JP3769370B2 - インクジェット式記録ヘッドの駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを圧力発生手段で加圧してインクを吐出させて文字や図形を記録する記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置を駆動させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録ヘッドにおいて、インク滴の吐出重量を増やすことは、高速な印字を実現する手段の一つである。インク滴の吐出重量を増やすためには圧力発生室を単純に収縮してインク滴を吐出する、いわゆる「押しうち」を行う方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いわゆる「押しうち」で吐出重量を増やして高速化を図ろうとするならば、圧力発生室の収縮量を増加させるしかなく、圧電振動子を用いて圧力発生室を加減圧する駆動方式ならば、駆動電圧を増加させてしまう、という問題が生じる。
【0004】
そこで、本発明では、圧力発生室の最大収縮量を増やすことなく、吐出インク重量を増やして、記録速度を向上することのできる駆動方法を提供する。
【0005】
更に、本発明では、環境温度の変化に対しても均一量のインク吐出量を確保することのできる駆動方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明におけるインクジェット式記録ヘッドの駆動方式は、ノズル開口と共通のインク室に連通する圧力発生室を備え、前記圧力発生室を圧電振動子により膨張、収縮させて前記圧力発生室へインクの補充、ノズル開口からのインク滴吐出を行うインクジェット式記録ヘッドにおいて、ノズルメニスカスが静止している状態から、圧力発生室を膨張(工程D1)もしくは収縮(工程C1)して圧力を増減し、増減後の圧力発生室の状態を保持している間のインクの流れによって、ノズルメニスカスがインク滴吐出側に押し出された状態を捉えて、インク滴吐出のための圧力発生室を膨張して最小圧力まで減圧した後にタイミングを合わせ、最大圧力まで圧力発生室を収縮させる工程、もしくは圧力発生室を直接最大圧力まで収縮させる工程を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、工程D1を行う場合、この工程D1によって膨張した圧力発生室の圧力をホールドする工程の時間が、ノズルメニスカスの固有振動周期Tの1/8倍以上3/8倍以下である。
【0008】
また、工程C1を行う場合、工程C1によって収縮した圧力発生室の圧力をホールドする工程の時間が、ノズルメニスカスの固有振動周期Tの5/8倍以上、7/8倍以下である。
【0009】
また、工程D1、工程C1において、インクの環境温度が最高保証温度の場合は圧力発生室の膨張量もしくは収縮量を最小にし、最低保障温度に近づくに従って圧力発生室の膨張量もしくは収縮量を最高にすることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
(実施例1)
以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明に使用するインクジェット式記録ヘッドの一実施例を示すものであって、図中の符号1は、駆動ユニットで、ジルコニアの薄板からなる振動板2の表面に、後述する圧力発生室4に対向するようにPZTからなる圧電振動板3、3、3‥‥を一体に固定して構成されている。
【0013】
5はスぺーサーで、圧力発生室4を形成するのに適した厚さ、例えば100μmのジルコニア(ZrO2)などのセラミック板に圧力発生室4、4、4‥‥の形状に一致した通孔を一定ピッチで穿設して構成されており、一方の面を振動板2で封止されている。
【0014】
6は圧力発生室4の他面を封止する基板で、圧力発生室4と対向する一端側にはノズル開口7、7、7‥‥と圧力発生室4を接続する連通口8、8、8‥‥が設けられ、また他端側には複数の圧力発生室4と共通のインク室10とを接続する連通口11、11、11‥‥が設けられている。この連通口11、11、11‥‥はノズル開口7、7、7‥‥とほぼ同等の流路抵抗を有する流路制限孔の役割も担っている。
【0015】
これら3つの部材1、5、6はそれぞれ積層されてユニットとして構成され、後述するユニット固定板12に取り付けられる。
【0016】
12は前述のユニット固定板で、一方の面に上述したユニットが所定の位置に接着剤で固定されており、連通口11と共通のインク室10とを接続する連通孔13が設けられ、また連通孔8に対向する位置にはノズル開口7と接続する連通孔14が設けられている。
【0017】
15は、後述する共通のインク室構成板16とユニット固定板12とを接合するための熱溶着フィルムで、共通のインク室10に一致する窓17、及びノズル開口7、7、7‥‥圧力発生室4、4、4‥‥とを接続する連通孔18、18、18‥‥とが穿設されている。
【0018】
16は、前述の共通のインク室構成板で、共通のインク室10を形成するに適した厚み、例えば120μmのステンレス鋼などの耐蝕性を備えた板材に、共通のインク室10の形状に対応する通孔と、圧力発生室4、4、4‥‥とノズル開口7、7、7‥‥とを接続する連通孔9、9、9‥‥を穿設して構成されている。
【0019】
25はノズルプレートで、ノズル開口7、7、7‥‥が穿設されていて、連通孔8、14、9を介して圧力発生室4、4、4‥‥に接続するように共通のインク室形成板16に熱溶着フィルム20で接着されている。
【0020】
このように構成されたインクジェット式記録ヘッドは、圧電振動板3に一定速度で上昇する電圧からなる駆動信号が印加されると、振動板2が圧力発生室4側にたわんで、圧力発生室4を収縮させる。これにより、圧力発生室4のインクが連通口8、14、9を経由してノズル開口7に至り、ここからインク滴を吐出する。
【0021】
インク滴形成後に駆動電圧を一定の速度で低下させると、圧電振動板3は元の位置に徐々に復帰して、圧力発生室4が膨張する。この過程でインク滴の形成により消費された分のインクが共通のインク室10から連通口13,11を経由して圧力発生室4に流入する。
【0022】
図2は、上述した記録ヘッドにより圧電振動板3のたわみ変位によりインク滴を吐出させるのに適した駆動波形の一実施例を示すものである。
【0023】
図に示すように駆動信号は、前回のインク滴吐出の一連の工程終了時の駆動電圧(中間駆動電圧VM)を保持する第一のホールド工程D8、中間駆動電圧VMから圧力発生室4を膨張させて第二ホールド電圧VSまで放電する第一の放電工程D1、工程D1によって膨張した圧力発生室4の状態を保持する第二のホールド工程D2、ノズル開口に形成されたインクのメニスカス(以降ノズルメニスカス)を圧力発生室4側に最大限引き込むための放電を行う第二の放電工程D3、インク滴を吐出させるためのタイミングを調整する第三のホールド工程D4、最大駆動電圧VHまで急激な充電を行うことにより圧力発生室を急激に収縮させてインク滴を吐出させる第一の充電工程D5、インク滴吐出後に生じた大きなノズルメニスカス振動の減衰タイミングを調整する第四のホールド工程D6、中間駆動電圧VMまで放電する第三の放電工程D7とから構成されている。
【0024】
図3は図2で示した駆動信号を発生させる駆動回路の一実施例を示すもので、図中符号21、22、23、24はそれぞれ制御手段48から供給されるパルス信号からなる制御信号の入力端子で、図4に示す周期T0で出力される印字信号のタイミングに基づいて入力端子21には第一の放電工程D1を制御する時間幅T1の第一の放電パルス、入力端子22には第一の充電工程D5を制御する時間幅T5の第一の充電パルス、入力端子23には第二の放電工程D3を制御する時間幅T3の第二の放電パルス、入力端子24には第三の放電工程D7を制御する時間幅T7の第三の放電パルスがそれぞれ入力する。
【0025】
入力端子22に入力した第一の充電パルスは、NPN型トランジスタ32のベースに入力しており、NPN型トランジスタ32が導通すると、PNP型トランジスタ33、34及び抵抗35により構成された定電流回路36が作動して、ノズル開口7から一定電流Iraでコンデンサ31を零電位から最大駆動電圧VHまで充電させる。
【0026】
一方、入力端子21に入力した第一の放電パルスは、NPN型トランジスタ27、28及び抵抗29からなる定電流回路30により、コンデンサ31の電荷を一定電流Ifaで放電させてメニスカスを圧力発生室側に引き込む。
【0027】
また入力端子23に入力した第二の放電パルスは、NPN型トランジスタ37、38及び抵抗39からなる定電流回路40により、コンデンサ31の電荷を第二ホールド電圧VSから零電位まで一定電流Ifbで放電させる。
【0028】
同様に、入力端子24に入力した第三の放電パルスは、NPN型トランジスタ41,42及び抵抗43からなる定電流回路44により、コンデンサ31の電荷を最大駆動電圧VHから中間駆動電位VMまで一定電流Ifcで放電させ、以後この電位を維持して次のインク滴の吐出に備えてメニスカスを平定する。
【0029】
トランジスタ34のベース―エミッタ間電圧をVbe34、抵抗35の抵抗値をRraとすると、充電電流Iraは、Ira=Vbe34/Rraとなり、またコンデンサ31の容量をCCとすると、最大駆動電圧VHまで電圧が立ち上がるに要する時間Traは、Tra=CC×VH/Iraとなる。
【0030】
一方、放電電流に関しては、定電流回路30のトランジスタ28のベース―エミッタ間電圧をVbe28、抵抗29の抵抗値をRfaとすると、Ifa=Vbe28/Rfaとなり、電圧ΔV分降下するのに要する時間Tfaは、Tfa=CC×ΔV/Ifaとなり、同様に、定電流回路40による放電電流Ifbは、Ifb=Vbe38/Rfbとなり、立ち下がり時間Tfbは、Tfb=CC×ΔV/Ifbとなる。また、定電流回路44による放電電流Ifcは、Ifc=Vbe42/Rfcとなり、立ち下がり時間Tfcは、Tfc=CC×ΔV/Ifcとなる。
【0031】
なお、図中符号45、46により示すトランジスタは電流増幅器を構成している。
【0032】
次に上記のように構成した装置の動作を説明する。
【0033】
前回の吐出より十分な時間、つまり第一ホールド工程(D8)の時間が例えば300マイクロ秒、経過した後、ノズルメニスカスはほぼ振動が減衰し、静止した状態である。第一ホールド終了と同時に、次の印字信号がホストから出力されると、制御手段48は第一の放電パルスを出力して、圧力発生室4を膨張させる(工程D1)。
【0034】
第一の放電工程D1によりノズルメニスカスは圧力発生室4側に引き込まれる。しかしながら、ノズルメニスカスは放電の傾きが緩い、つまりゆっくりと圧力発生室4を膨張させているときは、圧力発生室側にインク滴を引き込む力が弱いために、ノズル開口7の振動収束位置にメニスカスを回復させようとする力の影響を受けて、実際にノズル開口側から圧力発生室に引き込まれるインク滴の量は少ない(工程D1では、ノズルメニスカスをインク滴吐出方向に押しだす力になる)。
【0035】
工程D1によって圧力発生室4に流入されたインクの流れは、図5(a)の状態52で示すように、圧力発生室4に流入するインクのうち、ノズル開口側から流入する量は少なく、流入するインクの多くは共通のインク室10側から入り、圧力発生室4内で共通のインク室10からノズル開口7側に向かう流れが発生する。尚、51はメニスカス振動静止時のメニスカス位置を示す。
【0036】
第一の放電工程D1終了時点では、図5(b)の状態53に示すように、圧力発生室4の膨張により圧力発生室に流入されたインクはノズルメニスカスを圧力発生室4側にわずかに引き込み、共通のインク室10から圧力発生室4、ノズル開口7へと向かう流れを持った状態になる。
【0037】
第一の放電工程D1終了後、第二のホールド工程D2に推移すると、ノズルメニスカスは第一の放電工程D1終了直後の位置を初期位置とし、図5(b)の状態53に示すように、第一の放電工程D1終了直後では、インク流路の流れ方向は、圧力発生室4からノズル開口7側に向かっているので、まず、ノズルメニスカスは第二のホールド工程D2開始時より、ノズル開口7側に押し出される方向に進む。
【0038】
ノズルメニスカスは自身の固有振動周期Tで振動し、挙動は図6に示すようになり、ホールド工程D2の開始より、時間の推移に伴って、状態61(工程D2開始直後)、62(最大押し出し時)、63、64、65、66、と振幅を減衰させながら変位していく。
【0039】
第二のホールド工程D2が終了すると、制御手段48は第二の放電パルスを出力して、第二ホールド電圧VSと零電位との電位差相当分だけ圧力発生室4を膨張させてノズルメニスカスを圧力発生室側に引き込み(第二の放電工程D3)、第三ホールド(第三のホールド工程D4)を挟んで、制御手段48は、第一の充電パルスを出力して圧力発生室4を急激に収縮させる(第一の充電工程D5)。工程D3から工程D5までの一連の動作によって、ノズル開口4からインク滴が吐出する。
【0040】
第四のホールド工程D6が終了すると、制御手段48は第三の放電パルスを出力する(第三の放電工程D7)。前記工程D6のホールド時間と工程D7の放電の時間を、工程D5における急激な充電によって発生した圧電振動板3の残留振動を発振させないような時間を捉えて設定することにより、充電工程D5によって吐出したインク滴以外の不必要なインク滴の吐出を押さえるようにし、なおかつ放電工程D7終了時に中間駆動電圧VMの電位を持たせ、以後、次の印字信号が発生するまで電位を保持し、ノズルメニスカスを平定させる(第一のホールド工程D8)。
【0041】
図7に放電工程D1とホールド工程D2を行わずに放電D3以降の工程を行った場合の駆動波形の図を示す。駆動波形71は第三放電に相当する放電の傾きが実施例1に示している駆動波形と異なっているが、第三放電部分はインク滴を吐出した直後の波形なので、直接インク滴の吐出量や速度には関係ない。
【0042】
図8は、本実施例1の駆動波形において、ホールド工程D2の時間と吐出インク滴の重量の関係を示したものであり、図中の81が前記D2時間とインク重量の関係であり、駆動波形71での吐出重量を1としてある。
【0043】
工程D2を図6の状態62で示すように、ノズルメニスカスが最もインク吐出側に押し出された時点近傍を捉えて終了し、工程D3以降を行うと、工程D1とD2を行わずに工程D3以降を行う駆動波形71時と比べて工程D3の直前にノズルメニスカスが押し出されている分だけ、吐出インク重量を増やすことができ、この時のインク重量の増加量は図8の83に示す範囲(工程D2時間がTの1/8倍以上3/8倍以下)で顕著であった。また、インクの吐出速度も駆動波形71で示される駆動を行う時と同等の吐出速度が得られ、その結果インク重量を増やすことができ、記録速度の向上を図ることができた。
【0044】
ところで、ノズルメニスカスが静止している状態で放電工程D1を行い、続いてホールド工程D2に移行すると、圧電振動板3は自身の固有振動周期TCで振動を始める。圧電振動板3の固有振動によって、ノズルメニスカスは前記圧電振動板3の振動に同期して周期TCで振動する。また、放電工程D1によって膨張された圧力発生室4に流入したインクが作り出す流れによって、ノズルメニスカスは自身の固有振動周期Tで振動する。従って、放電工程D1によってノズルメニスカスは圧電振動板3の固有振動周期TCとノズルメニスカスの固有振動周期Tの周期の異なる二つの振動を持つようになる。
【0045】
圧電振動板3の固有振動周期TCでの振動は圧電振動板3を急激に変位させると発生しやすく、放電の傾き(電圧変化量/放電時間)が急峻であるほど、振動振幅は大きくなり、減衰しにくくなる。
【0046】
ノズルメニスカスの固有振動周期Tでの振動は放電工程D1によって圧力発生室4に流入した体積が大きいほど、ノズル側連通口または共通のインク室から流れだす流量が多く、ノズルメニスカスの振動振幅を大きくし、減衰しにくくなる。
【0047】
ここで、圧電振動板3の固有振動周期TCは、次の式で表される。
【0048】
TC=2π/√{(Mn+Ms)/(Mn×Ms)/(Ci+Cv)}
但し、Mnはノズル開口のイナータンス、Msはインク供給口のイナータンス、Ciは圧力発生室のインクの圧縮性に起因する流体コンプライアンス、Cvは圧電振動板などの材料自体による剛性コンプライアンスである。
【0049】
また、ノズルメニスカスの固有振動周期Tは、インク流路の粘性抵抗を無視できる場合は、
T=2π×√{(Mn+Ms)×Cn}
で表される。但し、Cnはノズルメニスカスのコンプライアンスである。
【0050】
更に、圧力発生室の体積をV,インクの密度をρ、インク中での音速をcとすると、流体コンプライアンスCiは、
Ci=V/ρc2
で表され、剛性コンプライアンスCvは、圧力発生室に単位圧力を印加したときの圧力発生室の静的な変形率に一致する。
【0051】
具体例を挙げると、流体コンプライアンスCiが1×10−20m5N−1、剛性コンプライアンスCvが1.5×10−20m5N−1、ノズルメニスカスのコンプライアンスCnが、8.5×10−1 9m5N−1、イナータンスMnが2×108kgm−4、イナータンスMsが1×108kgm−4、のときの圧電振動板3の固有振動周期TCは8μs、ノズルメニスカスの固有振動周期Tは100μsになる。
【0052】
上記TCとTの周期のとき、TCはTに比べて非常に小さく、放電工程D1によって発生するノズルメニスカスの振動は図9で示すようになる。前記したように、周期TCの振動は、放電の傾きが急峻であるほど振幅が大きいが、例えば、放電時間をTC以上の時間幅で設定すると圧電振動板3が周期TCで引き起こす振動の振幅は非常に小さくなり、これと同期して振動するノズルメニスカスの振動振幅も小さくなり、ノズルメニスカス自身の固有振動周期Tで起きる振動振幅よりも小さくなる。周期TCによる振動が無視できる程度の放電工程D1により圧力発生室4に流入されたインクは図5中の状態52で示すように、ノズル開口側から流入するものと共通のインク室側から流入するものがあり、放電傾きが緩いほど共通のインク室から流入する割合が多くなる。
【0053】
従って放電工程D1の終了時点のノズルメニスカスの圧力発生室側への引き込み位置は、図10に示すように放電傾きが緩いほど(図10中のグラフ101、102、103の内で、グラフ101が最も放電傾きがきつく、グラフ103が最も放電傾きが緩く、グラフ102は101と103の中間である)ノズルメニスカスの振動静止位置に近い位置をとる。
【0054】
つまり、放電傾きが緩いほど、放電工程D1終了直後のノズルメニスカスの振動の位相が一定に漸近する。放電工程D1終了直後の時間を時間0とし、インク滴吐出方向を正方向とすると、ノズルメニスカスの位置Yは、
Y=A×e( ―B×t )×SIN(2×π/T×t)
(但し、AとBは正の数、eは指数関数、tは放電工程D1終了からの経過時間(つまり、ホールド工程D2時間)、Tはノズルメニスカスの固有振動周期)で示される関数にノズルメニスカスの振動は位相が漸近する。この式にて、極大値をとる時の時間tの値は(1/4)×Tになり、この時、ノズルメニスカスは最もインク滴を吐出する方向に押し出された状態になり、図6における状態62と同一になる。従ってホールド工程D2時間を(1/4)×Tの近傍、例えば(1/8)×T以上(3/8)×T以下、にすることで、図7に示す駆動波形71よりも吐出インク重量の増加が顕著になる。
【0055】
(実施例2)
実施例2は前記構成に準じている。実施例2が実施例1と異なる点は、放電工程D3とホールド工程D4が存在しない駆動波形であり、つまり、第二ホールド電圧VSが零電位である駆動波形である。
【0056】
図11に実施例2の駆動波形を示す。図中の111が実施例2における駆動波形で、112が第一放電工程D1と第二ホールド工程D2を持たない駆動波形であり、駆動波形112はいわゆる「押しうち」の駆動波形になっている。
【0057】
なお、駆動波形111と112とでは、第二放電工程D7の傾きが異なっているが、第二放電部分はインク滴を吐出した直後の波形なので、直接インク滴の吐出量や速度には関係ない。
【0058】
第二ホールド工程D2を行っている状態でのノズルメニスカスの振動は、実施例1における図6と同一の位相をとり、ノズルメニスカスがインク滴吐出側に押し出された状態を捉えて第一充電工程D5を行うことによって、ノズルメニスカスが静止した状態のまま第一充電工程を行う駆動波形112に比べてノズルメニスカスがインク吐出側に押し出されている分だけ、インク吐出量を増やすことができ、記録速度の向上を達成することができた。
【0059】
前記した工程D2によってノズルメニスカスがインク滴吐出側に押し出されている状態とは、実施例1で示した時間間隔と同一であり、特にインク重量を増加させることができるのは、ノズルメニスカスの固有振動周期Tの1/8倍以上3/8倍以下である。
【0060】
(実施例3)
実施例3は実施例1の構成に準じている。実施例3が実施例1と異なる点は、第一放電工程D1に変えて充電工程C1を備えている点である。また、工程C1直後に続くホールド工程は実施例1ではD2としたが、本実施例ではC2と名称を変更している。しかし、工程C2の構成・機能は実施例1の工程D2と全く同一である。本実施例の駆動波形は図12中の駆動波形121に示す通りであり、中間駆動電圧VMは第二ホールド電圧VSよりも低い電位を持ち、零電位以上の電位を持っている。また、図12中の122に示す波形は充電工程C1とそれに続くホールド工程C2を持たない駆動波形である。
【0061】
なお、駆動波形121と122では、第二放電工程D7の傾きが異なっているが、第三放電部分はインク滴を吐出した直後の波形なので、直接インク滴の吐出量や速度には関係ない。
【0062】
実施例1では、ホールド工程D2中でノズルメニスカスを振動させるのは放電工程D1の作用によるものだったが、本実施例では、ホールド工程C2中でメニスカスを振動させるのは、実施例1における放電工程D1に対応する充電工程C1の作用であり、実施例1とは放電D1と充電C1が入れ替わるだけなので、ホールド工程C2中でのノズルメニスカスの振動は図13に示すように、実施例1における図6の振動の位相が反転したものになり、ホールド工程C2の開始より、時間の推移に伴って、状態131(工程C2開始直後)、132、133、134(最大押し出し時)、135、136と振幅を減衰させながら変位していく。
【0063】
実施例1の場合は、ホールド工程D2の時間をノズルメニスカスの固有振動周期Tの(1/8)倍以上(3/8)倍以下にすることで、工程D2終了後のノズルメニスカスはインク滴を吐出させる向きに押し出され、以降の工程D3以降で吐出させるインク滴の吐出量を、工程D1とD2のない駆動波形に比べて増やすことができたが、本実施例では、ホールド工程C2の振動位相を実施例1に比べて反転させたとき、つまり、工程C2の時間がノズルメニスカスの固有振動周期Tの(5/8)倍以上(7/8)倍以下の時に、工程C2終了後のノズルメニスカスはインク滴吐出方向に押し出され、以降の工程D3からは実施例1に示す駆動波形と同じなので、前記したホールド工程C2のタイミングを捉えることにより、工程C1とC2を持たない駆動波形、つまり図12中の122で示される駆動波形でインク滴を吐出させた場合に比べて吐出インク重量を増やすことができ、記録速度の向上を達成することができる。
【0064】
(実施例4)
実施例4は実施例1の構成に準じている。実施例4が実施例1と異なる点は、環境温度の変化に応じて、中間駆動電圧VMを変化させることで、放電工程D1による放電電圧量を増減させることを特徴とする点である。
【0065】
図14に環境温度が15℃、25℃と40℃のときの駆動波形を示す。環境温度が15℃のときは中間駆動電圧VMの電位を上げることで、放電D1工程による放電量を増やすことができる。環境温度が低い状態では、インクの粘度が増大するため、流路の抵抗が増大し、ノズルメニスカスの減衰がよくなり、メニスカス自身の固有振動の振幅も環境温度が高い場合に比べて小さくなる。そのため、放電工程D1によって発生させるノズルメニスカスの振動を温度環境に応じて一定にするために、工程D1による放電量を増やし、圧力発生室4に流入するインク量を増やすことで、インク粘度増加による流路抵抗の増加によるノズルメニスカスの振動振幅の減少分を補い、工程D2による吐出量増加を25℃環境並みに得ることができる。
【0066】
逆に温度環境が40℃のとき、中間駆動電圧VMの電位を下げることで、放電D1工程による放電量を減らすことができる。環境温度が高い状態では、インクの粘度が減少するため、流路の抵抗が減少し、ノズルメニスカスの減衰が悪くなり、ノズルメニスカス自身の固有振動の振幅も環境温度が低い場合に比べて大きくなる。そのため、放電工程D1によって発生させる振動を温度環境によって一定にするために、工程D1による放電量を減らし、圧力発生室に流入するインク量を減らすことで、インク粘度減少による流路抵抗の減少によるメニスカスの振動振幅の増加分を押さえ、工程D2による吐出量増加を25℃環境並みにすることができる。
【0067】
以上の手法から環境温度の変化に関わらず、放電工程D1によって発生したノズルメニスカスの振動振幅を一定にすることができるので、ホールド工程D2の時間を実施例1に示したように、(1/8)×T以上(3/8)×T以下に設定すると、図7で示した駆動波形71のときに比べて、インク重量を環境温度によらず一定量増やすことができ、記録速度を高めることができた。
【0068】
また、本実施例4で用いた駆動波形は実施例1に準じたものであるが、これを実施例2で示した駆動波形に変更しても実施例4に示したような効果を得ることができる。
【0069】
(実施例5)
実施例5は実施例3の構成に準じている。実施例5が実施例3と異なる点は、環境温度の変化に応じて、中間駆動電圧VMを変化させることで、充電工程C1による充電電圧量を増減させることを特徴とする点である。
【0070】
図15に環境温度が15℃、25℃と40℃のときの駆動波形を示す。環境温度が15℃のときは中間駆動電圧VMの電位を下げることで、充電工程C1による充電量を増やすことができる。環境温度が低い状態では、インクの粘度が増大するため、流路の抵抗が増大し、ノズルメニスカスの減衰がよくなり、メニスカス自身の固有振動の振幅も環境温度が高い場合に比べて小さくなる。そのため、充電工程C1によって発生させるノズルメニスカスの振動を温度環境に応じて一定にするために、工程C1による充電量を増やし、圧力発生室4から流出するインク量を増やすことで、インク粘度増加による流路抵抗の増加によるノズルメニスカスの振動振幅の減少分を補い、工程C2による吐出量増加を25℃環境並みに得ることができる。
【0071】
逆に温度環境が40℃のとき、中間駆動電圧VMの電位を上げることで、充電C1工程による充電量を減らすことができる。環境温度が高い状態では、インクの粘度が減少するため、流路の抵抗が減少し、ノズルメニスカスの減衰が悪くなり、ノズルメニスカス自身の固有振動の振幅も環境温度が低い場合に比べて大きくなる。そのため、充電工程C1によって発生させる振動を温度環境によって一定にするために、工程C1による充電量を減らし、圧力発生室4から流出するインク量を減らすことで、インク粘度減少による流路抵抗の減少によるメニスカスの振動振幅の増加分を押さえ、工程C2による吐出量増加を25℃環境並みにすることができる。
【0072】
以上の手法から環境温度の変化に関わらず、充電工程C1によって発生したノズルメニスカスの振動振幅を一定にすることができるので、ホールド工程C2の時間を実施例3に示したように、(5/8)×T以上(7/8)×T以下に設定すると、図12で示した駆動波形122の時に比べて、インク重量を環境温度によらず一定量増やすことができ、記録速度を高めることができた。
【0073】
更に、以上5つの実施例において、圧電振動子はたわみ振動型のPZTに限らず、縦振動横効果のPZTであってもよい。ただしこの場合、充電と放電が入れ替わることになる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、静止状態にある圧力発生室に、膨張ないしは収縮工程を加え、膨張(または収縮)後に圧力発生室の状態を保持する工程を一定時間保ち、その間のインクの流れによってノズルメニスカスがインク滴を吐出させる方向に押し出されている状態を捉えて、インク滴を吐出させるための一連の工程(最小圧力まで膨張させてから最大圧力まで収縮、または直接最大圧力まで収縮)を行う。これによって、ノズルメニスカスをインク滴吐出方向に押し出すために行う膨張ないしは収縮工程がない駆動波形に比べて、吐出インク重量を増やすことができ、記録速度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するインクジェット式記録ヘッドの一実施例を示す断面図である。
【図2】同上記録ヘッドを動作させる駆動波形の工程図である。
【図3】同上記録ヘッドの要部を示す回路図である。
【図4】同上記録ヘッドの駆動波形の制御パルスを示した図である。
【図5】実施例1における工程D1中とD1終了時のインク流路の流れを示した図である。
【図6】実施例1における工程D2中でのノズルメニスカスの挙動を示した図である。
【図7】工程D1と工程D2を用いない従来例の駆動波形図である。
【図8】工程D2時間と吐出インク重量の関係を示した図である。
【図9】ノズルメニスカスの変位の例を示す線図である。
【図10】実施例1における工程D1の放電傾きによるノズルメニスカスの変位の違いを示す線図である。
【図11】実施例2における駆動波形図である。
【図12】実施例3における駆動波形図である。
【図13】実施例3における工程C2中でのノズルメニスカスの挙動を示した図である。
【図14】実施例4における駆動波形図である。
【図15】実施例5における駆動波形図である。
【符号の説明】
3 圧電振動板
4 圧力発生室
7 ノズル開口
Claims (4)
- ノズル開口と共通のインク室に連通する圧力発生室を備え、前記圧力発生室を圧電振動子により膨張、収縮させて前記圧力発生室へインクの補充、ノズル開口からのインク滴の吐出を行うインクジェット式記録ヘッドの駆動方法において、
ノズルメニスカスが静止している状態から、圧力発生室を膨張させて最小圧力以上の範囲で減圧し、ノズル開口側へのインクの流れを生じさせる工程D1と、
この工程D1終了後の圧力発生室の状態を保持する工程D2と、
この工程D2でのインクの流れによって、ノズルメニスカスがインク滴吐出側に押し出された状態を捉えて、圧力発生室を膨張して最小圧力まで減圧する工程D3と、
インク滴を吐出させるためのタイミングを調整する工程D4と、
この工程D4終了直後に最大圧力まで圧力発生室を収縮させる工程D5とを経ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの駆動方法。 - 前記工程D1において、環境温度が最高保証温度の場合は圧力発生室の膨張量を最小にし、最低保証温度に近づくに従って圧力発生室の膨張量を最高にすることを特徴とする請求項1記載のインクジェット式記録ヘッドの駆動方法。
- ノズル開口と共通のインク室に連通する圧力発生室を備え、前記圧力発生室を圧電振動子により膨張、収縮させて前記圧力発生室へインクの補充、ノズル開口からのインク滴吐出を行うインクジェット式記録ヘッドの駆動方法において、
ノズルメニスカスが静止している状態から、圧力発生室を収縮させて最大圧力以下の範囲で圧力を高め、ノズル開口側へのインクの流れを生じさせる工程C1と、
この工程C1終了後の圧力発生室の状態を保持する工程C2と、
この工程C2でのインクの流れによって、ノズルメニスカスがインク滴吐出側に押し出された状態を捉えて、圧力発生室を膨張して最小圧力まで減圧する工程D3と、
インク滴を吐出させるためのタイミングを調整する工程D4と、
この工程D4終了直後に最大圧力まで圧力発生室を収縮させる工程D5とを経ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの駆動方法。 - 前記工程C1において、環境温度が最高保証温度の場合は圧力発生室の収縮量を最小にし、最低保証温度に近づくに従って圧力発生室の収縮量を最高にすることを特徴とする請求項3記載のインクジェット式記録ヘッドの駆動方法。
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