JPH08267739A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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Publication number
JPH08267739A
JPH08267739A JP31756994A JP31756994A JPH08267739A JP H08267739 A JPH08267739 A JP H08267739A JP 31756994 A JP31756994 A JP 31756994A JP 31756994 A JP31756994 A JP 31756994A JP H08267739 A JPH08267739 A JP H08267739A
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JP
Japan
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pressure generating
generating chamber
ink
meniscus
piezoelectric vibrator
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JP31756994A
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Inventor
Nobuaki Okazawa
宣昭 岡沢
Tsuyoshi Kitahara
強 北原
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的大きな裕度でインク吐出のタイミング
を制御して、インク滴のインク量を減らすことなく、高
い繰り返し周波数でのドット形成を可能にすること。 【構成】 圧電振動子を一定の速度で収縮させてリザー
バのインクを圧力発生室に慣性流を生じさせることなく
吸引させるための第1工程と、圧力発生室の膨張状態を
維持する第2工程と、圧電振動子を一定の速度で伸長さ
せて圧力発生室を収縮させてインク滴を吐出させる第3
工程とを制御する印刷制御手段を備え、第2工程の継続
時間をT2としたとき、 0<T1+T2<2×Tm/3 (ただし、Tmは、前記記録ヘッドにおけるメニスカス
の固有振動周期を表す)となるように制御する。これに
より、メニスカスがノズル開口内に位置する状態でイン
ク滴を発生することになり、十分な量のインクが一定の
速度で吐出し、またインク滴吐出後におけるメニスカス
の振動振幅が小さく、高い繰り返し周波数でのインク吐
出が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノズル開口からインク
滴を噴射して記録用紙に印刷するインクジェット式記録
装置の関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、ノズル開
口が穿設されたノズルプレートと、圧力発生室、インク
供給口、及びリザーバを区画するスペーサと、圧電振動
子により変形される振動板とを一体に固定して構成され
たインクジェット式記録ヘッドを、記録用紙の幅方向に
往復動させながら印刷を行うように構成されている。
【0003】このように圧電振動子を用いた記録ヘッド
は、圧電振動子を収縮させて圧力発生室を膨張させてリ
ザーバからインク供給口を経由して圧力発生室にインク
を補給し、所定時間後に圧電振動子を伸長させて圧力発
生室を収縮させ、インク滴をノズル開口から吐出させる
という動作を一定の周期で繰返して印刷を実行する。
【0004】このため、圧力発生室の膨張過程ではイン
ク供給口から圧力発生室へのインクの吸引に随伴して、
ノズル開口近傍に静止していたメニスカスが圧力発生室
側に引き込まれることになる。そして、メニスカスは、
ノズル開口の形状やインクの粘性、表面張力等の流体的
特性により決まる自己振動周波数によりノズル開口側に
戻り始める。そして通常の印刷工程においては、圧力発
生室の膨張が停止した段階で、次のドットを印刷するた
めに圧力発生室を収縮させてインク滴をノズル開口から
吐出させることになる。しかしながら、上述したように
メニスカス自体は、自己共振周波数に基づいて振動して
いるため、どの時点で圧力発生室を収縮させるかにより
インク滴のサイズや速度が大きく変化する。
【0005】このような不安定要因を避けるため、圧力
発生室を膨張させた後、一定時間の間、膨張状態を維持
してメニスカスの位置を安定させ、安定した時点で圧力
発生室を収縮させる方法や、また、メニスカスが最も引
き込まれた時点でインク滴を発射する方法(米国特許第
4646106号明細書)等、インク滴形成時点におけるメニ
スカスを一定の位置に保持するための手法がいろいろ提
案されている。
【0006】前者の方法によれば、繰り返し周波数のか
なり高い領域までインク滴の大きさを一定に保つことが
できる。しかしながら、よりいっそうの高速印刷を実現
しようとすると、例えば繰り返し周波数6kHz程度迄
はインク滴の重量をほぼ一定に維持できるもの、これよ
りも高い繰り返し周波数で印刷を行うと、急激にインク
滴の重量が減少するという問題ある。
【0007】また、後者の方法によれば、圧電振動子の
収縮停止に伴って発生する圧電振動子や振動板の過渡的
な残留振動の最中にインク滴を発射するため、極めて微
妙なタイミングの制御が必要になるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、比較的簡単なタイミング制御で、インク滴の重量
を一定に保ちつつ、高速印字が可能なインクジェット式
記録装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、インク滴を吐出するノズル
開口と、該ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力
発生室にリザーバからインクを供給するインク供給口
と、前記圧力発生室を膨張、収縮させる縦振動モードの
圧電振動子とを備えたインクジェット式記録ヘッドと、
前記圧電振動子を一定の速度で収縮させて前記リザーバ
のインクを前記圧力発生室に慣性流を生じさせることな
く吸引させるための第1工程と、前記圧力発生室の膨張
状態を維持する第2工程と、前記圧電振動子を一定の速
度で伸長させて圧力発生室を収縮させてインク滴を吐出
させる第3工程とを制御する印刷制御手段を備え、前記
第1工程の継続時間をT1、また第2工程の継続時間を
T2としたとき、 0<T1+T2<2×Tm/3 (ただし、Tmは、前記記録ヘッドにおけるメニスカス
の固有振動周期を表す)となるように制御するようにし
た。
【0010】
【作用】ノズル開口のメニスカスは、圧力発生室のゆっ
くりとした膨張により周囲をノズル開口に引き止められ
ながら、その最深部が圧力発生室側に引き込まれ、これ
の反動として固有振動周期Tmで振動を開始する。圧力
発生室の膨張開始から時間2×Tm/3が経過すると、
メニスカスの最深部は、ノズルプレートの表面に到達す
るので、これよりも以前に圧力発生室を収縮させること
により、メニスカス全体がノズル開口内に位置する状態
でインク滴の吐出が吐出される。これにより十分な量の
インク滴を一定の速度で飛翔させ、またインク吐出後の
メニスカスの残留振動の振幅が小さくなり、高い繰り返
し周波数でインク吐出が可能となる。
【0011】
【実施例】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。図1は本発明に使用するインクジ
ェット式記録ヘッドの一実施例を示すものであって、図
中符号1はノズルプレートで、所定のピッチでノズル開
口2.2、2‥‥が列状に複数列形成されている。
【0012】3は、振動板9とノズルプレート1の間に
挟まれて配置されるスペーサで、図2に示したようにノ
ズル開口2に対応するように圧力発生室4、リザーバ
6、これらを接続するインク供給口5を形成するための
通孔を穿設して構成されている。
【0013】7は振動板で、スペーサ3を介してノズル
プレート1と対向して圧力発生室4を形成するもので、
後述する圧電振動子ユニット12の圧電振動子8の先端
に当接してこれの変位を可及的に広い面積に伝達するよ
うに剛性を備えたアイランド部9とコンプライアンスを
与えるための薄肉部10、10を形成して構成されてい
る。このような構成により圧電振動子8の伸縮に応動し
て、圧力発生室4を効率良く収縮、膨張させることがで
きる。
【0014】圧電振動子8は、ノズル開口2、2、2‥
‥の配列に合わせて複数個を纏めた圧電振動子ユニット
12‥‥として構成され、基台13に穿設された圧電振
動子収容孔14に収容され、これの上面に振動板7、ス
ペーサ3、及びノズルプレート1を順番に積層し、振動
板7のアイランド部9に圧電振動子8の先端が当接した
状態で、静電シールドを兼ねる枠体15により基台13
に一体に固定されてインクジェット式記録ヘッドに纏め
られている。
【0015】そしてこの実施例においては、インク供給
口5のイナータンスがノズル開口2のイナータンスとほ
ぼ同等の値となるように設定されていて、圧電振動子8
を充電して圧力発生室4を膨張させると、インク供給口
5を経由してリザーバ6から圧力発生室4にインクが流
れ込む際、インクが自身の慣性に起因した慣性流を圧力
発生室4で生じないように構成されている。
【0016】すなわち、圧電振動子8に一定の勾配で上
昇する電圧、いわゆるランプ電圧を印加して膨張させる
と、図3(イ)に示したように圧電振動子8が電圧の勾
配で決まる一定の速度で収縮し、かつノズル開口近傍の
メニスカス圧力よりも絶対値の小さな負圧が圧力発生室
4に発生する。これによりインク供給口5から圧力発生
室4にインクが流れ込み、同時にメニスカスがその周囲
をノズル開口2に引きと止められながら、その最深部だ
けがその当初に位置した箇所(図中符号A)から最小接
触角θ、つまりメニスカス全体の移動が始まる臨界角θ
となるもっとも深い位置(図中符号B)にまで引き込ま
れて、図3(ロ)に示すように最初の位置(A)を中心
とするようにメニスカス自身の固有振動周期Tmで周期
運動を開始する。
【0017】図4は、前述の記録ヘッドを駆動する駆動
回路の一実施例を示すものであって、図中符号20は、
印刷制御装置で、外部からの印刷データに基づいて入力
端子IN1に圧電振動子14を収縮させる印刷予備信号
を、また入力端子IN2に収縮状態にある圧電振動子8
を伸長させる印刷信号を出力するとともに、そのタイミ
ングを制御するように構成されている。
【0018】入力端子IN1にはレベルシフト用のトラ
ンジスタQ1を介して第1の定電流回路21が接続され
ている。この定電流回路21は、トランジスタQ2、Q
3と抵抗R1、R2からなり、コンデンサCを一定電流
値で充電して電圧上昇率が一定の電圧を発生させるよう
に構成されている。
【0019】22は、第2の定電流回路で、トランジス
タQ4、Q5、及び抵抗R3からなり、印刷制御手段2
0からの印刷信号によりコンデンサCの電荷を一定の電
流値で放電させるように構成されている。
【0020】コンデンサCの端子はトランジスタQ6、
Q7、及びトランジスタQ8、Q9をダーリントン接続
してなる電流増幅回路を介して出力端子OUTに接続さ
れている。出力端子OUTには外部装置からの選択信号
によりオンとなるトランジスタT、T、T‥‥を介して
全ての圧電振動子8、8、8‥‥が接続されている。
【0021】これにより、印刷予備信号が入力している
状態では、コンデンサCが一定の電流で充電されるの
で、この状態でドットを形成すべきノズルの圧電振動子
8、8、8‥‥に接続するトランジスタT、T、T‥‥
を選択信号によりオンにすると、トランジスタT、T、
T‥‥を介して選択された圧電振動子8、8、8‥‥が
充電される。また、印刷信号が入力した段階では圧電振
動子が放電され、もとの状態に収縮する。
【0022】次にこのように構成した駆動回路の動作を
図6に示した波形図を用いてさらに詳細に説明する。端
子IN1に印刷予備信号が入力すると、その立ち上がり
エッジによりトランジスタQ1がオンとなり、これによ
り第1の定電流回路20を構成しているトランジスタQ
2がオンとなり、これに接続されているコンデンサCに
抵抗R1、R2を介して電流が流れ込む。
【0023】そして抵抗R1、R2の端子電圧がトラン
ジスタQ3のベースーエミッタ間電圧となっており、か
つトランジスタQ3がオンの状態では、これのベースー
エミッタ間電圧が一定であるから、コンデンサCに流れ
込む電流は、一定値に維持されることになる。
【0024】この結果、コンデンサの端子電圧は、0ボ
ルトから一定の勾配で直線的に上昇する。すなわち、立
ち上がり勾配τc(V/sec)、抵抗R1、R2の値
r1(Ω)、コンデンサCの静電容量(F)、及びトラ
ンジスタQ3のベースーエミッタ間電圧VBE3とする
と、τc=VBE3/(r1×c1)となる。
【0025】このため、コンデンサCの静電容量、また
は抵抗R2の抵抗値r1を調整することにより充電電圧
の立ち上がり速度、つまり圧電振動子8、8、8‥‥の
収縮速度を任意の値に調整することができる。
【0026】すなわち、通常の駆動方法では圧力発生室
ヘのインク供給時に慣性流を生じるような記録ヘッドで
あっても、この勾配τcを例えば20μ秒乃至200μ
秒の範囲で選択することにより、慣性流の発生と、メニ
スカス全体の圧力発生室側への引き込みを抑えることが
可能となる。
【0027】コンデンサCの端子電圧は、トランジスタ
Q6、Q7で増幅されて出力端子OUTから各圧電振動
子8、8、8‥‥に印加され、選択信号でオンとなって
いるトランジスタT、T、T‥‥を介してドットを形成
すべき圧電振動子8、8、8‥‥だけが勾配τcで充電
されることになる。これにより立ち上がり勾配τcでも
って圧電振動子8が収縮するから、圧力発生室4が膨張
してリザーバ6のインクがインク供給口5を経由して圧
力発生室4内に慣性流を生じることなく、圧力発生室4
に流れ込む。
【0028】一方、ノズル開口2に形成されているメニ
スカスは、その周囲をノズル開口面に保持されながら、
その最深部だけが圧力発生室4の膨張初期から固有振動
周期Tmで振動を開始する。
【0029】印刷予備信号のパルス幅により規定される
時間T1が経過すると、トランジスタQ1がオフとなる
から、コンデンサCの充電が停止する。この結果、圧電
振動子14は、電圧V1=τc×Tcに保持され、収縮状
態を維持する。
【0030】圧力発生室4の膨張が停止すると、メニス
カスは依然として固有振動周期Tmに基づいて振動を継
続する。
【0031】このようにして充電が開始されてメニスカ
スに振動が誘起されると、メニスカスは、圧力発生室4
の膨張速度に関りなくその固有振動周期Tmにより振動
し、充電開始当初からメニスカスの固有振動周期Tmの
1/4の時間が経過した時点で、その移動方向をノズル
開口側に反転させてノズル開口側に移動する。そして、
固有振動が開始されて固有振動周期Tmの1/2が経過
すると、元の位置(A)に到達し、さらにノズル表面と
初期の位置(A)との距離を移動した時点、つまり充電
開始から固有振動周期Tmの2/3の時間が経過した時
点で、メニスカスはノズルプレート1の表面まで到達す
る。
【0032】本発明においてはメニスカスが振動を開始
した時点から、メニスカスがノズルプレートの表面に到
達するまでの時点、つまり圧電振動子8の充電開始から
固有振動周期Tmの2/3が経過する間に、印刷制御手
段20から印刷信号入力端子IN2に印刷信号を出力す
るように構成されている。
【0033】印刷信号の入力により第2の定電流回路2
2を構成してるトランジスタQ4がオンとなり、コンデ
ンサCの電荷が抵抗R3を介して放電する。この抵抗R
3の端子電圧は、トランジスタQ5のベースーエミッタ
間電圧VBE5となっているので、前述の第1の定電流回
路21と同様に作用して抵抗R3を流れる電流を一定値
に維持する。
【0034】これによりコンデンサCの端子電圧は、立
ち下がり勾配τdで直線的に降下する。すなわち、抵抗
R3の抵抗値をr3、トランジスタQ5のベースーエミ
ッタ間電圧をVBE5とすると、 τd=VBE5/(r3×c1) となる。
【0035】この立ち下がり電圧は、トランジスタQ
8、Q9を介して出力端子OUTに出力され、各圧電振動
子8、8、8‥‥に印加されるが、ドットを形成すべき
圧電振動子8にだけが充電されているので、これらの圧
電振動子8、8、8‥‥だけがダイオードD、D、D‥
‥を介して立ち下がり勾配τdにより放電する。この放
電によりその放電電流の勾配で定まる伸長速度で圧電振
動子8が伸長し、圧力発生室4が収縮してノズル開口2
からインク滴Dが吐出する。
【0036】これによりノズル開口2よりも圧力発生室
4側にメニスカスが位置している状態で、インク吐出が
可能となる。もとよりインク滴を構成するインクの量
は、ノズル開口2のインク量と極めて大きな相関関係を
有するから、ノズル開口2に十分なインクが充填されて
いる状態でインク滴を吐出させると、インク量の多いイ
ンク滴を吐出させることができる。そして、メニスカス
がノズル開口側に移動している途中でインク吐出が行な
われるため、メニスカスの運動に無理がなく、インク吐
出後におけるメニスカスの残留振動の振幅も小さくな
る。
【0037】図7、図8は、圧電振動子8を充電して圧
力発生室4を膨張させたとき生じるメニスカスの位置を
変えてインク吐出を行ったときの、インク吐出後のメニ
スカスの振動の関係を示すものであって、図7に見られ
る如く圧力発生室4の膨張により圧力発生室側に引き込
まれて固有振動を起こしたメニスカスがノズル開口2に
到達する以前に印刷信号(図中符号DC)を出力してイ
ンク吐出を行わせると(図7(イ)乃至(ハ))、いず
れの場合にもインク吐出後におけるメニスカスの振動振
幅が小さく、速やかに平定している。
【0038】これに対して図8に示したように圧力発生
室4の膨張により固有振動を起こしたメニスカスがノズ
ルプレート1の表面よりも突出した状態、つまり圧力発
生室4の膨張開始からメニスカスの固有振動周期2Tm
/3よりも長い時間が経過した時点で印刷信号(図中符
号DC)を印加すると、その印加のタイミングに関りな
く(図8(イ)乃至(ハ))、インク吐出後のメニスカ
スの残留振動の振幅が大きくる。
【0039】このようなインク吐出後に生じる大きな振
幅の残留振動は、平定する迄に時間を要する。そしてメ
ニスカスの振動が残っている状態で次のインク滴を吐出
させると、インク滴の形成時にメニスカスの位置がばら
つくため、インク滴のサイズや、また速度にばらつきが
生じ、印字品質の低下を招く。
【0040】したがって、圧力発生室の膨張により誘起
されたメニスカスの振動がノズル開口2から吐出する以
前、つまり圧力発生室の膨張開始からメニスカスの固有
振動周期Tmの2/3の時間内に圧力発生室4を収縮さ
せて、インク滴を形成することが、高い繰り返し周波数
で印刷するための必須の条件となる。
【0041】そして、ホールド時間T2は、慣性流を生
じさせず、かつ最短の時間で圧力発生室4を膨張させた
とき、圧力発生室4の膨張終了時点でのメニスカスの位
置と、インク滴を吐出するのに最適な位置にメニスカス
が復帰するまでの時間とのずれに合わせて設定されるも
のではあるが、圧力発生室4膨張が停止すると、メニス
カスの位置が急激にノズル開口2側に変移するので、圧
力発生室4を膨張させるのに要した時間T1の1/10
以下と短く設定するのが望ましく、この実施例では2μ
秒乃至20μ秒の範囲で選択されている。
【0042】また、圧電振動子8を一定の速度で収縮さ
せて圧力発生室4に吸引させるための工程に要する時間
T1と、圧力発生室4を膨張状態に維持している第2工
程の継続時間T2との合計の時間T1+T2と、メニス
カスの固有振動周期Tmとの関係を、メニスカスの最深
部の移動速度が低下してノズル開口側に向かい始める時
点、つまりTm/3以後で、かつノズル開口内に位置す
る状態、すなわち Tm/3<T1+T2<2×Tm/3 にとなるように設定するのが望ましい。
【0043】これによれば、メニスカスがノズル開口内
に存在し、かつノズル開口側に移動している状態でイン
ク滴を吐出することができるため、インク滴のインク量
を減少させることなく、しかもインク滴吐出後における
残留振動振幅を小さくすることができる。
【0044】
【発明の効果】以上、説明したように本発明において
は、インク滴を吐出するノズル開口と、ノズル開口に連
通する圧力発生室と、圧力発生室にリザーバからインク
を供給するインク供給口と、圧力発生室を膨張、収縮さ
せる縦振動モードの圧電振動子とを備えたインクジェッ
ト式記録ヘッドと、圧電振動子を一定の速度で収縮させ
てリザーバのインクを圧力発生室に慣性流を生じさせる
ことなく吸引させるための第1工程と、圧力発生室の膨
張状態を維持する第2工程と、圧電振動子を一定の速度
で伸長させて圧力発生室を収縮させてインク滴を吐出さ
せる第3工程とを制御する印刷制御手段を備え、第1工
程の継続時間をT1、また第2工程の継続時間をT2と
したとき、0<T1+T2<2×Tm/3となるように
したので、インク吐出のタイミングを比較的広く取れる
にもかかわらず、十分な量のインクが一定の速度で吐出
し、またインク滴吐出後におけるメニスカスの振動振幅
が小さく、高い繰り返し周波数でのインク吐出が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するインクジェット式記録ヘッド
の一実施例を示す組立斜視図である。
【図2】同上インクジェット式記録ヘッドの圧力発生室
近傍を拡大して示す断面図である。
【図3】図(イ)、(ロ)は、それぞれ同上インクジェ
ット式記録ヘッドの圧力発生室を膨張させた時のメニス
カスの静的な挙動と、動的な挙動を示す図である。
【図4】同上装置を駆動するのに適した駆動回路の一実
施例を示すブロック図である。
【図5】本発明における記録ヘッドのメニスカスの挙動
を模式的に示す図である。
【図6】同上装置の動作を示す説明図である。
【図7】メニスカスの位置と放電開始の時点とによるイ
ンク吐出後のメニスカスの振動形態を示す図である。
【図8】メニスカスの位置と放電開始の時点とによるイ
ンク吐出後のメニスカスの振動形態を示す図である。
【符号の説明】
1 ノズルプレート 2 ノズル開口 3 スペーサ 4 圧力発生室 5 インク供給口 6 リザーバ 7 振動板 8 圧電振動子 21、22 定電流回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズル開口と、該ノ
    ズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室にリザ
    ーバからインクを供給するインク供給口と、前記圧力発
    生室を膨張、収縮させる縦振動モードの圧電振動子とを
    備えたインクジェット式記録ヘッドと、 前記圧電振動子を一定の速度で収縮させて前記リザーバ
    のインクを前記圧力発生室に慣性流を生じさせることな
    く吸引させるための第1工程と、前記圧力発生室の膨張
    状態を維持する第2工程と、前記圧電振動子を一定の速
    度で伸長させて圧力発生室を収縮させてインク滴を吐出
    させる第3工程とを制御する印刷制御手段を備え、 前記第1工程の継続時間をT1、また第2工程の継続時
    間をT2としたとき、 0<T1+T2<2×Tm/3 (ただし、Tmは、前記記録ヘッドにおけるメニスカス
    の固有振動周期を表す)となるように制御することを特
    徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 インク滴を吐出するノズル開口と、該ノ
    ズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室にリザ
    ーバからインクを供給するインク供給口と、前記圧力発
    生室を膨張、収縮させる縦振動モードの圧電振動子とを
    備えたインクジェット式記録ヘッドと、 前記圧電振動子を一定の速度で収縮させて前記リザーバ
    のインクを前記圧力発生室に慣性流を生じさせることな
    く吸引させるための第1工程と、前記圧力発生室の膨張
    状態を維持する第2工程と、前記圧電振動子を一定の速
    度で伸長させて圧力発生室を収縮させてインク滴を吐出
    させる第3工程とを制御する印刷制御手段を備え、 前記第1工程の継続時間をT1、また第2工程の継続時
    間をT2としたとき、 Tm/3<T1+T2<2×Tm/3 (ただし、Tmは、前記記録ヘッドにおけるメニスカス
    の固有振動周期を表す)となるように制御することを特
    徴とするインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】前記時間T2がT1/10より小さく設定
    されている請求項1、2に記載のインクジェット式記録
    装置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドのインク供給口と、及び
    ノズル開口とのイナータンスがほぼ同一の値に選択され
    ている請求項1のインクジェット式記録装置。
JP31756994A 1994-11-28 1994-11-28 インクジェット式記録装置 Pending JPH08267739A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6095630A (en) * 1997-07-02 2000-08-01 Sony Corporation Ink-jet printer and drive method of recording head for ink-jet printer
US6241345B1 (en) 1997-12-26 2001-06-05 Nec Corporation Ink jet recording head controlling diameter of an ink droplet

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