JPH08268422A - ポリプロピレン系ビジブルライン付き容器 - Google Patents

ポリプロピレン系ビジブルライン付き容器

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Publication number
JPH08268422A
JPH08268422A JP7130695A JP7130695A JPH08268422A JP H08268422 A JPH08268422 A JP H08268422A JP 7130695 A JP7130695 A JP 7130695A JP 7130695 A JP7130695 A JP 7130695A JP H08268422 A JPH08268422 A JP H08268422A
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JP
Japan
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line
container
polypropylene resin
direct
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Application number
JP7130695A
Other languages
English (en)
Inventor
Kozaburo Sakano
弘三郎 坂野
Takashi Sugizaki
喬 杉崎
Masanori Honda
正憲 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内容物直視用ラインの幅を一定にし、そのラ
インを実質上ストレートなものとしてナチュラルな内容
物直視用ラインを形成することが可能であり、更に内容
物直視用ラインの部分の薄肉化を防止して、割れの発生
を有効に防止できるポリプロピレン系ビジブルライン付
き容器を提供する。 【構成】 ポリプロピレン系樹脂のブロー成形で形成さ
れ、容器軸方向に延びており且つ周方向に短い幅で設け
られた透明な内容物直視用ライン9と、該ラインを除い
て不透明に形成された器壁8とを備え、前記直視用ライ
ンを構成するポリプロピレン系樹脂は不透明器壁8を構
成するポリプロピレン系樹脂の溶融張力(210℃)よ
りも2乃至5g大きい溶融張力を有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレン系樹脂か
ら成るビジブルライン付き容器に関する。より詳細に
は、内容物直視用ラインと不透明器壁との境界がナチュ
ラルできれいに形成され且つ内容物直視用ラインやその
境界部での割れも防止されたビジブルライン付き容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】ブロー成形によるプラスチック中空容器
は軽量性や耐衝撃性に優れており、各種食品、調味料、
トイレタリー製品等の包装容器として広く使用されてい
る。この容器として、単層及び多層の各種のものが使用
されているが、容器の少なくとも内層樹脂としては、衛
生的特性、耐湿性、強度等の見地から、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂が広く使用されている。
【0003】中空成形用のポリオレフィン樹脂には、通
常の成形とは異なったグレードのものが一般に使用され
ている。即ち、中空成形に際しては、溶融パリソンが自
重により垂れ下がる現象(ドローダウンと呼ばれる)を
生じやすく、これを防止するために、メルトフローレー
ト(MFR)が2.0g/10分以下である様な比較的
高分子量で、しかもMw /Mn で定義される分子量分布
が広い範囲、即ち3.5〜7の範囲にある樹脂が使用さ
れている。
【0004】充填する内容物の光に対する安定性の点で
は、容器壁は不透明であることが望ましいが、容器壁が
不透明であると、内容物の充填状態や内容物の残量の確
認が容易でないという問題を生じる。
【0005】特開平2−162027号公報及び6−9
9471号公報には、ビジブルライン付き容器、即ち周
状の一部分の壁が隣接部分より高い光線透過率を有し、
この部分を容器全高にわたる縦の線条状に成形すること
により、外部から内容物液面高さを透視可能とし、且つ
残余の部分では十分な色彩効果の着色樹脂を用いること
を可能とした容器が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、公知の
ビジブルライン付き容器は内容物直視用ラインの幅を一
定にし、またそのラインをストレートなものとすること
が困難であり、更に内容物直視用ラインの部分が薄肉化
して、ブロー成形時にパンクを生じたり或いは落下衝撃
による割れや環境応力亀裂を発生する不都合がある。
【0007】即ち、ビジブルライン付き容器を製造する
場合、内容物直視用ラインの部分も不透明器壁(本体)
の部分も同種の樹脂で形成させるのが自然であるが、ポ
リプロピレン系樹脂の場合、両方の部分を同じ樹脂で形
成させても、上記欠点が現れ、特に内容物直視用ライン
の部分の薄肉化が顕著に現れる。
【0008】従って、本発明の目的は、内容物直視用ラ
インの幅を一定にし、そのラインを実質上ストレートな
ものとしてナチュラルな内容物直視用ラインを形成する
ことが可能であり、更に内容物直視用ラインの部分の薄
肉化を防止して、割れの発生を有効に防止できるポリプ
ロピレン系ビジブルライン付き容器を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリプ
ロピレン系樹脂のブロー成形で形成され、容器軸方向に
延びており且つ周方向に短い幅で設けられた透明な内容
物直視用ラインと、前記ラインを除いて不透明に形成さ
れた器壁とを備え、前記直視用ラインを構成するポリプ
ロピレン系樹脂は不透明器壁を構成するポリプロピレン
系樹脂の溶融張力(210℃)よりも2乃至5g大きい
溶融張力を有することを特徴とするポリプロピレン系ビ
ジブルライン付き容器が提供される。
【0010】直視用ラインを構成するポリプロピレン系
樹脂が8乃至13gの溶融張力(210℃)を有するポ
リプロピレン系樹脂であり、不透明器壁を構成するポリ
プロピレン系樹脂が6乃至9gの溶融張力(210℃)
を有するポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。
【0011】特に、直視用ラインを構成するポリプロピ
レン系樹脂がプロピレン・エチレン・ブロック共重合体
であることが、ビジブルラインの安定化の点で望まし
く、また透明性の点では、直視用ラインを構成するポリ
プロピレン系樹脂が3000乃至5000ppmの核剤
を含有するものであることが好ましい。核剤としては、
高分子化合物系のものが使用できる。その一例として、
ソルビトール、ポリビニルシクロヘキサン、ポリブテン
−1、ポリメチルブテン、ポリビニルペンタン等が挙げ
られる。
【0012】
【作用】本発明の容器は、ポリプロピレン系樹脂のブロ
ー成形で形成され、容器軸方向に延びており且つ周方向
に短い幅で設けられた透明な内容物直視用ラインと、前
記ラインを除いて不透明に形成された器壁とを備えてい
るが、前記直視用ラインを構成するポリプロピレン系樹
脂として、不透明器壁(本体)を構成するポリプロピレ
ン系樹脂の溶融張力(210℃)よりも2乃至5g大き
い溶融張力を有するポリプロピレン系樹脂を用いたこと
が顕著な特徴であり、これによりブロー成形された容器
中の内容物直視用ラインを安定化させ、その幅を一定に
すると共にそのラインを実質上ストレートなものとし
て、ナチュラルな内容物直視用ラインを形成することが
でき、更に内容物直視用ラインの部分の薄肉化を防止し
て、割れの発生を有効に防止できる。
【0013】後述する実施例を参照されたい。内容物直
視用ライン用のポリプロピレン系樹脂として、不透明器
壁(本体)のポリプロピレン系樹脂と全く同じ樹脂を用
いた場合(比較例1)には、内容物直視用ラインの幅の
変動が±30%にも達し、またラインの揺れも±3mm
にも達するなど、内容物直視用ラインが著しく不安定な
ものとなる。更に、内容物直視用ラインの厚みも不透明
器壁(本体)の厚みの60%程度の薄いものとなり、内
容物直視用ラインの部分の耐圧強度や耐衝撃強度等が不
透明器壁(本体)に比してかなり低いものとなってい
る。
【0014】これに対して、内容物直視用ライン用のポ
リプロピレン系樹脂として、不透明器壁(本体)のポリ
プロピレン系樹脂に比して、溶融張力(210℃)が3
g高いポリプロピレン系樹脂を使用すると(実施例
1)、内容物直視用ラインの幅の変動が±2%に抑制さ
れ、またラインの揺れも±1mmに抑制されて、内容物
直視用ラインの寸法や形状が著しく安定なものとなる。
更に、内容物直視用ラインの厚みの変動も不透明器壁
(本体)の厚みの±5%程度以内に抑えられ、この部分
の耐圧強度や耐衝撃強度等も十分満足しうるものとな
る。
【0015】本発明において、直視用ラインを構成する
ポリプロピレン系樹脂として、不透明器壁(本体)を構
成するポリプロピレン系樹脂の溶融張力(210℃)よ
りも2乃至5g大きい溶融張力を有するポリプロピレン
系樹脂を用いることにより、ラインの安定性が向上する
という事実は、多数の実験の結果現象として見いだされ
たものであり、その理由は、決してこれに拘束されるも
のではないが、次のようなものと思われる。即ち、不透
明器壁の間に内容物直視用ラインを設けた容器の押出に
際しては、樹脂組成の周方向の不均一性により、内容物
直視用ラインの部分の樹脂がドローダウンする傾向が大
きく生じるものと思われる。これに対して、内容物直視
用ラインの樹脂として溶融張力(210℃)が大きいポ
リプロピレン系樹脂を使用すると、内容物直視用ライン
の部分でのドローダウン傾向が抑制され、ラインの安定
性が得られるものと思われる。
【0016】内容物直視用ラインを構成するポリプロピ
レン系樹脂の溶融張力(210℃)が、前記範囲よりも
小さい場合には、内容物直視用ラインの寸法や形状が不
安定なものとなり、その厚さも小さくなる傾向があり、
一方上記範囲よりも大きくなると、内容物直視用ライン
の部分の剪断応力が大きくなりすぎるため、メルトフラ
クチュア等が発生して、内容物直視用ラインの外観特性
や透視性が損なわれる傾向がある。
【0017】
【発明の好適態様】本発明によるプラスチック容器の一
例を示す図1(側面図)において、この容器1は、胴部
2、胴部2の下端に連なりしかもパリソンのピンチオフ
により形成された底部3、胴部2の上端に肩部4を介し
て連なる口頚部5から成っており、この口頚部5には蓋
体(図示せず)と密封係合される口部6及び口部6の下
方のネジ、ビード、フランジ或いは段肩等から成る蓋取
付部7が設けられている。
【0018】この容器は、周状の壁面の大部分が不透明
器壁8で形成されており、その一部に透明な内容物直視
用ライン9が周方向に短い幅で容器軸方向に延びるよう
に設けられている。内容物直視用ライン9と不透明器壁
8との間には、境界線10があるが、この境界線10は
ほぼストレートであり、その幅も厚みもほぼ一定であ
る。
【0019】不透明器壁8を構成する樹脂としては、ポ
リプロピレン系樹脂と充填剤或いは着色剤との組成物が
使用され、ここでポリプロピレン系樹脂としては、ホモ
ポリプロピレンや、プロピレンと他のα−オレフィン、
例えばエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1等との共重合体、特にエチレンとの共重合体が挙げ
られる。用いるポリプロピレン系樹脂は、この種の容器
の製造に普通使用されているグレードのポリプロピレン
系樹脂であってよく、その溶融張力(210℃)は、一
般に6乃至9gの範囲にあるのが一般的である。また、
重合体全体当りのプロピレン単位の含有量は85モル%
以上、特に90モル%以上、そのメルトフローレート
(MFR)は、一般に0.8乃至1.5g/分の範囲に
あるものが適当である。
【0020】上記樹脂に配合する充填剤としては、シリ
カ、アルミナ、アタパルガイド、カオリン、カーボンブ
ラック、グラファイト、微粉ケイ酸、ケイ酸カルシウ
ム、ケイソウ土、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、スレート粉、セリサイト、フ
リント、炭酸カルシウム、タルク、長石粉、二硫化モリ
ブデン、バライト、ひる石、ホワイティング、マイカ、
ろう石クレイ、石こう、炭化ケイ素、ジルコン、ガラス
ビーズ、シラスバルーン、アスベスト、ガラス繊維、カ
ーボン繊維、ロックウール、スラグウール、ボロンウイ
スカ、ステンレススチール繊維、チタン白、亜鉛華、ベ
ンガラ、鉄黒、黄色酸化鉄、チタンエロー、酸化クロム
グリーン、群青、紺青等が挙げられる。
【0021】また、着色剤としては、次に示すようなも
のが単独或いは2種以上の組み合わせで使用される。 黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラッ
ク、アニリンブラック。 黄色顔料 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
ブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエロ
ーG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、
ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パ
ーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ。 橙色顔料 赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。 赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウ
ム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B。 紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレ
ットレーキ。 青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーB
C。 緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。 白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
【0022】上記着色剤や充填剤は、ポリプロピレン系
樹脂100重量部当たり0.1乃至0.5重量部、特に
0.2乃至0.3重量部の量で用いるのがよい。
【0023】このポリプロピレン系樹脂には、勿論それ
自体公知の任意の配合剤、例えば滑剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、塩素捕捉剤、安定剤等をそれ自体公知の処
方に従って配合することができる。
【0024】内容物直視用ライン9を構成するポリプロ
ピレン系樹脂は、透明なものであり、溶融張力(210
℃)が不透明器壁を構成するポリプロピレン系樹脂のそ
れよりも2乃至5g大きいものが使用される。このポリ
プロピレン系樹脂の溶融張力(210℃)は、8乃至1
3gの範囲にあるのが望ましく、このような樹脂は、プ
ロピレン・エチレン・ブロック共重合体として入手しう
る。
【0025】プロピレン・エチレン・ブロック共重合体
は、一般に、ホモプロピレン重合ブロックと、これに結
合したエチレン含有重合ブロックとからなる。エチレン
含有重合ブロックはエチレン単独のホモポリエチレンブ
ロックからなっていても、エチレンを主体とするエチレ
ンとプロピレンとのランダム共重合ブロックからなって
いても良い。プロピレン・エチレン・ブロック共重合体
中におけるエチレン含有量は、一般に15乃至25重量
部、特に20乃至24重量部の範囲にあることが望まし
い。また、この共重合体におけるMFRは、0.9乃至
1.2g/分の範囲内にあることが好ましい。
【0026】容器における内容物直視用ライン9は、一
カ所に設けても或いは2カ所以上に設けてもよく、その
位置は、容器のサイドでも正面でも或いは背面でもよ
い。また、内容物直視用ラインの幅は、内容物を直視で
きる限り、特に限定されないが、一般に3乃至7mm程
度の幅があれば十分である。内容物直視用ラインの厚
み、従って容器壁の厚みは、容器の大きさや要求される
強度等によっても相違するが、一般に0.5乃至0.8
mm程度の範囲にあることが望ましい。
【0027】本発明の容器は、単層の容器であっても2
層以上の多層容器であってもよい。多層容器の断面構造
の一例を拡大して示す図2において、この容器はポリプ
ロピレン系樹脂外層11とポリプロピレン系樹脂内層1
2と両者の間に介在するガスバリヤー性樹脂の中間層1
3とから成る。中間層13と内外層11、12との間に
は一般に接着層14が介在している。
【0028】この多層容器において、外層11は、前に
述べたのと同様なポリプロピレン系樹脂組成物から成る
不透明器壁8と透明なポリプロピレン系樹脂から成る内
容物直視用ライン9とから成っている。内層12は顔料
や充填剤の配合されていないポリプロピレン系樹脂から
成っており、内容物直視用ライン9の部分では、透明な
外層、中間層及び内層を通して内容物を透視できるよう
になっている。
【0029】この具体例において、ガスバリヤー性樹脂
としては、一般に酸素透過係数(PO2 )が5.5×1
-12cc・cm/cm2sec・cmHg以下、特に
4.5×10-12cc・cm/cm2sec・cmHg以
下で、しかも上述した透明性を有するものが好適に使用
され、特にエチレン含有量が20乃至50モル%で且つ
未ケン化ビニルエステル残基の含有量が5モル%以下の
エチレン−ビニルアルコール共重合体や、炭素数100
個当りのアミド基の数が3乃至30個、特に4乃至25
個の範囲で含有されるホモポリアミド、コポリアミドま
たはそのブレンド物が好適に使用される。特にポリアミ
ドとしては、脂肪族酸と芳香族ジアミン類との重縮合
物、例えばメタキシリレンジアミンとアジピン酸の重縮
合物等があげられる。勿論、上述したエチレン−ビニル
アルコール共重合体とポリアミドとはブレンド物の形で
使用することもできるし、このものの本質を損なわない
範囲内、例えば20重量%以下の範囲内で、他の熱可塑
性樹脂、例えばポリオレフィンやポリオレフィンとの間
の接着性を付与する樹脂等をブレンドとして用いること
もできる。
【0030】ガスバリヤー性樹脂と、内外層との間に接
着性がない場合には、両樹脂層の間に、酸変性オレフィ
ン樹脂、例えば無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸、無水イタコン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸
乃至はその無水物でグラフト変性されたポリエチレン、
ポリプロピレン等の接着剤層を介在させることが好まし
い。この接着剤層を介在させる代わりに、上述した樹脂
をガスバリヤー層や内外表面層の少なくとも一方に含有
させることができる。
【0031】本発明のビジブルライン付き容器は、不透
明器壁形成用のポリプロピレン系樹脂組成物を主押出機
で溶融混練し、内容物直視用ライン形成用のポリプロピ
レン系樹脂を副押出機で溶融混練し、不透明器壁形成用
のポリプロピレン系樹脂組成物と、内容物直視用ライン
形成用のポリプロピレン系樹脂とを、ダイ内でサイド・
バイ・サイドの関係に合流させて、パリソンの形に共押
出し、これを割金型内に供給し、その内部に流体を吹き
込んで膨張させることにより製造される。
【0032】この共押出ダイの一例を示す図3(一部断
面側面図)、図4のa(ダイマンドレルの側面図)及び
図4のb(ダイマンドレルの断面図)において、このダ
イは、同軸に設けられたダイマンドレル20とダイシェ
ル21とからなり、その間に樹脂流路22が形成されて
いる。樹脂流路22の上部には、主材料押出通路23を
介して主材料押出機24に接続されている。樹脂流路2
2の中間には、副材料押出通路25を介して副材料押出
機(図示せず)に接続されている。
【0033】ダイマンドレル20の副材料押出通路の出
口部分及びこれに軸対称な部分には、外形が流線型の遮
蔽板26及び27が形成されている。遮蔽板26の中央
には、副材料の出口28が形成されており、この出口2
8からダイオリフィス29に向けて(下向きに)副材料
流路30が遮蔽板26内に設けられている。
【0034】ダイマンドレル20の中心には中空通路3
1が形成されており、この中空通路31には、可動軸部
材32が昇降動可能に設けられ、可動軸部材の先端には
コア33が取り付けられている。ダイシェル21の下方
にはコア33の周囲を囲むようにダイチップ34が設け
られ、コア33とダイチップ34との間にパリソン形成
用のオリフィス29が形成されている。かくして、コア
33を移動させることにより、オリフィスの間隙を調節
できるようになっている。
【0035】不透明器壁形成用のポリプロピレン系樹脂
組成物を主押出機24で溶融混練し、主押出通路23を
通して樹脂流路22に流入させる。樹脂流路22に設け
られた遮蔽板26、27により、不透明器壁形成用のポ
リプロピレン系樹脂は2個の流れに分割される。一方、
内容物直視用ライン形成用のポリプロピレン系樹脂を副
押出機で溶融混練し、副材料押出通路25を通して副材
料流路30に流入させる。樹脂流路22の遮蔽板26の
下方において、内容物直視用ライン形成用のポリプロピ
レン系樹脂は、不透明器壁形成用のポリプロピレン系樹
脂の2個の流れと合流して、周方向にサイド・バイ・サ
イドの関係の樹脂流が形成される。樹脂流路22の遮蔽
板27の下方では、不透明器壁形成用のポリプロピレン
系樹脂の2個の流れ同士が合流して、周方向に連続した
樹脂流となるが、遮蔽板27は不透明器壁形成用樹脂の
バランスを保ち、内容物直視用ラインの流れを寸法的に
一定にし、且つそのラインをストレートにするのに役立
つ。
【0036】図2に示すような多層容器の場合には、多
層多重ダイの外層樹脂流路に上記と同様なダイ構造を適
用すればよい。
【0037】ポリプロピレン系樹脂の溶融混練は、それ
自体公知の条件で行うことができ、一般に190乃至2
00℃の温度で行うのがよい。また、ダイヘッドの温度
は、190乃至200℃の温度に維持することが好まし
い。
【0038】
【実施例】本発明を次の例で説明する。 実施例1 容器本体用ポリプロピレン系樹脂としてエチレン20モ
ル%のエチレン−プロピレン・ブロック共重合体(MF
R=1.3、密度=0.9g/cc、溶融張力=8g)
を用い、直視ライン用ポリプロピレン系樹脂としてエチ
レン15モル%のエチレン−プロピレン・ブロック共重
合体(MFR=1.2、密度=0.9g/cc、溶融張
力=11g)に核剤のソルビトール3500ppmを配
合したものを用いて、通常の成形条件でブロー成形を行
った。成形された容器は、直視用ラインの振れが±1m
m以内で、ラインの幅の変動も±2%以内であり、振れ
も幅の寸法も安定していた。
【0039】実施例2 容器本体用ポリプロピレン系樹脂としてエチレン20モ
ル%のエチレン−プロピレン・ブロック共重合体(MF
R=1.5、密度=0.9g/cc、溶融張力=7g)
を用い、直視ライン用ポリプロピレン系樹脂としてエチ
レン15モル%のエチレン−プロピレン・ブロック共重
合体(MFR=1.2、密度=0.9g/cc、溶融張
力=11g)を用いて、通常の成形条件でブロー成形を
行った。成形された容器は、直視用ラインの振れが±1
mm以内で、ラインの幅の変動も±3%以内であり、ラ
インの振れも幅の寸法も安定していた。
【0040】比較例1 容器本体用ポリプロピレン系樹脂としてエチレン20モ
ル%のエチレン−プロピレン・ブロック共重合体(MF
R=1.2、密度=0.9g/cc、溶融張力=8g)
を用い、直視ライン用ポリプロピレン系樹脂も容器本体
用樹脂と溶融張力が同じであるエチレン20モル%のエ
チレン−プロピレン・ブロック共重合体(MFR=1.
2、密度=0.9g/cc、溶融張力=8g)を用い
て、通常の条件でブロー成形を行った。成形された容器
は、直視用ラインの振れが±3mmにも達し、ラインの
幅の変動も±30%に達しており、ラインの振れも幅の
寸法も不安定であった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ビジブルライン付き容
器において、直視用ラインを構成するポリプロピレン系
樹脂として、不透明器壁(本体)を構成するポリプロピ
レン系樹脂の溶融張力(210℃)よりも2乃至5g大
きい溶融張力を有するポリプロピレン系樹脂を用いたこ
とにより、ブロー成形された容器中の内容物直視用ライ
ンを安定化させ、その幅を一定にすると共にそのライン
を実質上ストレートなものとして、ナチュラルな内容物
直視用ラインを形成することができ、更に内容物直視用
ラインの部分の薄肉化を防止して、割れの発生を有効に
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビジブルライン付き容器の一例を示す
側面図である。
【図2】多層のビジブルライン付き容器の断面構造の例
を示す断面図である。
【図3】容器の製造に用いるダイの構造を示す一部断面
側面図である。
【図4】ダイのマンドレルを示す側面図(a)及び断面
図(b)である。
【符号の説明】
1 容器 2 胴部 3 底部 4 肩部 5 口頚部 6 口部 7 蓋取付部 8 不透明器壁 9 内容物直視用ライン 10 境界線 11 外層 12 内層 13 中間層 14 接着層 20 ダイマンドレル 21 ダイシェル 22 樹脂流路 23 主材料押出通路 24 主材料押出機 25 副材料押出通路 26 遮蔽板(副材料の出口有り) 27 遮蔽板 28 副材料の出口 29 ダイオリフィス 30 副材料流路 31 中空通路 32 可動軸部材 33 コア 34 ダイチップ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂のブロー成形で形
    成され、容器軸方向に延びており且つ周方向に短い幅で
    設けられた透明な内容物直視用ラインと、前記ラインを
    除いて不透明に形成された器壁とを備え、前記直視用ラ
    インを構成するポリプロピレン系樹脂は不透明器壁を構
    成するポリプロピレン系樹脂の溶融張力(210℃)よ
    りも2乃至5g大きい溶融張力を有することを特徴とす
    るポリプロピレン系ビジブルライン付き容器。
  2. 【請求項2】 直視用ラインを構成するポリプロピレン
    系樹脂が8乃至13gの溶融張力(210℃)を有する
    ポリプロピレン系樹脂である請求項1記載のビジブルラ
    イン付き容器。
  3. 【請求項3】 直視用ラインを構成するポリプロピレン
    系樹脂がプロピレン・エチレン・ブロック共重合体であ
    る請求項1または2記載のビジブルライン付き容器。
  4. 【請求項4】 直視用ラインを構成するポリプロピレン
    系樹脂が3000乃至5000ppmの核剤を含有する
    ものである請求項1,2または3記載のビジブルライン
    付き容器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106542180A (zh) * 2016-11-09 2017-03-29 卢润侨 一种饮品包装盒
JP2019099178A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 キョーラク株式会社 香り付き容器

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