JP4354739B2 - 樹脂延伸フィルム、ラベル、被着体および容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デラベリング可能なラベルと該ラベルが貼合された被着体に関する。特に、リターナブル工程において加熱した水酸化ナトリウム溶液による洗浄を行わなくても、水洗で簡便にデラベリングすることが可能なラベルと、該ラベルが貼合された被着体に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、各種飲料容器などには、回収原料・カレットから溶かされ再び成形されたワンウェイ容器や、使用後に回収された容器を洗浄して再度使用するリターナブル容器が使用されている。特に環境調和を鑑みた循環型社会を目指す上で、ワンウェイ容器よりエネルギー使用量が少なく、資源の消費と廃棄物を抑制するなど環境負荷が少ないリターナブル容器は、今後さらに使用が増加するものと考えられている。
【0003】
このリターナブル容器として大量に使用されているビールビンには、その意匠性を上げるためビンラベルが貼付されるのが一般的である。従来のリターナブルビン用ラベルは、一般に天然紙の表面に耐水性、意匠性を付与するためにアルミニウム蒸着層を設け、反対面に水系接着剤を設けた構造をしており、水系接着剤を介してビンに接着している。リターナブル工程では、完全にビンよりラベルを取り除くために(デラベリング)、前処理で回収ビンを水洗した後に、アルミニウム蒸着層を溶かすために70℃程度に加熱した水酸化ナトリウム溶液による洗浄を行っている。しかしながら水酸化ナトリウム溶液は人体に有害であり、アルミニウム蒸着層の溶解やビン内部の洗浄後の廃液処理の問題、さらに該水酸化ナトリウム溶液を約1年間繰り返し使用し続けることによる衛生面の問題、またガラスビン自体の侵食の問題などが指摘されており、加熱した水酸化ナトリウム溶液を使用することなく、前処理の水洗だけで容易にデラベリングできるラベルの出現が望まれている。
【0004】
従来のラベルは天然紙で構成されているため、上記のように耐水性、意匠性を付与するためにアルミニウム蒸着層が必要とされている。そこで、アルミニウム蒸着層を設けないで済むようにするために、耐水性に優れたフィルム系合成紙を使用することが考えられる。しかしながら、一般にフィルム系合成紙は吸水性に劣るために、水系接着剤を用いることが困難であるという問題がある。
一方、吸水性に優れる水性インクジェット記録用紙に適した合成紙(特許文献1〜5)や、水系接着剤が使用できる合成紙(特許文献6)が提案されているが、これらの合成紙を用いても水洗だけで容易にデラベリングすることは困難であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−226507号公報
【特許文献2】
特開2002−96422号公報
【特許文献3】
特開2001−164017号公報
【特許文献4】
特開2001−151918号公報
【特許文献5】
特開2001−181423号公報
【特許文献6】
特開平10−212367号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来技術の問題点を考慮して、本発明は、リターナブル工程において加熱した水酸化ナトリウム溶液による洗浄を行わなくても、水洗で簡便にデラベリングすることが可能なラベルを提供することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、液体吸収係数が5ml/(m2・ms1/2)以上の基材フィルムの少なくとも片面に水系接着剤層を設けたラベルが、水洗で簡便にデラベリングし得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂(A)と、無機微細粉末(B)を含有し、かつ液体吸収係数が5ml/(m2・ms1/2)以上である基材フィルムの少なくとも片面に水系接着剤層を設けたラベルあって、該ラベルを水系接着剤層を介して被着体に貼合したラベル付き被着体を水圧2MPaで水洗した場合、水洗開始から60秒以内に該ラベルが被着体から剥離することを特徴とするデラベリング可能なラベルに関する。
【0009】
基材フィルムに含まれる熱可塑性樹脂(A)は結晶性ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、無機微細粉末(B)の表面は少なくとも1種類の表面処理剤(C)により処理(特に親水化処理)されたものであることが好ましい。表面処理剤(C)としては、水溶性カチオンポリマー及び/又は水溶性アニオン系界面活性剤を用いることが好ましく、前記水溶性カチオンポリマーとしては、ジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン親水性ビニルモノマーとを構成単位とするものを用いることが好ましい。
【0010】
本発明で用いる基材フィルムは、熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%、無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー(B’)0〜50重量%の割合で配合した樹脂組成物であることが好ましい。熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)および有機フィラー(B’)からなる樹脂組成物100重量部に対して、分散剤(D)0.01〜100重量部を含有することが好ましい。分散剤(D)としては、酸変性ポリオレフィン(好ましい酸変性率は0.01〜20%)及び/又はシラノール変性ポリオレフィンを用いることが好ましい。
【0011】
本発明で用いる基材フィルムは少なくとも1方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が2〜80倍であることが好ましい。また、基材フィルムの開口率は7%以上であることが好ましく、基材フィルムは多層構造であることが好ましい。基材フィルムの水系接着剤層を設けた面と反対面に意匠性を高めるため金属層を設けることが好ましい。水系接着剤としては、デンプン、膠、カゼイン、セルロース、アルギン酸ソーダ、グアーガム、ラテックス、ポリマレイン酸系重合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、プルラン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂および酢酸ビニル樹脂からなる群より選択される少なくとも一つを含むものを用いることが好ましい。
【0012】
本発明は、上記のデラベリング可能なラベルを貼合した被着体も提供する。特に、金属、ガラス、プラスチック、陶器および紙からなる群より選ばれる材料で構成される容器に上記のラベルを貼合した被着体を提供する。
【0013】
【発明の実態の形態】
以下において、本発明のデラベリング可能なラベルおよびそれを貼合した被着体について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0014】
[熱可塑性樹脂(A)]
本発明のデラベリング可能なラベルに使用される基材フィルムは、熱可塑性樹脂を含むものである。基材フィルムに使用する熱可塑性樹脂(A)としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の結晶性エチレン系樹脂、結晶性プロピレン系樹脂、ポリメチルー1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等の結晶性ポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
【0015】
これらの中でも、耐薬品性や生産コスト等の観点より、結晶性ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、結晶性プロピレン系樹脂を用いることがより好ましい。
結晶性ポリオレフィン系樹脂は、結晶性を示すものである。結晶化度は、通常20%以上が好ましく、35〜75%がより好ましい。結晶性を示さないものは、延伸により基材フィルム表面に空孔(開口)が十分に形成されない。該結晶化度はX線回折、赤外線スペクトル分析等の方法によって測定することができる。
【0016】
結晶性プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合させたアイソタクティック重合体またはシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合させた様々な立体規則性を有するプロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
基材フィルムにおける熱可塑性樹脂(A)の含有量は、通常20〜80重量%、好ましくは25〜75重量%である。
【0017】
[無機微細粉末(B)及び有機フィラー(B’)]
本発明のデラベリング可能なラベルを構成する基材フィルムに使用することができる無機微細粉末(B)として、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素などの無機微細粉末、無機微細粉末の核の周囲にアルミニウム酸化物ないしは水酸化物を有する複合無機微細粉末、中空ガラスビーズ等を例示することができる。中でも重質炭酸カルシウム、焼成クレー、珪藻土は、安価で延伸時に多くの空孔を形成させることができるために好ましい。
基材フィルムにおける無機微細粉末(B)の含有量は、20〜80重量%が好ましく、25〜75重量%がより好ましい。無機微細粉末(B)の含有量が80重量%以下であれば延伸が容易であり、20重量%以上であれば所望の表面開口率が得られやすくて液体吸収係数を十分に改善することができる。
【0018】
本発明のデラベリング可能なラベルを構成する基材フィルムに使用することができる有機フィラー(B’)は、空孔形成の目的のために、上記の熱可塑性樹脂(A)よりも融点またはガラス転移点が高くて非相溶性の樹脂から選択して用いることが好ましい。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、アクリル酸エステルないしはメタクリル酸エステルの重合体や共重合体、メラミン樹脂、ポリエチレンサルファイト、ポリイミド、ポリエチルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、環状オレフィンの単独重合体および環状オレフィンとエチレンなどとの共重合体(COC)等を例示することができる。上記熱可塑性樹脂(A)として結晶性ポリオレフィン系樹脂を使用する場合には、有機フィラー(B’)として、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、環状オレフィンの単独重合体および環状オレフィンとエチレンなどの共重合体(COC)より選択して用いることが好ましい。
基材フィルムにおける有機フィラー(B’)の含有量は、0〜50重量%が好ましく、0〜40重量%がより好ましい。
【0019】
本発明に使用する無機微細粉末(B)の平均粒子径または有機フィラー(B’)の平均分散粒子径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜15μmの範囲である。熱可塑性樹脂(A)との混合の容易さを考慮すると0.1μm以上のものを用いることが好ましい。粒子径が0.1μm以上であれば、延伸による空孔形成が容易で所望の表面を有する延伸フィルムが得られやすい。また、平均粒子径が20μm以下であれば、延伸性が良好で成形時における延伸切れや穴あきを抑えることができる。
【0020】
本発明に使用する基材フィルムは、フィルムの軽量化を図るために、内部に微細な空孔を持つ多孔質構造を有することが好ましい。基材フィルムの空孔率は1〜75%であることが好ましく、より好ましくは5〜65%の範囲である。空孔率が75%以下であればフィルムの材料強度が高くて破断しにくく、1%以上であれば十分な液体吸収特性が得られやすい。
【0021】
内部に空孔があることは、基材フィルムの断面を電子顕微鏡観察することにより確認することができる。なお、本発明における空孔率は、下記の式(1)で示される空孔率、ないしは断面の電子顕微鏡写真観察した領域に空孔が占める面積割合(%)を示す。次式(1)で表される空孔率と面積割合は同じものである。
【0022】
【数1】
空孔率(%)=100×(ρ0 −ρ)/ρ0 ・・・(1)
(式中、ρ0 :基材フィルムの非空孔部分の密度、ρ:基材フィルムの密度)
【0023】
本発明のラベルが基材フィルムを表面に有する積層体である場合は、該積層体及びこれから本発明の基材フィルムを取り除いた部分の両方について厚さ測定と坪量を行い、これらのデータに基づいて基材フィルム層の厚さと量さを算出して密度(ρ)を求め、さらに構成成分の組成より非空孔部分の密度(ρ0 )を求めて式(1)により空孔率を求めることができる。
【0024】
空孔が示す面積割合は、基材フィルムをエポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて例えばフィルムの厚さ方向に対して平行かつ面方向に垂直な切断面を作製し、この切断面をメタライジングした後、走査型電子顕微鏡で観察しやすい任意の倍率(例えば500倍〜2000倍)に拡大して観察したり、電子顕微鏡像を撮影して画像解析したりすることにより求めることもできる。面積比の求め方の一例として、空孔部分をトレーシングフィルムにトレースし塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理し、空孔の面積割合(%)を求める方法を挙げることができる。
【0025】
本発明に使用する無機微細粉末(B)の平均粒子径は、一例として粒子計測装置、例えば、レーザー回折式粒子計測装置(株式会社日機装製、商品名:マイクロトラック)により累積で50%にあたる粒子径(累積50%粒子径)を測定することにより求めることができる。
また、溶融混練と分散により熱可塑性樹脂中に分散した有機フィラー(B’)の粒子径は、デラベリング可能なラベル断面の電子顕微鏡観察により粒子の少なくとも10個を測定してその粒子径の平均値として求めることができる。
【0026】
本発明に使用する無機微細粉末(B)や有機フィラー(B’)は、上記の中から1種を選択してこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、無機微細粉末(B)と有機フィラー(B’)の組み合わせであってもよい。
【0027】
[表面処理剤(C)]
本発明で用いる無機微細粉末(B)は、表面処理剤(C)で表面処理されている。無機微細粉末(B)に使用する表面処理剤(C)は、無機微細粉末(B)の表面を親水化処理するものである。表面処理剤(C)としては、水溶性カチオンコポリマーを用いる。水溶性カチオンコポリマーとしては、ジアリルアミン塩またはアルキルジアリルアミン塩より選ばれるモノマー(c1)と非イオン親水性ビニルモノマー(c2)との共重合体である水溶性カチオンコポリマーを用いる。水溶性カチオンコポリマーの場合「塩」を形成する陰イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンおよびメタンスルホン酸イオンからなる群より選ばれるものであることが好ましい。
【0028】
(c1)の具体例としては、ジアリルアミン塩、炭素数1〜4の範囲のアルキルジアリルアミン塩およびジアルキルジアリルアミン塩、すなわちメチルジアリルアミン塩やエチルジアリルアミン塩、ジメチルジアリルアミン塩、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムやアクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムのクロライド、ブロマイド、メトサルフェート、またはエトサルフェート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートやN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートをエピクロロヒドリン、グリシドール、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドなどのエポキシ化合物でアルキル化して得られる4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、ジアリルアミン塩、メチルジアリルアミン塩およびジメチルジアリルアミン塩である。
【0029】
(c2)の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステルが挙げられる。これらの中で好ましいものは、アクリルアミドおよびメタクリルアミドである。
【0030】
(c1)と(c2)の共重合比は任意に設定することができるが、(c1)は好ましくは10〜99モル%、より好ましくは50〜97モル%、さらに好ましくは65〜95モル%であり、(c2)は好ましくは90〜1モル%、より好ましくは50〜3モル%、更に好ましくは35〜5モル%である。
【0031】
(c1)と(c2)より得られる表面処理剤(C)は、上記モノマー混合物を水性媒体中で過硫酸アンモニウムや2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等である開始剤を使用して40℃〜100℃(例えば50〜80℃)で2時間〜24時間重合反応させることにより得ることができる。該重合体は、特開平5−263010号公報、特開平7−300568号公報等に記載された方法により製造することもできる。また、特開昭57−48340号公報や特開昭63−235377号公報等に記載された方法の一部を使用することもできる。これらの中で好ましい重合体は、ジアリルアミンまたはジアリルジメチルアミンの塩酸塩、硫酸塩とメタクリルアミド、アクリルアミドの共重合体である。
【0032】
該重合体の分子量は、1mol/L濃度の塩化ナトリウム水溶液中の25℃での極限粘度で示すと通常は0.05〜3、好ましくは0.1〜0.7、特に好ましくは0.1〜0.45の範囲である。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される重量平均分子量で表すと、通常は約5,000〜950,000、好ましくは10,000〜500,000、更に好ましくは10,000〜80,000の範囲である。
【0033】
また、本発明では、水溶性アニオン系界面活性剤よりなる表面処理剤(C)で処理された無機微細粉末(B)を併用してもよい。無機微細粉末(B)の処理に使用する水溶性アニオン系界面活性剤よりなる表面処理剤(C)は、分子内に陰イオン性官能基を有する。
その具体例として、炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するスルホン酸塩(c3)、炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するリン酸エステル塩や炭素数4〜40の範囲の高級アルコールのリン酸モノまたはジエステルの塩(c4)、炭素数4〜30の範囲の炭化水素基を有するアルキルベタインやアルキルスルホベタイン(c5)などが挙げられ、本発明の効果を得られるように適宜選択される。(c3)〜(c4)における「塩」とは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、1〜4級アンモニウム塩、1〜4級ホスホニウム塩を示し、塩として好ましいのは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、4級アンモニウム塩、より好ましくはナトリウム塩またはカリウム塩である。
【0034】
(c3)の炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するスルホン酸塩としては、炭素数4〜40、好ましくは8〜20の範囲の直鎖または分岐や環状構造を有する炭化水素基を有するスルホン酸塩、スルホアルカンカルボン酸塩であり、具体的には炭素数4〜40、好ましくは8〜20の範囲のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、炭素数4〜30、好ましくは8〜20の範囲の直鎖または分岐や環状構造を有するアルキルナフタレンスルホン酸塩、炭素数1〜30、好ましくは8〜20の範囲の直鎖または分岐構造を有するアルキル基を有するジフェニルエーテルやビフェニルのスルホン酸塩;炭素数1〜30、好ましくは8〜20の範囲のアルキル硫酸エステルの塩;スルホアルカンカルボン酸エステルの塩;炭素数8〜30、好ましくは炭素数10〜20の範囲のアルキルアルコールのアルキレンオキシド付加物のスルホン酸塩などが挙げられる。
【0035】
これらの具体例としては、アルカンスルホン酸塩や芳香族スルホン酸塩すなわちオクタンスルホン酸塩、ドデカンスルホン酸塩、ヘキサデカンスルホン酸塩、オクタデカンスルホン酸塩、1−または2−ドデシルベンゼンスルホン酸塩、1−または2−ヘキサデシルベンゼンスルホン酸塩、1−または2−オクタデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルナフタレンスルホン酸塩の種々の異性体、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、オクチルビフェニルスルホン酸塩の種々の異性体、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ドデシルリグニンスルホン酸塩、;アルキル硫酸エステル塩すなわちドデシル硫酸塩、ヘキサデシル硫酸塩、;スルホアルカンカルボン酸塩すなわちスルホコハク酸のジアルキルエステルであり、アルキル基が炭素数1〜30、好ましくは4〜20の範囲の直鎖または分岐や環状構造を有するもの、より具体的には、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)の塩、N−メチル−N−(2−スルホエチル)アルキルアミドの塩(アルキル基は炭素数1〜30、好ましくは12〜18)、例えばN−メチルタウリンとオレイン酸を由来とするアミド化合物、炭素数1〜30、好ましくは10〜18のカルボン酸の2−スルホエチルエステル塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンセチル硫酸塩;炭素数8〜30、好ましくは10〜20の範囲のアルキルアルコールのアルキレンオキシド付加物のスルホン酸塩すなわちラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、セチルアルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩などが挙げられる。
【0036】
(c4)の炭素数4〜40、好ましくは炭素数8〜20の範囲の直鎖または分岐や環状構造を有する炭化水素基を有するリン酸モノ、またはジエステル塩またはリン酸トリエステルの具体例としては、リン酸ドデシルのジナトリウム塩またはジカリウム塩、リン酸へキシデシルのジナトリウム塩、リン酸ジドデシルのジナトリウム塩またはジカリウム塩、リン酸ジヘキサデシルのナトリウム塩またはカリウム塩、ドデシルアルコールの酸化エチレン付加物のリン酸トリエステル等が挙げられる。
【0037】
(c5)の炭素数4〜30、好ましくは10〜20の範囲の炭化水素基を有するアルキルベタインやアルキルスルホベタインの具体例としては、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ドデシルジメチル(3−スルホプロピレン)アンモニウムインナーソルト、セチルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムインナーソルト、ステアリルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムインナーソルト、2−オクチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
【0038】
これらのうちで好ましくは、炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するスルホン酸塩(c3)であり、より好ましくは炭素数10〜20の範囲のアルカンスルホン酸塩、炭素数10〜20の範囲のアルキル基を有する芳香族スルホン酸塩、炭素数10〜20の範囲のアルキル基を有するアルキルアルコールのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩より選ばれるものである。
【0039】
[分散剤(D)]
基材フィルムには分散剤(D)を用いる。基材フィルムに使用する分散剤(D)としては、例えば酸変性ポリオレフィン、シラノール変性ポリオレフィンなどを例示することができるが、本発明では必須の分散剤として酸変性ポリオレフィンを用いる。該酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸をランダム共重合もしくはグラフト共重合した無水酸基含有ポリオレフィン、あるいはメタクリル酸、アクリル酸などの不飽和カルボン酸をランダム共重合もしくはグラフト共重合したカルボン酸基含有ポリオレフィン、グリシジルメタクリレートをランダム共重合もしくはグラフト共重合したエポキシ基含有ポリオレフィンなどが挙げられる。具体例としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、アクリル酸変性ポリプロピレン、エチレン・メタクリル酸ランダム共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレートランダム共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレートグラフト共重合体、グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレンなどが挙げられ、なかでも好ましくは無水マレイン酸変性ポリプロピレンおよび無水マレイン酸変性ポリエチレンである。
【0040】
無水マレイン酸変性ポリプロピレンおよび無水マレイン酸変性ポリエチレンの具体例としては、三菱化学(株)のモディックAP「P513V」(商品名)やモディックAP「M513」(商品名)、三洋化成工業(株)のYumex1001,1010(商品名)やYumex2000(商品名)、三井・デュポンケミカル(株)のHPR「VR101」(商品名)が挙げられる。
【0041】
酸変性ポリオレフィンの酸変性率は、0.01〜20%が好ましく、0.05〜15%がより好ましい。酸変性率が0.01%以上であれば、表面処理した無機微細粉末(B)の熱可塑性樹脂(A)中への分散効果が十分に得られやすい。酸変性率が20%以下であれば、酸変性ポリオレフィンの軟化点が低くなりすぎることがないため熱可塑性樹脂とのコンパウンドが比較的容易である。
【0042】
基剤フィルムにおける分散剤(D)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)及び有機フィラー(B’)を配合した樹脂組成物100重量部に対して、通常0.01〜100重量部、好ましくは0.05〜90重量部、更に好ましくは0.1〜80重量部である。
分散剤(D)の含有量が0.01重量部以上であれば、表面処理した無機微細粉末が十分に分散するため、所望の表面開口率が得られやすく、液体吸収係数を改善しやすい。また、100重量部以下であれば、延伸性が良好で成形時における延伸切れを抑えることができる。
【0043】
[水系接着剤層]
本発明のラベルを構成する水系接着剤層に使用する水系接着剤は、例えばデンプン、膠、カゼイン、セルロース、アルギン酸ソーダ、グアーガム、ラテックス、ポリマレイン酸系重合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、プルラン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂から選択される少なくとも一つを含むものが好ましく、これらの中では、デンプン、カゼインを含むものがより好ましい。使用される水系接着剤としては、上記物質を含む水溶液やエマルジョンが使用できる。
【0044】
水系接着剤の乾燥塗工量は、使用する基材フィルムの液体吸収係数により適宜選択されるが、通常は0.5〜100g/m2が好ましく、2〜50g/m2がより好ましく、5〜20g/m2が更に好ましい。
【0045】
水系接着剤の乾燥塗工量が0.5g/m2以上であれば、容器等の被着体との十分な接着強度が得られやすい。また塗工量が100g/m2以下であれば、水系接着接着剤が短時間に乾燥するため、接着剤未乾燥によるラベルのズレが生じてラベリング速度が低下しコストが高まるのを回避することができる。
【0046】
塗工乾燥後の接着剤が基材フィルム表面を好ましくは10%以上、より好ましくは30〜90%、更に好ましくは50〜80%を覆っている場合が被着体との貼合に適している。10%以上あれば被着体との密着性が十分に得られやすい。また、80%以下であれば、ラベルと被着体との非接着部分に適度な空気が存在するため、水系接着剤の乾燥時間を短縮し得る傾向がある。
【0047】
[無機微細粉末(B)の表面処理方法]
本発明において、少なくとも1種類の表面処理剤(C)を用いて無機微細粉末(B)の表面処理を行う。表面処理方法としては、公知の種々の方法が適応でき、特に制限されない。
混合装置や混合時の温度、時間も使用する表面処理剤成分の性状や物性に応じて適宜選択される。使用される種々の混合機のL/D(軸長/軸径)や撹拌翼の形状、剪断速度、比エネルギー、滞留時間、処理時間、処理温度等についても、使用成分の性状に合わせて適宜選択可能である。
【0048】
無機微細粉末(B)の表面処理方法の例として、湿式粉砕により製造する炭酸カルシウムの場合には、粒径が10〜50μmの炭酸カルシウム粒子100重量部に対して必要量の表面処理剤(C)の存在下、水性媒体中で湿式粉砕して所望の粒子径とする方法を挙げることができる。具体的には炭酸カルシウム/水性媒体(具体的には水)との重量比が好ましくは70/30〜30/70、より好ましくは60/40〜40/60の範囲となるように炭酸カルシウムに水を加え、ここに表面処理剤(C)を炭酸カルシウム100重量部あたり好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部添加し、常法により湿式粉砕する。さらには、上記範囲の量となる表面処理剤を予め溶解してなる水性媒体を準備し、該水性媒体を炭酸カルシウムと混合し、常法により湿式粉砕してもよい。湿式粉砕はバッチ式でも、連続式でもよく、サンドミル、アトライター、ボールミルなどの粉砕装置を使用したミルなどを使用するのが好ましい。このように湿式粉砕することにより、平均粒子径が好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜15μmの炭酸カルシウムが得られる。
【0049】
次いで湿式粉砕品を乾燥するが、乾燥前に分級工程を設けて、350メッシュオンといった粗粉を除くことができる。乾燥は熱風乾燥など公知の方法により行うことができるが、媒体流動乾燥により行うのが好ましい。媒体流動乾燥とは、乾燥塔内で熱風(80〜150℃)により流動化状態にある媒体粒子群(流動層)中にスラリー状物質を供給し、供給されたスラリー状物質は、活発に流動化している媒体粒子の表面に膜状に付着しながら流動乾燥内に分散され、熱風による乾燥作用を受けることにより、各種物質を乾燥する方法である。このような媒体流動乾燥は、例えば(株)奈良機械製作所製の媒体流動乾燥装置「メディア スラリー ドライヤー」等を用いて容易に行うことができる。この媒体流動乾燥を用いると乾燥と凝集粒子の解砕(1次粒子化の除去)が同時に行われるので好ましい。同方法により粗粉量が極めて少ない炭酸カルシウムが得ることができる。
【0050】
しかしながら、媒体流動乾燥後、所望の方法で粒子の粉砕と分級とを行うことも有効である。一方、媒体流動乾燥の代わりに通常の熱風乾燥により湿式粉砕品を乾燥した場合にも、得られたケーキをさらに所望の方法で粒子の粉砕と分級とを行うのがよい。この方法により得られた湿式粉砕品の乾燥ケーキは潰れやすく、容易に炭酸カルシウム微粒子を得ることができるため、乾燥ケーキを粉砕する工程をわざわざ設ける必要はない。
【0051】
このようにして得られた無機微細粉末(B)は、更に別の表面処理剤で処理することができる。
表面処理剤(C)の使用量は、本発明のデラベリング可能なラベルの用途により異なるが、通常無機微細粉末(B)100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.04〜5重量部、より好ましくは0.07〜2重量部の範囲である。表面処理剤(C)の使用量が0.01重量部以上であれば表面処理の効果が得られやすく、10重量部以下であれば表面処理剤の効果を効率よく得ることができる傾向がある。
【0052】
[構成成分の量比]
本発明に使用する基材フィルムを構成する成分の好ましい量比範囲は、熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%、無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー(B’)0〜50重量%からなる樹脂組成物に、分散剤(D)を前記熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)及び/又は有機フィラー(B’)の合計100重量部に対して0.01〜100重量部を含有する組成である。この際、前記無機微細粉末(B)及び/又は有機フィラー(B’)の含有量が80重量%以下であれば、膜厚の均一なフィルムが得られやすい。また、熱可塑性樹脂(A)の含有量が80重量%以下であれば、所望の液体吸収係数(5ml/(m2・ms1/2)以上)の基材フィルムが得られやすく、基材フィルム表面との密着性も得られやすくなる傾向がある。また、必要に応じて各構成成分中には、熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、核剤、滑剤、着色剤等を配合してもよい。これらは3重量%以下の割合で配合するのが好ましい。
【0053】
[デラベリング可能なラベルの製造]
本発明のデラベリング可能なラベルは、当業者に公知の種々の方法を組み合わせることによって製造することができる。いかなる方法により製造されたデラベリング可能なラベルであっても、本発明に記載された条件を満たすものである限り本発明の範囲内に包含される。
【0054】
本発明に使用する基材フィルムは、熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)、有機フィラー(B’)、分散剤(D)を所定の割合で混合し、押出し等の方法により製膜し、その後熱可塑性樹脂(A)の融点より低い温度、好ましくは3〜60℃低い温度で1軸方向または2軸方向に延伸を行うことにより、フィルム表面および内部に微細な空孔(ボイド)を均一に有する液体吸収性基材フィルムが得られ、得られたフィルムの製造工程内(インライン)及び/又は工程外(アウトライン)で水系接着剤を公知の方法により固形分換算で好ましくは0.5〜100g/m2となるように塗工し得ることができる。
【0055】
本発明に使用する基材フィルムは少なくとも1軸方向に延伸されているものが好ましく、2軸方向に延伸されていてもよい。また基材フィルムは単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造の場合、2層構造、3層以上の構造であってもよい。
単層構造の場合、フィルムは無延伸、1軸延伸、2軸延伸のいずれであっても差し支えない。2層構造の場合、無延伸/無延伸、無延伸/1軸延伸、無延伸/2軸延伸、1軸延伸/1軸延伸、1軸延伸/2軸延伸、2軸延伸/2軸延伸のいずれの構造であっても差し支えない。3層以上の構造の場合は、上記単層構造と2層構造を組み合わせればよく、いずれの組み合わせでも差し支えない。
【0056】
例えば、▲1▼無機微細粉末(B)を0〜40重量%、好ましくは3〜33重量%含有する結晶性ポリオレフィン系樹脂フィルムを該樹脂の融点より低い温度で1方向に延伸して得られる1軸方向に配向したフィルムを基材層として用意し、▲2▼その少なくとも片面に、熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%および表面処理された無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー(B’)0〜50重量%からなる樹脂組成物に分散剤(D)を前記熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)、および有機フィラー(B’)の合計100重量部に対して0.01〜100重量部を含有する樹脂組成物の溶融樹脂を積層し、次いで▲3▼前記延伸方向と直角方向にこの積層フィルムを延伸することにより、表面層が1軸方向に配向し、基材層が2軸方向に配向した積層構造物の基材フィルムが得られる。さらに、その基材フィルムの少なくとも片面に水系接着剤層を設けることにより、本発明のデラベリング可能なラベルが得られる。
好ましい製造方法は基材層と最外層を積層した後にまとめて延伸して得られたフィルム表面に水系接着剤層を設ける工程を含むものである。別個に延伸して積層する場合と比べると簡便であり製造コストも安くなる。
【0057】
延伸には、公知の種々の方法を使用することができる。延伸は、樹脂の融点より5℃以上低い温度であり、また2種以上の樹脂を用いる場合は配合量の最大を占める樹脂の融点より5℃以上低い温度で行うことが好ましい。
延伸の具体的な方法としては、ロール群の周速差を利用したロール間延伸、テンターオーブンを利用したクリップ延伸などを挙げることができる。ロール間延伸によれば、延伸倍率を任意に調整して、任意の剛性、不透明度、平滑度、光沢度のフィルムを得ることが容易であるので好ましい。
【0058】
延伸倍率は特に限定される物ではなく、本発明のデラベリング可能なラベルの使用目的と、用いる樹脂の特性を考慮して決定する。通常は2〜11倍であり、好ましくは3〜10倍の範囲内で延伸する。なかでも延伸倍率は4〜7倍がより好ましい。
テンターオーブンを利用したクリップ延伸の場合は4〜11倍で延伸することが好ましい。面積倍率としては、通常は2〜80倍であり、好ましくは3〜60倍、より好ましくは4〜50倍である。面積倍率が2倍未満ではデラベリング可能なラベルの表面に所定の開口率が得られず十分な吸水性も得られずその表面に被着体との密着性の良好な水系接着剤層を設けることが困難になる傾向がある。また80倍を超えると延伸切れや粗大な穴あきが多くなる傾向がある。
【0059】
延伸後の基材フィルムには熱処理を行うのが好ましい。熱処理の温度は、延伸温度から延伸温度より30℃高い温度の範囲内を選択することが好ましい。熱処理を行うことにより、延伸方向の熱収縮率が低減し、製品保管時の巻き締まりや、熱及び溶断シール時の収縮による波打ち等が少なくなる。熱処理の方法はロール及び熱オーブンで行うのが一般的であるが、これらを組み合わせてもよい。これらの処理は延伸したフィルムを緊張下に保持された状態において熱処理するのがより高い処理効果が得られるので好ましい。
【0060】
また、熱処理後には表面にコロナ放電処理やプラズマ処理などの酸化処理を施すのが好ましい。酸化処理を施すことにより、水系接着剤層を設ける際には表面の濡れ性がより向上し水系接着剤の溶媒吸収速度が向上し基材フィルム表面の開口に接着剤成分が早く、より多く入り込む利点があるため望ましい。さらには、基材フィルムと水系接着剤との接着性が向上する利点もある。
【0061】
前記の方法により製造される基材フィルムの液体吸収係数は5ml/(m2・ms1/2)以上であり、好ましくは10ml/(m2・ms1/2)以上であり、更に好ましくは15〜50ml/(m2・ms1/2)であり、得に好ましくは20〜50ml/(m2・ms1/2)である。液体吸収係数が5ml/(m2・ms1/2)未満では、デラベリング時の水洗時に水の基材フィルムへの吸水速度が不十分であり、所望の時間内にデラベリングすることは困難である。
本明細書において「液体吸収係数」とは、JAPAN TAPPI No.51−87に準拠するBLISTOW吸水試験により測定されるものであって、吸水開始20ミリ秒から40ミリ秒における吸水曲線から最小二乗法により直線を得て、その勾配より求められる値を意味する。液体吸収係数は、後述する試験例に記載される具体的手順により測定することができる。
【0062】
また、基材フィルムの少なくとも水系接着剤層を設ける面の開口率は7%以上であることが好ましく、10%〜40%であることがより好ましい。表面開口率が7%未満では十分な液体吸収性が得られなくなる傾向がある。
【0063】
本明細書における「開口率」は、水系接着剤層を設ける前の基材フィルムの水系接着剤層を設ける側の面を電子顕微鏡で観察したときの観察領域中に空孔が占める面積割合を示す。具体的には、基材フィルム試料より任意の一部を切り取り、観察試料台に貼り付け、その観察面に金ないしは金−パラジウム等を蒸着して電子顕微鏡(例えば日立製作所(株)製の走査型顕微鏡S−2400)を使用して観察しやすい任意の倍率(例えば500倍〜3000倍に拡大)にて表面の空孔を観察することにより求めることができる。さらに観察した領域を写真等に撮影し、空孔をトレーシングフィルムにトレースして塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理し、空孔の面積率を基材フィルム表面の開口率とすることもできる。
【0064】
本発明のデラベリング可能なラベルは、水系接着剤層を最外層とし、その反対面には通常各種の印刷方式及び/又は印字方式により印刷及び/又は印字されて使用されるが、用途に応じて熱可塑性樹脂フィルム、ラミネート紙、パルプ紙、不織布、布等に積層して使用してもよい。またアルミニウム、銀などの金属層(金属箔、金属蒸着層)を設けても良い。これら積層フィルム構造は、それぞれの層を別々に延伸した後に積層することによって製造しても良いし、積層した後にまとめて延伸して製造しても良い。またこれらの積層フィルムの表面に及び裏面に印刷して使用しても良い。これらの方法は適宜組み合わせることもできる。
【0065】
本発明のデラベリング可能なラベルの全厚は特に制限されないが、40〜400μmが好ましく、より好ましくは50〜350μm、更に好ましくは60〜300μmの範囲である。基材フィルムが多層構造の場合は水系接着剤層と接する基材フィルムの最外層の厚さは、水系接着剤に含まれる水系溶媒の吸収を考慮すると3〜100μmが好ましく、5〜80μmがより好ましい。水系接着剤層の厚さは使用目的に応じて0.1〜40μmが好ましく、0.1〜30μmがより好ましい。
【0066】
[被着体への適用]
本発明のデラベリング可能なラベルは、水系接着剤の種類、相転移温度を適宜選択することにより、種々の被着体に使用できる。例えば、アルミニウムやステンレス等の金属、ガラス、陶器、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等のプラスチック、紙などからなる被着体に使用でき、アルミニウムやステンレス等の金属、ガラス、陶器、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレンからなる被着体に適し、とりわけガラス、陶器からなる被着体に適している。
被着体の形状は特に制限されず、容器、プレート、円筒、球などいずれの形状であってもよい。好ましいのは、容器であり、特にリターナブル容器である。
【0067】
本発明のデラベリング可能なラベルのデラベリング適性は、以下のように評価した。すなわち、本発明のデラベリング可能なラベルを水系接着剤層を介して貼合したラベル付き被着体を作製し、水圧2MPaの条件で被着体に貼合されたラベルに水をあててラベルが被着体より剥離するまでの時間を測定した。ラベルが被着体より剥離するまでの水洗時間は、60秒以内が好ましく、3〜20秒未満がより好ましい。被着体よりラベルが剥離するまでの水洗時間が3秒未満で剥離するラベルは、被着体との接着強度として実用性に問題がある場合があり、60秒を超えては、ラベルをリターナブル被着体に使用する場合、ラベルを剥離するために時間がかかり過ぎるなどの問題がある。本発明のラベルはデラベリング適性が高く、実用性が極めて高い。
【0068】
【実施例】
以下に、調製例、製造例、実施例および試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。調製例、製造例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は本発明を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0069】
(調製例1)表面処理剤(C)の調製
環流冷却器、温度計、滴下ロート、撹拌装置およびガス導入管を備えた反応器に、ジアリルアミン塩酸塩(60重量%濃度水溶液)500重量部と、アクリルアミド(40重量%濃度水溶液)13重量部および水40重量部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を80℃に昇温した。攪拌下で、滴下ロートを用いて重合開始剤と過硫酸アンモニウム(25重量%濃度水溶液)30重量部を4時間に渡り滴下した。滴下終了後1時間反応を続け、粘稠な淡黄色液状物を得た。これを50g取り、500ml中のアセトン中に注ぐと白色の沈殿を生じた。沈殿を濾別しさらに2回100mlのアセトンでよく洗浄した後、真空乾燥して白色固体状の重合体(水溶性カチオンコポリマー)を得た。得られた重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)より求めた重量平均分子量は55,000であった。
【0070】
(調製例2)表面処理重質炭酸カルシウムの調製
重質炭酸カルシウム(平均粒子径8μm、日本セメント社製乾式粉砕品)40重量%と水60重量%を充分攪拌混合してスラリー状とし、調製例1にて製造した表面処理剤(C)を重質炭酸カルシウム100重量部当たり0.06重量部加え、テーブル式アトライター型媒体攪拌ミル(直径1.5mmのガラスビーズ、充填率170%、周速10m/秒)を用いて湿式粉砕した。次いで、主成分が炭素数14のアルカンスルホン酸ナトリウムと炭素数16のアルカンスルホン酸ナトリウムの混合物(2重量%濃度水溶液)50部を加えて攪拌した。次いで350メッシュのスクリーンを通して分級し、350メッシュを通過したスラリーを媒体流動乾燥機((株)奈良機械製作所製MSD−200)で乾燥した。得られた炭酸カルシウムの平均粒子径をマイクロトラック(日機装(株)製)測定したところ1.5μmであった。
【0071】
(製造例1〜19)
以下の手順に従って基材フィルム(製造例1〜19)を製造した。表1に使用した材料の詳細を記載した。表中の「MFR」はメルトフローレートを意味する。表2に各基材フィルムの製造にあたって使用した材料の種類と量(重量%)、延伸条件、各層の厚み、および不透明度を記載した。表2に記載される材料の番号は、表1に記載される材料の番号に対応している。なお、表2に記載される分散剤の添加量は、材料1〜3の合計添加量を100重量部としたときの重量部で表示されている。
【0072】
製造例1、5〜7、9〜15、18、19において、表2に記載の配合物[A]を250℃に設定された押出機で溶融混練して押出成形し、冷却装置にて70℃まで冷却して単層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、縦一軸延伸フィルムを得た。次いで表2に記載の配合物[B]を250℃に設定された押出機で溶融混練して、前記縦一軸延伸フィルムの両面に積層した。積層物を表2に記載の延伸温度(2)に加熱してテンター延伸機を用いて横方向に8倍延伸し、延伸温度(2)より20℃高い温度で熱処理を行い、1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層構造の基材フィルムを得た。
【0073】
製造例2では特開2001−226507号公報の実施例3の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された多孔性樹脂フィルムを基材フィルムとして用いた。
製造例3では特開2002− 96422号公報の実施例3の1軸延伸/1軸延伸/1軸延伸された多孔性樹脂延伸フィルムを基材フィルムとして用いた。
製造例4では特開平10− 212367号公報の実施例2の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された積層延伸フィルムを基材フィルムとして用いた。
【0074】
製造例8では、表2に記載の配合物[B]を250℃に設定された押出機で溶融混練して押出成形し、冷却装置にて70℃まで冷却して単層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸したが、破断により延伸フィルムは得られなかった。
【0075】
製造例16では、表2に記載の配合物[B]を250℃に設定された押出機で溶融混練して押出成形し、冷却装置にて70℃まで冷却して単層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、延伸温度(1)より20℃高い温度で熱処理を行い、縦1軸延伸された基材フィルムを得た。
【0076】
製造例17では、表2に記載の配合物[B]を250℃に設定された押出機で溶融混練して、ダイにてシート状に押し出し冷却装置にて70℃まで冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、次いで延伸温度(2)に加熱後テンター延伸機を用いて横方向8倍延伸し、延伸温度(2)より20℃高い温度で熱処理を行い、2軸延伸された単層構造の基材フィルムを得た。
【0077】
これらの得られた単層及び積層された基材フィルムの両面に、放電処理機(春日電機(株)製)を用いて40w/m2・分のコロナ処理を行った。各基材フィルムの不透明度を、JIS P−8138に準拠して測定装置(スガ試験機(株)製:SM−5)により測定した結果を表2に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
(実施例1〜13、比較例1〜8)
製造例1〜7、9〜19で製造した各基材フィルム(縦100mm X横100mmの大きさ)の片面にカゼイン系接着剤(常磐化学(株)製:トキワノール2100W)を固形分濃度で5g/m2となるように塗工してラベルを製造した。基材フィルムの製造例番号と、ラベルの実施例番号または比較例番号の対応関係は表3に記載されるとおりである。
【0081】
(試験例)
製造例において製造した各基材フィルムの接着面について、無機微細粉末の分散性、開口率、液体吸収係数を評価し、実施例および比較例で製造した各ラベルについてデラベリング適性の評価を行った。各試験の詳細は以下に示す通りである。
【0082】
1)無機微細粉末の分散性
製造例1〜7、9〜19で製造した各基材フィルムを、縦500mm×横500mmの大きさに切り取り、その表面(配合物[B]の面)に20°の角度から反射光を当て0.1mm以上の無機微細粉末凝集物(表面突起物)を数えて単位面積当たりの個数をカウントし、以下の3段階で評価した。
○: 3個/m2未満
△: 3個/m2以上10個/m2未満
×: 10個/m2以上
【0083】
2)開口率測定
製造例1〜7、9〜19で製造した各基材フィルムより任意の一部を切り取り、観察試料台に貼り付け、その観察面(配合物[B]の表面)に金蒸着して走査型顕微鏡(日立製作所(株)製、S−2400)を用いて倍率2000倍にて表面を写真撮影した。空孔をトレーシングフィルムにトレースして塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理し、樹脂延伸フィルムの表面開口率を測定した。
【0084】
3)液体吸収係数
製造例1〜7、9〜19で製造した各基材フィルムの液体吸収係数を、BRISTOW法(JAPAN TAPPI No.51−87)に準拠し、液体動的吸収性試験機(熊谷理機工業(株)製:BRISTOW試験機II型)を使用して測定した。液体吸収係数は、測定溶液滴下後20ミリ秒から40ミリ秒における吸水曲線から最小二乗法により直線を得て、その勾配より求めた。測定溶液は、蒸留水98重量%に着色用染料としてスタンプインキ(赤)(シャチハタ(株)製)2重量%を混合したものを用いた。液体吸収係数の大きさは、以下の4段階で評価した。
△は実用上問題があり、×は実用的でない。
◎: 15ml/(m2・ms1/2)以上
○: 5ml/(m2・ms1/2)以上15ml/(m2・ms1/2)未満
△: 1ml/(m2・ms1/2)以上5ml/(m2・ms1/2)未満
×: 1ml/(m2・ms1/2)未満
【0085】
4)デラベリング適性
実施例1〜13、比較例1〜8で製造したラベル各3枚を用意してデラベリング適性を評価した。用意したラベル各3枚についてそれぞれガラス容器(内容量633mlの市販ガラス製ビールビン)に貼合して接着剤を室温にて7日間放置乾燥した後、貼合した該ラベル付きガラス容器のラベル端面に水が当たるように(水をラベルとガラス容器の接着面に当たるように)、水圧2MPaで水洗した。水洗開始から該ラベルがガラス容器から剥離するまで時間を3枚のラベルについて測定し、その平均時間を計算した。また、3枚のラベルが剥離した後のガラス容器の表面を観察し、接着剤や接着剤層の残存状態を観察した。それぞれ以下の基準で評価した。
剥離時間 ◎:3秒以上20秒未満
○:20秒以上60秒以内
×:3秒未満または、60秒以上経過後
剥離状態 ○:ガラス容器接着面に接着剤及び接着剤層がまったく残存していない。
×:ガラス容器接着面の全面または部分的に接着剤または接着剤層が残存している。
【0086】
【表3】
【0087】
以上の結果から明らかなように、液体吸収係数が良好な基材フィルムから構成される本発明のラベルは、優れたデラベリング適性を発揮する(実施例1〜13)。これに対して、本発明の条件を外れている基材フィルムから構成されるラベルはデラベリング適性が劣り実用性がない(比較例1〜6)。
【0088】
【発明の効果】
液体の吸収性に優れた基材フィルムに水系接着剤層を設けた本発明のラベルは、被着体に貼合後に水洗することによって容易に剥離することができ、しかも剥離後に被着体の接着面に接着剤を残さない。また、本発明のラベルを被着体から剥離するときに従来のラベルのように水酸化ナトリウム溶液を用いた洗浄を必要としない。このため、環境対応などに鑑みたリターナブル容器等に対して本発明のラベルを好ましく適用することができ、その応用範囲は極めて広い。
Claims (23)
- 熱可塑性樹脂(A)、ジアリルアミン塩かアルキルジアリルアミン塩の少なくとも一方と非イオン親水性ビニルモノマーとを共重合させた水溶性カチオンコポリマーを含む少なくとも1種類の表面処理剤(C)により表面処理して表面が親水化されている無機微細粉末(B)、および酸変性率が0.01〜20%である酸変性ポリオレフィンからなる分散剤(D)を含有し、液体吸収係数が5ml/(m2・ms1/2)以上であることを特徴とする樹脂延伸フィルム。
- 液体吸収係数が50ml/(m2・ms1/2)以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂延伸フィルム。
- 熱可塑性樹脂(A)が結晶性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂延伸フィルム。
- 熱可塑性樹脂(A)20〜80重量部、無機微細粉末(B)80〜20重量部の割合で配合した樹脂組成物よりなること特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 熱可塑性樹脂(A)および無機微細粉末(B)からなる樹脂組成物100重量部に対し、分散剤(D)0.01〜100重量部を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 熱可塑性樹脂(A)および無機微細粉末(B)からなる樹脂組成物100重量部に対し、分散剤(D)0.1〜80重量部を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 酸変性ポリオレフィンの酸変性率が0.05〜15%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 少なくとも1軸方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が2〜80倍であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 少なくとも1軸方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が4〜50倍であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 開口率が7%以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 開口率が40%以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 多層構造であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 3層構造であることを特徴とする請求項12に記載の樹脂延伸フィルム。
- 3層構造の表面層と裏面層の厚みが同じであることを特徴とする請求項13に記載の樹脂延伸フィルム。
- 3層構造の中央に位置する層が、熱可塑性樹脂(A)、ジアリルアミン塩かアルキルジアリルアミン塩の少なくとも一方と非イオン親水性ビニルモノマーとを共重合させた水溶性カチオンコポリマーを含む少なくとも1種類の表面処理剤(C)により表面処理して表面が親水化されている無機微細粉末(B)、および酸変性率が0.01〜20%である酸変性ポリオレフィンからなる分散剤(D)を含有することを特徴とする請求項13または14に記載の樹脂延伸フィルム。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルムの少なくとも片面に水系接着剤層を設けたラベル。
- ラベルを水系接着剤層を介して被着体に貼合したラベル付き被着体を水圧2MPaで水洗した場合、水洗開始から60秒以内に該ラベルが被着体から剥離することを特徴とする請求項16に記載のラベル。
- ラベルを水系接着剤層を介して被着体に貼合したラベル付き被着体を水圧2MPaで水洗した場合、水洗開始から3〜60秒で該ラベルが被着体から剥離することを特徴とする請求項16に記載のラベル。
- 水系接着剤層を設けた面と反対面に金属層を設けたことを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載のラベル。
- 水系接着剤として、デンプン、膠、カゼイン、セルロース、アルギン酸ソーダ、グアーガム、ラテックス、ポリマレイン酸系重合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、プルラン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂および酢酸ビニル樹脂からなる群より選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項16〜19のいずれか一項に記載のラベル。
- 請求項16〜20のいずれか一項に記載のラベルが貼合された被着体。
- 請求項16〜20のいずれか一項に記載のラベルが貼合された容器。
- 容器が、金属、ガラス、プラスチック、陶器および紙からなる群より選ばれる材料で構成される請求項22に記載の容器。
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