JPH08264262A - 面状発熱体 - Google Patents

面状発熱体

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JPH08264262A
JPH08264262A JP6616395A JP6616395A JPH08264262A JP H08264262 A JPH08264262 A JP H08264262A JP 6616395 A JP6616395 A JP 6616395A JP 6616395 A JP6616395 A JP 6616395A JP H08264262 A JPH08264262 A JP H08264262A
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JP
Japan
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heating element
nickel
silver
sheet
metal
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Application number
JP6616395A
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English (en)
Inventor
Kenji Higashiyama
健二 東山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 面状発熱体への新規な通電用端子の接合構造
に関するもので、低熱膨張セラミック基板上形成された
発熱体用抵抗体に通電用端子を接合する基本的構成の開
示とそれを用いた面状発熱体の構造を提供するものであ
る。 【構成】 熱膨張係数が40×10ー7/℃より小さい絶
縁性基材1の表面に、発熱体用抵抗体2およびそれに接
続する電極3が形成された面状発熱体において、ニッケ
ル金属を主成分とする線形が10〜100ミクロンの不
織布シート5と前記電極3間とを、銀、金、銀パラジウ
ム合金、銀白金合金あるいは炭素の少なくとも1種類の
導電性微粒子とフリット硝子の混合体4で焼結接合し、
前記不織布シート5を通じて発熱体用抵抗体2に通電す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は面状発熱体に関するもの
であり、特に、その接続用端子の構成に特徴を有するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在、面状発熱体はこたつやセラミック
ファンヒーター等の熱源として広く使用されており、そ
の将来は薄さの特徴を生かして壁や床暖房あるいは、融
雪用瓦への適用等多くの商品展開が検討されている。面
状発熱体としては熱可塑性プラスチックにカーボン微粉
末を分散させたPTC特性を有する発熱温度が80℃以
下の低温タイプのものと、自己温度制御機能を持ちPT
C特性を特徴とするチタン酸バリウムを主成分とする焼
結体や、絶縁性セラミック基板上に厚膜印刷焼成法や薄
膜法で発熱体を形成した中温あるいは高温タイプのセラ
ミック系発熱体に大別される。前者のものについては、
入力端子接続法に関して大きな課題を有していないが、
後者のものは多くの問題を抱えており、特に発熱温度が
高いものについては接続方法、構造に課題が多く商品化
を阻害する大きな要因となっている。電極端子形成法と
しては、古くから絶縁性基板に開孔を設けその開孔を用
いて金属製電極端子をリベットやハトメで機械的に固定
圧接し電気的に接合したものや、バネ製金属線や板を外
装ケース等で圧接した構造等が実際の商品に用いられて
いる。
【0003】しかし、発熱体膜面と同じ面上に、絶縁性
基板に開孔を有せず、自立して電極端子を形成する構造
のものには、問題点が多く限定された温度範囲内での使
用方法になっており、その課題解決法として種々の構造
が検討され実際の商品に適用されている。発熱温度が1
50℃以下のものでは鉛・錫系高温はんだが使用でき、
より高温のものは銀ろう付け法が古くから行われてい
る。ろう付け法はタングステンやモリブデンのごとき融
点が1000℃以上の電極導体上に、酸化防止とろう付
け性をえるためニッケルメッキを施し、その上にリード
線とろう材・フラックスを置き600〜900℃程度に
加熱溶融させ接合させている。また別な方法としては、
例えば特開昭59−117101や特開平2−1551
87に開示されている。
【0004】その概要は図8に示したごとく、表面に凹
凸が形成された正特性サーミスター素子23の両面に金
属溶射法でアルミニウム24を付着させ電極とし、その
表面に耐熱性接着樹脂25、例えばシリコン樹脂接着剤
を薄く塗布し、その上にアルムニウム電極端子板26及
びその電極端子板26に接合された放熱フィン27を圧
接し、その状態でシリコン樹脂接着剤25を加熱・硬化
させた構造を有している。その電気的接続は、溶射され
たアルミニウム電極膜24が凹凸を有しているために、
圧接硬化したときその凸部がシリコン樹脂接着剤25を
押し退けてアルミニウム電極端子板26に接触し、その
状態でシリコン樹脂が硬化するため電気的接合が保たれ
ているようである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の電極端子
接続方法には多くの課題を有しており、実用化されてい
るものも制限された条件下での使用となっている。すな
わち、電極端子となるバネ材を機械的に圧接する構造
は、バネを圧接するための保持部品が必要であり、面状
発熱体自体に電極端子を自立して接合することができな
いため、コンパクトで薄い発熱体を形成するには不向き
な構造であり、また、バネ材圧接用ケース等が必要なた
めコスト上昇は避けられない。また、リベットやハトメ
を用いる構造は、プラスチックベースのフレキシブルな
面状発熱体等への電極接続には問題が少ないようである
が、セラミックベースの場合、カシメ時セラミックに割
れが発生しやすく、割れていなくともマイクロクラック
が入っている場合には、事前に発見するのが困難で、使
用時の温度サイクルで進行するという重大な問題をかか
えている。さらに、カシメるためには基板に開孔部を設
ける必要があり、面状発熱体の両面を使うこととなり、
片面のみで発熱機能をまとめることが不可能であり、使
用方法に大きな制限が生じる。
【0006】また、ろう付け方法は熱膨張係数が50×
10ー7以上であるアルミナやムライト等を焼結して形成
した一般的なセラミック基板に適用した場合には、耐熱
温度も高く、その接合強度も大きく特性的には問題ない
が、熱衝撃性に優れた熱膨張係数が40×10ー7以下の
基板に適用した場合には、ろう材と下地の電極膜が一体
となったが焼成により金属の板状になるため前記基板間
との熱膨張係数の差が大きくなりすぎ、発熱体のON−
OFFの熱サイクルで電極端子接合以前にろう材と前記
基板間で剥離するという致命的欠陥を持っている。ま
た、アルミナ等の基板により強い接合をしようとすれ
ば、より高温のろう材をつかわねばならず、そのために
対応する厚膜電極材料もより高融点の材料が必要であ
る。
【0007】一般的には高融点のタングステンやモリブ
デンの厚膜導体が用いられており、かつ、ろう付けする
ためにその上にニッケルメッキを施す必要があり、高温
焼成炉やメッキ装置等が必要であり、多量生産しなけれ
ば採算が合わないのが現状である。また、ニッケルメッ
キは湿式法で行うのが一般的なためメッキ方法やメッキ
液の管理に多くのノウハウが要求される。また、廃液の
処理が必要であり地球環境保全がクローズアップされて
いる現在、処理設備に多額の投資が必要であり、根本的
には環境保全に逆行するものであり絶対必要条件以外で
は用いるべきではないと思われる。また、図8に示した
凹凸を有する発熱体表面の電極に耐熱シリコン樹脂でア
ルミニウム電極を圧接接着する方式は、その発熱温度が
250〜300℃以下の場合には実用化されているよう
であるが、それ以上の温度の場合シリコン樹脂の熱によ
る材料変質がおこり接合力が急激に劣化し短時間に導通
不良をおこす。また、基本的問題であるがシリコン樹脂
の高温時の接着強度が低いため発熱温度が250℃以下
の場合でも接合面積の小さいものには適用しずらく、あ
えて実施すると少しの力で電極端子接合部がはずれると
いう重大な問題が発生する。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明の面状発熱体は、絶縁性基材の表面に、
発熱用抵抗体および、それに接続する電極が形成された
面状発熱体において、ニッケルと銀の少なくとも一方を
主成分とする線径が10〜100ミクロンの不織布シー
トと前記電極間とを、銀、金、ニッケル、アルミニウ
ム、銀パラジウム合金、銀白金合金あるいは炭素の少な
くとも1種類の導電性微粒子とフリット硝子で焼結接合
し、前記不織布シートを介して前記電極に通電するよう
に構成したものである。
【0009】
【作用】このように構成された本発明の面状発熱体で
は、面状発熱体上に形成された電極にニッケル細線の不
織布シートをフリット硝子と導電性微粒子で焼結接合し
ているため、電極面とニッケル線とは強く接続されてお
り、かつ、ニッケル細線は不織布のフレキシブルな構造
をしているため、熱膨張係数の違いによる材料間の伸び
縮みの差を吸収し、発熱時の高温状態から非発熱時の室
温までの温度サイクルでも材料破壊や、接合面の剥離も
生じない。さらに、ニッケル細線等を、中空パイプ状に
しておけば、熱膨張の違いによるストレスの緩和にさら
に有利に働くものである。また、本発明の構造は、面と
して形成された発熱面と同じ面内で電極端子を取り付け
ることができ、かつ、その厚みも非常に薄く構成するこ
とができるので、より薄い、より高温領域まで適用でき
る面状発熱体を提供することができる。より広い使い方
が可能となる。
【0010】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明に係わる面状発熱体の一実施例の給電
端子部分を示す断面図である。
【0011】図1において、1は熱衝撃に強い熱膨張係
数が50×10ー7以上の低熱膨張係数の絶縁性セラミッ
ク基板であり、その一面あるいは両面には、例えば銀パ
ラジウム合金を主成分とする金属微粒子と焼成温度が8
00〜900℃のフリット硝子微粉末の焼結で形成され
た抵抗発熱体膜2が厚膜印刷焼成方法により構成されて
おり、かつ、その抵抗発熱体膜2に一端が重なった状態
で銀パラジウム合金微粒子とフリット硝子の焼成体で形
成された電極3が形成構成されている(発熱体膜2と電
極膜3は同じ銀パラジウム合金導体で構成されている
が、フリット硝子との混合比が異なっている)。その製
法はペースト状に作成された発熱体あるいは電極材料
を、スクリーン印刷法を用いて前記セラミック基板1上
に薄い均一な膜状に形成し、120〜150℃で10分
程度乾燥後、連続焼成炉を用いて850℃、10分間焼
成し形成した。
【0012】そして、前記電極3の表面に主成分が銀微
粒子とフリット硝子(前記発熱体膜2および電極3に用
いたフリット硝子より焼結温度が低い材料より構成され
ている)およびビヒクルよりなるペースト状接合用銀導
体4を印刷し、その表面にニッケルの細い金属線の不織
布状シート5を圧接し、その状態で120℃、10分間
乾燥後、600〜650℃の窒素雰囲気焼成炉で焼結
し、不織布シート5と電極3とを結合した。
【0013】図2には前記構成のうち本発明の重要な構
成部分について、より拡大した断面図を示した。1は絶
縁性セラミック基板、3は電極、4は電極膜3とニッケ
ル金属細線不織布シート5を接合する接合用銀導体をそ
れぞれ示し、その接合界面を拡大して記述している。図
2において電極膜3およびニッケルシート接続用銀導体
4は、主にフリット硝子により各々下地セラミック基板
1、電極膜3にそれぞれ接合されており、ニッケル金属
細線不織布シート5と接合銀導体4とは主に銀ペースト
がニッケル金属細線不織布シート5の細部にはまりこ
み、その状態を保ったまま焼結され、接合銀導体4がニ
ッケル金属細線不織布シート5の接合面の極表面部のニ
ッケル細線を包み込む状態で焼結され接合されている。
また、ニッケル細線は図2にその断面を示したごとく中
空パイプ状態6を有している。細線のみによる不織布状
シートでも本発明の目的は達成できたが、基板/電極/
ニッケルシート間の熱膨張係数の違いの差がより大きい
ものには適用しずらく、ニッケル細線界面で剥離が生じ
るが、本実施例のごとき中空パイプ状ニッケル細線不織
布シート5を用いることにより、熱膨張係数が10×1
ー7/℃以下の石英硝子基板でも剥離等は生ぜづ信頼性
のある給電端子接合構造を提供できることが確証され
た。
【0014】通常アルミナ・セラミック材料が面状発熱
体の基材として使用されているが、その熱膨張係数は、
約80×10ー7/℃程度であり、その程度の熱膨張係数
セラミック基材であればろう付法等種々の接続方法が可
能であるが、耐熱衝撃性が不足であり、例えば300℃
程度に加熱しその状態で表面に水をかけるとセラミック
基材は破損する。これは実用的セラミック面状発熱体と
してのセラミック基板としては致命的欠陥であり、10
0℃以下のごく低温用発熱体としてしか用いられないこ
とになる。
【0015】本発明の主たる目的は300〜500℃程
度の面状発熱体に適用するための給電端子接合構造を提
供するのが目的であり、そのためにはセラミック基材自
体加熱状態で水をかけるような急激な熱衝撃に耐える基
材が必要であり、そのような条件を満足させるために
は、熱膨張係数が40×10ー7/℃以下のセラミック材
料、より安全性を重視する場合には10×10ー7/℃程
度の材料を用いる必要がある。前記実施例において用い
たセラミック基板は、熱膨張係数が13×10ー7/℃
(30〜750℃において)であるネオセラムN−11
(日本電気硝子(株))である。本材料は400℃に加
熱した状態で水をかけても破壊することはない。 しか
し、該セラミック基板に通常の高温半田による半田付あ
るいは銀系ろう材によるろう付等を試みたが成功しなか
った。加熱温度が100℃以下であれば前記方法も可能
であるが、300〜400℃になれば前記セラミック基
板と電極・銀ろう接合界面あるいは、リード線として用
いた金属板や線あるいは金属細線で編んだ網等とろう材
の界面で剥離し、給電端子を取り付けることができなか
った。しかし、本実施例のごとき中空パイプ形状6のニ
ッケル細線の不織布シート5を銀ペースト4で焼成、接
合したものは400℃に加熱しても何等問題なく給電端
子の機能を保持することが確認された。
【0016】前記ニッケル細線不織布シート5の線径は
10〜100ミクロンの範囲がよく、これより細すぎる
と材料自体の強度が弱く、かつ、製造法に問題があり、
100ミクロンより太すぎると材料の剛性が強すぎ熱膨
張係数の違いにより生じたストレスを吸収しずらくな
り、耐熱衝撃性が悪くなる。また、ニッケル細線不織布
シート5の個々のニッケル線は、3次元的に網目状に金
属結合7で結ばれており、ニッケル細線が大きくづれる
ことはなく、金属結合で結ばれているため電気抵抗も低
い状態を実現できる。このニッケル細線不織布シート5
の製法であるが、例えば、数十ミクロンの炭素繊維不織
布シート表面に電気メッキによりニッケルを電着させ
後、焼成して中心部の炭素繊維を除去し作ることでで
き、量産シートが日本精線(株)より多孔質ニッケルマ
ットとして市販されている。材料がニッケルのため40
0℃程度ではほとんど酸化せず、かつ、電気伝導率も低
く理想的である。
【0017】図3には本発明の他の実施例の面状発熱体
の接続端子構造の断面図を示した。図3において、1は
低熱膨張係数のセラミック基板、2および3はその表面
に厚膜印刷法で形成された発熱体、その一端で前記発熱
体2に接続した電極をそれぞれ示している。また、4お
よび5はニッケル細線不織布シート接合用銀導体および
ニッケル細線不織布シートをそれぞれ示し、その詳細は
前述したので省略する。本実施例では、前記ニッケル細
線不織布シート5の他表面に導電性を有する金属薄膜8
を電気的に接合した構造を有している。金属薄膜8とし
ては、電気の良導体であり、本発明の面状発熱体に接合
したとき昇温するであろう最高温度、約200℃におい
ても酸化が起こりにくい金属が望ましく、それらの目的
に合致するものとしてはステンレススチール薄膜、コバ
ール薄膜およびインバー薄膜が有用である。また、これ
らの金属箔は前記ニッケル細線不織布シート5とスポッ
ト溶接法で確実に接合できるため、実際に生産する場合
好都合である。
【0018】前記金属薄膜8の厚みとしては20〜10
0ミクロンが最適である。20ミクロンより薄いものは
機械的強度が不足し、本実施例の構造のごとく厚膜電極
3の上にニッケル細線不織布シート5を前記5接合用金
属導体4を印刷焼成して形成した面状発熱体で、前記金
属箔8を引っ張るピール強度試験をすると、ニッケル細
線不織布シート5やその他の接合部より先に前記金属箔
8が破断する。また、金属膜8自体の電気抵抗が増加
し、その部分が昇温する原因となるため好ましくない。
また、100ミクロンを超えると金属箔8自体の剛性が
増加し、発熱体の昇温時ニッケル細線不織布シート5に
不必要なストレスを与え信頼性的に不都合が生じる。最
後にはニッケル細線不織布シート5の層間部での破断に
つながる。ニッケル細線不織布シート5自体の材料強度
はそんなに強くなく、そのシートを直接リード線変わり
に用いることは、実用上無理がある。しかし、本実施例
のごとく金属薄膜8に接合し、それをリード線としたも
のは実用上問題なく使用できる。
【0019】これまでは、本発明の基本的構造について
図面を用いて説明してきたが、図4には本発明の構成を
応用した実際の面状発熱体についてその平面図を、図5
には電極端子接合部の拡大斜視図をそれぞれ示した。図
4において、1は低熱膨張係数のネオセラムN−11基
板であり、2および3はその上に厚膜印刷法で形成した
発熱体およびその一端で重なっている電極パターンをそ
れぞれ示した。5はニッケル中空細線不織布シートであ
り、9の部分で電極パターン3に銀ペーストを用いて焼
結接続されている。前記ニッケル中空細線不織布シート
5は、その一端部のみが前記電極3に接続されており、
他端部には開孔10が形成されている。この開孔10は
ステンレススチール製金属板11に同じく形成された開
孔部と黄銅にニッケルメッキしたハトメあるいはアルミ
ニウム製リベット12にて接合するための開孔である。
前記ステンレススチール製金属板11の一端には市販さ
れているコネクター(リセプタクル)に嵌合する形状の
タブ13が形成されており、外部給電端子と脱着できる
構造を有している。なお、14は個々の発熱体パターン
2を接続するパターンであり、前記電極3と同じ材料で
構成されている。また、15は発熱体2、電極3および
接続パターン14それぞれを外部環境から保護し、か
つ、電気的絶縁を保つために施されたオーバーコート硝
子層である。図中右側のニッケル不織布シート5の図面
は、組立工程の途中段階を示しており、完成した形は左
の図面のごときものである。図5に示した図4の電極端
子接続部の拡大斜視図の番号は、各々図4と同じ番号を
付与している。
【0020】図5において、コネクター用タブが構成さ
れたステンレススチール製板11は、ニッケル細線不織
布シート5を接続するために中央部が凸状を有してお
り、その内側部分に前記ニッケル細線不織布シート5の
一端が電気的に接合されている。接合方法は前記した方
法以外に、スポット溶接法を適用しても何等問題なく本
来の機能を提供できる。
【0021】このステンレススチール製金属板11は、
セラミック基板1の端部に耐熱シリコン樹脂接着剤16
などで接着固定されている。発熱体表面が400℃を保
った状態でも、前記セラミック基板の端部はそれの熱伝
導率が小さい結果200℃以下であり、前記ステンレス
スチール板11をシリコン樹脂16で接着しても長期間
強固に接着していることが実証済みである。また、ニッ
ケル細線不織布シート5を保護する目的で、その露出部
全体を前記耐熱シリコン樹脂接着剤で覆うとより完璧で
ある。
【0022】この構成によれば、ニッケル細線不織布シ
ート5には不必要な力が加わらず、かつ、外部コネクタ
ーを簡単に挿入、脱着できる実用的面状発熱体を提供で
きる。また、片面のみに発熱体パターンを形成したもの
は、その同じ面内で電極端子まで形成でき、そのため他
面は前記発熱体構成部材に何等束縛されない自由な面と
して使用出来る。すなわち、その面に各種模様を入れた
化粧面として、あるいは、その発熱面に直接加熱物を接
触させたり、あるいは、裏面を完全な防水状態にできれ
ば他面に水がかかるところでも使用することができる等
種々の応用商品に展開することが可能となる。
【0023】図6には本発明の基本構造を応用した別な
面状発熱体の平面図を、図7にはその電極端子部付近の
拡大斜視図をそれぞれ示した。図6、7において、1は
低熱膨張セラミック基板ネオセラムN−11であり、2
は発熱体パタ−ン、3は前記発熱体パターンの一端部で
重なった電極パターン、14は前記複数の発熱体パター
ン2をつなぐ電気良導体よりなるパターン、15は前記
発熱体2、電極3、抵抗体パターンをつなぐ導体パター
ン14それぞれを保護するオーバーコート硝子層をそれ
ぞれ示している。その作成方法は前述の実施例に記述し
たので省略する。 図6において17はステンレススチ
ール、コバールあるいはインバーなどの金属薄板であ
り、その他端には外部電源に接続しやすくするために取
り付けられたステンレススチール板19があり、その面
内に開孔20を有している。また、18はニッケル細線
不織布シート5により金属薄板17を基板1上の電極パ
ターン3に接合した部分を、外部からの不必要なダメー
ジから保護するための保護カバーであり、アルミニウム
板の成形品あるいは耐熱プラスチックの成形品等で形成
されており、下地セラミック基板1に耐熱シリコン樹脂
接着剤で接着されている(右側部分については前記カバ
ー部を省略している)。21は前記保護カバー18に形
成された内側に凸状になったところであり、保護カバー
18を接合したとき接合部を圧迫するように構成されて
いる。最悪の場合、ニッケル細線不織布シート接合部の
接合不良による使用時の脱落を防止する目的である。
【0024】この電極端子接続部分付近について、図7
を用いてより詳細に説明する。図7に示したごとく、金
属薄板17の一端にはスポット溶接22でニッケル細線
不織布シート5が接合されており、前記ニッケル細線不
織布シート5の他面は、前述したごとく銀系厚膜ペース
トにより電極パターン3上に焼結接合されている。ニッ
ケル細線不織布シート5は、600〜650℃の温度で
焼結する銀系ペーストで焼結接合されているため基本的
には600℃の温度に耐えられる。しかし、実使用時は
ニッケル細線不織布シート5の酸化の問題があり400
℃程度が限界である。但し、接続箇所は、低熱膨張セラ
ミック基板1の端部に形成しているため、発熱体部分が
500℃程度になっても前記接合部の温度は300℃以
下であり、接合部には何等問題を生じない。また、保護
用のカバー18を接続している耐熱シリコン接着剤も問
題なくその機能をはたす。また、前記金属薄板17の他
端には、開孔20を形成したステンレススチール板19
がスポット溶接で接合されているため外部給電装置に直
接接続し面状発熱体として使用することができる。本発
明の基本的考え方は、熱膨張係数の大きく異なる材料間
をフレキシビリティのある導電材料で接続することであ
り、その機能をニッケル細線不織布シートがはたしてお
り、その考え方に従えば電気の良導体であり、数百℃の
空気中雰囲気で強い酸化が進行せず、フレキシビリティ
のある材料であれば本発明ニッケル細線不織布シートに
限定されるものではなく、銀またはニッケル銀の合金が
利用できる。但し、ニッケル金属は、比抵抗が7.24
×10ー6Ωcmと低く、400℃位までは極端な酸化お
よびその進行が起こらず、コスト的にも安い金属であ
り、また、溶接ができる金属のため発熱体の端子などに
一般的に使われているステンレススチールにたやすく溶
接できる等全ての条件が合致する。また、本実施例では
ニッケル細線不織布シートと電極膜との接合に銀を主成
分とするペーストを記述したが、それ以外の導電体、例
えば、アルミニウム、金、ニッケル、銀パラジュウム合
金、銀白金合金および炭素等も何等支障なく同じ機能を
はたせることは実験済みである。
【0025】また、その焼成温度については、フリット
硝子の材料を変えることにより±200℃程度の変更は
大きな支障なく可能である。また、本発明の構成につい
て厚膜材料を用いた面状発熱体を主体に説明したが、本
発明の構造はその他の面状発熱体、すなわち、絶縁基板
上に発熱物質を溶射法で形成したものや、発熱用金属箔
膜を貼り付けたタイプのもの、および基板自体が発熱体
であるようなもの、例えばチタン酸バリウム系自己温度
制御型発熱体等にもわずかな材料組成の改良で適用でき
る。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明の面状発熱体への電
極端子接合構造は、発熱温度が500℃前後の中温領域
で使用でき、発熱時に水をかける等の極端な熱衝撃にも
耐える極端に熱膨張係数の低いセラミック基板にも支障
なく電極端子を接続できる新規な構造を提供できる。ま
た、その接合構造が面上で接続する構成であり、その材
料自体の厚みも薄いもののため、面状発熱体の特徴であ
る厚さの薄い発熱体の基本構成を保ったものを提供でき
る。また、片面に発熱体パターンを形成したものに本発
明を適用したものは、他面を全く使うことなく電極端子
が接続でき、他面を有効に使用でき、応用範囲を広げる
ことが可能となった。また、電極端子が面状発熱体基板
上だけで処理されているため、バネ性金属板や線でつな
ぐ構造のごとき発熱体基板以外の補助的部品を必要とせ
ず、自由度の大きい面状発熱体を供給することができ
る。また、使用している材料が卑金属でも構成できるた
め材料コストも安く、かつ、その製造方法の主要な部分
に厚膜印刷方式が適用できるため、現在量産されている
厚膜ハイブリッドICの技術および設備が何等の変更な
く使用でき、安い面状発熱体を多量に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面状発熱体の第1の実施例における電
極端子接合部の断面図
【図2】前記電極端子接合部の拡大断面図
【図3】本発明の面状発熱体の第2の実施例の電極端子
接合構造部の断面図
【図4】本発明の第3の実施例の面状発熱体の全体を示
す平面図
【図5】同第3の実施例の電極端子接合部の拡大斜視図
【図6】本発明の第4の実施例の面状発熱体の平面図
【図7】同第4の実施例の電極端子接合部の拡大斜視図
【図8】従来の面状発熱体の電極端子接合構造の拡大断
面図
【符号の説明】
1 低熱膨張セラミック基板 2 発熱体 3、24 電極 4 電極端子接合部材 5 ニッケル細線不織布シート 6 パイプ状ニッケル細線 7 金属結合部 8、17 金属薄板 9 電極端子接合部 10 開孔 11 金属板製端子 13 タブ 14 導体 15 オーバーコート硝子 18 保護カバー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基材の表面に、発熱用抵抗体およ
    び、それに接続する電極が形成された面状発熱体におい
    て、ニッケルと銀の少なくとも一方を主成分とする線径
    が10〜100ミクロンの金属細線よりなる不織布シー
    トと前記電極間とを、銀、金、ニッケル、アルミニウ
    ム、銀パラジウム合金、銀白金合金あるいは炭素の少な
    くとも1種類の微粒子とフリット硝子とで焼結接合し、
    前記不織布シートを介して通電するように構成したこと
    を特徴とする面状発熱体。
  2. 【請求項2】不織布シートの電極に接続されない側の面
    に、膜厚が20〜100ミクロンのステンレススチール
    箔、コバール箔、インバー箔あるいはニッケル箔の1種
    類とを電気的に接合したことを特徴とする請求項1記載
    の面状発熱体。
  3. 【請求項3】ニッケル金属を主成分とする金属細線が、
    中空パイプ状であることを特徴とする請求項1記載の面
    状発熱体。
  4. 【請求項4】熱膨張係数が40×10-7より小さい無機
    質絶縁基材の少なくとも片面上に、形成された主成分が
    金属あるいは金属・金属酸化物の微粉末のいずれか、あ
    るいはその混合物と熱膨張係数が40×10-7以下のフ
    リット硝子を含む厚膜抵抗体と、それに接続する主成分
    が金属微粉末と熱膨張係数が40×10 ー7以下のフリッ
    ト硝子を含む厚膜電極と、前記抵抗体、電極を覆うよう
    に形成された熱膨張係数が40×10ー7以下のフリット
    硝子を主成分とする硝子質オーバーコート層とを有し、
    ニッケルと銀の少なくとも一方を主成分とする線径が1
    0〜100ミクロンの中空パイプ状細線の不織布シート
    の一端表面部と前記電極間とを、主成分が銀、金、ニッ
    ケル、アルミニウム、銀パラジウム合金、銀白金合金あ
    るいは炭素の少なくとも1種類の微粉末をフリット硝子
    で焼結接合し、前記ニッケル不織布シートの他端にリセ
    プタクル接触子と係合するオス形タブを一端に有するス
    テンレススチール板を電気的に接合し、前記タブを有す
    るステンレススチール板を耐熱性樹脂で前記絶縁性基材
    に接合したことを特徴とする面状発熱体。
  5. 【請求項5】不織布シートの一端他表面部に膜厚が20
    〜100ミクロンのステンレススチール箔、コバール
    箔、インバー箔あるいはニッケル箔の1種類を電気的に
    接合し、前記金属箔の他端に開孔をステンレススチール
    板を溶接接合した請求項4記載の面状発熱体。
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