未だ成
されていなかった。
【0005】こうした中で、本出願人は、パーフルオロ
ポリエーテルにシリカ粉末及び/又はアルミナ粉末を特
定量配合すれば、口紅の化粧効果の持続性を改善し、口
紅の食器等への付着及び色にじみを抑え、しかも簡便に
使用することができる口紅オーバーコートが得られるこ
とを見出し、先に出願した(特願平4−26635
号)。
【0006】上記構成の口紅オーバーコートは、従来に
なく効果の高いものであり、有用な技術であるが、さら
に検討したところ、粉末の種類や各成分の配合量等によ
っては、経時的に粉うきが生じる場合があることが明ら
かとなり、さらに感触的にも改善の必要性があることが
わかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、特定量のフッ素系油
剤に特定量の化粧料用粉体、水性成分及び特定の水溶性
高分子を配合すると、使用時の感触がなめらかでさっぱ
りとしており、口紅の上から塗布することにより口紅の
化粧効果の持続性を改善し、また経時での粉うきがな
く、口紅の食器等への付着及び色にじみを抑え、しかも
簡便に使用することができる口紅オーバーコートが得ら
れることを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0008】すなわち、本発明は、次の成分(A)、
(B)、(C)及び(D) (A)フッ素系油剤 10〜80 重量% (B)化粧料用粉体 0.2〜20 重量% (C)水性成分 19.79〜89.79 重量% (D)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.01〜2.0 重量% を含有することを特徴とする口紅オーバーコートを提供
するものである。
【0009】本発明で用いられる(A)成分のフッ素系
油剤は常温で液体のパーフルオロ有機化合物であり、例
えば、パーフルオロアルカン、一般式(1)で表される
パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
【化2】 (式中、R1,R2,R3,R4およびR5は同一又は異なって、
それぞれフッ素原子、パーフルオロアルキル基又はオキ
シパーフルオロアルキル基を示し、p、q、及びrは分
子量500〜100,000を与える0以上の整数を示
す。ただし、p=q=r=0となることはない)
【0010】なお、ここで括弧内に示される各パーフル
オロ基はこの順で並んでいる必要はなく、またランダム
重合でもブロック重合でも構わない。かかるパーフルオ
ロポリエーテルとしては、特に粘度が5〜5,000c
Stのものが好ましく、例えば次の一般式(2)
【化3】 (式中、m及びnは分子量500〜10,000を与え
る数を示し、n/mは0.2〜2である)で表されるも
の、市販品としてはFOMBLIN HC−O4、同H
C−25、同HC−R(以上、モンテフルオス社製)等
や、次の一般式(3) F-(CF2CF2CF2O)l-CF2CF3 (3) (式中、lは4〜500の数を示す)で表されるもの、
市販品としてはデムナムS−20、同S−65、同S−
100、同S−200(ダイキン工業(株)製)等が挙
げられる。
【0011】本発明において、(A)成分の配合量は1
0〜80重量%(以下単に%で示す)、特に15〜75
%が好ましい。配合量が10%未満では色うつり防止効
果が不十分であり、80%を超えると(B)、(C)及
び(D)の配合量が少なくなりすぎるため好ましくな
い。
【0012】本発明に用いられる(B)成分の化粧料用
粉体としては、通常用いられるものであれば特に制限さ
れず、例えば、タルク、カオリン、マイカ、セリサイ
ト、雲母チタン、シリカ、アルミナ、炭酸マグネシウ
ム、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ジル
コニウム、亜鉛華、硫酸バリウム、酸化セリウム、窒化
ホウ素、微粒子無機粉末、粘土鉱物等の無機粉体:ター
ル系色素、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレン粉末、金属石鹸、微結晶繊維粉体等の
有機粉体等を挙げることができる。その中でもシリカ粉
末:例えばサイロイド55(富士デヴィソン化学(株)
製)、エロジール200、300、R−972,R−9
74(日本アエロジル(株)製)またはアルミナ粉末:
例えばアルミナAKS−G、AKP−30 、AKP−
GM(住友化学(株)製)または有機変性粘土鉱物:例
えば有機変性ベントナイト、有機変性合成スメクタイト
などが高い色うつり防止効果が得られ、特に好ましい。
【0013】本発明において、(B)成分の配合量は
0.2〜20%、特に1〜16%が好ましい。0.2%
未満では著しい効果が得られず、20%を超えると塗布
しづらくなるので好ましくない。
【0014】また本発明の効果を損なわない範囲で、フ
ッ素化合物、シリコーン、高級脂肪酸、高級アルコー
ル、エステル、ワックスなどの公知コーティング剤で表
面処理してもよい。
【0015】本発明に用いられる(C)成分の水性成分
としては水又はグリセリン、1,3−ブチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ヘキシレングリコール、エタノール、イソプロピルアル
コール、ポリエチレングリコール等の水溶性アルコー
ル、アルキル変性カルボキシビニルポリマー以外の水溶
性高分子等を用いることができる。この水性成分を配合
しない場合、経時で色うつり防止効果が残っていても
(B)成分の粉うきが起きてしまうので、配合すること
によってその粉うきを抑えるとともに、使用時に油っぽ
さが抑えられ、さっぱりとした感触を与えることができ
る。
【0016】本発明において(C)成分の水性成分の配
合量は19.79〜89.79%、特に22〜83%が
好ましい。
【0017】本発明に用いられる(D)成分のアルキル
変性カルボキシビニルポリマーは水溶性高分子の一種で
あり、水系の増粘剤、油の分散剤として知られているも
のであり、市販品としてはB.F.Goodrich社
製のカーボポール1342、ペミュレンTR−1、同T
R−2等が挙げられる。
【0018】本発明において、(D)成分の配合量は
0.01%〜2.0%、特に0.05%〜1.5%が好
ましい。配合量が0.01%未満ではなめらかさが充分
ではなく、2%を超えるとべたつきが生じるため好まし
くない。
【0019】本発明の口紅オーバーコートには、前記必
須成分の他に、通常の化粧品に用いられる成分、例えば
炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、動植物油
脂、シリコーン油等の化粧品油剤、界面活性剤、酸化防
止剤、香料、色素、防腐剤、紫外線吸収剤、保湿剤、清
涼剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合する
ことができる。
【0020】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0021】実施例1 (処方) (重量%) (1)パーフルオロポリエーテル 62.0 (FOMBLIN HC−04) (2)シリカ(エロジールR−972) 4.0 (3)有機変性ベントナイト 1.0 (4)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2 (ペミュレンTR−1) (5)エタノール 5.0 (6)精製水 27.6 (7)トリエタノールアミン 0.2 (製法) (イ)成分(1)〜(3)を均一に混合する。 (ロ)成分(4)〜(6)を混合溶解した後、成分
(7)を添加し中和する。 (ハ)(ロ)に(イ)を加え、均一に混合して口紅オー
バーコートを製造する。
【0022】実施例2 (処方) (重量%) (1)パーフルオロポリエーテル 15.0 (FOMBLIN HC−04) (2)有機変性ベントナイト 2.0 (3)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 1.5 (ペミュレンTR−1) (4)エタノール 15.0 (5)グリセリン 1.0 (5)精製水 64.0 (6)トリエタノールアミン 1.5 (製法)実施例1と同様にして製造する。
【0023】実施例3 (処方) (重量%) (1)パーフルオロポリエーテル (FOMBLIN HC−04) 61.0 (2)アルミナ(アルミナAKS−G) 2.0 (3)フッ素化合物処理マイカ 13.0 (4)赤色202号 0.1 (5)アルキル変性カルボキシビニルポリマー (ペミュレンTR−2) 0.1 (6)ヒアルロン酸 0.1 (7)精製水 23.6 (8)トリエタノールアミン 0.1 (製法)実施例1と同様にして製造する。
【0024】実施例4 (処方) (重量%) (1)パーフルオロポリエーテル (FOMBLIN HC−04) 70.0 (2)フッ素化合物処理マイカ 4.0 (3)シリカ(エロジールR−972) 2.0 (4)シリカ(サイロイド55) 1.0 (5)アルキル変性カルボキシビニルポリマー (ペミュレンTR−2) 0.2 (6)精製水 22.6 (7)トリエタノールアミン 0.2 (製法)実施例1と同様にして製造する。
【0025】比較例1 (処方) (重量%) (1)パーフルオロポリエーテル (FOMBLIN HC−04) 50.0 (2)アルミナ(アルミナAKS−G) 30.0 (3)アルキル変性カルボキシビニルポリマー (ペミュレンTR−1) 0.1 (4)精製水 19.8 (5)トリエタノールアミン 0.1 (製法)実施例1と同様にして製造する。
【0026】比較例2 (処方) (重量%) (1)パーフルオロポリエーテル (FOMBLIN HC−25) 3.0 (2)シリカ(エロジールR−972) 4.0 (3)アルキル変性カルボキシビニルポリマー (ペミュレンTR−1) 2.5 (4)グリセリン 15.0 (5)精製水 73.0 (6)トリエタノールアミン 2.5 (製法)実施例1と同様にして製造する。
【0027】比較例3 (処方) (重量%) (1)パーフルオロポリエーテル (FOMBLIN HC−04) 31.0 (2)シリカ(サイロイド55) 0.1 (3)エタノール 20.0 (4)精製水 48.9 (製法)実施例1と同様にして製造する。
【0028】試験例1 実施例1〜4及び比較例1〜3の口紅オーバーコートに
ついて、カップ等への付着(色うつり)防止効果、使用
感(なめらかさ)、経時での粉うきのなさ、使用性(塗
布のしやすさ)、化粧効果の持続性を評価した。評価
は、女性パネル10名による使用テストを行い、下記の
各項目について評価点をつけた後、下記の如く判定する
ことにより行った。結果を表1に示す。
【0029】評価点 非常に良好:5点 良好 :4点 普通 :3点 やや不良 :2点 不良 :1点判定 ◎:平均点4.5点以上 ○:平均点3.5点以上4.5点未満 △:平均点1.5点以上3.5点未満 ×:平均点1.5点未満
【0030】(試験方法) 色うつり防止効果:パネルに唇に口紅を塗布した上から
右半分に実施例のサンプル、左半分に比較例のサンプル
を塗布し、カップに口をつけた時の色うつり防止効果を
評価した。
【0031】使用感(なめらかさ):唇に口紅を塗布
し、その上に実施例又は比較例の口紅オーバーコートを
塗布したときの使用感を評価した。
【0032】粉うきのなさ:パネルに使用してもらい、
半日後の粉うきのなさを評価した。
【0033】使用感(塗布のしやすさ) パネルに使用してもらい、使用感(塗布のしやすさ)を
評価した。
【0034】化粧効果の持続性:パネルに通常の生活を
してもらい、唇に口紅を塗布し、その上に実施例又は比
較例の口紅オーバーコートを塗布し、半日後の化粧持ち
を評価した。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、本発明品の口紅
オーバーコートは、色うつり防止効果に優れ、経時での
粉うきもなく、しかも使用感(なめらかさ)に優れるも
のであった。それに対し比較品は、評価項目のすべてに
おいて満足のいくものは得られなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明の口紅オーバーコートは、油っぽ
さを抑え、なめらかでさっぱりとした使用感があり、塗
布後は、口紅の色うつり防止効果が発現し、経時的に粉
うきがなく、また口紅の輪郭が不鮮明になる、いわゆる
色にじみも抑えることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)、(B)、(C)及び
    (D) (A)フッ素系油剤 10〜80 重量% (B)化粧料用粉体 0.2〜20 重量% (C)水性成分 19.79〜89.79 重量% (D)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.01〜2.0 重量% を含有することを特徴とする口紅オーバーコート。
  2. 【請求項2】 フッ素系油剤が次の一般式(1) 【化1】 (式中、R1,R2,R3,R4およびR5は同一又は異なって、
    それぞれフッ素原子、パーフルオロアルキル基又はオキ
    シパーフルオロアルキル基を示し、p、q、及びrは分
    子量500〜100,000を与える0以上の整数を示
    す。ただし、p=q=r=0となることはない)で表わ
    されるパーフルオロポリエーテルである請求項1記載の
    口紅オーバーコート。
  3. 【請求項3】 化粧料用粉体がシリカ粉末、アルミナ粉
    末、有機変性粘土鉱物のいずれか1種又は2種以上であ
    る請求項1又は2記載の口紅オーバーコート。
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