JPH08260687A - 引き出し箪笥付クロゼット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 収納性および使い勝手を向上させた引き出し
箪笥付クロゼットを提供する。 【構成】 開口部１８に折り畳み可能なクロゼット扉１
９が設けられて、壁面１１に埋め込まれたクロゼット１
０の下部の略全域２５に渡り引き出し箪笥２３を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、引き出し箪笥付クロゼ
ットに係り、更に詳しくは、収納性および使い勝手を向
上させた引き出し箪笥付クロゼットに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、洋風の住宅が一般化しつつあり、
部屋の収納においても、箪笥を壁面に埋め込んだクロゼ
ットタイプのものが普及している。クロゼットは、壁面
の陥没部の内側を側枠および上枠により補強し、内部を
複数枚の仕切り板を用いて数個の収納スペースに縦割り
し、その開口部を、部屋の壁面の高さに高さを揃えた折
り畳み式のクロゼット扉を用いて、開口可能に閉じたも
のである。一般的なクロゼットの高さは２４０ｃｍ程も
あり、また区画された収納スペースには、縦置きの引き
出し箪笥が取り付けられたり、収納スペースの上部に、
ハンガーを吊下するハンガーパイプが横架されたりして
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
一般的なクロゼットの高さが２４０ｃｍ程もあるので、
例えば、スーツやジャケットといった１００ｃｍ弱の衣
服を収納する場合が多いハンガーパイプ付きの収納スペ
ースの下部には、使用されていない大きなスペースが残
ることになる。また、引き出し箪笥も２４０ｃｍ程もあ
る収納スペースに縦置きされると、比較的身長の低い女
性や子供などは、上段の引き出しを取り扱い難いという
問題点があった。

【０００４】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、収納性および使い勝手を向上させた引き出し箪笥付
クロゼットを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項１
記載の引き出し箪笥付クロゼットは、開口部に折り畳み
可能なクロゼット扉が設けられて、壁面に埋め込まれた
クロゼットの下部の略全域に渡って引き出し箪笥を設け
るように構成されている。

【０００６】また、請求項２記載の引き出し箪笥付クロ
ゼットは、請求項１記載の引き出し箪笥付クロゼットに
おいて、前記引き出し箪笥が、キャスタ付きの移動式の
ものであるように構成されている。

【０００７】さらに、請求項３記載の引き出し箪笥付ク
ロゼットは、請求項２記載の引き出し箪笥付クロゼット
において、前記引き出し箪笥が踏台兼用のものであるよ
うに構成されている。

【０００８】さらにまた、請求項４記載の引き出し箪笥
付クロゼットは、請求項１〜３の何れか１項に記載の引
き出し箪笥付クロゼットにおいて、前記クロゼット扉
は、前記引き出し箪笥から上方の収納スペースを覆える
高さで、しかも前記クロゼットの上枠だけに取り付けら
れた吊り下げ式の扉であるように構成されている。

【０００９】

【作用】請求項１〜４記載の引き出し箪笥付クロゼット
においては、クロゼットの下部の略全域に渡って引き出
し箪笥を設けるので、例えばハンガーパイプ付きの収納
スペースなどの下部に未使用のスペースができ難くな
り、また比較的身長の低い女性や子供などでも、全ての
引き出しを、背伸びをしたり踏台を用いなくても、楽に
使用できて、クロゼットの収納性および使い勝手を向上
できる。

【００１０】また、請求項２記載の引き出し箪笥付クロ
ゼットにおいては、引き出し箪笥にキャスタが付いてい
るので、必要により、クロゼット内から引き出し箪笥だ
けを外部に移動させて、収納した物を整理したり、空間
となったクロゼットの下部内に別の物を収納できる。

【００１１】さらに、請求項３記載の引き出し箪笥付ク
ロゼットにおいては、キャスタにより引き出し箪笥を外
部へ移動させて、それを踏台にすることにより、身長の
低い人でも、例えばクロゼットの上部内の荷物を楽に出
し入れできる。

【００１２】さらにまた、請求項４記載の引き出し箪笥
付クロゼットにおいては、クロゼット扉が引き出し箪笥
まで覆っていないので、クロゼット扉をわざわざ開けな
くても、引き出し内の物を出し入れできる。しかも、外
観的には、引き出しを閉めておけば、引き出しの前板に
より、クロゼットが閉まっているように見える。また、
クロゼット扉が上枠に吊下状態で開閉されるので、特
に、請求項２、３のような移動式の引き出し箪笥の場合
には、クロゼット扉の開閉に関係なく、引き出しを出し
入れできる。

【００１３】

【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明
を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供す
る。ここに、図１は本発明の第１の実施例に係る引き出
し箪笥付クロゼットの正面図、図２は同要部拡大断面
図、図３は本発明の第２の実施例に係る引き出し箪笥付
クロゼットに用いられる引き出し箪笥の拡大斜視図であ
る。

【００１４】まず、図１、２に基づいて、本発明の第１
の実施例に係る引き出し箪笥付クロゼットについて説明
する。本発明の第１の実施例に係る引き出し箪笥付クロ
ゼット１０（以下、クロゼット１０という）は、壁面１
１の陥没部の内側を側枠１２および上枠１３により補強
し、内部を複数枚の仕切り板１４を用いて数個の収納ス
ペース１５に縦割りしている。そのうち、何個かの収納
スペース１５は、上部にハンガーパイプ１６が横架され
ており、それに衣服１７を掛けたハンガが吊下されてい
る。また、クロゼット１０の開口部１８は、壁面１１の
高さに高さを揃えた折り畳み式の４枚のクロゼット扉１
９により、開口可能に閉じられている。図２に示すよう
に、それぞれのクロゼット扉１９は、後述する引き出し
箪笥２３から上方の収納スペース１５を覆える高さのも
のであり、しかも上枠１３の裏側の全長に渡って固着さ
れたレール２１に掛合された戸車装置２２を介して、上
部だけの吊り下げ状態で取り付けられている。

【００１５】このクロゼット１０の下部スペース２５の
略全域には、引き出し箪笥２３が固定されている。この
引き出し箪笥２３は、横２列の引き出し２６を３段重ね
したものである。

【００１６】図１において、符号２７は引き出し箪笥２
３上に固着された、閉止時のクロゼット扉１９の裏当て
板、符号２８はクロゼット扉１９間に介在されたヒン
ジ、符号２９、２９ａは把手である。

【００１７】クロゼット１０の上部の収納スペース１５
を使用する場合には、戸車装置２２を介して、それをレ
ール２１に沿って移動させることにより、上枠１３側に
吊下されたクロゼット扉１９を開閉させて、荷物を収納
スペース１５に出し入れさせる。なお、クロゼット扉１
９を閉める際に、その下部が、下側枠２４上に固着され
た裏当て板２７の端面に当接するので、クロゼット扉１
９の閉止位置が安定する。また、その閉止安定性をさら
に向上させるために、例えばクロゼット扉１９の下部裏
面と、裏当て板２７の端部との間に、例えばマグネット
クリップ、雄雌の掛止クリップなどを装着するようにし
てもよい。

【００１８】このように、クロゼット１０の下部スペー
ス２５の略全域に渡って引き出し箪笥２３を設けたの
で、未使用の空間となり易かったクロゼット１０の下部
を有効に使用することができ、しかも比較的身長の低い
人でも、クロゼット１０内に設けられた全ての引き出し
２６を楽に使用できる。これにより、クロゼット１０の
収納性および使い勝手を向上できる。

【００１９】また、引き出し箪笥２３がクロゼット扉１
９により覆われていないので、クロゼット扉１９をわざ
わざ開閉させなくても、引き出し２６内に衣服１７を出
し入れできる。しかも、外観的には、クロゼット扉１９
を閉めると共に、引き出し２６を閉めておけば、引き出
し２６の前板により、クロゼット１０の全体が閉まって
いるように見え、デザイン性を損なわない。

【００２０】次に、図３に基づいて、本発明の第２の実
施例に係る引き出し箪笥付クロゼットを説明する。第２
の実施例の引き出し箪笥付クロゼット３０（以下、単に
クロゼット３０という）は、引き出し箪笥３１にキャス
タ３２を取り付けて、必要により、クロゼット３０内か
ら引き出し箪笥３１を外部に移動させ、収納した衣服１
７などを整理したり、空間となったクロゼット３０の下
部スペース２５内に大きな別の荷物を収納できるように
したものである。

【００２１】なお、この実施例では、引き出し２６が２
段のものを示しており、また引き出し箪笥３１を、強度
の大きいものにすれば、例えば収納スペース１５の手が
届き難い上部に、荷物を出し入れしたいときなど、引き
出し箪笥３１をクロゼット３０の外へ引き出して、これ
を踏台として使用することもできる。なお、引き出し箪
笥３１が移動し易くて困る場合には、ブレーキ付キャス
タを使用することもできる。

【００２２】以上、本発明を説明したが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しな
い範囲での設計などの変更があっても本発明に含まれ
る。例えば、引き出し箪笥の形状、大きさ、引き出しの
設置個数およびその配列などは、実施例に限定されなく
ても、任意のものでよい。また、実施例では、クロゼッ
ト扉として、引き出し箪笥から上方の収納スペースを覆
える大きさのものを採用したが、これに限定しなくて
も、例えば引き出し箪笥までも覆う大きさのものを採用
してもよい。さらに、クロゼット扉として、クロゼット
の上枠だけに取り付けられた吊り下げ式の扉を採用した
が、これに限定しなくても、例えばクロゼットの上下枠
に取り付けられた通常の扉でもよい。

【００２３】

【発明の効果】請求項１〜４記載の引き出し箪笥付クロ
ゼットにおいては、このようにクロゼットの下部の略全
域に渡って引き出し箪笥を設けたので、未使用の空間と
なり易かったクロゼットの下部を有効に使用でき、しか
も比較的身長の低い人でも、全ての引き出しを楽に使用
でき、これによりクロゼットの収納性および使い勝手を
向上できる。

【００２４】特に、請求項２記載の引き出し箪笥付クロ
ゼットにおいては、引き出し箪笥にキャスタを付けたの
で、必要により、クロゼット内から引き出し箪笥を取り
出して、クロゼット内に大きな収納物を入れたり、引き
出し内の整理ができる。また、他の引き出し箪笥とも簡
単に交換できる。

【００２５】さらに、請求項３記載の引き出し箪笥付ク
ロゼットにおいては、キヤスタ付の引き出し箪笥を踏台
にできるので、身長の低い人でも、例えばクロゼットの
上部内の荷物を楽に出し入れできる。

【００２６】さらにまた、請求項４記載の引き出し箪笥
付クロゼットにおいては、クロゼットを、クロゼット扉
により開閉できる上部の本体部と、その下部の引き出し
箪笥とを、それぞれ別体として使用できる。しかも、ク
ロゼット扉に吊下開閉式のものを採用しているので、特
に、請求項２、３のような移動式の引き出し箪笥の場合
に、クロゼット扉の開閉に関係なく、引き出しを出し入
れできて、さらに使い勝手を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例に係る引き出し箪笥付ク
ロゼットの正面図である。

【図２】同要部拡大断面図である。

【図３】本発明の第２の実施例に係る引き出し箪笥付ク
ロゼットに用いられる引き出し箪笥の拡大斜視図であ
る。

【符号の説明】

１０ 引き出し箪笥付クロゼット １１ 壁面 １２ 側枠 １３ 上枠 １４ 仕切り板 １５ 収納スペース １６ ハンガーパイプ １７ 衣服 １８ 開口部 １９ クロゼット扉 ２１ レール ２２ 戸車装置 ２３ 引き出し箪笥 ２５ 下部スペース ２６ 引き出し ２７ 裏当て板 ２８ ヒンジ ２９ 把手 ２９ａ 把手 ３０ 引き出し箪笥付クロゼット ３１ 引き出し箪笥 ３２ キャスタ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部に折り畳み可能なクロゼット扉が
   設けられて、壁面に埋め込まれたクロゼットの下部の略
   全域に渡り引き出し箪笥が設けられたことを特徴とする
   引き出し箪笥付クロゼット。
2. 【請求項２】 前記引き出し箪笥が、キャスタ付きの移
   動式のものである請求項１記載の引き出し箪笥付クロゼ
   ット。
3. 【請求項３】 前記引き出し箪笥が踏台兼用のものであ
   る請求項２記載の引き出し箪笥付クロゼット。
4. 【請求項４】 前記クロゼット扉は、前記引き出し箪笥
   から上方の収納スペースを覆える高さで、しかも前記ク
   ロゼットの上枠だけに取り付けられた吊り下げ式の扉で
   ある請求項１〜３の何れか１項に記載の引き出し箪笥付
   クロゼット。