JPH08269307A - ポリエステル樹脂組成物およびシート - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物およびシート

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JPH08269307A
JPH08269307A JP11206095A JP11206095A JPH08269307A JP H08269307 A JPH08269307 A JP H08269307A JP 11206095 A JP11206095 A JP 11206095A JP 11206095 A JP11206095 A JP 11206095A JP H08269307 A JPH08269307 A JP H08269307A
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寿 木村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 極限粘度が0.5〜1.5dl/g、末端カ
ルボキシル基の濃度が60meq/kg以下、ジエチレ
ングリコール以外の共重合成分の比率が2〜25モル
%、ジエチレングリコールの共重合比率が5モル%以下
である共重合ポリエチレンテレフタレート60〜99重
量%と、メルトフローレートが0.1〜100g/10
分である変性ポリオレフィン1〜40重量%とを配合し
てなり、アセトアルデヒド含有量が0.01重量%以
下、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増加量
が0.01重量%/10分以下であることを特徴とする
ポリエステル樹脂組成物。 【効果】 本発明のポリエステル樹脂組成物は、保香
性、熱安定性、ヒートシール性、耐衝撃性、柔軟性、耐
ピンホール性、延展性などに優れており、特に、アセト
アルデヒドの溶出が少ない特徴を有する。従って、本発
明のポリエステル樹脂組成物は、特に飲料、食品など香
気成分の変化が好まれない内容物の包装材料に好ましく
用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保香性、熱安定性、ヒ
ートシール性、耐衝撃性、柔軟性、耐ピンホール性、延
展性などに優れたポリエステル樹脂組成物に関する。さ
らに詳しくは、香気成分の吸着や、内容物へのアセトア
ルデヒドの溶出が少なく、特に飲料、食品など香気成分
の変化が好まれない内容物の包装材料として好適なポリ
エステル樹脂組成物およびシートに関する。
【0002】
【従来の技術】紙パック、トレイおよび蓋、缶などの包
装容器では、ジュース、水、酒などの飲料やコンビニエ
ンスフード、果物などの食品のように香気成分の変化が
好まれない内容物と内面が直接接触することがあり、そ
のためにその最内層を形成する材料に対して、保香性、
ガスバリア性などが優れていることが要求されている。
このような背景から、これら包装容器の最内層として、
ポリエチレンテレフタレートが注目されている。
【0003】例えば、ジュース、乳酸菌飲料、水、酒な
どの飲料包装の分野においては、中空成形ボトルや多層
からなる紙パックが広く使用されてきている。紙パック
では、その成形や充填の工程においてヒートシールを行
う都合上、ヒートシール性樹脂層を最内層として紙に積
層する必要がある。ヒートシール性樹脂層としては、従
来、ポリオレフィン、中でもポリエチレンが多用されて
きた。ポリオレフィンは、ヒートシール性が優れるのみ
ならず、柔軟性が優れており、折り曲げ加工の際にピン
ホールが発生しないなどの長所を有している。しかし、
ポリオレフィンは香気成分を吸着しやすいとともに、樹
脂臭を伴うことがあり、内容物の種類によっては味や香
りが変化するという欠点を有している。
【0004】一方、ポリエチレンテレフタレートは香気
成分の吸着が少なく、ガスバリア性には優れるものの、
ヒートシール性能が劣るとともに耐衝撃性が乏しく、紙
パックのようにヒートシールを必要とする包装材料の最
内層への使用は困難であった。また、イソフタル酸など
を共重合した結晶性の共重合ポリエチレンテレフタレー
トでは、ヒートシール性についてはポリエチレンテレフ
タレートに比較して優れているものの、耐衝撃性や柔軟
性の点で満足できるものではなかった。さらに、PET
Gのごときシクロヘキサンジメタノールを約30モル%
共重合させたポリエチレンテレフタレートでは、耐衝撃
性はかなりのレベルにあるものの、保香性や熱安定性、
耐熱性で満足できるものではなかった。さらに、これら
ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、成形時にアセト
アルデヒド含有量が増加する傾向があり、その溶出によ
り内容物の味や香りが変化するという欠点を有してい
る。
【0005】そこで、このようなポリエチレンテレフタ
レート系樹脂の欠点を改良する方法として、特開平1−
127340号公報には、特定の結晶化度を有するポリ
エステル樹脂にランダム共重合体を分散させて用いる方
法が開示されている。この方法は、ポリエチレンテレフ
タレート系樹脂の欠点である耐衝撃性およびヒートシー
ル性を改良することを目的とするものであり、保香性が
不充分であった。
【0006】また、特開平2−277635号公報に
は、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートに
特定量のポリオレフィンを配合する方法が開示されてい
る。この方法は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の
欠点であるヒートシール性を改良することを目的とする
ものであるが、保香性に劣る組成物でなければ充分なヒ
ートシール性を得られないという欠点があった。
【0007】さらに、共重合ポリエチレンテレフタレー
トにエチレン/(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
またはその金属イオン化物をブレンドして用いる方法
(特開平2−233372号公報、特開平3−3283
7号公報)などが提案されている。しかしながら、この
ような方法によって得られる包装材料においても、ポリ
オレフィン成分に由来する金属イオンや吸湿のため、共
重合ポリエチレンテレフタレートの熱安定性が低下し、
成形時にアセトアルデヒド含有量が増加し、その溶出に
より内容物へ異味異臭を付加してしまうという欠点が存
在し、満足できるものではなかった。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱
安定性、ヒートシール性、耐衝撃性、柔軟性、耐ピンホ
ール性、延展性などに優れ、特に、香気成分の吸着が少
なく内容物へのアセトアルデヒドの溶出が少ないポリエ
ステル樹脂組成物、およびそれを成形してなるシートを
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、特定の共重合ポリ
エチレンテレフタレートに特定の変性ポリオレフィンを
混合してなるポリエステル樹脂組成物は、成形時にアセ
トアルデヒド含有量の低下またはその増加の抑制が起こ
ることを見いだし、本発明に到達した。
【0010】即ち、本発明の要旨は、極限粘度が0.5
〜1.5dl/g、末端カルボキシル基の濃度が60m
eq/kg以下、ジエチレングリコール以外の共重合成
分の比率が2〜25モル%、ジエチレングリコールの共
重合比率が5モル%以下である共重合ポリエチレンテレ
フタレート60〜99重量%と、メルトフローレートが
0.1〜100g/10分である変性ポリオレフィン1
〜40重量%とを配合してなり、アセトアルデヒド含有
量が0.01重量%以下、260℃で保持したときのア
セトアルデヒド増加量が0.01重量%/10分以下で
あることを特徴とするポリエステル樹脂組成物およびそ
れを用いたシートに関する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ポリエステル樹脂組成物は、共重合ポリエチレンテレフ
タレートと、変性ポリオレフィンとからなる。本発明の
ポリエステル樹脂組成物中、共重合ポリエチレンテレフ
タレートの比率は60〜99重量%、好ましくは70〜
98重量%、さらに好ましくは75〜97重量%の範囲
であり、変性ポリオレフィンの比率は1〜40重量%、
好ましくは2〜30重量%、さらに好ましくは3〜25
重量%の範囲である。変性ポリオレフィンの比率が1重
量%未満の場合には、柔軟性に欠け、耐衝撃性が低いの
みならず、ヒートシール性、耐ピンホール性も乏しいた
めに好ましくない。一方、変性ポリオレフィンの比率が
40重量%を越える場合には、保香性、ガスバリア性、
耐熱性などの低下が顕著であり好ましくない。
【0012】本発明のポリエステル樹脂組成物に用いる
共重合ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸と
エチレングリコールとを主たる繰り返し単位とするポリ
エステルであって、フェノール/1,1,2,2−テト
ラクロロエタン(重量比=1/1)の混合溶媒中、30
℃で測定した場合に極限粘度が0.5〜1.5dl/
g、好ましくは0.5〜1.2dl/g、より好ましく
は0.6〜1.0dl/g、さらに好ましくは0.6〜
0.8dl/gの範囲である。共重合ポリエチレンテレ
フタレートの極限粘度が0.5dl/g未満の場合に
は、得られるポリエステル樹脂組成物を成形した成形体
の強度が低いため好ましくない。一方、極限粘度が1.
5dl/gを越える場合には、共重合ポリエチレンテレ
フタレートを製造する際にコストがかかり、また、得ら
れるポリエステル樹脂組成物の成形性が低いため好まし
くない。
【0013】本発明のポリエステル樹脂組成物に用いる
共重合ポリエチレンテレフタレートは、末端カルボキシ
ル基の濃度が60meq/kg以下、好ましくは40m
eq/kg以下、より好ましくは30meq/kg以
下、さらに好ましくは20meq/kg以下である。共
重合ポリエチレンテレフタレートの末端カルボキシル基
の濃度が60meq/kgを越える場合には、得られる
ポリエステル樹脂組成物を成形する際に、熱分解に由来
する力学物性の低下やアセトアルデヒド含有量の増加が
顕著であるため好ましくない。末端カルボキシル基の濃
度は、従来からポリエチレンテレフタレートの溶融重合
で行われている末端カルボキシル基濃度の制御法、例え
ば、エステル化反応時の最終エステル化率、エステル交
換反応や重縮合反応時の温度、圧力、時間などで制御す
ることができる。ここで、末端カルボキシル基の濃度
は、共重合ポリエチレンテレフタレートをベンジルアル
コールに加熱溶解後、クロロホルムを加えて希釈し、フ
ェノールレッドを指示薬として水酸化ナトリウム/ベン
ジルアルコール溶液で滴定することにより定量された、
末端カルボキシル基の共重合ポリエチレンテレフタレー
トに対する割合である。
【0014】本発明のポリエステル樹脂組成物に用いる
共重合ポリエチレンテレフタレートは、ジエチレングリ
コール以外の共重合成分の比率が2〜25モル%、好ま
しくは3〜20モル%、さらに好ましくは5〜15モル
%の範囲である。ジエチレングリコール以外の共重合成
分の比率が25モル%を越える共重合ポリエチレンテレ
フタレートを用いると、得られるポリエステル樹脂組成
物の保香性やガスバリア性が低く、熱安定性も低くなる
傾向にあるために好ましくない。一方、ジエチレングリ
コール以外の共重合成分の比率が2モル%未満の共重合
ポリエチレンテレフタレートを用いると、得られるポリ
エステル樹脂組成物の柔軟性、耐衝撃性、ヒートシール
性が低くなるために好ましくない。ここで、ジエチレン
グリコール以外の共重合成分の比率とは、全ジカルボン
酸成分に対するテレフタル酸以外のジカルボン酸成分の
比率と、全ジオール成分に対するエチレングリコール、
ジエチレングリコール以外のジオール成分の比率とを足
し合わせたものである。
【0015】共重合成分として用いられるジカルボン酸
成分としては、通常、イソフタル酸、フタル酸、2、6
−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸などの成分を挙げること
ができる。さらに、本発明においては、ヒドロキシ安息
香酸、グリコール酸などのオキシカルボン酸成分やトリ
メリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの三官
能以上のカルボン酸成分などもジカルボン酸成分として
扱い、用いることができる。
【0016】また、共重合成分として用いられるジオー
ル成分としては、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。さらに、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスルトールなどの三官能以上のヒドロキシ成分も
ジオール成分として扱い、用いることができる。
【0017】これら共重合成分は、1種のみが用いられ
ていてもよいし、2種以上が併せて用いられていてもよ
い。これらのうち、好ましくは1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、イソフタル酸が挙げられ、さらに好まし
くは1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられ
る。なお、上記の三官能以上の共重合成分に関しては、
通常1モル%以下、好ましくは0.7モル%以下の範囲
で用いるのが、ゲル化防止の面から望ましい。
【0018】本発明のポリエステル樹脂組成物に用いる
共重合ポリエチレンテレフタレートのジエチレングリコ
ールの共重合比率は、5モル%以下、好ましくは4モル
%以下、さらに好ましくは3モル%以下である。ジエチ
レングリコールの共重合比率が5モル%を越える共重合
ポリエチレンテレフタレートを用いると、得られるポリ
エステル樹脂組成物の熱安定性が低く、熱分解に由来す
る力学物性の低下やアセトアルデヒド含有量の増加が多
くなるので好ましくない。ここで、ジエチレングリコー
ルの共重合比率とは、全ジオール成分に対するジエチレ
ングリコールの比率である。
【0019】特に、ジエチレングリコールは重合反応中
にエチレングリコールより一部副生してくるため、ジエ
チレングリコールまたはそのエステル形成誘導体の所定
量を重合原料として用いる場合のほか、反応条件、添加
剤などを適宜選択することによってジエチレングリコー
ルの共重合比率を制御することができる。反応条件によ
ってジエチレングリコール生成量を制御する方法として
は、従来からポリエチレンテレフタレートの重合におい
て行われている公知の方法、例えば、反応の温度、時
間、圧力、直接エステル化法の場合に原料として用いる
エチレングリコールとテレフタル酸の仕込み比などによ
って制御する方法が挙げられる。また、添加剤として、
例えば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、
ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン、水酸化テ
トラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニ
ウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムなどの水
酸化第4級アンモニウムおよび炭酸リチウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの塩基性化
合物を少量添加し、ジエチレングリコールの生成を抑制
する方法もある。
【0020】本発明のポリエステル樹脂組成物に用いる
共重合ポリエチレンテレフタレートは、アンチモン濃度
をa重量%、ゲルマニウム濃度をb重量%、チタン濃度
をc重量%とした場合に、式(1) k=a+5b+10c (1) で定義されるkが通常0.05以下、好ましくは0.0
4以下、より好ましくは0.035以下であることが望
ましい。なお、アンチモン、ゲルマニウム、チタンの濃
度は、それぞれの金属原子の共重合ポリエチレンテレフ
タレートに対する重量%で表す。一般的に、ポリエチレ
ンテレフタレート系樹脂の重合触媒としては、主として
これらの金属を含む化合物が用いられているが、これら
の化合物は常圧下では解重合触媒として作用することが
知られている。そこで、それぞれの金属の濃度に解重合
触媒としての作用の大きさを乗じた線形和kが0.05
以下の範囲にある共重合ポリエチレンテレフタレートを
用いれば、ポリエステル樹脂組成物を製造・成形する際
に切断されるエステル結合の数が少なく、共重合ポリエ
チレンテレフタレートの熱分解に由来する力学物性の低
下やアセトアルデヒド含有量の増加が少ないので好まし
い。
【0021】一方、本発明のポリエステル樹脂組成物に
用いる変性ポリオレフィンは、通常、不飽和カルボン酸
ないしはその無水物でグラフト変性または共重合された
変性ポリオレフィンである。カルボキシル基濃度が通常
20〜4000meq/kg、好ましくは40〜250
0meq/kg、より好ましくは60〜1000meq
/kg、さらに好ましくは80〜500meq/kgで
あることが望ましい。カルボキシル基濃度がこの範囲に
ある場合には、変性ポリオレフィンの共重合ポリエチレ
ンテレフタレートへの分散性がよく、共重合ポリエチレ
ンテレフタレートの熱安定性を低下させない傾向にある
ため、本発明のポリエステル樹脂組成物の保香性、柔軟
性、耐衝撃性、ヒートシール性、熱安定性などが向上
し、一層好ましい。なお、カルボキシル基濃度とは、カ
ルボキシル基を1当量、無水カルボキシル基を2当量と
したときの変性ポリオレフィンに対する濃度である。カ
ルボキシル基濃度が上記範囲の変性ポリオレフィンは、
全量を上記比率で変性して製造したものでもよいし、一
旦上記比率以上に変性したポリオレフィンに未変性ポリ
オレフィンをブレンドして上記比率に調整したものでも
よい。さらには、変性比率の異なる二種以上をブレンド
したものでもよい。共重合ポリエチレンテレフタレート
への分散性を考慮すると、全量を上記比率で変性したも
のが好ましく用いられる。
【0022】変性ポリオレフィンに用いられる不飽和カ
ルボン酸ないしはその無水物としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、フマル酸、ナジック酸、無水マレイン酸、
無水イタコン酸、無水ナジック酸などを挙げることがで
きるが、これらのうち、無水マレイン酸が最も好まし
い。
【0023】変性ポリオレフィンに用いられる原料ポリ
オレフィンとしては、高密度または低密度のポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合
体などの非極性ポリオレフィンや、さらには、これら非
極性ポリオレフィン中にビニルアルコール成分や酢酸ビ
ニル成分などの極性成分を共重合した、例えば、エチレ
ン・ビニルアルコール共重合体やエチレン・酢酸ビニル
共重合体などの極性ポリオレフィンが挙げられる。な
お、エチレン・α−オレフィン共重合体については、主
要量のエチレンと炭素数3〜12程度のα−オレフィ
ン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、4−メチル−1−ペンテンなどとの二元共重合体な
いしは三元以上の多元共重合体である。これらのポリオ
レフィンは、単独ないしは二種以上をブレンドして、変
性ポリオレフィンの製造に用いられる。これらのうち、
好ましくは非極性ポリオレフィンであり、さらに好まし
くはエチレン・α−オレフィン共重合体であり、中でも
1−ブテン共重合体ポリエチレンが最も好ましい。
【0024】一方、本発明のポリエステル樹脂組成物に
用いる変性ポリオレフィンのメルトフローレートは、荷
重2160g、温度190℃で測定した場合に0.1〜
100g/10分、好ましくは0.3〜50g/10
分、さらに好ましくは0.5〜20g/10分である。
メルトフローレートが0.1g/10分未満である場合
には、得られるポリエステル樹脂組成物の成形性、柔軟
性の低下や、混練時の剪断発熱の増加によりアセトアル
デヒド含有量の増加が起こるため好ましくない。一方、
メルトフローレートが100g/10分を越える場合に
は、得られるポリエステル樹脂組成物の成形性、耐衝撃
性、保香性が低くなり好ましくない。
【0025】本発明のポリエステル樹脂組成物に用いる
変性ポリオレフィンの金属含有量は、通常1.5重量%
以下、好ましくは1.0重量%以下、より好ましくは
0.5重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下
の範囲にあることが望ましい。金属含有量がこの範囲よ
り多いと、本発明のポリエステル樹脂組成物中の共重合
ポリエチレンテレフタレートの熱分解に由来する力学物
性の低下やアセトアルデヒド含有量の増加が大きいため
好ましくない。なお、金属含有量は変性ポリオレフィン
に対する金属原子の含有率を重量%で表したものであ
る。
【0026】本発明のポリエステル樹脂組成物は、アセ
トアルデヒド含有量が0.01重量%以下、好ましくは
0.008重量%以下、より好ましくは0.005重量
%以下、さらに好ましくは0.003重量%以下であ
る。アセトアルデヒド含有量とは、ポリエステル樹脂組
成物中に含まれる、ポリエステル樹脂組成物を160℃
で2時間熱水抽出した液をガスクロマトグラフィーで定
量したアセトアルデヒドの量を重量%で表したものであ
る。
【0027】ポリエステル樹脂組成物を260℃で保持
したときのアセトアルデヒド増加量が0.01重量%/
10分以下、好ましくは0.008重量%/10分以
下、より好ましくは0.005重量%/10分以下、さ
らに好ましくは0.003重量%/10分以下である。
ここで、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増
加量とは、260℃の窒素雰囲気下に10分間放置した
前後の、ポリエステル樹脂組成物中のアセトアルデヒド
含有量の差のことであり、アセトアルデヒドの量はポリ
エステル樹脂組成物を160℃で2時間熱水抽出した液
をガスクロマトグラフィーで定量する。
【0028】次に、本発明のポリエステル樹脂組成物の
製造方法について詳細に説明する。本発明のポリエステ
ル樹脂組成物の製造に際し、原料となる共重合ポリエチ
レンテレフタレートおよび変性ポリオレフィンについて
は、従来から公知の方法により製造されたものを使用す
ればよい。
【0029】公知の製造法としては、共重合ポリエチレ
ンテレフタレートについては、例えば、溶融重合ないし
はそれに引き続く固相重合などの方法が挙げられる。固
相重合により製造された共重合ポリエチレンテレフタレ
ートを用いることで、アセトアルデヒドの含有量のより
少ないポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
【0030】また、変性ポリオレフィンについては、例
えば、高圧ラジカル重合や配位アニオン重合、さらには
不飽和カルボン酸および/またはその無水物との溶融混
練などの方法や、臭気成分除去のための水洗浄などの処
理法が挙げられる。臭気成分除去処理が施された変性ポ
リオレフィンを用いることで、極めて臭気に敏感な内容
物にも適したポリエステル樹脂組成物を得ることができ
る。
【0031】本発明のポリエステル樹脂組成物は、共重
合ポリエチレンテレフタレートと変性ポリオレフィンと
を最終重量比であらかじめ溶融混練して製造してもよい
し、溶融成形に際してチップブレンドで成形機に供給し
溶融成形して得てもよい。さらには、変性ポリオレフィ
ンを最終重量比以上の比率で含むポリエステル樹脂組成
物(マスターバッチ)を溶融混練により一旦製造し、そ
れをさらに共重合ポリエチレンテレフタレートで希釈し
て使用することにより本発明のポリエステル樹脂組成物
とすることもできる。溶融混練操作を行うことで、本発
明のポリエステル樹脂組成物中の変性ポリオレフィンの
分散をより向上させることができる。
【0032】溶融混練は、従来から公知のいかなる方法
を用いてもよいが、単軸型ないしは二軸型の押出機によ
り生産性良く行うことができる。押出機による溶融混練
の場合、通常、温度は200〜300℃、好ましくは2
20〜280℃に設定して実施される。
【0033】溶融成形法に関しては、従来よりポリエチ
レンテレフタレートやポリオレフィンで一般的に用いら
れている押出成形、射出成形、プレス成形などの溶融成
形法を用いることができる。これら溶融成形を行う場
合、通常、温度は200〜300℃、好ましくは220
〜280℃に設定して実施される。特に、真空系に接続
されたベントを持つ二軸押出機により成形した場合、ア
セトアルデヒド含有量の低下またはその増加の抑制が起
こるので好ましい。ベントに接続する真空系は、100
mmHg以下、好ましくは50mmHg以下、より好ま
しくは20mmHg以下であることが望ましい。
【0034】本発明のポリエステル樹脂組成物の製造に
際しては、イルガノックス1010やイルガノックス1
076などの商品名で知られているヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤やスリップ剤、二酸化チタンやタルクな
どの着色剤、アンチブロッキング剤などを適宜配合する
ことができる。これらは、溶融混練や溶融成形の際に添
加してもよいし、あらかじめ原料樹脂中に添加しておい
てもよい。
【0035】上記のようにして得られた本発明のポリエ
ステル樹脂組成物は、紙パック内装材、金属缶コート
材、中空ボトル、トレーおよび蓋などの包装材料に好ま
しく用いることができる。また、多層包装材料の内装材
として他のプラスチック材料や金属箔などと積層されて
用いたり、単層の包装材料としてバッグインボックスな
どに用いることもできる。さらに、スタンディングパウ
チなどのレトルト用包装材料などにも用いることができ
る。特に、本発明のポリエステル樹脂組成物は、多層包
装材料のヒートシール層ないしは香気成分を含有する内
容物、例えば果汁飲料、乳酸菌飲料、酒、フルーツなど
との接触層に好ましく用いることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。なお、本実施例中、
「部」は「重量部」を意味する。本実施例で用いた種々
の試験法を以下に示す。なお、ジエチレングリコールの
共重合比率の測定は核磁気共鳴法(1H−NMR)、金
属含有量の測定は蛍光X線測定法により行った。
【0037】(1)アセトアルデヒド臭官能試験 対象となるシートを20cm×40cm角の長方形の形
状に切り、長辺の中央部にて折り返してヒートシールす
ることにより脱塩水1000ccを封入したパウチを作
成し、このパウチを55℃の環境下に保存した。4日間
経過後、23℃まで除冷し、開封して中身の臭気につい
て官能試験を実施した。この試験は、訓練されたパネラ
ー5人の5段階評価により、その平均値をもって試験結
果とした。なお、5段階評価の内容は、0:臭気が感じ
られない、1:臭気をかすかに感じる、2:臭気を弱く
感じる、3:臭気を感じる、4:臭気を強く感じる、で
ある。
【0038】(2)d−リモネン吸着試験 対象となるシートを4cm角の正方形の形状に切り出
し、シートの重量を測定した後、香気成分であるd−リ
モネン100%液に浸漬し、温度23℃の環境下に保存
した。2週間経過後、すばやくシートを取り出すと同時
にシートを濾紙で拭いて、シート表面に付着したd−リ
モネンを除去してからシートの重量を測定した。d−リ
モネン浸漬前後のシートの重量変化から、シートへのd
−リモネン吸着量(重量%)を算出した。
【0039】(3)ヒートシール試験 まず、シートを温度23℃、相対湿度50%にて5日間
放置した後、そのシートを二つに折り、両面から厚さ1
00μmのテフロンシートではさんだ状態で、バーシー
ラーにて温度140℃、圧力5Kg/cm2、時間1秒
間の条件にてヒートシールした。ついで、テフロンシー
トを取り外してから、ヒートシール部分の幅が15mm
となるように、短冊状のT字型剥離強度測定用サンプル
を切り出した。T字型剥離強度は温度23℃、相対湿度
50%の環境下で、引張試験機を用いてチャック間距離
100mm、引張速度300mm/分の条件にて測定し
た。なお、この測定は、シートの縦方向および横方向に
ついてそれぞれ各5点を測定し、その平均値をもって剥
離強度とした。
【0040】〔実施例1〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして、ジカルボン酸成分がすべてテレフタル酸
からなり、ジオール成分がエチレングリコール88モル
%、1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%、
ジエチレングリコール2モル%からなる、極限粘度が
0.71dl/g、末端カルボキシル基の濃度が16m
eq/kg、式(1)で定義されるkが0.032であ
る共重合ポリエチレンテレフタレート88部を用い、ま
た、変性ポリオレフィンとして、メルトフローレートが
2.0g/10分、カルボキシル基濃度が130meq
/kg、金属含有量が0.03重量%である、無水マレ
イン酸でグラフト変性された1−ブテン20モル%共重
合ポリエチレン12部を用いた。
【0041】共重合ポリエチレンテレフタレートは充分
真空乾燥し、変性ポリオレフィンは未乾燥のまま、両者
をペレットブレンドし、30mmφ二軸押出機にて26
0℃で溶融混練してから造粒し、ペレット状のポリエス
テル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組成物の
アセトアルデヒド含有量は0.0032重量%、260
℃で保持したときのアセトアルデヒド増加量は0.00
26重量%/10分であった。
【0042】次に、このポリエステル樹脂組成物を充分
乾燥後、40mmφ一軸押出機に接続されたキャストシ
ート成形機にて樹脂温度265℃、キャスティングロー
ル表面温度40℃で成膜し、厚さ30μmのシートを得
た。このシートは、しなやかな手触りで柔軟性に富むも
のであり、アセトアルデヒド含有量は0.0038重量
%であった。
【0043】このシートに関して、JIS Z1707
の方法により測定した抗張力および破断点伸度の結果、
およびJIS P8134の方法により測定した衝撃強
度の結果を表−1に示す。なお、抗張力とは、降伏点強
度と破断点強度のうち高い方の値を指す。また、このシ
ートに関するアセトアルデヒド臭官能試験、d−リモネ
ン吸着試験、ヒートシール試験の結果を表−2に示す。
【0044】〔実施例2〕実施例1で製造したポリエス
テル樹脂組成物を、未乾燥のまま、真空系に接続された
ベントを持つ40mmφ二軸押出機に接続されたキャス
トシート成形機にて樹脂温度265℃、キャスティング
ロール表面温度40℃で成膜し、厚さ30μmのシート
を得た。このシートも実施例1のシート同様、しなやか
な手触りで柔軟性に富むものであり、アセトアルデヒド
含有量は0.0011重量%であった。
【0045】実施例1と同様にシートの抗張力、破断点
伸度、衝撃強度の測定を行った。結果を表−1に示す。
また、このシートのアセトアルデヒド臭官能試験、d−
リモネン吸着試験、ヒートシール試験の結果を表−2に
示す。
【0046】〔実施例3〕実施例1で用いた共重合ポリ
エチレンテレフタレート88部と、実施例1で用いた変
性ポリオレフィン12部とをペレットブレンドし、実施
例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシート
を得た。このシートはしなやかな手触りで柔軟性に富む
ものであり、アセトアルデヒド含有量は0.0036重
量%、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増加
量は0.0025重量%/10分であった。
【0047】実施例1と同様にシートの抗張力、破断点
伸度、衝撃強度の測定を行った。結果を表−1に示す。
また、このシートのアセトアルデヒド臭官能試験、d−
リモネン吸着試験、ヒートシール試験の結果を表−2に
示す。
【0048】〔実施例4〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして末端カルボキシル基の濃度が17meq/
kg、式(1)で定義されるkが0.051である以外
は実施例1と同じ共重合ポリエチレンテレフタレートを
用いた他は実施例1と同様にして、ペレット状のポリエ
ステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組成物
のアセトアルデヒド含有量は0.0041重量%、26
0℃で保持したときのアセトアルデヒド増加量は0.0
077重量%/10分であった。
【0049】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートはしなやかな手触りで柔軟性に富
むものであり、アセトアルデヒド含有量は0.0071
重量%であった。実施例1と同様にシートの抗張力、破
断点伸度、衝撃強度の測定を行った。結果を表−1に示
す。また、このシートのアセトアルデヒド臭官能試験、
d−リモネン吸着試験、ヒートシール試験の結果を表−
2に示す。
【0050】〔実施例5〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして、ジカルボン酸成分がすべてテレフタル酸
からなり、ジオール成分がエチレングリコール95モル
%、1,4−シクロヘキサンジメタノール3モル%、ジ
エチレングリコール2モル%からなる、極限粘度が0.
71dl/g、末端カルボキシル基の濃度が20meq
/kg、式(1)で定義されるkが0.032である共
重合ポリエチレンテレフタレートを用いた他は実施例1
と同様にして、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を
得た。このポリエステル樹脂組成物のアセトアルデヒド
含有量は0.0036重量%、260℃で保持したとき
のアセトアルデヒド増加量は0.0028重量%/10
分であった。
【0051】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートはしなやかな手触りで柔軟性に富
むものであり、アセトアルデヒド含有量は0.0017
重量%であった。実施例1と同様にシートの抗張力、破
断点伸度、衝撃強度の測定を行った。結果を表−1に示
す。また、このシートのアセトアルデヒド臭官能試験、
d−リモネン吸着試験、ヒートシール試験の結果を表−
2に示す。
【0052】〔実施例6〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートの比率を75部に、また、変性ポリオレフィンの
比率を25部にした他は実施例1と同様にして、ペレッ
ト状のポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステ
ル樹脂組成物のアセトアルデヒド含有量は0.0028
重量%、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増
加量は0.0022重量%/10分であった。
【0053】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートはしなやかな手触りで柔軟性に富
むものであり、アセトアルデヒド含有量は0.0010
重量%であった。実施例1と同様にシートの抗張力、破
断点伸度、衝撃強度の測定を行った。結果を表−1に示
す。また、このシートのアセトアルデヒド臭官能試験、
d−リモネン吸着試験、ヒートシール試験の結果を表−
2に示す。
【0054】〔実施例7〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートの比率を95部に、また、変性ポリオレフィンの
比率を5部にした他は実施例1と同様にして、ペレット
状のポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステル
樹脂組成物のアセトアルデヒド含有量は0.0041重
量%、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増加
量は0.0030重量%/10分であった。
【0055】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートはしなやかな手触りで柔軟性に富
むものであり、アセトアルデヒド含有量は0.0015
重量%であった。実施例1と同様にシートの抗張力、破
断点伸度、衝撃強度の測定を行った。結果を表−1に示
す。また、このシートのアセトアルデヒド臭官能試験、
d−リモネン吸着試験、ヒートシール試験の結果を表−
2に示す。
【0056】〔実施例8〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして、ジカルボン酸成分がテレフタル酸90モ
ル%、イソフタル酸10モル%からなり、ジオール成分
がエチレングリコール97モル%、ジエチレングリコー
ル3モル%からなる、極限粘度が0.70dl/g、末
端カルボキシル基の濃度が18meq/kg、式(1)
で定義されるkが0.032である共重合ポリエチレン
テレフタレートを用いた他は実施例1と同様にして、ペ
レット状のポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエ
ステル樹脂組成物のアセトアルデヒド含有量は0.00
24重量%、260℃で保持したときのアセトアルデヒ
ド増加量は0.0028重量%/10分であった。
【0057】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートはしなやかな手触りで柔軟性に富
むものであり、アセトアルデヒド含有量は0.0011
重量%であった。実施例1と同様にシートの抗張力、破
断点伸度、衝撃強度の測定を行った。結果を表−1に示
す。また、このシートのアセトアルデヒド臭官能試験、
d−リモネン吸着試験、ヒートシール試験の結果を表−
2に示す。
【0058】〔実施例9〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして、実施例1で用いた共重合ポリエチレンテ
レフタレート90部を用い、また、変性ポリオレフィン
として、メルトフローレートが1.7g/10分、金属
含有量が0.04重量%、カルボキシル基濃度が210
0meq/kgである、メタクリル酸共重合ポリエチレ
ン10部を用い、実施例1と同様にして、ペレット状の
ポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂
組成物のアセトアルデヒド含有量は0.0068重量
%、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増加量
は0.0037重量%/10分であった。
【0059】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートはしなやかな手触りで柔軟性に富
むものであり、アセトアルデヒド含有量は0.0064
重量%であった。実施例1と同様にシートの抗張力、破
断点伸度、衝撃強度の測定を行った。結果を表−1に示
す。また、このシートのアセトアルデヒド臭官能試験、
d−リモネン吸着試験、ヒートシール試験の結果を表−
2に示す。
【0060】〔実施例10〕変性ポリオレフィンとし
て、メルトフローレートが2.2g/10分、カルボキ
シル基濃度が40meq/kg、金属含有量が0.03
重量%である、無水マレイン酸でグラフト変性されたポ
リエチレンを用いた他は実施例1と同様にして、ペレッ
ト状のポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステ
ル樹脂組成物のアセトアルデヒド含有量は0.0041
重量%、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増
加量は0.0022重量%/10分であった。
【0061】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートはしなやかな手触りで柔軟性に富
むものであり、アセトアルデヒド含有量は0.0033
重量%であった。実施例1と同様にシートの抗張力、破
断点伸度、衝撃強度の測定を行った。結果を表−1に示
す。また、このシートのアセトアルデヒド臭官能試験、
d−リモネン吸着試験、ヒートシール試験の結果を表−
2に示す。
【0062】〔比較例1〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして末端カルボキシル基の濃度が62meq/
kgである他は実施例1と同じ共重合ポリエチレンテレ
フタレートを用いた他は実施例1と同様にして、ペレッ
ト状のポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステ
ル樹脂組成物のアセトアルデヒド含有量は0.0077
重量%、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増
加量は0.0081重量%/10分であった。
【0063】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートのアセトアルデヒド含有量は0.
012重量%であった。このシートのアセトアルデヒド
臭官能試験の結果を表−2に示す。
【0064】〔比較例2〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして末端カルボキシル基の濃度が36meq/
kg、式(1)で定義されるkが0.052である他は
実施例1と同じ共重合ポリエチレンテレフタレートを用
いた他は実施例1と同様にして、ペレット状のポリエス
テル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組成物の
アセトアルデヒド含有量は0.011重量%、260℃
で保持したときのアセトアルデヒド増加量は0.007
2重量%/10分であった。
【0065】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートのアセトアルデヒド含有量は0.
012重量%であった。このシートのアセトアルデヒド
臭官能試験の結果を表−2に示す。
【0066】〔比較例3〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとしてジエチレングリコールの共重合比率が6モ
ル%、末端カルボキシル基の濃度が21meq/kgで
ある他は実施例1と同じ共重合ポリエチレンテレフタレ
ートを用いた他は実施例1と同様にして、ペレット状の
ポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂
組成物のアセトアルデヒド含有量は0.0068重量
%、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増加量
は0.012重量%/10分であった。
【0067】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートのアセトアルデヒド含有量は0.
011重量%であった。このシートのアセトアルデヒド
臭官能試験の結果を表−2に示す。
【0068】〔比較例4〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして、ジエチレングリコールの生成を抑制する
ため炭酸カリウムを0.3重量%添加して重合し、ジカ
ルボン酸成分がすべてテレフタル酸からなり、ジオール
成分がエチレングリコール89モル%、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール10モル%、ジエチレングリコー
ル1モル%からなる、末端カルボキシル基の濃度が19
meq/kg、式(1)で定義されるkが0.033、
極限粘度が0.70dl/gである共重合ポリエチレン
テレフタレートを用いた他は実施例1と同様にして、ペ
レット状のポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエ
ステル樹脂組成物のアセトアルデヒド含有量は0.00
56重量%、260℃で保持したときのアセトアルデヒ
ド増加量は0.014重量%/10分であった。
【0069】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートのアセトアルデヒド含有量は0.
012重量%であった。このシートのアセトアルデヒド
臭官能試験の結果を表−2に示す。
【0070】〔比較例5〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして、ジカルボン酸成分がすべてテレフタル酸
からなり、ジオール成分がエチレングリコール67モル
%、1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%、
ジエチレングリコール3モル%からなる、極限粘度が
0.68dl/g、末端カルボキシル基の濃度が12m
eq/kg、式(1)で定義されるkが0.055であ
る共重合ポリエチレンテレフタレートを用いた他は実施
例1と同様にして、ペレット状のポリエステル樹脂組成
物を得た。このポリエステル樹脂組成物のアセトアルデ
ヒド含有量は0.0063重量%、260℃で保持した
ときのアセトアルデヒド増加量は0.0045重量%/
10分であった。
【0071】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートのアセトアルデヒド含有量は0.
0097重量%であった。このシートのd−リモネン吸
着試験の結果を表−2に示す。
【0072】〔比較例6〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして、ジカルボン酸成分がすべてテレフタル酸
からなり、ジオール成分がエチレングリコール98モル
%、ジエチレングリコール2モル%からなる、極限粘度
が0.72dl/g、末端カルボキシル基の濃度が15
meq/kg、式(1)で定義されるkが0.032で
あるポリエチレンテレフタレートを用いた他は実施例1
と同様に行った。
【0073】しかしながら実施例1と同様の方法ではポ
リエチレンテレフタレートが溶融しなかったため、28
0℃で溶融混練してペレット状のポリエステル樹脂組成
物を得た。このポリエステル樹脂組成物のアセトアルデ
ヒド含有量は0.012重量%、260℃で保持したと
きのアセトアルデヒド増加量は0.0020重量%/1
0分であった。
【0074】このポリエステル樹脂組成物を用いて、樹
脂温度を285℃にして成膜した他は実施例2と同様に
シート成形を行い、厚さ30μmのシートを得た。この
シートのアセトアルデヒド含有量は0.013重量%で
あった。このシートのアセトアルデヒド臭官能試験、ヒ
ートシール試験の結果を表−2に示す。
【0075】〔比較例7〕共重合ポリエチレンテレフタ
レートとして、実施例1で用いた共重合ポリエチレンテ
レフタレート90部と、変性ポリオレフィンとして、三
井デュポンポリケミカル社製アイオノマー樹脂(商品
名:ハイミランR 1650、メルトフローレートが
1.5g/10分、亜鉛含有量が1.6重量%である、
メタクリル酸共重合ポリエチレンの亜鉛イオン化物)1
0部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ペレット
状のポリエステル樹脂組成物を得た。このポリエステル
樹脂組成物のアセトアルデヒド含有量は0.012重量
%、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増加量
は0.018重量%/10分であった。
【0076】このポリエステル樹脂組成物を用いて、実
施例2と同様にシート成形を行い、厚さ30μmのシー
トを得た。このシートのアセトアルデヒド含有量は0.
018重量%であった。このシートのアセトアルデヒド
臭官能試験の結果を表−2に示す。
【0077】〔比較例8〕メルトフローレートが1.8
g/10分、金属含有量が0.03重量%、密度が0.
91g/cm3 である低密度ポリエチレンのみから成
形された厚さ30μmのシートに関して、d−リモネン
吸着試験を行った。結果を表−2に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物は、保
香性、熱安定性、ヒートシール性、耐衝撃性、柔軟性、
耐ピンホール性、延展性などに優れており、特に、アセ
トアルデヒドの溶出が少ない特徴を有する。従って、本
発明のポリエステル樹脂組成物は、特に飲料、食品など
香気成分の変化が好まれない内容物の包装材料に好まし
く用いることができる。例えば、本発明のポリエステル
樹脂組成物を紙パックの内装材に用いる場合には、保香
性、ヒートシール性、耐熱性などに優れているために、
好適な大型の飲料容器が提供できる。金属缶コート材に
用いる場合には、延展性に優れるために、絞り成形やし
ごき成形によっても密着性のよい内面保護皮膜を得るこ
とができ、さらに容器の加熱殺菌処理を行った場合にも
良好な性能を維持することができる。以上の点から、本
発明のポリエステル樹脂組成物およびシートは、工業的
価値が高い。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度が0.5〜1.5dl/g、末
    端カルボキシル基の濃度が60meq/kg以下、ジエ
    チレングリコール以外の共重合成分の比率が2〜25モ
    ル%、ジエチレングリコールの共重合比率が5モル%以
    下である共重合ポリエチレンテレフタレート60〜99
    重量%と、メルトフローレートが0.1〜100g/1
    0分である変性ポリオレフィン1〜40重量%とを配合
    してなり、アセトアルデヒド含有量が0.01重量%以
    下、260℃で保持したときのアセトアルデヒド増加量
    が0.01重量%/10分以下であることを特徴とする
    ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 共重合ポリエチレンテレフタレートがア
    ンチモン濃度をa重量%、ゲルマニウム濃度をb重量
    %、チタン濃度をc重量%とした場合に式(1)で定義
    されるkが0.05以下であることを特徴とする請求項
    1に記載のポリエステル樹脂組成物。 k=a+5b+10c (1)
  3. 【請求項3】 変性ポリオレフィンがカルボキシル基濃
    度が20〜4000meq/kg、金属含有量が1.5
    重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に
    記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 変性ポリオレフィンがポリオレフィンを
    無水マレイン酸でグラフト変性したものであることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のポリエス
    テル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載され
    たポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴と
    するシート。
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