JPH08269326A - 非線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法 - Google Patents

非線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法

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JPH08269326A
JPH08269326A JP8050775A JP5077596A JPH08269326A JP H08269326 A JPH08269326 A JP H08269326A JP 8050775 A JP8050775 A JP 8050775A JP 5077596 A JP5077596 A JP 5077596A JP H08269326 A JPH08269326 A JP H08269326A
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マーク・ティー・デミューズ
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ダイアナ・エム・アプルゲイト
Kwan-Yue A Jen
ウオン−ユー・エー・ゼン
John T Kenney
ジョン・ティー・ケネー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミドマトリックス中に非線形光学(NL
O)化合物をゲストとして含有する組成物を製造するに
当たり、該NLO化合物を含有するポリアミド酸組成物を
熱的閉環反応によってポリイミドに変換させることに伴
うNLO化合物の熱劣化を阻止する。 【解決手段】 NLO化合物を含有するポリアミド酸組成
物に電磁線を照射して、ポリアミド酸の分子内縮合を生
じさせてポリイミドとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、非線形光学(NLO)特性を有す
るポリアミド酸(polyamic acids)及びこれらから調製
されたポリイミドに係る。特に、本発明は、NLO化合物
を含有するポリアミド酸組成物を分子内縮合して、低減
された高密度化(densification)を有するポリイミド
ホストマトリックス組成物を生成する方法に係る。当該
ポリイミド組成物はゲストとしてNLO化合物を含有し、
低減された高密度化はNLO化合物の分子整列における利
点を提供する。
【0002】該方法では、溶媒又は希釈剤の不存在下、
ポリアミド酸組成物を、NLO化合物の熱劣化(thermal d
egradation)を生ずることなく分子内縮合が生ずる温度
に加熱する。該方法によれば、温度差を、NLO化合物の
局部的な熱劣化を生ずるような温度差以下に維持する。
ポリアミド酸組成物の分子内縮合が実質的に完了するま
で加熱を続ける。ホストマトリックス内でのNLO化合物
の配向は、高度に有効な第二高調波発生及び波長300〜2
000nmを有する電磁波の電気光学変調を生ずる。
【0003】入射光の周波数を2倍化又は3倍化させう
る高度に有効なNLO物質は、現在、科学的及び技術的注
目を集めている。これら物質は光通信、信号処理及び光
学コンピュータの構成に有用である。非線形光学は、新
たな電磁界(相、周波数又は振幅が変性される)を生成
する各種媒体における電磁界の相互作用に関するもので
ある。電磁界に対する物質のNLO効果は、下記式の二次
及びそれ以上のターム(term)の関数である。
【0004】P=αE+βE2+γE3+・・・ 式中、Pは物質の分極であり;Eは電界の強さであり;
係数α、β、γ等は物質のNLO感受率である。かかる係
数は各物質に関する定数であるが、物質毎に異なる。物
質の第二高調波発生特性は2次係数βの関数である。第
二高調波発生率はβ値の増大につれて増大する。
【0005】NLO物質の候補は、良好な物理特性(たと
えば、高い光学的透明性、低い比誘電率及び高いレーザ
ー光による損傷しきい値)を有すべきである。さらに、
当該物質は、NLO物質に要求される分子の非線形性も有
すべきである。特に、高いβ値、速い応答時間及び広い
範囲の波長(特に約300〜2000nmの波長)における非線
形感受率が要求される。
【0006】NLO物質の開発における最近の研究は、大
きい非局在化π電子系を有する非中心対称性(non−cen
trosymmetric)有機物質に集中している。これら物質は
大きい非線形感受率を発揮し、所望の物理的及び機械的
特性に最適となるように変更される。このような化合物
の最もシンプルなものは、米国特許第4,894,186号に開
示された単ベンゼン環誘導体である。関連する化合物
は、π電子共役炭素−炭素、炭素−窒素及び窒素−窒素
ブリッジによって分離された2〜4個のベンゼン環から
誘導される。たとえば、米国特許第4,892,681号、同第
4,894,263号、同第4,933,112号及び同第4,935,292号を
参照する。π電子共役ブリッジによって結合された5員
ヘテロ芳香族環化合物は増大された非線形感受率を提供
する。このような化合物は、米国特許出願第07/626358
号(1990年12月12日出願)に開示されている。
【0007】電荷の非対称(charge asymmetry)、従っ
て二次非線形分極性を誘発するため、NLO化合物の構造
の一方の末端の芳香族環を電子供与基で置換し、他の末
端において芳香族環を電子受容基で置換する。ついで、
NLO化合物をホスト重合体と合わせ、つづいてNLO化合物
の構造の双極子を整列させる。
【0008】NLO化合物の芳香族環又はヘテロ芳香族環
を結合するπ−電子共役ブリッジは、熱的及び光化学的
不安定性の原因である。この点は米国特許出願第07/93
0732号(1992年8月14日出願)に開示されている。こ
の出願は、2又は3個の芳香族環又はヘテロ芳香族環の
高度に共役した縮合環構造体から誘導されたNLO化合物
を開示する。少なくとも1つの環は5員ヘテロ芳香族環
であり、π−電子共役ブリッジは排除される。この出願
は、π−共役ブリッジによることなく相互に結合された
1〜4個の非縮合5員ヘテロ芳香族環から誘導されたNL
O化合物も開示する。
【0009】加工温度における加工溶媒又はホスト重合
体中での有機NLO化合物の安定性は、電気光学装置での
用途に関しては重要なパラメーターである。高Tgポリイ
ミド重合体はNLO装置の製造で使用される。従って、こ
のNLO物質の候補は、安定なポリイミドを生成するため
に要求される厳重な加工条件に耐えるものでなければな
らない。
【0010】多くのポリイミドはアミド酸プレポリマー
として被覆され、溶媒の除去後、閉環反応において最終
ポリイミドに熱的に変換される。このイミド化法の間に
おける非常に高い酸性雰囲気(pH=2)、極性の加工溶
媒又は高温(150〜200℃)で生成する副生物はNLO化合
物に対して非常に強い反応性である。本来約300℃まで
は安定である分子も、ポリイミドに硬化される際には、
ポリアミド酸中で完全には安定ではない。多くは重合体
のTg付近で分解する。これは、アミド酸と錯化する残留
極性溶媒によって、又はイミド化法の間に生成する反応
性生成物によって起こる。
【0011】さらに、複雑なことには、ポリアミド酸及
びこれらから誘導されるポリイミドは熱的抵抗性であ
り、すなわち重合体は熱絶縁体である。熱的に誘発され
る分子内縮合は、重合体が加熱されるにつれて、広い温
度差を生ずる。局部的に、NLO化合物の熱劣化を生ずる
温度に達する。これは、ポリイミドとの使用において安
定なNLO化合物の選択を制限し、高度に効果的なNLO重合
体の開発を妨げている。
【0012】Lewisらは、ポリアミド酸についての溶液
イミド化反応時間が、マイクロ波加熱を使用することに
よって1/20〜40に低減されることを開示している
(Polymer Preprints,28(2),330(1987))。Haw
leyらはポリイミド複合体溶液のマイクロ波処理を開示
している(Proc.37th.Int.SAMPE Sym.,3月,199
2,Anaheim,CA,p.328)。しかしながら、溶液重合
法では、極性のイミド化溶媒によって生ずるNLO化合物
の劣化を回避できない。実質的に温度差を生ずることな
くポリアミド酸を分子内縮合できる無溶媒(溶媒フリ
ー)法が強く望まれている。
【0013】この要求は本発明によって満足される。発
明者らは、溶媒又は希釈剤の不存在下、NLO化合物の熱
劣化が生ずる温度よりも低い分子内縮合温度までポリア
ミド酸を均一に加熱することによって、NLO化合物の熱
劣化を最少にすることができるとの知見を得た。均一な
加熱により、ポリアミド酸内における温度差を、局部的
な熱劣化温度を生ずるもの以下に維持できる。
【0014】従って、本発明によれば、NLO化合物を含
有するポリアミド酸組成物を分子内縮合させて、ゲスト
としてNLO化合物を含有するポリイミドホストマトリッ
クス組成物を生成する方法において、溶媒又は希釈剤の
不存在下、前記NLO化合物の熱劣化を生ずることなく前
記分子内縮合が起こり、前記ポリアミド酸内の温度差が
局部的な熱劣化温度を生ずるものよりも低いものとなる
温度に、前記ポリアミド酸組成物の前記ポリイミドホス
トマトリックス組成物への分子内縮合が実質的に完了す
るまで前記ポリアミド酸組成物を均一に加熱することを
特徴とする非線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合
法が提供される。
【0015】本発明による好適な方法では、ポリアミド
酸組成物にマイクロ波又は高周波の範囲の電磁線を照射
することによってポリアミド酸を均一に加熱する。電磁
線の照射によって生ずる誘電加熱は、非反応部位におい
て低い運動温度を維持することによって重合体の熱移動
を最少にする。その結果、分子内縮合が生ずる間も、重
合体は固体状態のままである。電磁線の周波数は、重合
体中に存在する残留水又は溶媒をNLO化合物に対して反
応性となる温度に加熱することなく、分子内縮合の熱的
誘発が生ずるように選択される。その結果として、ホス
ト重合体におけるゲストNLO化合物の適合性が改善され
る。
【0016】本発明は、ポリアミド酸組成物の均一な加
熱により、得られるポリイミドの重合体分子の整列を細
かく制御できるとの知見を伴う。均一な加熱は、より低
い温度でのイミド化を提供する。ポリイミドは相当する
ポリアミド酸と比べてかなり融通性が劣り、高密度化
(自由容積の低減)により高い温度を要求するため、よ
り低い温度でイミド化した物質は、より高い温度で生成
したポリイミドよりも密度が小さい(より過剰な自由容
積を有する)。
【0017】より低い温度でイミド化された重合体の過
剰な自由容積は、重合体マトリックスにおけるNLO化合
物の高密度化ポーリングの間の効果的な電界の整列を許
容する。高密度化は、重合体分子が低減された間隔で整
列し始め、これにより、重合体物質の自由容積を低減さ
せる上昇された温度まで物質を加熱することによってポ
リイミドの過剰な自由容積を排除する。高密度化温度と
は、整列が生じ始める温度である。
【0018】高密度化ポーリングは、ポリイミド組成物
の鋳造フィルムの高密度化温度以上の温度への急激な熱
傾斜の間におけるNLO化合物の双極子の整列である。NLO
化合物の双極子は、急激な熱傾斜の間に強力な電界(0.
1〜2MVcm-1)をかけることによって整列される。初め
に、重合体の熱膨張が自由容積を増大させる。NLO化合
物の双極子は、利用できる自由容積がNLO化合物の分子
回転容積よりも大きい場合に整列されたものとなる。重
合体分子の整列後、一定期間、ポリイミド組成物を高密
度化温度以上に保持する(この間に、物質の自由容積が
収縮、すなわち低減する)。実質的に高密度化が完了し
た後、つづいて物質を冷却させる。
【0019】このようにして、高密度化温度サイクルに
よって物質は室温に戻り、過剰の自由容積が低減され
る。物質の収縮は整列した双極子をその位置に固定し、
これにより、整列された系の増大された熱安定が達成さ
れる。
【0020】従って、本発明の好適な具体例によれば、
本発明の方法は、さらに、好適な基板上でポリイミド組
成物のフィルムを鋳造し;NLO化合物の双極子を整列さ
せるに充分な強さの電界をポリイミドフィルムにかけな
がら、フィルムを高密度化温度以上の温度に加熱し、こ
の加熱速度を、高密度化温度に達する前にNLO化合物の
双極子が実質的に整列するように選択し;及び少なくと
もポリイミド組成物の利用できる自由容積がNLO化合物
の分子回転容積以下に低減されるまでフィルムの温度を
高密度化温度以上に維持する工程を包含する。
【0021】好適な方法では、ポリイミドのフィルムを
均一に加熱して、該ポリイミド内の温度差を局部的な熱
劣化温度を生ずるもの以下とする。さらに、好ましく
は、均一加熱はフィルムにマイクロ波又は高周波の範囲
の電磁線を照射することによって行われる。
【0022】電界の適用は、重合体の利用できる自由容
積がNLO化合物の分子回転容積以下に低減されたところ
で中止されてもよい。好適な方法では、ポリイミドの完
全な収縮及びNLO化合物の安定した双極子の整列が達成
されるように重合体フィルムが室温に冷却されるまで電
界の適用を持続する。
【0023】高密度化の度合(ポリイミドの複屈折率に
よって測定される)は、ポリイミドが加熱される高密度
化温度以上の絶対温度を変化させることによって制御さ
れる。このように、本発明では、ポリイミドの自由容積
の制御、及び使用するNLO化合物の分子容積と重合体の
適切な自由容積とのマッチングを可能にする。これは、
得られるポリイミド組成物の高密度化状態での複屈折率
についての究極の制御を提供する。
【0024】高密度化された状態における複屈折率を制
御できることは、重合体の光学的減衰を最少にする。ポ
リイミドの光学的減衰は、ドメインにおける電荷移動領
域からの散乱によって生ずる。これらのドメインは高密
度化と共に生じ、高温での高密度化後、増大された減衰
を招く。より低温でイミド化された重合体の過剰な自由
容積は、初期ドメインの形成及び高温での高密度化によ
る減衰を最少にし、これにより光過剰を増大させる。
【0025】本発明によれば、NLO化合物は、式(I)
で表される構造 D−R−A (式中、D、R及びAは非中心対称性電子非局在化共鳴
配置を形成し、Rはπ−共役電子非局在化芳香族環含有
基であり、Aは環置換電子吸引基であり、Dは環置換電
子供与基である)を有する。
【0026】また、本発明によれば、NLO化合物は、式
(IA)で表される構造 (式中、D1、D2、R1、R2、A1及びA2は非中心対称
性電子非局在化共鳴配置を形成し、R1及びR2は、独立
して、π−共役電子非局在化芳香族環含有基でなる群か
ら選ばれるものであり、A1及びA2は、独立して、電子
吸引基でなる群から選ばれるものであり、D1及びD
2は、独立して、環置換電子供与基でなる群から選ばれ
るものである)を有していてもよい。
【0027】式(I)又は(IA)について、Rは、1〜
10個の芳香族又はヘテロ芳香族環又は縮合環系(相互
に結合して非局在化共鳴配置を形成する)を含有してい
てもよい。好適な結合としては、π−電子共役炭素−炭
素、炭素−窒素及び窒素−窒素ブリッジがある。好まし
くは、少なくとも1つの5員又は6員ヘテロ芳香族環が
単独で存在するか、又は縮合環系の一部として存在し、
該ヘテロ芳香族環は、O、N、S、Se又はTeの中から選
ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含有する。縮合環
系の数又はサイズは、ポリイミドホストマトリックスに
おけるNLO化合物の適合性を妨げるほど大きいものであ
ってはならない。
【0028】本発明の方法の1態様によれば、ポリアミ
ド酸組成物(従って、当該組成物から分子内縮合によっ
て得られるポリイミド組成物)は、ホスト重合体マトリ
ックス中におけるNLOゲスト化合物のブレンドである。
本発明の方法の他の態様では、NLOゲスト化合物のペン
ダント側鎖はポリアミド酸に、その結果、ポリイミド重
合体マトリックスに共有結合する。ポリアミド酸及びポ
リイミドは反応性の基(当該基を介してNLO化合物が共
有結合する)をもつ1以上の単量体サブユニットを有す
る。好ましくは、重合体は、反応性の基(当該基を介し
てNLO化合物が共有結合する)をもつ複数個の単量体サ
ブユニットを含有し、NLO化合物に共有結合する反応性
の基を有する単量体のサブユニット:NLO化合物が共有
結合していない単量体サブユニットの比は1:99〜約
75:25である。
【0029】本発明の方法のさらに他の態様では、ホス
トポリアミド酸重合体マトリックスが、ポリアミド酸の
ポリイミドへの分子内縮合前に、NLOゲスト化合物によ
って架橋される。別法では、ポリイミドを生成するポリ
アミド酸の分子内縮合前に、ポリアミド酸を独立して架
橋して、NLOゲスト化合物のためのホスト重合体マトリ
ックスを形成させてもよい。
【0030】上述の如く、本発明の低温法によって生成
されたポリイミド組成物は、ユニークな複屈折特性を有
し、当該特性は、その中に含有されるNLO化合物のつづ
く双極子整列における利点であり、整列された組成物の
増大された安定性を提供する。従って、本発明によれ
ば、ゲストNLO化合物を含有するポリイミドホストマト
リックス組成物が提供される。好適なNLO化合物は式
(I)(式中、D、R及びAは上述した式(I)のものと
同意義を有する)で表される構造を有するものである。
【0031】低減された光学的減衰及び改善された双極
子整列の安定性の結果として、本発明のポリイミド組成
物は、NLO化合物を含有する従来のポリイミド組成物と
比べて増大された電気−光学効率を有する。加えて、低
減されたドメインの形成は、ポリイミド組成物の機械特
性を増大させる。さらに、公知でありかつ充分に理解さ
れている光学特性を有する市販のポリアミド酸から、電
気光学装置での使用に好適なポリイミド組成物が調製さ
れる。
【0032】本発明の方法によって調製されたNLO化合
物含有ポリイミド組成物は、好適に配向されると、高い
二次NLO感受率を示す。ポリイミド組成物は、NLO化合物
を含有するポリアミド酸の前駆組成物からも生成され
る。ポリアミド酸は、熱的に誘発される分子内縮合によ
る閉環反応によってポリイミドに変換される。この反応
は、固体状態での反応系(すなわち溶媒又は希釈剤の不
存在下)でポリアミド酸を温度約120〜190℃に均一に加
熱することによって行われる。
【0033】より低い温度での固体状態、溶媒フリーの
各反応条件(熱抵抗性のポリアミド酸組成物を均一に加
熱することによって可能になる)のため、他の場合で
は、含有されるNLO化合物を劣化させるような状況の発
生が阻止される。加えて、より低い温度条件のため、得
られるポリイミドに、つづくNLO化合物の双極子の整列
に有利である複屈折特性が与えられる。
【0034】本発明の方法で使用されたポリアミド酸組
成物及びその結果として生成されたポリイミド組成物中
に含有されるNLO化合物は、式(I)(式中、D、R及び
Aは非中心対称性非局在化共鳴配置を形成し、Dは電子
供与基であり、Aは電子吸引基であり、Rはπ−共役電
子非局在化芳香族環含有基である)で表される構造を有
する。
【0035】Rは、環が電子供与及び電子受容基によっ
て置換される際に光学的非線形性を示す各種のπ−共役
電子非局在化芳香族環含有基であり、当該環含有基は当
業者によって容易に特定される。好適なπ−共役電子非
局在化芳香族環含有基は1〜10個の芳香族環又は縮合
環系を含有する。2以上の環又は縮合環系が相互に結合
してπ−共役電子非局在化共鳴配置を形成する。
【0036】本明細書では、「ヘテロ芳香族」環は、芳
香族複素環に限定される(従って、フェニル基の如き炭
素環は除外される)ものとして定義される。「芳香族」
環は一般に炭素環及び複素環を含むものとして定義され
る。本発明のヘテロ芳香族環は、O、N、S、Se及びTe
の中から選ばれる1以上のヘテロ原子を含有する。
【0037】本発明のπ−共役電子非局在化芳香族環含
有基は、好ましくは、1〜4個の芳香族環又は縮合環系
を含有する。各有機基内の芳香族環又は縮合環系は同一
又は異なるものである。
【0038】複数個の環又は縮合環系を有する芳香族環
含有基については、少なくとも1つの環(単独又は縮合
環系内のもの)がO、N、S、Se及びTeから選ばれる1
つのヘテロ原子を有する5員ヘテロ芳香族環であること
が好ましい。ヘテロ芳香族環は、任意に、3個以下のN
原子をさらに含むことができる。好ましくは、5員ヘテ
ロ芳香族環は、式(II) (式中、YはC又はNであり、XはO、N、S、Se及び
Teの中から選ばれるものである)に相当する構造を有す
る。
【0039】好ましくは、複数個の環又は縮合環系を有
する芳香族環含有基は、2以上の5員ヘテロ芳香族環
(単独又は縮合環系の一部として)を含有する。最も好
ましくは、環のすべてが5員ヘテロ芳香族環であり、す
べての縮合環系が5員ヘテロ芳香族環を含有する。2以
上のヘテロ芳香族環が存在する場合、環は同一又は異な
るヘテロ原子を含有できる。
【0040】縮合環系は、ポリイミドホストマトリック
スにおけるNLOゲスト化合物の適合性を阻害するほど大
きいものであってはならない。縮合環系のサイズがポリ
イミドの適合性の妨げとなるポイントは当業者によって
容易に決定される。2〜3環の縮合環系が好ましく、3
環系が最も好適である。
【0041】複数個の環又は縮合環系を有するπ−共役
電子非局化芳香族環含有基について、近接する環又は縮
合環系は1〜3個のπ−電子共役電子非局在化官能基
(たとえば、炭素−炭素、炭素−窒素又は窒素−窒素官
能基)によって結合されていてもよい。好ましくは、近
接する環又は縮合環系が2又は3個の官能基で橋架けさ
れる場合、共役官能基は近接する環又は縮合環系の間の
共役官能基と同一又は異なるもののいずれでもよく、NL
O化合物内で変えられる。環がヘテロ芳香族環である
か、縮合環系がヘテロ芳香族環を含有する場合には、結
合は好ましくは環のα位上でヘテロ原子に交換される。
6員環(単独又は縮合環系内)については、結合はp位
で他の結合、電子供与基、又は電子受容基に交換され
る。
【0042】NLO化合物における近接する環又は縮合環
系を橋架けするためにπ−共役電子非局在化官能基を使
用することは、NLO活性有機物質の分野では実質的に一
般的である。当分野で公知の好適な環又は縮合環系−橋
架け官能基の例(これらに限定されない)としては、−
CH=CH−、−N=N−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、
−C≡C−及び(CH=CH)j−(ここで、jは1〜3であ
る)がある。近接する環又は縮合環系は、縮合構造を形
成することなく直接環又は縮合環系を結合するため共有
結合されてもよい。
【0043】本発明のπ−共役電子非局在化芳香族環含
有基は、1つの芳香族環又は縮合環系を含むこともでき
る。好適な1つの環は上述の如き5員ヘテロ芳香族環で
ある。縮合環系は1つの環以上に好適であり、好適な縮
合環系は、上述の如き少なくとも1つの5員ヘテロ芳香
族環を含有する縮合環系である。
【0044】π−共役芳香族環含有基が1つ又は複数個
の環又は縮合環系を含有することに拘わらず、本発明で
の使用に好適な縮合環系は2又は3個の環を含有する。
2環又は3環式縮合環系は完全に5員ヘテロ芳香族環で
構成される。
【0045】縮合環系内の複数個のヘテロ芳香族環の配
置は重要ではなく、上述の米国特許出願第07/930,732
号に示された如く、すべてが「アップ」配置であるか、
又は「アップ」及び「ダウン」が交互の配置であっても
よい。
【0046】本発明の縮合環系は5員ヘテロ芳香族環を
含有する構造に限定されない。ベンゼン環、ピリジン環
等又はこれらの組合せを含有する縮合環系も本発明での
使用に好適である。2環又は3環系がピリジンを含む場
合、ピリジンは4級化されていてはならない。このよう
なイオンは、双極子整列の電界ポーリング工程の間に過
酷な漏電を生ずる。
【0047】上記記載から、本発明での使用に好適なR
で示される芳香族環及び縮合環系は当業者によって容易
に決定される。好適な環及び環系としては、ピロール、
フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チ
オアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾー
ル、ピリミジン、ピリジン、プリン、キノリン、カルバ
ゾール、ベンゼン、ナフタレン、フラザン、ピラジン、
インドール、イソインドール、インダゾール、フェノチ
アジン、ベンゾトリアゾール、アントラセン、フェナン
トレン、アゾフェナントレン、キナゾリン、プテリジ
ン、ピロン、クロモン等がある(ただし、これらに限定
されない)。
【0048】本発明での使用に好適な非中心対称性電子
非局在化芳香族NLO化合物も、式(IA)(式中、A1及びA
2、D1及びD2及びR1及びR2は、同一又は異なるもの
であって、それぞれA、D及びRについて上述したもの
と同じ基の中から選ばれ、ただしD1及びD2の1つは水
素であってもよく、A1、A2、D1、D2、R1及びR2
形成される化合物は非局在化共鳴配置を有する)に相当
する構造を有する化合物を含む。式(IA)で表されるNL
O化合物は、同一出願人に係る米国特許出願第08/101,3
68号に開示されており、その内容をここでも参照する。
【0049】電荷の非対称性を誘発させるため、π−共
役電子非局在化芳香族環含有基は、電子供与基及び電子
受容基又は吸引基で環置換される。このように、式
(I)におけるA及び式(IA)におけるA1及びA2は電
子受容基を示し、電子供与基は式(I)におけるDとし
て及び式(IA)におけるD1及びR2として表示される。
【0050】電子供与基及び電子受容基は、好ましく
は、単環又は縮合環のメンバーである5員複素環上で置
換される(これは必須ではない)。ヘテロ芳香族環上で
置換される場合、電子供与基又は電子受容基は好ましく
はヘテロ原子によってα置換される。複数個の環又は縮
合環系を含有するπ−共役電子非局在化芳香族環含有基
について、電子供与基及び電子受容基は、好ましくは、
多数環構造の端で芳香族又はヘテロ芳香族環又は縮合環
系に結合される。単縮合環系について、電子供与基及び
受容基は異なる環の環メンバーに置換される。
【0051】電子供与基及び電子受容基は芳香族環含有
基に置換されて、電子非局在化共鳴配置を形成する。電
子供与基及び電子受容基を置換して電子非局在化共鳴配
置を形成させるための位置は当業者によって容易に決定
される。代表的な非局在化共鳴配置の例は上述の米国特
許出願第930,732号に示されている。
【0052】芳香族環含有基に電荷の非対称性を誘発で
きる電子供与基及び受容基は、本質的に、NLO活性有機
物質の分野では一般的である。電子受容基としての使用
には、π−共役電子非局在化環系から電子を吸引できる
各種の官能基が好適である。当分野で公知の好適な電子
受容基の例としては、−NO2、−CN、−CHO、−COR3、−
COOR3、−PO(OR3)2、−SO2R3、−SO3R3、−PO(R3)2、ジ
シアノビニルピロン及び−CX=CYZ(ここで、X、Y及
びZは、独立して、水素、−CN、−NO2、−COR3、−COO
R3、−SO2R3、−PO(R3)2及び−PO(OR3)2の中から選ばれ
る)がある。R3は炭素数15以下のアルキル基であ
り、好ましくはメチル基である。他の好適な電子受容基
としては、N,N−ジアルキルバルビツール酸、N,N−
ジアルキルチオバルビツール酸、N,N−ジアリールバ
ルビツール酸、N,N−ジアリールチオバルビツール
酸、ロダニン、ヒダントイン、オキサゾリ、及び式(II
I) [式中、X1及びX2は飽和又は不飽和の5〜8員環又は
5〜8員環を含有する2環系を形成し、及びX3及びX4
は、独立して、SO2及び基 (式中、X5はO、S、及びCI1I2(ここで、I1及びI2
は、独立して、−CN、−NO2、−COR3、−COOR3、−SO2R
3、−PO(R3)2、−PO(OR3)2の中から選ばれる)の中から
選ばれる)の中から選ばれる]に相当する構造を有する
環系がある。ここでもR3は炭素数15以下のアルキル
基であり、好ましくはメチル基である。式(III)の構
造によって定義される環構造体の例としては、3−ジシ
アノビニルインダン−1−スルホン、1,3−ビススル
ホニルインダン、インダン−1,3−ジオン、3−ジシ
アノビニルインダン−1−オン及び1,3−ビスジシア
ノビニルインダンがある。
【0053】強力な電子受容基が好ましく、その例とし
ては、−C(CN)=C(CN)2、−NO2、ジシアノエチレン、ジ
ニトロエチレン、シアノニトロエチレン、ニトロエステ
ルエチレン、N,N−ジアルキルバルビツール酸、N,N
−ジアルキルチオバルビツール酸及び式(III)(式中、
1、X2、X3及びX4及びI1及びI2は当該構造に関し
て上述したものと同意義である)に示す構造を有する基
がある。最も好適な強力な電子受容基は−C(CN)=C(CN)
2、トリシアノエチレン又はトリシアノビニル基であ
る。電子吸引基の選択についてのガイダンスは、Nicoud
ら、Nonlinear Optical Properties of Organic Molecu
les and CrystalのCh.II−III、Vol.1(1987),p.
233に見られる。
【0054】電子非局在化芳香族又はヘ芳香族環又は縮
合環系のπ−電子系に電子を放出できる各種の官能基が
電子供与基としての使用に好適である。式(I)の構造
に電荷非対称を誘発するために使用される電子供与基も
NLO活性有機物質の分野で本質的に一般的である。電子
供与基の選択に関するガイダンスも上記Nicoudらの文献
に見られる。
【0055】当分野で公知の好適な電子供与基の例とし
ては、−NR6R7−、−OR8−、−SR8−、−TeR8−、−SeR
8−、−CH=NR9−、−CH=N−NR6R7−及び−CH=C[N(R6
R7)]2(ここで、R6及びR7は、独立して、水素、炭素
数12以下のアルキル基及び炭素数12以下の官能化ア
ルキル基から誘導された基(当該基を介して電子供与基
がポリアミド酸又はポリイミドに共有結合される)の中
から選ばれる)がある。アルキル基は求核置換基(その
例としては、アルコキシ、アミノアルキル、アルキルハ
ライド、ヒドロキシアルキル、アルキルスルフィッド、
アルキルイソシアネート、アルキルイソチオシアネー
ト、アルキルチオール、アルキルアジド、アルキルカル
ボキシル、アルキルスルホニック、アルキルアルケン及
びアルキルアルキン基がある)で官能化される。R6
びR7は結合して、炭素数8以下の環状基(たとえば、
ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びモルホリン)
を形成していてもよい。
【0056】R8は、水素、炭素数6以下のアルキル基
及び炭素数6以下の求核置換基で官能化されたアルキル
基の中から選ばれる。R9は、水素、炭素数10以下の
アルキル基及び炭素数10以下の求核置換基で官能化さ
れたアルキル基の中から選ばれる。R8及びR9の求核置
換基官能化アルキル基は、R6及びR7について上述した
求核置換基によって官能化される。
【0057】好適な電子供与基の他の例としては、式
(IV) 又は (式中、E、F、G及びHは、飽和又は不飽和の5〜8
員環又は本質的に電子供与性である5〜8員環を有する
2環系のメンバーである)の構造によって表示される。
E、F、G及びHは、−CH−、−CH2−、又は独立して
O、N、S、Se、Teの中から選ばれるヘテロ原子又は−
NR11−である。R4、R5、R10及びR11は、独立して、
水素、炭素数18以下のアルキル基及び炭素数18以下
の求核置換基で官能化されたアルキル基の中から選ばれ
る。求核置換基官能化アルキル基はR6及びR7について
上述したものと同じである。
【0058】好適な単環又は2環式電子供与基の例とし
ては、ジチアン及びジチオリウム基(たとえば、1,3
−ジチオリウム、2−ベンゾ−1,3−ジチオリウム及
び2−エチレンジチオ−1,3−ジチオリウム等)があ
る。環が基におけるメンバーの定義に適合するように電
子供与性であるか否かは当業者によって理解される。
【0059】本発明の組成物の二次NLO特性を充分に増
大させる強力な電子供与基が好適である。強力な電子供
与基の例としては、−NR6R7及びピロリジン、ジチア
ン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンの如き基及び
上述のジチオリウム基がある。最も好適な強力な電子供
与基は2−エチレンジチオ−1,3−ジチオリウム基で
ある。
【0060】本発明のNLO化合物の芳香族又はヘテロ芳
香族環又は縮合環系はさらに任意に置換される。置換基
が望ましくない立体障害効果(その発生は当業者には明
白であろう)を生ずるほど大きくかつ多数でない場合に
は、芳香族又はヘテロ芳香族環上において各種の数の官
能基で置換できる。
【0061】本発明の好適な具体例では、上述の各第1
の電子供与基及び第1の電子受容基と同じ環又は縮合環
系の環メンバーに結合した第2の電子供与基又は第2の
電子受容基又はその両方を含有して、存在するすべての
電子供与基及び電子受容基がπ−共役芳香族環含有基と
一緒になって電子非局在化非中心対称性共鳴配置を形成
する。第2の電子供与基又は受容基は、相当する第1の
電子供与基又は受容基と同一又は異なるもののいずれで
もよい。第2の電子供与基又は電子受容基の存在は、電
子供基及び電子受容基のシングル置換を有する物質と比
べて、得られる物質の二次NLO特性を増大させる。
【0062】本発明のNLO化合物は、当分野で広く報告
されている公知の方法によって調製される。これらの基
の多くのものの調製は、上述の米国特許出願66,358号及
び第930,732号に開示されている。π−共役電子非局在
化芳香族環含有基のいくつかは市販のものである。電子
受容基及び電子供与基は、従来の方法を使用して芳香族
環含有基に置換される。
【0063】本発明のポリアミド酸は、芳香族ジアミン
のビス(無水芳香族ジカルボン酸)との反応、又はビス
(無水芳香族ジカルボン酸)の芳香族ジアミンとの反応
によって生成される。
【0064】無水芳香族ジカルボン酸(本発明のビス
(酸無水物)が誘導される)としては、無水フタル酸、
無水トリメリト酸、無水ナフタレン等がある。ビス(無
水芳香族ジカルボン酸)の例としては、無水3,3′,
4,4′−ベンゾフェニンテトラカルボン酸、無水ピロ
メリト酸、無水3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカ
ルボン酸、(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパンジアンヒドリッド、無水4,4′−オキ
シジフタル酸、無水3,3′,4,4′−ジフェニルスル
ホンテトラカルボン酸、無水5−(2,5−ジオキシテト
ラヒドロ)−3−メチル−3−シクロヘキサン−1,2−
ジカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリテー
トアンヒドリッド)がある。
【0065】ポリアミド酸(ポリイミドが誘導される)
の調製での使用に好適な芳香族ジアミンは当業者に公知
のものである。芳香族ジアミンは重合体のTgを細かく調
整するために選択される。たとえば、より堅い構造を有
するポリイミドを提供する芳香族ジアミンとしては、
2,4−トルエンジアミン、p−フェニルジアミン、2,
2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)−ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)
−ヘキサフルオロプロパン、3,3′−ジヒドロキシ−
4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメチル−
4,4′−ジアミノビフェニル、2,5−ジアミノベンゾ
トリフルオリッド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ
ル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシル)ビ
フェニル、4,4′−オキシジアニリン、3,4′−オキ
シジアニリン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、9,10−
ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、o−トルイジ
ンスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオ
レン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィッドがあ
る。
【0066】より軟らかく、剛性があり、より無定形の
構造を有するポリイミドを提供する芳香族ジアミンとし
ては、ビスアニリンP、ビスアニリンM、ビス−(4−
[4−アミノフェノキシ]フェニル)エーテル、テトラメ
チルフェニルメチレンジアミン、ジエチルメチレンジア
ミン等がある。
【0067】本発明での使用に好適なポリアミド酸は、
室温における固有粘度(ブルックフィールド粘度計で測
定)約1500〜約35000センチポイズ(cP)を有する液状
重合体である。好適なポリアミド酸は固有粘度約2000〜
約25000cPを有し、特に好適なポリアミド酸は固有粘度
約4000〜約15000cPを有する。本発明での使用に適する
ものとしては、AMOCO Chemical社(シカゴ)から市販さ
れているUltradel 4212,Ultradel 90200D及びUltradel
3112及びHitachi Chemical社から市販されているW10
0,W160,W200,L100,L2200及びW170の如き多く
の市販品がある。
【0068】本発明の1具体例では、本発明のNLO化合
物と上述のポリアミド酸から誘導されたポリイミドとの
ブレンドとして非線形光学媒体が形成される。代表的に
は、NLO化合物は、約1〜約50重量%、好ましくは約
5〜約30重量%のレベルで、ポリアミド酸、従ってポ
リイミドと配合される。本発明のNLO化合物はポリアミ
ド酸溶液に簡単に溶解し、該溶液はポリアミド酸フィル
ムを形成するためスピンコーディングに供される。つづ
いて溶媒を除去し、ポリアミド酸フィルムを硬化させ
て、NLO化合物を含有するポリイミドフィルムマトリッ
クスを形成する。
【0069】ポリアミド酸は、一般に、N−メチルピロ
リドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)等の如き高沸騰点極性溶媒中
に、約5〜約30重量%、好ましくは約10〜約20重
量%のレベルで溶解される。従って、NLO化合物は溶媒
中にポリアミド酸の重量に対して約1〜約50重量%、
好ましくは約5〜約30重量%のレベルで溶解される。
別法として、ポリアミド酸を本発明のNLO化合物の存在
下で重合して、ゲスト分子としてNLO化合物が存在する
ホスト重合体マトリックスを形成する。
【0070】本発明のNLO化合物は、ポリアミド酸、従
ってポリイミドに側鎖として共有結合される。NLO化合
物は重合化されたポリアミド酸に側鎖として直接結合さ
れていてもよい。求核置換を受けうる基で置換された単
量体から誘導されたポリアミド酸(この結果、ポリアミ
ド酸が該基で置換されている)を使用することによって
ポリアミド酸の環置換が達成される。このような基は当
業者によって容易に決定されるが、好適な基は酸クロリ
ドである。
【0071】ついで、ポリアミド酸を、式(I)(式中、
R及びAが式(I)について上述したものと同じであ
り、Dが求核置換基で官能化した電子供与基である)で
表される構造を有するNLO化合物と反応させる。ポリア
ミド酸を上記NLO化合物で置換する手段は公知であり、
本質的に当業者にとっては一般的である。式(IA)のNL
O化合物(D1及びD2のいずれか又は両方が求核置換基
によって官能化された電子供与基である)も同様に反応
される。
【0072】このように、電子供与基は、式(IV)の構
造におけるR6又はR7が求核置換基で官能化された炭素
数12以下のアルキル基であり、R8が炭素数6以下の
官能化アルキル基であり、R9が炭素数10以下の官能
化アルキル基であり、又はR4、R5、R10及びR11の少
なくとも1つが炭素数18以下の官能化アルキル基であ
る上述の電子供与基である。
【0073】別法として、NLO化合物を初めにポリアミ
ド酸単量体の側鎖として共有結合し、ついでNLO側鎖を
持たない単量体と共重合させてNLO側鎖を有するポリア
ミド酸を形成することもできる。ついで、当業者にとっ
て公知の一般的手段によってNLO重合体を回収及び精製
する。
【0074】このようにして、ビス(無水芳香族ジカル
ボン酸)(これらから本発明のポリアミド酸が誘導され
る)は環置換NLO側鎖を有することができる。無水芳香
族ジカルボン酸のいずれか又は両方の芳香族基が求核置
換を受ける基によって置換されているビス(無水芳香族
ジカルボン酸)を使用することによってビス(無水芳香
族ジカルボン酸)の環置換が達成される。
【0075】ついで、ビス(無水芳香族ジカルボン酸)
を式(I)(式中、R及びAが式(I)について上記した
ものと同意義であり、Dが求核置換基で官能化された電
子供与基である)で表される構造を有するNLO化合物と
反応させる。ビス(無水芳香族ジカルボン酸)を上述の
NLO化合物によって環置換する手段は当業者には公知で
あり、本質的に一般的である。D1及びD2のいずれか又
は両方が求核置換基で官能化された電子供与基である式
(IA)のNLO化合物も同様に反応される。
【0076】ビス(無水芳香族ジカルボン酸)のNLO側
鎖は環置換される必要はない。非芳香族基を有するビス
(無水芳香族ジカルボン酸)(求核置換を受けうる基で置
換される)を使用することによって、芳香族環以外の位
置での側鎖置換が達成される。ついで、ビス(酸無水
物)を求核置換基で官能化された電子供与基を有する上
述のNLO化合物と反応させる。ビス(酸無水物)を上述
のNLO化合物で側鎖置換する手段も当業者には公知であ
り、本質的に一般的である。
【0077】好ましくは、ビス(無水芳香族ジカルボン
酸)は、2つの無水芳香族ジカルボン酸をNLO化合物と
結合させることによって調製される。原料として好適な
無水芳香族ジカルボン酸の例としては、脂肪族アンヒド
リッド、無水トリメリト酸、酸クロリド、無水1,8−
ナフタル酸等があり、これらは求核置換を受けうる基に
よって置換される。酸無水物を、2つの電子供与基又は
2つの求核置換基をもつ1つの電子供与基を含有する式
(I)又は(IA)で表される構造を有するNLO化合物と
反応させる。NLO側鎖を有するビス(無水芳香族ジカル
ボン酸)が得られる。
【0078】従って、電子供与基は、−NR6R7、−CH=N
−NR6R7及び−CH=C[N(R6R7)]2の如き2つの求核置換基
で官能化される上記電子供与基の1つであってもよい。
上記電子供与基について、環状基が2つの求核置換基で
官能化される場合には、R6及びR7は一緒になって炭素
数8以下の上記環状基の1つを形成することもできる。
電子供与基は、式(IV)(式中、R4、R5、R10及びR11
の少なくとも2つは求核置換基を含有する)で表される
構造を含むこともできる。
【0079】反応は、非プロトン性溶媒中、温度約−1
0〜約25℃で行われる。好適な非プロトン性溶媒の例
としては、塩化メチレン、クロロホルム、クロルベンゼ
ン等の如きハロゲン化炭化水素がある。NLO側鎖置換ビ
ス(無水芳香族ジカルボン酸)を、水での抽出、乾燥及
び溶媒洗浄(塩化メチレン/ヘキサン(1/1)混合物
が好適である)を包含する常法によって処理する。
【0080】NLO側鎖置換芳香族ジアミンも同様に調製
される。すなわち、環置換芳香族ジアミンは、求核置換
を受けうる基によって環置換される芳香族ジアミン、及
び求核置換を受けうる基によって置換される非芳香族基
を有する芳香族ジアミンから調製される。いずれかの化
合物を、式(I)又は(IA)(式中、電子供与基は求核置
換基で官能化される)で表される構造を有する化合物と
反応させる。芳香族ジアミンを上述のNLO化合物で置換
する手段も当業者には公知であり、本質的に一般的であ
る。
【0081】好ましくは、芳香族アミンをNLO化合物と
反応させることによって芳香族ジアミンを生成する。好
適な芳香族アミン原料の例としては、アニリン、2−、
3−又は4−アミノフェノール等があり、求核置換を受
けうる基によって置換し、2つのリービング(leavin
g)基を含有する電子供与基を有するNLO化合物と反応さ
せて、NLO側鎖を持たない芳香族ジアミンが得られる。
【0082】芳香族アミン2モルをNLO化合物1モルと
反応させると、2つの芳香族アミンがNLO側鎖によって
結合された芳香族ジアミンを生成できる。このNLO化合
物も、2つの電子供与基、又は2つの求核置換基を含有
する上述の電子供与基の1つを含有する。
【0083】NLO側鎖を有する芳香族ジアミンは、求核
置換を受けうる基で置換された芳香族アミン1モルを、
2つのアミン置換基を含有する電子供与基を有するNLO
化合物1モルと反応させることによっても調製される。
アミンの1つは側鎖としてNLO化合物を芳香族アミンに
結合させるように機能し、一方、他のアミンはジアミン
の第2のアミンとして機能する。
【0084】芳香族アミン及びNLO化合物を、DMF、DMS
O、NMPの如き極性溶媒中、約0〜約50℃の範囲の温度
で反応させる。ついで、NLO側鎖置換芳香族ジアミン
を、ジクロロメタンでの抽出、乾燥及び溶媒洗浄(氷冷
アルコールが好適である)を包含する常法によって処理
する。
【0085】ついで、ビス(無水芳香族ジカルボン酸)
及び芳香族ジアミンを1:1の比で共重合させて、本発
明のポリアミド酸を生成する。ビス(酸無水物)、芳香
族ジアミンのいずれか又は両方がNLO側鎖を含有でき
る。NLO側鎖を持たないビス(酸無水物)及び芳香族ジ
アミンの両方が反応混合物中に含まれていてもよい。
【0086】このように、本発明のポリアミド酸は完全
にNLO基によって置換される必要がないことが理解され
るであろう。本発明は、NLO置換単量体ユニット:未置
換単量体ユニットの比約1:99〜約75:25である
重合体を包含する。
【0087】従って、本発明は、NLO化合物置換ビス
(無水芳香族ジカルボン酸)とNLO化合物置換芳香族ジ
アミンとの反応から誘導されるポリアミド酸を含む。置
換比が約10:90〜約70:30であることが好適で
ある。重合体がスピン鋳造溶媒に可溶性であるために
は、約60:40より小の置換比がより好適である。最
も好適な置換比は約50:50である。同じ比が、側鎖
としてNLO化合物を直接重合体ポリアミド酸に結合させ
ることによって調製されたポリアミド酸にも適用され
る。すなわち、重合体ポリアミド酸の各単量体サブユニ
ットが求核置換を受けうる基によって置換されない。
【0088】本発明のポリアミドの重合は本質的に一般
的なものであり、当業者によって容易に理解されるであ
ろう。重合は、反応体用の一般的な溶媒(代表的には、
NMP、DMAC、DMSO等の如き高沸点極性溶媒)中で行われ
る。
【0089】反応が完了した後、低級アルコール(たと
えば、メタノール又はイソプロパノール)によってNLO
側鎖を有するポリアミド酸を沈殿させ、濾取し、減圧乾
燥させる。ついで、重合体を常法(代表的には、溶解及
び低級アルコールからの再沈殿を繰返し行う)によって
さらに精製する。本発明の好適なポリアミド酸及びポリ
イミドは、代表的には、重量平均分子量(ゲル浸透クロ
マトグラフィーによって測定)約2500〜約50000を有す
る。
【0090】本発明のポリアミド酸−NLO化合物ブレン
ドのフィルムは、重合体の溶媒溶液をスピン鋳造し、そ
の後、温度好ましくは約80〜約100℃でオーブン乾燥
して溶媒を除去することによって形成される。ポリアミ
ドフィルムを適当な基板(代表的には、ケイ素ウエハ
ー、インジウムスズ酸化物ガラス等)上に被覆する。NL
O化合物を含有する重合体フィルムのスピン鋳造は本質
的には一般的なものであり、米国特許第4,935,292号に
開示されており、その記載を参照する。フィルムの厚さ
は約1〜約10μmが好適であり、3μmのフィルム厚
が最も好適である。
【0091】本発明によれば、ポリアミド酸のポリイミ
ドへの環化は、ポリアミドフィルムを溶媒又は希釈剤の
不存在下で均一に加熱して、温度約120〜約190℃で分子
内縮合を熱的に誘発させることによって達成される。上
述の如く、固体状態、溶媒フリーの反応条件下における
均一加熱の結果、より低い温度での縮合反応が生じ、NL
O化合物の劣化を回避できる。より低い温度での均一加
熱のため、つづくNLO化合物の双極子整列に有用なユニ
ークな複屈折特性を有するポリイミド組成物が得られ
る。
【0092】本発明による好適な方法では、ポリアミド
組成物にマイクロ波又は高周波の範囲の電磁線を照射す
ることによって当該組成物を均一に加熱する。電磁線に
よって生ずる誘電加熱のため、得られるポリイミドの重
合体分子の整列及び従って自由容積を極めて細かく制御
できる。
【0093】マイクロ波又は高周波の中で使用できる電
磁線の周波数は、108〜1011Hzの範囲である。電磁
線はパルス化又は連続性のいずれでもよい。インプット
電力は所望の加熱速度を提供するように選択される。好
適なインプット電力は約1〜2KW以下である。
【0094】パルス化放射線を使用する場合、分子内縮
合中のポリアミド酸内で発生する有害な熱を散逸させる
パルス持続時間及びパルス繰返し周波数の各種組合せを
本発明において使用できる。パルス持続時間は1〜100
秒の範囲内であり、パルス繰返し周波数は2〜1000パル
ス/秒である。ポリアミド酸組成物に対する照射を分子
内縮合を行うに充分な時間で実施する。一般に、所望の
縮合度合を達成するために、フィルムに少なくとも5分
間、一般的には約15〜約60分間照射する。縮合を達
成するために必要な時間は、電力を高く設定すればする
ほど短くなる。
【0095】連続放射線を使用する場合には、所望の分
子内縮合を達成するに充分な時間、一般に約15分、好
ましくは約10〜約30分間サンプルを加熱する。パル
ス化放射線を使用する場合と同様に、時間、周波数及び
インプット電力を、所望の縮合度合が達成されるように
常法操作に従って調節できる。
【0096】代表的には、初めに、所望の分子内縮合温
度に達するように連続放射線を使用し、その後、パルス
化放射線を使用して所望温度を維持する。従って、連続
放射線持続時間、パルス持続時間、及び放射線周波数
は、簡単な校正実験に基づいて所望の縮合度合を達成す
るように当業者によって容易に調節される。ポリアミド
酸の相当するポリイミドへの変化の程度は、一般的な分
析技術(たとえば、フーリエ変換赤外線分光測光(FT−
IR))によって確認される。
【0097】最適縮合温度も簡単な校正実験によって決
定される。上述の如く、分子内縮合は温度約120〜約190
℃で熱的に誘発される。約150〜約180℃の温度が好適で
ある。縮合反応は水の発生を伴うが、この水は、厚さ2
0μm以下の重合体フィルムの場合、照射の間に容易に
蒸発する。バルク縮合法については、表面積:容積の比
を小さくして、水(蒸発する)を完全に除去することが
必要である。しかしながら、この操作も、照射時間を延
長すること、照射空間を通気すること、照射される重合
体に減圧をかけること等又はこれらの組合せの如き技術
によって行われるルーチン事項である。
【0098】ポリアミド酸サンプルの照射は、連続又は
パルス化照射によって実施され、サンプルの分子内縮合
を熱的に誘発するために必要な電力条件を満足するマイ
クロ波及び/又は高周波加熱装置内で行われる。好適な
加熱装置としては、マイクロ波加熱炉、導波管、共振空
胴等がある。好適な加熱装置は当分野で公知であり、市
販されている。
【0099】本発明の実施に好適な装置は、シングルモ
ードの共振空胴である。本発明では、この装置での加熱
について利用可能な各種のモードが使用できる。しかし
ながら、本発明は、この装置の使用に限定されず、各種
のマイクロ波又は高周波加熱装置で実施される。
【0100】一般に、本発明の方法は、マイクロ波又は
高周波装置内にポリアミド酸を置き、適切なインプット
電力をかけることによって行われる。本発明は、バッチ
式又は連続式のいずれの方式としても適用される。
【0101】本発明は、分子内縮合が熱的に誘発される
温度を、得られるポリイミドの複屈折性を最適なものと
するように選択できるとの知見にも基づくものである。
光は、波が伝播方向に対して垂直に振動する横波として
動く。複屈折は、光学物質による光波の2つの成分、す
なわち常光線及び異常光線(これらは異なった速度で移
動し、互いに直角で分極される)への分割である。換言
すれば、複屈折物質は2つの成分について別々の屈折率
を有し、その結果、媒体中で異なった速度で分離及び移
動を生ずる。
【0102】常光線は非複屈折物質において光波の予測
された経路をたどり、一方、異常光線は2つの屈折率の
間の差(この差は複屈折率として表示される)を関数と
して異なった速度で前記経路から逸脱する。複屈折率
は、異常光線についての屈折率から常光線についての屈
折率をひくことによって求められる。
【0103】屈折率及びその結果としての複屈折率は、
Nishihariら、Optical IntegratedCircuits,(McGraw
1985),セクション8.2.2に開示されたプリズム−
カップリング測定法によって測定される。本発明の方法
は、本質的に小さい複屈折率(代表的には、0.2より
小)を有するポリイミドを制御下にかつ再現性よく提供
する。このポリイミドの分子整列の自由容積は複屈折率
の逆関数であり、複屈折率が小さければ小さいほど、自
由容積は大きくなる。一定のポリイミドについての複屈
折率を最小にするため、縮合温度を最低に維持すべきで
ある。すなわち、自由容積を最大にするために、縮合温
度をできる限り低い値に維持すべきである。以下にさら
に詳述するように、目的は、最適の複屈折率及び使用さ
れるNLO化合物の分子回転容積に相当する重合体の自由
容積を達成することにある。自由容積は、双極子整列に
つづく高密度化の際のNLO化合物の分子回転容積以下に
収縮し、高密度化前の分子回転容積よりも大きく、又は
少なくとも膨張して大きくなり、これにより個々のNLO
化合物分子が双極子の整列のために自由に回転するよう
に選択されるべきである。
【0104】このように、特定のポリイミドについて最
大又は最小の複屈折率が必ずしも最も望ましいものでは
ない。これに対して、最適な複屈折率は、高密度化前に
特定のNLO化合物の分子回転を可能にし、ついで、双極
子の整列につづいて分子回転容積以下に高密度化させる
ような範囲である。
【0105】NLO化合物の分子回転容積は化合物の構造
と共に移動する。従って、特定のポリイミドの複屈折率
についての最適範囲は、NLO化合物の構造を関数として
変動する。
【0106】NLO化合物の分子回転容積は(Å)3で表示
され、化合物の分子量に対応する。市場で入手可能なNL
O化合物は、分子量約100〜約2000ドルトンの範囲内であ
る。これは、約250〜約3000(Å)3の分子回転容積に相
当する。一定範囲の分子回転容積についての複屈折率の
最適範囲を下記の表1に示す。
【0107】
【表1】 P.I.熱硬化温度 複屈折 旋回の空間半径 (BPDA−PDA) (Δn) (Å) 120° 0.02 >30 180° 0.12 15 220° 0.16 8 300° 0.18 4 360° 0.2 3 分子回転容積((Å)3)の決定は、特定のNLO化合物にお
ける各原子の容積、原子内距離及び個々の結合角度の関
数である。この計算は本質的に一般的であり、分子モデ
ルを形成すること又は標準のコンピュータープログラム
を使用することによって当業者によって容易に実行され
る。分子モデルから長軸を測定し、中心点の回りの旋回
半径を決定する。NLO分子について、これは双極子モー
メントの方向と一致する。
【0108】従って、特定のNLO化合物の分子回転容積
が計算され、特定の分子回転容積に関する最適自由容積
を有するポリイミドと調和される。特定のポリイミドの
自由容積は、所望の自由容積(複屈折率によって決定さ
れる)を達成するために、上述の如く分子内縮合温度を
変化させることによって当業者によって容易に調節され
る。評価されるように、ポリイミドの複屈折率の調節
は、所望の複屈折率及び対応する重合体の自由容積を生
ずる分子内縮合温度を決定するための簡単な計算実験に
基づくものである。これは、過度の実験を行うことなく
当業者によって容易に実行される。
【0109】NLO化合物を、NLO化合物の分子回転容積に
関する最適自由容積を有するポリイミドと調和させる目
的は、双極子の整列法(高密度化ポーリングと称され
る)によってポリイミド重合体マトリックスにおける双
極子整列NLO化合物の熱安定性を増大させることであ
る。高密度化ポーリングは本質的に2工程法であり、該
方法では、迅速な熱傾斜の間に強い電界(0.1〜2.0MVcm
-1)をかけることによってNLO化合物の双極子を整列さ
せ、つづいて上昇させた温度でポリイミドを高密度化さ
せる。高密度化ポーリングは、NLO化合物と、双極子の
整列工程の間にポリイミドマトリックス内での各NLO化
合物分子の自由回転を許容するが、つづいて各NLO化合
物分子の分子回転容積よりも小さい自由容積に高密度化
し、これによって重合体の高密度化又は収縮がNLO化合
物の整列した双極子をその場に固定し、整列した系を安
定化させる自由容積を有するポリイミドとを調和させる
ことを要求する。
【0110】イミド化反応は、柔軟なポリアミド酸鎖を
より堅固なポリイミド鎖に変換させる。マイクロ波によ
る低温イミド化は、堅固な重合体鎖(あまり堅くつめこ
まれていない)を生成する、熱エネルギーは高い詰め込
み密度を生ずる。
【0111】ポリイミドフィルムについて高密度化ポー
リングを行う。従って、塊状ポリアミド酸から分子内縮
合されたポリイミドは、初めに、好適な基板上にスピン
被覆され、つづいて、米国特許第4,935,292号に開示さ
れた如く、ポリアミド酸に関する上記方法を行い、その
後、温度80〜100℃においてオーブン内で溶媒を除去
し、約1分で実質的にすべての溶媒を除去する。
【0112】高密度化ポーリングは、ポリアミド酸の分
子内縮合直後のポリイミド組成物フィルムについて行わ
れる。別法では、ポリイミド組成物フィルムを初めに冷
却し、高密度化ポーリング前に長期間貯蔵することもで
きる。
【0113】ポリイミド組成物フィルムの高密度化ポー
リングは、高密度化温度以上の温度への迅速な熱傾斜に
よってフィルムを加熱することによって行われる。ポリ
イミドについての高密度化温度は代表的には310℃以上
である。この温度以上では、トータルインデックス(2
つの別々のインデックスの平均)又は複屈折にさらにわ
ずかの変化がある。これは、自由容積のわずかの減少又
は密度の最大があるために生ずる。本発明での使用に好
適なポリイミドは、代表的には、約300〜約340℃の高密
度化温度を有する。NLO化合物の双極子は、迅速な熱傾
斜の間に強い電界(0.2〜1.0MVcm-1)をかけることによ
って整列される。初めに、重合体物質の熱膨張が自由容
積を増大させ、各NLO化合物分子が回転して、双極子整
列となることを許容する。ついで、ポリイミド組成物
を、重合体分子が整列した後、特定の時間高密度化温度
に保持する(この間に物質の自由容積が収縮する)。
【0114】代表的には、双極子の整列には約0.1〜約
20分が必要である。迅速な熱傾斜の加熱速度は、高密
度化温度が達成される前に双極子が整列できるように選
択される。一般に、約5〜約60℃/分の加熱速度で
は、重合体の高密度化前における許容できる重合体の整
列が可能である。双極子の整列には、約20〜約40℃
/分の加熱速度が最適である。
【0115】ポリイミド組成物フィルムを高密度化温度
以上に加熱する際の温度は、ポリイミド重合体マトリッ
クス内に双極子整列NLO化合物分子を固定するために要
求される高密度化の度合に左右される。NLO化合物分子
の分子回転容積よりもかなり大きい自由容積を有するポ
リイミドについては、より高い温度が要求される。もち
ろん、ポリイミドフィルムは、NLO化合物の熱劣化が生
ずる温度まで加熱されてはならない。この理由のため、
高密度化ポーリングを、ポリイミド組成物フィルムを均
一に加熱し、これによりポリイミド内における温度差が
局部的な熱劣化温度を生ずる温度差以下となるように行
うことが好適である。さらに好ましくは、均一加熱は、
ポリアミド酸の分子内縮合に関する上記操作法によるマ
イクロ波又は高周波の範囲の電磁線をフィルムに照射す
ることによって行われる。
【0116】双極子整列の安定状況下では、ポリイミド
重合体マトリックスは過剰に高密度化されない。従っ
て、一般に、ポリイミド組成物は、NLO化合物を熱的に
劣化させず、又はあまりにも大きすぎる複屈折率を生ず
る程度までポリイミドを高密度化させることがない温度
以上の最も高い温度に加熱されるべきである。従って、
ポリイミド組成物は、重合体の高密度化温度と、許容さ
れる複屈折率を有するポリイミドを提供するために有効
なNLO化合物の熱劣化温度との間の温度に加熱されるべ
きである。
【0117】高密度化ポーリング後、ポリイミド組成物
フィルムの複屈折率は0.3を越えてはならず、好ましく
は0.2を越えてはならない。上述の如く、ポリイミドの
複屈折率の調節は、所望の複屈折率を生ずる温度を決定
するための簡単な計算実験に基づくものである。これ
は、過度の実験を行うことなく、当業者によって容易に
実施される。
【0118】低い複屈折率を維持するためにより低い温
度が要求される場合には、重合体の完全な高密度化を行
って各NLO化合物分子の双極子整列を安定化させるため
に、より長い高密度化時間が必要である。代表的には、
ポリイミド組成物は、重合体の高密度化温度以上の温度
に少なくとも0.5分間(好ましくは約20分以下)保持
される。実際の高密度化温度に近い低い温度では、より
長い加熱時間が必要ではあるが、加熱時間が約5〜約1
0分であることが好ましい。
【0119】双極子整列のための電界の適用は、双極子
整列の安定性を、ポリイミドの収縮が整列されたNLO化
合物をポリイミドマトリックス内に固定させるまで維持
するために、ポリイミドの利用できる自由容積がNLO化
合物の分子回転容積以下に低減されるまで続けられる。
好ましくは、電界の適用は、重合体フィルムが室温に冷
却して、高密度化が完了するまで維持される。
【0120】米国特許第4,932,292号及びSPIE Proceedi
ng No.1147,74−83(1989)には、重合体マトリック
スの放射線誘発又は化学誘発架橋によって、さらにNLO
化合物の双極子整列の安定が達成されることが開示され
ている。この方法も本質的に一般的であり、米国特許第
4,935,292号の記述を参照する。
【0121】NLO−活性極化重合体フィルムの電気−光
学効率は、分子二次非線形光学感度βと分子基底状態電
子双極子モーメントμとの積に比例する。分子βは、吸
収ピークに近い共鳴効果のため、測定が行われる周波数
に左右される。特別の周波数で測定したβ値の2レベル
モデルを使用する周波数0への補外による異なる吸収特
性を有する分子を比較する方法は、SingerによってJ.O
pt.Soc.Am.,B6,1339−50(1989)に開示されてい
る。補外された周波数でのβ値をβ0と定義する。本発
明のNLO活性化合物は、波長1907nmで測定して10-48es
uの単位において約10000程度のβ0・μの積の値を示
す。
【0122】このように、本発明は、市販のポリアミド
酸から、含有されたNLO化合物の熱劣化が最小である所
望のポリイミドを基材とするNLO組成物を生成できる改
善された方法を提供するものである。該方法は、低減さ
れた高密度化を有するポリイミドを提供するものであ
り、この低減された高密度化は、双極子整列の際のポリ
イミド重合体マトリックス内におけるNLO化合物分子の
安定化を改善する手段を提供する。双極子整列の改善さ
れた安定性はドメインの生成及びこれに伴う光減衰を低
減させる。その結果、本発明のポリイミド組成物は、従
来技術によるポリイミド組成物に匹敵する増大された電
気光学効率を有する。
【0123】以下の実施例は本発明をさらに説明するも
のであり、本発明の精神を限縮するものではない。すべ
ての「部」及び「百分率」は、他に表示しない限り重量
基準であり、温度はすべて「℃」である。
【0124】直径17.5cm(7インチ)のシングルモード
調整可能キャビティー(Wavemat社製)を使用してマイ
クロ波加熱を行った。マイクロ波装置は、周波数2.45GH
zで作動する可変電力装置(最大アウトプット電力40
ワット及びプログラム化温度コントローラーを有する)
でなる。この装置を使用することによって、一定の電力
加熱、時間を関数とする温度の監視、及び制御されたル
ープフィードバックシークエンスの使用を介してマイク
ロ波電力をパルス化することによる等温加熱を行うこと
が可能である。必要であれば、フルオロオプティック装
置LUXTRON 755を使用して温度を監視する。
【0125】サンプルをキャビティー内に入れて、TM
012モードを使用した。フィルムの温度を、その表面上
にluytron温度計を直接置くことによって測定した。マ
イクロ波実験のすべてを、連続マイクロ波エネルギーを
使用して、等温が達成されるまで行い、その時点で当該
温度を維持するためマイクロ波電力のパルス化を行っ
た。
【0126】
【実施例1】溶媒としてN−メチルピロリドンを使用し
て、ポリアミド酸(Hitachi L2200)の15重量%溶液
中にNLO化合物を溶解させることによってNLO化合物を含
有するポリアミド酸溶液を調製した。式(V) のNLO化合物、2−ヘキシル−トリエニル−6−イリデ
ン−[2′−(1′,3′−ベゾジチオール)]−トリシア
ノビニルを、前記溶液にポリアミド酸の重量基準で10
%レベルで溶解させた。ポリアミド酸及びNLO化合物を
室温において4時間連続混合して溶解させた。
【0127】−78℃において撹拌しながら、新たに蒸
留した乾燥テトラヒドロフラン(25ml)中に2−ヘキ
サノイルチオフェン(10.0ミリモル)及び2−ジエトキ
シホスホリル−1,3−ベンゾジチオール(2.9g、10.0
ミリモル)を含有する溶液にアルゴン雰囲気下でカルシ
ウムt−ブトキシド(1.12g、10.0ミリモル)を添加す
ることによって、2−ヘキシル−チエニル−6−イリデ
ン−[2′−(1′,3′−ベンゾジチオール)]−トリシ
アノビニルを調製した。得られた溶液を撹拌し、アルゴ
ン雰囲気下、室温にゆっくりと1夜加温した。混合物を
減圧濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、水で洗
浄し(3×200ml)、乾燥し(Na2SO4)、シリカ約5.0g
上に濃縮させた。このシリカを、シリカを充填した中圧
カラムに添加した。カラムを、ヘキサン−ジクロロメタ
ンの3:1から1:1までのグラデイエントの溶液で溶
離し、置換チオフェンを得た(2.36g、収率90%)。
【0128】この置換チオフェンのジメチルホルムアミ
ド(25ml)溶液に、0℃、アルゴン雰囲気下で撹拌し
ながら、徐々に(約5〜10分)テトラシアノエチレン
(1.0当量)を添加することによって置換チオフェンの
トリシアノビニル化を行った。反応混合物をゆっくりと
室温に1夜加温し、ついで水100mlに注入し、ジクロロ
メタンで抽出した(2×200ml)。ジクロロメタン相を
合わせ、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、中圧カラ
ム上でクロマトグラフィー(シリカ)処理した。カラム
をヘキサン−ジクロロメタンの2:1混合物で溶離し、
トリシアノ化合物を得た(収率80%)。
【0129】ベンゼン(20ml)中にチオフェン(0.9
g、10.7ミリモル)及び塩化ヘキサノイル(1.52g、1
1.3ミリモル)(これらはAldrich Chemical社製のもので
あり、さらに精製することなく使用した)を溶解させる
ことによって2−ヘキサノイルチオフェンを調製した。
溶液をアルゴン中で0℃に冷却した。塩化第二スズ(1
0.7ml、10.7ミリモル、1Mジクロロメタン溶液)を滴
加し、得られた溶液を1夜撹拌した。次の日、濃塩酸及
び水の50:50混合物20mlを添加した。得られた混
合物を2時間撹拌した。この際、色が黄金色になった。
有機層を分離し、炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾
燥し(Na2SO4)及び濃縮して2−ヘキサノイルチオフェ
ンを得た(収率94%)。化合物を、溶離液としてヘキ
サン/ジクロロメタンを使用するカラムクロマトグラフ
ィーによってさらに精製した。
【0130】J.Org.Chem.,39,2457(1974)に記載
された如くして2−ジエトキシ ホスホリル−1,3−ベ
ンゾジチオールを調製した。
【0131】ポリアミド酸/NLO化合物混合物のフィル
ム(厚さ3μm)を、上記ポリアミド酸/NLO化合物溶
液をスピン被覆することによって2.5cm×2.5cmシリコン
ウエハー上に形成した。ついで、フィルム被覆ウエハー
をオーブンにおいて100℃で乾燥して、残るN−メチル
ピロリジンを除去した。
【0132】各フィルム被覆ウエハーをマイクロ波装置
のキャビティー内に置いた。フィルムサンプルに連続マ
イクロ波エネルギーを10分間照射して、予め選択した
分子内縮合温度160℃とした。達成された実際の平均温
度は156℃である。
【0133】マイクロ波照射後、フィルムサンプルを冷
却し、マイクロ波キャビティーから取出した。FT−IRに
より、イミド化が約95%進行したことが確認された。
ポリイミド組成物フィルムは複屈折率(上記プリズムカ
ップリング法によって測定)0.0041を有していた。NLO
化合物の熱分解は実質的に生じなかった。
【0134】マイクロ波加熱したフィルム被覆ウエハー
の内5個を、ついで、オーブン内において350℃で20
分間加熱した。フィルムを冷却し、各フィルムについて
複屈折率を測定した。高温処理後、ポリイミド組成物フ
ィルムは複屈折率0.0043を有していた。
【0135】フィルム被覆ウエハー5個についてはマイ
クロ波処理せず、代わりに、マイクロ波加熱することな
くオーブン内において350℃で20分間加熱した。冷却
後、これらフィルムについての複屈折率は0.0071であっ
た。
【0136】
【実施例2】実施例1と同様にして、ポリアミド酸フィ
ルム被覆ウエハー5個を調製した。実施例1と同様にし
て、ただし25分間で、フィルムサンプルにマイクロ波
エネルギーを照射した。複屈折率の測定を行い、つい
で、実施例1と同様にして、オーブン内において350℃
でサンプルを加熱し、つづいて比較のため複屈折率を測
定した。
【0137】マイクロ波加熱後、オーブン加熱前におい
て、ポリイミド組成物フィルムは複屈折率0.0040を有し
ていた。オーブン加熱後では複屈折率は0.0047であっ
た。
【0138】
【実施例3】実施例1と同様にしてポリアミド酸フィル
ム被覆ウエハー3個を調製し、これらを3つの群に分
け、それぞれを170℃、180℃及び190℃で約15分間マ
イクロ波硬化させた。得られた実際の平均温度は166
℃、176℃及び183℃であった。実施例1及び2と同様
に、マイクロ波加熱後複屈折率を測定し、つづいて350
℃で20分間熱加熱し、その後、比較のため、さらに複
屈折率を測定した。結果を下記の表2に示す。
【0139】
【表2】 温 度 複 屈 折 率 マイクロ波硬化後 オーブン硬化後 170℃ 0.0032 N/A 180℃ 0.0043 0.0029 190℃ 0.0047 0.0053
【0140】
【実施例4】ポリアミド酸L100(Hitachi社製)を使用
して、実施例1〜3の操作を繰返し行った。これらサン
プルを5つの群に分け、この内4つを、それぞれ160℃
で10分間、160℃で25分間、180℃で15分間、及び
190℃で15分間マイクロ波加熱した。達成された実際
の平均温度は155℃、157℃、177℃及び183℃であった。
各サンプルについて複屈折率を測定し、ついで、オーブ
ン内において350℃で20分間加熱し、その後冷却させ
た。比較のため、再度、複屈折率の測定を行った。5番
目のサンプルをコントロールサンプルとして、マイクロ
波加熱することなく、オーブン内において350℃で20
分間加熱した。このサンプルの複屈折率を測定したとこ
ろ0.2283であった。他のサンプルについての複屈折率デ
ータを表3に示す。
【0141】
【表3】 温 度 複 屈 折 率 マイクロ波硬化後 オーブン硬化後 160℃(10分) 0.0650 0.2257 160℃(25分) 0.1518 0.2357 180℃ 0.1179 0.2130 190℃ 0.1851 0.2342 マイクロ波加熱した物質は、オーブン加熱した物質より
も密度が劣る(より大きい過剰自由容積を有する)。こ
れは、マイクロ波加熱したフィルムの複屈折率が小さい
ことから示される。少なくともポリアミド酸2200から生
成されたポリイミドの場合、つづくオーブン処理後にお
いても過剰自由容積が「固定(locked)」されるものと
思われる。すなわち、マイクロ波加熱したサンプルのオ
ーブン加熱は、予めマイクロ波加熱することなく、同じ
温度及び同じ時間でオーブン加熱した物質の複屈折率と
比較して、複屈折率を顕著には増大させない。両ポリイ
ミドについて、マイクロ波加熱することなくオーブン内
でのみ加熱したコントロールサンプルと比較して、マイ
クロ波加熱した物質の複屈折率に顕著な差がある。
【0142】上述の実施例及び好適な具体例の記述は説
明のためのものであって、本発明を限定するものではな
く、本発明は請求の範囲によって限定される。容易に評
価されるように、請求の範囲に記載の本発明から逸脱す
ることなく、多数の変更及び上述の特徴の組合せを利用
できる。このような変更はいずれも請求の範囲の精神内
に包含されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウオン−ユー・エー・ゼン アメリカ合衆国ニュージャージー州オール ドブリッジ市シンドレー ドライブ ノー ス8 (72)発明者 ジョン・ティー・ケネー アメリカ合衆国カリフォルニア州パロアル ト市ウォベーリ ストリート661

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非線形光学(NLO)化合物を含有するポリ
    アミド酸組成物を分子内縮合させて、ゲストとしてNLO
    化合物を含有するポリイミドホストマトリックス組成物
    を生成する方法において、溶媒又は希釈剤の不存在下、
    前記NLO化合物の熱劣化を生ずることなく前記分子内縮
    合が起こり、前記ポリアミド酸内の温度差が局部的な熱
    劣化温度を生ずるものよりも低いものとなる温度に、前
    記ポリアミド酸組成物の前記ポリイミドホストマトリッ
    クス組成物への分子内縮合が実質的に完了するまで前記
    ポリアミド酸組成物を均一に加熱することを特徴とす
    る、非線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、前記NLO化
    合物が構造 D−R−A (式中、D、R及びAは非中心対称性電子非局在化共鳴
    配置を形成し、Rはπ−共役電子非局在化芳香族環含有
    基であり、Aは環置換電子吸引基であり、Dは環置換電
    子供与基である)を有するものである、非線形光学ポリ
    アミド酸組成物の分子内縮合法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法において、前記NLO化
    合物が構造 (式中、D1、D2、R1、R2、A1及びA2は非中心対称
    性電子非局在化共鳴配置を形成し、R1及びR2は、独立
    して、π−共役電子非局在化芳香族環含有基でなる群か
    ら選ばれるものであり、A1及びA2は、独立して、電子
    吸引基でなる群から選ばれるものであり、D1及びD
    2は、独立して、環置換電子供与基でなる群から選ばれ
    るものである)を有するものである、非線形光学ポリア
    ミド酸組成物の分子内縮合法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の方法において、前記ポリア
    ミド酸組成物を均一に加熱する工程が、該組成物にマイ
    クロ波又は高周波の範囲の電磁線を照射することからな
    る、非線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の方法において、前記放射線
    が周波数範囲108〜1011Hzを有するものである、非
    線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法。
  6. 【請求項6】請求項4記載の方法において、前記組成物
    にパルス化電磁線を照射する、非線形光学ポリアミド酸
    組成物の分子内縮合法。
  7. 【請求項7】請求項4記載の方法において、前記組成物
    に連続電磁線を照射する、非線形光学ポリアミド酸組成
    物の分子内縮合法。
  8. 【請求項8】請求項4記載の方法において、前記組成物
    に連続電磁線を照射して該組成物を分子内縮合温度に加
    熱し、その後、該組成物にパルス化電磁線を照射して前
    記組成物のポリイミドホストマトリックス組成物への分
    子内縮合が実質的に完了するまで前記温度を維持する、
    非線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法。
  9. 【請求項9】請求項1記載の方法において、分子内縮合
    温度が約120〜約190℃である、非線形光学ポリアミド酸
    組成物の分子内縮合法。
  10. 【請求項10】請求項9記載の方法において、分子内縮
    合温度が約150〜約180℃である、非線形光学ポリアミド
    酸組成物の分子内縮合法。
  11. 【請求項11】請求項1記載の方法において、さらに、
    好適な基板上で前記ポリイミドホストマトリックス組成
    物のフィルムを鋳造し;前記NLO化合物分子の双極子を
    整列させるに充分な強さの電界を前記ポリイミドフィル
    ムにかけながら、前記フィルムを高密度化温度以上の温
    度に加熱し、加熱速度を、高密度化温度に達する前に双
    極子が実質的に整列するように選択し;及び少なくとも
    前記ポリイミド組成物の利用できる自由容積がNLO化合
    物の分子回転容積以下に低減されるまでフィルム温度を
    高密度化温度以上に維持する、非線形光学ポリアミド酸
    組成物の分子内縮合法。
  12. 【請求項12】請求項11記載の方法において、高密度
    化温度が約300〜約340℃である、非線形光学ポリアミド
    酸組成物の分子内縮合法。
  13. 【請求項13】請求項11記載の方法において、フィル
    ムを高密度化温度以上の温度に加熱する工程が、前記フ
    ィルムを約310℃以上の温度に加熱するものである、非
    線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法。
  14. 【請求項14】請求項11記載の方法において、加熱速
    度が約5〜約60℃/分である、非線形光学ポリアミド
    酸組成物の分子内縮合法。
  15. 【請求項15】請求項14記載の方法において、加熱速
    度が約20〜約40℃/分である、非線形光学ポリアミ
    ド酸組成物の分子内縮合法。
  16. 【請求項16】請求項11記載の方法において、前記フ
    ィルムを高密度化温度以上の温度に加熱する工程が、該
    フィルムを均一に加熱して、ポリイミド内の温度差を局
    部的に熱劣化温度が生ずる温度差以下とするものであ
    る、非線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法。
  17. 【請求項17】請求項16記載の方法において、前記フ
    ィルムを均一に加熱する工程が、該フィルムにマイクロ
    波又は高周波の範囲の電磁線を照射するものである、非
    線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法。
  18. 【請求項18】請求項17記載の方法において、前記放
    射線が周波数範囲108〜1011Hzを有するものであ
    る、非線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法。
  19. 【請求項19】請求項17記載の方法において、前記組
    成物にパルス化電磁線を照射する、非線形光学ポリアミ
    ド酸組成物の分子内縮合法。
  20. 【請求項20】請求項17記載の方法において、前記組
    成物に連続電磁線を照射する、非線形光学ポリアミド酸
    組成物の分子内縮合法。
  21. 【請求項21】請求項11記載の方法において、さら
    に、前記重合体の利用できる自由容積を前記NLO化合物
    の分子回転容積以下に低減させた後、前記フィルムを室
    温に冷却する工程を包含する、非線形光学ポリアミド酸
    組成物の分子内縮合法。
  22. 【請求項22】請求項21記載の方法において、前記ポ
    リイミドフィルムの利用できる自由容積を前記NLO化合
    物の分子回転容積以下に低減させた後、電界の適用を中
    止する、非線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合
    法。
  23. 【請求項23】請求項21記載の方法において、さら
    に、前記ポリイミドフィルムが室温に冷却されるまで電
    界の適用を持続する工程を包含する、非線形光学ポリア
    ミド酸組成物の分子内縮合法。
  24. 【請求項24】請求項1記載の方法によって調製された
    ゲストNLO化合物を含有するポリイミドホストマトリッ
    クス組成物。
  25. 【請求項25】請求項24記載のものにおいて、前記NL
    O化合物が構造 D−R−A (式中、D、R及びAは非中心対称性電子非局在化共鳴
    配置を形成し、Rはπ−共役電子非局在化芳香族環含有
    基であり、Aは環置換電子吸引基であり、Dは環置換電
    子供与基である)を有するものである、ポリイミドホス
    トマトリックス組成物。
  26. 【請求項26】請求項24記載のものにおいて、前記NL
    O化合物が構造 (式中、D1、D2、R1、R2、A1及びA2は非中心対称
    性電子非局在化共鳴配置を形成し、R1及びR2は、独立
    して、π−共役電子非局在化芳香族環含有基でなる群か
    ら選ばれるものであり、A1及びA2は、独立して、電子
    吸引基でなる群から選ばれるものであり、D1及びD
    2は、独立して、環置換電子供与基でなる群から選ばれ
    るものである)を有するものである、ポリイミドホスト
    マトリックス組成物。
  27. 【請求項27】請求項24記載のものにおいて、前記ホ
    ストポリイミドにおける前記ゲストNLO化合物のブレン
    ドでなる、ポリイミドホストマトリックス組成物。
  28. 【請求項28】請求項27記載のものにおいて、前記NL
    O化合物が約1〜約50重量%のレベルで存在する、ポ
    リイミドホストマトリックス組成物。
  29. 【請求項29】請求項24記載のものにおいて、前記NL
    O化合物が前記ポリイミドの単量体サブユニットに共有
    結合してなる、ポリイミドホストマトリックス組成物。
  30. 【請求項30】請求項29記載のものにおいて、前記ポ
    リイミドが、前記NLO化合物の電子供与基を介してNLO化
    合物に共有結合した複数個の単量体サブユニットを含有
    し、NLO化合物に共有結合した前記単量体サブユニッ
    ト:共有結合したNLO化合物を持たない単量体サブユニ
    ットの比が約1:99〜75:25である、ポリイミド
    ホストマトリックス組成物。
  31. 【請求項31】請求項30記載のものにおいて、前記比
    が約50:50である、ポリイミドホストマトリックス
    組成物。
  32. 【請求項32】請求項24記載のものにおいて、複屈折
    率約0.2以下を有するポリイミドからなる、ポリイミド
    ホストマトリックス組成物。
  33. 【請求項33】請求項24記載のものにおいて、前記ポ
    リイミドが、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定
    して約2500〜約50000ドルトンの重量平均分子量を有す
    るものである、ポリイミドホストマトリックス組成物。
  34. 【請求項34】請求項11記載の方法によって調製され
    たゲストNLO化合物を含有するポリイミドホストマトリ
    ックス組成物において、前記NLO化合物が外部電界誘発
    分子整列を有するものである、ポリイミドホストマトリ
    ックス組成物。
JP8050775A 1995-02-15 1996-02-15 非線形光学ポリアミド酸組成物の分子内縮合法 Withdrawn JPH08269326A (ja)

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