JP5359402B2 - 液体吐出装置の製造方法、及び、吐出パルス設定方法 - Google Patents

液体吐出装置の製造方法、及び、吐出パルス設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置の製造方法、及び、吐出パルス設定方法に関する。
インクジェットプリンター等の液体吐出装置では、吐出パルスの波形を必要な吐出量に応じて定めることが一般的であった(例えば特許文献1を参照)。このため、液体滴の吐出能力についてのばらつきは、吐出される液体が通る流路の寸法精度を高めることによって低減していた。例えば、液体滴の吐出口となるノズルや液体に圧力変化を与えるノズルについて公差を小さくすることにより、吐出能力のばらつきを抑制していた。
特開2002−113859号公報
寸法精度を高める方法では、製造に手間がかかったり制約が生じたりするのでコスト高を招く恐れがある。また、微調整が難しいという問題もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、調整の容易化を図ることにある。また、調整精度を高めることにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
ノズルに連通された圧力室、及び、印加された動作信号の電圧に応じて前記圧力室の容積を変化させる素子を有する液体吐出ヘッドと、
前記圧力室を膨張させる動作を前記素子に行わせる第1部分、前記第1部分に続いて生成されて前記第1部分の印加終了時における前記素子の状態を維持する第2部分、及び、前記第2部分に続いて生成されて前記圧力室を収縮させる動作を前記素子に行わせ、前記ノズルから液体滴を吐出させる第3部分を少なくとも含んだ動作信号を生成する信号生成部と、
を有する液体吐出装置の製造方法であって、
前記第1部分と前記第2部分の少なくとも一方について、生成期間と開始電圧から終了電圧までの電圧差の少なくとも一方を変えた複数の条件で、前記液体滴を吐出させる吐出工程と、
吐出された液体滴の飛行速度を測定する測定工程と、
測定した飛行速度のばらつきが許容範囲内か否かを評価する評価工程と、
ばらつきが許容範囲内と評価された条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する波形決定工程と、
を行い、
前記吐出工程では、
前記第1部分及び前記第2部分の一方の条件を固定したまま、他方の条件を変更して前記液体滴を吐出させた後、前記第1部分及び前記第2部分の他方の条件を固定したまま、一方の条件を変更して前記液体滴を吐出させる液体吐出装置の製造方法である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
印刷システムの構成を説明するブロック図である。 プリンターの内部構成を説明する図である。 図3Aは、ヘッドの断面図である。図3Bは、インク流路の構造を模式的に説明する図である。図3Cは、ヘッドをノズル側から見た図である。図3Dは、2次元バーコードを説明する図である。 駆動信号生成回路等の構成を説明するブロック図である。 駆動信号の第1の例を説明する図である。 駆動信号の第2の例を説明する図である。 1つの吐出パルスでインク滴を吐出させた場合のメニスカスの状態変化を説明する図である。 図7におけるメニスカスの移動速度を説明する図である。 図9Aは、測定装置の構成を説明するブロック図である。図9Bは、インク滴の検出時に生成される検出信号を説明する図である。 プリンターの製造工程の一部である吐出パルス設定工程を説明するフローチャートである。 第1減圧部分の時間幅を変化させて得られた測定結果である。 第1維持部分の時間幅を変化させて得られた測定結果である。 第1減圧部分の時間幅とインク滴の平均飛行速度の関係を説明する図である。 第1減圧部分の時間幅とインク滴の平均飛行速度ばらつきの関係を説明する図である。 第1維持部分の時間幅とインク滴の平均飛行速度の関係を説明する図である。 第1維持部分の時間幅とインク滴の平均飛行速度ばらつきの関係を説明する図である。 図17Aは、仮設定した吐出パルスでインク滴を吐出させた場合のメニスカスの状態変化を説明する図である。図17Bは、波形設定後の吐出パルスでインク滴を吐出させた場合のメニスカスの状態変化を説明する図である。 図18Aは、仮設定した吐出パルスでインク滴を吐出させた場合のメニスカスの移動速度を説明する図である。図18Bは、波形設定後の吐出パルスでインク滴を吐出させた場合のメニスカスの移動速度を説明する図である。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、ノズルに連通された圧力室、及び、印加された動作信号の電圧に応じて前記圧力室の容積を変化させる素子を有する液体吐出ヘッドと、前記圧力室を膨張させる動作を前記素子に行わせる第1部分、前記第1部分に続いて生成されて前記第1部分の印加終了時における前記素子の状態を維持する第2部分、及び、前記第2部分に続いて生成されて前記圧力室を収縮させる動作を前記素子に行わせ、前記ノズルから液体滴を吐出させる第3部分を少なくとも含んだ動作信号を生成する信号生成部と、を有する液体吐出装置の製造方法であって、前記第1部分と前記第2部分の少なくとも一方について、生成期間と開始電圧から終了電圧までの電圧差の少なくとも一方を変えた複数の条件で、前記液体滴を吐出させる吐出工程と、吐出された液体滴の飛行速度を測定する測定工程と、測定した飛行速度のばらつきが許容範囲内か否かを評価する評価工程と、ばらつきが許容範囲内と評価された条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する波形決定工程と、を行う液体吐出装置の製造方法を実現できることが明らかにされる。
このような製造方法によれば、液体滴を吐出させるための第3部分よりも前に生成され、素子へ印加される第1部分及び第2部分を最適化することで、吐出能力のばらつきを調整しているので、調整を容易に行える。また、調整精度を高めることもできる。
かかる製造方法であって、前記液体吐出装置が、前記動作信号の電圧波形を示す波形情報を記憶するメモリーをさらに有している場合には、決定された電圧波形の波形情報を前記メモリーに記憶させる記憶工程を、前記波形決定工程の後に行うことが好ましい。
このような製造方法によれば、メモリーに記憶された波形情報を用いて、信号生成部が、所定の電圧波形に定められた動作信号を生成できる。
かかる製造方法であって、前記信号生成部は、前記メモリーから読み出された前記波形情報をアナログ信号に変換する変換部と、前記素子が動作するレベルまで、前記アナログ信号の電圧と電流の少なくとも一方を増幅する増幅部と、を有することが好ましい。
このような製造方法によれば、所定の電圧波形に精度良く定められた動作信号を、信号生成部で生成できる。
かかる製造方法であって、前記吐出工程、前記測定工程、及び、前記評価工程は、前記液体吐出装置の本体に組み付ける前の前記液体吐出ヘッドに対して行うことが好ましい。
このような製造方法によれば、作業性が向上し、量産に適する。
かかる製造方法であって、前記吐出工程では、前記第1部分及び前記第2部分の一方の条件を固定したまま、他方の条件を変更して前記液体滴を吐出させた後、前記第1部分及び前記第2部分の他方の条件を固定したまま、一方の条件を変更して前記液体滴を吐出させることが好ましい。
このような製造方法によれば、手順の簡素化が図れ、量産に適する。
かかる製造方法であって、前記吐出工程では、前記第1部分及び前記第2部分の一方の生成期間を固定したまま、他方の生成期間を変更して前記液体滴を吐出させた後、前記第1部分及び前記第2部分の他方の生成期間を固定したまま、一方の生成期間を変更して前記液体滴を吐出させることが好ましい。
このような製造方法によれば、手順の簡素化が図れ、量産に適する。
かかる製造方法であって、前記波形決定工程では、ばらつきが許容範囲内と評価された条件であって前記生成期間が最も短い条件で、前記動作信号の電圧波形を決定することが好ましい。
このような製造方法によれば、液体滴の高周波吐出に適した動作信号を設定できる。
また、次の吐出パルス設定方法を実現できることも明らかにされる。
すなわち、ノズルに連通された圧力室、及び、印加された動作信号の電圧に応じて前記圧力室の容積を変化させる素子を有する液体吐出ヘッドを有し、前記圧力室を膨張させる動作を前記素子に行わせる第1部分、前記第1部分に続いて生成されて前記第1部分の印加終了時における前記素子の状態を維持する第2部分、及び、前記第2部分に続いて生成されて前記圧力室を収縮させる動作を前記素子に行わせ、前記ノズルから液体滴を吐出させる第3部分を少なくとも含んだ吐出パルスによって、前記ノズルから液体滴を吐出させる液体吐出装置の、吐出パルス設定方法であって、前記第1部分と前記第2部分の少なくとも一方について、生成期間と開始電圧から終了電圧までの電圧差の少なくとも一方を変えた複数の条件で、前記液体滴を吐出させる吐出工程と、吐出された液体滴の飛行速度を測定する測定工程と、測定した液体滴のばらつきが許容範囲内か否かを評価する評価工程と、ばらつきが許容範囲内と評価された条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する波形決定工程と、を行う吐出パルス設定方法を実現できることも明らかにされる。
===第1実施形態===
<印刷システムについて>
図1に例示した印刷システムは、プリンター1と、コンピューターCPとを有する。プリンター1は液体吐出装置に相当し、用紙、布、フィルム等の媒体に向けて、液体の一種であるインクを吐出する。媒体は、液体が吐出される対象となる対象物である。コンピューターCPは、プリンター1と通信可能に接続されている。プリンター1に画像を印刷させるため、コンピューターCPは、その画像に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
===プリンター1の概要===
プリンター1は、用紙搬送機構10、キャリッジ移動機構20、駆動信号生成回路30、ヘッドユニット40、検出器群50、及び、主制御部60を有する。
用紙搬送機構10は媒体搬送部に相当し、媒体としての用紙Sを紙送り方向(搬送方向)に搬送する。この用紙搬送機構10は、例えば図2に示すように、用紙Sを裏面側から支えるプラテン11と、プラテン11よりも紙送り方向の上流側に配置された搬送ローラー12と、プラテン11よりも紙送り方向の下流側に配置された排紙ローラー13と、搬送ローラー12や排紙ローラー13の駆動源となる搬送モーター14とを有する。
キャリッジ移動機構20は、キャリッジCRをキャリッジ移動方向へ移動させるためのものである。キャリッジCRは、インクカートリッジICやヘッドHDが取り付けられる部材である。キャリッジCRに取り付けられた状態で、ヘッドHDは、ノズル44(図3Aを参照)の形成面がプラテン11に対向している。このプリンター1では、ヘッドHDがキャリッジCRに取り付けられているので、キャリッジ移動機構20は、液体噴射ヘッドを移動方向(例えば紙幅方向)に移動させるヘッド移動部の一種である。
このキャリッジ移動機構20は、図2に示すように、タイミングベルト21と、キャリッジモーター22と、ガイド軸23とを有している。タイミングベルト21は、キャリッジCRに接続されるとともに、駆動プーリー24とアイドラプーリー25との間に架け渡されている。キャリッジモーター22は、駆動プーリー24を回転させる駆動源である。ガイド軸23は、キャリッジCRをキャリッジ移動方向へ案内するための部材である。このキャリッジ移動機構20では、キャリッジモーター22を動作させることで、キャリッジCRをキャリッジ移動方向へ移動させることができる。そして、キャリッジCRを移動させながら断続的にインクを噴射させるドット形成動作(移動噴射動作に相当する)を行うことで、用紙Sにはキャリッジ移動方向に並ぶドットの列が形成される。このドット形成動作と用紙Sの紙送り動作(搬送動作)とを交互に繰り返し行うことで、紙送り方向に並ぶ複数のラスターラインが用紙Sに形成され、画像の印刷がなされる。
駆動信号生成回路30は、駆動信号COMを生成する。この駆動信号COMは、用紙Sへの印刷時にヘッドHD(ピエゾ素子45,図3Aを参照)へ印加されるものであり、図5や図6に一例を示すように、吐出パルスPS1,PS3を含む一連の信号である。ここで、吐出パルスとは、ヘッドHDが有するノズル44(図3Aを参照)から滴状のインクを吐出させるため、ピエゾ素子45に所定の動作を行わせる電圧の変化パターン、すなわち電圧波形である。このため、駆動信号COMは、その電圧レベルに応じてピエゾ素子45を動作させる動作信号に相当する。そして、駆動信号生成回路30及び制御信号(DACデータ)を出力する主制御部60は、動作信号を生成する信号生成部に相当する。また、駆動信号COMが吐出パルスPS1,PS3を含むことから、これらの駆動信号生成回路30及び主制御部60は、パルス生成部ともいえる。なお、駆動信号生成回路30の構成や各吐出パルスPS1,PS3については、後で説明する。
ヘッドユニット40は、ヘッドHDとヘッド制御部HCとを有する。ヘッドHDは液体吐出ヘッドの一種であり、インク滴をノズル44から用紙Sへ向けて吐出させる。ヘッド制御部HCは、主制御部60からのヘッド制御信号に基づき、ヘッドHDを制御する。なお、ヘッドHDについては後で説明する。検出器群50は、プリンター1の状況を監視する複数の検出器によって構成される。これらの検出器の中には、リニアエンコーダー51や温度センサー52が含まれる。これらの検出器による検出結果は、主制御部60に出力される。主制御部60は、プリンター1における全体的な制御を行う。この主制御部60についても後で説明する。
===プリンター1の要部===
<ヘッドHDについて>
図3Aに示すように、ヘッドHDは、共通インク室41と、インク供給口42と、圧力室43と、ノズル44とを有する。そして、共通インク室41から圧力室43を通ってノズル44に至る一連のインク流路(液体で満たされる液体流路に相当する)をノズル44に対応する複数有している。共通インク室41は、インクカートリッジICからのインクが貯留される部分であり、共通液室に相当する。インク供給口42は、共通インク室41に溜められたインクを圧力室43に供給するための絞り流路であり、液体供給部の一種である。圧力室43は、インク流路内のインクに圧力変化を与えるための部分である。ノズル44は、インクが吐出される部分であり、圧力室43と連通している。
このヘッドHDにおいて、圧力室43の容積はピエゾ素子45の動作によって変化される。すなわち、圧力室43の一部は振動板46によって区画され、圧力室43とは反対側となる振動板46の表面にはピエゾ素子45が設けられている。ピエゾ素子45はそれぞれの圧力室43に対応して設けられている。各ピエゾ素子45は、例えば圧電体を上電極と下電極とで挟んだ構成であり(何れも図示せず。)、これらの電極間に電位差を与えることにより変形する。この例では、上電極の電位を上昇させると圧電体が充電される。これに伴って、ピエゾ素子45は圧力室43側に凸となるように撓んで圧力室43を収縮させる。また、上電極の電位を下降させると圧電体が放電され、撓みの度合いが緩やかになる。このため、その分だけ圧力室43の容積が拡がる。このヘッドHDでは、振動板46における圧力室43を区画している部分が区画部に相当し、ピエゾ素子45の変形に伴って変形して圧力室43内のインクに圧力変化を与える。このヘッドHDでは、圧力室43内のインクに圧力変化を与え、この圧力変化を利用してインク滴を吐出させている。
また、このヘッドHDは、製造後所定の検査工程を経てプリンター1の本体部分に組み付けられる。このため、検査工程で得られた特性に関する情報は、識別シールQLに記録される。この識別シールQLには、例えばピエゾ素子45の特性情報等も記録される。この識別シールQLは、例えば図3Dに示すものであり、表面に2次元バーコードが描かれている。そして、検査の終了後にヘッドHDに貼付される。
<インク流路について>
前述したように、このヘッドHDにはインク流路がノズル44毎に設けられている。このインク流路では、圧力室43に対してノズル44及びインク供給口42がそれぞれ連通している。このため、インクの流れなどの特性を解析する場合、ヘルムホルツの共鳴器の考え方が適用される。図3Bは、この考え方に基づくインク流路の構造を模式的に説明する図である。模式的に示している関係から、図3Bではインク流路を実際とは異なる形状で示している。
このインク流路では、圧力室43内のインクに圧力変化を与えることで、ノズル44からインクを吐出させる。このとき、圧力室43、インク供給口42、及び、ノズル44は、ヘルムホルツの共鳴器のように機能する。このため、圧力室43内のインクに圧力が加わると、この圧力の大きさはヘルムホルツ周期Tcと呼ばれる固有の周期で変化する。すなわち、インクには圧力振動が生じる。
ここで、ヘルムホルツ周期Tc(圧力室43内におけるインクの固有振動周期)は、一般的には次式(1)で表すことができる。
Tc=1/f
f=1/2π√〔(Mn+Ms)/(Mn×Ms×(Cc+Ci))〕・・・(1)
式(1)において、Mnはノズル44のイナータンス(単位断面積あたりのインクの質量)、Msはインク供給口42のイナータンス、Ccは圧力室43のコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化、柔らかさの度合いを示す。)、Ciはインクのコンプライアンス(Ci=体積V/〔密度ρ×音速c2〕)である。
この圧力振動の振幅は、インク流路をインクが流れることで次第に小さくなる。例えば、ノズル44やインク供給口42における損失、及び、圧力室43を区画する壁部等における損失により、圧力振動は減衰する。
一般的なヘッドHDにおいて、圧力室43におけるヘルムホルツ周期Tcは5μsから10μsの範囲内に定められる。なお、このヘルムホルツ周期Tcは、隣り合う圧力室43同士を区画する壁部の厚さ、振動板46の厚さやコンプライアンス、ノズル44プレートの素材や厚さによっても変化する。
<ノズル44について>
図3Cに示すように、このヘッドHDには複数のノズル44が設けられている。そして、紙送り方向(キャリッジ移動方向と交差する方向に相当する)に並ぶ複数のノズル44によってノズル列が構成され、複数のノズル列がキャリッジ移動方向に並んでいる。本実施形態では、1つのノズル列は100個前後のノズル44で構成され、隣り合うノズル44同士が所定間隔で設けられている。図2Bの例では、左端から順に、ブラックインクを噴射させるブラックインクノズル列Nk、シアンインクを噴射させるシアンインクノズル列Nc、マゼンタインクを噴射させるマゼンタインクノズル列Nm、及び、イエローインクを噴射させるイエローインクノズル列Nyが設けられている。従って、このプリンター1では4色でカラー印刷を行う。
<主制御部60について>
主制御部60(メインコントローラー)は、プリンター1における全体的な制御を行う。例えば、コンピューターCPから受け取った印刷データや各検出器からの検出結果に基づいて制御対象部を制御し、用紙Sに画像を印刷させる。図1に示すように、主制御部60は、インタフェース部61と、CPU62と、メモリー63とを有する。インタフェース部61は、コンピューターCPとの間でデータの受け渡しを行う。CPU62は、プリンター1の全体的な制御を行う。メモリー63は、コンピュータープログラムを記憶する領域や作業領域等を確保する。例えば、ファームウェアを記憶したり、DACデータを記憶したりする。
CPU62は、メモリー63に記憶されているコンピュータープログラムに従い、各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、用紙搬送機構10やキャリッジ移動機構20を制御する。また、CPU62は、ヘッドHDの動作を制御するためのヘッド制御信号をヘッド制御部HCに送信したり、DACデータを駆動信号生成回路30に送信したりする。DACデータは、駆動信号COMを生成させるための制御信号であり、生成される駆動信号COMにおける電圧の時系列での変化を定める。このDACデータは、駆動信号COMの生成時に読み出されて駆動信号生成回路30へ出力される。このようなDACデータは、駆動信号COM(動作信号)の電圧波形を示す波形情報といえる。そして、メモリー63は波形情報記憶部に相当する。
<駆動信号生成回路30について>
駆動信号生成回路30は、主制御部60とともにパルス生成部として機能し、DACデータに基づき、吐出パルスPS1,PS3を含んだ駆動信号COMを生成する。図4に示すように、駆動信号生成回路30は、DAC回路31と、電圧増幅回路32と、電流増幅回路33とを有する。DAC回路31は、デジタルのDACデータをアナログ信号に変換する。前述したように、DACデータは動作信号の電圧波形を示す波形情報であるので、DAC回路31は、波形情報をアナログ信号に変換する変換部に相当する。電圧増幅回路32は、DAC回路31で変換されたアナログ信号の電圧を、ピエゾ素子45を駆動できるレベルまで増幅し、波形信号として出力する。電流増幅回路33は、電圧増幅回路32からの波形信号について電流の増幅をし、駆動信号COMとして出力する。この電流増幅回路33は、例えば、プッシュプル接続されたトランジスタ対によって構成される。これらの電圧増幅回路32及び電流増幅回路33は、ピエゾ素子45の動作レベルまで、アナログ信号の電圧と電流を増幅する増幅部に相当する。
なお、本実施形態では、アナログ信号の電圧と電流のそれぞれを増幅しているが、DAC回路31で変換されたアナログ信号の電圧がピエゾ素子45の駆動に十分なレベルであれば、電圧増幅回路32を省略してもよい。また、アナログ信号の電流がピエゾ素子45の駆動に十分なレベルであれば、電流増幅回路33を省略してもよい。
<ヘッド制御部HCについて>
ヘッド制御部HCは、駆動信号生成回路30で生成された駆動信号COMの必要部分をヘッド制御信号に基づいて選択し、ピエゾ素子45へ印加する。このため、ヘッド制御部HCは、図4に示すように、駆動信号COMの供給線の途中に、ピエゾ素子45毎に設けられた複数のスイッチ47を有する。ヘッド制御部HCは、ヘッド制御信号からスイッチ制御信号を生成する。このスイッチ制御信号によって各スイッチ47を制御することで、駆動信号COMの必要部分、例えば吐出パルスPS1,PS3がピエゾ素子45へ印加される。このとき、必要部分の選択の仕方次第で、ノズル44からのインクの吐出を制御できる。例えば、ドット階調に応じて必要な吐出パルスPS1,PS3を選択し、ピエゾ素子45へ印加できる。このようなヘッド制御部HCは、駆動信号COMに含まれる吐出パルスPS1,PS3を主制御部60からのヘッド制御信号に応じて選択し、ピエゾ素子45へ印加するパルス印加部に相当する。
<駆動信号COMについて>
次に、駆動信号生成回路30によって生成される駆動信号COMの概略について説明する。図5や図6に示すように、各駆動信号COMには、繰り返し生成される複数の吐出パルスPS1,PS3が含まれている。また、各駆動信号COMには、インク滴が吐出されない程度に、圧力室43内のインクに圧力変化を与え、インクの増粘を抑制する微振動パルスPS2,PS4も含まれている。この駆動信号COMは、ピエゾ素子45が有する上電極に印加される。これにより、固定電位とされた共通電極との間に波形に応じた電位差が生じる。その結果、ピエゾ素子45は波形(電圧)に応じて変形し、圧力室43の容積を変化させる。
図5の駆動信号COMは、繰り返し周期T毎に繰り返し生成され、前半部分TAで或るドットが、後半部分TBで他のドットが形成される。このため、この駆動信号COMは、2ドット分の周期で繰り返し生成される。前半部分TAでは、期間T1と期間T2のそれぞれで吐出パルスPS1が1つずつ生成される。また、後半部分TBでは、期間T3で微振動パルスPS2が生成され、期間T4と期間T5のそれぞれで吐出パルスPS1が生成される。ここで、吐出パルスPS1は、前述したように、ノズル44からインク滴を吐出させるように電圧波形が定められた部分である。微振動パルスPS2は、ノズル44からインク滴が吐出されない程度の圧力変化が圧力室43内のインクに与えられるように電圧波形が定められた部分である。図6の駆動信号COMもまた繰り返し周期T毎に繰り返し生成され、前半部分TAで或るドットが、後半部分TBで他のドットが形成される。前半部分TAでは、期間T11から期間T14のそれぞれで吐出パルスPS3が1つずつ生成される。また、後半部分TBでは、期間T15で微振動パルスPS4が生成され、期間T16から期間T19のそれぞれで吐出パルスPS3が生成される。各駆動信号COMが有する各吐出パルスPS1,PS3や微振動パルスPS2,PS4は、ドット階調値に応じて適宜選択され、ピエゾ素子45へ印加される。
<吐出パルスPS1,PS3について>
図5の駆動信号COMに含まれる吐出パルスPS1と図6に含まれる吐出パルスPS3は、基本的な波形を共通にしており、いずれも第1減圧部分d1と第1ホールド部分h1と加圧部分c1と第2ホールド部分h2と第2減圧部分d2とを有する。これらの吐出パルスPS1,PS3の違いは、各部のパラメータ(開始電圧と終了電圧、及び、生成期間)にある。すなわち、吐出させるインク滴の量や吐出周波数に応じて各部のパラメータが最適化されている。
このプリンター1では、印刷の高速化が求められている。印刷を高速化するためには、インク滴の吐出周波数を高める必要がある。ここで、インク供給口42から圧力室43を経てノズル44に至る一連のインク流路は、前述したようにヘルムホルツの共鳴器のように動作をする。このため、インク滴を吐出した後に圧力室43のインクには圧力振動が残る。この圧力振動(残留振動)は時間の経過とともに減衰するが、吐出周波数を高めた場合には残留振動が減衰されない状態で次の吐出パルスPS1,PS3の印加を開始せざるを得ない。従って、インク滴の吐出を安定化させるためには、各吐出パルスPS1,PS3の波形を最適化する必要がある。なお、以下の説明において、各吐出パルスPS1,PS3をまとめて説明する場合には、単に吐出パルスPSともいう。
図7は、この種のプリンター1で用いられるインクを用いた場合のインク滴の吐出動作をシュミレーションした結果である。図において、縦軸はメニスカス(ノズル44で露出しているインクの自由表面)の状態をインクの量で示しており、横軸は吐出パルスPSの印加開始からの経過時間を示す。インク量に関し、数値[0]は定常状態(大気圧とバランスしている状態)におけるメニスカスの位置を示している。そして、数値が正側(+側)に大きくなると、その分メニスカスが吐出側へ移動していることを意味し、負側(−側)に大きくなると、その分メニスカスが圧力室43側へ移動していることを意味する。
図8は、図7におけるメニスカスの移動速度を説明する図である。図8において、縦軸はメニスカスの移動速度を示しており、横軸は時間である。縦軸に関し、0はメニスカスが圧力室43側にも吐出側にも移動していない状態を示す。例えば、ピエゾ素子45が動作しておらずメニスカスが静止している状態、圧力室43側に移動していたメニスカスが吐出側へ移動方向を切り替える瞬間の状態、反対に吐出側に移動していたメニスカスが圧力室4343側へ移動方向を切り替える瞬間の状態が該当する。そして、正側に値が大きくなるほどメニスカスは吐出側へ移動速度を増し、負側に値が大きくなるほどメニスカスは圧力室43側へ移動速度を増していることを示す。
これらの図を参照しつつ、吐出パルスPSをピエゾ素子45へ印加した場合におけるインクの挙動について説明する。
1つの吐出パルスPSによってインク滴を吐出させた場合について説明する。まず、吐出パルスPSの第1減圧部分d1がピエゾ素子45へ印加される。この第1減圧部分d1は、中間電圧VBから最低電圧VLまで一定の勾配で電圧を下降させる部分である。そして、第1減圧部分d1がピエゾ素子45へ印加されると、圧力室43は中間電圧VBに対応する基準容積から最低電圧VLに対応する最大容積まで膨張する。この膨張に伴い圧力室43内のインクが負圧となり、インクがインク供給口42を通じて圧力室43側に流入する。また、インクが負圧になったことに伴って、メニスカスがノズル44内で圧力室43側(−側)に引き込まれる。このような動作をピエゾ素子45に行わせる第1減圧部分d1は、インク滴を吐出させる準備動作として、基準容積の圧力室43を最大容積まで膨張させる動作をピエゾ素子45に行わせる第1部分に相当する。
第1減圧部分d1に続いて第1ホールド部分h1が生成される。この第1ホールド部分h1は、最低電圧VLで一定の部分であり、第1減圧部分d1(第1部分)の印加終了時におけるピエゾ素子45の状態を維持する第2部分に相当する。第1減圧部分d1の印加に伴うメニスカスの圧力室43側への移動は、第1減圧部分d1の印加終了後も継続される。すなわち、圧力室43を区画する壁部や振動板46のコンプライアンス等により、メニスカスは第1ホールド部分h1の印加期間中も圧力室43側へ移動する。その後、タイミングtaにて、メニスカスの移動方向が反転する。このとき、加圧部分c1の印加に伴う圧力室43の収縮も加わる。
ここで、加圧部分c1は、最低電圧VLから最高電圧まで所定の急勾配で電圧を上昇させる。この加圧部分c1がピエゾ素子45へ印加されると、圧力室43は、最低電圧VLに対応する最大容積から最高電圧VHに対応する最小容積まで急激に収縮する。この圧力室43の収縮に伴って圧力室43内のインク圧力が高くなり、メニスカスは吐出側(+側)へ高速で移動する。加圧部分c1の印加に伴って移動したメニスカスは柱状になる。そして、加圧部分c1のピエゾ素子45への印加終了後(第2ホールド部分h2の印加中)のタイミングtcにて、ノズル44からインク滴が吐出される。すなわち、柱状になったメニスカスの先端側の一部分が切れ、滴状になって吐出される。このため、加圧部分c1は、第1ホールド部分h1(第2部分)に続いて生成されて圧力室43を収縮させる動作をピエゾ素子45に行わせ、ノズル44からインク滴を吐出させる第3部分に相当する。また、第2ホールド部分h2は、最高電圧VHで一定の部分であって、加圧部分c1(第3部分)の印加終了時におけるピエゾ素子45の状態を維持する第4部分に相当する。なお、図7において、タイミングtcでのインク量Xaが吐出されたインク滴の量を示す。
吐出の反動で、メニスカスは圧力室43側に速い速度で戻る。その際に、第2減圧部分d2がピエゾ素子45へ印加されて圧力室43は基準容積に戻る。このときの容積変化によってメニスカスの移動速度を緩やかにする。すなわち、第2減圧部分d2は、最高電圧VHから中間電圧VBまで電圧を下降させる部分であり、ピエゾ素子45を基準状態に戻す第5部分に相当する。そして、メニスカスは、圧力室43側に十分引き込まれると、移動方向を吐出側に切り替える(タイミングtd)。その後、メニスカスは、移動方向を圧力室43側と吐出側とに切り替えながら移動し、定常状態に近付く。このように、メニスカスが圧力室43側と吐出側と移動するのは、前述したように、インク滴吐出後の残留振動による。従って、圧力室43内のインクの圧力は、ヘルムホルツ周期Tcで変化する。
図8に示すメニスカスの移動速度は、メニスカスのインク量と位相がずれた関係になっている。例えば、第1減圧部分d1によってメニスカスが引き込まれたタイミングta、メニスカスが吐出された瞬間のタイミングtc、インク滴の吐出後にメニスカスが引き込まれたタイミングtdにおいて、メニスカス速度は0を示す。また、加圧部分c1によってインク滴が吐出方向へ移動している最中のタイミングtbにおいて、メニスカス速度は最高値を示す。
このように、インク滴を吐出させるに際して圧力室43内のインクに圧力振動を生じさせている関係から、このプリンター1でインク滴の吐出を安定化するためには、インク滴の吐出前に行う準備工程が重要となる。この準備工程によって、ピエゾ素子45がインク滴を吐出させる動作を行うときのインクの状態が変わるからである。例えば、加圧部分c1のピエゾ素子45への印加開始時点における圧力の大きさや単位時間あたりの圧力の変化度合いが異なれば、加圧部分c1が同じであっても吐出されるインク滴の量や飛行速度が異なる。このため、上記の各吐出パルスPS(PS1,PS3)では、加圧部分c1による圧力室43を収縮させる工程よりも前の、基準容積の圧力室43を最大容積まで膨張させる工程、及び、圧力室43を最大容積で維持する工程が重要になる。
そこで、このプリンター1では、第1減圧部分d1と第1ホールド部分h1を適宜調整しつつインク滴の飛行速度を測定し、飛行速度のばらつきの評価結果に応じて、各吐出パルスPSの最適化を図っている。以下、詳細に説明する。
<評価装置について>
まず、吐出パルスPSの電圧波形を定めるための評価装置について説明する。この評価装置は、プリンター1に組み込む前のヘッドHDについてインク滴を吐出させ、飛行速度のばらつきについて評価を行う。図9に示すように、評価装置100は、駆動信号生成回路110と、制御部120と、検出部130とを有する。評価装置100の駆動信号生成回路110は、プリンター1が有する駆動信号生成回路30と同じ構成である。図示は省略したが、評価装置100の駆動信号生成回路110もまた、DAC回路と、電圧増幅回路と、電流増幅回路とを有している。制御部120は、CPU121とメモリー122とを有し、メモリー122はROM122aとRAM122bとを有する。ROM122aには、評価装置100を動作させるためのコンピュータプログラム(ファームウェア)が記憶されている。また、評価用の駆動信号COM(吐出パルスPS)を生成するためのDACデータも記憶されている。従って、CPU121は、DACデータを読み出して駆動信号生成回路110に出力する。駆動信号生成回路110は、DACデータに応じた電圧の駆動信号COMを生成する。また、CPU121は、ヘッド制御部HCにヘッド制御信号を出力する。RAM122bは、動作時のワークエリア等として機能する。また、RAM122bの一部領域は、測定された飛行速度の情報を記憶する速度情報記憶部122cとして機能する。検出部130は、発光部131,132と受光部133,134とを有する。発光部131,132は、例えば半導体レーザーにより、受光部133,134は例えばフォトダイオードにより構成される。本実施形態においては、発光部131,132と受光部133,134とは対をなしており、上下方向に所定の高さHだけ離れた位置に設けられている。発光部131,132は、レーザー光線がインク滴の飛行軌跡と交差する位置に設けられる。本実施形態において、ヘッドHDは、移動可能な取付部材(図示せず)に取り付けられている。そして、発光部131,132からのレーザー光線は、1つのノズル列を構成する各ノズル44から吐出されたインク滴の飛行軌跡と交わるように、そのノズル列の鉛直下方に照射される。
この評価装置100において制御部120は、上側の受光部133及び下側の受光部134からの検出信号を監視している。図9Bに示すように、各受光部133,134は、発光部131,132からのレーザー光線を受けている状態において、Hレベルの検出信号を出力する。そして、インク滴によってレーザー光線が遮られると、その期間においてLレベルの検出信号DP1,DP2を出力する。従って、制御部120は、上側の受光部133での検出タイミングから下側の受光部134での検出タイミングまでの経過時間DTと、前述の高さHとから、そのインク滴の飛行速度を求めることができる。
<評価手順について>
次に、この評価装置100を用いた評価手順について説明する。図10のフローチャートに示すように、この評価手順では、まず吐出パルスPSの初期設定を行う(初期設定工程,S1)。すなわち、制御部120は、吐出パルスPSの初期条件をメモリー122から読み出す。初期設定を行ったら制御部120は、ヘッドHDからインク滴を吐出させる(吐出工程,S2)。このとき制御部120は、駆動信号生成回路110にDACデータを出力するとともにヘッド制御部HCに対してヘッド制御信号を出力する。これにより、所望のノズル列における所望のノズル44から選択的にインク滴が吐出される。また、制御部120は、吐出されたインク滴の飛行速度を測定する(測定工程,S3)。前述したように、制御部120は、受光部133,134からの検出信号を監視しており、2つの受光部133,134におけるインク滴の検出タイミングの差DTからインク滴の飛行速度を求める。そして、求めた飛行速度を示す情報を、速度情報としてメモリー122の速度情報記憶部122cに記憶させる。飛行速度を測定したら制御部120は、インク滴の吐出が所定数行われたかを判断する(判断工程,S4)。ここでは、或る電圧波形の吐出パルスPSによって、ヘッドHDが有するすべてのノズル44からインク滴を吐出させたか否かを判断する。そして、まだ未吐出のノズル44がある場合(S4でN)には、そのノズル44についてインク滴の吐出を行わせる(S2)。一方、或る電圧波形の吐出パルスPSによってすべてのノズル44からインク滴を吐出させた場合(S4でY)には、制御部120は、測定対象となるすべての電圧波形でインク滴の吐出が行われたか否かを判断する(判断工程,S5)。ここで、まだ測定を行っていない電圧波形の吐出パルスPSがある場合(S5でN)には、吐出パルスPSの電圧波形を変更し(波形変更工程,S6)、ステップS2に移行する。この実施形態では、後述するように、吐出パルスPSが有する第1減圧部分d1と第1ホールド部分h1について、その生成期間Pwd1,Pwh1を変えながら測定を行う。
吐出パルスPSについて、すべての電圧波形の測定が終了したならば(S5でY)、制御部120はばらつきの評価を行う(評価工程,S7)。ばらつきの評価では、測定した飛行速度についてのばらつきを評価する。例えば、測定された飛行速度とノズル列内におけるノズル番号との関係から、ノズル44毎の飛行速度のばらつきを評価する。すなわち、ばらつきの大きさを比較する。ばらつきを評価したならば、吐出パルスPSの電圧波形を決定する(波形決定工程,S8)。この場合、ばらつきが許容値以下の電圧波形を選択する。ここで、良評価の電圧波形が複数存在する場合、種々の観点から1つの電圧波形を決定する。例えば、プリンター1の仕様に適した飛行速度がえられる電圧波形とする。また、生成期間が最も短くなる電圧波形とする。生成期間が最も短い電圧波形を選択した場合、インク滴を高い周波数で吐出できるので、印刷の高速化が図れる。吐出パルスPSの電圧波形を決定したならば、その電圧波形を示す情報(波形情報)を記憶した識別シールQLを作成し、そのヘッドHDに貼付する(情報記憶工程,S9)。ここで作成される識別シールQLには、例えば図3Dで説明した2次元バーコードが記録される。そして、波形情報は、ヘッドHDの特性を示す他の情報とともに2次元バーコードに記録される。
識別シールQLをヘッドHDに貼付したならば、ヘッドHDの組み付けを行う(組付工程,S10)。この実施形態では、プリンター1の本体にヘッドHDを組み付ける。ここで、プリンター1の本体とは、プリンター1におけるキャリッジCRを除いた部分を意味する。従って、ステップS10では、まずヘッドHDをキャリッジCRに取り付け、その後ヘッドHDが取り付けられたキャリッジCRをプリンター1の本体に取り付けることになる。ヘッドHDの組み付けが終了したならば、プリンター1のメモリー63に、波形情報を記憶させる(情報記憶工程,S11)。これにより、電圧波形が決定された吐出パルスPSを含んだ駆動信号COMを、プリンター1の駆動信号生成回路30によって生成できるようになる。
<測定及び評価の具体例>
次に、飛行速度の測定及びばらつき評価の具体例について説明する。この実施形態では、インク滴を吐出させるための加圧部分c1よりも前に生成される第1減圧部分d1及び第1ホールド部分h1について、これらの生成時間Pwd1,Pwh1を種々変更しながらインク滴の飛行速度を測定し、評価を行っている。これらの部分d1,h1を調整することで、インク滴の吐出に直接関わる加圧部分c1について、そのピエゾ素子45への印加開始時点におけるインク圧力を最適化できるからである。
図11は、第1ホールド部分h1の生成期間Pwh1を2.0μsに固定し、第1減圧部分d1の生成期間Pwd1を3.5μsから5.3μsまで変化させて得られたインク滴の飛行速度Vmを示す図である。図12は、第1減圧部分d1の生成期間Pwd1を4.1μsに固定し、第1ホールド部分h1の生成期間Pwh1を1.8μsから3.3μsまで変化させて得られたインク滴の飛行速度Vmを示す図である。これらの図において、縦軸は飛行速度Vmであり、横軸はノズル番号である。図13は、図11の測定結果に対応する平均飛行速度Vm(Av)と第1減圧部分d1の生成期間Pwd1の関係を示す図である。なお、図13では、第1減圧部分d1の生成期間Pwd1を7.5μsまで変化させている。図14は、図13に対応する飛行速度Vmのばらつきを説明する図である。図15は、図12の測定結果に対応する平均飛行速度Vm(Av)と第1ホールド部分h1の生成期間Pwh1の関係を示す図である。なお、図15では、第1ホールド部分h1の生成期間Pwh1を1.5μsから4.2μsまで変化させている。図16は、図15に対応する飛行速度Vmのばらつきを説明する図である。
飛行速度Vmのばらつきで17%以下を判断基準値にすると、第1減圧部分d1の生成期間が5.0μs以上であれば、ばらつきが許容範囲内に収まるといえる。また、第1ホールド部分h1の生成期間Pwh1については、1.5μs又は3.0μsから3.6μsの範囲内であれば、ばらつきが許容範囲内に収まるといえる。
これらの結果において許容される生成期間に幅があるが、このような場合、他の観点から吐出パルスPSの電圧波形を設定する。例えば、第1減圧部分d1の生成期間Pwd1を変えた場合、インク滴の平均飛行速度Vmについては、5.0μs以上において大きな変化はない。そうすると吐出パルスPSの生成期間をできるだけ短くしてインク滴の高周波吐出に適合させることが好ましいといえる。その結果、第1減圧部分d1の生成期間Pwd1は、許容される最も短い期間である5.0μsがよいといえる。また、第1ホールド部分h1の生成期間Pwh1に関しては、1.5μsと、3.0μsから3.6μsの範囲とで、インク滴の飛行速度Vmが大きく異なる。すなわち、第1ホールド部分h1を1.5μsに定めた場合、3.0μsから3.6μsの範囲に定めた場合よりもインク滴の飛行速度Vmは十分に速い。このように、インク滴の飛行速度Vmに有意の差があることから、インク滴の飛行速度Vmを高めたいときには第1ホールド部分h1を1.5μsに定めることが好ましく、高める必要のないときには第1ホールド部分h1を3.0μsから3.6μsの範囲に定めることが好ましいといえる。なお、吐出パルスPSに必要な生成期間をできるだけ短くしてインク滴の高周波吐出を求める場合には、第1ホールド部分h1を1.5μsに定めることが好ましいといえる。
図17A,B及び図18A,Bは、調整前における仮設定の吐出パルスPSと、調整後の吐出パルスPSとの比較を示す図である。すなわち、図17Aは、仮設定の吐出パルスPSをピエゾ素子45へ印加した場合におけるメニスカスの状態をインク量で示した図である。また、図17Bは、調整後の吐出パルスPSをピエゾ素子45へ印加した場合におけるメニスカスの状態をインク量で示した図である。図18Aは、仮設定の吐出パルスPSをピエゾ素子45へ印加した場合におけるメニスカスの移動速度を説明する図である。また、図18Bは、調整後の吐出パルスPSをピエゾ素子45へ印加した場合におけるメニスカスの移動速度を説明する図である。
符号A,A´で示すように、メニスカスの状態に関し、調整後の吐出パルスPSを用いた場合、インク滴吐出後におけるメニスカスの吐出側や引き込み側の振幅が、仮設定の吐出パルスPSを用いた場合よりも小さくなっていることが判る。同様に、符号B,B´,C,C´で示すように、メニスカスの移動速度に関しても調整後の吐出パルスPSを用いた場合、メニスカスの移動速度の変化が、仮設定の吐出パルスPSを用いた場合よりも小さくなっていることが判る。このことは、圧力振動に関して高次の振動モードが抑制されているからと推測される。
これらの結果から、第1減圧部分d1及び第1ホールド部分h1の生成期間Pwd1,Pwh1を最適化することで、インク滴の吐出を安定化できることが判る。
<まとめ>
以上説明したように、この実施形態によれば、加圧部分c1よりも前に生成される第1減圧部分d1及び第1ホールド部分h1の生成期間Pwd1,Pwh1を変えながらインク滴を吐出させる。そして、インク滴の飛行速度Vmを測定し、そのばらつきの大きさが予め定められた判断基準値以下となる生成期間となるように吐出パルスPSの電圧波形を定めている。これにより、インク滴を安定的に吐出させることができる。また、電圧波形による調整なので、細かな調整であっても容易に行え、かつ、調整精度も高い。
また、プリンター1には、駆動信号COM(吐出パルスPS)の電圧波形を定める波形情報(例えばDACデータ)を記憶するメモリー63を設けている。そして、吐出パルスPSの評価によって決定された電圧波形の情報をメモリー63に記憶させているので、所定の電圧波形に定められた駆動信号COMを駆動信号生成回路30によって高い精度で生成できる。この駆動信号生成回路30は、DAC回路31と電圧増幅回路32と電流増幅回路33とを有するので、メモリー63に記憶されたDACデータに基づいて、電圧が精度良く定められた駆動信号COMを生成できる。
また、ヘッドHDによるインク滴の吐出や飛行速度Vmの測定等の各工程を、プリンター1の本体に組み込む前のヘッドHDに対して行っている。このため、プリンター1に組み立てた後に行うよりも作業性が向上し、量産に適する。
また、この実施形態では、インク滴の吐出条件を定めるに際し、第1減圧部分d1及び第1ホールド部分h1の一方について生成期間(条件)を固定したまま、他方の生成期間を変更してインク滴を吐出させた後、第1減圧部分d1及び第1ホールド部分h1の他方の条件を固定したまま、一方の条件を変更してインク滴を吐出させている。このようにすることで、手順の簡素化が図れて自動化が容易となり、量産に適する。
さらに、吐出パルスPSの電圧波形の決定に際し、判断基準値を満たす条件が複数ある場合には、吐出パルスPS生成期間が最も短い条件に決定する。これにより、インク滴の高周波吐出に適した吐出パルスPSを設定できる。
===その他の実施形態について===
前述の実施形態は、主として、液体吐出装置としてのプリンター1を有する印刷システムについて記載されているが、その中には、液体吐出方法、液体吐出システム、駆動信号COM設定方法、吐出パルスの決定方法等の開示も含まれている。また、液体吐出ヘッドや液体吐出ヘッドの制御方法の開示も含まれている。また、この実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<吐出パルスPS1,PS3について>
前述の実施形態では、第1減圧部分d1と第1ホールド部分h1の時間幅を変化させたが、第1減圧部分d1の開始電圧から終了電圧までの電圧差を変えてもよい。なお、第1ホールド部分h1に関しても、ピエゾ素子45の状態を維持できる範囲であれば、開始電圧から終了電圧までの電圧差を変えてもよい。
<評価装置100について>
前述の実施形態では、工程内の評価装置100を用いる場合について説明したが、工程内の評価装置100に限られない。例えば、インク滴について、飛行速度Vmの検出機構を有するプリンター1であれば、プリンター1のみであっても吐出パルスPSの電圧波形を設定できる。この場合、ユーザーの下で駆動信号COMの電圧波形を設定できるという利点がある。
<圧力室43のインクに圧力変化を与える素子について>
前述の実施形態では、圧力室43のインクに圧力変化を与える素子として、駆動信号COMの電圧上昇に伴って圧力室43を収縮させるピエゾ素子45を例示したが、これに限られない。例えば、駆動信号COMの電圧上昇に伴って圧力室43を膨張させるピエゾ素子であってもよい。また、他の電気機械変換素子であってもよい。
<駆動信号生成回路30について>
前述の実施形態では、DACデータをプリンター1のメモリー63に記憶させる場合について説明したが、これに限られない。例えば、DACデータの基となるデータ(駆動信号COMの傾きが変化する点の座標データ(電圧,時間)を記憶させてもよい。この場合、主制御部60は、座標データに基づいてDACデータを生成して出力する。また、DAC回路31を有するプリンター1に限られない。要するに、上述の手順で波形が設定された吐出パルスPS1を生成するものであれば、駆動信号生成回路30をトランジスタやコンデンサ等のアナログ素子で構成してもよい。そして、前述の実施形態のように、DAC回路31等によって駆動信号COMを生成すると、電圧波形を精度良く定めることができる。
<駆動信号COM等について>
前述の実施形態における駆動信号COMは一例であり、種々の態様が考えられる。例えば、吐出パルスPSに関し、第1減圧部分d1と第1ホールド部分h1に対応する部分を有していれば、波形が異なっていてもよい。
<他の形式のプリンターについて>
前述の実施形態では、ヘッドHDを移動方向へ移動させつつノズル44からインク滴を吐出させるドット形成動作と、用紙Sを紙送り方向へ搬送する紙送り動作とを交互に行うことで用紙Sへ画像を印刷していたが、この方式のプリンター1に限られない。例えば、紙幅サイズのラインヘッドHDを固定し、用紙Sを紙送り方向へ移動させることで画像を印刷するラインプリンターであってもよい。
<他の応用例について>
前述の実施形態では、液体吐出装置としてプリンター1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
1 プリンター,10 用紙搬送機構,11 プラテン,12 搬送ローラー,13 排紙ローラー,14 搬送モーター,20 キャリッジ移動機構,21 タイミングベルト,22 キャリッジモーター,23 ガイド軸,24 駆動プーリー,25 アイドラプーリー,30 駆動信号生成回路,31 DAC回路,32 電圧増幅回路,33 電流増幅回路,40 ヘッドユニット,41 共通インク室,42 インク供給口,43 圧力室,44 ノズル,45 ピエゾ素子,46 振動板,47 スイッチ,50 検出器群,51 リニアエンコーダー,52 温度センサー,60 主制御部,61 インタフェース部,62 CPU,63 メモリー,100 評価装置,110 駆動信号生成回路,120 制御部,130 検出部,121 CPU,122 メモリー,122a ROM,122b RAM,122c 速度情報記憶部,131 発光部,132 発光部,133 受光部,134 受光部,CP コンピューター,S 用紙,QL 識別シール,CR キャリッジ,IC インクカートリッジ,HD ヘッド,HC ヘッド制御部,Nk ブラックインクノズル列,Nc シアンインクノズル列,Nm マゼンタインクノズル列,Ny イエローインクノズル列,HC ヘッド制御部,COM 駆動信号,T 繰り返し周期,VB 中間電圧,VL 最低電圧,PS1 吐出パルス,PS3 吐出パルス,d1 第1減圧部分,h1 第1ホールド部分,c1 加圧部分,h2 第2ホールド部分,d2 第2減圧部分,Pwd1 第1減圧部分の生成期間,Pwh1 第1ホールド部分の生成期間

Claims (7)

  1. ノズルに連通された圧力室、及び、印加された動作信号の電圧に応じて前記圧力室の容積を変化させる素子を有する液体吐出ヘッドと、
    前記圧力室を膨張させる動作を前記素子に行わせる第1部分、前記第1部分に続いて生成されて前記第1部分の印加終了時における前記素子の状態を維持する第2部分、及び、前記第2部分に続いて生成されて前記圧力室を収縮させる動作を前記素子に行わせ、前記ノズルから液体滴を吐出させる第3部分を少なくとも含んだ動作信号を生成する信号生成部と、
    を有する液体吐出装置の製造方法であって、
    前記第1部分と前記第2部分の少なくとも一方について、生成期間と開始電圧から終了電圧までの電圧差の少なくとも一方を変えた複数の条件で、前記液体滴を吐出させる吐出工程と、
    吐出された液体滴の飛行速度を測定する測定工程と、
    測定した飛行速度のばらつきが許容範囲内か否かを評価する評価工程と、
    ばらつきが許容範囲内と評価された条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する波形決定工程と、
    を行い、
    前記吐出工程では、
    前記第1部分及び前記第2部分の一方の条件を固定したまま、他方の条件を変更して前記液体滴を吐出させた後、前記第1部分及び前記第2部分の他方の条件を固定したまま、一方の条件を変更して前記液体滴を吐出させる液体吐出装置の製造方法。
  2. 前記液体吐出装置は、前記動作信号の電圧波形を示す波形情報を記憶するメモリーをさらに有し、
    決定された電圧波形の波形情報を前記メモリーに記憶させる記憶工程を、前記波形決定工程の後に行う、
    請求項1に記載の液体吐出装置の製造方法。
  3. 前記信号生成部は、
    前記メモリーから読み出された前記波形情報をアナログ信号に変換する変換部と、
    前記素子が動作するレベルまで、前記アナログ信号の電圧と電流の少なくとも一方を増幅する増幅部と、
    を有する請求項2に記載の液体吐出装置の製造方法。
  4. 前記吐出工程、前記測定工程、及び、前記評価工程は、
    前記液体吐出装置の本体に組み付ける前の前記液体吐出ヘッドに対して行う、
    請求項1から3の何れか1項に記載の液体吐出装置の製造方法。
  5. 前記吐出工程では、
    前記第1部分及び前記第2部分の一方の生成期間を固定したまま、他方の生成期間を変更して前記液体滴を吐出させた後、前記第1部分及び前記第2部分の他方の生成期間を固定したまま、一方の生成期間を変更して前記液体滴を吐出させる、
    請求項1から4の何れか1項に記載の液体吐出装置の製造方法。
  6. 前記波形決定工程では、
    ばらつきが許容範囲内と評価された条件であって前記生成期間が最も短い条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する、請求項5に記載の液体吐出装置の製造方法。
  7. ノズルに連通された圧力室、及び、印加された動作信号の電圧に応じて前記圧力室の容積を変化させる素子を有する液体吐出ヘッドを有し、
    前記圧力室を膨張させる動作を前記素子に行わせる第1部分、前記第1部分に続いて生成されて前記第1部分の印加終了時における前記素子の状態を維持する第2部分、及び、前記第2部分に続いて生成されて前記圧力室を収縮させる動作を前記素子に行わせ、前記ノズルから液体滴を吐出させる第3部分を少なくとも含んだ吐出パルスによって、前記ノズルから液体滴を吐出させる液体吐出装置の、吐出パルス設定方法であって、
    前記第1部分と前記第2部分の少なくとも一方について、生成期間と開始電圧から終了電圧までの電圧差の少なくとも一方を変えた複数の条件で、前記液体滴を吐出させる吐出工程と、
    吐出された液体滴の飛行速度を測定する測定工程と、
    測定した液体滴のばらつきが許容範囲内か否かを評価する評価工程と、
    ばらつきが許容範囲内と評価された条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する波形決定工程と、
    を行い、
    前記吐出工程では、
    前記第1部分及び前記第2部分の一方の条件を固定したまま、他方の条件を変更して前記液体滴を吐出させた後、前記第1部分及び前記第2部分の他方の条件を固定したまま、一方の条件を変更して前記液体滴を吐出させる吐出パルス設定方法。
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