JP5359402B2 - 液体吐出装置の製造方法、及び、吐出パルス設定方法 - Google Patents
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Description
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、調整の容易化を図ることにある。また、調整精度を高めることにある。
ノズルに連通された圧力室、及び、印加された動作信号の電圧に応じて前記圧力室の容積を変化させる素子を有する液体吐出ヘッドと、
前記圧力室を膨張させる動作を前記素子に行わせる第1部分、前記第1部分に続いて生成されて前記第1部分の印加終了時における前記素子の状態を維持する第2部分、及び、前記第2部分に続いて生成されて前記圧力室を収縮させる動作を前記素子に行わせ、前記ノズルから液体滴を吐出させる第3部分を少なくとも含んだ動作信号を生成する信号生成部と、
を有する液体吐出装置の製造方法であって、
前記第1部分と前記第2部分の少なくとも一方について、生成期間と開始電圧から終了電圧までの電圧差の少なくとも一方を変えた複数の条件で、前記液体滴を吐出させる吐出工程と、
吐出された液体滴の飛行速度を測定する測定工程と、
測定した飛行速度のばらつきが許容範囲内か否かを評価する評価工程と、
ばらつきが許容範囲内と評価された条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する波形決定工程と、
を行い、
前記吐出工程では、
前記第1部分及び前記第2部分の一方の条件を固定したまま、他方の条件を変更して前記液体滴を吐出させた後、前記第1部分及び前記第2部分の他方の条件を固定したまま、一方の条件を変更して前記液体滴を吐出させる液体吐出装置の製造方法である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
このような製造方法によれば、液体滴を吐出させるための第3部分よりも前に生成され、素子へ印加される第1部分及び第2部分を最適化することで、吐出能力のばらつきを調整しているので、調整を容易に行える。また、調整精度を高めることもできる。
このような製造方法によれば、メモリーに記憶された波形情報を用いて、信号生成部が、所定の電圧波形に定められた動作信号を生成できる。
このような製造方法によれば、所定の電圧波形に精度良く定められた動作信号を、信号生成部で生成できる。
このような製造方法によれば、作業性が向上し、量産に適する。
このような製造方法によれば、手順の簡素化が図れ、量産に適する。
このような製造方法によれば、手順の簡素化が図れ、量産に適する。
このような製造方法によれば、液体滴の高周波吐出に適した動作信号を設定できる。
すなわち、ノズルに連通された圧力室、及び、印加された動作信号の電圧に応じて前記圧力室の容積を変化させる素子を有する液体吐出ヘッドを有し、前記圧力室を膨張させる動作を前記素子に行わせる第1部分、前記第1部分に続いて生成されて前記第1部分の印加終了時における前記素子の状態を維持する第2部分、及び、前記第2部分に続いて生成されて前記圧力室を収縮させる動作を前記素子に行わせ、前記ノズルから液体滴を吐出させる第3部分を少なくとも含んだ吐出パルスによって、前記ノズルから液体滴を吐出させる液体吐出装置の、吐出パルス設定方法であって、前記第1部分と前記第2部分の少なくとも一方について、生成期間と開始電圧から終了電圧までの電圧差の少なくとも一方を変えた複数の条件で、前記液体滴を吐出させる吐出工程と、吐出された液体滴の飛行速度を測定する測定工程と、測定した液体滴のばらつきが許容範囲内か否かを評価する評価工程と、ばらつきが許容範囲内と評価された条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する波形決定工程と、を行う吐出パルス設定方法を実現できることも明らかにされる。
<印刷システムについて>
図1に例示した印刷システムは、プリンター1と、コンピューターCPとを有する。プリンター1は液体吐出装置に相当し、用紙、布、フィルム等の媒体に向けて、液体の一種であるインクを吐出する。媒体は、液体が吐出される対象となる対象物である。コンピューターCPは、プリンター1と通信可能に接続されている。プリンター1に画像を印刷させるため、コンピューターCPは、その画像に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
プリンター1は、用紙搬送機構10、キャリッジ移動機構20、駆動信号生成回路30、ヘッドユニット40、検出器群50、及び、主制御部60を有する。
<ヘッドHDについて>
図3Aに示すように、ヘッドHDは、共通インク室41と、インク供給口42と、圧力室43と、ノズル44とを有する。そして、共通インク室41から圧力室43を通ってノズル44に至る一連のインク流路(液体で満たされる液体流路に相当する)をノズル44に対応する複数有している。共通インク室41は、インクカートリッジICからのインクが貯留される部分であり、共通液室に相当する。インク供給口42は、共通インク室41に溜められたインクを圧力室43に供給するための絞り流路であり、液体供給部の一種である。圧力室43は、インク流路内のインクに圧力変化を与えるための部分である。ノズル44は、インクが吐出される部分であり、圧力室43と連通している。
前述したように、このヘッドHDにはインク流路がノズル44毎に設けられている。このインク流路では、圧力室43に対してノズル44及びインク供給口42がそれぞれ連通している。このため、インクの流れなどの特性を解析する場合、ヘルムホルツの共鳴器の考え方が適用される。図3Bは、この考え方に基づくインク流路の構造を模式的に説明する図である。模式的に示している関係から、図3Bではインク流路を実際とは異なる形状で示している。
Tc=1/f
f=1/2π√〔(Mn+Ms)/(Mn×Ms×(Cc+Ci))〕・・・(1)
式(1)において、Mnはノズル44のイナータンス(単位断面積あたりのインクの質量)、Msはインク供給口42のイナータンス、Ccは圧力室43のコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化、柔らかさの度合いを示す。)、Ciはインクのコンプライアンス(Ci=体積V/〔密度ρ×音速c2〕)である。
図3Cに示すように、このヘッドHDには複数のノズル44が設けられている。そして、紙送り方向(キャリッジ移動方向と交差する方向に相当する)に並ぶ複数のノズル44によってノズル列が構成され、複数のノズル列がキャリッジ移動方向に並んでいる。本実施形態では、1つのノズル列は100個前後のノズル44で構成され、隣り合うノズル44同士が所定間隔で設けられている。図2Bの例では、左端から順に、ブラックインクを噴射させるブラックインクノズル列Nk、シアンインクを噴射させるシアンインクノズル列Nc、マゼンタインクを噴射させるマゼンタインクノズル列Nm、及び、イエローインクを噴射させるイエローインクノズル列Nyが設けられている。従って、このプリンター1では4色でカラー印刷を行う。
主制御部60(メインコントローラー)は、プリンター1における全体的な制御を行う。例えば、コンピューターCPから受け取った印刷データや各検出器からの検出結果に基づいて制御対象部を制御し、用紙Sに画像を印刷させる。図1に示すように、主制御部60は、インタフェース部61と、CPU62と、メモリー63とを有する。インタフェース部61は、コンピューターCPとの間でデータの受け渡しを行う。CPU62は、プリンター1の全体的な制御を行う。メモリー63は、コンピュータープログラムを記憶する領域や作業領域等を確保する。例えば、ファームウェアを記憶したり、DACデータを記憶したりする。
駆動信号生成回路30は、主制御部60とともにパルス生成部として機能し、DACデータに基づき、吐出パルスPS1,PS3を含んだ駆動信号COMを生成する。図4に示すように、駆動信号生成回路30は、DAC回路31と、電圧増幅回路32と、電流増幅回路33とを有する。DAC回路31は、デジタルのDACデータをアナログ信号に変換する。前述したように、DACデータは動作信号の電圧波形を示す波形情報であるので、DAC回路31は、波形情報をアナログ信号に変換する変換部に相当する。電圧増幅回路32は、DAC回路31で変換されたアナログ信号の電圧を、ピエゾ素子45を駆動できるレベルまで増幅し、波形信号として出力する。電流増幅回路33は、電圧増幅回路32からの波形信号について電流の増幅をし、駆動信号COMとして出力する。この電流増幅回路33は、例えば、プッシュプル接続されたトランジスタ対によって構成される。これらの電圧増幅回路32及び電流増幅回路33は、ピエゾ素子45の動作レベルまで、アナログ信号の電圧と電流を増幅する増幅部に相当する。
ヘッド制御部HCは、駆動信号生成回路30で生成された駆動信号COMの必要部分をヘッド制御信号に基づいて選択し、ピエゾ素子45へ印加する。このため、ヘッド制御部HCは、図4に示すように、駆動信号COMの供給線の途中に、ピエゾ素子45毎に設けられた複数のスイッチ47を有する。ヘッド制御部HCは、ヘッド制御信号からスイッチ制御信号を生成する。このスイッチ制御信号によって各スイッチ47を制御することで、駆動信号COMの必要部分、例えば吐出パルスPS1,PS3がピエゾ素子45へ印加される。このとき、必要部分の選択の仕方次第で、ノズル44からのインクの吐出を制御できる。例えば、ドット階調に応じて必要な吐出パルスPS1,PS3を選択し、ピエゾ素子45へ印加できる。このようなヘッド制御部HCは、駆動信号COMに含まれる吐出パルスPS1,PS3を主制御部60からのヘッド制御信号に応じて選択し、ピエゾ素子45へ印加するパルス印加部に相当する。
次に、駆動信号生成回路30によって生成される駆動信号COMの概略について説明する。図5や図6に示すように、各駆動信号COMには、繰り返し生成される複数の吐出パルスPS1,PS3が含まれている。また、各駆動信号COMには、インク滴が吐出されない程度に、圧力室43内のインクに圧力変化を与え、インクの増粘を抑制する微振動パルスPS2,PS4も含まれている。この駆動信号COMは、ピエゾ素子45が有する上電極に印加される。これにより、固定電位とされた共通電極との間に波形に応じた電位差が生じる。その結果、ピエゾ素子45は波形(電圧)に応じて変形し、圧力室43の容積を変化させる。
図5の駆動信号COMに含まれる吐出パルスPS1と図6に含まれる吐出パルスPS3は、基本的な波形を共通にしており、いずれも第1減圧部分d1と第1ホールド部分h1と加圧部分c1と第2ホールド部分h2と第2減圧部分d2とを有する。これらの吐出パルスPS1,PS3の違いは、各部のパラメータ(開始電圧と終了電圧、及び、生成期間)にある。すなわち、吐出させるインク滴の量や吐出周波数に応じて各部のパラメータが最適化されている。
まず、吐出パルスPSの電圧波形を定めるための評価装置について説明する。この評価装置は、プリンター1に組み込む前のヘッドHDについてインク滴を吐出させ、飛行速度のばらつきについて評価を行う。図9に示すように、評価装置100は、駆動信号生成回路110と、制御部120と、検出部130とを有する。評価装置100の駆動信号生成回路110は、プリンター1が有する駆動信号生成回路30と同じ構成である。図示は省略したが、評価装置100の駆動信号生成回路110もまた、DAC回路と、電圧増幅回路と、電流増幅回路とを有している。制御部120は、CPU121とメモリー122とを有し、メモリー122はROM122aとRAM122bとを有する。ROM122aには、評価装置100を動作させるためのコンピュータプログラム(ファームウェア)が記憶されている。また、評価用の駆動信号COM(吐出パルスPS)を生成するためのDACデータも記憶されている。従って、CPU121は、DACデータを読み出して駆動信号生成回路110に出力する。駆動信号生成回路110は、DACデータに応じた電圧の駆動信号COMを生成する。また、CPU121は、ヘッド制御部HCにヘッド制御信号を出力する。RAM122bは、動作時のワークエリア等として機能する。また、RAM122bの一部領域は、測定された飛行速度の情報を記憶する速度情報記憶部122cとして機能する。検出部130は、発光部131,132と受光部133,134とを有する。発光部131,132は、例えば半導体レーザーにより、受光部133,134は例えばフォトダイオードにより構成される。本実施形態においては、発光部131,132と受光部133,134とは対をなしており、上下方向に所定の高さHだけ離れた位置に設けられている。発光部131,132は、レーザー光線がインク滴の飛行軌跡と交差する位置に設けられる。本実施形態において、ヘッドHDは、移動可能な取付部材(図示せず)に取り付けられている。そして、発光部131,132からのレーザー光線は、1つのノズル列を構成する各ノズル44から吐出されたインク滴の飛行軌跡と交わるように、そのノズル列の鉛直下方に照射される。
次に、この評価装置100を用いた評価手順について説明する。図10のフローチャートに示すように、この評価手順では、まず吐出パルスPSの初期設定を行う(初期設定工程,S1)。すなわち、制御部120は、吐出パルスPSの初期条件をメモリー122から読み出す。初期設定を行ったら制御部120は、ヘッドHDからインク滴を吐出させる(吐出工程,S2)。このとき制御部120は、駆動信号生成回路110にDACデータを出力するとともにヘッド制御部HCに対してヘッド制御信号を出力する。これにより、所望のノズル列における所望のノズル44から選択的にインク滴が吐出される。また、制御部120は、吐出されたインク滴の飛行速度を測定する(測定工程,S3)。前述したように、制御部120は、受光部133,134からの検出信号を監視しており、2つの受光部133,134におけるインク滴の検出タイミングの差DTからインク滴の飛行速度を求める。そして、求めた飛行速度を示す情報を、速度情報としてメモリー122の速度情報記憶部122cに記憶させる。飛行速度を測定したら制御部120は、インク滴の吐出が所定数行われたかを判断する(判断工程,S4)。ここでは、或る電圧波形の吐出パルスPSによって、ヘッドHDが有するすべてのノズル44からインク滴を吐出させたか否かを判断する。そして、まだ未吐出のノズル44がある場合(S4でN)には、そのノズル44についてインク滴の吐出を行わせる(S2)。一方、或る電圧波形の吐出パルスPSによってすべてのノズル44からインク滴を吐出させた場合(S4でY)には、制御部120は、測定対象となるすべての電圧波形でインク滴の吐出が行われたか否かを判断する(判断工程,S5)。ここで、まだ測定を行っていない電圧波形の吐出パルスPSがある場合(S5でN)には、吐出パルスPSの電圧波形を変更し(波形変更工程,S6)、ステップS2に移行する。この実施形態では、後述するように、吐出パルスPSが有する第1減圧部分d1と第1ホールド部分h1について、その生成期間Pwd1,Pwh1を変えながら測定を行う。
次に、飛行速度の測定及びばらつき評価の具体例について説明する。この実施形態では、インク滴を吐出させるための加圧部分c1よりも前に生成される第1減圧部分d1及び第1ホールド部分h1について、これらの生成時間Pwd1,Pwh1を種々変更しながらインク滴の飛行速度を測定し、評価を行っている。これらの部分d1,h1を調整することで、インク滴の吐出に直接関わる加圧部分c1について、そのピエゾ素子45への印加開始時点におけるインク圧力を最適化できるからである。
以上説明したように、この実施形態によれば、加圧部分c1よりも前に生成される第1減圧部分d1及び第1ホールド部分h1の生成期間Pwd1,Pwh1を変えながらインク滴を吐出させる。そして、インク滴の飛行速度Vmを測定し、そのばらつきの大きさが予め定められた判断基準値以下となる生成期間となるように吐出パルスPSの電圧波形を定めている。これにより、インク滴を安定的に吐出させることができる。また、電圧波形による調整なので、細かな調整であっても容易に行え、かつ、調整精度も高い。
前述の実施形態は、主として、液体吐出装置としてのプリンター1を有する印刷システムについて記載されているが、その中には、液体吐出方法、液体吐出システム、駆動信号COM設定方法、吐出パルスの決定方法等の開示も含まれている。また、液体吐出ヘッドや液体吐出ヘッドの制御方法の開示も含まれている。また、この実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、第1減圧部分d1と第1ホールド部分h1の時間幅を変化させたが、第1減圧部分d1の開始電圧から終了電圧までの電圧差を変えてもよい。なお、第1ホールド部分h1に関しても、ピエゾ素子45の状態を維持できる範囲であれば、開始電圧から終了電圧までの電圧差を変えてもよい。
前述の実施形態では、工程内の評価装置100を用いる場合について説明したが、工程内の評価装置100に限られない。例えば、インク滴について、飛行速度Vmの検出機構を有するプリンター1であれば、プリンター1のみであっても吐出パルスPSの電圧波形を設定できる。この場合、ユーザーの下で駆動信号COMの電圧波形を設定できるという利点がある。
前述の実施形態では、圧力室43のインクに圧力変化を与える素子として、駆動信号COMの電圧上昇に伴って圧力室43を収縮させるピエゾ素子45を例示したが、これに限られない。例えば、駆動信号COMの電圧上昇に伴って圧力室43を膨張させるピエゾ素子であってもよい。また、他の電気機械変換素子であってもよい。
前述の実施形態では、DACデータをプリンター1のメモリー63に記憶させる場合について説明したが、これに限られない。例えば、DACデータの基となるデータ(駆動信号COMの傾きが変化する点の座標データ(電圧,時間)を記憶させてもよい。この場合、主制御部60は、座標データに基づいてDACデータを生成して出力する。また、DAC回路31を有するプリンター1に限られない。要するに、上述の手順で波形が設定された吐出パルスPS1を生成するものであれば、駆動信号生成回路30をトランジスタやコンデンサ等のアナログ素子で構成してもよい。そして、前述の実施形態のように、DAC回路31等によって駆動信号COMを生成すると、電圧波形を精度良く定めることができる。
前述の実施形態における駆動信号COMは一例であり、種々の態様が考えられる。例えば、吐出パルスPSに関し、第1減圧部分d1と第1ホールド部分h1に対応する部分を有していれば、波形が異なっていてもよい。
前述の実施形態では、ヘッドHDを移動方向へ移動させつつノズル44からインク滴を吐出させるドット形成動作と、用紙Sを紙送り方向へ搬送する紙送り動作とを交互に行うことで用紙Sへ画像を印刷していたが、この方式のプリンター1に限られない。例えば、紙幅サイズのラインヘッドHDを固定し、用紙Sを紙送り方向へ移動させることで画像を印刷するラインプリンターであってもよい。
前述の実施形態では、液体吐出装置としてプリンター1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
Claims (7)
- ノズルに連通された圧力室、及び、印加された動作信号の電圧に応じて前記圧力室の容積を変化させる素子を有する液体吐出ヘッドと、
前記圧力室を膨張させる動作を前記素子に行わせる第1部分、前記第1部分に続いて生成されて前記第1部分の印加終了時における前記素子の状態を維持する第2部分、及び、前記第2部分に続いて生成されて前記圧力室を収縮させる動作を前記素子に行わせ、前記ノズルから液体滴を吐出させる第3部分を少なくとも含んだ動作信号を生成する信号生成部と、
を有する液体吐出装置の製造方法であって、
前記第1部分と前記第2部分の少なくとも一方について、生成期間と開始電圧から終了電圧までの電圧差の少なくとも一方を変えた複数の条件で、前記液体滴を吐出させる吐出工程と、
吐出された液体滴の飛行速度を測定する測定工程と、
測定した飛行速度のばらつきが許容範囲内か否かを評価する評価工程と、
ばらつきが許容範囲内と評価された条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する波形決定工程と、
を行い、
前記吐出工程では、
前記第1部分及び前記第2部分の一方の条件を固定したまま、他方の条件を変更して前記液体滴を吐出させた後、前記第1部分及び前記第2部分の他方の条件を固定したまま、一方の条件を変更して前記液体滴を吐出させる液体吐出装置の製造方法。 - 前記液体吐出装置は、前記動作信号の電圧波形を示す波形情報を記憶するメモリーをさらに有し、
決定された電圧波形の波形情報を前記メモリーに記憶させる記憶工程を、前記波形決定工程の後に行う、
請求項1に記載の液体吐出装置の製造方法。 - 前記信号生成部は、
前記メモリーから読み出された前記波形情報をアナログ信号に変換する変換部と、
前記素子が動作するレベルまで、前記アナログ信号の電圧と電流の少なくとも一方を増幅する増幅部と、
を有する請求項2に記載の液体吐出装置の製造方法。 - 前記吐出工程、前記測定工程、及び、前記評価工程は、
前記液体吐出装置の本体に組み付ける前の前記液体吐出ヘッドに対して行う、
請求項1から3の何れか1項に記載の液体吐出装置の製造方法。 - 前記吐出工程では、
前記第1部分及び前記第2部分の一方の生成期間を固定したまま、他方の生成期間を変更して前記液体滴を吐出させた後、前記第1部分及び前記第2部分の他方の生成期間を固定したまま、一方の生成期間を変更して前記液体滴を吐出させる、
請求項1から4の何れか1項に記載の液体吐出装置の製造方法。 - 前記波形決定工程では、
ばらつきが許容範囲内と評価された条件であって前記生成期間が最も短い条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する、請求項5に記載の液体吐出装置の製造方法。 - ノズルに連通された圧力室、及び、印加された動作信号の電圧に応じて前記圧力室の容積を変化させる素子を有する液体吐出ヘッドを有し、
前記圧力室を膨張させる動作を前記素子に行わせる第1部分、前記第1部分に続いて生成されて前記第1部分の印加終了時における前記素子の状態を維持する第2部分、及び、前記第2部分に続いて生成されて前記圧力室を収縮させる動作を前記素子に行わせ、前記ノズルから液体滴を吐出させる第3部分を少なくとも含んだ吐出パルスによって、前記ノズルから液体滴を吐出させる液体吐出装置の、吐出パルス設定方法であって、
前記第1部分と前記第2部分の少なくとも一方について、生成期間と開始電圧から終了電圧までの電圧差の少なくとも一方を変えた複数の条件で、前記液体滴を吐出させる吐出工程と、
吐出された液体滴の飛行速度を測定する測定工程と、
測定した液体滴のばらつきが許容範囲内か否かを評価する評価工程と、
ばらつきが許容範囲内と評価された条件で、前記動作信号の電圧波形を決定する波形決定工程と、
を行い、
前記吐出工程では、
前記第1部分及び前記第2部分の一方の条件を固定したまま、他方の条件を変更して前記液体滴を吐出させた後、前記第1部分及び前記第2部分の他方の条件を固定したまま、一方の条件を変更して前記液体滴を吐出させる吐出パルス設定方法。
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