JPH08260682A - 床の防水被覆構造体 - Google Patents

床の防水被覆構造体

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Publication number
JPH08260682A
JPH08260682A JP6383395A JP6383395A JPH08260682A JP H08260682 A JPH08260682 A JP H08260682A JP 6383395 A JP6383395 A JP 6383395A JP 6383395 A JP6383395 A JP 6383395A JP H08260682 A JPH08260682 A JP H08260682A
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JP
Japan
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layer
floor
epoxy resin
waterproof coating
grip
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6383395A
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English (en)
Inventor
Hisashi Yamazaki
久史 山崎
Shinichiro Takenouchi
信一郎 竹ノ内
Shinko Miwa
眞弘 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基体の上に、プライマー層、中塗り層、及び
グリップ層が順次積層形成された床の防水被覆構造体に
おいて、グリップ層がチオール硬化型エポキシ樹脂層で
ある床の防水被覆構造体。 【効果】 短時間での施工が可能であると共に、軽量で
強靭であり、かつ優れた耐久性を有する床の防水被覆構
造体を形成することができる。この床の防水被覆構造体
を駐車場の床として採用すれば、現状使用中の駐車場で
あっても使用を一日中止するだけで耐久性を有する防水
被覆構造を有する駐車場に改修することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は床の防水被覆構造体に関
し、より詳細には駐車場等の床の防水被覆構造体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より滑り止め機能を有する床構造に
関しては、以下に説明するような種々の提案がなされて
いる。
【0003】 特開平6−229106号公報には、
基体の上方にウレタンエラストマーで構成された多数の
小塊相互を結合剤により結合させて成り立つ床材層を有
し、前記床材層の上面に凹凸が形成されていると共に、
結合された小塊相互部分に小空隙が形成されている床構
造が開示されている。そして、前記発明に係る床構造に
あっては、透水性を有すること、滑り止め効果が高いこ
と、耐久性を有すること、重量が軽いこと等の効果を奏
することが記載されている。
【0004】 特開平6−108593号公報には、
基体の表面に有孔緩衝シートを接着剤により接着し、そ
の上にウレタン防水層を積層し、さらにその上に仕上げ
層を施すことを特徴とする防水工法が開示されている。
そして、前記防水工法により、車走行耐久性、下地追従
性に優れ、PCパネルや長尺のスパンクリート等の動き
の大きい下地の防水に最適なウレタン複合塗膜防水材を
提供することができることが記載されている。
【0005】 特開平6−57929号公報には、基
体の上に順次、接着層、超速硬化性ウレタンエラストマ
ーからなる防水層、前記超速硬化性ウレタンエラストマ
ーと硬質粒材とからなる床材層が形成され、前記床材層
の上面が前記硬質粒材の存在により表面が凹凸状態とな
っている床構造が開示されている。そして、前記床構造
にあっては、優れた防水性と滑り止め機能を有するこ
と、基体上に形成される施工層の単位面積当たりの重量
が小さいこと、短時間で施工し得る床構造を提供し得る
こと等の効果を奏することが記載されている。
【0006】 特開平6−49975号公報には、基
体上にJISA6021に適合する軟質ポリウレタン樹
脂成形性硬化性塗膜材を施工硬化させた後、ショアD硬
度で60以上で伸度20%の硬質ポリウレタン樹脂を成
形し得る所定化学構造のポリオールとポリイソシアネー
ト系硬化剤とからなる硬化性組成物をその上に施工硬化
させて、2種2層の防水被覆層を設ける構築物の防水被
覆方法が開示されている。そして、前記防水被覆方法に
よれば、耐衝撃性が良好で、基体にクラックが生じても
基体へ浸水しない、基体への追従性に優れた構築物が得
られることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記記載の
発明においては、床材層の材質の主成分がウレタンエラ
ストマーよりなるので、砕石等が使用された床材層と比
較してすべり易いことと耐久性に限界があるという課題
があった。
【0008】また、上記記載の発明においては、基体
表面に有孔緩衝シートを接着剤で貼付するため、施工に
時間や人手がかかると共に、有孔緩衝シートを挟んだ部
分で剥離し易いという課題があった。
【0009】また、上記記載の発明においては、短期
間での施工が可能であるが、超速硬化性ウレタンエラス
トマーと硬質粒材との接着性が悪く、硬質粒材がとれ易
いという課題があった。
【0010】さらに上記記載の発明では、施工に時間
がかかると共に、構築物の上で車輪がねじれたりした場
合には、下地の柔軟性ポリウレタン層が破壊されて亀裂
が入り易く、防水層としての役割を果たさなくなるとい
う課題があった。
【0011】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、短時間での施工が可能であると共に、軽量で
強靭であり、かつ優れた耐久性を有する床の防水被覆構
造体を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る床の防水被覆構造体は、基体の上に、プ
ライマー層、中塗り層、及びグリップ層が順次積層形成
された床の防水被覆構造体において、前記グリップ層が
チオール硬化型エポキシ樹脂層であることを特徴として
いる(1)。
【0013】また、本発明に係る床の防水被覆構造体
は、上記(1)記載の床の防水被覆構造体において、中
塗り層が速硬化性ウレタンエラストマーよりなることを
特徴としている(2)。
【0014】また、本発明に係る床の防水被覆構造体
は、上記(1)又は(2)記載の床の防水被覆構造体に
おいて、プライマー層がエポキシ樹脂又はウレタン樹脂
よりなることを特徴としている(3)。
【0015】また、本発明に係る床の防水被覆構造体
は、上記(1)〜(3)記載の床の防水被覆構造体にお
いて、グリップ層が骨材を含有したエポキシ樹脂層であ
ることを特徴としている(4)。
【0016】また、本発明に係る床の防水被覆構造体
は、上記(4)記載の床の防水被覆構造体において、グ
リップ層を構成するエポキシ樹脂のショアD硬度が50
以上、伸びが50%以上、破断時強度が150kg/c
2 以上であり、その厚さが0.5〜2mmであること
を特徴としている(5)。
【0017】また、本発明に係る床の防水被覆構造体
は、上記(4)記載の床の防水被覆構造体において、骨
材が珪砂又は焼成アルミナよりなり、それらの粒径が3
mm以下であることを特徴としている(6)。
【0018】また、本発明に係る床の防水被覆構造体
は、上記(2)記載の床の防水被覆構造体において、中
塗り層が、その厚さが1mm以上で、その伸びが300
%以上、破断時強度が80kg/cm2 以上、ショアA
硬度が65以上の速硬化ウレタンウレア樹脂よりなるこ
とを特徴としている(7)。
【0019】また、本発明に係る床の防水被覆構造体
は、上記(1)〜(7)記載の床の防水被覆構造体にお
いて、グリップ層の上にさらに無黄変タイプのウレタン
樹脂トップコート被膜が形成されていることを特徴とし
ている(8)。
【0020】以下、上記構成を有する本発明に係る床の
防水被覆構造体をさらに詳しく説明する。
【0021】本発明において施工の土台となる基体の材
質は特に限定されるものではなく、例えばセメントコン
クリート、アスファルトコンクリート、PC板等、一般
に駐車場に使用されるものが挙げられる。また屋上等が
基体の場合は、一般的な下地調整が行われたものやレジ
ンモルタルが施工されているものであってもよい。
【0022】本発明に係る床の防水被覆構造体は、基体
の上に、プライマー層、中塗り層、及びグリップ層が順
次積層形成された構造を有する。
【0023】前記プライマー層の材質は、特に限定され
るものではなく、例えばエポキシ樹脂やウレタン樹脂等
従来より公知のプライマーが挙げられるが、それらの中
では、一液湿気硬化型ウレタン樹脂やビスフェノールA
型エポキシ樹脂(硬化剤:ポリアミン)等が好ましい。
前記プライマー層の厚さは、下地の状態にもよるが、下
地との良好な接着強度を保持するため、0.01〜0.
4kg/m2 程度が好ましい。
【0024】また、中塗り層の材質も特に限定されるわ
けではなく、通常床材料として用いられる樹脂であれば
よいが、これらの中では、速硬化性ウレタンエラストマ
ーが好ましく、さらにそのショアA硬度が65以上、さ
らには70〜95、伸びが300%以上、さらには45
0〜600%、破断時強度が80kg/cm2 以上、さ
らには100〜180kg/cm2 、その厚さが1mm
以上、さらには2〜5mmであるのが好ましい。中塗り
層を構成する樹脂のショアA硬度が65以上であると、
塗膜が十分に硬く、衝撃等によりグリップ層が割れ易く
なることはない。前記樹脂の伸びが300%以上である
と下地に亀裂を発生させにくく、あるいは基体の動きに
対する追従性に優れ、中塗り層自身も亀裂が生じにくい
ため十分に防水機能を果たす。また、破断時強度が80
kg/cm2 以上であると車両のねじりによってグリッ
プ層に作用するせん断応力を吸収することができ、その
ために中塗り層が破断することはなく十分に防水機能を
果たす。さらに、その厚さが1mm以上であると、グリ
ップ層あるいは下地にき裂が生じることはなく、グリッ
プ層は防水層としての機能を十分に果たす。このような
速硬化性ウレタンエラストマーは、イソシアネートから
なるA剤と、ポリアミン及びポリオールからなるB剤等
の組み合わせにより形成することができる。
【0025】グリップ層の材質は、チオール硬化型エポ
キシ樹脂であるが、このエポキシ樹脂に骨材を含有して
いるものが好ましい。ここでチオール硬化型エポキシ樹
脂とは、SH基を少なくとも2個以上有する化合物から
なる硬化剤(以下、サルファイド硬化剤と記す)が使用
されたエポキシ樹脂をいう。この場合に使用するエポキ
シ樹脂(初期縮合体)の種類としては、例えば1分子中
に2個以上のオキシラン環を有するグリシジルエーテル
類、グリシジルエステル類、グリシジルアミン類、複素
環式エポキシ樹脂類、環状脂肪族エポキシ樹脂類等の単
独及び混合物が挙げられる。
【0026】グリシジルエーテル類の例としては、2価
以上のアルコールもしくはフェノール類のポリグリシジ
ルエーテル化物が挙げられるが、具体的にはエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキシレングリコール、2,2−ジメチ
ルプロパンジオール等、又はこれらのアルキレンオキサ
イド付加物又はポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物等の
2価アルコールのジグリシジルエーテル化物、トリメチ
ロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペ
ンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリ
トール、グリセリン、ジグリセリン等、又はこれらのア
ルキレンオキサイド付加物、フェノール・ノボラックの
アルキレンオキサイド付加物の3価以上のアルコールの
ポリグリシジルエーテル化物、レゾルシン、ヒドロキノ
ン、メチルレゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールAD、四臭化ビスフェノール
A、ビフェノール等の2価のフェノール類のグリシジル
エーテル化物、1,1,2,2−テトラ(ヒドロキシフ
ェニル)エタン、フェノールノボラック、臭素化フェノ
ールノボラック、クレゾールノボラック、臭素化クレゾ
ールノボラック、レゾルシンノボラック、臭素化レゾル
シンノボラック、ビスフェノールAノボラック、ナフト
ールノボラック等の3価以上のフェノール類のポリグリ
シジルエーテル化物が挙げられるが、これらの例示のグ
リシジルエーテル化物に限定されるものではない。
【0027】グリシジルエステル類の例としては、具体
的にはジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒ
ドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレー
ト、ジメチルグリシジルフタレート、ジメチルグリシジ
ルヘキサヒドロフタレート、ダイマー酸グリシジルエス
テル、ダイマー酸グリシジルエステル変成物、芳香族ジ
グリシジルエステル、脂環式ジグリシジルエステル等が
挙げられるが、これらの例示のグリシジルエステル類に
限定されるものではない。
【0028】グリシジルアミンの例としては、具体的に
はテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグ
リシジル−パラアミノフェノール、トリグリシジル−メ
タアミノフェノール、グリシジルアニリン、ジグリシジ
ルトルイジン、テトラグリシジルメタキシリレンジアミ
ン、ジグリシジルトリブロムアニリン、テトラグリシジ
ルビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられるが、
これら例示のグリシジルアミン類に限定されるものでは
ない。
【0029】複素環式エポキシ樹脂の例としては、具体
的にはトリグリシジルイソシアヌレート、グリシジルヒ
ダントイン、グリシジルグリシドオキシアルキルヒダン
トイン等が挙げられるが、これらの例示の複素環式エポ
キシ樹脂に限定されるものではない。
【0030】環状脂肪族エポキシ樹脂の例としては、具
体的にはアリサイクリックジエポキシジアセタール、ア
リサイクリックエポキシアジペート、アリサイクリック
ジエポキシパーカーボネート、ビニルシクロヘキセンジ
オキサイド等が挙げられ、サルファイド硬化剤の具体例
としては、例えばトリメチロールプロパントリス(3−
メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテ
トラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエ
リスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)等の
メルカプトカルボン酸エステル、HS−(C24 −O
−CH2 −O−C24 −S−S)n −C24 −O−
CH2 −O−C24 −SH等のポリサルファイド化合
物、1,2,3−トリ(メルカプトメチル)ベンゼン、
1,2,4−トリ(メルカプトメチル)ベンゼン、1,
3,5−トリ(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,
5−トリ(メルカプトメチル)−4−メチルベンゼン、
1,2,4−トリ(メルカプトエチル)−5−イソブチ
ルベンゼン、1,2,3−トリ(メルカプトメチル)−
4,5−ジエチルベンゼン、1,3,5−トリ(メルカ
プトメチル)−2,6−ジメチルベンゼン、1,3,5
−トリ(メルカプトメチル)−4−ヒドロキシベンゼ
ン、1,2,3−トリ(メルカプトメチル)−4,6−
ジヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリ(メルカプト
ブチル)−3−メトキシベンゼン、1,2,4−トリ
(メルカプトエチル)−4−アミノエチルベンゼン、
1,3,5−トリ(メルカプトブチル)−4−ブトキシ
ベンゼン、1,2,4,5−テトラ(メルカプトメチ
ル)−3,6−ジメチルベンゼン、1,2,4,5−テ
トラ(メルカプトエチル)−3,6−ジメトキシベンゼ
ン、1,2,4−トリ(メルカプトメチル)−3−
(N,N−ジメチルアミノ)ベンゼン、1,3,5−ト
リ(メルカプトブチル)−4−(N,N−ジブチルアミ
ノ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラ(メルカプトメ
チル)−3,6−ジヒドロキシベンゼン、3,4,5−
トリ(メルカプトメチル)フラン、3,4,5−トリ
(メルカプトエチル)フラン、2−ブチル−3,4,5
−トリ(メルカプトメチル)フラン、3,4,5−トリ
(メルカプトメチル)チオフェン、2,3,5−トリ
(メルカプトメチル)チオフェン、2−イソブチル−
3,4,5−トリ(メルカプトメチル)チオフェン、
3,4,5−トリ(メルカプトブチル)ピロール、2,
3,5−トリ(メルカプトメチル)ピロール、2,4,
6−トリ(メルカプトメチル)ピリジン、2,3,5−
トリ(メルカプトメチル)ピリジン、2,4,6−トリ
(メルカプトメチル)−5−メチルピリジン、2,4,
6−トリ(メルカプトメチル)−5−ビニルピリジン、
2,3,5−トリ(メルカプトブチル)−4−アリルピ
リジン、2,3,5−トリ(メルカプトメチル)チオナ
フテン、2,3,5−トリ(メルカプトメチル)キノリ
ン、3,4,5−トリ(メルカプトメチル)イソキノリ
ン等のポリメルカプタン化合物等が挙げられる。
【0031】このようなエポキシ樹脂と硬化剤との組み
合わせにより硬化したエポキシ樹脂が得られるが、この
エポキシ樹脂の特性は、ショアD硬度が50以上、さら
には55〜80、伸びが50%以上、さらには100〜
300%、破断時強度が150kg/cm2 以上、さら
には200kg/cm2 以上であるのが好ましい。ま
た、このエポキシ樹脂の硬化時間は5時間以内が好まし
い。
【0032】エポキシ樹脂のショアD硬度が50以上、
又はその破断時強度が150kg/cm2 以上である
と、車の発進や停止によるせん断負荷が作用しても骨材
が十分に保持され、その伸びが50%以上であると、中
塗り層が多少柔らかくてもグリップ層に割れが生じな
い。また、エポキシ樹脂の硬化時間が5時間以内である
と、施工後、短時間で駐車場等として使用できるように
なる。
【0033】前記エポキシ樹脂に含有させる骨材として
は、例えば珪砂、焼成アルミナ等が挙げられ、その粒径
は骨材に対する負荷を負荷を小さくし、骨材の欠落を防
止するため、3mm以下が好ましい。
【0034】また骨材の含有量は、骨材とエポキシ樹脂
とを十分な接着強度で接着させるため、樹脂100重量
部に対して50〜400重量部が好ましく、さらには1
00〜300重量部がより好ましい。骨材の含有量が樹
脂100重量部に対して50重量部未満であると、グリ
ップ性が弱くなる傾向が表れ、他方骨材の含有量が樹脂
100重量部に対して400重量部を超えると、エポキ
シ樹脂との接着力不足になり易く、この場合には骨材が
欠落するときもある。
【0035】グリップ層の厚さは、グリップ層に十分な
耐久強度を生じさせるため、0.5mm以上であるのが
好ましく、1mm以上であるのがより好ましい。
【0036】また、中塗り層の厚さとグリップ層の厚さ
に関しては、中塗り層の厚さがグリップ層の厚みの2倍
以上であるのが好ましい。中塗り相の厚さがグリップ層
の厚みの2倍以上であると、中塗り層がある程度の伸び
を有していてもグリップ層の伸びの影響が余り大きくな
らず、クラックに対する追従性に優れる。
【0037】さらに、前記グリップ層の劣化を防止する
ために、前記グリップ層の上にさらにトップコート層が
形成されているのが好ましい。このトップコート層の材
質としては脂肪族のイソシアナートが用いられた無黄変
タイプのウレタン樹脂が好ましく、このウレタン樹脂は
一液タイプでも二液タイプでもよい。
【0038】次に、本発明に係る床の防水被覆構造体を
形成するための施工方法について説明する。
【0039】まず、プライマー層は、通常エポキシ樹脂
又はウレタン樹脂よりなるが、前記樹脂層を形成するた
めには、ローラー又はスプレーを用いる。エポキシ樹脂
を用いる場合には、公知のビスフェノールA型エポキシ
樹脂(硬化剤:ポリアミン)を用い、ウレタン樹脂を用
いる場合には、公知の一液湿気硬化型ウレタン樹脂を用
いる。
【0040】前記樹脂層は施工後、0.5〜2時間程度
で硬化し、次に中塗り層の施工に移ることができる。
【0041】この中塗り層の施工は、スプレーを用いて
行うのが好ましい。この場合のスプレー機としては、例
えばユニプレ社製のG−41/2D、EMC社製のDG
−108等の低圧二液混合タイプが好ましく、スプレー
ガンとしては、例えばスタティックミキサーを有するエ
アースプレーガン等が好ましい。スプレーの方法として
は、塗膜が均一になるように、例えばクロスタッチでス
プレーする方法をとる。
【0042】グリップ層の施工は、液状の樹脂をローラ
ーあるいはこてを用いて塗布した後、未硬化の状態で骨
材を散布し、樹脂が硬化した後に接着していない骨材を
掃除機や菷で取り除く。この場合、前記骨材を前記樹脂
層に完全に固定するため、前記樹脂層の硬化の後、さら
に樹脂を薄くローラーあるいはスプレーで塗布するのが
好ましい。この場合、前記樹脂が10重量%以下になる
ように溶剤で希釈したものを使用してもよい。また、前
記骨材を樹脂に混合し、この混合物をローラーやコテで
塗布してもよい。
【0043】トップコート層を形成する場合は、ローラ
ーあるいはスプレーで塗布するのが好ましい。
【0044】
【作用】本発明に係る床の防水被覆構造体によれば、短
時間での施工が可能であると共に、軽量で強靭であり、
かつ優れた耐久性を有する床の防水被覆構造体が形成さ
れる。
【0045】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る床の防水被覆
構造体の実施例及び比較例を説明する。まず、本発明に
係る床の防水被覆構造体の実施例を説明する。
【0046】基体としてのコンクリートの上面に以下に
述べる構造体を形成した。
【0047】実施例の場合に使用した樹脂は、プライマ
ー層が一液型ウレタン樹脂であるタケネートF−520
(武田薬品工業(株)製)、中塗り層がスプレータイプ
の二液型ウレタン樹脂であるTQスプレイ70主剤/硬
化剤(武田薬品工業(株)製)、グリップ層用樹脂は二
液型エポキシ樹脂であるアートロードSクイック主剤/
硬化剤(中外商工(株)製)に触媒として2,4,6−
トリスジメチルアミノメチルフェノールを1%添加した
ものである。
【0048】このプライマー層のウレタン樹脂の特性
は、鉛筆硬度がH、伸びが10%、破断時強度が50k
g/cm2 、硬化時間が30分であり、中塗り層のウレ
タン樹脂の特性はショアA硬度が74、伸びが550
%、破断時強度が120kg/cm2 、硬化時間が30
分であり、グリップ層用のエポキシ樹脂の商品特性はシ
ョアD硬度が60、伸びが100%、破断時強度が26
0kg/cm2 、硬化時間が1時間である。
【0049】また使用した骨材は、5号の珪砂(平均粒
径:0.5〜1.0mm)と、サラサンドのタイプB
(美州興産製)の焼成アルミナ(平均粒径:0.5〜
1.0mm)である。
【0050】次に、施工方法について説明する。まず、
プライマー層を形成するためにローラーを使用し、前記
ウレタン樹脂を150g/m2 の塗布量で塗布し、硬化
させた。次に、前記プライマーを塗布した2時間後に、
スプレー機としてユニプレ社製のG−41/2Dを用
い、先端にスタティックミキサーを有するスプレーガン
で3kg/m2 の塗布量になるように塗布した。
【0051】この中塗り層をスプレー塗布により形成し
た2時間後、中塗り層の上にローラーを用いて前記エポ
キシ樹脂を0.5kg/m2 又は0.7kg/m2 の塗
布量になるように塗布し、約2分後に骨材を1kg/m
2 の散布量になるように散布し、さらに1時間後キシレ
ン5%で希釈した前記エポキシ樹脂をローラーで0.3
kg/m2 の塗布量になるように塗布し、グリップ層を
形成した。
【0052】次に、比較例を説明する。
【0053】比較例の場合、プライマー層の形成には実
施例の場合と同様の樹脂を使用し、中塗り層の形成には
流し延べタイプの二液型ウレタン防水材であるタケネー
トL−1020/タケラックPC−3100(武田薬品
工業(株)製)又は実施例と同様のウレタン樹脂を使用
し、グリップ層の形成には、二液型エポキシ樹脂である
テークエポFL−150主剤/硬化剤(武田薬品工業
(株)製)又は実施例と同様のエポキシ樹脂、無黄変二
液型ウレタン樹脂であるタケネートF−250/タケラ
ックPA−350(武田薬品工業(株)製)を使用し
た。
【0054】中塗り層を構成するウレタン防水材の特性
はショアA硬度が60、伸びが500%、破断時強度が
50kg/cm2 、グリップ層を構成するエポキシ樹脂
の特性はショアD硬度が80、伸びが4.5%、破断時
強度が560kg/cm2 、グリップ層を構成する無黄
変二液型ウレタン樹脂の特性は鉛筆硬度がHB、伸びが
160%、破断時強度が270kg/cm2 、硬化時間
が30分である。
【0055】次に、施工方法について説明する。まず、
プライマー層を実施例の場合と同様にローラーを用いた
塗布により形成し、2時間後、コテを用いて3kg/m
2 の塗布量でプライマー層の上に中塗り層を形成するか
又は実施例と同様の条件で中塗り層を形成した。そし
て、スプレーの場合は塗布後2時間、コテを用いた場合
は塗布後5時間経過した後、グリップ層を形成した。グ
リップ層の形成方法は、中塗り層の上にローラーを用い
て前記エポキシ樹脂を0.5kg/m2 又は1.7kg
/m2 の塗布量になるように塗布し、約2分後に骨材を
1kg/m2 の散布量になるように散布し、さらに1時
間後キシレン5%で希釈した前記エポキシ樹脂をローラ
ーで0.3kg/m2の塗布量になるように塗布する方
法を採用した。また比較例4においては、前記グリップ
層に無黄変二液型ウレタン樹脂をローラーで0.2kg
/m2 の塗布量になるように塗布した後、骨材を0.4
kg/m2 の散布量で散布し、さらにローラーで同じ樹
脂を0.1kg/m2 の塗布量になるように塗布した。
【0056】前記した方法で実施例及び比較例に係る床
の防水被覆構造体を形成した後、この床の防水被覆構造
体のねじれ抵抗性及び下地追従性についての試験を行っ
た。試験方法は以下に示す通りである。
【0057】まず、初期ねじれ抵抗性については、前記
床の防水被覆構造体を形成し、23℃で16時間養生
後、2トンのフォークリフトのタイヤを用いて、車輌を
30回切り替えす試験を行い、試験後の前記床の防水被
覆構造体に割れや剥離が生じていないかを目視で観察し
た。下記の表1に、割れや剥離が生じたものを×、割れ
等が生じなかったものをとして表示している。
【0058】また、長期ねじれ抵抗性については、前記
床の防水被覆構造体を形成し、23℃で7日間養生後、
直径20cm、幅5cmのウレタンソリッドタイヤに荷
重100kgをかけて90度のねじれを300回与える
ことにより行った。評価方法は初期ねじれ抵抗性の場合
と同様である。
【0059】また下地追従性については、住宅都市整備
公団の塗膜防水材の試験方法 JASS 8(ゼロスパ
ン測定)に準じて行った。
【0060】使用した樹脂及び骨材、各層の厚さ、及び
前記床の防水被覆構造体の評価結果を下記の表1に示し
ている。
【0061】
【表1】
【0062】表1の結果より明らかなように、実施例の
場合は下地追従性、初期ねじれ抵抗性及び長期のねじれ
抵抗性が共に良好であるのに対し、比較例の場合は下地
追従性、初期ねじれ抵抗性及び長期のねじれ抵抗性のう
ちのいずれかが不良となっている。
【0063】
【発明の効果】本発明に係る床の防水被覆構造体にあっ
ては、短時間での施工が可能であると共に、軽量で強靭
であり、かつ優れた耐久性を有する床の防水被覆構造体
を形成することができる。前記床の防水被覆構造体を駐
車場の床として採用すれば、現状使用中の駐車場であっ
ても使用を一日中止するだけで耐久性を有する防水被覆
構造を有する駐車場に改修することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の上に、プライマー層、中塗り層、
    及びグリップ層が順次積層形成された床の防水被覆構造
    体において、前記グリップ層がチオール硬化型エポキシ
    樹脂層であることを特徴とする床の防水被覆構造体。
  2. 【請求項2】 中塗り層が速硬化性ウレタンエラストマ
    ーよりなる請求項1記載の床の防水被覆構造体。
  3. 【請求項3】 プライマー層がエポキシ樹脂又はウレタ
    ン樹脂よりなる請求項1又は請求項2記載の床の防水被
    覆構造体。
  4. 【請求項4】 グリップ層が骨材を含有したエポキシ樹
    脂層である請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の
    床の防水被覆構造体。
  5. 【請求項5】 グリップ層を構成するエポキシ樹脂のシ
    ョアD硬度が50以上、伸びが50%以上、破断時強度
    が150kg/cm2 以上であり、その厚さが0.5〜
    2mmである請求項4記載の床の防水被覆構造体。
  6. 【請求項6】 骨材が珪砂又は焼成アルミナよりなり、
    それらの粒径が3mm以下である請求項4記載の床の防
    水被覆構造体。
  7. 【請求項7】 中塗り層が、その厚さが1mm以上で、
    その伸びが300%以上、破断時強度が80kg/cm
    2 以上、ショアA硬度が65以上の速硬化ウレタンウレ
    ア樹脂よりなる請求項2記載の床の防水被覆構造体。
  8. 【請求項8】 グリップ層の上にさらに無黄変タイプの
    ウレタン樹脂トップコート被膜が形成されている請求項
    1〜請求項7のいずれかの項に記載の床の防水被覆構造
    体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004131948A (ja) * 2002-10-08 2004-04-30 Aica Kogyo Co Ltd 床施工方法及び床構造
KR100527282B1 (ko) * 2002-10-21 2005-11-09 중앙방수기업주식회사 탄성이 있는 폴리우레탄과 내마모성의 에폭시를 복합적층한 다기능성 바닥마감재 및 그 시공방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004131948A (ja) * 2002-10-08 2004-04-30 Aica Kogyo Co Ltd 床施工方法及び床構造
KR100527282B1 (ko) * 2002-10-21 2005-11-09 중앙방수기업주식회사 탄성이 있는 폴리우레탄과 내마모성의 에폭시를 복합적층한 다기능성 바닥마감재 및 그 시공방법

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