JP3356202B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3356202B2
JP3356202B2 JP17962296A JP17962296A JP3356202B2 JP 3356202 B2 JP3356202 B2 JP 3356202B2 JP 17962296 A JP17962296 A JP 17962296A JP 17962296 A JP17962296 A JP 17962296A JP 3356202 B2 JP3356202 B2 JP 3356202B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子を駆動
源に使用したインクジェット記録ヘッドの駆動技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】オンデマンド型インクジェット記録ヘッ
ドは圧電振動子や発熱素子によりインク圧力を発生させ
る複数の圧力発生室と、各圧力発生室にインクを供給す
る共通インク室と各圧力発生室に連通するノズルを備え
た流路を備えており、印字信号に対応するノズルの圧力
発生室に駆動信号を印加してインク滴をノズルから記録
媒体に飛翔させるように構成されている。
【0003】このようなインクジェット記録ヘッドには
圧力発生手段として、圧力発生室内にジュール熱を発生
する抵抗線を設け、気泡の発生圧力を利用してインク滴
を吐出させるいわゆるバブルジェット式がある。
【0004】一方、圧電材料と導電層を交互に積層して
構成した、その軸方向の伸長、つまり縦振動モードを利
用した圧電振動子により、一部が弾性板により構成され
た圧力発生室を膨張、収縮させて、インクの吸引、イン
ク滴の吐出を行う圧電振動式も知られている。
【0005】前者の方式は、高密度化が容易で安価な装
置が出来る反面、発熱を利用する関係上、インクやヘッ
ドそのものの劣化を招きやすいという欠点がある。
【0006】しかし後者の方式では、発熱を伴わないの
で、インクの劣化を招かず、インクの利用範囲が広く、
しかも、ヘッド寿命が半永久的でランニングコストが低
いという特徴がある。また、縦振動モードを有する圧電
振動子は、高速駆動が可能であり、圧力発生室と当接さ
せることで圧力発生室の膨張、収縮を高速で繰り返し行
うことが可能であるという特徴を備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなオンデマン
ト型インクジェットヘッドには以下のような課題があ
る。
【0008】圧力発生室に圧力を発生させインク滴が吐
出した後には圧力発生室に圧力変動が残留するため、ノ
ズル内のメニスカスは、圧力発生室に固有の共振周期
(ヘルムホルツ共振周期)の振動を伴いながらノズル先
端に回復していく。
【0009】この残留振動の周期は微少で、メニスカス
がノズル先端に到達する時間(以降、メニスカスの回復
時間と呼ぶ)よりも短い。
【0010】高周波駆動を行う場合、この微少な残留振
動が十分おさまらないうちに、次のインク滴の吐出を開
始しようとすると、メニスカスが安定していないため、
吐出したインク滴が不安定となる可能性がある。結果、
飛翔方向が変化したり、インクミストが発生したりし、
印字品質の低下を招きやすく、結果インクジェット記録
ヘッドの応答周波数向上の妨げにつながるという課題が
ある。
【0011】また、このメニスカスの振動挙動は、流路
の寸法バラツキ、材料やインク物性によって変化しやす
く、さらに環境温度によってさらに変化をするため、固
定した駆動方法では効果的にメニスカスの残留振動を制
振できない。
【0012】このため、流路の寸法管理を厳しくした
り、流路構成材料やインクの選択の幅が狭くなり、製造
コストが高くなったり、設計の自由度が低下してしまう
という課題もあった。
【0013】一方、インク滴の吐出時にも以下の課題が
ある。
【0014】圧力発生室を膨張させた際、ノズル内のメ
ニスカスは圧力発生室側に引き込まれるが、圧力発生室
内に徐々にインクが供給されることで、メニスカスは徐
々にノズル先端側に回復していく。
【0015】ここで、メニスカスがノズル先端に到達し
た後、インクを吐出させれば、吐出タイミングに関わら
ず、常にインク滴の吐出速度は一定となる。しかし、高
周波数駆動を行う際は、圧力室の膨張、収縮を短いリー
ドタイムで行う必要があるため、メニスカスの回復時間
によっては、引き込まれたメニスカスが十分ノズル先端
まで到達しないうちに、インクを吐出させなければなら
ない。
【0016】また、インク滴の吐出速度を確保し、吐出
が安定するようにするには、メニスカスがある程度引き
込まれた状態で勢いよく吐出させる方がよい。
【0017】以上のような背景から上記のような吐出方
法が圧電振動式では一般的となっている。
【0018】しかしながら、この引き込まれたメニスカ
スの引き込み量、およびノズル先端までの回復時間は、
インク滴吐出後のメニスカスの振動と同様に、流路の寸
法バラツキ、材料やインク物性の差、さらに環境温度に
よって変化するため、従来のように固定したタイミング
で吐出させる方法では、吐出時のメニスカスの引き込み
位置がばらつき、結果インク滴の吐出速度、および吐出
インク量のバラツキを生みだすという課題がある。
【0019】このため、流路の寸法管理を厳しくした
り、流路構成材料やインクの選択の幅が狭くなり、製造
コストが高くなったり、設計の自由度が低下してしまう
という課題もあった。
【0020】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、高周波数駆動
でもインク滴の安定吐出を確保するとともに、インク流
路の寸法バラツキ、材料やインクの物性の変化、環境温
度の変化に対しても安定吐出を確保でき、さらにインク
の吐出速度を一定に保持させてインク滴の着点位置を一
定に維持し、安定した画像を確保できる新規なインクジ
ェット記録装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、ノズル、およびインク供給口を介して共通
インク室に連通する周期Tcのヘルムホルツ共振周波数
を備えた圧力発生室と、この圧力発生室を拡大、収縮さ
せる圧電振動子とを有するインクジェット記録ヘッド
と、前記圧力発生室を拡大させる第1のパルスと、拡大
状態にある前記圧力発生室を収縮させて前記ノズルから
インク滴を吐出させる第2のパルスと、前記第2のパル
ス後に前記圧力発生室を再び拡大させる第3のパルスを
出力する駆動パルス発生手段と、前記第2のパルス開始
のタイミング、および前記第3のパルス開始のタイミン
グを任意に制御する駆動パルス制御手段と、を備え、前
記第1のパルスによって前記圧力発生室を拡大させた後
一定電圧に保持して拡大状態を維持する待機時間のパル
ス幅を前記駆動パルス制御手段によって調整することに
より、前記第2のパルス開始のタイミングでのノズル内
のメニスカス位置が一定となるように前記第2のパルス
開始のタイミングが制御されており、前記第2のパルス
の継続時間と前記第3のパルスの継続時間が同じに設定
され、前記第2のパルス開始から前記第3のパルス開始
までの時間が、前記圧力発生室の周期Tcとほぼ一致し
た時間となるよう設定されていることを特徴とする。
【0022】
【0023】また、前記第2のパルス開始のタイミング
を、前記ノズルおよび前記インク供給口の流路インピー
タンスに応じて任意に設定する前記駆動パルス制御手段
を有することを特徴とする。
【0024】また、前記第2のパルス開始のタイミング
を、前記ノズルまたは前記インク供給口の流路インピー
タンスが小さい場合は早く、大きい場合は遅くなるよう
設定することを特徴とする。
【0025】また、前記第2のパルス開始のタイミング
を、前記ノズルまたは前記インク供給口の断面積が大き
い場合は早く、小さい場合は遅くなるよう設定すること
を特徴とする。
【0026】また、前記第2のパルス開始のタイミング
を、前記ノズルまたは前記インク供給口の長さが長い場
合は早く、短い場合は遅くなるよう設定することを特徴
とする。
【0027】また、環境温度検出手段を有し、環境温度
に応じて前記第2のパルス開始のタイミングを前記駆動
パルス制御手段により制御することを特徴とする。
【0028】また、前記第2のパルス開始のタイミング
を、環境温度が高くなる場合は早く、低くなる場合は遅
くなるよう設定することを特徴とする。
【0029】
【0030】
【0031】また、環境温度検出手段を有し、環境温度
に応じて前記第3のパルス開始のタイミングを前記駆動
パルス制御手段により制御することを特徴とする。
【0032】また、前記第3のパルス開始のタイミング
を、環境温度が高くなる場合は早く、低くなる場合は遅
くなるよう設定することを特徴とする。
【0033】
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の詳細を図
に基づいて説明する。
【0035】図1は本発明のインクジェット記録装置に
使用するインクジェット記録ヘッドの一実施例を示す断
面図である。
【0036】図において符号1はノズル2が形成された
ノズルプレート、符号7は圧力発生室3、共通インク室
4、インク供給口5が連通するよう形成した流路構成
板、8は弾性板である。流路構成板7をノズルプレート
1と弾性板8で挟み込む形で一体に構成しインク流路ユ
ニットを構成している。
【0037】圧電振動子9は圧電材料と導電材料を交互
に積層して構成され、充電状態では導電層の積層方向と
直角な方向に収縮し、また充電状態が解かれると導電層
との積層方向と直角な方向に伸長する、いわゆる縦振動
モードの振動子で、電極が存在しない先端の不活性部を
圧力発生室3の領域で弾性板8に当接させた状態で他端
が固定基板10に固定されている。
【0038】上記の様に構成されたインクジェット記録
ヘッドは、以下のような駆動によりインク滴の吐出がお
こなわれる。
【0039】圧電振動子9に駆動電圧を印加し充電をお
こなうと、圧電振動子9が収縮することで当接する弾性
板8が変形して圧力発生室3が膨張し、インク供給口5
を介して共通インク室4から圧力発生室3にインクが流
れ込む。
【0040】次に、放電により圧電振動子9が元の状態
に伸長して弾性板8が押圧されることにより、圧力発生
室3内に圧力が発生して、ノズル2からインク滴が吐出
をする。
【0041】さらに引き続く充電によりインク滴が吐出
しない程度に圧力発生室3を再び膨張させる。
【0042】以下、駆動パルス発生手段および駆動パル
ス制御手段とその駆動方法について詳細に説明する。
【0043】図2は本発明のインクジェット記録装置の
一実施例を示すブロック図である。
【0044】図においてインクジェット記録装置は、図
1で説明したインクジェット記録ヘッド100と、個々
のノズルに対応する圧電振動子9、9、9・・・の駆動
を選択する駆動ノズル選択手段110と、駆動パルスを
発生する駆動パルス発生手段120と、駆動パルスを制
御する駆動パルス制御手段(CPU)130と、環境温
度検出手段140から構成される。
【0045】環境温度検出手段140は周囲の環境温度
を検出し、駆動パルス制御手段(CPU)130にこの
環境温度データを送出するものである。
【0046】駆動パルス制御手段(CPU)130は、
当手段内に設定されているパルス制御信号p1、p2、
p3・・のパルス幅と環境温度の関係テーブルにもとづ
き、環境温度に応じたパルス幅pw1、pw2、pw3
・・・をもつパルス制御信号p1、p2、p3・・・を
駆動パルス発生手段120に送る。また、外部からの印
字信号にもとづき印字データを駆動ノズル選択手段11
0におくる。
【0047】駆動パルス発生手段120は駆動パルス制
御手段(CPU)130から送られる複数のパルス制御
信号p1、p2、p3・・・にもとづいて所望の山と谷
からなる駆動パルスを発生させる。
【0048】発生した駆動パルスは、駆動ノズル選択手
段110を介してドットを形成すべきノズル2に属する
圧電振動子9に選択的に送られる。これによって、所望
のノズル2からインク滴が吐出される。
【0049】本実施例ではインクジェット記録ヘッド1
00上に、駆動ノズル選択手段110と環境温度検出手
段140が搭載されている。環境温度検出手段140を
インクジェット記録ヘッド100上に搭載したのは、イ
ンクジェット記録ヘッド100周辺の環境温度をより正
確に検出するためである。
【0050】図3は本発明のインクジェット記録装置に
おけるインクジェット記録ヘッドの駆動パルス形成の一
実施例を説明する図である。
【0051】本発明のインクジェット記録ヘッドの駆動
パルスは図3(a)のような山と谷からなる階段状の台
形パルスであり、充電を行う第1のパルスS1、放電を
行う第2のパルスS2、再充電を行う第3のパルスS3
から構成される。
【0052】本実施例では、駆動パルス制御手段130
内に設定されているパルス制御信号はp1、p2、p3
の3つあり、それぞれが駆動パルスの第1のパルスS
1、第2のパルスS2、第3のパルスS3に対応してお
り、各パルス制御信号p1、p2,p3の印加タイミン
グとそのパルス幅pw1、pw2,pw3によって各駆
動パルスS1、S2、S3の開始タイミングと継続時間
が決定される。
【0053】以上のような駆動パルスの各行程におい
て、以下に示すようなインクジェット記録ヘッドの駆動
が行われる。
【0054】第1のパルス制御信号p1がオンされる
と、そのパルス幅pw1分の時間を要して所定のピーク
電圧まで充電が行われ、圧電振動子9が収縮する。これ
に伴って圧力発生室3が膨張し、ノズル2内のメニスカ
スは圧力発生室3側に引き込まれ、もっとも引き込まれ
た位置から振動しながら、ノズル先端21に向かって回
復をしていく、この際、インク供給口5を介して共通イ
ンク室4のインクが圧力発生室3に流れ込む。
【0055】第1のパルス制御信号p1の終了以降、ピ
ーク電圧のまま電圧が保持され、圧電振動子9も変形を
止めてパルス幅pwh1分の時間待機をする。この間も
メニスカスはノズル先端21に向かって回復を続けてい
る。
【0056】引き続き、メニスカスの回復途中で第2の
パルス制御信号p2がオンされると、そのパルス幅pw
2分の時間を要して電圧零まで放電が行われ、圧電振動
子9が伸長する。これに伴って圧力発生室3が収縮を開
始し、圧力発生室3内に圧力が発生することでノズル2
からインク滴が吐出する。インク滴吐出後、ノズル2内
でメニスカスが振動を開始する。
【0057】ところで、このインク滴吐出後に振動する
メニスカスは、圧力発生室3側に最も引き込まれると、
今度はノズル先端21に向かって移動を開始するが、こ
の時点で第3の制御パルス信号p3がオンされるように
設定しておくと、そのパルス幅pw3分の時間を要して
所定の中間電位まで圧電振動子9が充電され微少収縮す
るため、圧力発生室3が膨張する。この圧力発生室3の
膨張により、ノズル先端21側に向かうメニスカスの運
動エネルギーが低減され、図8の実線L1で示すように
メニスカスの残留振動を急速に減衰させることができ
る。
【0058】以上のような駆動において、本発明では第
2のパルス(S2)と第3のパルス(S3)の印加タイ
ミングを調整する手段を利用し、インク滴吐出時のメニ
スカスの引き込み位置の一定化と、インク滴吐出後のメ
ニスカスの残留振動の効果的な制振を行えるようにし
た。
【0059】まず、第2のパルス(S2)を調整する第
1の実施例について説明する。
【0060】本発明の第1の実施例では、第1のパルス
(S1)の開始時から第2のパルス(S2)の開始時間
pw5(=pw1+pwh1)を調整出来るようにし、
第2のパルス(S2)の印加タイミング(以下、簡単に
吐出タイミングと呼ぶ)を調整可能とした。
【0061】図4および図5は本発明の一実施例である
インクジェット記録装置におけるインクジェット記録ヘ
ッドの駆動パルスとメニスカスの挙動および吐出時のメ
ニスカスの引き込み位置の関係を説明する図である。
【0062】第1のパルスの駆動によって生じるメニス
カスの引き込みおよび回復の挙動は、インクジェット記
録ヘッドのもつ固有の流路インピータンスに左右される
この流路インピータンスはノズル2のイナータンスM
n、レジスタンスRn、インク供給口5のイナータンス
Ms、レジスタンスRsによっておおよそ決まる値で、
流路インピータンスZは、 Z=(Rn+Rs)+(Mn×ω+Ms×ω) である。ここで ω=1/Tc でTcは後述するヘル
ムホルツ共振周期である。
【0063】イナータンスMn・Ms、レジスタンスR
n・Rsはノズル2やインク供給口5等の流路寸法のば
らつきによって変動し、さらに環境温度によるインク物
性(粘度、密度)の変化によっても変動するため、これ
らの変動により、メニスカスの引き込みおよび回復の挙
動はばらつく。
【0064】にもかかわらず、常に吐出タイミングを一
定にして駆動をすると、図4(b)に示すように、メニ
スカスの挙動の差のため、吐出タイミング時のメニスカ
スの引き込み位置に差が生じ、インク滴の吐出速度や吐
出インク量がばらつく(図中Laおよび Lbで比較図
示した)。
【0065】これは、インク滴の着弾位置がばらつき、
結果ヘッド毎の画像のバラツキも生むことになり、イン
クジェット記録ヘッドの製造歩留まりを落としかねな
い。
【0066】しかし本発明では、吐出タイミングを任意
に設定できるようにしているため、ノズル2やインク供
給口5等の流路寸法のばらつきやインク物性がばらつい
てメニスカスの挙動が変化しても、図5(a)のように
吐出タイミングを調整し(pwh1→pwh1')、図
(b)のように常に同じ引き込み位置でインク滴を吐
出させることが可能となり、インク滴の吐出速度を常に
一定に保つことが出来る(図中 Laおよび Lb'で比
較図示した)。
【0067】この結果、インク滴の着弾位置が安定し、
常に安定した画像が表現できる。
【0068】また、流路寸法が多少ばらついても製造歩
留まりを落とすことなく、駆動パルスの変更で対応する
ことが可能となる。
【0069】また、本実施例ではさらに、環境温度検出
手段140を設け、環境温度を検出し駆動パルス制御手
段130を介して、駆動パルス発生手段120から出力
される駆動パルスの第2パルス(S2)の印加タイミン
グを変化させるようにもした。
【0070】これにより、環境温度が変化しても吐出タ
イミング時のメニスカスの引き込み位置を一定とするこ
とが可能となり、環境変化に対しても常に安定した高画
質な画像を形成できる。
【0071】第1の実施例に関して、本発明者はインク
供給口幅とノズル径の異なる複数の仕様のインクジェッ
ト記録ヘッドに関して、第2のパルスの印加タイミング
と吐出スピードの関係を調査した。
【0072】図6(a)(b)は第2のパルスの印加タ
イミングを固定した駆動方法での各インク供給口幅およ
びノズル径の異なる複数のヘッド仕様における吐出速度
の関係を説明する図である。
【0073】本実験では、第2のパルス(S2)の印加
タイミングを2ポイントとし、同吐出インク量を吐出す
る際の、各仕様ヘッドでの吐出速度を確認した。図6
(a)がpw5=(pw1+pwh1)=(15+1
0)=25μs、図6(b)がpw5=(pw1+pw
h1)=(15+20)=35μsでの結果である。
【0074】図において、第2パルス(S2)の印加タ
イミングの早い、つまりpw5が短い図6(a)の駆動
の方が、メニスカスがより引き込んだ位置でインク滴が
吐出するため、全般に吐出速度を速くすることができる
ことがわかる。
【0075】また、両印加タイミング駆動とも、インク
供給口幅が広く、ノズル径が広いほど吐出速度は遅くな
る傾向にある。しかも、両寸法とも数μmの違いで吐出
速度は大きく変化し、本実験で評価した数μmの寸法バ
ラツキにおいては吐出速度はレンジで3〜4m/sもば
らつくことになる。
【0076】図7は本発明の第1の実施例の駆動方法を
行った場合の各インク供給口幅およびノズル径のヘッド
仕様における吐出速度の関係を説明する図である。
【0077】今回の第1の実施例の駆動方法を利用し、
ヘッドの仕様毎にpwh1を調整し、インク供給口幅お
よびノズル径が広く吐出速度の遅くなる仕様に関しては
第2パルスの印加タイミング(pw5)を短くすること
で吐出速度の調整を行った。
【0078】結果、図6の様に吐出速度のバラツキを小
さくすることができ、本実験では吐出速度のばらつき
を、レンジで1m/s以下にすることが可能となる(図
中、吐出速度に*印、◎印がついているのは、それぞれ
pw5=25,35μsで駆動させるよう調整したこと
を示す)。
【0079】このように第2パルスの印加タイミング
(pw5)を調整することで、ヘッド仕様がばらついて
も、吐出速度のばらつきが小さく抑えられる。
【0080】なお、本実験ではpw5は2ポイントで調
整を行ったが、さらに細かいポイントで調整すれば、吐
出速度のバラツキはさらに小さくすることができる。
【0081】本実験ではpw5の調整を行う際、pw1
を固定してpwh1のみの調整で対応したが、pw1の
調整で対応しても良い。ただし、pw1を変更すると、
メニスカスの引き込みの挙動がさらに大きく変化するた
め、これに加えpwh1の調整も必要となり、流路寸法
毎の最適パルスの組み合わせが複雑になる。よって、p
w1を固定しpwh1の調整のみで対応するのが好まし
い。
【0082】つぎに、第2の実施例について説明する。
【0083】本発明の第2の実施例では、第2のパルス
の開始時から第3のパルスの開始時間pw4(=pw2
+pwh2)を調整出来るようにし、第3のパルスの印
加タイミングを調整可能とした。
【0084】図によって具体的に説明する。
【0085】図8は本発明の一実施例であるインクジェ
ット記録装置におけるインクジェット記録ヘッドの駆動
パルスとメニスカスの挙動を示す図である。
【0086】第3のパルスの印加タイミングに関して、
メニスカスが圧力発生室3側もしくはノズル先端21側
に移動中のタイミングで、充電を開始し圧力発生室3を
膨張させた場合は効果的なメニスカスの制振が行われな
い。
【0087】つまりこの場合、メニスカスの運動エネル
ギが十分減じられず、図8の波線L2のようにメニスカ
スの振動が残るため、次に吐出すべきタイミングがメニ
スカスがノズル2内に引き込まれる途中過程に相当する
と、インク滴吐出時のメニスカスの形状が不安定とな
り、結果、吐出するインク滴にミストが生じたり、吐出
曲がりや吐出ブレを引き起こし易い。
【0088】このため、上記のタイミングで次のインク
滴を吐出しようとする駆動周波数下においては、インク
滴の安定吐出が十分確保できず、印字品質の低下を招き
やすいという問題が生じる。
【0089】このため、第3のパルスの印加タイミング
の設定には注意を要するが、本発明では、以下に示すよ
うなメニスカスの代表的振動特性である周期Tcのヘル
ムホルツ周波数を利用する手段により、容易に第3パル
スの最適な印加タイミングを判断し設定するようにし
た。
【0090】メニスカスの振動特性の代表値について以
下に説明する。
【0091】図1のように構成されたインクジェット記
録ヘッドは、圧力発生室3のインクの圧縮性に起因する
コンプライアンスをCi、また圧力発生室3を形成して
いる弾性板8、ノズルプレート1、流路構成板7等の材
料自体による剛性コンプライアンスをCv、ノズル2の
イナータンスをMn、インク供給口5のイナータンスを
Msとするとインク流路のヘルムホルツ共振周期Tc
は、 Tc=2π×√((Mn+Ms)/(Ci+Cv)(Mn×Ms)) により表すことができる。
【0092】ここで、コンプライアンスCiは、圧力発
生室3の体積をV、インクの密度をρ、インク中での音
速をcとすると Ci=V/ρc2 である。
【0093】また、圧力発生室3の剛性コンプライアン
スCvは、圧力発生室3に単位圧力を印加したときの圧
力発生室3の体積変化量に一致する。
【0094】具体例をあげると、長さ0.5〜2mm、
幅0.1〜0.2mm、深さ0.05〜0.3mmの圧
力発生室3を構成すると、ヘルムホルツ共振周期が5〜
20μs(共振周波数が50〜200kHz)程度のイ
ンクジェット記録ヘッドを構成することができる。
【0095】以上に示した代表値はインク滴吐出後のメ
ニスカスの残留振動の挙動特性に大きく関係する。
【0096】図8のようにインク滴吐出後のメニスカス
は微少な振動周期(T)の振動を持ちつつ大きな周期
(Tm)での振動が繰り返される。
【0097】前述したように、第3のパルスの印加タイ
ミングはメニスカスが圧力発生室3側に引き込まれた状
態が一番効果が高い。このためメニスカスの制振を効果
的に行える第3のパルスのタイミングは微少な周期Tの
周期で存在することになる。
【0098】つまり、インク滴吐出時からTの振動周期
に相当する時間の経過後に第3のパルスを加えること
(つまり図3の第2のパルス開始から第3のパルス開始
されるまでの時間pw4をTと概ね等しくすること)
で、メニスカスの制振を効果的に行えることを意味す
る。
【0099】このメニスカスの微少な振動周期(T)
は、ほかならぬ上述のヘルムホルツ共振周期(Tc)で
あり、つまり、微少な共振周期Tcが前述の計算式で確
認できれば最適な第3パルスの印加タイミングが容易に
設定できることになる。
【0100】本発明者は、インクジェット記録ヘッドの
持つ共振周期Tcと最適な第3パルスの印加タイミング
について調査した。
【0101】図9は本発明の一実施例であるインクジェ
ット記録装置における共振周期Tcとインク滴の吐出が
安定する最適な第3のパルスの印加タイミングの関係を
示す図である。
【0102】図において第3パルスの最適な印加タイミ
ングは第2のパルス開始から第3のパルスが開始される
までの時間pw4で示してある。
【0103】なお、本実験では第3のパルスの継続時間
pw3は第2のパルス継続時間pw2をほぼ同じに設定
している。これは、同じ継続時間でパルスを加えること
で両方のパルスにより引き起こされるメニスカスの振動
がほぼ同等の周期で発生するため、第3のパルスにより
引き起こされるメニスカスの振動が第2のパルスにより
引き起こされる振動に対して逆位相となった場合、両パ
ルスの継続時間が同じでない場合に比べ、効果的にメニ
スカスの制振がおこなわれるためである。
【0104】図9から明らかに共振周期Tcと第3パル
スの最適な印加タイミング(pw4)はほぼ一致してお
り、本発明では、メニスカスの振動特性の代表値である
ヘルムホルツ共振周期(Tc)を利用する手段により、
容易に第3パルスの最適な印加タイミングを判断し設定
できるようになることがわかる。
【0105】なお、第3のパルスの継続時間pw3と第
2のパルス継続時間pw2が同じでない場合は、共振周
期Tcとpw4は一致しないが、pw4は共振周期Tc
に対して若干シフトした値となるため、そのシフト量さ
え把握できれば共振周期Tcを代表値にすることは容易
である。
【0106】ところで、インク滴吐出後のメニスカスの
振動も、上述の式で定義されているように、インクの圧
縮性、圧力発生室3の剛性に起因するコンプライアンス
と、ノズル2とインク供給口5等のインク流路の形状寸
法に起因するイナータンスの変化に伴い変動する。
【0107】これらの変動を引き起こす主なものは、製
造上のインク流路の形状バラツキや、環境温度の変化で
あり、特にコンプライアンスは環境温度が変化するとイ
ンクの物性値はもちろんのこと、圧力発生室3を構成し
ている材料の剛性も変化するため、変動は比較的大き
い。
【0108】このため共振振動周期Tcが変化しこれに
伴い、第3パルスの最適な印加タイミングも変化するこ
ととなる。
【0109】本発明者は、インクジェット記録ヘッドの
持つ共振周期Tcの環境温度による変化について調査し
た。
【0110】図10は本発明の一実施例であるインクジ
ェット記録装置における共振周期Tcと環境温度の関係
を示す図である。また、図11は本発明のインクジェッ
ト記録装置における環境温度と吐出安定する最適な第3
のパルスの印加タイミングの関係を示す図である。
【0111】明らかに、環境温度が高くなるとそれに伴
い、共振周期Tcも長くなっていき、それに応じて最適
な第3のパルスの印加タイミングpw4も変化していく
ことがわかる。
【0112】ということは、ある一定値に固定された印
加タイミングのままで駆動が行われると、製造上のイン
ク流路の形状バラツキや、環境温度の変化により共振周
期Tcが大きく変化すると、最適なメニスカスの制振が
行なわれず、インク滴吐出が不安定となってしまう。
【0113】そこで本実施例では、環境温度検出手段1
40を設け、それにより環境温度を検出して、駆動パル
ス制御手段130を介して、駆動パルス発生手段130
から出力される駆動パルスの第3パルスの印加タイミン
グを変化させるようにした。
【0114】これにより、環境温度変化に対しても最適
な第3パルスの印加タイミングでの駆動が可能となり、
インク滴の吐出により発生したメニスカスの振動が環境
温度によって変化しても、最も圧力発生室3に移動した
段階で、第3のパルスにより圧力発生室3を再び膨張さ
せるため、この時点でノズルに向かおうとしているメニ
スカスの運動エネルギーを効果的に減衰できる。
【0115】これにより、環境温度に関わりなく、メニ
スカスの運動エネルギーの減衰不良によるインク滴の吐
出不安定現象が抑制され、また、メニスカスの急速な静
止により、繰り返し周波数に関わりなくメニスカスを一
定位置に静止させた状態でインク滴を吐出させるため飛
翔速度が安定する。このため、高駆動周波数の駆動でも
安定した吐出が確保できる。
【0116】最後に、印字開始準備時および印字終了時
の動作について説明する。
【0117】印字が開始される前には、駆動パルスを中
間電位まで充電し、圧電振動子9を微少収縮させて印字
信号が送られるまで、待機をする。中間電位まで充電す
る時間は、その駆動によってインク滴が吐出しない程度
であればよく、第3パルスの継続時間程度の時間で問題
ない。
【0118】一方、印字信号が入力されなくなると、駆
動パルスは中間電位から所定のパルスにより放電を行い
電位を零とする。この所要時間も、その駆動によってイ
ンク滴が吐出しない程度であれば問題ない。
【0119】以上の動作によって、以下に示すような効
果も得られる。
【0120】上記動作によって圧電振動子9が微少伸長
や収縮をし、圧力発生室3が膨張、収縮する。結果、ノ
ズル2内のメニスカスが若干振動し、また、圧力発生室
内3内のインクが攪拌されて、大気に晒され乾燥しやす
いノズル2内のインクの固化を防止しインクの目詰まり
を防止することができる。
【0121】上述の実施例は、縦振動モードの圧電振動
子を用いたインクジェット記録ヘッドを例にとって説明
したが、横振動モードの圧電振動子を用いた場合も同様
の作用があることは明らかである。
【0122】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明において
ノズル、およびインク供給口を介して共通インク室に連
通し、周期Tcの共振周波数を備えた圧力発生室と、圧
力発生室を膨張、収縮させる圧電振動子とからなるイン
クジェット記録ヘッドと圧力発生室を拡大させる第1の
パルスと、膨張状態にある圧力発生室を収縮させてノズ
ルからインク滴を吐出させる第2のパルスと、第2のパ
ルス後に圧力発生室を再び拡大させる第3のパルスを出
力する駆動パルス発生手段と環境温度検出手段によって
第2のパルス開始のタイミングおよび第3のパルス開始
のタイミングを環境温度により制御する駆動パルス制御
手段とを備えたので、第1のパルスで引き込まれ回復中
のメニスカスの引き込み位置が、第2パルス開始時に常
に同じとなるタイミングでインクを吐出できるため、イ
ンク滴の吐出速度を常に一定にすることができる。
【0123】また、環境温度変化によるメニスカスの挙
動の変化に対しても、常に一定のメニスカスの引き込み
位置でインクを吐出できるため、いかなる環境温度に対
してもインク滴の吐出速度を常に一定にすることができ
る。
【0124】一方、インク滴の吐出後に発生するメニス
カスの残留振動が、最も圧力発生室に移動した段階で、
第3のパルスを印加し圧力発生室を再び膨張させること
が容易にできるため、この時点でノズルに向かおうとし
ているメニスカスの運動エネルギーを効果的に減衰させ
ることができる。
【0125】また、環境温度変化によるメニスカスの振
動挙動の変化に対しても、減衰に最適なタイミングで第
3のパルスを開始することができるため、環境温度に関
わらず常に安定したインク滴吐出が可能となる。
【0126】さらに、メニスカスの急速な静止により、
駆動周波数に関わりなくメニスカスを一定位置に静止さ
せた状態でインク滴を吐出させるため、飛翔速度が安定
し、また、メニスカスの回復時間が早くなるため、応答
周波数が向上する。
【0127】また、インク滴吐出後のメニスカス振動を
減衰制振させるに最適な第2パルス開始から前記第3パ
ルス開始までの時間が、前記圧力発生室の周期Tcとほ
ぼ一致した時間であるので、Tcを代表値とし第3パル
スの開始時間を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置に使用するイ
ンクジェット記録ヘッドの一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の一実施例を
示すブロック図である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置におけるイン
クジェット記録ヘッドの駆動パルス形成の一実施例を説
明する図である。
【図4】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置におけるインクジェット記録ヘッドの駆動パルスとメ
ニスカスの挙動のおよび吐出時のメニスカスの引き込み
位置の関係を説明する図である。
【図5】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置におけるインクジェット記録ヘッドの駆動パルスとメ
ニスカスの挙動および吐出時のメニスカスの引き込み位
置の関係を説明する図である。
【図6】第2のパルスの印加タイミングを固定した駆動
方法での各インク供給口幅およびノズル径の異なる複数
のヘッド仕様における吐出速度の関係を説明する図であ
る。
【図7】本発明の第1の実施例の駆動方法を行った場合
の各インク供給口幅およびノズル径のヘッド仕様におけ
る吐出速度の関係を説明する図である。
【図8】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置におけるインクジェット記録ヘッドの駆動パルスとメ
ニスカスの挙動のおよび吐出時のメニスカスの引き込み
位置の関係を説明する図である。
【図9】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置における共振周期Tcとインク滴の吐出が安定する最
適な第3のパルスの印加タイミングの関係を示す図であ
る。
【図10】本発明の一実施例であるインクジェット記録
装置における共振周期Tcと環境温度の関係を示す図で
ある。
【図11】本発明のインクジェット記録装置における環
境温度と吐出安定する最適な第3のパルスの印加タイミ
ングの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ノズルプレート 2 ノズル 3 圧力発生室 4 共通インク室 5 インク供給口 6 インク流路 7 流路構成板 8 弾性板 9 圧電振動子 10 固定基板 21 ノズル先端 100 インクジェット記録ヘッド 110 駆動ノズル選択手段 120 駆動パルス発生手段 130 駆動パルス制御手段(CPU) 140 環境温度検出手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−144408(JP,A) 特開 平7−178907(JP,A) 特開 昭63−94854(JP,A) 特開 平6−40032(JP,A) 特開 平8−85208(JP,A) 特開 昭63−153159(JP,A) 特開 昭62−25058(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/12 B41J 2/125

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル、およびインク供給口を介して共
    通インク室に連通する周期Tcのヘルムホルツ共振周波
    数を備えた圧力発生室と、この圧力発生室を拡大、収縮
    させる圧電振動子とを有するインクジェット記録ヘッド
    と、前記圧力発生室を拡大させる第1のパルスと、拡大
    状態にある前記圧力発生室を収縮させて前記ノズルから
    インク滴を吐出させる第2のパルスと、前記第2のパル
    ス後に前記圧力発生室を再び拡大させる第3のパルスを
    出力する駆動パルス発生手段と、 前記第2のパルス開始のタイミング、および前記第3の
    パルス開始のタイミングを任意に制御する駆動パルス制
    御手段と、を備え、 前記第1のパルスによって前記圧力発生室を拡大させた
    後一定電圧に保持して拡大状態を維持する待機時間のパ
    ルス幅を前記駆動パルス制御手段によって調整すること
    により、前記第2のパルス開始のタイミングでのノズル
    内のメニスカス位置が一定となるように前記第2のパル
    ス開始のタイミングが制御されており、 前記第2のパルスの継続時間と前記第3のパルスの継続
    時間が同じに設定され、前記第2のパルス開始から前記
    第3のパルス開始までの時間が、前記圧力発生室の周期
    Tcとほぼ一致した時間となるよう設定されていること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記第2のパルス開始のタイミングを、
    前記ノズルおよび前記インク供給口の流路インピータン
    スに応じて任意に設定する前記駆動パルス制御手段を有
    する請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記第2のパルス開始のタイミングを、
    前記ノズルまたは前記インク供給口の流路インピータン
    スが小さい場合は早く、大きい場合は遅くなるよう設定
    することを特徴とする請求項1または2記載のインクジ
    ェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のパルス開始のタイミングを、
    前記ノズルまたは前記インク供給口の断面積が大きい場
    合は早く、小さい場合は遅くなるよう設定することを特
    徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第2のパルス開始のタイミングを、
    前記ノズルまたは前記インク供給口の長さが長い場合は
    早く、短い場合は遅くなるよう設定することを特徴とす
    る請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 環境温度検出手段を有し、環境温度に応
    じて前記第2のパルス開始のタイミングを前記駆動パル
    ス制御手段により制御する請求項1ないし5のいずれか
    1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記第2のパルス開始のタイミングを、
    環境温度が高くなる場合は早く、低くなる場合は遅くな
    るよう設定することを特徴とする請求項6に記載のイン
    クジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 環境温度検出手段を有し、環境温度に応
    じて前記第3のパルス開始のタイミングを前記駆動パル
    ス制御手段により制御する請求項1に記載のインクジェ
    ット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記第3のパルス開始のタイミングを、
    環境温度が高くなる場合は早く、低くなる場合は遅くな
    るよう設定することを特徴とする請求項8に記載のイン
    クジェット記録装置。
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