JPH08264903A - 半導体積層構造の製造方法および半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

半導体積層構造の製造方法および半導体発光素子の製造方法

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JPH08264903A
JPH08264903A JP8609195A JP8609195A JPH08264903A JP H08264903 A JPH08264903 A JP H08264903A JP 8609195 A JP8609195 A JP 8609195A JP 8609195 A JP8609195 A JP 8609195A JP H08264903 A JPH08264903 A JP H08264903A
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JP
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buffer layer
substrate
manufacturing
type
semiconductor
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JP8609195A
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English (en)
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Takayuki Kawasumi
孝行 河角
Daisuke Imanishi
大介 今西
Hiroyuki Okuyama
浩之 奥山
Atsushi Toda
淳 戸田
Akira Ishibashi
晃 石橋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶性に優れたII−VI族化合物半導体か
らなる半導体積層構造を製造し、長寿命の半導体発光素
子を実現する。 【構成】 有機金属化学気相成長法によりn型GaAs
基板41上に少なくとも一層のバッファ層、例えばn型
GaAsバッファ層42やn型ZnSeバッファ層43
などを成長させる。次に、n型GaAs基板41を真空
搬送路を通して有機金属化学気相成長装置の反応管から
分子線エピタキシー装置の真空容器内に移し、バッファ
層上にII−VI族化合物半導体を成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体積層構造の製
造方法および半導体発光素子の製造方法に関し、特に、
II−VI族化合物半導体を用いた半導体積層構造や半
導体発光素子の製造に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクや光磁気ディスクに対
する記録/再生の高密度化または高解像度化のために、
青色ないし緑色で発光可能な半導体発光素子に対する要
求が高まってきており、その実現を目指して研究が活発
に行われている。
【0003】このような青色ないし緑色で発光可能な半
導体発光素子の製造に用いる材料としては、ZnSe系
のII−VI族化合物半導体が最も有望である。従来、
このII−VI族化合物半導体を用いた半導体発光素子
を製造する場合には、現在入手可能なZnSe基板は面
積が小さく、ドーピングも難しいため、その基板として
は、結晶性に優れ、ドーピングが容易でしかも大面積の
ものが容易に入手可能なGaAs基板がもっぱら用いら
れている。そして、このGaAs基板上に分子線エピタ
キシー(MBE)法によりII−VI族化合物半導体を
ヘテロ成長させて半導体発光素子を製造するのが主流で
ある。
【0004】しかしながら、従来のII−VI族化合物
半導体を用いた半導体発光素子においては、特に寿命が
大きな問題となっており、長寿命化を図る上で、半導体
発光素子の劣化の原因である結晶欠陥の密度を低減し、
結晶性を向上させることが重要な課題となっている。
【0005】この結晶性の向上に関しては、一般に、基
板上に化合物半導体をヘテロ成長させる際、基板と同一
組成の層をバッファ層として成長させた後、その上に素
子構造を形成する層を成長させることにより結晶性の良
いものを得ることができることは、良く知られている。
また、三元混晶あるいはそれ以上の多元混晶を成長させ
る際には、主な二種類の元素による層をバッファ層とし
て用いることもある。例えば、GaAs基板上に四元の
II−VI族化合物半導体であるZnMgSSe層を成
長させる際には、GaAs基板上にZnSeバッファ層
を成長させ、その上にZnMgSSe層を成長させる。
【0006】実際に、MBE法によるII−VI族化合
物半導体の成長においては、GaAs基板上にまずGa
Asバッファ層を成長させ、その上にII−VI族化合
物半導体を成長させることによって、結晶欠陥密度が低
いII−VI族化合物半導体を得ることができることが
わかっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにMBE法によりGaAsバッファ層上およびII
−VI族化合物半導体を順次成長させて半導体発光素子
を製造した場合においても、そのII−VI族化合物半
導体には、GaAsバッファ層とII−VI族化合物半
導体との界面から発生する積層欠陥が105 〜106
-2程度も存在し、結晶性は不十分であった。
【0008】したがって、この発明の目的は、結晶欠陥
密度が低くて結晶性に優れたII−VI族化合物半導体
からなる半導体積層構造を製造することができる半導体
積層構造の製造方法を提供することにある。
【0009】この発明の他の目的は、長寿命の、II−
VI族化合物半導体を用いた半導体発光素子を製造する
ことができる半導体発光素子の製造方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者の知見によれ
ば、MBE法により成長させたII−VI族化合物半導
体に見られる結晶欠陥のほとんどは、基板とバッファ層
との界面、あるいは、バッファ層とII−VI族化合物
半導体との界面から発生する積層欠陥である。そして、
この積層欠陥の低減には、基板の表面状態およびバッフ
ァ層の成長初期の結晶性が重要である。
【0011】本発明者が行った実験によれば、有機金属
化合物を原料として用いたMOCVD法により成長させ
たII−VI族化合物半導体は、MBE法により成長さ
せたII−VI族化合物半導体に比べて、結晶性がかな
り良好である。具体的には、エッチピット密度による結
晶欠陥密度の評価によれば、MOCVD法により成長さ
せたII−VI族化合物半導体は、MBE法により成長
させた同一組成のII−VI族化合物半導体に比べて、
結晶欠陥密度が一桁近く少ないものが得られている。一
方、II−VI族化合物半導体に対するドーピングに関
しては、現状では、MOCVD法よりもMBE法の方が
有利である。
【0012】この発明は、本発明者の上記知見に基づい
て案出されたものである。
【0013】すなわち、上記目的を達成するために、こ
の発明による半導体積層構造の製造方法は、有機金属化
合物を原料として用いた気相成長法により基板上に少な
くとも一層のバッファ層を成長させ、バッファ層上に分
子線エピタキシー法によりII−VI族化合物半導体を
成長させるようにしたことを特徴とするものである。
【0014】また、この発明による半導体発光素子の製
造方法は、基板上に少なくとも一層のバッファ層を介し
てII−VI族化合物半導体が積層された構造の半導体
発光素子の製造方法において、有機金属化合物を原料と
して用いた気相成長法によりバッファ層を成長させ、分
子線エピタキシー法によりII−VI族化合物半導体を
成長させるようにしたことを特徴とするものである。
【0015】この発明において、典型的には、気相成長
法として有機金属化学気相成長(MOCVD)法を用い
るが、場合によっては、有機金属化合物を原料として用
いた分子線エピタキシー(MOMBE)法を用いてもよ
い。
【0016】この発明においては、典型的には、基板と
してGaAs基板を用いるが、例えばGaInAs基板
を用いてもよい。
【0017】この発明においては、バッファ層には、例
えば、少なくともGaおよびAsを含むバッファ層、具
体的には例えばGaAsバッファ層が含まれる。
【0018】また、この発明においては、バッファ層に
は、例えば、少なくともZnおよびSeを含むバッファ
層、具体的には例えばZnSeバッファ層やZnSSe
バッファ層が含まれる。
【0019】この発明の第1の実施形態においては、基
板としてGaAs基板を用い、GaAs基板上にGaA
sバッファ層、ZnSeバッファ層およびZnSSeバ
ッファ層を順次成長させ、ZnSSeバッファ層上にI
I−VI族化合物半導体を成長させる。
【0020】この発明の第2の実施形態においては、基
板としてGaAs基板を用い、GaAs基板上にZnS
eバッファ層およびZnSSeバッファ層を順次成長さ
せ、ZnSSeバッファ層上にII−VI族化合物半導
体を成長させる。
【0021】この発明の第3の実施形態においては、基
板としてGaAs基板を用い、GaAs基板上にGaA
sバッファ層およびZnSeバッファ層を順次成長さ
せ、ZnSeバッファ層上にII−VI族化合物半導体
を成長させる。
【0022】この発明の第4の実施形態においては、基
板としてGaAs基板を用い、GaAs基板上にGaA
sバッファ層を成長させ、GaAsバッファ層上にII
−VI族化合物半導体を成長させる。
【0023】この発明の好適な一実施形態においては、
有機金属化学気相成長法により基板上にバッファ層を成
長させた後、バッファ層を成長させるのに用いた有機金
属化学気相成長装置の反応管から分子線エピタキシー装
置の真空容器内に基板を真空搬送し、真空容器内におい
て分子線エピタキシー法によりバッファ層上にII−V
I族化合物半導体を成長させる。
【0024】この発明において、II−VI族化合物半
導体は、Zn、Mg、Cd、HgおよびBeからなる群
より選ばれた少なくとも一種のII族元素とSe、Sお
よびTeからなる群より選ばれた少なくとも一種のVI
族元素とにより構成され、その具体例をいくつか挙げる
と、ZnSe、ZnSSe、ZnMgSSeなどであ
る。
【0025】
【作用】上述のように構成されたこの発明による半導体
積層構造の製造方法によれば、有機金属化学気相成長法
などの有機金属化合物を原料として用いた気相成長法に
より基板上にバッファ層を成長させた場合には、結晶欠
陥密度が低いバッファ層を得ることができ、これによっ
てこのバッファ層上に分子線エピタキシー法によりII
−VI族化合物半導体を成長させた場合、バッファ層を
分子線エピタキシー法により成長させる場合に比べて、
その結晶欠陥密度を一桁程度低くすることができ、例え
ば104 cm-2程度とすることができる。
【0026】一方、II−VI族化合物半導体は、ドー
ピング、特にアクセプタ不純物のドーピングに関して有
機金属化学気相成長法に比べてかなり優れている分子線
エピタキシー法により成長させているので、キャリア濃
度、特に正孔濃度が高いII−VI族化合物半導体を得
ることができる。
【0027】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0028】まず、この発明の実施例において用いられ
る成長装置について説明する。図1はこの成長装置の構
成を示す。この成長装置は、MOCVD装置10とMB
E装置20とが真空搬送路30を介して結合されたもの
である。
【0029】図1に示すように、MOCVD装置10に
おいては、水素(H2 )純化装置101により高純度化
されたH2 ガスがキャリアガスとしてバブラ102〜1
06内にそれぞれ供給される。これらのバブラ102〜
106内には、III−V族化合物半導体およびII−
VI族化合物半導体の成長に用いられる有機金属化合物
やドーパントなどが入っている。具体的には、例えば、
バブラ102内にGa原料としてのトリメチルガリウム
(TMGa)、バブラ103内にZn原料としてのジメ
チル亜鉛(DMZn)、バブラ104内にSe原料とし
てのジメチルセレン(DMSe)、バブラ105内にS
原料としてのジエチル硫黄(DES)、バブラ106内
にII−VI族化合物半導体に対するドナー不純物であ
るヨウ素(I)の原料としてのノルマルブチルヨウ素
(n−BuI)またはヨウ化メチルが、それぞれ入って
いる。符号107、108はガスボンベを示す。これら
のガスボンベ107、108内には、III−V族化合
物半導体の成長に用いられる原料ガスやドーパントなど
が入っている。具体的には、例えば、ガスボンベ107
内にはAs原料としてのアルシン(AsH3 )、ガスボ
ンベ108内にはSe原料としてのセレン化水素(H2
Se)が、それぞれ入っている。
【0030】バブラ102〜106内にH2 ガスが供給
されることにより、これらのバブラ102〜106のそ
れぞれから、その蒸気圧分の原料ガスが、キャリアガス
としてのH2 ガスとともに、反応管ライン109を通っ
て反応管110内に供給される。また、ガスボンベ10
7、108内の原料ガスやドーパントなども、キャリア
ガスとしてのH2 ガスとともに、反応管ライン109を
通って反応管110内に供給される。反応管110内に
はサセプタ111が設置され、その上に基板112が置
かれる。
【0031】符号113はベントラインを示す。この場
合、バブラ102から発生される原料ガスの反応管ライ
ン109とベントライン113との間での切り換えはバ
ルブV1 、V2 の開閉により、バブラ103から発生さ
れる原料ガスの反応管ライン109とベントライン11
3との間での切り換えはバルブV3 、V4 の開閉によ
り、バブラ104から発生される原料ガスの反応管ライ
ン109とベントライン113との間での切り換えはバ
ルブV5 、V6 の開閉により、バブラ105から発生さ
れる原料ガスの反応管ライン109とベントライン11
3との間での切り換えはバルブV7 、V8 の開閉によ
り、バブラ106から発生される原料ガスの反応管ライ
ン109とベントライン113との間での切り換えはバ
ルブV9 、V10の開閉により、ガスボンベ107から供
給される原料ガスの反応管ライン109とベントライン
113との間での切り換えはバルブV11、V12の開閉に
より、ガスボンベ108から供給される原料ガスの反応
管ライン109とベントライン113との間での切り換
えはバルブV13、V14の開閉により、それぞれ行うこと
ができるようになっている。
【0032】バルブV15、V16はガスボンベ107から
の原料ガスの供給とH2 純化装置101からのH2 ガス
の供給とを切り換えるためのものであり、バルブV17
18はガスボンベ108からの原料ガスの供給とH2
化装置101からのH2 ガスの供給とを切り換えるため
のものである。符号114〜122は、H2 純化装置1
01から供給されるH2 ガスの流量制御のためのマスフ
ローコントローラを示す。
【0033】MBE装置20においては、図示省略した
超高真空排気装置により超高真空に排気された真空容器
201内に基板ホルダー202が設けられ、この基板ホ
ルダー202にエピタキシャル成長を行う基板112が
保持される。このエピタキシャル成長を行う基板112
は、真空搬送路30を介してMOCVD装置10の反応
管110から真空容器201内に導入される。また、こ
の基板112は、ゲートバルブ203を介して真空容器
201に取り付けられた予備室204から真空容器20
1外に取り出すことができるようになっている。真空容
器201には、基板ホルダー202に対向して複数の分
子線源(Kセル)205が取り付けられている。この場
合、分子線源205としては、II−VI族化合物半導
体の成長に必要な分子線源、例えばZn、Se、Mg、
ZnS、TeおよびCdの各分子線源が用意されてい
る。真空容器201にはさらに、電子サイクロトロン共
鳴(ECR)プラズマセル206が基板ホルダー202
に対向して取り付けられている。このECRプラズマセ
ル206には、マグネット207、マイクロ波導入端子
208、窒素(N2 )ガス導入管209およびプラズマ
導出口210が設けられている。なお、このECRプラ
ズマセル206は、高周波(RF)プラズマセルに置き
換えることができる。真空容器201には、反射型高エ
ネルギー電子回折(RHEED)電子銃211およびR
HEEDスクリーン212が取り付けられており、基板
112のRHEEDパターンを観測することができるよ
うになっている。
【0034】MOCVD装置10の反応管111とMB
E装置20の真空容器201とを接続する真空搬送路3
0は、大気圧から高真空まで圧力を調整することができ
るようになっており、これによってMBE装置20の真
空容器201の真空を破ることなく、MOCVD装置1
0の反応管111から基板113をMBE装置20の真
空容器201内に搬送することができるようになってい
る。
【0035】図2はこの発明の第1実施例を示す。
【0036】図2に示すように、この第1実施例におい
ては、図1に示す成長装置を用いてまず、n型GaAs
基板41上に、MOCVD法により、ドナー不純物とし
て例えばSeがドープされたn型GaAsバッファ層4
2、ドナー不純物として例えばIがドープされたn型Z
nSeバッファ層43およびドナー不純物として例えば
Iがドープされたn型ZnSSeバッファ層44を順次
エピタキシャル成長させる。ここで、n型GaAsバッ
ファ層42のエピタキシャル成長においては、Ga原料
として例えばTMGa、As原料として例えばAs
3 、Seのドーパントとして例えばH2 Se(または
DMSe)を用い、成長温度は例えば720℃とする。
また、n型ZnSeバッファ層43およびn型ZnSS
eバッファ層44のエピタキシャル成長においては、Z
n原料として例えばDMZn、Se原料として例えばD
MSe、S原料として例えばDES、Iのドーパントと
してn−BuI(またはヨウ化エチル)を用い、成長温
度は例えば480℃とする。
【0037】次に、上述のようにしてn型GaAsバッ
ファ層42、n型ZnSeバッファ層43およびn型Z
nSSeバッファ層44がエピタキシャル成長されたn
型GaAs基板41を、MOCVD装置10の反応管1
10から真空搬送路30を介してMBE装置20の真空
容器201内に搬送し、基板ホルダー202に取り付け
る。この搬送時には、n型GaAs基板41上のn型Z
nSSeバッファ層44の表面は、大気にさらされず、
清浄のまま保たれる。
【0038】次に、真空容器201内において、MBE
法により、n型ZnSSeバッファ層44上に、ドナー
不純物として例えば塩素(Cl)がドープされたn型I
I−VI族化合物半導体層45およびアクセプタ不純物
として例えば窒素(N)がドープされたp型II−VI
族化合物半導体層46を順次エピタキシャル成長させ
る。ここで、n型II−VI族化合物半導体層45のド
ナー不純物としてのClのドーピングは、例えば、Zn
Cl2 をドーパントとして用いて行う。p型II−VI
族化合物半導体層46のアクセプタ不純物としてのNの
ドーピングは、図1に示すMBE装置20のECRプラ
ズマセル206において、マグネット207による磁界
の印加およびマイクロ波導入端子208からのマイクロ
波の導入により、窒素ガス導入管209から導入される
2 ガスのプラズマ化を行い、これによって発生された
2 プラズマを基板表面に照射することにより行う。
【0039】以上により、II−VI族化合物半導体か
らなるpn接合を有する半導体装置(例えば、発光ダイ
オード)が製造される。
【0040】ここで、n型ZnSeバッファ層43の厚
さは、ZnSeとGaAsとの間にはわずかではあるが
格子不整合が存在するため、この格子不整合に起因して
このn型ZnSeバッファ層43およびその上の各層の
エピタキシャル成長時にミスフィット転位などが発生す
るのを防止するために、臨界膜厚以下とする。また、n
型ZnSSeバッファ層44は、n型GaAs基板41
と格子整合する組成を有するもの、すなわちS組成比が
0.06であるものが望ましい。
【0041】次に、この発明の第2実施例について説明
する。
【0042】図3に示すように、この第2実施例におい
ては、第1実施例と同様にして、図1に示す成長装置を
用いてn型GaAs基板41上にMOCVD法によりn
型ZnSeバッファ層43およびn型ZnSSeバッフ
ァ層44を順次エピタキシャル成長させた後、このn型
ZnSSeバッファ層44上にn型II−VI族化合物
半導体層45およびp型II−VI族化合物半導体層4
6を順次エピタキシャル成長させ、II−VI族化合物
半導体からなるpn接合を有する半導体装置、例えば発
光ダイオードを製造する。
【0043】次に、この発明の第3実施例について説明
する。
【0044】図4に示すように、この第3実施例におい
ては、第1実施例と同様にして、図1に示す成長装置を
用いてn型GaAs基板41上にMOCVD法によりn
型GaAsバッファ層42およびn型ZnSeバッファ
層43を順次エピタキシャル成長させた後、このn型Z
nSeバッファ層43上にn型II−VI族化合物半導
体層45およびp型II−VI族化合物半導体層46を
順次エピタキシャル成長させ、II−VI族化合物半導
体からなるpn接合を有する半導体装置、例えば発光ダ
イオードを製造する。
【0045】次に、この発明の第4実施例について説明
する。
【0046】図5に示すように、この第4実施例におい
ては、第1実施例と同様にして、図1に示す成長装置を
用いてn型GaAs基板41上にMOCVD法によりn
型GaAsバッファ層42をエピタキシャル成長させた
後、このn型GaAsバッファ層42上にn型II−V
I族化合物半導体層45およびp型II−VI族化合物
半導体層46を順次エピタキシャル成長させ、II−V
I族化合物半導体からなるpn接合を有する半導体装
置、例えば発光ダイオードを製造する。
【0047】上述の第1実施例、第2実施例、第3実施
例および第4実施例のいずれによっても、n型GaAs
基板41上にMOCVD法によりバッファ層をエピタキ
シャル成長させた後、その上にn型II−VI族化合物
半導体層45およびp型II−VI族化合物半導体層4
6をエピタキシャル成長させていることにより、低結晶
欠陥密度のバッファ層を得ることができ、それによって
このバッファ層上にエピタキシャル成長されるn型II
−VI族化合物半導体層45およびp型II−VI族化
合物半導体層46の結晶欠陥密度を低くし、結晶性の向
上を図ることができる。また、n型II−VI族化合物
半導体層45およびp型II−VI族化合物半導体層4
6は、MOCVD法に比べてドーピングが容易なMBE
法によりエピタキシャル成長させていることから、これ
らのn型II−VI族化合物半導体層45およびp型I
I−VI族化合物半導体層46の高濃度ドーピングが可
能であり、これによって半導体装置の高性能化が可能で
ある。
【0048】ここで、バッファ層の成長にMOCVD法
を用いた場合の結晶欠陥密度の低減の効果をエッチピッ
ト密度により評価するために行った実験の結果について
説明すると、次の通りである。すなわち、MBE法によ
りn型GaAs基板41上に成長温度310℃でn型Z
nSeバッファ層43およびn型ZnSSeバッファ層
44を順次エピタキシャル成長させた試料を作製し、n
型ZnSSeバッファ層44のエッチピット密度を測定
したところ、〜1×106 cm-2であった。これに対し
て、MOCVD法によりn型GaAs基板41上に成長
温度480℃でn型ZnSeバッファ層43およびn型
ZnSSeバッファ層44を順次エピタキシャル成長さ
せた試料を作製し、n型ZnSSeバッファ層44のエ
ッチピット密度を測定したところ、104 cm-2以下で
あった。これらのエッチピット密度の測定結果からわか
るように、MOCVD法により成長されたn型ZnSe
バッファ層43およびn型ZnSSeバッファ層44
は、MBE法により成長されたそれに比べて結晶欠陥密
度が1桁以上低い。
【0049】次に、この発明の第5実施例について説明
する。この第5実施例は、この発明を半導体レーザーの
製造に適用した実施例である。
【0050】説明の便宜上、まず、この第5実施例によ
り製造される半導体レーザーの構造について説明する。
この半導体レーザーにおいては、バッファ層の構造が第
3実施例と同様になっている。
【0051】図6および図7はこの半導体レーザーを示
し、図6はこの半導体レーザーの共振器長方向に垂直な
断面図、図7はこの半導体レーザーの共振器長方向に平
行な断面図である。この半導体レーザーは、いわゆるS
CH(Separate ConfinementHeterostructure) 構造を
有するものである。
【0052】図6および図7に示すように、この半導体
レーザーにおいては、ドナー不純物として例えばシリコ
ン(Si)がドープされたn型GaAs基板51上に、
ドナー不純物として例えばSeがドープされたn型Ga
Asバッファ層52、ドナー不純物として例えばIがド
ープされたn型ZnSeバッファ層53、ドナー不純物
として例えばClがドープされたn型Zn1-p Mgp
q Se1-q クラッド層54、ドナー不純物として例えば
Clがドープされたn型ZnSu Se1-u 光導波層5
5、i型Zn1-z Cdz Se量子井戸層からなる活性層
56、アクセプタ不純物として例えばNがドープされた
p型ZnSu Se1-u 光導波層57、アクセプタ不純物
として例えばNがドープされたp型Zn1-p Mgp q
Se1-q クラッド層58、アクセプタ不純物として例え
ばNがドープされたp型ZnSv Se1-v 層59、アク
セプタ不純物として例えばNがドープされたp型ZnS
eコンタクト層60、アクセプタ不純物として例えばN
がそれぞれドープされたp型ZnTeからなる量子井戸
層とp型ZnSeからなる障壁層とが交互に積層された
p型ZnTe/ZnSeMQW層61およびアクセプタ
不純物として例えばNがドープされたp型ZnTeコン
タクト層62が順次積層されている。
【0053】この場合、n型GaAs基板51として
は、(100)面方位を有するものを用いてもよいが、
その上にエピタキシャル成長される層の結晶欠陥密度の
低減などを図る観点からは、好適には、(100)面か
ら[01−1]方向に1°以上10°以下の小さな角度
ε、例えば4°だけオフした主面を有する傾斜基板が用
いられる。この場合、このn型GaAs基板51の主面
には、[011]方向に平行なステップが存在してお
り、そのステップ部に(11−1)ファセットが現れて
いる。このステップ部以外の部分の主面は(100)面
である。εは小さいので、この主面は実質的には(10
0)面であると考えてよい。このn型GaAs基板51
の主面に立てた単位法線ベクトルをベクトルaで表す
と、ベクトルa=( cosε、2-1/2 sinε、−2-1/2 s
inε)≒(1、0.01ε、−0.01ε)である。
【0054】p型ZnSv Se1-v 層59の上層部、p
型ZnSeコンタクト層60、p型ZnTe/ZnSe
MQW層61およびp型ZnTeコンタクト層62はス
トライプ形状にパターニングされている。
【0055】さらに、ストライプ部以外の部分のp型Z
nSv Se1-v 層59上には、例えばアルミナ(Al2
3 )膜からなる絶縁層63が形成されている。そし
て、ストライプ形状のp型ZnTeコンタクト層62お
よび絶縁層63上にp側電極64が形成されている。こ
のp側電極64がp型ZnTeコンタクト層62とコン
タクトした部分が電流の通路となる。ここで、このp側
電極64としては、例えば、Pd膜とPt膜とAu膜と
を順次積層した構造のPd/Pt/Au電極が用いられ
る。一方、n型GaAs基板51の裏面には、例えばI
n電極のようなn側電極65がコンタクトしている。
【0056】この半導体レーザーにおいては、いわゆる
端面コーティングが施されている。すなわち、図7に示
すように、共振器長方向に垂直な一対の共振器端面のう
ちレーザー光が取り出されるフロント側の端面にはAl
2 3 膜66とSi膜67とからなる多層膜がコーティ
ングされ、共振器長方向に垂直な一対の共振器端面のう
ちレーザー光が取り出されないリア側の端面にはAl2
3 膜66とSi膜67とを2周期積層した多層膜がコ
ーティングされている。ここで、Al2 3 膜66とS
i膜67とからなる多層膜の厚さは、それに屈折率をか
けた光学的距離が、レーザー光の発振波長の1/4に等
しくなるように選ばれる。このような端面コーティング
が施されていることにより、例えば、フロント側の端面
の反射率を70%、リア側の端面の反射率を95%にす
ることができる。
【0057】ここで、n型Zn1-p Mgp q Se1-q
クラッド層54およびp型Zn1-pMgp q Se1-q
クラッド層58のMg組成比pは例えば0.09、また
S組成比qは例えば0.18である。これらのMg組成
比p=0.09およびS組成比q=0.18を有するn
型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層54およびp
型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層58はGaA
sと格子整合する。また、活性層56を構成するi型Z
1-z Cdz Se量子井戸層のCd組成比zは例えば
0.19である。一方、n型ZnSu Se1-u 光導波層
55およびp型ZnSu Se1-u 光導波層57のS組成
比uは、n型Zn1-p Mgp q Se1-qクラッド層5
4およびp型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層5
8との格子整合をとる観点からは、0.06であるのが
最も好ましい。
【0058】この場合、n型Zn1-p Mgp q Se
1-q クラッド層54の厚さは例えば0.8μmであり、
D −NA (ND :ドナー濃度、NA :アクセプタ濃
度)は例えば5×1017cm-3である。n型ZnSu
1-u 光導波層55の厚さは例えば60nmであり、N
D −NA は例えば5×1017cm-3である。
【0059】また、p型ZnSu Se1-u 光導波層57
の厚さは例えば60nm、p型Zn1-p Mgp q Se
1-q クラッド層58の厚さは例えば0.6μm、p型Z
nSv Se1-v 層59の厚さは例えば0.6μm、p型
ZnSeコンタクト層60の厚さは例えば45nm、p
型ZnTeコンタクト層62の厚さは例えば70nmで
ある。また、p型ZnSu Se1-u 光導波層57のNA
−ND は例えば8×1017cm-3、p型Zn1-p Mgp
q Se1-q クラッド層58のNA −ND は例えば2×
1017cm-3、p型ZnSv Se1-v 層59のNA −N
D は例えば8×1017cm-3、p型ZnSeコンタクト
層60のNA −ND は8×1017cm-3ないしその数倍
程度である。p型ZnTeコンタクト層62のNA −N
D は例えば1×1019cm-3ないしその数倍程度であ
る。
【0060】n型GaAsバッファ層52の厚さは例え
ば0.25μmである。一方、n型ZnSeバッファ層
53の厚さは、ZnSeの臨界膜厚(〜100nm)よ
りも十分に小さく選ばれ、ここでは例えば33nmに選
ばれる。
【0061】p型ZnSv Se1-v 層59は、場合に応
じて、p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層58
に加えた第2のp型クラッド層としての機能、p型Zn
1-pMgp q Se1-q クラッド層58との格子整合を
とる機能、ヒートシンク上へのレーザーチップのマウン
トの際のチップ端面におけるはんだの這い上がりによる
短絡を防止するためのスペーサ層としての機能などのう
ちの一または二以上の機能を有する。p型Zn1-p Mg
p q Se1-q クラッド層58のMg組成比pおよびS
組成比qとの兼ね合いもあるが、このp型ZnSv Se
1-v 層59のS組成比vは、0<v≦0.1、好ましく
は0.06≦v≦0.08の範囲内に選ばれ、特に、p
型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層58との格子
整合をとるために最適なS組成比vは0.06である。
【0062】p型ZnTe/ZnSeMQW層61は、
p型ZnSeコンタクト層60とp型ZnTeコンタク
ト層62とを直接接合したときにはその接合界面におい
て価電子帯に約0.8eVの大きなバンド不連続が生
じ、これが、p側電極64から注入される正孔がp型Z
nTeコンタクト層62からp型ZnSeコンタクト層
60に移動する際の障壁となることから、この障壁を実
効的になくすためのものである。このp型ZnTe/Z
nSeMQW層61においては、例えば、p型ZnTe
からなる量子井戸層のそれぞれに形成される第1量子準
位E1 がp型ZnSeおよびp型ZnTeの価電子帯の
頂上のエネルギーと一致し、しかも互いに等しくなるよ
うに量子井戸層の厚さ、すなわち井戸幅LW を段階的に
変える。この場合、p側電極64からp型ZnTeコン
タクト層62に注入された正孔は、このp型ZnTeコ
ンタクト層62を通った後、p型ZnTe/ZnSeM
QW層61のそれぞれの量子井戸に形成された第1量子
準位E1 を介して共鳴トンネリングによりp型ZnSe
コンタクト層60側に流れることができ、p型ZnSe
コンタクト層60とp型ZnTeコンタクト層62との
接合の界面におけるポテンシャル障壁が実効的になくな
る。
【0063】次に、上述のように構成されたこの第5実
施例による半導体レーザーの製造方法について説明す
る。
【0064】この第5実施例においては、第1実施例と
同様に、図1に示す成長装置を用いて、図6および図7
に示すように、まず、n型GaAs基板51上にMOC
VD法によりn型GaAsバッファ層52およびn型Z
nSeバッファ層53を順次エピタキシャル成長させた
後、n型ZnSeバッファ層53上にMBE法によりn
型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層54、n型Z
nSu Se1-u 光導波層55、i型Zn1-z Cdz Se
量子井戸層からなる活性層56、p型ZnSuSe1-u
光導波層57、p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッ
ド層58、p型ZnSv Se1-v 層59、p型ZnSe
コンタクト層60、p型ZnTe/ZnSeMQW層6
1およびp型ZnTeコンタクト層62を順次エピタキ
シャル成長させる。
【0065】上述のMBE法によるエピタキシャル成長
においては、例えば、Zn原料として純度99.999
9%のZn、Mg原料として純度99.9%のMg、S
原料として純度99.9999%のZnS、Se原料と
して純度99.9999%のSeを、それぞれ用いる。
また、n型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層54
およびn型ZnSu Se1-u 光導波層55のドナー不純
物としてのClのドーピングは、例えば純度99.99
99%のZnCl2 をドーパントとして用いて行う。こ
の場合、ZnCl2 の加熱温度を60〜200℃とする
ことによって、Clのドーピング濃度を1017〜1020
cm-3の範囲で制御することができる。p型ZnSu
1-u 光導波層57、p型Zn1-p Mgp q Se1-q
クラッド層58およびp型ZnTe/ZnSeMQW層
61のアクセプタ不純物としてのNのドーピングは、E
CRにより発生されたN2 プラズマを基板表面に照射す
ることにより行う。さらに、p型ZnSv Se1-v 層5
9、p型ZnSeコンタクト層60およびp型ZnTe
コンタクト層62のアクセプタ不純物としてのNのドー
ピングは、RFプラズマによるN2 ガスのプラズマ化を
行い、これにより発生されたN2 プラズマを基板表面に
照射することにより行う。
【0066】次に、p型ZnTeコンタクト層63上に
所定幅のストライプ形状のレジストパターン(図示せ
ず)を形成した後、このレジストパターンをマスクとし
て、p型ZnSv Se1-v 層59の厚さ方向の途中まで
ウエットエッチング法によりエッチングする。これによ
って、p型ZnSv Se1-v 層59の上層部、p型Zn
Seコンタクト層60、p型ZnTe/ZnSeMQW
層61およびp型ZnTeコンタクト層62がストライ
プ形状にパターニングされる。
【0067】次に、上述のエッチングに用いたレジスト
パターンを残したまま全面にAl23 膜を真空蒸着し
た後、このレジストパターンを、その上に形成されたA
23 膜とともに除去する(リフトオフ)。これによ
って、ストライプ部以外の部分のp型ZnSv Se1-v
層59上にのみAl2 3 膜からなる絶縁層63が形成
される。
【0068】次に、ストライプ形状のp型ZnTeコン
タクト層62および絶縁層63の全面にPd膜、Pt膜
およびAu膜を順次真空蒸着してPd/Pt/Au電極
からなるp側電極64を形成し、その後必要に応じて熱
処理を行って、このp側電極64をp型ZnTeコンタ
クト層62にオーム性接触させる。一方、n型GaAs
基板51の裏面にはIn電極のようなn側電極65を形
成する。
【0069】この後、以上のようにしてレーザー構造が
形成されたn型GaAs基板51をバー状に劈開して両
共振器端面を形成した後、例えば真空蒸着法により、フ
ロント側の端面にAl2 3 膜66とSi膜67とから
なる多層膜を形成するとともに、リア側の端面にAl2
3 膜66とSi膜67とを2周期繰り返した多層膜を
形成する。このように端面コーティングを施した後、こ
のバーを劈開してチップ化し、パッケージングを行う。
【0070】以上のように、この第5実施例によれば、
第3実施例と同様に、n型GaAs基板51上にMOC
VD法によりn型GaAsバッファ層52およびn型Z
nSeバッファ層53を順次エピタキシャル成長させた
後、n型ZnSeバッファ層53上にMBE法によりレ
ーザー構造を形成する各II−VI族化合物半導体層を
エピタキシャル成長させていることにより、n型GaA
sバッファ層52およびn型ZnSeバッファ層53を
低結晶欠陥密度とすることができ、したがってその上に
エピタキシャル成長される各II−VI族化合物半導体
層も低結晶欠陥密度とすることができ、良好な結晶性を
得ることができる。これによって、半導体レーザーの長
寿命化を図ることができる。
【0071】また、(100)面から[01−1]方向
に小さな角度εだけオフした主面を有するn型GaAs
基板51を用いることにより、エピタキシャル成長され
る各II−VI族化合物半導体層の結晶欠陥密度のより
一層の低減を図ることができる。さらに、p型のII−
VI族化合物半導体層、例えばp型ZnSu Se1-u
導波層57、p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド
層58、p型ZnSvSe1-v 層59、p型ZnSeコ
ンタクト層60などのNのドーピング濃度も、(10
0)面方位のn型GaAs基板を用いた場合に比べて、
十分に高くすることができる。このため、これらの層の
キャリア濃度の向上を図り、したがって低抵抗化を図る
ことができる。そして、p型ZnSu Se1-u 光導波層
57、p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層5
8、p型ZnSeコンタクト層60などの低抵抗化によ
って、半導体レーザーの動作時の洩れ電流の低減を図る
ことができるとともに、特性温度T0 の向上を図ること
ができ、半導体レーザーの高性能化を図ることができ
る。また、p型ZnSeコンタクト層60の低抵抗化に
より、p側電極64のオーム性接触もより良好となるこ
とから、半導体レーザーの駆動電圧のより一層の低減を
図ることができるとともに、発熱の低減により半導体レ
ーザーの長寿命化を図ることができる。
【0072】以上により、例えば室温において連続発振
可能な緑色発光でしかも低しきい値電流密度かつ低駆動
電圧のSCH構造を有する高信頼性および長寿命の半導
体レーザーを実現することができる。
【0073】以上、この発明の実施例について具体的に
説明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるも
のではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
【0074】例えば、上述の第3実施例においては、S
CH構造を有する半導体レーザーの製造にこの発明を適
用した場合について説明したが、この発明は、例えばD
H構造(Double Heterostructure)を有する半導体レー
ザーの製造に適用することも可能である。
【0075】また、n型GaAs基板51は、大面積の
ものが容易に入手可能であることから、二次元集積化デ
ィスプレイの実現が可能である。すなわち、図8に示す
ように、十分に大面積のn型GaAs基板51上に、M
OCVD法によりエピタキシャル成長された低結晶欠陥
密度のn型バッファ層を介して、MBE法によりn型I
I−VI族化合物半導体層およびp型II−VI族化合
物半導体層を順次エピタキシャル成長させ、さらにその
上に例えば透明電極からなるp側電極を形成して全面に
面発光型の発光ダイオード構造を形成した後、これをリ
ソグラフィーおよびエッチングによるパターニングによ
り個々の発光ダイオードに分割し、発光ダイオードアレ
イを形成する。さらに、各発光ダイオードを独立に駆動
することができるように配線を施す。これによって、単
一基板で自発光型の二次元集積化ディスプレイを実現す
ることができる。
【0076】さらに、上述の実施例においては、図1に
示す成長装置を用いて成長を行っているが、この図1に
示す成長装置は一例に過ぎず、これと異なる構成の成長
装置を用いて成長を行ってもよい。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による半
導体積層構造の製造方法によれば、有機金属化合物を原
料として用いた気相成長法により基板上に少なくとも一
層のバッファ層を成長させ、バッファ層上に分子線エピ
タキシー法によりII−VI族化合物半導体を成長させ
るようにしているので、結晶欠陥密度が低くて結晶性に
優れたII−VI族化合物半導体からなる半導体積層構
造を製造することができる。
【0078】また、この発明による半導体発光素子の製
造方法によれば、有機金属化合物を原料として用いた気
相成長法によりバッファ層を成長させ、分子線エピタキ
シー法によりII−VI族化合物半導体を成長させるよ
うにしているので、低結晶欠陥密度で結晶性に優れたI
I−VI族化合物半導体を得ることができ、これによっ
て長寿命のII−VI族化合物半導体を用いた半導体発
光素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例において用いられる成長装置
を示す略線図である。
【図2】この発明の第1実施例による半導体装置の製造
方法を説明するための断面図である。
【図3】この発明の第2実施例による半導体装置の製造
方法を説明するための断面図である。
【図4】この発明の第3実施例による半導体装置の製造
方法を説明するための断面図である。
【図5】この発明の第4実施例による半導体装置の製造
方法を説明するための断面図である。
【図6】この発明の第5実施例により製造された半導体
レーザーの共振器長方向に垂直な断面図である。
【図7】この発明の第5実施例により製造された半導体
レーザーの共振器長方向に平行な断面図である。
【図8】この発明の他の実施例を説明するための略線図
である。
【符号の説明】
10 MOCVD装置 20 MBE装置 30 真空搬送路 41、51 n型GaAs基板 42、52 n型GaAsバッファ層 43、53 n型ZnSeバッファ層 44 n型ZnSSeバッファ層 45 n型II−VI族化合物半導体層 46 p型II−VI族化合物半導体層 54 n型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層 55 n型ZnSu Se1-u 光導波層 56 活性層 57 p型ZnSu Se1-u 光導波層 58 p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層 59 p型ZnSv Se1-v 層 60 p型ZnSeコンタクト層 61 p型ZnTe/ZnSeMQW層 62 p型ZnTeコンタクト層 63 絶縁層 64 p側電極 65 n側電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸田 淳 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 石橋 晃 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機金属化合物を原料として用いた気相
    成長法により基板上に少なくとも一層のバッファ層を成
    長させ、 上記バッファ層上に分子線エピタキシー法によりII−
    VI族化合物半導体を成長させるようにしたことを特徴
    とする半導体積層構造の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記気相成長法として有機金属化学気相
    成長法を用いることを特徴とする請求項1記載の半導体
    積層構造の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記基板としてGaAs基板を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体積層構造の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記基板としてGaInAs基板を用い
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体積層構造の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 上記バッファ層には少なくともGaおよ
    びAsを含むバッファ層が含まれることを特徴とする請
    求項1記載の半導体積層構造の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記バッファ層にはGaAsバッファ層
    が含まれることを特徴とする請求項1記載の半導体積層
    構造の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記バッファ層には少なくともZnおよ
    びSeを含むバッファ層が含まれることを特徴とする請
    求項1記載の半導体積層構造の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記バッファ層にはZnSeバッファ層
    が含まれることを特徴とする請求項1記載の半導体積層
    構造の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記バッファ層にはZnSSeバッファ
    層が含まれることを特徴とする請求項1記載の半導体積
    層構造の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記基板としてGaAs基板を用い、
    上記GaAs基板上にGaAsバッファ層、ZnSeバ
    ッファ層およびZnSSeバッファ層を順次成長させ、
    上記ZnSSeバッファ層上に上記II−VI族化合物
    半導体を成長させるようにしたことを特徴とする請求項
    1記載の半導体積層構造の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記基板としてGaAs基板を用い、
    上記GaAs基板上にZnSeバッファ層およびZnS
    Seバッファ層を順次成長させ、上記ZnSSeバッフ
    ァ層上に上記II−VI族化合物半導体を成長させるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載の半導体積層構
    造の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記基板としてGaAs基板を用い、
    上記GaAs基板上にGaAsバッファ層およびZnS
    eバッファ層を順次成長させ、上記ZnSeバッファ層
    上に上記II−VI族化合物半導体を成長させるように
    したことを特徴とする請求項1記載の半導体積層構造の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 上記基板としてGaAs基板を用い、
    上記GaAs基板上にGaAsバッファ層を成長させ、
    上記GaAsバッファ層上に上記II−VI族化合物半
    導体を成長させるようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の半導体積層構造の製造方法。
  14. 【請求項14】 有機金属化学気相成長法により上記基
    板上に上記バッファ層を成長させた後、上記バッファ層
    を成長させるのに用いた有機金属化学気相成長装置の反
    応管から分子線エピタキシー装置の真空容器内に上記基
    板を真空搬送し、上記真空容器内において分子線エピタ
    キシー法により上記バッファ層上に上記II−VI族化
    合物半導体を成長させるようにしたことを特徴とする請
    求項1記載の半導体積層構造の製造方法。
  15. 【請求項15】 基板上に少なくとも一層のバッファ層
    を介してII−VI族化合物半導体が積層された構造の
    半導体発光素子の製造方法において、 有機金属化合物を原料として用いた気相成長法により上
    記バッファ層を成長させ、 分子線エピタキシー法により上記II−VI族化合物半
    導体を成長させるようにしたことを特徴とする半導体発
    光素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 上記気相成長法として有機金属化学気
    相成長法を用いることを特徴とする請求項15記載の半
    導体発光素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 上記基板としてGaAs基板を用いる
    ことを特徴とする請求項15記載の半導体発光素子の製
    造方法。
  18. 【請求項18】 上記基板としてGaInAs基板を用
    いることを特徴とする請求項15記載の半導体発光素子
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 上記バッファ層には少なくともGaお
    よびAsを含むバッファ層が含まれることを特徴とする
    請求項15記載の半導体発光素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 上記バッファ層にはGaAsバッファ
    層が含まれることを特徴とする請求項15記載の半導体
    発光素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 上記バッファ層には少なくともZnお
    よびSeを含むバッファ層が含まれることを特徴とする
    請求項15記載の半導体発光素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 上記バッファ層にはZnSeバッファ
    層が含まれることを特徴とする請求項15記載の半導体
    発光素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 上記バッファ層にはZnSSeバッフ
    ァ層が含まれることを特徴とする請求項15記載の半導
    体発光素子の製造方法。
  24. 【請求項24】 上記基板としてGaAs基板を用い、
    上記GaAs基板上にGaAsバッファ層、ZnSeバ
    ッファ層およびZnSSeバッファ層を順次成長させ、
    上記ZnSSeバッファ層上に上記II−VI族化合物
    半導体を成長させるようにしたことを特徴とする請求項
    15記載の半導体発光素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 上記基板としてGaAs基板を用い、
    上記GaAs基板上にZnSeバッファ層およびZnS
    Seバッファ層を順次成長させ、上記ZnSSeバッフ
    ァ層上に上記II−VI族化合物半導体を成長させるよ
    うにしたことを特徴とする請求項15記載の半導体発光
    素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 上記基板としてGaAs基板を用い、
    上記GaAs基板上にGaAsバッファ層およびZnS
    eバッファ層を順次成長させ、上記ZnSeバッファ層
    上に上記II−VI族化合物半導体を成長させるように
    したことを特徴とする請求項15記載の半導体発光素子
    の製造方法。
  27. 【請求項27】 上記基板としてGaAs基板を用い、
    上記GaAs基板上にGaAsバッファ層を成長させ、
    上記GaAsバッファ層上に上記II−VI族化合物半
    導体を成長させるようにしたことを特徴とする請求項1
    5記載の半導体発光素子の製造方法。
JP8609195A 1995-03-17 1995-03-17 半導体積層構造の製造方法および半導体発光素子の製造方法 Pending JPH08264903A (ja)

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