JPH0826004B2 - 置換アントラ〔1,9−cd〕ピラゾ−ル−6(2H)−オン類の製造方法 - Google Patents

置換アントラ〔1,9−cd〕ピラゾ−ル−6(2H)−オン類の製造方法

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JPH0826004B2
JPH0826004B2 JP62106468A JP10646887A JPH0826004B2 JP H0826004 B2 JPH0826004 B2 JP H0826004B2 JP 62106468 A JP62106468 A JP 62106468A JP 10646887 A JP10646887 A JP 10646887A JP H0826004 B2 JPH0826004 B2 JP H0826004B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明の化合物は、ここで参照文献として取り上げた
米国特許第4,556,654号明細書中に記載されているもの
である。前記化合物の製造方法もまた前記文献中に記載
されている。該方法はクロマトグラフイー的な分離およ
び再結晶の手順をも包含しているが、これらの手順には
相当の時間が費やされる。
アントラ〔1,9−cd〕ピラゾール−6(2H)−オン類
の他の製法は出願中のUSSN727,637号(1985年4月26日
出願)中に記載されている。その工程は以下のように進
行する: 構造式VI (式中、Q、Q′およびQ″は同一でも異なつていても
よく、H、ベンゾイロキシ、p−クロロベンゾイロキ
シ、およびp−メトキシベンゾイロキシである) の化合物に、式 H2NNHDNHR′ (式中、Dは2ないし8個の炭素原子をもつ直鎖状また
は分枝鎖状アルキレン基;およびR′は2ないし8個の
炭素原子をもち、OHで置換されていてもよいアルキル基
である) のヒドラジンを反応させて、構造式VII の化合物を生成させる。
構造式VIIの化合物を適当な溶媒中でベンジルハライ
ドと反応させると構造式VIII (式中、R5はベンジル) の化合物が得られる。
式VIIIの化合物に式 (式中、R4はHまたは1ないし8個の炭素原子をもつア
ルキル基、また、R5は上記したとおりであり、D′は2
ないし8個の炭素原子をもつ直鎖状または分枝鎖状アル
キレン基である) のジアミンを反応させると、構造式IX の化合物が生成し、これは標準的方法によつて脱ベンジ
ル化されて構造式V (式中、X、X′およびWは同一でも異なつていてもよ
くHまたはOHであり;RはHまたは1ないし6個の炭素原
子をもつアルキル基であり;D、D′、R4およびR′は上
記したとおりである) の化合物を生成する。
上記化合物は抗バクテリア剤および抗真菌剤として有
用である。
化合物のあるものは、生体内で抗白血病活性を示す。
化合物のあるものは、充実性腫瘍に対して試験管内活性
を呈する。
本発明は置換アントラ〔1,9−cd〕ピラゾール1−6
(2H)−オン類の改良された製造方法に関するものであ
る。本発明は上記した先行方法よりも6〜15%増大した
収率をもたらす。また本発明はより簡単でよりすぐれた
クロマトグラフイー的分離法を採用しており、これは大
規模の製造に適している。本プロセスはまた1段階省略
された方法を包含しており、これは商業的スケールアッ
プのために適している。
本合成方法は下記構造式I (式中、X2およびW2は同一でも異なつていてもよく、H
またはOHまたは1ないし4個の炭素原子をもつアルコキ
シ;RはHまたは1ないし6個の炭素原子をもつアルキ
ル;DおよびD′は同一でも異なつていてもよく2ないし
8個の炭素原子をもつ直鎖状または分枝鎖状アルキレン
基、R′およびR″はHまたは2ないし8個の炭素原子
をもち、OHで置換されていてもよいアルキル基である) を有する化合物を得ることを目的とするものである。
この方法は以下のように進行する: 構造式II (式中、X2およびW2は上記したとおりである) の化合物に置換ベンジルハライドと反応させると式III (式中、Zは置換ベンジルである) の化合物が得られる。
上記式IIIの化合物に下記式 H2NNHDNHR′ (式中、DおよびR′は上記したとおりである) のヒドラジンを反応させると下記式IVおよび式IVA の異性体が得られる。
この異性体をジアルキルジカーボネートまたはアルキ
ルハロホルメートで処理すると式Vおよび式VA (式中、Rは1ないし8個の炭素原子をもつアルキ
ル、ベンジル、または置換ベンジル、そしてD、R′、
X2、W2およびZは上記したとおりである) の化合物が生成する。
これら二つの異性体は、ついでカラムクロマトグラフ
イーによつて、より速い溶離成分Vとより遅い溶離成分
VAとに分離される。
異性体VAは強酸で処理されて下記式VIの化合物 (式中、X、W、DおよびR′は上記したとおりであ
る) を生成する。
この式の化合物はついで、下記式のジアミン (式中、R、R′、R″およびD′は上記したとおりで
ある) で処理されて上記式Iで表わされる所望の化合物を生成
する。
例示のため、下記のスキームIで互換可能な製法手順
を示す。A、B、C、DおよびDの段階は米国特許第4,
556,654号におけるプロセスを式示するものである。
A、B、F、GおよびHの段階は出願中のUSSN727,637
号(1985年4月26日出願)に記載された工程を表示する
ものである。
I、J、K、LおよびMの段階は、本発明の工程を式
示するものである。
スキーム上の段階Iは下記化合物 (式中、XおよびWは上記したとおりである) に置換ベンジルハライドを作用させて式IIの化合物上に
保護基を形成させる反応に関連するものである。ベンジ
ルハライドは任意に1個、2個または3個の置換基を有
している。置換基は1ないし4個の炭素原子をもつアル
キル、1ないし4個の炭素原子をもつ低級アルコキシま
たはハロゲンであり得る。ハライドはクロリドでもブロ
ミドでもよく、好ましくはクロリドである。好ましくは
置換ベンジルハライドは2,4,6−トリメチルベンジルク
ロリドである。
反応は、あらゆる種々の反応−不活性溶媒のうちから
選ばれた溶媒中で、昇温下に、15〜30時間、ほゞ当量の
化合物II、無水カーボネート、および置換ベンジルハラ
イドを混合することによつて遂行される。好ましいカー
ボネートは炭酸セシウムである。置換ベンジルハライド
の少過剰量の使用は特に収率を向上させるかも知れな
い。
適当な溶媒の例は、アセトニトリル、アセトン、ジメ
チルスルホキシド、およびN,N−ジメチルホルムアミド
であり;特に好ましくはアセトン−N,N−ジメチルホル
ムアミドの併用である。
段階Iの最も好ましい形態は、X2およびW2がHである
化合物IIに2,4,6−トリメチルベンジルクロライドをほ
ゞ3:1容積比のアセトン−N,N−ジメチルホルムアミド中
で還流させながら20〜25時間反応させることがある。
スキームの段階Jは、DおよびR′が前記したような
ものである式H2NHDNHR′のヒドラジンを用いての化合物
IIIの反応に関連するものである。反応し、種々の溶媒
中、昇温下に、化合物IIIにヒドラジンを1:3モル比率で
混合することにより達成される;このような不活性溶媒
にはピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチル
ホルムアミドおよびアセトニトリルが包含される。反応
は15ないし30時間遂行される。
好ましい反応条件は還流下に20〜24時間、溶媒として
アセトニトリルを使用することである。
ヒドラジンは(ヒドロキシアルキル)アミノアルキル
とドラジンである。好ましくはヒドラジンは2〔(2−
ヒドラジノエチル)−アマノ〕エタノールである。反応
は、たとえばX2およびW2が水素であるときには異性体、
たとえば化合物IVおよびIVAを1:4の近似比で生成する。
スキームの段階Kでは、二つの異性体である化合物V
およびVAを不活性溶媒、たとえばジクロロメタン中に含
有している懸濁液が、室温下に1〜4時間、ジアルキル
ジカーボネートまたはアルキルハロホルメートで処理さ
れる。これにより上記スキーム中の化合物VおよびVA中
BOCとして示されている位置において、二つの異性体上
に親油性保護基が形成される。
好ましいカーボネートはジ−第3−ブチルジカーボネ
ートである。
好ましいホルメートはベンジルクロロホルメートであ
る。
溶液は蒸発させられて溶媒が除去される。
残留物は、薄層クロマトグラフイーにより0.15のRf
で異性体を分離するような適当な有機溶剤系中に溶かさ
れる。溶液はクロマトグラフイーにかけられて二つの異
性体に分離される。好ましいクロマトグラフイー分離で
は、シリカゲルカラムを用い、またエチルアセテート:
ヘキサンがほぼ1:1である初期比率から純エチルアセテ
ートに達するまで徐々にエチルアセテート比率を増加す
る勾配溶離を採用する。
この分離は大規模に実施され得る。
ところがスキームの段階Fでは対照的に、フラツシユ
シリカゲルクロマトグラフイーによる異性体の分離は、
大量のシリカゲルが必要とされるために、小規模でしか
実施されない。
スキームの段階Cでは、異性体はフラツシユシリカゲ
ルクロマトグラフイーを用いては部分的にしか分離され
ない。
スキーム上の段階Lでは、二つの保護基(スキーム中
BOCおよびTMBとして示される)は室温下に強酸を添加す
ることにより一段階で除去される。好ましい酸はHClで
ある。反応は多くの不活性溶媒中で実施され得る;好ま
しい溶剤は1:4ジクロロメタン:メタノールである。
段階Mでは化合物VIが、R、D′、R′およびR″が
上記したようなものである式 のジアミンと反応させられる。反応は種々の不活性溶媒
中で遂行される;ピリジンは好ましい溶媒である。反応
は昇温下に15〜40時間遂行される。好ましくは温度は70
〜115℃の間である。反応時間は好ましくは19〜23時間
である。構造式Iの化合物が生成する。
実施例1〜4は米国特許第4,556,654号明細書中に記
載されている工程を具体的に示すものである。
実施例5〜7は出願中のUSSN727,637号の工程を示す
ものである。
実施例8〜12は本発明を具体的に説明しようとするも
のである。これらの実施例は本発明の例示のために提示
されているものであつて、本発明の範囲を限定するもの
と解釈されるべきではない。
実施例1 1,4−ジクロロ−5−(フエニルメトキシ)−9,10−ア
ントラセンジオン(2) 177.2g(0.605モル)の1,4−ジクロロ−5−ヒドロキ
シ−9,10−アントラセンジオン(1英国特許第1,029,44
8号明細書)、83.5g(0.605モル)の粉末状無水炭酸カ
リウム、79ml(0.675モル)のベンジルブロマイドおよ
び1.7lの乾燥アセトンからなる機械的に攪拌されてなる
混合物が3日間還流下に加熱された。最初暗褐色の懸濁
液が橙緑色に変るが、この色が反応の終結を知らせるも
のである。混合物は熱時過されそして塩は熱アセトン
で洗浄される。冷却された液はその容積が〜1/2まで
濃縮される。黄色の沈殿が過によつて集められ、アセ
トンおよびメタノールによつて洗浄され、200mm/50℃/1
2時間の条件下に乾燥させられると201.2g(87%)の融
点122〜126℃をもつ2が残る。
得られた液は蒸発して乾燥させられた。残留固体は
熱アセトンから結晶化され、14.6g(6%)の融点122〜
126℃をもつ付加的な2が得られた。合計収率=93%。
実施例2 5−クロロ−2−〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)ア
ミノ〕エチル〕−7−(フエニルメトキシ)アントラ
〔1,9−cd〕ピラゾール−6(2H)−オン(5) 38.3g(0.1モル)の1,4−ジクロロ−5−(フエニル
メトキシ)−9,10−アントラセンジオン(2)、33g
(0.277モル)の2−〔(2−ヒドラジノエチル)アミ
ノ〕エタノールおよび200mlのピリジンが80℃で16時間
攪拌された。混合物は真空下に濃縮された結果、ジクロ
ロメタンと水との界面に存在するオイルを生成した。有
機層が水で洗浄され、乾燥され、そして濃縮された結果
40.7gの残留物が得られ、この残留物は、ジクロロメタ
ン:メタノール(9:1)を用いて溶離する1kgのシリカゲ
ル(230〜400メツシユ)上のクロマトグラフイーによつ
て精製されて、〜1:4の4:5比率を示した。速い方の溶離
成分を含有するフラクシヨンを濃縮すると6gの固体が得
られ、この固体をエタノールから粉末化することによ
り、融点172〜175℃HPLCによれば1%の異性体5を含有
する純度94%の異性体4の2.5gが産出された。遅い方の
溶離成分を含有するフラクシヨンを濃縮すると6gの固体
が得られ、この固体をエタノールから結晶化することに
より、融点142〜143℃、HPLCによれば2%の4を含有す
る純度98%の異性体5が産出された。カラムクロマトグ
ラフイー後の粗製5の収率=35%。結晶化後の純5の収
率=10%。
50.0g(0.130モル)の1,4−ジクロロ−5−(フエニ
ルメトキシ)−9,10−アントラセンジオン、46.5g(0.3
90モル)の2−〔(2−ヒドラジノエチル)アミノ〕エ
タノールおよび300mlのジメチルスルホキシドからなる
混合物を用いての25℃下、2.75日間にわたる反応が、上
記反応を繰り返すことによつて遂行された。混合物は2.
5lの氷水中に注ぎ込まれた。ゴム状の残留物が過によ
つて集められ、ついでジクロロメタン中に溶かされた。
溶液が水で洗浄され、乾燥させられ、そして濃縮される
ことにより50.1gのゴム状残留物が産出した。残留物は7
50mlのジクロロメタン:メタノール(4:1)中に溶かさ
れ、500gのシリカゲル(70〜230メツシユ)を通して
過されて、異性体の混合物3の全部が集められるまでジ
クロロメタン:メタノール(4:1)を用いて溶離され
た。生成物フラクシヨンを濃縮すると35gのゴムが得ら
れ、このゴムはメタノールを用いて粉末化されて25gの
黄色の固体3を与えるが、この固体3はHPLCによれば4
および5を〜1:4で含んでいる(5の粗製収率=34
%)。カラムクロマトグラフイーによる異性体の部分的
分離は前記したようにして遂行された。
実施例3 2−〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチ
ル〕−5−〔〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミ
ノ〕エチル〕アミノ〕−7−(フエニルメトキシ)アン
トラ〔1,9−cd〕ピラゾール−6(2H)−オン(6) 2.2g(4.9ミリモル)の5−クロロ−2−〔(2−ヒ
ドロキシエチル)アミノ〕エチル−7−(フエニルメト
キシ)アントラ〔1,9−cd〕−ピラゾール−6(2H)−
オン(5)、4.5ml(44.5ミリモル)の2−(2−アミ
ノエチルアミノ)エタノール、0.5gの無水炭酸カリウ
ム、および15mlのピリジンからなる混合物が還流下に24
時間攪拌された。混合物は過されかつ真空下に濃縮さ
れることによりオイルが産出するが、このオイルは2−
プロパノールを用いてこの中に層をなして捕獲される。
25℃下、3日間を越えたところで沈殿が生成した。この
固体は過によつて集められついで2−プロパノールか
ら結晶化されることにより乾燥後、1.0gの融点157〜159
℃をもつ純6が得られた。液の精製は、ジクロロメタ
ン:トリエチルアミン(99:1)中5、10および15%メタ
ノールを用いる勾配溶離を利用しての、115gのシリカゲ
ル(230〜400メツシユ)上でのクロマトグラフイーによ
つて実施された。生成物フラクシヨンを濃縮すると固体
が得られ、この固体は2−プロパノールから粉末化され
て0.3gの融点157〜159℃をもつ付加的6が得られた。6
の合計収率=50%。
10.0g(22.2ミリモル)の5および38.6g(370ミリモ
ル)の2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールを用
いての160℃下、24時間にわたる反応が、上記反応を繰
り返すことによつて遂行された。冷却された混合物は20
0mlの2−プロパノールで希釈され、5゜で一晩そのま
ま放置された。固体は過によつて集められ10.3gの粗
製6を与えるが、これは、ジクロロメタン:メタノー
ル:トリエチルアミン:酢酸(2:1:0.2:0.1)を用いて
溶離することによる145gのシリカゲル(70〜230メツシ
ユ)上でのカラムクロマトグラフイーによつて精製され
た。生成物フラクシヨンを濃縮すると固体が得られ、こ
の固体を〜1:1の2−プロパノール:ジエチルエーテル
を用いて粉末化すると、3.0当量の酢酸を結合している
融点115〜119℃の6のコンプレツクス7.5gが得られた。
実施例4 7−ヒドロキシ−2−〔2−〔(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノ〕エチル〕−5−〔〔2−〔(2−ヒドロキ
シエチル)アミノ〕エチル〕アミノ〕アントラ〔1,9−c
d〕−ピラゾール−6(2H)−オン、ジヒドロクロリド
(7) 150ml氷酢酸中の3.1g(6.0ミリモル)の2−〔2−
〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチル〕−5−
〔〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチル〕
−アミノ〕−7−(フエニルメトキシ)アントラ〔1,9
−cd〕ピラゾール−6(2H)−オン(6)の混合物が、
炭素上20%水酸化パラジウム1.0gを用いて、大気圧下室
温で170mlの水素が吸収されるまで水素化された。混合
物はセライトを通して過され、真空下に濃縮された。
残留物は沸騰2−プロパノール中に溶かされた。溶液は
2−プロパノール中の塩化水素の過剰量で処理され、そ
して冷却された。赤橙色の沈殿が集められ、2−プロパ
ノールでついでジエチルエーテルで洗浄され、そして80
℃で真空下7時間乾燥させられて、0.6当量の水を含
む、前シンタリングを伴う融点257〜262℃(dec)を有
する3.0g(97%)の7が得られた。段階A、B、C、D
およびEを経由しての総単離収率=4.3%。
実施例5 5−クロロ−2−〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)
(フエニルメチル)アミノ〕−エチル〕−7−(フエニ
ルメトキシ)アントラ〔1,9−cd〕ピラゾール−6(2
H)−オン(8) HPLCによれば各々が〜4:1であるところの14.5g(32.3
モル)の5−クロロ−2−〔2−〔(2−ヒドロキシエ
チル)〕アミノ〕−7−(フエニルメトキシ)アントラ
−〔1,9−cd〕ピラゾール−6(2H)−オン(5)およ
びその10−フエニルメトキシ異性体(4)、3.9mlのα
−ブロモトルエン、6.5gの重炭酸ソーダ、および140ml
のN,N−ジメチルホルムアミドからなる混合物が、室温
下に18時間攪拌された。混合物は500mlの水で希釈さ
れ、それぞれ200mlのジクロロメタンを3回用いて抽出
された。結合した有機抽出物は水で洗浄され、乾燥させ
られ、そして濃縮されてオイルにされ、このオイルは60
0gのシリカゲル(230〜400メツシユ)上のクロマトグラ
フイーによつて精製された。エチルアセトン:ヘキサン
(3:2)を用いての溶出に続いての生成物フラクシヨン
の濃縮によつて、遠い方の溶離成分が固体としてもたら
される。アセトニトリルからの結晶により、融点130〜1
34℃をもつ3.55gの純異性体9が得られる。酢酸エチル
による溶出に続いての生成物フラクシヨンの濃縮によつ
て、9.2gの遅い方の溶離異性体8が結晶化できないシロ
ツプとして得られる。
実施例6 5−〔〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチ
ル〕アミノ〕−2−〔2−(2−ヒドロキシエチル)
(フエニルメチル)アミノ〕エチル〕−7−(フエニル
メトキシ)アントラ〔1,9−cd〕ピラゾール−6(2H)
−オン(10) 6.0g(11.2ミリモル)の5−クロロ−2−〔2−
〔(2−ヒドロキシエチル)(フエニルメチル)アミ
ノ〕エチル〕−7−(フエニルメトキシ)アントラ〔1,
9−cd〕ピラゾール−6(2H)−オン(8)および12.2m
l(121ミリモル)の2−(2−アミノエチルアミノ)−
エタノールからなる混合物が160℃に24時間加熱され
た。冷却された混合物は60mlの2−プロパノールで希釈
され、ついで0〜5℃に数日間保持された。沈殿が集め
られ、冷2−プロパノールついでジエチルエーテルで洗
浄され、そして60℃で真空下18時間乾燥させられて、融
点134〜137℃を有する、HPLCによれば97%純度の4.1g
(60%)の10が得られた。
実施例7 7−ヒドロキシ−2−〔2−〔(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノ〕エチル〕−5−〔〔2−〔(2−ヒドロキ
シエチル)アミノ〕エチル〕アミノ〕アントラ〔1,9−c
d〕−ピラゾール−6(2H)−オン、ジヒドロクロリド
(7) 60mlのメタノール中4.4g(7.2ミリモル)の5−
〔〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチル〕
−7−(フエニルメトキシ)アントラ〔1,9−cd〕−ピ
ラゾール−6(2H)−オン(10)および20mlの氷酢酸か
らなる混合物が炭素上20%水酸化パラジウム250mgを用
いて、大気圧下室温で、330mlの水素が吸収されるまで
水素化された。混合物は実施例4に記載されているよう
に処理されて、0.2当量の水を含む前シンタリングを伴
う融点255〜260℃(dec)を有する3.6g(100%)の7が
得られた。段階A、B、F、GおよびHを経由しての総
単離収率=13%。
実施例8 1,4−ジクロロ−5−〔(2,4,6−トリメチルフエニル)
メトキシ〕9,10−アントラセンジオン(11) 550.6g(1.88モル)の1,4−ジクロロ−5−ヒドロキ
シ−9,10−アントラセンジオン(1)、413.4g(2.14モ
ル)の無水炭酸セシウム、444g(2.4モル)の2,4,6−ト
リメチルベンゼンクロリド、7.06lのアセトン、および
2.31lのN,N−ジメチルホルムアミドを機械的に攪拌して
なる混合物が還流下に23時間加熱された。この間に、2,
4,6−トリメチルベンゼンクロリドの追加分(2.5時間、
31.7g;6.5時間、63.4g;20時間、31.7g)および炭酸セシ
ウムの一部分(20時間、4.8g)が添加された。混合物は
10℃まで冷却された。沈殿が過によつて集められ、加
熱水およびメタノールを用いて連続的に洗浄され、つい
で7〜9mm/50℃/20時間の条件で乾燥させられて、融点2
16〜218℃をもつ、HPLCによれば97.9%純度の621g(78
%)の11が産出された。
実施例9 5−クロロ−2−〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)ア
ミノ〕エチル〕−7−〔2,4,6−トリメチルフエニル)
メトキシ〕アントラ〔1,9−cd〕ピラゾール−6(2H)
−オン(13) 310g(0.73モル)の1,4−ジクロロ−5−〔(2,4,6−
トリメチルフエニル)メトキシ〕−9,10−アントラセン
ジオン、260g(2.19モル)の2−〔(2−ヒドラジノエ
チル)アミノ〕エタノール、381ml(2.19モル)のN,N−
ジイソプロピルエチルアミンおよび4.8lのアセトニトリ
ルを機械的に攪拌してなる混合物が還流下に22時間加熱
された。冷却された混合物を真空下に濃縮すると〜1:4
比を示す12:13からなる残留物が残るが、これは水を用
いて粉末化された。固体は過によつて集められ、メタ
ノールを用いて洗浄され、そして220mm/50℃/18時間の
条件で乾燥させられて、融点147〜158℃を有する237g
(66%)の粗13を産出した。
粗生成物は11.5lのN,N−ジメチルホルムアミドおよび
10.7lのメタノールからなる混合物中に溶かされ、そし
てこの溶液は−17℃に一晩貯蔵された。沈殿した固体は
過によつて集められ、洗浄され、そして上記のように
して乾燥されて、融点179.5〜183.5℃を有し、HPLCによ
れば98.1%の異性体純度をもつ、144g(40%の総収率;6
1%の再結晶収率)の純13が得られた。
実施例10 〔5−クロロ−6−オキソ−7−〔(2,4,6−トリメチ
ルフエニル)メトキシ〕−アントラ〔1,9−cd〕ピラゾ
ール−2(6H)−イル〕(2−ヒドロキシエチル)カル
バミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル(15) HPLCによればそれぞれが〜4:1である粗5−クロロ−
2−〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチ
ル〕−7−〔(2,4,6−トリメチルフエニル)メトキ
シ〕アントラ〔1,9−cd〕ピラゾール−6(2H)−オン
(13)およびそのC−10異性体(12)の411.5g(0.84モ
ル)、247.3g(1.1モル)のジ−第3ブチルジカーボネ
ート、および3.4lのジクロロメタンを含む懸濁液が室温
下に2時間攪拌された。暗色の溶液を真空下に蒸発させ
ると825gの暗色のシロツプが残り、これは1.5lのエチル
アセトン:ヘキサン(1:1)中に溶かされた。溶液は酢
酸エチル:ヘキサン(50:50ないし100:0)を用いる勾配
溶離を利用しての、10kgのシリカゲル(230〜400メツシ
ユ)上でのクロマトグラフイーにかけられた。より速く
移動する成分を含むフラクシヨンを濃縮すると残留固体
が得られ、この固体をメタノールから粉末化すると、融
点185〜187℃を有する82.3g(17%)の純14を黄色固体
として産出した。;TEC(SiO2、酢酸エチル)、Rf=0.4
2。遅い方の溶離成分を含有するフラクシヨンを濃縮す
ると残留固体が得られ、この固体を酢酸エチルから結晶
化すると融点185〜187℃を有する281.3g(57%)の純15
が黄色固体として得られた;TLC(SiO2、酢酸エチル)、
Rf=0.26。HPLCは99.5%の純度を示した。
実施例11 5−クロロ−2−〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)ア
ミノ〕エチル〕−7−ヒドロキシ−アントラ〔1,9−c
d〕ピラゾール−6(2H)−オン(16) 103.5g(0.175モル)の5−クロロ−6−オキソ−7
−〔(2,4,6−トリメチル−フエニル)メトキシ〕アン
トラ〔1,9−cd〕ピラゾール−2(6H)−イル〕(2−
ヒドロキシエチル)カルバミン酸、1,1−ジメチルエチ
ルエステル(15)および1のジクロロメタン:メタノ
ール(1:4)を含む攪拌された氷冷溶液中に、温度が20
℃に達するまで無水塩化水素をバブル注入した。バブル
注入を停止してから混合物は6〜8℃に冷却された。こ
の工程が、赤色の沈殿が形成し始めるまで3回繰り返さ
れた。バブル注入を停止してから混合物は室温に温まる
まで放置された。一晩中攪拌された後、沈殿は過によ
つて集められ、ジクロロメタンでついでヘキサンで連続
的に洗浄され、220mm/60℃/一晩の条件で乾燥されて、
融点264〜266℃(dec)を有する、HPLCによれば98.3%
純度の純16の61.6g(89%)を産出した。
実施例12 7−ヒドロキシ−2−〔2−〔(ヒドロキシエチル)ア
ミノ〕エチル〕−5−〔〔2−ヒドロキシエチル)アミ
ノ〕エチル〕アミノ〕アントラ〔1,9−cd〕ピラゾール
−6(2H)−オン(7) 3.94g(10ミリモル)の5−クロロ−2−〔2−
〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチル〕−7−ヒ
ドロキシアントラ−〔1,9−cd〕ピラゾール−6(2H)
−オン(16)、10.5ml(100ミリモル)の2−(2−ア
ミノエチルアミノ)エタノールおよび27mlのピリジンか
らなる溶液が窒素下に82℃で21時間攪拌された。これは
23℃に冷却され、35mlの2−プロパノールで希釈され、
そして結果的に得られる懸濁液は5℃に2時間攪拌され
た。沈殿は過によつて集められ、冷2−プロパノー
ル、ついでヘキサンによつて連続的に洗浄され、そして
220mm/60℃/一晩の条件で乾燥させられて、融点149〜1
50.5℃(dec)を有する、HPTLCによれば98.5%純度の純
7の3.4g(80%)を遊離塩基として産出した。
遊離塩基のうちの3.2g(7.5ミリモル)のサンプルが
メタノール中に懸濁され、過剰の2−プロパノール中塩
化水素で処理された。混合物は加熱して還流されついで
0℃に2時間保持された。沈殿が過によつて集めら
れ、メタノールで洗浄され、220mm/60℃/一晩の条件で
乾燥させられ、そして大気下に平衡状態になるべく放置
されて、融点271〜273℃(dec)を有する3.4g(91%)
の7を得るが、これは2HCl・0.8H2Oに対して分析され
た結果HPLCによる純度99.5%であつた。段階I、J、
K、LおよびMを経由しての総単離収率は19%であつ
た。
本発明のその他の具体的な態様については当業者にと
つて明らかであろう。明細書本文および上記実施例は単
なる具体化を示すものであつて、本発明の真の目的およ
び精神は特許請求の範囲によつて表わされるものであ
る。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I (式中、X2およびW2は同一でも異なつていてもよく、
    H、OHまたは1ないし4個の炭素原子をもつアルコキ
    シ、RはHまたは1ないし6個の炭素原子をもつアルキ
    ル;DおよびD′は同一でも異なつていてもよく、2ない
    し8個の炭素原子をもつ直鎖状または分枝鎖状アルキレ
    ン基、R′およびR″はHまたは2ないし8個の炭素原
    子をもち、OHで置換されていてもよいアルキル基であ
    る) を有する置換アントラ〔1,9−cd〕ピラゾール−6(2
    H)−オンを製造する方法において、 (a)式II (式中、X2およびW2は上記したとおりである) を有する化合物に置換ベンジルハライドを反応させて式
    III (式中、Zは置換ベンジルである) の化合物を得ること、 (b)構造式IIIの化合物に式H2NNHDNHR′ (式中、DおよびR′は上記したとおりである) のヒドラジンを反応させて式IVおよび式IVA (式中、X2、W2、Z、DおよびR′は上記したとおりで
    ある) の異性体を得ること、 (c)上記した異性体をジアルキルジカーボネートまた
    はアルキルハロホルメートで処理して式Vおよび式VA (式中、Rは1ないし8個の炭素原子をもつアルキ
    ル、ベンジル、または置換ベンジル、およびX2、W2
    Z、DおよびR′は上記したとおりである) の化合物を生成させること、 (d)カラムクロマトグラフイーによつて二種の異性体
    VおよびVAを分離すること、 (e)異性体VAを強酸で処理して式VI (式中、X2、W2、DおよびR′は上記したとおりであ
    る)の化合物を生成させること、 および (f)不活性溶媒中で式VIの化合物を式 (式中、R、R′、R″およびD′は上記したとおりで
    ある) のジアミンで処理して前記構造式Iの化合物を生成させ
    ること、 からなるものである、前記置換アントラ〔1,9−cd〕ピ
    ラゾール−6(2H)−オンの製造方法。
  2. 【請求項2】段階(a)における置換ベンジルハライド
    がトリアルキルベンジルハライドでありかつZが相当す
    るトリアルキルベンジル基である、特許請求の範囲第1
    項に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】段階(a)におけるトリアルキルベンジル
    ハライドが2,4,6−トリメチルベンジルクロリドであり
    そしてZが である、特許請求の範囲第2項に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】段階(b)におけるヒドラジンが(ヒドロ
    キシアルキル)アミノアルキルヒドラジンである、特許
    請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】段階(b)におけるヒドラジンが2−
    〔(2−ヒドラジノエチル)アミノ〕−エタノールであ
    る、特許請求の範囲第4項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】段階(c)において添加される試薬がジア
    ルキルジカーボネートである、特許請求の範囲第1項に
    記載の製造方法。
  7. 【請求項7】段階(c)におけるジアルキルジカーボネ
    ートがジ−第3−ブチルジカーボネートである、特許請
    求の範囲第1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】段階(e)における強酸が塩化水素であ
    る、特許請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】段階(f)におけるジアミンが(アミノア
    ルキル)アミノアルコールである特許請求の範囲第1項
    に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】段階(f)におけるジアミンが2−(2
    −アミノエチルアミノ)エタノールである特許請求の範
    囲第1項に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】段階(f)における不活性溶媒がピリジ
    ンである特許請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】段階(f)において、反応が70℃および
    115℃の範囲にある温度下に15ないし40時間実施され
    る、特許請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】段階(f)において、反応が80℃および
    90℃の範囲にある温度下に19ないし23時間実施される、
    特許請求の範囲第1項に記載の製造方法。
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