JPH08267683A - 中空粒子を含むシール可能な多層ポリオレフィンフィルム、その製造方法及び使用 - Google Patents
中空粒子を含むシール可能な多層ポリオレフィンフィルム、その製造方法及び使用Info
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Abstract
どなく、摩擦係数が低く、表面荒さがほとんどないとい
う特徴を兼備する多層フィルムを提供する。 【解決手段】少なくとも1つのポリオレフィン性基層と
1つのシール可能なポリオレフィン性上層を含み、上層
が該上層のポリオレフィンに対して非相溶性のポリマー
から主に構成される中空粒子を含む延伸ポリオレフィン
フィルム。
Description
リオレフィン性基層と1つのシール可能なポリオレフィ
ン性上層を含む延伸ポリオレフィンフィルムに関する。
フィルムは光沢がよく、摩擦係数が低いという特徴をも
つ。本発明は更に中空粒子の使用にも関する。
記載されている。フィルムの加工性と自動機械での走行
性に関する要求は年々高まりつつある。このため、摩擦
係数を低くすることもますます必要になっており、数年
前には0.4〜0.5の摩擦係数を十分低いとみなした
が、今日では約0.3〜0.1の摩擦係数を「低い」と
みなしている。
ミドと粘着防止剤を添加して摩擦特性を改善した種々の
熱可塑性プラスチックフィルムを開示している。上層だ
けでは十分な量の滑剤を配合できないので、基層にもア
ミドを添加することが推奨されている。これらのフィル
ムの摩擦係数は0.4〜0.8であり、現状の品質要件
には合わなくなっている。
着防止剤及び帯電防止剤を含有するポリプロピレン基層
を含む多層フィルムを開示している。これらのフィルム
の上層はポリマーブレンドに加え、滑剤と粘着防止剤を
含有する。ポリマーブレンドはエチレン/ブチレンポリ
マーと、HDPE又はLDPEなどのポリオレフィン樹
脂を含む。単に滑剤と粘着防止剤を加えるだけではフィ
ルムの不良な摩擦特性を十分に改善することはできない
と述べられている。このため、滑剤及び粘着防止剤と共
にHDPE又はLDPEを加えて上層を改質している。
実施例及び比較例によると、摩擦係数の低下は主にHD
PEの添加によって得られる。同一の添加剤組成を有す
る純コポリマー上層の摩擦係数は0.7〜0.8であ
る。フィルムはすぐれた摩擦係数と良好な印刷適性とを
兼備する。しかし、減摩剤としてポリオレフィン樹脂を
添加するため、曇り度と光沢を改善することが大いに必
要である。
0.5重量%の球形SiO2と0.3〜5重量%のヒド
ロキシ脂肪酸グリセリドを含有するポリプロピレンフィ
ルムを開示している。この発明は単層フィルムと多層フ
ィルムに関する。多層態様は上層と基層の両方にSiO
2とグリセリドを併用している。有利な特性のフィルム
を得るにはSiO2とグリセリドの量の選択が不可欠で
あり、選択範囲から離れると所望の結果が得られないと
述べている。フィルムは透明性、摩擦特性及び金属接着
性が良好である。しかし、比較的長期間貯蔵後には表面
析出が生じ、フィルムの外観を損なう。この作用は「ブ
ルーミング」としても知られ、所定の添加剤、特にグリ
セリドがフィルムの表面に移動するために生じる。
05〜0.2重量%の第3脂肪族アミンを含み、シール
可能な上層にシリコーン油とSiO2を併有する多層フ
ィルムを開示している。明細書によると、SiO2、シ
リコーン油及びアミンの驚くべき相互作用と上層の厚さ
を0.8μm未満に選択する結果、0.3以下の摩擦係
数をもつフィルムが得られる。このすぐれた摩擦係数に
も拘わらず、フィルムの加工性は不良である。特に、印
刷適性を欠くため、多くの用途には不適切である。
ボキサミドを含み、上層に上記文献と同様にシリコーン
油とSiO2を併有するフィルムを開示している。上記
EP−A−0182463の場合と同様に、摩擦係数に
及ぼす3種の選択成分の相乗効果について記載してい
る。これらのフィルムは摩擦特性は有利であるが、やは
り加工性が劣る。この場合も印刷適性という重要な特性
を欠いている。
造をもつ不融性オルガノシロキサン樹脂粉末を粘着防止
剤としてフィルムで使用することを開示している。シリ
コーン樹脂とプロピレンポリマーの両者を実質的に球形
の粒子を含む粉末状で使用しており、この粒子形状は実
際の球形に固有の式で表される。フィルムは従来技術と
比較して改善された透明性、粘着防止特性、摩擦特性、
外観を備え得る。プロピレンと粘着防止剤の混合物は、
同時押出多層フィルムの上層材料としても使用できる。
しかし、特に0.5μmを超える慣用厚さの上層を設け
る場合には、これらの同時押出多層フィルムはその透明
性と光沢に関して改善の余地がある。更に、この粘着防
止剤は慣用粘着防止剤よりも格段に高価である。
有機物をコーティングしたSiO2をシール可能なフィ
ルムで粘着防止剤として使用することを開示している。
フィルムの摩擦係数と加工挙動は改善されているが、こ
の文献は粘着防止剤粒子の三次元形状に関する情報を欠
いている。
0242055に記載されているシロキサン樹脂粉末と
ヒドロキシ脂肪酸のグリセリドの併用を開示している。
これらのフィルムは減圧蒸着によるコーティングに特に
適しているが、光沢と透明性が極めて不良である。
のうちには所定のフィルム特性を悪化させるものもある
ことが判明した。このような粘着防止剤はフィルムの透
明性と光沢を損なう。摩擦を改善すると、一般に表面荒
さが増す。粘着防止剤としてSiO2を用いると、フィ
ルムの製造中にダイリップに析出が生じ、摩耗した材料
がロールに付着する。従って、ダイリップとロールを頻
繁に洗浄しなければならず、そうしないと製造中にフィ
ルムの走行が不良になり、ダイリップ上の析出物によっ
てフィルムに筋が形成される。また、コロナ放電処理中
にも問題が生じる。摩耗したSiO2で汚染されたロー
ルの箇所がコロナ放電を受けると、望ましくない所謂逆
効果を生じ、その結果、例えば印刷や金属被覆といった
フィルムの後続加工中に問題となる欠陥を生じる。
技術に既に記載されているフィルムの欠点を回避するこ
とであった。特に、光沢がよく、透明基層の場合には曇
りがほとんどなく、摩擦係数が低く、表面荒さがほとん
どないという特徴を兼備する多層フィルムを提供するこ
とを目的とする。
詳細な説明の冒頭に記したような一般特徴をもち、上層
が該上層のポリオレフィンに対して非相溶性(inco
mpatible)のポリマーから本質的に構成される
中空粒子を含むことを特徴とする多層フィルムにより達
せられる。
的にポリオレフィン、好ましくはプロピレンポリマー
と、必要に応じてそれぞれ有効量の他の添加剤を含む。
一般に、基層は少なくとも50重量%、好ましくは75
〜100重量%、特に90〜100重量%のプロピレン
ポリマーを含む。
%、好ましくは95〜100重量%、特に98〜100
重量%のプロピレン単位を含み、120℃以上、好まし
くは150〜170℃の融点と、一般に230℃で2
1.6Nの力の作用下で0.5g/10分〜8g/10
分、好ましくは2g/10分〜5g/10分のメルトフ
ローインデックス(DIN53735)をもつ。コア層
(core layer)に好適なプロピレンポリマー
は、15重量%以下のアタクチック含量を有するアイソ
タクチックプロピレンホモポリマー、10重量%以下の
エチレン含量を有するエチレン/プロピレンコポリマ
ー、10重量%以下のα−オレフィン含量を有するC4
−C8α−オレフィンとプロピレンのコポリマー、10
重量%以下のエチレン含量と15重量%以下のブチレン
含量を有するプロピレン/エチレン/ブチレンターポリ
マーであり、アイソタクチックプロピレンホモポリマー
が特に好適である。上記重量百分率は個々のポリマーを
基にした値である。
ロピレンホモポリマー及び/又はコポリマー及び/又は
ターポリマー及び/又は他のポリオレフィン類の混合物
も適切であり、混合物は少なくとも50重量%、特に少
なくとも75重量%のプロピレンポリマーを含有する。
ポリマー混合物に配合する他の適切なポリオレフィン
は、ポリエチレン、特にHDPE、LDPE及びLLD
PEであり、ポリオレフィンの量はそれぞれポリマー混
合物を基にして15重量%以下である。
電防止剤、安定剤及び/又は中和剤と、必要に応じて炭
化水素樹脂を含有し得る。
は、基層は上記成分に加えて顔料又は空胞誘導粒子(v
acuole−initiating particl
es)又はこれらの組み合わせを含む。このようなフィ
ルムはASTM−D 1033−77による光透過率が
70%以下、好ましくは50%以下である。
い粒子を含む。顔料の着色作用はこのような粒子自体に
起因する。「顔料」なる用語は一般に0.01〜1μm
の粒度であり、フィルムを白色にする所謂「白色顔料」
と、フィルムを着色するか又は黒色にする「着色顔料」
の両者を含む。一般に、顔料の平均粒径は0.01〜1
μm、好ましくは0.01〜0.7μm、特に0.01
〜0.4μmである。基層は一般に、それぞれ基層の1
〜25重量%、特に2〜20重量%、好ましくは5〜1
5重量%の顔料を含有する。
ニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、ケイ酸アルミニウム(カオリン)やケイ酸マグネ
シウム(タルク)などのケイ酸塩、シリカ及び二酸化チ
タンなどの材料であり、このうちでは炭酸カルシウム、
シリカ、二酸化チタン及び硫酸バリウムなどの白色顔料
を使用するのが好ましい。
のルチルを含み、紙やコーティング材料で耐光堅牢度を
改善するためにTiO2白色顔料用コーティングとして
通常使用されているような無機酸化物のコーティングと
併用するのが好ましい。特に適切な無機酸化物として
は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム又はこれらの化合物の2種以上の混合物が挙
げられる。これらの無機酸化物は、水性懸濁液中で水溶
性化合物、例えばアルカリ金属アルミン酸塩(特にアル
ミン酸ナトリウム)、水酸化アルミニウム、硫酸アルミ
ニウム、硝酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム又はケイ
酸から沈殿する。コーティングをもつTiO2粒子は例
えばEP−A−0078833及びEP−A−0044
515に記載されている。
性基をもつ有機化合物も含有する。好適有機化合物はア
ルキル基中に8〜30個の炭素原子をもつアルカノール
及び脂肪酸、特に炭素原子数12〜24の脂肪酸及び第
1n−アルカノール、並びにポリジオルガノシロキサン
及び/又はポリオルガノ水素シロキサン(例えばポリジ
メチルシロキサン及びポリメチル水素シロキサン)であ
る。
O2粒子100g当たり1〜12g、特に2〜6gの無
機酸化物と、必要に応じて付加的に0.5〜3g、特に
0.7〜1.5gの有機化合物を含有する。TiO2粒
子をAl2O3又はAl2O3とポリジメチルシロキサンで
コーティングすると特に有利であることが判明した。
ックスに対して非相溶性であり且つフィルムの延伸中に
空胞様キャビティを形成する空胞誘導粒子を含み、空胞
の寸法、型及び数は材料、中実粒子の寸法及び延伸条件
(例えば延伸比や延伸温度)に依存する。空胞は、光の
散乱によって空胞/ポリマーマトリックス界面に生じる
特徴的な真珠様の不透明な外観をフィルムに与える。一
般に、空胞誘導粒子の平均粒径は1〜6μm、好ましく
は1.5〜5μmである。基層は、一般に1〜25重量
%の空胞誘導粒子を含む。
に対して非相溶性の有機及び/又は無機材料、例えばア
ルミナ、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム(カオリ
ン)やケイ酸マグネシウム(タルク)などのケイ酸塩、
シリカ及び二酸化チタンであり、このうちでは炭酸カル
シウム、シリカ及び二酸化チタンを使用するのが好まし
い。適切な有機充填剤は、基層のポリマーに対して非相
溶性の慣用ポリマーであり、特にHDPE、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリアミド、シクロオレフィンコポ
リマー及びハロゲン化有機ポリマーなどであり、例えば
ポリブチレンテレフタレート又はポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル類が好適である。本発明の目
的では、「非相溶性材料又は非相溶性ポリマー」とは、
材料又はポリマーがフィルム中に別粒子又は別相として
存在することを意味する。
ィルムは、1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の
空胞誘導粒子と、1〜7重量%、好ましくは1〜5重量
%の顔料を含む。
をとることができ、充填剤の種類及び量に依存する。密
度は一般に0.4〜1.1g/cm3である。顔料を添
加したフィルムの密度は約0.9g/cm3以上、好ま
しくは0.9〜1.1g/cm3である。空胞誘導粒子
のみを含むフィルムの密度は0.9g/cm3未満であ
る。2〜5重量%の空胞誘導粒子を含む包装用フィルム
の密度は0.6〜0.85g/cm3である。5〜14
重量%の空胞誘導粒子を含むフィルムの密度は0.4〜
0.8g/cm3である。顔料と空胞誘導粒子を含むフ
ィルムの密度は、顔料の含量と空胞誘導粒子の含量の比
に応じて0.5〜0.85g/cm3である。
て基層と上層の間に1つ以上の付加的中間層を含む。必
要に応じて存在し得る中間層は基層について上述したよ
うなプロピレンポリマー又はポリプロピレン混合物を必
須成分として含む。一般に、基層と中間層は同一のプロ
ピレンポリマー又は混合物から構成してもよいし、異な
るプロピレンポリマー又は混合物から構成してもよい。
コア層と中間層のポリマーのメルトフローインデックス
はできる限り同一の大きさにすべきである。必要に応じ
て中間層のMFIのほうが多少大きくてもよいが、その
差は20%以内にすべきである。必要に応じてそれぞれ
有効量の添加剤を中間層に加えてもよい。
層及び/又は中間層のプロピレンポリマーを過酸化物に
より分解する。
よるポリプロピレンのメルトフローインデックスの出発
ポリマーに対する相対変化を示す所謂分解係数A: A=MFI2/MFI1 (式中、MFI1=有機過酸化物添加前のプロピレンポ
リマーのメルトフローインデックス、MFI2=過酸化
物により分解したプロピレンポリマーのメルトフローイ
ンデックス)により表される。
解係数Aは3〜15、好ましくは6〜10である。
オキシドであり、アルキル基は炭素原子数6個までの慣
用飽和直鎖又は分枝鎖低級アルキル基を意味する。2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘ
キサン及びジ−t−ブチルペルオキシドが特に好適であ
る。
に少なくとも1つのシール可能な上層を含む。この上層
は必須成分として炭素原子数2〜10のシール可能なオ
レフィンポリマーと、ポリマーを含む中空粒子を含み、
必要に応じてそれぞれ有効量の他の添加剤を含む。一般
に、上層は75〜<100重量%、特に90〜99.5
重量%のシール可能なオレフィンポリマーを含む。
チレンとプロピレン、エチレンと1−ブチレン又はプロ
ピレンと1−ブチレンのコポリマー、エチレンとプロピ
レンと1−ブチレンのターポリマー、上記ホモポリマ
ー、コポリマー及びターポリマーの2種以上の混合物、
並びに必要に応じて上記ホモポリマー、コポリマー及び
ターポリマーの1種以上と混合した上記ホモポリマー、
コポリマー及びターポリマーの2種以上のブレンドであ
り、特に好適なのは、それぞれコポリマーの総重量を基
にして1〜10重量%、好ましくは2.5〜8重量%の
エチレン含量を有するランダムエチレン/プロピレンコ
ポリマーもしくは2〜25重量%、好ましくは4〜20
重量%のブチレン含量を有するランダムプロピレン/1
−ブチレンコポリマー、それぞれターポリマーの総重量
を基にして1〜10重量%、好ましくは2〜6重量%の
エチレン含量と2〜20重量%、好ましくは4〜20重
量%の1−ブチレン含量を有するランダムエチレン/プ
ロピレン/1−ブチレンターポリマー、又はそれぞれポ
リマーブレンドの総重量を基にして0.1〜7重量%の
エチレン含量と50〜90重量%のプロピレン含量と1
0〜40重量%の1−ブチレン含量を有するエチレン/
プロピレン/1−ブチレンターポリマーとプロピレン/
1−ブチレンコポリマーのブレンドである。
1.5g〜30g/10分、好ましくは3〜15g/1
0分のメルトフローインデックスと、120〜140℃
の融点をもつ。上記コポリマーとターポリマーのブレン
ドは一般に5〜9g/10分のメルトフローインデック
スと、120〜150℃の融点をもつ。上記メルトフロ
ーインデックスはすべて230℃で21.6Nの力の作
用下で測定した値である(DIN53735)。
に上記全上層を過酸化物によって分解してもよく、一般
には同一過酸化物を使用する。上層ポリマーの分解係数
は一般に3〜15、好ましくは6〜10である。
に上層の重量を基にして5重量%以下、好ましくは0.
001〜3重量%、特に0.002〜1重量%の非相溶
性ポリマーの中空粒子を含む。
空粒子とは内容積にガス又は空気を充填して実質的に閉
じたポリマースキンで取り囲んだ粒子を意味する。閉じ
込められる容積と粒子の形状は使用する非相溶性ポリマ
ーと粒子の製法により異なる。閉じ込められる容積の寸
法と粒子の形状は一般に広い範囲をとり得る。
から誘導される形状をもつ。これらの球形又は楕円形の
基本形状は一般に表面の内側に湾曲した領域(所謂内
転、湾曲又は「凹表面セグメント」)によって多少変形
している。通常、各粒子は0〜20、好ましくは1〜1
5、特に2〜10個のこのような凹表面セグメントをも
つ。個々の凹表面セグメントは多少内転していてもよ
く、極端な例では目立った内転がほとんどなく、粒子は
実質的に中空の球形であり、実質的に凹表面セグメント
をもたない。凹表面セグメントの数が多くなり、内転の
程度が顕著になるほどポリマースキンに閉じ込められる
容積は小さくなり、第2の極端な例ではポリマースキン
の内面が相互にくっつき、閉じ込められる容積はゼロに
向かう。このような場合を完全につぶれた粒子とも言
い、粒子は実質的にポリマースキンのみから構成され
る。これらのつぶれた粒子は非常に高度に折り畳まれた
表面をもち、ぎざぎざしていないが非常に不規則な形状
の内転を含む。この場合の表面の方向転換は表面上の長
さ0.1μmにつき160°を上回る。
表面上の2点間の最大距離(最大粒径)の少なくとも1
0%まで湾曲している。最大粒径の20〜95%、特に
30〜70%に達するようにかなり顕著に湾曲している
のが好ましい。
をとることができ、即ち粒子は一般に均一形状をもたな
い。粒子の少なくとも5%、好ましくは10〜100
%、特に60〜100%が少なくとも1個、好ましくは
1〜10個の凹表面セグメントをもつバッチが有利であ
ることが判明した。ポリマースキンの内面が相互にくっ
つき、閉じ込められる容積がゼロに向かうように顕著に
湾曲した粒子を含むバッチが好適である。形状分布は、
粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)によって測定す
ることができる。
い。この特徴は、例えば電子顕微鏡、特に走査型電子顕
微鏡(SEM)により測定することができる。この目的
では、電子顕微鏡分析用標準方法により粒子を調製及び
対比する。例えば金を含む蒸着によって塗布した金属被
膜が走査型電子顕微鏡写真の対比手段として有用である
ことが判明した。粒子の平滑面は、走査型電子顕微鏡写
真では実質的に一定の灰色調をもつ均一表面として観察
される。表面欠陥による粗面は不均一な灰色調から明白
である。欠陥は粒子の平均表面から100nm以上離れ
ており、従って、凹表面セグメントによる凹凸よりも小
さい。
子の少なくとも90%が0.2〜20μm、好ましくは
1〜15μm、特に2〜10μmの最大粒径を有する中
空粒子を使用すると好適である。
CS)、エアゾール(aerosol)分光分析法及び
/又は電子顕微鏡分析法(SEM)により測定される。
これらの測定方法に関する詳細はJ.P.Fische
r,“Progress in Colloid an
d Polymer Science”,77,180
〜194頁,1988に記載されている。中空粒子の嵩
密度は中空粒子の製造に使用するポリマーの密度の60
%以下、好ましくは30%以下、特に15%以下であ
る。
非相溶性のポリマーから主に構成される。非相溶性と
は、この非相溶性ポリマーがポリオレフィンと混和せ
ず、従って走査型電子顕微写真又は光学顕微鏡写真で容
易に検出可能な別相として存在することを意味する。2
種の非相溶性ポリマーの混合物は、これらの2種のポリ
マーが偶然に実質的に同一のガラス転移温度又は実質的
に同一の融点をもたない限り、DSC記録で2個の別個
のピークをもつ。
スに対して非相溶性であり且つ噴霧乾燥法で使用可能な
全てのポリマーを中空粒子の製造に用いることができ、
即ちこれらのポリマーは例えば特定方法に適切な溶媒に
十分可溶性であるべきである。非相溶性ポリマーのガラ
ス転移温度TG又は軟化温度TV又は融点TMは、一般に
フィルム製造中に通常使用される温度条件下で粒子が実
質的に安定した寸法に維持されるように十分高い値をと
るべきであり、即ちTG又はTMはマトリックスポリマー
の押出が可能な最低温度よりも少なくとも5℃、好まし
くは15〜180℃、特に15〜150℃高い値をとる
べきである。ポリオレフィンフィルムの製造での慣用押
出温度は220〜400℃、好ましくは230〜360
℃である。
して用いる場合には、通常220〜290℃の温度で押
出を行う。従って、ポリプロピレンに対して非相溶性の
ポリマーのTGは225〜390℃、好ましくは235
〜360℃であるべきである。
のは、上記条件を満たす以下の非相溶性ポリマー、即ち
シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンスル
フィド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポ
リアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリア
ラミド、ポリイミド、ハロゲン化ポリマー、非晶質及び
半結晶質シクロオレフィンポリマー、並びに開環重合
(複分解重合)によって製造されるポリマーである。
Ultramid(登録商標)(PA)、BASF A
G製Ultradur(登録商標)A(PET)、Ho
echst AG製Celanex(登録商標)(PB
T)又はHoechst AG製Fortron(登録
商標)(PPS)などのように中空粒子の製造に市販形
態で直接使用可能な市販品もあるし、対応するポリマー
やその製法は既に従来技術に属する。具体的には、適切
な非晶質シクロオレフィンポリマーはEP−A−015
6464、EP−A−0286164、EP−A−04
75893及びDE−A−4036264に記載されて
いる。半結晶質シクロオレフィンポリマーとその製法は
EP−A−0503422に開示されている。ポリノル
ボルネンについてはUS−A−3,330,815に記
載されている。複分解ポリマーはEP−A−01594
64に記載されている。
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
並びに非晶質及び半結晶質シクロオレフィンポリマーで
ある。
クロオレフィンから構成され、使用されるシクロオレフ
ィンは一般に置換及び非置換シクロアルケン及び/又は
ポリシクロアルケン、例えばビシクロアルケン、トリシ
クロアルケン又はテトラシクロアルケンである。シクロ
オレフィンポリマーは分枝鎖でもよい。このような生成
物は櫛形又は星形構造をもち得る。
フィンポリマーが特に好適である。
ってもよく、H、C6−C20アリール、C1−C20アルキ
ル、F、Cl、Br、I又は下式VII:
であり得る。
載されている遷移金属触媒を用いて製造するのが好まし
い。特にEP−A−0407870及びEP−A−04
85893による製造方法が好適である。
000〜180,000、特に3000〜150,00
0の中〜高分子量をもつシクロオレフィンポリマーが好
適である。分子量は製造中に水素を使用するか又は触媒
と反応条件を個々に選択することにより調節される。
合物に溶解して溶液を噴霧乾燥するそれ自体公知の噴霧
乾燥法が中空粒子の製造に特に適している。必要に応じ
て例えばエマルジョン法や沈殿法など他の方法も本発明
による粒子の製造に使用できる(M.Bornsche
inら,Die Pharmazie,44,Issu
e 9,1989,585頁以下、Y.Kawashi
maら,J.Pharm.Sciences,81,I
ssue 2,1992,135頁以下)。
より粒子を製造すると好適である。噴霧溶液の方向と空
気又はガス流の方向を同一にする並流ノズル噴霧が好適
である。この方法により粒子を製造するには、例えばB
uchi製噴霧乾燥機、例えばBuchi 190(B
uchi GmbH,Eislingen)が有用であ
ることが判明した。
液、エマルジョン又は分散液を送出ポンプによりチャン
バーに供給し、空気又はガス流中に噴霧し、溶媒を完全
又は部分的に除去し、溶液の液滴を固体粒子に変える。
これらの粒子を空気又はガス流と共に例えばサイクロン
形態の分離器に送って分離する。
装置に吸引し、チャンバー内に減圧を生成する。アスピ
レーターのパワーを調節することにより、空気又はガス
の加熱量と装置内の減圧を同時に調節する。吸引する空
気又はガスの量は、装置上で100〜800l(S.
T.P.)/時間に調節することができ、これを噴霧流
速とも言う。噴霧流速は好ましくは500〜800l
(S.T.P.)/時間である。設定減圧は一般に装置
の外側の圧力よりも10〜100mbar、好ましくは
30〜70mbar低くする。
蒸発させるためには、空気又はガス流の温度を溶媒の沸
点よりも高くするか又はその付近にしなければならな
い。吸引する空気又はガス流のこの温度を入口温度と言
う。入口温度は広い範囲をとることができ、主に使用す
る溶媒とポリマーに依存する。一般に、15〜250
℃、好ましくは60〜250℃、特に100〜110℃
である。
た粒子を含む空気又はガス流の温度である。この出口温
度は入口温度、アスピレーターの設定、送出ポンプの設
定、噴霧溶液の濃度、溶媒の蒸発熱に依存する。一般に
は50〜180℃、好ましくは60〜120℃である。
一般に出口温度は入口温度よりも低い。
いては、100〜500ml/時間、特に120〜36
0ml/時間のポンプ送出量が有用であることが判明し
た。
調製用溶媒又は溶媒混合物として適しているのは例え
ば、水、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエ
ン、デカリン、石油エーテル、フラン、DMSO(ジメ
チルスルホキシド)、ジオキサン、アセトン及び/又は
芳香族及び/又は脂肪族炭化水素及びこれらの溶媒の混
合物である。ポリマー溶液、エマルジョン又は分散液は
一般にそれぞれ溶液の重量を基にして0.2〜25重量
%、好ましくは1〜15重量%、特に3〜8重量%のポ
リマーを含有する。必要に応じてポリマー溶液はそれぞ
れ有効量の付加的添加剤(例えば乳化剤)を含有し得
る。
セグメントをほとんどもしくは全くもたない球形中空粒
子が得られるか、又は高度に変形した粒子が得られる。
入口温度が溶媒の沸点付近又はそれよりも低く且つ溶解
ポリマーのTGよりも高いか又はその付近の場合には球
形中空粒子が得られる。これらの条件下で溶媒はゆっく
りと除去され、球形の形成が促進される。この原理が逆
転し、入口温度が溶媒の沸点よりも高く且つポリマーの
TGよりも低いと多数の凹表面セグメントをもつ高度に
変形した粒子が得られる。
空粒子を含む少なくとも1つのシール可能な上層と、必
要に応じて付加層を含む。基層の両側に上層を備える3
層態様が好適であり、これらの上層は厚さと組成が同一
でもよいし異なってもよい。基層と、基層の片側又は両
側に設けた中間層と、両側に設けた上層とを含む4又は
5層態様も好適である。
厚は広い範囲をとることができ、所期用途によって異な
る。好ましくは5〜250μm、特に10〜100μm
であり、基層がフィルム全厚の少なくとも約40%、好
ましくは50〜90%を占める。
しくは0.3〜5μm、特に0.5〜2μmであり、両
側の上層の厚さは同一でも異なってもよい。
数の中間層が存在する場合には相互に独立して)1〜1
2μmであり、中間層の厚さは2〜8μm、特に3〜6
μmが好適である。表記値はそれぞれ1つの中間層の値
である。
和剤、安定剤、滑剤、炭化水素樹脂及び/又は帯電防止
剤も含有し得る。以下のデータの重量百分率は、添加剤
を加える特定層の重量を基にした値である。
以下、絶対粒度10μm未満及び比表面積少なくとも4
0m2/gをもつジヒドロタルサイト、ステアリン酸カ
ルシウム及び/又は炭酸カルシウムである。一般に、中
和剤の添加量は0.02〜0.1重量%である。
レンポリマー及び他のαオレフィンポリマーの慣用安定
剤化合物を使用することができる。その添加量は0.0
5〜2重量%である。フェノール安定剤、アルカリ金属
/アルカリ土類金属ステアリン酸塩及び/又はアルカリ
金属/アルカリ土類金属炭酸塩が特に適切である。50
0g/molを上回る分子量をもつフェノール安定剤
0.1〜0.6重量%、特に0.15〜0.3重量%を
用いると好適である。ペンタエリトリチルテトラキス−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート及び1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼンが特に有利である。
テル、ろう、金属石鹸及びポリジメチルシロキサンであ
る。滑剤の有効量は0.1〜3重量%である。基層及び
/又は上層に0.15〜0.25重量%の高級脂肪族ア
ミドを加えると特に適切である。特に適切な脂肪族アミ
ドはエルクアミドである。
000、好ましくは400〜5000、特に好ましくは
500〜2000の低分子量ポリマーである。個々のフ
ィルム層の主成分を形成するプロピレンポリマーは一般
に100,000を上回る分子量をもつので、樹脂の分
子量はこれらのプロピレンポリマーの分子量よりも実質
的に小さい。炭化水素樹脂は好ましくは基層及び/又は
中間層に加える。低分子量樹脂の有効量は層を基にして
1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
−28により測定した場合に60〜180℃、好ましく
は80〜150℃の軟化点をもつ天然又は合成樹脂であ
る。多数の低分子量樹脂のうちで、特に鉱油樹脂(石油
樹脂)、スチレン樹脂、シクロペンタジエン樹脂及びテ
ルペン樹脂(これらの樹脂はUllmanns Enc
yklopadie der technischen
Chemie,第4版,12巻,525〜555頁に
記載されている)の形態の炭化水素樹脂が好適である。
適切な鉱油樹脂は、例えば参考資料として本明細書の一
部とするEP−A−0180087をはじめとする多数
の文献に記載されている。
ルホネート、ポリエーテル変性即ちエトキシル化及び/
又はプロポキシル化ポリジオルガノシロキサン(ポリジ
アルキルシロキサン、ポリアルキルフェニルシロキサン
等)及び/又は炭素原子数10〜20の脂肪族基をも
ち、ω−ヒドロキシ−(C1−C4)−アルキル基により
置換された本質的に直鎖及び分枝鎖の脂肪族第3アミン
であり、アルキル基中に10〜20、好ましくは12〜
18の炭素原子をもつN,N−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)アルキルアミンが特に適切である。帯電防止剤の
有効量は0.05〜3重量%である。別の好適帯電防止
剤はグリセリルモノステアレートである。
により本発明の多層フィルムを製造する方法に関する。
ように各層のポリマー又はポリマー混合物を中空粒子と
共に押出機で圧縮及び液化する。中空粒子と場合により
使用する添加剤はポリマー又はポリマー混合物に予め配
合しておいてもよいし、マスターバッチ法により添加し
てもよい。その後、フィルムの各層に対応する溶融物を
シート押出ダイ(スロットダイ)から同時に押出し、押
出した多層フィルムを1個以上の引取ロールで引取り、
フィルムを冷却及び固化させる。押出したフィルムを冷
却及び固化する機能ももつ引取ロールを20〜90℃の
温度に維持すると特に有利であることが判明した。
に対して長手方向及び横断方向に延伸し、分子鎖を配向
させる。延伸は長手方向に好ましくは4:1〜7:1、
横断方向に好ましくは7:1〜11:1の延伸比で実施
する。長手方向延伸は所期延伸比に依存して異なる速度
で回転する2個のロールにより適宜実施し、横断方向延
伸は適当なキャリパーフレームにより適宜実施する。長
手方向及び横断方向延伸を実施する温度は可変である。
一般に、長手方向延伸は好ましくは100〜150℃で
実施され、横断方向延伸は好ましくは155〜190℃
で実施される。
セット(熱処理)し、フィルムを100〜160℃の温
度に約0.5〜10秒間維持する。次に巻取手段を使用
してフィルムを常法で巻取る。
又は両面を公知方法の1種によりコロナ処理又は火炎処
理してもよい。
2個の導体エレメント間にフィルムを通し、電極間に加
える電圧、一般には交流電圧(約10〜20kV、20
〜40kHz)を十分に高くしてスプレー又はコロナ放
電を生じさせるとよい。スプレー又はコロナ放電の結果
として、フィルム表面の上方の空気はイオン化し、フィ
ルム表面の分子と反応し、実質的に非極性のポリマーマ
トリックス中に極性包含物が形成される。
e)による火炎処理(US−A−4,622,237参
照)では、バーナー(負極)と冷却ロールの間に直流電
圧を加える。印加電圧の大きさは500〜3000V、
好ましくは1500〜2000Vである。電圧を加える
結果としてイオン化原子は大いに加速され、より高い運
動エネルギーでポリマー表面にぶつかる。ポリマー分子
内の化学結合はより容易に破壊され、より迅速に遊離基
が形成される。この場合、ポリマーの熱応力は標準火炎
処理よりもはるかに小さく、処理側のシール特性が未処
理側よりも一層良好なフィルムを得ることができる。
のポリオレフィン顆粒もしくはポリオレフィン粉末を中
空粒子と予め混合した後、混合物を押出機に供給するこ
とにより、粒状マスターバッチとしてフィルムの上層に
加える。押出機で成分を更に混合し、加工温度まで加熱
する。一般に、上層の押出温度は中空粒子のポリマーの
ガラス転移温度及びビカー軟化温度よりも低い。一般
に、上層の押出温度は中空粒子のポリマーのTG又はTV
よりも少なくとも10℃、好ましくは15〜180℃、
特に20〜150℃低い。
る。中空粒子は粘着防止剤として機能する。
発明のフィルムは改善された光沢度と曇り度を備える
上、摩擦係数が低く、表面荒さがほとんどないという特
徴をもつ。本発明のフィルムの無滑剤態様の滑り摩擦係
数は一般に0.3〜0.7、好ましくは0.3〜0.5
である。例えば脂肪アミド、特にエルクアミドなどの滑
剤も含有するフィルムは、一層低い滑り摩擦係数をも
つ。基層にエルクアミドを含有する本発明のフィルムの
場合には、滑り摩擦係数は一般に0.05〜0.3、好
ましくは0.1〜0.2である。本発明のフィルムの光
沢度は90〜130、好ましくは105〜130であ
る。透明態様の不透明度は0.9〜3.0、好ましくは
0.9〜2.0である。
明する。
乾燥し、窒素、次いでエチレンでフラッシュし、トルエ
ン150cm3にノルボルネン712gを溶解してなる
溶液を仕込んだ。次に撹拌下に反応器の温度を90℃に
し、1barでエチレンを圧入した。
(凝固点測定によると1300g/molの分子量をも
つメチルアルモキサン10.1重量%)5cm3を反応
器に加え、混合物を15分間90℃で撹拌し、更に配量
してエチレン圧を1barに維持した(溶液をエチレン
で飽和)。同時にイソプロピレン(シクロペンタジエニ
ル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド5.5
mgをメチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度と品質
については上記参照)5cm3に溶解し、15分間放置
して予備活性化した。次に錯体の溶液を反応器に加え
た。次いで撹拌(750rpm)下に2時間90℃で重
合を行い、更に配量してエチレン圧を1barに維持し
た。次いで予めイソプロパノール10cm3を入れてお
いた容器に撹拌下に反応器の内容物を迅速に移した。次
いでこの混合物をアセトン2dm3に滴下した後、懸濁
ポリマー固体を濾別した。濾別したポリマーを次に3N
塩酸2部とエタノール1部の混合物1000cm3に加
え、この懸濁液を2時間撹拌した。次いでポリマーを再
び濾別し、水で洗浄して中性にし、80℃、0.2ba
rで15時間乾燥した。生成物165gを得た。生成物
のガラス転移温度Tgの測定値は276℃であった。粘
度数は52ml/gであった。
出量4ml/分、アスピレーター10、予備N2圧15
0mbar、フィルター圧32.5mbar、実施例1
からのポリマーのトルエン溶液濃度3%、入口温度13
0℃、出口温度85℃、再懸濁粒子の平均直径dn=4
μm、dw/dn=1.7の条件下で、噴霧乾燥機(Mi
ni Spray Dryer,Buchi 190)
で実施例1からのポリマーのトルエン溶液を噴霧した。
とにより、即ち基層Bの両側に2つの同様の上層Aを配
置することにより、ABA層構造を有する全厚20μm
の3層フィルムを作成した。
コロナ処理した。ロール側とは第1の引取ロールに接す
る側である。この側の表面張力はこの処理の結果として
39〜40mN/mであった。全層に安定剤として0.
13重量%のペンタエリトリチルテトラキス−4−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート[Irganox(登録商標)101
0]と中和剤として0.06重量%のステアリン酸カル
シウムを添加した。
ラクションと160〜162℃の融点範囲をもつポリプ
ロピレンホモポリマーから主に構成した。ポリプロピレ
ンホモポリマーのメルトフローインデックスは、230
℃、21.6N負荷下(DIN53735)で3.4g
/10分であった。基層には78〜82℃の融点範囲を
もつエルクアミド0.12重量%とN,N−ビスエトキ
シアルキルアミン[Armostat(登録商標)30
0]0.12重量%を添加した。
量%、プロピレン88.5重量%及び1−ブテン8重量
%を含有するエチレン/プロピレン/1−ブテンターポ
リマーから主に構成した。上層には実施例2に記載した
中空粒子0.05重量%を加えた。上層の各々の厚さは
0.8μmであった。
えた以外は、実施例3と同様に操作した。
ba Silicone Co.,Ltd.製Tosp
earl(登録商標)20]0.15重量%を粘着防止
剤として使用した以外は、実施例3と同様に操作した。
obloc(登録商標)44]0.15重量%を粘着防
止剤として使用した以外は、実施例3と同様に操作し
た。
外は、比較例1と同様に操作した。
較例2と同様に操作した。
下表に要約する。
特性を調べた。
230℃で21.6Nの負荷下に測定した。
により測定。
の加熱シールジョーによりシール圧10N/cm2、シ
ール時間0.5秒でフィルムを種々の温度でシールする
ことにより、ヒートシールサンプル(シール20mm×
100mm)を作成する。シールサンプルから幅15m
mの試験片を切り取る。シールの面が引張方向に対して
垂直になるように200mm/分の引取速度で引張試験
機を使用し、最終シール強度即ち試験片を分離するため
に必要な力を測定する。最低シール温度は少なくとも
0.5N/15分のシール強度に達する温度である。
重ねてシール時間0.5秒、シール圧1.5N/mm2
で130℃でシールした(装置:Bruggerタイプ
NDS、シールジョーを片側加熱)。T形剥離法により
シール強度を測定した。
数は作成から14日後に測定した。
定した。
フで測定した。
って測定した。Holzによる曇り度はASTM−D
1003−52と同様に測定したが、最適測定範囲を利
用するために、フィルム層を4層重ね、4°ピンホール
膜の代わりに1°スリット膜を用いて測定した。
の表面の光学特性としてリフレクター値を測定した。規
格ASTM−D 523−78及びISO2813に基
づき入射角を20°又は60°に設定した。光線は設定
入射角で平坦な試験表面にぶつかり、この表面によって
反射又は散乱される。光電受信器に入射する光線は比例
電気量として表示される。測定値は無寸法であり、入射
角と併記しなければならない。
m(ドイツ)製“ELREPHO”電気反射率光度計、
標準光源C、2°標準観測装置を用いて測定する。不透
明度はDIN53146により測定する。白色度はWG
=RY+3RZ−3RX(WG=白色度、RY、RZ、
RX=Y、Z及びX比色フィルターを使用した対応する
反射率)として定義される。硫酸バリウムのペレット
(DIN5033、第9部)を白色標準として用いる。
詳細な説明は、例えばHanslLoos “Farb
messung”[色測定],Verlag Beru
fund Schule,Itzehoe(1989)
に与えられている。
する。
Mn)はDIN55672、第1部と同様にゲル透過ク
ロマトグラフィーにより測定した。THFの代わりにオ
ルトジクロロベンゼンを溶離剤として用いた。試験する
オレフィンポリマーは室温で不溶性であるので、全測定
は高温(〜135℃)で実施する。
た。加熱速度は20K/分とした。サンプルの熱履歴を
なくすために、サンプルをまずDSC装置でガラス転移
温度TGよりも高い温度まで加熱し、迅速に冷却した後
に再び加熱(第2昇温)した。第2昇温のサーモグラム
から転移温度範囲の中央をガラス転移温度とみなした。
IN53460に従って測定した。
olloid andPolymer Scienc
e”,77,180〜194頁、1988に記載されて
いるように測定した。
た粒度分布から通常の数学的方法に従って決定した。
Claims (19)
- 【請求項1】 少なくとも1つのポリオレフィン性基層
と1つのシール可能なポリオレフィン性上層を含み、上
層が該上層のポリオレフィンに対して非相溶性のポリマ
ーから本質的に構成される中空粒子を含む延伸ポリオレ
フィンフィルム。 - 【請求項2】 シール可能な上層が該上層の重量を基に
して70〜<100重量%の炭素原子数2〜10のオレ
フィン類のポリマーを含む請求項1に記載のフィルム。 - 【請求項3】 基層が該基層の重量を基にして少なくと
も60重量%、好ましくは70〜99重量%のポリオレ
フィンを含む請求項1又は2に記載のフィルム。 - 【請求項4】 上層が該上層の重量を基にして5重量%
以下、好ましくは0.001〜3重量%の中空粒子を含
む請求項1から3の一項以上に記載のフィルム。 - 【請求項5】 中空粒子が本質的に球形であり且つ本質
的に凹表面セグメントをもたない請求項1から4の一項
以上に記載のフィルム。 - 【請求項6】 中空粒子が1〜20個の凹表面セグメン
トをもつ請求項1から5の一項以上に記載のフィルム。 - 【請求項7】 中空粒子に閉じ込められる容積がゼロに
近づき、中空粒子が本質的にポリマースキンから構成さ
れる請求項6に記載のフィルム。 - 【請求項8】 中空粒子の少なくとも90%が0.2〜
20μm、好ましくは1〜15μmの最大粒径をもつ請
求項1から7の一項以上に記載のフィルム。 - 【請求項9】 非相溶性ポリマーがシンジオタクチック
ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、
ポリエーテルケトン(PEK)、ポリアミド(PA)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)、ポリアラミド、ポリイミ
ド、ハロゲン化ポリマー、非晶質もしくは半結晶質シク
ロオレフィンポリマー又は複分解ポリマーである請求項
1から8の一項以上に記載のフィルム。 - 【請求項10】 基層が顔料、好ましくはTiO2、又
は空胞誘導充填剤を含む請求項1から9の一項以上に記
載のフィルム。 - 【請求項11】 フィルムの密度が1.7g/cm3以
下、好ましくは0.4〜1.5g/cm3である請求項
1から10の一項以上に記載のフィルム。 - 【請求項12】 フィルムを形成するポリマー又はポリ
マー混合物を押出機で圧縮し加熱する段階と、次いで溶
融物をシート押出ダイで押出す段階と、こうして得られ
たフィルムを1個以上のロールで引取る段階と、次いで
フィルムを延伸する段階と、必要に応じてヒートセット
及び表面処理する段階を含み、押出温度が非相溶性ポリ
マーのガラス転移温度未満である請求項1に記載のフィ
ルムの製造方法。 - 【請求項13】 延伸ポリオレフィンフィルムにおける
粘着防止剤としての中空粒子の使用。 - 【請求項14】 ポリオレフィンと、ポリマー混合物を
ベースとして<2重量%、好ましくは0.001〜<2
重量%の非相溶性ポリマーを含む中空粒子とを含むポリ
マー混合物。 - 【請求項15】 上層の厚さが0.2〜2μmである請
求項1から14のいずれか一項に記載の多層ポリオレフ
ィンフィルム。 - 【請求項16】 白色又は不透明態様の多層フィルムが
ASTM−D 1039−77により測定した場合に5
0%以下の光透過率を有する請求項1から15のいずれ
か一項に記載の多層ポリオレフィンフィルム。 - 【請求項17】 包装用フィルムとしての請求項1から
16の一項以上に記載の多層ポリオレフィンフィルムの
使用。 - 【請求項18】 印刷及び積層用としての請求項1から
11の一項以上に記載の多層ポリオレフィンフィルムの
使用。 - 【請求項19】 請求項1から11の一項以上に記載の
多層ポリオレフィンフィルムと、紙もしくは板紙又は別
の熱可塑性プラスチックフィルムを含む積層体。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE19510086A DE19510086A1 (de) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | Siegelfähige Polyolefin-Mehrschichtfolie mit partikelförmigen Hohlkörpern, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung |
DE19510086.7 | 1995-03-20 |
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