JPH08269243A - タイヤ用ゴム組成物とその製造方法 - Google Patents
タイヤ用ゴム組成物とその製造方法Info
- Publication number
- JPH08269243A JPH08269243A JP7100590A JP10059095A JPH08269243A JP H08269243 A JPH08269243 A JP H08269243A JP 7100590 A JP7100590 A JP 7100590A JP 10059095 A JP10059095 A JP 10059095A JP H08269243 A JPH08269243 A JP H08269243A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- glass transition
- transition point
- temperature
- rubber component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
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- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 タイヤの路面グリップ性を向上させながら、
路面グリップ性の温度による変化を小さくし、併せて耐
摩耗性を改良する。 【構成】 高ガラス転移点スチレンブタジエンゴム(A
ゴム成分)と、予め沃素吸着量が115g/kg以上、着
色力が105以下のカーボンブラックが混入されてカー
ボンマスターバッチになっていてAゴム成分よりガラス
転移点が15℃以上低く、ムーニー粘度が1.8倍以上
である低ガラス転移点スチレンブタジエンゴム(Bゴム
成分)をブレンドしたものに他の配合剤を混合したタイ
ヤ用ゴム組成物。
路面グリップ性の温度による変化を小さくし、併せて耐
摩耗性を改良する。 【構成】 高ガラス転移点スチレンブタジエンゴム(A
ゴム成分)と、予め沃素吸着量が115g/kg以上、着
色力が105以下のカーボンブラックが混入されてカー
ボンマスターバッチになっていてAゴム成分よりガラス
転移点が15℃以上低く、ムーニー粘度が1.8倍以上
である低ガラス転移点スチレンブタジエンゴム(Bゴム
成分)をブレンドしたものに他の配合剤を混合したタイ
ヤ用ゴム組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、路面グリップ性を向
上するとともに温度による変化が小さく、耐摩耗性も合
わせて改良したタイヤ用ゴム組成物とその製造方法に係
るものである。
上するとともに温度による変化が小さく、耐摩耗性も合
わせて改良したタイヤ用ゴム組成物とその製造方法に係
るものである。
【0002】
【従来技術】通常、乗用車用タイヤのトレッドには、主
成分がスチレンブタジエンゴムであるゴム成分100重
量部に対して沃素吸着量が90〜120g/kg、着色力
(tint)が100〜120のカーボンブラックを60〜
150重量部配合したゴム組成物が使用されている。タ
イヤが自動車に装着されて走行しているときトレッドは
接地毎に繰り返し変形し、変形の仕事にヒステレシスロ
スが生じ、ヒステレシスロスはトレッドに用いたゴム組
成物の損失正接が大きい程大きくなる。一方損失正接の
大きいゴム組成物を用いたタイヤは路面グリップ性が大
きくなることは公知であり、路面グリップ性を大きくす
るために、従来は粒子径の小さいカーボンブラックを配
合したり、カーボンブラックとオイルの配合量を多くし
たりして損失正接を大きくする手法、あるいはガラス転
移点が高いゴムを使用する手法が用いられていた。しか
し、損失正接が大きくなると発熱も大きくなってタイヤ
使用中の温度上昇が大きくなり、路面グリップ性が低下
し、また強度低下が生じてセパレーションしやすくなっ
て耐久性が低下する。さらにガラス転移点の高いゴムを
使用した場合には耐摩耗性が劣る。このように路面グリ
ップ性を大きくすれば耐久性、耐摩耗性などが低下する
傾向にあるので、損失正接を調整してこれらの性能のバ
ランスを計っていた。
成分がスチレンブタジエンゴムであるゴム成分100重
量部に対して沃素吸着量が90〜120g/kg、着色力
(tint)が100〜120のカーボンブラックを60〜
150重量部配合したゴム組成物が使用されている。タ
イヤが自動車に装着されて走行しているときトレッドは
接地毎に繰り返し変形し、変形の仕事にヒステレシスロ
スが生じ、ヒステレシスロスはトレッドに用いたゴム組
成物の損失正接が大きい程大きくなる。一方損失正接の
大きいゴム組成物を用いたタイヤは路面グリップ性が大
きくなることは公知であり、路面グリップ性を大きくす
るために、従来は粒子径の小さいカーボンブラックを配
合したり、カーボンブラックとオイルの配合量を多くし
たりして損失正接を大きくする手法、あるいはガラス転
移点が高いゴムを使用する手法が用いられていた。しか
し、損失正接が大きくなると発熱も大きくなってタイヤ
使用中の温度上昇が大きくなり、路面グリップ性が低下
し、また強度低下が生じてセパレーションしやすくなっ
て耐久性が低下する。さらにガラス転移点の高いゴムを
使用した場合には耐摩耗性が劣る。このように路面グリ
ップ性を大きくすれば耐久性、耐摩耗性などが低下する
傾向にあるので、損失正接を調整してこれらの性能のバ
ランスを計っていた。
【0003】ゴム組成物の損失正接は温度によって変わ
り、温度分散曲線は図1に示す曲線2(破線)のように
ある温度Pで極大になり、極大値を示す温度の近くでは
高温側及び低温側のいずれにおいても急激に低下し、そ
れから先は漸減する。通常、損失正接は、使用されたゴ
ムのガラス転移点Gより10〜25℃高い温度で極大に
なり、ガラス転移点の異なるスチレンブタジエンゴム
(以後SBRと略称する)を通常の方法でブレンドした
場合にも、ブレンドされたSBRは均一に相溶してあた
かも1種類のゴムを使用したかのようになって損失正接
の極大を示す温度(以後ピーク温度と称す)は1つにな
り、その温度はブレンドされたSBRのそれぞれの概ね
ピーク温度の加重平均近くになる。そこで損失正接に関
係する性能の調整は、カーボンブラック、オイルなどの
配合剤の配合量の調整に加えて、異なったガラス転移点
を持つゴムをブレンドしてピーク温度を変えることによ
って行われていた。
り、温度分散曲線は図1に示す曲線2(破線)のように
ある温度Pで極大になり、極大値を示す温度の近くでは
高温側及び低温側のいずれにおいても急激に低下し、そ
れから先は漸減する。通常、損失正接は、使用されたゴ
ムのガラス転移点Gより10〜25℃高い温度で極大に
なり、ガラス転移点の異なるスチレンブタジエンゴム
(以後SBRと略称する)を通常の方法でブレンドした
場合にも、ブレンドされたSBRは均一に相溶してあた
かも1種類のゴムを使用したかのようになって損失正接
の極大を示す温度(以後ピーク温度と称す)は1つにな
り、その温度はブレンドされたSBRのそれぞれの概ね
ピーク温度の加重平均近くになる。そこで損失正接に関
係する性能の調整は、カーボンブラック、オイルなどの
配合剤の配合量の調整に加えて、異なったガラス転移点
を持つゴムをブレンドしてピーク温度を変えることによ
って行われていた。
【0004】タイヤは使用中繰り返し変形に伴うヒステ
レシスロスによって温度が高くなるので、トレッドの温
度は走行開始初期では低いが、走行するに従い高くなっ
て飽和温度に達する。飽和温度は走行速度、外気温によ
って変わり、それに伴って損失正接と相関する路面グリ
ップ性も変化する。ガラス転移点の高いゴムを使用して
ピーク温度を高くし、高速走行条件で損失正接が大きく
なるようにして高速走行での路面グリップ性能を高くし
たゴム組成物でトレッドを形成したタイヤは、湿潤路面
走行時には温度上昇が小さいので路面グリップ性が劣
り、また耐摩耗性も低下する。これらの性能は1つを良
くすれば他が悪くなる関係にあった。
レシスロスによって温度が高くなるので、トレッドの温
度は走行開始初期では低いが、走行するに従い高くなっ
て飽和温度に達する。飽和温度は走行速度、外気温によ
って変わり、それに伴って損失正接と相関する路面グリ
ップ性も変化する。ガラス転移点の高いゴムを使用して
ピーク温度を高くし、高速走行条件で損失正接が大きく
なるようにして高速走行での路面グリップ性能を高くし
たゴム組成物でトレッドを形成したタイヤは、湿潤路面
走行時には温度上昇が小さいので路面グリップ性が劣
り、また耐摩耗性も低下する。これらの性能は1つを良
くすれば他が悪くなる関係にあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、タイヤの
トレッドに使用して路面グリップ性を高くしながら温度
による路面グリップ性の変化を小さくし、同時に耐摩耗
性が向上したゴム組成物およびその製造方法を提供する
ことを課題にする。
トレッドに使用して路面グリップ性を高くしながら温度
による路面グリップ性の変化を小さくし、同時に耐摩耗
性が向上したゴム組成物およびその製造方法を提供する
ことを課題にする。
【0006】
【課題を解決するための手段】ゴムに沃素吸着量の大き
いカーボンブラックを混合して長時間放置すればゴムと
カーボンブラックが物理化学的に結合してバウンドラバ
ーを形成し、このバウンドラバーは崩壊しにくいという
知見に基づいて、この発明をなしたものである。
いカーボンブラックを混合して長時間放置すればゴムと
カーボンブラックが物理化学的に結合してバウンドラバ
ーを形成し、このバウンドラバーは崩壊しにくいという
知見に基づいて、この発明をなしたものである。
【0007】すなわち、この発明は、高ガラス転移点ス
チレンブタジエンゴム(Aゴム成分)と、予め沃素吸着
量(IA)が115g/kg以上、着色力(tint)が10
5以下のカーボンブラックが混入されてカーボンマスタ
ーバッチになっていて、Aゴム成分よりガラス転移点が
15℃以上低く、ムーニー粘度が1.8倍以上の低ガラ
ス転移点スチレンブタジエンゴム(Bゴム成分)とのブ
レンドをゴム成分にしたタイヤ用ゴム組成物と、混合機
に投入された高ガラス転移点スチレンブタジエンゴム
(Aゴム成分)に、Aゴム成分よりガラス転移点が15
℃以上低く、ムーニー粘度が1.8倍以上の低ガラス転
移点スチレンブタジエンゴム(Bゴム成分)に沃素吸着
量(IA)が115g/kg以上、着色力(tint)が10
5以下のカーボンブラックを予め混合してなるカーボン
マスターバッチを添加し、さらにカーボンブラックを添
加混練することによってタイヤ用ゴム組成物を製造す
る。
チレンブタジエンゴム(Aゴム成分)と、予め沃素吸着
量(IA)が115g/kg以上、着色力(tint)が10
5以下のカーボンブラックが混入されてカーボンマスタ
ーバッチになっていて、Aゴム成分よりガラス転移点が
15℃以上低く、ムーニー粘度が1.8倍以上の低ガラ
ス転移点スチレンブタジエンゴム(Bゴム成分)とのブ
レンドをゴム成分にしたタイヤ用ゴム組成物と、混合機
に投入された高ガラス転移点スチレンブタジエンゴム
(Aゴム成分)に、Aゴム成分よりガラス転移点が15
℃以上低く、ムーニー粘度が1.8倍以上の低ガラス転
移点スチレンブタジエンゴム(Bゴム成分)に沃素吸着
量(IA)が115g/kg以上、着色力(tint)が10
5以下のカーボンブラックを予め混合してなるカーボン
マスターバッチを添加し、さらにカーボンブラックを添
加混練することによってタイヤ用ゴム組成物を製造す
る。
【0008】
【作用】トレッド用ゴム組成物に使用する市販のカーボ
ンブラックは粒径が10〜50nmの1次凝集体が更に凝
集して2次凝集体を形成した状態になっていて、ゴムに
混合されるとき2次凝集体が破壊してゴム中に分散し、
長時間例えば一昼夜放置されればその間にゴムと物理化
学的に結合してバウンドラバーになる。一旦できたバウ
ンドラバーは破壊されにくいので、別のゴムとカーボン
ブラックを合わせて添加して再度混合してもバウンドラ
バーは完全に破壊されず、その状態を維持したまま別の
ゴム中に分散して、バウンドラバーの小塊を別のゴムが
取り囲んだ状態、所謂海島相構造の分散形態になる。
ンブラックは粒径が10〜50nmの1次凝集体が更に凝
集して2次凝集体を形成した状態になっていて、ゴムに
混合されるとき2次凝集体が破壊してゴム中に分散し、
長時間例えば一昼夜放置されればその間にゴムと物理化
学的に結合してバウンドラバーになる。一旦できたバウ
ンドラバーは破壊されにくいので、別のゴムとカーボン
ブラックを合わせて添加して再度混合してもバウンドラ
バーは完全に破壊されず、その状態を維持したまま別の
ゴム中に分散して、バウンドラバーの小塊を別のゴムが
取り囲んだ状態、所謂海島相構造の分散形態になる。
【0009】この発明では、ガラス転移点の低いSBR
(Bゴム成分)をカーボンマスターバッチにしてガラス
転移点の高いSBR(Aゴム成分)とブレンドしている
ので、Aゴム成分が海相に、Bゴム成分が島相になって
均一に相溶していないことにより、ガラス転移点が影響
する物性に対して、独立してそれぞれのSBRのガラス
転移点が影響する要素が残っており、その結果図1の損
失正接の温度分散曲線の1に示すように、均一に分散し
た場合に現れる極大値がそれぞれのゴム成分のピーク温
度の方へ引っ張られ、極大値が小さくなって分散がブロ
ードになり、損失正接の低温と高温とにおける差、例え
ば20℃における値と60℃における値の差が単一成分
ゴムの場合の曲線2(破線)より小さくなって、路面グ
リップ性の温度依存性が小さくなるとともにタイヤ使用
温度におけるグリップ性が高くなる。Aゴム成分とBゴ
ム成分のガラス転移点の温度差が15℃未満の場合に
は、海島相構造の不均一分散をしているが、両ゴム成分
のガラス転移点が近いために損失正接の温度分散曲線が
シヤープになって、低温と高温とでの損失正接の差異が
大きいことにより路面グリップ性の温度依存性が大にな
る。カーボンマスターバッチにされるBゴム成分のムー
ニー粘度がAゴム成分の1.8より小さい場合には、生
ゴムの強度が小さいのでAゴム成分と混合している間に
バウンドラバーが中のゴムから破壊されて、Aゴム成分
の海相にBゴム成分の島相が分散するブレンド状態の形
成の割合が小さくなって相溶状態が強く表れ、路面グリ
ップ性の温度依存性が大になる。
(Bゴム成分)をカーボンマスターバッチにしてガラス
転移点の高いSBR(Aゴム成分)とブレンドしている
ので、Aゴム成分が海相に、Bゴム成分が島相になって
均一に相溶していないことにより、ガラス転移点が影響
する物性に対して、独立してそれぞれのSBRのガラス
転移点が影響する要素が残っており、その結果図1の損
失正接の温度分散曲線の1に示すように、均一に分散し
た場合に現れる極大値がそれぞれのゴム成分のピーク温
度の方へ引っ張られ、極大値が小さくなって分散がブロ
ードになり、損失正接の低温と高温とにおける差、例え
ば20℃における値と60℃における値の差が単一成分
ゴムの場合の曲線2(破線)より小さくなって、路面グ
リップ性の温度依存性が小さくなるとともにタイヤ使用
温度におけるグリップ性が高くなる。Aゴム成分とBゴ
ム成分のガラス転移点の温度差が15℃未満の場合に
は、海島相構造の不均一分散をしているが、両ゴム成分
のガラス転移点が近いために損失正接の温度分散曲線が
シヤープになって、低温と高温とでの損失正接の差異が
大きいことにより路面グリップ性の温度依存性が大にな
る。カーボンマスターバッチにされるBゴム成分のムー
ニー粘度がAゴム成分の1.8より小さい場合には、生
ゴムの強度が小さいのでAゴム成分と混合している間に
バウンドラバーが中のゴムから破壊されて、Aゴム成分
の海相にBゴム成分の島相が分散するブレンド状態の形
成の割合が小さくなって相溶状態が強く表れ、路面グリ
ップ性の温度依存性が大になる。
【0010】カーボンブラックの着色力が大きくなれば
発熱が上がり、沃素吸着量が大きくなれば耐摩耗性は良
くなるが、発熱も大きくなるので、通常タイヤ用ゴム組
成物に使用される範囲内で沃素吸着量を大きくして耐摩
耗性を良くし、沃素吸着量が大きいことによる発熱の増
加を着色力を小さくして防止できるカーボンブラックを
選択する。沃素吸着量が115g/kg未満では耐摩耗性
の向上がなされず、着色力が105より大きくなれば発
熱が大きくなって高速走行時タイヤ温度が高くなり、路
面グリップ性が低下する。
発熱が上がり、沃素吸着量が大きくなれば耐摩耗性は良
くなるが、発熱も大きくなるので、通常タイヤ用ゴム組
成物に使用される範囲内で沃素吸着量を大きくして耐摩
耗性を良くし、沃素吸着量が大きいことによる発熱の増
加を着色力を小さくして防止できるカーボンブラックを
選択する。沃素吸着量が115g/kg未満では耐摩耗性
の向上がなされず、着色力が105より大きくなれば発
熱が大きくなって高速走行時タイヤ温度が高くなり、路
面グリップ性が低下する。
【0011】カーボンマスターバッチを製造する方法に
は、ラテックスまたは溶液状態のゴムと水にカーボンブ
ラックを懸濁したものを混合する方法所謂ウエットマス
ターバッチと乾燥状態のゴムとカーボンブラックを混合
する方法所謂ドライマスターバッチがある。この発明で
は両者を用いることはできるが、カーボンブラックの分
散がよいウエットマスターバッチの方が好ましい。ハン
バリーなどの混合機にゴムを投入する順序は特に限定し
ないが、まずAゴム成分を投入して軟化させてからカー
ボンマスターバッチを投入して、Bゴム成分バウンドラ
バーがAゴム成分によって破壊されにくいようにするの
が好ましい。
は、ラテックスまたは溶液状態のゴムと水にカーボンブ
ラックを懸濁したものを混合する方法所謂ウエットマス
ターバッチと乾燥状態のゴムとカーボンブラックを混合
する方法所謂ドライマスターバッチがある。この発明で
は両者を用いることはできるが、カーボンブラックの分
散がよいウエットマスターバッチの方が好ましい。ハン
バリーなどの混合機にゴムを投入する順序は特に限定し
ないが、まずAゴム成分を投入して軟化させてからカー
ボンマスターバッチを投入して、Bゴム成分バウンドラ
バーがAゴム成分によって破壊されにくいようにするの
が好ましい。
【0012】
【実施例】表1に示すAゴム成分の油展ゴムと表2に示
すBゴム成分に同表に示すカーボンブラックを予め混合
してなるカーボンマスターバッチを、ゴム成分が表3に
示す重量部割合になるように秤量して、混合機にA成分
ゴム、カーボンマスターバッチの順に投入し、さらにゴ
ム成分合計100重量部(以後重量部を単に部と略称す
る)に対して表3に示す量のカーボンブラックとオイ
ル、亜鉛華3部、ステアリン酸2部、老化防止剤2部を
投入して混合し、排出する。排出された混合ゴムをシー
ト状に成型して冷却した後硫黄2部、加硫促進剤CBS
1.5部を添加して再度混合し、ゴム組成物を得た。
すBゴム成分に同表に示すカーボンブラックを予め混合
してなるカーボンマスターバッチを、ゴム成分が表3に
示す重量部割合になるように秤量して、混合機にA成分
ゴム、カーボンマスターバッチの順に投入し、さらにゴ
ム成分合計100重量部(以後重量部を単に部と略称す
る)に対して表3に示す量のカーボンブラックとオイ
ル、亜鉛華3部、ステアリン酸2部、老化防止剤2部を
投入して混合し、排出する。排出された混合ゴムをシー
ト状に成型して冷却した後硫黄2部、加硫促進剤CBS
1.5部を添加して再度混合し、ゴム組成物を得た。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】上記ゴム組成物をトレッドゴムにして、サ
イズ205/55R16のタイヤを形成して自動車に装
着し、路面グリップ性の温度依存性(ラップタイム
差)、湿潤路面グリップ性、耐摩耗性を評価して表3に
示した。
イズ205/55R16のタイヤを形成して自動車に装
着し、路面グリップ性の温度依存性(ラップタイム
差)、湿潤路面グリップ性、耐摩耗性を評価して表3に
示した。
【0017】路面グリップ性の温度依存性は、1周約6
kmのサーキットを全速力で10周走行して、初めの5周
のラップタイムの平均と後のタイヤ温度が上昇している
5周のラップタイムの平均の差で評価した。差が小さい
ほど路面グリップ性の温度依存性が小さく好ましい。
kmのサーキットを全速力で10周走行して、初めの5周
のラップタイムの平均と後のタイヤ温度が上昇している
5周のラップタイムの平均の差で評価した。差が小さい
ほど路面グリップ性の温度依存性が小さく好ましい。
【0018】湿潤路面グリップ性は、米国の統一タイヤ
品質等級基準UTQGのアスファルト路面の試験条件で
トラクション試験を行い、比較例CE1を100にして
各タイヤのトラクション性を指数で示した。値が大きい
ほど優れている。
品質等級基準UTQGのアスファルト路面の試験条件で
トラクション試験を行い、比較例CE1を100にして
各タイヤのトラクション性を指数で示した。値が大きい
ほど優れている。
【0019】耐摩耗性は、途中で3回位置交換して2万
km走行して溝深さから摩耗量を求め、比較例CE1を1
00にして各タイヤの耐摩耗性を指数で示した。値が大
きいほど優れている。
km走行して溝深さから摩耗量を求め、比較例CE1を1
00にして各タイヤの耐摩耗性を指数で示した。値が大
きいほど優れている。
【0020】実施例タイヤはいずれも、使用するゴム成
分の一部を予めカーボンマスターバッチにしてから残余
のゴムと混合する方法を採用せず、従来の混合法に従っ
た比較例CE1よりラップタイムの差が小さく、湿潤路
面グリップ性、耐摩耗性が優れている。比較例のCE2
は両ゴム成分間のガラス転移点の温度差が小さい例で路
面グリップ性の温度依存性が大きく、CE3は両ゴム成
分間のムーニー粘度の相違が小さい例で路面グリップ性
の温度依存性が大きく、CE4はこの発明の要件を満た
すBゴム成分に着色力が105より大きいカーボンブラ
ックを混合したカーボンマスターバッチを使用した例
で、高速走行時タイヤ温度が高くなって路面グリップの
温度依存性が大きくなっている。
分の一部を予めカーボンマスターバッチにしてから残余
のゴムと混合する方法を採用せず、従来の混合法に従っ
た比較例CE1よりラップタイムの差が小さく、湿潤路
面グリップ性、耐摩耗性が優れている。比較例のCE2
は両ゴム成分間のガラス転移点の温度差が小さい例で路
面グリップ性の温度依存性が大きく、CE3は両ゴム成
分間のムーニー粘度の相違が小さい例で路面グリップ性
の温度依存性が大きく、CE4はこの発明の要件を満た
すBゴム成分に着色力が105より大きいカーボンブラ
ックを混合したカーボンマスターバッチを使用した例
で、高速走行時タイヤ温度が高くなって路面グリップの
温度依存性が大きくなっている。
【0021】
【発明の効果】予めカーボンブラックが混入されてカー
ボンマスターバッチにされたゴムと、このゴムよりガラ
ス転移点が高く、ムーニー粘度の低いゴムをブレンドす
ることにより、両ゴムを島海相構造の分散状態にして、
両ゴムの個々が持つ特性を独立して発現できるように
し、路面グリップ性の温度依存性を小さくするととも
に、路面グリップ性、耐摩耗性を向上する。
ボンマスターバッチにされたゴムと、このゴムよりガラ
ス転移点が高く、ムーニー粘度の低いゴムをブレンドす
ることにより、両ゴムを島海相構造の分散状態にして、
両ゴムの個々が持つ特性を独立して発現できるように
し、路面グリップ性の温度依存性を小さくするととも
に、路面グリップ性、耐摩耗性を向上する。
【図1】ゴム組成物の損失正接の温度分散曲線概念図
1 本発明ゴム組成物の損失正接温度分散曲線 2 SBR組成物の損失正接温度分散曲線 G SBR組成物のガラス転移点 P SBR組成物の損失正接が極大を示す温度
Claims (3)
- 【請求項1】 ゴム成分が、高ガラス転移点スチレンブ
タジエンゴム(Aゴム成分)と予め沃素吸着量(IA)
が115g/kg以上、着色力(tint)が105以下のカ
ーボンブラックが混入されてカーボンマスターバッチに
なっていて、Aゴム成分よりガラス転移点が15℃以上
低く、ムーニー粘度が1.8倍以上の低ガラス転移点ス
チレンブタジエンゴム(Bゴム成分)とのブレンドでな
るタイヤ用ゴム組成物。 - 【請求項2】 請求項1のAゴム成分のガラス転移点が
−45℃以上、カーボンマスターバッチになっているB
ゴム成分のガラス転移点が−60℃以下であるタイヤ用
ゴム組成物。 - 【請求項3】 少なくとも2種類のゴムにカーボンブラ
ックを混合する工程において、混合機に投入された高ガ
ラス転移点スチレンブタジエンゴム(Aゴム成分)に、
Aゴム成分よりガラス転移点が15℃以上低く、ムーニ
ー粘度が1.8倍以上の低ガラス転移点スチレンブタジ
エンゴム(Bゴム成分)に沃素吸着量(IA)が115
g/kg以上、着色力(tint)が105以下のカーボンブ
ラックを予め混合してなるカーボンマスターバッチを添
加し、さらにカーボンブラックを添加混練することを特
徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7100590A JPH08269243A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | タイヤ用ゴム組成物とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7100590A JPH08269243A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | タイヤ用ゴム組成物とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08269243A true JPH08269243A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=14278098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7100590A Withdrawn JPH08269243A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | タイヤ用ゴム組成物とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08269243A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7351761B2 (en) | 2005-12-28 | 2008-04-01 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Rubber composition and tire using the same |
WO2013140676A1 (ja) * | 2012-03-23 | 2013-09-26 | 東洋ゴム工業株式会社 | ゴム組成物およびその製造方法 |
JP6434585B1 (ja) * | 2017-08-22 | 2018-12-05 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
US10262779B2 (en) | 2013-03-29 | 2019-04-16 | Santoku Corporation | R-T-B-based magnet material alloy and method for producing the same |
-
1995
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