JPH08269240A - 防振ゴム組成物及びその組成物を用いたポリフェニレンエーテル樹脂・防振ゴム複合体 - Google Patents

防振ゴム組成物及びその組成物を用いたポリフェニレンエーテル樹脂・防振ゴム複合体

Info

Publication number
JPH08269240A
JPH08269240A JP9588195A JP9588195A JPH08269240A JP H08269240 A JPH08269240 A JP H08269240A JP 9588195 A JP9588195 A JP 9588195A JP 9588195 A JP9588195 A JP 9588195A JP H08269240 A JPH08269240 A JP H08269240A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
styrene
vibration
resin
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9588195A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiko Taguchi
武彦 田口
Kazuyuki Nagata
和之 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP9588195A priority Critical patent/JPH08269240A/ja
Publication of JPH08269240A publication Critical patent/JPH08269240A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 天然ゴムと、スチレン樹脂またはスチレン含
量が60重量%以上のハイスチレンゴムとからなり、ス
チレン成分を2.0 〜5.5 重量%含有し、加硫剤を配合し
て変性ポリフェニレンエーテル樹脂上で熱処理すること
によって接着性を示す防振ゴム組成物、及び前記ゴム組
成物に加硫剤を配合して変性ポリフェニレンエーテル樹
脂上で熱処理してなるポリフェニレンエーテル樹脂・防
振ゴム複合体。 【効果】 本発明の防振ゴム組成物はPPE樹脂、特に
スチレン変性PPE樹脂との接着力に優れており、接着
剤を使用することなく成形の際に共加硫して強固に接着
させPPE樹脂・防振ゴム複合体にすることができ、従
来の金属・防振ゴム複合体に代わる軽量のPPE樹脂・
防振ゴム複合体として自動車向けに利用することがで
き、自動車の軽量化及び燃費の向上に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂(以下、PPE樹脂と略記することがある。)
に対して接着性のある耐熱性防振ゴム組成物に関する。
さらに詳しくいえば、金属材料・防振ゴム複合体に代え
てPPE樹脂・防振ゴム複合体の使用を可能とする自動
車向け等に有用な防振ゴム組成物及びPPE樹脂・防振
ゴム複合体に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】自動車のエンジン等を搭載す
る際に使用される防振ゴムには、エンジンの振動及びそ
れに伴う騒音を軽減する防振性能、エンジンの発生熱に
対する耐熱性及びエンジンを機械的に支える支持性能
(強度)に加えて防振ゴムの支持材となる金属材料等と
の接着性が要求される。防振性能の点からは、ゴムは一
般的に軟らかい程よいが、軟らかすぎると搭載物の重量
で撓んでその支持位置が変化し、支持物を含む構成体全
体の基本的な性能に悪い影響を及ぼすことになる。具体
的には、防振性能は振動を伝達する振動状態のばね定数
(動ばね定数)が小さいほどよく、一方支持性能(強
度)は支持剛性を示す静ばね定数が大きいものもの程よ
く、従って、動ばね定数と静ばね定数との比、すなわち
動倍率(動ばね定数/静ばね定数)の値の小さいゴムほ
ど防振ゴムとしてすぐれているといえる。
【0003】一方、防振ゴムの支持材としてはこれまで
金属材料を用い金属支持材上に防振ゴムを加硫接着した
金属材料・防振ゴム複合体として使用されているが、自
動車燃費の一層の向上を図るため、金属に代わるより軽
い材料が望まれている。かかる材料として耐熱性のPP
E樹脂が注目されているが、PPE樹脂と防振ゴムとの
複合化を実現するためには、防振ゴム組成物に加硫剤を
配合してPPE樹脂で熱処理したときPPE樹脂と加硫
ゴムとが充分な接着力を有する必要がある。PPE系樹
脂とゴム材料を複合化した先行技術として、PPE樹脂
にスチレン系重合体をブレンドしたものを使用し、ゴム
材料に二重結合を含有するスチレン−ブタジエンゴム
(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム
(IR)、イソブテン−イソプレンゴム(IIR)など
を使用して両者を共加硫する技術が知られている(特開
平5−30182号公報)。
【0004】しかしながら、防振ゴムの場合には最も重
要な特性である防振性を考慮して天然ゴムがマトリック
スゴムとして用いられるが、天然ゴムはPPE系樹脂と
の接着力に乏しいという問題がある。この問題はPPE
樹脂にスチレン系重合体などをブレンドしただけでは解
決することはできない。そこで、本発明者は、上記先行
文献の共加硫技術に従って、天然ゴムにSBRなど二重
結合を含有するゴムをブレンドする方法について検討し
た。ブレンド量を増やしていくと確かに接着力は上がる
が、防振ゴムとして最も重要な動倍率特性が所望の水準
以下に悪化し、到底実用化出来るものではないことが判
明した。従って、本発明の課題は金属・防振ゴム複合体
に代わるPPE樹脂・防振ゴム複合体を可能とする防振
ゴム組成物、すなわち耐熱性で軽量なPPE樹脂との接
着性に優れた天然ゴム系防振ゴム組成物、及びその組成
物を用いたPPE樹脂・防振ゴム複合体を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、天然ゴムに
スチレン樹脂あるいはスチレン含量の高いゴム(以下、
ハイスチレンゴムという。)を使用すると、比較的少な
い配合で、防振性能が損なわれずに変性PPE樹脂との
接着性が改善されることを確認して、本発明を完成する
に至った。
【0006】すなわち、本発明は 1) 天然ゴムと、スチレン樹脂またはスチレン含量が
60重量%以上のハイスチレンゴムとからなり、スチレ
ン成分を2.0 〜5.5 重量%含有し、加硫剤を配合して変
性ポリフェニレンエーテル樹脂上で熱処理することによ
って接着性を示す防振ゴム組成物、 2) ゴム組成物を100重量部としてカーボンブラッ
クを30〜100重量部含有した前記1に記載の防振ゴ
ム組成物、 3) 天然ゴムと、スチレン樹脂またはスチレン含量が
60重量%以上のハイスチレンゴムとからなり、スチレ
ン成分を2.0 〜5.5 重量%含有する組成物に加硫剤を配
合して変性ポリフェニレンエーテル樹脂上で熱処理して
なるポリフェニレンエーテル樹脂・防振ゴム複合体、及
び 4) 変性ポリフェニレンエーテル樹脂がスチレン変性
ポリフェニレンエーテル樹脂である前記3に記載の複合
体を提供するものである。以下、本発明の防振ゴム組成
物及び複合体について詳しく説明する。
【0007】
【防振ゴム組成物】
(1)天然ゴム 本発明では防振ゴムポリマーマトリックス(ベース)と
して、防振性、加工性及び機械的強度特性(耐久性)に
良好な天然ゴムを使用する。
【0008】(2)スチレン樹脂 スチレン樹脂を天然ゴムに配合することにより、変性P
PE樹脂、特にスチレン変性PPE樹脂との接着性が実
用化レベルまで改善される。本発明で使用するスチレン
樹脂とは、スチレン系モノマーの単独重合体であるが、
他のモノマーを少量(20重量%程度まで)含有する共
重合体も使用できる。ここで、スチレン系モノマーとし
ては、スチレン、2,4−ジクロルスチレン、p−メト
キシスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチ
レン、p−ジビニルベンゼン、p−(クロロメトキシ)
−スチレン、α−メチルスチレン、o−メチル−α−メ
チルスチレン、m−メチル−α−メチルスチレン、p−
メチル−α−メチルスチレン、p−メトキシ−α−メチ
ルスチレンなどが挙げられ、1種または2種以上混合し
て用いることができる。これらの中ではスチレンが好ま
しく用いられる。スチレン系モノマーに共重合させ得る
他のモノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、フマル酸及びマレイン酸、ビニルケトン、無
水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニリ
デン、マレイン酸エステル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸
ブチル、アクリル酸メチル、2−アミノエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、
塩化ビニル、酢酸ビニル、ジビニルベンゼン、酸化エチ
レン、塩化ビニリデン、マレイン酸エステル、イソブテ
ン、アルキルビニルエーテル、アネトール、インデン、
クマロン、ベンゾフラン、1,2−ジヒドロナフタリ
ン、アセナフチレン、イソプレン、クロロプレン、トリ
オキサン、1,3−ジオキソラン、プロピレンオキシ
ド、β−プロピオラクトン、ビニルビフェニル、1,1
−ジフェニルエチレン、1−ビニルナフタリン、2−ビ
ニルナフタリン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリ
ジン、2,3−ジメチルブタジエン、エチレン、プロピ
レン、アリルトリメチルシラン、3−ブテニルトリメチ
ルシラン、ビニルカルバゾール、N,N−ジフェニルア
クリルアミド、フマルニトリルなどを挙げることがで
き、また、これらモノマーの誘導体も使用することがで
きる。これらは単独で、もしくは2種以上を併用して使
用することができる。これらのモノマーの中で好ましい
のは、無水マレイン酸、メタクリル酸メチル、2−アミ
ノエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、アクリロニトリルなどである。
【0009】(3)ハイスチレンゴム 本発明ではスチレン含量の高いゴム(ハイスチレンゴ
ム)をスチレン樹脂の代わりに使用することができる。
ここでハイスチレンゴムとは、スチレン成分含量が60
重量%以上のゴム様物質であり、例えば、スチレン−ブ
タジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレ
ン共重合体ゴム、スチレン−ブチレン共重合体ゴム、ス
チレン−エチレン−プロピレン共重合体ゴムなどが挙げ
られる。スチレン成分の含有量が40重量%未満だと接
着性は確保されるが天然ゴムの比率が少な過ぎ防振性
(動倍率特性)が低下してしまう。これらのハイスチレ
ンの中ではスチレン成分の含有量が60重量%以上のS
BRが好ましい。このようなSBRとしては市販品を使
用することが出来る。
【0010】天然ゴムとスチレン樹脂あるいはハイスチ
レンゴムとの配合割合は、スチレン成分が2.0 〜5.5 重
量%となる量である。すなわち、例えばスチレン樹脂と
して、ポリスチレンを使用する場合にはポリスチレンが
2.0 〜5.5 重量%であり、スチレン含量が、例えば70
%のSBRを使用する場合にはSBRが2.8 〜7.8 重量
%である。スチレン成分の含有量が2重量%未満では、
接着性の改善が見られず、また5.5 重量%を超えると、
防振性(動倍率特性)が悪化する。防振性(動倍率特
性)に与える影響の少ないスチレン樹脂の使用が特に好
ましい。
【0011】(4)カーボンブラック 本発明の防振ゴム組成物においては、支持性能(強度)
を確保するために、カーボンブラックが使用される。カ
ーボンブラックとしてはゴムの分野で通常用いられてい
るものが使用できる。カーボンブラックの配合量は、防
振ゴムの用途によるので一概に規定できないが、一般的
にゴム組成物100重量部に対して30〜100重量部
である。
【0012】(5)その他の添加剤 また、本発明の防振ゴム組成物には、加工助剤、老化防
止剤、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、充填剤等を添加し
て用いてもよい。特に変性PPE樹脂と複合体を形成さ
せる場合には予め加硫用材料(加硫剤、加硫促進剤)を
配合させておくことが好ましい。
【0013】加硫剤は、一般に使用されるいずれの加硫
剤も使用できる。かかる化合物の例としては、イオウ、
モルホリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスル
フィド等が挙げられる。この中ではイオウが好ましく、
ゴム成分100重量部に対し0.5〜5重量部程度用いる
ことができる。
【0014】加硫促進剤は、ゴムポリマーのラジカル切
断を抑制し架橋効果を向上させるための添加剤でありゴ
ム成分100重量部に対し 0.5〜5重量部程度用いるこ
とができる。加硫促進剤の例としては、N−シクロヘキ
シル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オ
キシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミ
ド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールス
ルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2−メ
ルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフ
ェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−
ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジ
ベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;
ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、ト
リフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフ
ェニルグアニジンフタレート等のグアニジン系化合物;
アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド
−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセト
アルデヒド−アンモニア反応物等のアルデヒド−アミン
またはアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプ
トイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チアカルバ
ミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチ
ルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素等のチオ尿素化合
物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチ
ルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスル
フィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメ
チレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合
物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジブチルチオカルバミン酸亜鉛、エ
チルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニル
ジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸
ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエ
チルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸
塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のキサンテ
ート系化合物等の化合物が挙げられる。
【0015】軟化剤は上記のゴム成分100重量部に対
して100重量部程度まで用いられる。軟化剤の例とし
ては、プロセルオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラ
フィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化
剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油
系軟化剤;トール油;サブ;蜜ロウ、カルナバロウ、ラ
ノリン等のワックス類;リノール酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、ラウリン酸等が挙げられ、特にプロセスオ
イルが好ましく使用される。
【0016】カーボンブラック以外の充填剤の例として
は、炭酸カルシウム、タルク、シリカ等が挙げられる。
以上の添加剤のほか、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色
剤等の慣用の配合剤を用いてもよい。
【0017】本発明の防振ゴム組成物は、上記のゴム成
分、スチレン樹脂あるいはハイスチレンゴム、カーボン
ブラック、加硫剤その他の添加剤を用いて常法により調
製することができる。すなわち、加硫剤や加硫促進剤な
どを除いた各成分を予備混合した後、80〜170℃で
数分間混練する。その後、混練物にオープンロール等の
ロール類を用いて加硫剤や加硫促進剤などを追加混合
し、ロール温度40〜70℃で5〜30分間混練した
後、分出し、リボン状またはシート状のゴム組成物を調
製する。
【0018】
【PPE樹脂・防振ゴム複合体】上記の防振ゴム組成物
は、PPE樹脂、特に変性PPE樹脂と良好な接着を示
すので軽量で耐熱性に優れた本発明に係るPPE樹脂・
防振ゴム複合体を製造することができる。PPE樹脂と
しては、フェノール、o−、m−またはp−クレゾー
ル、2,6−、2,5−、2,4−または3,5−ジメ
チルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノー
ル、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチル
フェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,
3,5−、2,3,6−または2,4,6−トリメチル
フェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、
チモール、2−メチル−6−アリルフェノールなどの単
独重合体あるいはこれら2種以上の共重合体などが挙げ
られる。本発明で使用する変性PPE樹脂とは、上記P
PE樹脂がスチレン系樹脂やポリアミド系樹脂などによ
り変性されたものであり、これらの中で、特にゴム組成
物中にも含まれているスチレン成分を含有するスチレン
変性PPE樹脂が好ましい。スチレン系樹脂とPPE樹
脂とは相溶性が良く、スチレン変性PPE樹脂はPPE
樹脂とスチレン系樹脂を押出機などで溶融混練すること
により得ることができる。
【0019】上記変性PPE組成物と防振ゴム組成物と
の接着は、一段階または二段階で共加硫することにより
行なうことができる。一段階で共加硫する場合は、例え
ば2色射出成形法などにより行なう。すなわち、変性P
PE樹脂と防振ゴム組成物の両方の溶融物を同じ金型内
に誘導した後、加熱して加硫させる。また、二段階で共
加硫する場合には、例えば予め変性PPE樹脂を成形し
ておき、その成形体上に好ましくは予備成形した防振ゴ
ム組成物を圧縮成形、押出成形、トランスファー成形、
射出成形などにより押出して圧接し、その後加熱して加
硫させる。いずれの場合にも、加硫温度は150〜18
0℃が好ましく、また加硫時間は3〜30分程度であ
る。
【0020】このようにして得られた本発明のPPE樹
脂・防振ゴム複合体は、自動車用防振ゴムの複合構成部
材、具体的にはエンジンマウントを始めとして、ボディ
マウント、キャブマウント、メンバーマウント、ストラ
ットバークッション、センタベアリングサポート、トー
ショナルダンパー、ステアリングラバーカップリング、
テンションロッドブッシュ、ロアーリングブッシュ、ア
ームブッシュ、バンプストラッパー、FFエンジンロー
ルストッパー、マフラーハンガー等の各種部材に利用す
ることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明は下記の記載により限定さ
れるものではない。なお、各実施例及び比較例におい
て、原料及び添加剤としては、以下のものを使用した。
【0022】(1)ゴム成分 天然ゴム(NR):RSS#3。 (2)ポリスチレン系成分 ホモポリスチレン樹脂(PS):スタイロン(旭化成
(株)製)、ハイスチレンゴム(H−SBR):スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム(スチレン成分含有量67
重量%,SBR0061,日本合成ゴム(株)製)、ス
チレンゴム(SBR):スチレン−ブタジエン共重合体
ゴム(スチレン成分含有量23.5重量%,SBR#1500
(日本合成ゴム工業(株)製)。
【0023】実施例1〜5及び比較例1〜5 上記のポリマー成分と、下記の加硫剤及び加硫促進剤を
除く添加剤を表1〜2及び下記に示す割合で、バンバリ
ーミキサーを用いて予備混合した後、150℃で3分間
混練した。次いで、その混練物にオープンロールを用い
て下記の加硫剤及び加硫促進剤を追加混合し、50℃で
2分間混練した後、分出し、シート状のゴム組成物を調
製した。
【0024】 [添加剤とその配合量(ポリマー成分100重量部に対する量)] ・カーボンブラック(ASTM No.N-220 ) …50重量部、 ・硫黄(加硫剤) … 2重量部、 ・N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド (加硫促進剤) … 1.2重量部、 ・亜鉛華(加硫促進剤) …5重量部、 ・アロマ系プロセスオイル(軟化剤) …5重量部、 ・ステアリン酸(軟化剤) …2重量部、 ・N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン (老化防止剤) …2重量部。
【0025】得られた配合ゴム組成物を後述のように成
形、架橋して試験片とし、これを用いて以下の方法で動
倍率及び接着性(接着力及び破壊モード)を測定した。
結果を表1及び表2に併せて示す。
【0026】1)動倍率 配合ゴム組成物を150℃で30分間加熱することによ
り架橋した直径50mm、高さ25mmの円柱体形状の
試験片を作製し、その上面及び下面に直径60mm厚さ
6mmの円形金具をそれぞれ取り付け、静ばね定数(K
s)、動ばね定数(Kd100)を測定し、動倍率(Kd1
00/Ks)を求めた。静ばね定数は、上記の円柱体形状
の試験片を円柱の軸方向に軸方向に7mm圧縮し、2回
目の往きの荷重撓み曲線から1.5mmと3.5mmの撓み時
の荷重を読み取り計算した。動ばね定数は、試験片を軸
方向に2.5mm圧縮し、この2.5mm圧縮の位置を中心
に、下方から100Hzの周波数により振幅±0.05mm
の定変位調和圧縮振動を加え、試験片上方に取り付けた
ロードセルにて動的荷重を測定し、JIS K6394に準拠し
て計算した。動倍率はこれらの値の比である。
【0027】2)接着性 配合ゴム組成物を直径40mm、高さ15mmの円柱体
形状の試験片に成形し、その上面及び下面に直径40m
mの円柱体形状のスチレン変性PPE樹脂(Vestoran 1
900,ヒュルス社製)をそれぞれ貼りあわせ、165℃
で40分間加熱して加硫を行ない接着させる。次いで上
部の変性PPE樹脂の上面と下部の変性PPE樹脂の下
面とに円形金具をそれぞれ取り付けた後、下金具を固定
し、上金具を上方に引っ張り、破断させる。破断したと
きの荷重を接着力(kgf/cm2)とし、また破断面の状態
(破壊モード)を測定・評価した。なお、表中、破壊モ
ードの欄における“RX及びPY”(X及びYは0〜1
00の数字)は、ゴム組成物部分においてX%破断し、
変性PPE樹脂部分においてY%破断したことを意味
し、例えば“R100”とはゴム組成物部分において1
00%破断したことを意味する。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表1及び表2に示す通り、ゴム組成物とし
て天然ゴムのみからなるもの(比較例5)は動特性(防
振性)は良好なもののスチレン変性PPE樹脂との接着
性が悪い。そこで天然ゴムに一般的なスチレン系ゴム
(SBR)を配合すると(比較例3及び4)その配合量
に伴い接着性は向上するが、反対に動特性(動倍率)は
低下する。また配合するスチレン系ポリマーとしてポリ
スチレン樹脂あるいはハイスチレンゴムを用いてもゴム
組成物としてのスチレン含量の多いもの(比較例1及び
2)は動特性(防振性)が低下する。これらに対して本
願発明のゴム組成物(実施例1〜5)はスチレン変性P
PE樹脂との接着性に優れ、かつ動特性(防振性)も良
好であり、これらの物性バランスに優れていることがわ
かる。
【0031】
【発明の効果】本発明の防振ゴム組成物はPPE樹脂、
特にスチレン変性PPE樹脂との接着性に優れており、
接着剤を使用することなく成形の際に共加硫して強固に
接着させPPE樹脂・防振ゴム複合体にすることがで
き、従来の金属・防振ゴム複合体に代わる軽量のPPE
樹脂・防振ゴム複合体として自動車向けに利用すること
ができ、自動車の軽量化及び燃費の向上に寄与するもの
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴムと、スチレン樹脂またはスチレ
    ン含量が60重量%以上のハイスチレンゴムとからな
    り、スチレン成分を2.0 〜5.5 重量%含有し、加硫剤を
    配合して変性ポリフェニレンエーテル樹脂上で熱処理す
    ることによって接着性を示す防振ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 ゴム組成物を100重量部としてカーボ
    ンブラックを30〜100重量部含有した請求項1に記
    載の防振ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 天然ゴムと、スチレン樹脂またはスチレ
    ン含量が60重量%以上のハイスチレンゴムとからな
    り、スチレン成分を2.0 〜5.5 重量%含有する組成物に
    加硫剤を配合して変性ポリフェニレンエーテル樹脂上で
    熱処理してなるポリフェニレンエーテル樹脂・防振ゴム
    複合体。
  4. 【請求項4】 変性ポリフェニレンエーテル樹脂がスチ
    レン変性ポリフェニレンエーテル樹脂である請求項3に
    記載の複合体。
JP9588195A 1995-03-30 1995-03-30 防振ゴム組成物及びその組成物を用いたポリフェニレンエーテル樹脂・防振ゴム複合体 Pending JPH08269240A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9588195A JPH08269240A (ja) 1995-03-30 1995-03-30 防振ゴム組成物及びその組成物を用いたポリフェニレンエーテル樹脂・防振ゴム複合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9588195A JPH08269240A (ja) 1995-03-30 1995-03-30 防振ゴム組成物及びその組成物を用いたポリフェニレンエーテル樹脂・防振ゴム複合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08269240A true JPH08269240A (ja) 1996-10-15

Family

ID=14149680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9588195A Pending JPH08269240A (ja) 1995-03-30 1995-03-30 防振ゴム組成物及びその組成物を用いたポリフェニレンエーテル樹脂・防振ゴム複合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08269240A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997042844A1 (fr) * 1996-05-10 1997-11-20 Shishiai-Kabushikigaisha Composition de conversion d'energie
KR100427889B1 (ko) * 2001-12-05 2004-04-28 현대자동차주식회사 자동차용 텐션로드 부시 조성물
EP3222660A4 (en) * 2014-11-17 2018-08-08 NOK Corporation Torsion damper sbr composition and torsion damper

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6645586B2 (en) 1969-05-10 2003-11-11 Shishiai-Kabushikigaisha Energy conversion composition
WO1997042844A1 (fr) * 1996-05-10 1997-11-20 Shishiai-Kabushikigaisha Composition de conversion d'energie
US6635327B2 (en) 1996-05-10 2003-10-21 Shishiai-Kabushikigaisha Energy conversion composition
CN100363430C (zh) * 1996-05-10 2008-01-23 西西阿-株式会社 组合物
KR100427889B1 (ko) * 2001-12-05 2004-04-28 현대자동차주식회사 자동차용 텐션로드 부시 조성물
EP3222660A4 (en) * 2014-11-17 2018-08-08 NOK Corporation Torsion damper sbr composition and torsion damper
US10309476B2 (en) 2014-11-17 2019-06-04 Nok Corporation SBR composition for torsional damper, and torsional damper

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5133503B2 (ja) 防振ゴム組成物及び防振ゴム部材
JP5291858B2 (ja) ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ
JP5420224B2 (ja) 防振ゴム用ゴム組成物、防振ゴムおよびその製造方法
JP2006052281A (ja) 防振・免振用のゴム組成物およびその調製方法、並びに、防振・免振用ゴム製品およびその製造方法
JP2011111532A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
JP2006052105A (ja) シランカップリング剤処理シリカおよびその調製方法、防振・免振用のゴム組成物およびその製造方法、並びに、防振・免振用ゴム製品およびその成形方法
JP2528224B2 (ja) 耐熱防振ゴム用ゴム組成物
JP2003253056A (ja) ゴム組成物及び防振ゴム並びに防振用マウント
JPH08269240A (ja) 防振ゴム組成物及びその組成物を用いたポリフェニレンエーテル樹脂・防振ゴム複合体
JPH10195242A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP6499458B2 (ja) 防振ゴム用ゴム組成物
JPH01156354A (ja) 加硫性ゴム組成物
JPH08269238A (ja) 防振ゴム組成物及びその組成物を用いたポリフェニレンエーテル樹脂・防振ゴム複合体
JP2006241184A (ja) ゴム組成物
JP2009007422A (ja) ゴム組成物およびタイヤ
JP3305230B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2000336206A (ja) 防振ゴム組成物
JP5383306B2 (ja) 防振ゴム組成物
EP3010966A1 (en) Heat stabilized soft expandable sealant compositions
JPH11349716A (ja) 注入スポンジ用ゴム組成物及びその加硫ゴム発泡成形体
JP2020090665A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
JPS645606B2 (ja)
JP7296414B2 (ja) 防振ゴム組成物および防振ゴム
JP2006052280A (ja) 防振・免振用のゴム組成物およびその調製方法、並びに、防振・免振用ゴム製品およびその製造方法
JPH08269237A (ja) 防振ゴム組成物