JPH08260457A - 既存杭の補強構造および補強工法 - Google Patents

既存杭の補強構造および補強工法

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JPH08260457A
JPH08260457A JP6643695A JP6643695A JPH08260457A JP H08260457 A JPH08260457 A JP H08260457A JP 6643695 A JP6643695 A JP 6643695A JP 6643695 A JP6643695 A JP 6643695A JP H08260457 A JPH08260457 A JP H08260457A
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JP
Japan
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existing pile
steel pipe
pile
existing
sand
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JP6643695A
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English (en)
Inventor
Makoto Sugiyama
誠 杉山
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Hazama Corp
Original Assignee
Hazama Gumi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、土中に埋設された既存杭の
曲げ耐力を向上して、既存杭をそのまま新築構造物や改
築構造物の杭として再利用することができる既設杭の補
強構造および補強工法を提供すること。 【構成】 本発明の既存杭の補強構造1は、既存杭10
と、この既存杭10を囲繞して配設した鋼管11と、既存杭
10および鋼管11の間に注入して硬化したセメント硬化体
12とを備える。また、本発明の既存杭10の補強工法は、
既存杭10を囲繞するように鋼管11を地中に圧入し、既存
杭10と鋼管11との間の土砂を撹拌し、前記撹拌工程と同
時あるいは前記撹拌工程の後に、撹拌した土砂に固化材
を注入して固化体を形成するか、あるいは、前記撹拌工
程及び固化材注入工程に替えて、既存杭と鋼管との間の
土砂をセメント硬化材料で置換することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、既設杭の杭頭部補強の
ための補強構造および補強工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、構造物を新築したり、あるいは改
築したりする場合には、既存構造物に使用された既存杭
は引き抜いたり、あるいは破壊して除去していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、資源の再利用
や、新築構造物の施工費の削減を図るといった観点か
ら、既存杭を除去せずに、そのまま再利用する工法や構
造に対する需要が生じてきた。しかしながら、既存杭
は、垂直荷重に対する耐力のみを考慮し、杭頭部の曲げ
耐力を考慮せずに設計施工されたものが多く、かような
既存杭を再利用する場合、その杭頭部の曲げ耐力が不足
するという問題がある。そして、既存杭は土中に埋設さ
れており、地上部の構造物のように容易に補強ができな
いため、撤去するか、あるいは、別の場所に新しい杭を
設けるというのが現状である。
【0004】本発明は前記問題点を解決せんとしたもの
であり、その目的は、土中に埋設された既存杭の杭頭部
の曲げ耐力を向上して、既存杭をそのまま新築構造物や
改築構造物の杭として再利用することができる既設杭の
補強構造および補強工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的に鑑
みてなされたものであり、その要旨は、既存杭と、この
既存杭の杭頭部を囲繞して配設した鋼管と、前記既存杭
および鋼管の間に形成したセメント硬化体とを備える既
存杭の補強構造にある。
【0006】本発明の既存杭の補強構造において、前記
鋼管は内部に突出部を形成しても良く、この突出部は、
例えば、螺旋状に連続して形成したフライト(刃)、断
続的に螺旋状に形成したフライト、あるいは地下方向へ
テーパーが形成された他の形状の複数の突出部としても
良い。また、鋼管は、これに水平力が作用したときに周
囲の地盤に反力をとって抵抗できる程度の直径や長さで
あれば良く、例えば、直径を杭の直径の1.1〜2.0倍
程度、長さを鋼管直径の4.0〜10.0倍程度にするこ
とができる。
【0007】さらに、本発明の既存杭の補強構造におい
て、既存杭および鋼管の間に形成したセメント硬化体と
は、既存杭および鋼管の間の土砂にセメント液を注入・
撹拌して形成したソイルセメント、または、既存杭およ
び鋼管の間の土砂と置換したセメントモルタルあるいは
コンクリート、で形成することができる。
【0008】本発明の別の要旨は、既存杭の杭頭部を
囲繞するように鋼管を地中に圧入し、前記既存杭と鋼
管との間の土砂を撹拌し、前記工程と同時あるいは
前記工程の後に、撹拌した土砂に固化材を注入して固
化体を形成するか、あるいは、前記工程に替え
て、前記既存杭と鋼管との間の土砂をセメント硬化材料
で置換することを特徴とする既存杭の補強工法にある。
【0009】本発明の既存杭の補強工法において、土砂
に固化材を注入して固化体を形成するとは、固化材とし
て例えば、液状セメント、液状セメント系固化剤あるい
は粉体セメント系固化剤を土砂に注入して、それぞれソ
イルモルタルあるいは改良土で固化体を形成することが
できる。また、土砂をセメント硬化材料で置換すると
は、土砂を掘削して地上に排出し、既存杭と鋼管との間
に、例えば、コンクリート、無収縮モルタルあるいは膨
張モルタル等のセメント硬化材料を注入することができ
る。
【0010】また、本発明の既存杭の補強工法におい
て、前記鋼管として内部に突出部を有する鋼管を使用
し、この鋼管を回転して、突出部で前記既存杭との間の
土砂を撹拌してもよい。この突出部は、上記既存杭の補
強構造における突出部と同様に形成することができる。
【0011】
【作用】本発明の既存杭の補強構造は、地中の既存杭の
杭頭部を囲繞するように鋼管を配置し、この鋼管と既存
杭との間の土砂に固化材を注入して固化体を形成する
か、あるいは、既存杭と鋼管との間の土砂をセメント硬
化材料で置換してセメント硬化体を形成してなる。かよ
うに形成された既存杭の補強構造では、水平力が作用す
ると、鋼管が、外周の地盤から反力を得て、水平力の強
度によっては変形しながら、水平力に対する抵抗物とし
て作用する。この時、既存杭の杭頭部は、鋼管との間に
形成された固化体あるいはセメント硬化体によって、変
形しないように支持される。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の既存杭の補強構造の
断面図、図2(a)(b)は本発明に使用する鋼管の断面図、
図3及び図4は図1の既存杭の補強構造にフーチングを
連設した際の断面図である。
【0013】図1において、本発明の既存杭の補強構造
1は、既存杭10と、この既存杭10を囲繞して配設し
た鋼管11と、既存杭10および鋼管11の間に形成し
たセメント硬化体12とを備える。ここで、既存杭10
の埋設された敷地内では、既存杭10の杭頭部10aす
なわち既存杭10の上端が、その周りの地盤面13から
突出せず、地盤面13とほぼ同じ高さになるように、地
盤面の高さが適宜調整されている。一方、鋼管11は、
図2(a)(b)に示したように内周に螺旋状のフライト11
cが形成され、既存杭10の外周との間に充分間隔がで
きる程度の直径で、且つ、その長さが直径の5倍程度の
鋼管を使用する。かような鋼管11を、その上端部1
1’が鋼管直径とほぼ同じ長さか、あるいは150mm程
度だけ地盤面13から突出するように配設する。つま
り、鋼管上端開口が鋼管直径とほぼ同じ長さだけ既存杭
杭頭部10aよりも上に位置する。また、セメント硬化
体12は、既存杭10と鋼管11との間の土砂に、液状
セメントを注入し、撹拌して形成したソイルモルタルを
硬化してなる。
【0014】以上構成の既存杭の補強構造1を、新築あ
るいは改築構造物の基礎構造として使用する場合、図3
に示したように、鋼管上端部11’を内部に埋設したフ
ーチング26を地盤面13上に形成し、このフーチング
26に地中梁25を連設して基礎構造を形成することが
できる。ここで、フーチング26は、既設杭10の杭頭
部が内部に埋設したり、あるいは既設杭10の杭頭部と
一体化することがないように、その下面を杭頭部表面と
絶縁し、杭頭部と同じ高さに位置するように形成する。
かようにフーチング26を形成することによって、既存
杭10には、フーチング26との摩擦力以外は、ほとん
ど水平力が伝達されず、一方、フーチング26からの垂
直荷重は伝達される。また、基礎構造において、図4に
示したように、鋼管上端部11’の突出長さが150mm
程度の場合、鋼管上端部11’の外周に複数の鉄筋14
を溶接しておけば、鋼管11とフーチング26との定着
をより強固なものとすることができる。
【0015】以上のように形成された基礎構造に水平力
が作用すると、水平力はフーチング26から鋼管上端部
11’に伝達し、土中の鋼管11は、外周の地盤から反
力を得ながら、水平力の強度によっては変形しながら、
水平力に対抗する。この時、既存杭10の杭頭部表面に
は、フーチング26との摩擦によって若干の水平力が伝
達されるものの、鋼管との間に形成されたセメント硬化
体12によって、変形しないように支持される。
【0016】次に、上記の既存杭の補強構造の施工法に
ついて説明する。最初に既存杭10の埋設された敷地を
整地し、既存杭の杭頭部10a上端が、その周りの地盤
面13から突出せず、ほぼ同じ高さになるようにする。
次いで、鋼管11を、その内周に形成された螺旋状のフ
ライト11cと同一方向に回転しながら、既存杭10の
杭頭部を囲繞するように圧入する。このとき、鋼管11
は、その上端が鋼管直径と同じ長さか、あるいは150
mm程度だけ地盤面13から突出した状態になるまで圧入
する。鋼管11が所定の深さまでに圧入されたら、それ
以上圧入されたり、逆に浮き上がってこないように、鋼
管11の位置を固定したまま、フライト11cの螺旋方
向と同一方向あるいは逆方向に回転させて、鋼管11と
既存杭10との間の土砂を撹拌して間隙を形成する。土
砂が充分に撹拌されたら、鋼管11の上端開口から土砂
に液状セメントを注入しながら、鋼管11をフライト1
1cの螺旋方向と逆方向に回転して、液状セメントの土
砂中への注入を促進し、ソイルモルタルを形成する。こ
のソイルモルタルが硬化すると、既存杭の補強構造が完
成し、このソイルモルタルは鋼管外周の土砂よりも硬く
なり、鋼管11と既存杭10との間が安定する。
【0017】
【発明の効果】本発明の既存杭の補強構造や補強工法で
は、杭頭部の周りに既存杭を囲繞するように鋼管を配す
るため、この補強構造の上にフーチング等の基礎構造を
連設して、この基礎構造から水平力が作用したときで
も、鋼管がその外周の地盤に反力を得て、この水平力に
対抗することができ、したがって既存杭の曲げ耐力の不
足を補うことができて既存杭をそのまま新築構造物や改
築構造物の杭として再利用することができ、一方、既存
杭には垂直荷重のみを負担させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の既存杭の補強構造の断面図である。
【図2】(a),(b)は本発明に使用する鋼管の断面図であ
る。
【図3】図1の既存杭の補強構造にフーチングを連設し
た際の断面図である。
【図4】図1の既存杭の補強構造にフーチングを連設し
た、図3とは異なる断面図である。
【符号の説明】
1 既存杭の補強構造 10 既存杭 11 鋼管 12 セメント硬化体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存杭と、この既存杭の杭頭部を囲繞し
    て配設した鋼管と、前記既存杭および鋼管の間に形成し
    たセメント硬化体とを備える既存杭の補強構造。
  2. 【請求項2】 既存杭の杭頭部を囲繞するように鋼管
    を地中に圧入し、 前記既存杭と鋼管との間の土砂を撹拌し、 前記工程と同時あるいは前記工程の後に、撹拌
    した土砂に固化材を注入して固化体を形成するか、ある
    いは、 前記工程に替えて、前記既存杭と鋼管との間の
    土砂をセメント硬化材料で置換することを特徴とする既
    存杭の補強工法。
  3. 【請求項3】 前記鋼管として内部に突出部を有する鋼
    管を使用し、この鋼管を回転して突出部で、前記既存杭
    との間の土砂を撹拌することを特徴とする請求項2記載
    の既存杭の補強工法。
JP6643695A 1995-03-24 1995-03-24 既存杭の補強構造および補強工法 Pending JPH08260457A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101156363B1 (ko) * 2010-12-28 2012-06-13 이광영 나선형 강관 파일의 시공 방법
JP2014066010A (ja) * 2012-09-24 2014-04-17 Chiyoda Geotech Co Ltd 杭頭部周囲の地盤改良工法

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