JPH0826065A - エアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両への脱着時等において、簡素な構成にて
的確に誤作動を防止することが可能なエアバッグ装置を
提供する。 【構成】 エアバッグ、インフレータ、および点火回路
をステアリングホイールに一体的に装着してなる車両用
エアバッグ装置である。このようなエアバッグ装置にお
いて、前記点火回路に直列に接続され、制御信号によっ
て開放状態と閉成状態とを切替え可能なスイッチ手段
と、少なくとも前記装着検出手段が前記エアバッグ装置
の装着を検出するときまで、前記スイッチ手段が閉成状
態となることを禁止する禁止手段とを有し、前記禁止手
段は、前装着手段が前記エアバッグ装置の装着を検出し
てから所定の期間の間は、前記スイッチ手段が閉成状態
となることを禁止することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両に搭載される乗員
保護用のエアバッグ装置に関し、特に、インフレータお
よびインフレータを作動させる点火回路を含むエアバッ
グ装置において、車両への装着時におけるエアバッグ装
置の誤作動を防止できるエアバッグ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、エアバッグ、エアバッグを展開さ
せるインフレータ、車両衝突を判別する衝突判別装置お
よび衝突判別装置の結果に応じて前記インフレータを点
火する点火装置を一体的に装着してなるエアバッグ装置
が知られている。このようなエアバッグ装置を車両に装
着する際には、通常エアバッグ装置と車両側とを通電す
るための継電装置におけるコネクタを接続した後、ステ
アリングホイール等に固定する。これは、一般的なエア
バッグ装置では、ステアリングホイールにエアバッグが
装着された後では、ステアリングホイールのスペース的
に前記コネクタを接続して、車両側とエアバッグ装置と
を継電することができなくなるからである。

【０００３】このように通電状態において車両に装着さ
れるエアバッグ装置において、ステアリングホイールへ
の装着の際の衝撃による加速度をエアバッグ装置の衝突
判定部が誤判定してしまう恐れがあった。また、ステア
リングホイールへの組付け過程において作業員等がエア
バッグ装置を落下させる等してエアバッグ装置に加速度
を与えると、上記同様にエアバッグ装置が誤判定する恐
れがあった。そこで、従来では、例えば特開昭６３−２
１２１４８号公報に開示されているように、機械的なス
イッチを用いて前述のような誤判定を防止する防止装置
を有するエアバッグ装置を採用していた。すなわち、電
源からインフレータに通電する点火起動電源回路中に前
記機械的スイッチを挿入することによって、以下のよう
な作動を実行していた。まず、エアバッグ装置がステア
リングホイールに装着される以前もしくはエアバッグ装
置のステアリングホイールからの離脱時において、通電
されている場合には、前記機械的なスイッチは開成状態
を保持し、インフレータへの点火駆動電流を供給しない
ようにする。また、エアバッグ装置がステアリングホイ
ールに装着された後には、前記スイッチが閉成状態にな
り、インフレータへの点火駆動電流が供給される。

【０００４】

【課題】しかし、上述のように機械的なスイッチを電源
からインフレータへの点火回路中に形成してエアバッグ
装置の誤爆防止を実行する際には、非常に性能の高い高
価な機械的スイッチが必要となる。なぜならば、前述の
如く機械的スイッチは点火回路中に配設されているた
め、エアバッグ装置をステアリングホイールに装着後、
もし前記スイッチが正常動作をせず開成状態を保持した
り、閉成状態から事故的に開成状態に陥ったりすると、
車両衝突時にエアバッグ装置が設計通りに動作しなくな
る恐れがある。また、車両衝突時にエアバッグを展開さ
せる際、前記インフレータを点火する点火電流は大電流
である。この大電流で前記機械的センサが作動不良を起
こした場合には、インフレータに点火電流が充分供給さ
れなくなることも考えられる。このような事態を回避す
るために、機械式センサには非常に性能のよいものを採
用していた。しかしながら、これはエアバッグ装置全体
のコストを上昇させる結果を招いていた。

【０００５】さらに、従来のエアバッグ装置において
は、ステアリングホイールにエアバッグ装置を装着する
瞬間の衝撃に機械的スイッチが対応できず、エアバッグ
装置の誤作動を防止することができなかった。すなわ
ち、ステアリングホイールにエアバッグ装置が装着され
る前においては、たとえエアバッグ装置が通電されてい
ても、作業員等がエアバッグ装置を落としたりした際の
衝撃によってインフレータが誤爆することはない。しか
しながら、ステアリングホイールへのエアバッグ装置の
装着の瞬間後に機械的スイッチがエアバッグ装着を検知
し、インフレータの点火駆動の禁止の解除を実行するこ
とが考えられる。このような場合、実際には、最終的に
エアバッグ装置がステアリングホイールに装着固定され
る前段階にてスイッチが閉成状態となり、その後、組付
けの際の衝撃がエアバッグ装置に加わる場合も考えられ
る。また、上記のような装着瞬間を的確に検出可能な機
械的スイッチは、非常に高価であることは言うまでもな
い。

【０００６】そこで本発明は、エアバッグ装置の車両へ
の脱着時等において、簡素な構成にて的確に誤作動を防
止することができるエアバッグ装置を提供することを目
的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によるエアバッグ装置は、エアバッグ、当該
エアバッグに高圧ガスを供給するインフレータ、および
所定の点火電源が通電されたときに前記インフレータを
作動させる点火回路を含み、これらをステアリングホイ
ールに一体的に装着してなる車両用エアバッグ装置であ
って、前記点火回路に直列に接続され、制御信号によっ
て開放状態と閉成状態とを切替え可能なスイッチ手段
と、前記エアバッグ装置がステアリングホイールに装着
されたことを検出する装着検出手段と、前記装着検出手
段が前記エアバッグ装置の装着を検出し、所定時間が経
過するまで前記スイッチ手段が閉成状態となることを禁
止する禁止手段備えることを特徴とする。

【０００８】また、エアバッグ、当該エアバッグに高圧
ガスを供給するインフレータ、および所定の点火電源が
通電されたときに前記インフレータを作動させる点火回
路を含み、これらをステアリングホイールに一体的に装
着してなる車両用エアバッグ装置であって、前記エアバ
ッグ装置がステアリングホイールに装着されたときに、
接点の開閉状態が変化する装着スイッチと、前記エアバ
ッグ装置の前記ステアリングホイールへの装着による前
記装着スイッチの開閉状態の変化を検出するとともに、
当該開閉状態の変化が検出されるまで、前記点火回路に
直列に接続されたスイッチ手段の導通を所定期間禁止す
る禁止手段とを備え、当該装着スイッチに、これらを車
両の電源に対して前記点火回路に並列に接続し、前記装
着スイッチの開閉状態の変化を検出することを特徴とす
るエアバッグ装置を採用するようにしてもよい。

【０００９】また、前記ステアリングホイールに一体的
に装着される前記車両用エアバッグ装置が、車両の減速
度を検出し、その減速度に応じた信号を出力する減速度
検出手段と、前記減速度検出手段からの減速度信号に基
づき、車両の衝突状態か否かを判別する判別手段とを備
え、前記判別手段が車両の衝突状態であることを判別し
た場合に、前記スイッチ手段を導通して、前記点火電流
を通電することを特徴とする請求項１もしくは請求項２
に記載のエアバッグ装置を採用するようにしてもよい。

【００１０】また、前記禁止手段が、前記判別手段から
の第１信号と前記装着検出手段もしくは装着スイッチか
らの第２の信号とを入力するロジック回路からなり、前
記第２の信号に基づき、前記第１の信号を前記スイッチ
手段に出力することを禁止することを特徴とする請求項
３に記載のエアバッグ装置を採用するようにしてもよ
い。

【００１１】また、車両の衝突時に、その衝突による減
速度に機械的に応動して接点が閉じる減速度スイッチ
を、前記点火回路に直列に接続したことを特徴とする請
求項１ないし請求項４のいずれかに記載のエアバッグ装
置を採用するようにしてもよい。また、前記禁止手段
が、前記スイッチ手段もしくは前記装着スイッチが開成
状態となることを禁止している間、所定の警告灯を点灯
または点滅させることを特徴とする請求項１ないし請求
項５のいずれかに記載のエアバッグ装置を採用するよう
にしてもよい。

【００１２】また、前記スイッチ手段は、前記点火回路
に直列に接続されたトランジスタにて形成されているこ
とを特徴とする請求項１ないし請求項６のいずれかに記
載のエアバッグ装置を採用するようにしてもよい。ま
た、前記スイッチ手段は、前記車両の衝突時と前記判別
手段が判断した場合、乗員を保護するためのエアバッグ
を展開するべく前記インフレータに点火電流を通電する
べく閉成することを特徴とする請求項３ないし請求項７
のいずれかに記載のエアバッグ装置を採用するようにし
てもよい。

【００１３】また、前記禁止手段は、前記装着検出手段
もしくは装着検出スイッチが、エアバッグ装置の装着を
検出する時までは前記スイッチ手段を開成状態とし、前
記エアバッグ装置のステアリングホイールへの装着が検
出された時点から、あらかじめ定められた所定時間経過
後、所定の条件を満たす場合には前記スイッチ手段が閉
成する閉成可能状態とすることを特徴とする請求項１な
いし請求項９のいずれかに記載のエアバッグ装置を採用
するようにしてもよい。

【００１４】

【作用】以上のように構成されるエアバッグ装置の作用
を以下に説明する。上述の如く、インフレータを作動さ
せる点火回路に直列にスイッチ手段が形成されている。
このスイッチ手段は、エアバッグ装置の装着を検出する
装着検出手段からの信号を受けて開閉状態を変更する。
すなわち、前記装着検出手段が直接インフレータへの点
火電流を非通電もしくは通電することがないため、単に
エアバッグ装置の装着を検出する簡素で安価なスイッチ
もしくはセンサを採用する事が可能である。また、前記
禁止手段によって、エアバッグ装置装着後の所定期間、
スイッチ手段が閉成状態となることを禁止する。これに
よって、エアバッグ装置装着時および取り付け時におけ
る衝撃によってエアバッグが設計上意図しない作動を起
こすことがない。すなわち、確実にエアバッグ装置がス
テアリングホイールに装着された後に、はじめてインフ
レータへの通電の禁止の解除を実行することができるた
め、的確なエアバッグ装置の作動を保障することが可能
である。

【００１５】また、抵抗を点火回路に並列に接続し、前
記装着スイッチの開閉状態に応じて変化する電圧を検出
することによって、前記装着スイッチの開閉状態の変化
を検出するようにしてもよい。このように、点火回路に
並列接続された抵抗による電圧変化を観察し、前記スイ
ッチ手段の開閉を制御するため、簡単なスイッチ手段、
装着検出手段およびエアバッグ装置における制御回路に
て的確な動作を保障したエアバッグ装置を提供できる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明によるエアバッグ装置の一実施
例を図に基づいて説明する。図１は、本発明におけるエ
アバッグ装置１の全体構成の１実施例を示す断面図であ
る。図１において、車両衝突時に膨張して乗員を保護す
るエアバッグ２０は、底面にインフレータ１０を挿入す
る挿入孔２１と、この挿入孔２１の周辺に設けられた複
数の固定孔２２とが設けられている。そして、ガスを発
生して、該エアバッグ２０を展開させるインフレータ１
０には、複数のガス噴出孔１１と、複数の取付けボルト
１３を有するフランジ部１２とが設けられており、この
フランジ部１２とハウジング４４の平坦面４１との間に
エアバッグ２０がナット７０にて締め付けられる。

【００１７】電子制御装置ＥＣＵ４０は、平坦面４１を
有するとともに一体形成されたハウジング４４と、車両
の衝突を検出する電子式加速度センサと、該センサから
の信号により衝突判定を行う制御回路とを備えている。
この制御回路は、図示されないビスにてハウジング４４
に固定された回路基板３９に設けられている。ハウジン
グ４４の平坦面４１の外周部４２は、図１に示すように
折り曲げられた形状をしており、ステアリングホイール
６０に固定するためのナット４３が溶接または一体形成
されている。さらに、板金製のカバー５０は、ビス９０
によりハウジング４４に固定されており、このカバー５
０の外周部５１は、ず１に示すように折り曲げられた形
状をしており、最終組付け時において、パッド３０の固
定部３１の外周を覆うように構成される。パッド３０
は、図１に示すように、バッグ２０が膨張したときに破
断するためのリップライン３２を有している。

【００１８】上記のように構成されるエアバッグ装置１
は、以下に述べるようにして組付けられる。すなわち、
まずエアバッグ２０の底面の挿入孔２１よりインフレー
タ１０を挿入し、インフレータ１０のフランジ部１２に
設けられた取付けボルト１３をエアバッグ２０の固定孔
２２に通す。この時、エアバッグ２０はパッド３０の内
部形状に概ね合わせた形状に折り畳まれる。

【００１９】そして、ハウジング４４の平坦面４１に設
けた固定孔４５にインフレータ１０の取付けボルト１３
を挿入し、インフレータ１０と電子制御装置ＥＣＵ４０
のハウジング４４との間にエアバッグ２０を挟んだ状態
でナット７０により締め付け固定する。続いて、折り畳
まれたエアバッグ２０を覆うようにしてパッド３０を被
せる。そして、パッド３０の固定部３１をハウジング４
４の平坦面４１の肩部４６に当接させた状態でさらに加
圧すると、パッド３０の固定部３１は外側に弾性変形し
ながらハウジング４４の外周部４２を摺動し、図１に示
すように、パッド３０の鉤型形状をした、固定部３１が
ハウジング４４の外周部４２に嵌まり込んで固定される
ことになる。この時、パッド３０は、折り畳まれたバッ
グ２０の反力を受けて図１の上方向へ力が作用した状態
で組付けられる。

【００２０】続いて、インフレータ１０と電子制御装置
ＥＣＵ４０との電気的接続を行う。ハウジング４４の平
坦面４１の略中央には図示されない穴が設けられてお
り、インフレータ１０に形成されているスクィブ（起爆
素子）端子と回路基板３９とをコネクタケーブルまたは
ハンダ付け等によって、インフレータ１０と電子制御装
置４０とが電気的に接続される。

【００２１】そして、最後に電子制御装置４０のカバー
５０を被せ、ビス９０にてハウジング４４に固定する。
この時、カバー５０の外周部５１は、図１に示すように
折り曲げられているため、パッド３０の固定部３１の外
周を覆うように固定されることになる。したがって、エ
アバッグ２０の展開初期において、パッド３０のリップ
ライン３２が破断するまでの内圧はパッド３０の固定部
３１にかかるものの、固定部３１がはずれることはな
い。

【００２２】この状態でエアバッグ装置１におけるエア
バッグモジュール部品は完成する。このように構成され
るエアバッグ装置１を車体側の電源と電気的に接続した
後にステアリングホイール６０に装着する。すなわち、
回動するステアリングホイール６０と固定側の車体とを
電気的に接続する継電装置４を用いて、あらかじめ車体
側とエアバッグ装置１とを電気的に接続する。前記継電
装置４はステアリングシャフト６１に配設されており、
この継電装置４の固定側から延びるケーブル６２は車体
側と電気的に接続されている。また、ステアリングシャ
フト６１に対応して回動する回動側から延びるケーブル
６３は、電子制御装置４０等から延設されている電気接
続用のコネクタと接続される。このようにエアバッグ装
置１側と車体側とを電気接続した後、ハウジング４４の
外周部４２の内側面に設けられたナット４３に対してス
テアリングホイール６０の外側からボルト８０にて螺着
することにより、エアバッグ装置１をステアリングホイ
ール６０に固定する。

【００２３】以上述べたように、本発明によるエアバッ
グ装置１では、インフレータ１０、電子制御装置４０お
よびエアバッグ２０とを一体化して、ステアリングホイ
ール６０に配設している。このようなエアバッグ装置１
における電子制御装置ＥＣＵ４０等の概略的な電気接続
構成および制御内容を、図２に基づいて説明する。

【００２４】図２に示すように、エアバッグ装置１は車
体に搭載されているバッテリ電源８から、キースウィッ
チ７、ヒューズ６および前述の継電装置４等を介して、
電力供給を受けている。エアバッグ装置１を電気的に制
御する制御機構は、以下のように構成されている。すな
わち、前記継電装置４からの電流を、昇圧回路１０２、
バックアップ電源１０３およびセーフィングセンサ１０
４等に通電する入力ダイオード１０１から供給される。
加速度センサ１０６にて、車両衝突時の加速度信号を検
出し、この加速度信号を用いて衝突判定回路１０７にて
車両衝突を判定する。また、この衝突判定回路１０７で
は、エアバッグ装置１の電気的な故障も検出する。そし
て、エアバッグ装置１の故障時には、ステアリングホイ
ール６０のパッド３０等に配設される警報装置３を点灯
し、乗員に異常を知らせる。

【００２５】スクィブ２に起動電流を供給する起動電流
回路には、直列に点火手段が配列されている。この点火
手段とは所定の信号によって通電、非通電するスイッチ
であり、ここでは、トランジスタ１５を採用している。
トランジスタ１５は、衝突判定回路１０７にて車両衝突
と判定され前記衝突判定回路１０７から通電信号を受け
た場合には通電し、インフレータ１０に形成さているス
クィブ２に前記バッテリ電源８もしくはバックアップ電
源１０３から点火起動電流が供給されるようにする。な
お、この場合には、エアバッグ２０には、インフレータ
１０から膨張ガスが供給され、展開し、乗員を車両衝突
時の衝撃から保護する。

【００２６】前記起動電流回路には、並列にステアリン
グ装着検出スイッチ１０８およびタイマー回路１０９が
接続されている。ステアリング装着検出スイッチ１０８
は、エアバッグ装置１のステアリングホイール６０への
装着を検知するもので、電気的、機械的もしくは光学的
な簡単な構成のスイッチを採用する。すなわち、エアバ
ッグ装置１の装着を示す信号を何らかの形で出力できる
ものであればよい。また、前記点火起動回路に並列に抵
抗１１０が接続されている。前記ステアリング装着検出
スイッチ１０８は、例えば以下のような構成を採用する
ようにしてもよい。例えばステアリングホイール６０に
エアバッグ装置１を装着する際に用いる前記ボルト８０
が挿入されると車体側のグラウンドと電気的に接続され
るようにし、前記抵抗１１０とステアリング装着検出ス
イッチ１０８との間の電圧等の変化からエアバッグ装置
１の装着を検知するようにしてもよい。また、単なるタ
ッチセンサ等によってエアバッグ装置１の底面が、ステ
アリングホイール６０の取付けブランケットもしくはエ
アバッグ装置１の装着箇所入口等に接触した際の信号を
検出信号として採用するようにしてもよい。なお、ステ
アリング装着検出スイッチ１０８は、エアバッグ装置１
のステアリングへの非装着時には開成状態を保持し、装
着後所定時間経過した瞬間閉成するようにする。タイマ
ー回路１０９は、前記ステアリング装着検出スイッチ１
０８が閉成した後も所定時間、トランジスタ１０５を通
電状態にすることを禁止する禁止手段となる。

【００２７】また、エアバッグ装置１が継電装置４によ
って車体側のバッテリ電源８と通電状態とされている際
に、ステアリング装着検出スイッチが開成状態である場
合、この状態を表す信号が衝突判定回路１０７に送信さ
れて、警報装置３が点滅するように構成されている。以
上のように構成されるエアバッグ装置１の作用効果を以
下に詳述する。

【００２８】上述のように、エアバッグ装置１がステア
リングホイール６０に装着される際には、継電装置４を
介してエアバッグ装置１側と車体側とは、電気的に接続
された状態で装着される。すなわち、従来、もし作業員
等がエアバッグ装置１を落としたりして、エアバッグ装
置１に所定値以上の加速度を与えると、前記加速度セン
サ１０６が、車両衝突時と同様の信号を衝突判定回路１
０７に送信する。この際、衝突判定回路１０７にて車両
衝突と誤判定されてしまう。また、エアバッグ装置１を
ステアリングホイール６０に嵌め込む際に、加速度を生
じるような作業を行うと、上記同様車両衝突と誤判定さ
れてしまう。

【００２９】しかし、上述した本発明によるエアバッグ
装置１においては、ステアリング装着検出スイッチ１０
８によって、ステアリングホイール６０にエアバッグ装
置１が装着される状態であるかどうかを検知する。その
後、所定の時間、エアバッグ装置１の起動に禁止をかけ
るため、装着時および取り付け時の衝撃によるインフレ
ータ１０の起動を防止することができる。

【００３０】また、前記ステアリング装着検出スイッチ
１０８はインフレータ１０のスクィブ２を起動する起動
回路中に接続されていない。すなわち、このステアリン
グ装着検出スイッチ１０８が直接スクィブ２への通電を
禁止するわけではなく、トランジスタ１０５によるオ
ン、オフで前記通電を禁止もしくは解除している。よっ
て、ステアリング装着検出スイッチ１０８には、エアバ
ッグ装置１のステアリングホイール６０への装着を検知
する所定の機能だけを有する簡素で安価なスイッチもし
くはセンサを採用することが可能である。

【００３１】さらに、エアバッグ装置１のステアリング
ホイール６０への非装着時において、つまりトランジス
タ１０５が非通電状態になっている間、前記警報装置１
が点滅されていることによって、作業者にエアバッグ装
置１の作動状態を認識させることができ、エアバッグ装
置１の取付け作業における安全を確保することができ
る。

【００３２】以上のように、本発明によるエアバッグ装
置１では、エアバッグ装置１のステアリングホイール６
０への非装着状態、および装着状態をスクィブ２の点火
起動回路と並列に接続された簡単なスイッチにて検知
し、その結果にしたがって電気的にエアバッグ装置１の
作動を禁止している。よって、簡素で安価な構成にて的
確なエアバッグ装置１の作動を保障することができる。

【００３３】本発明は上記実施例に限定されるわけでは
なく、以下のように種々変形可能である。例えば、上記
実施例では、ステアリング装着検出スイッチ１０８にて
ステアリングホイール６０へのエアバッグ装置１の装着
を検知した後、所定時間の間、タイマー回路１０９に
て、トランジスタ１０５の通電を禁止し、スクィブ２へ
の起動電流の供給を行わないようにしていた。

【００３４】しかしながら、図３に示すように、トラン
ジスタ１０５の通電の禁止を、衝突判定回路１０７から
の信号を基に実行するようにしてもよい。すなわち、ス
テアリング装着検出スイッチ１０８にて、エアバッグ装
置１のステアリングホイール６０への装着を検知した場
合には、その信号を衝突判定回路１０７に送信し、この
信号にしたがって、衝突判定回路１０７がトランジスタ
１０５を制御するようにしてもよい。

【００３５】このように、上記実施例と同様スクィブ２
の点火起動回路と並列に接続されたステアリング装着検
出スイッチ１０８を用い、衝突判定回路１０７にてソフ
ト的にトランジスタ１０５を制御しても、上記実施例と
同様の効果を得ることができる。また、上記実施例にお
いては加速度センサ１０６に電子式の加速度センサを採
用したが、機械式の加速度センサもしくは加速度スイッ
チ等を用いるようにしても、上記実施例と同様の効果を
得ることができる。

【００３６】また、上記実施例においては、ステアリン
グ装着検出スイッチ１０８は、エアバッグ装置１のステ
アリングホイール６０への装着時に閉成し、非装着時に
おいては開成するように作動していた。しかし、これに
限らず、逆に作動するようにしても上記実施例と同様の
効果を得ることができる。すなわち、エアバッグ装置１
のステアリングホイール６０への装着時には開成状態で
あり、非装着時には閉成状態となるようにしても、電圧
変化等の信号を前記ステアリング装着検出手段によって
出力することが可能である。

【００３７】

【効果】以上詳述したように、本発明によるエアバッグ
装置によれば、車両への脱着時等において、簡素な構成
にて的確に誤作動を防止することが可能なエアバッグ装
置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるエアバッグ装置が車両のステアリ
ングに取り付けられた際の構成を示す断面図である。

【図２】本発明によるエアバッグ装置の制御機構を表す
回路図である。

【図３】本発明の他の実施例を表す回路図である。

【符号の簡単な説明】

１ エアバッグ装置 ２ スクィブ ３ 警報装置 ４ 継電装置 ８ バッテリ電源 １０ インフレータ ２０ エアバッグ ３９ 回路基板 ４０ 電子制御装置ＥＣＵ ４４ ハウジング ６０ ステアリングホイール ８０ ボルト １０５ トランジスタ １０６ 加速度センサ １０７ 衝突判定回路 １０８ ステアリング装着検出スイッチ １０９ タイマー回路 １１０ 抵抗

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エアバッグ、当該エアバッグに高圧ガス
   を供給するインフレータ、および所定の点火電源が通電
   されたときに前記インフレータを作動させる点火回路を
   含み、これらをステアリングホイールに一体的に装着し
   てなる車両用エアバッグ装置であって、 前記点火回路に直列に接続され、制御信号によって開放
   状態と閉成状態とを切替え可能なスイッチ手段と、 前記エアバッグ装置がステアリングホイールに装着され
   たことを検出する装着検出手段と、 前記装着検出手段が前記エアバッグ装置の装着を検出
   し、所定時間が経過するまで前記スイッチ手段が閉成状
   態となることを禁止する禁止手段備えることを特徴とす
   る車両用エアバッグ装置。
2. 【請求項２】 エアバッグ、当該エアバッグに高圧ガス
   を供給するインフレータ、および所定の点火電源が通電
   されたときに前記インフレータを作動させる点火回路を
   含み、これらをステアリングホイールに一体的に装着し
   てなる車両用エアバッグ装置であって、 前記エアバッグ装置がステアリングホイールに装着され
   たときに、接点の開閉状態が変化する装着スイッチと、 前記エアバッグ装置の前記ステアリングホイールへの装
   着による前記装着スイッチの開閉状態の変化を検出する
   とともに、信号により、当該開閉状態の変化が検出され
   るまで、前記点火回路に直列に接続されたスイッチ手段
   の導通を所定期間禁止する禁止手段とを備え、 当該装着スイッチに、これらを車両の電源に対して前記
   点火回路に並列に接続し、前記装着スイッチの開閉状態
   の変化を検出することを特徴とするエアバッグ装置。
3. 【請求項３】 前記ステアリングホイールに一体的に装
   着される前記車両用エアバッグ装置が、 車両の減速度を検出し、その減速度に応じた信号を出力
   する減速度検出手段と、 前記減速度検出手段からの減速度信号に基づき、車両の
   衝突状態か否かを判別する判別手段とを備え、 前記判別手段が車両の衝突状態であることを判別した場
   合に、前記スイッチ手段を導通して、前記点火電流を通
   電することを特徴とする請求項１もしくは請求項２に記
   載のエアバッグ装置。
4. 【請求項４】 前記禁止手段が、前記判別手段からの第
   １信号と前記装着検出手段もしくは装着スイッチからの
   第２の信号とを入力するロジック回路からなり、前記第
   ２の信号に基づき、前記第１の信号を前記スイッチ手段
   に出力することを禁止することを特徴とする請求項３に
   記載のエアバッグ装置。
5. 【請求項５】 車両の衝突時に、その衝突による減速度
   に機械的に応動して接点が閉じる減速度スイッチを、前
   記点火回路に直列に接続したことを特徴とする請求項１
   ないし請求項４のいずれかに記載のエアバッグ装置。
6. 【請求項６】 前記禁止手段が、前記スイッチ手段もし
   くは前記装着スイッチが開成状態となることを禁止して
   いる間、所定の警告灯を点灯または点滅させることを特
   徴とする請求項１ないし請求項５のいずれかに記載のエ
   アバッグ装置。
7. 【請求項７】 前記スイッチ手段は、前記点火回路に直
   列に接続されたトランジスタにて形成されていることを
   特徴とする請求項１ないし請求項６のいずれかに記載の
   エアバッグ装置。
8. 【請求項８】 前記スイッチ手段は、前記車両の衝突時
   と前記判別手段が判断した場合、乗員を保護するための
   エアバッグを展開するべく前記インフレータに点火電流
   を通電するべく閉成することを特徴とする請求項３ない
   し請求項７のいずれかに記載のエアバッグ装置。
9. 【請求項９】 前記禁止手段は、前記装着検出手段もし
   くは装着検出スイッチが、エアバッグ装置の装着を検出
   する時までは前記スイッチ手段を開成状態とし、前記エ
   アバッグ装置のステアリングホイールへの装着が検出さ
   れた時点から、あらかじめ定められた所定時間経過後、
   所定の条件を満たす場合には前記スイッチ手段が閉成す
   る閉成可能状態とすることを特徴とする請求項１ないし
   請求項９のいずれかに記載のエアバッグ装置。