JPH08260034A - マグネシア被覆およびパンチング用粒子方向性珪素鋼の製造方法 - Google Patents

マグネシア被覆およびパンチング用粒子方向性珪素鋼の製造方法

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JPH08260034A
JPH08260034A JP8065162A JP6516296A JPH08260034A JP H08260034 A JPH08260034 A JP H08260034A JP 8065162 A JP8065162 A JP 8065162A JP 6516296 A JP6516296 A JP 6516296A JP H08260034 A JPH08260034 A JP H08260034A
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silica
coating
silicon steel
coating composition
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ロビン・エイ・マーフィー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次的結晶成長のための最終高温焼きなまし
前に粒子方向性珪素鋼を被覆するためのマグネシア焼き
なましセパレーター組成物およびそれを用いる鋼ストリ
ップの製造方法の提供。 【解決手段】 乾燥重量で少なくとも20%のシリカを
含有するマグネシア基被覆を適用することにより、被覆
と基材金属との境界面を制御し、容易に除去される厚い
ガラスを提供する。このマグネシア被覆は優れた磁気特
性を発達させ、形成されるガラスは通常の強酸による酸
洗いまたは特別な研磨手段を用いずに除去することがで
きる。実質的にガラスの除去された裸の珪素鋼はダイ寿
命を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粒子方向性珪素鋼の
製造方法に関し、より詳しくは、焼きなましセパレータ
ー(annealing separator)と珪素鋼とが最終高温焼き
なましの間に反応することにより形成されるガラスフィ
ルムが容易に除去され得る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および解決すべき課題】通常、珪素鋼は、
鋼中に存在する炭素を低く押さえて磁気時効を防止する
ために脱炭焼なましに供される。許容される最大炭素レ
ベルは約0.004%である。湿性脱炭雰囲気は鉄を還
元し、炭素および珪素を酸化する。炭素は気体状酸化物
の形態で除去され、基材金属中に存在する珪素は酸化さ
れてシリカとなるが、これは表面上に残り、かつ表面下
の内包物として残る。次いで、鋼はマグネシア焼きなま
しセパレーターで被覆され、そして高温最終焼きなまし
に供されるが、この最終焼きなましにおいて二次的結晶
成長が発達する。マグネシアはシリカと反応して、フォ
ステライト(Mg2SiO4)としても知られている珪酸
マグネシウムの、緊密に接着したガラスフィルムを生じ
させる。このガラスフィルムは層間抵抗性を提供し、か
つ鋼コイルの重なり部分(laps)が互いに張り付くこと
を防止する。また、焼きなましセパレーターが高温焼き
なまし中に鋼の清浄化を妨げないことも非常に重要であ
る。
【0003】ガラス状フィルムの存在は次工程にとって
常に有利であるわけではない。この堅くかつ研磨性であ
る酸化物は、変圧器芯材を製造するためのラミネーショ
ンの打抜きに使用されるパンチングダイにとって非常に
厳しいものである。また、強酸中での酸洗いまたは研磨
手段を用いても、このガラスを除去することは非常に困
難である。
【0004】パンチング品質の珪素鋼の製造は、通常
は、形成された後に強酸中での酸洗いにより除去される
ガラスフィルムの厚みを制限する。過去において、0.
5mm厚の被覆は、除去されるに充分に薄いと考えられ
ていた。
【0005】しかしながら、ガラスフィルムの形成を制
限させるか減少させるためのこれまでの試みは、二次的
結晶成長安定性に対して不利に影響し、そして貧弱な磁
気品質の結果(典型的には不完全な結晶成長および/ま
たは貧弱な組織発達)をもたらすことが見出されてい
る。
【0006】米国特許第3,930,906号明細書(ト
シオ・イリエら、川崎製鉄)は、脱炭中に表面上の酸化
鉄が基材金属中の珪素を酸化してSiO2 とするとき
に、良好なマグネシア接着が発達させられることを見出
している。酸化鉄が水素で還元されたときに、フィルム
は低い接着性を有していた。この特許は、雰囲気、コイ
ルの重なり部分の間への浸透、および加熱条件がMgO
−SiO2 ガラスフィルム形成において果たす役割を論
じている。
【0007】セパレーターとして、表面上でシリカと共
融解しないアルミナ等を使用することもできるが、表面
上にこの被覆を有する鋼を脱硫することは非常に困難で
ある。その接着性は、焼きなまし段階中に良好な取り扱
い性および加工性を与えない。特開昭53−22113
号公報は、水和シリカと混合した微細アルミナ粉末から
なる焼きなましセパレーターを用いてガラスフィルムの
形成を抑制している。得られる酸化物フィルムは非常に
薄い。
【0008】従来のマグネシアは通常活性マグネシアで
あり、それらの有するクエン酸活性は200秒未満、典
型的には100秒未満であった。不活性マグネシアは使
用されていなかったが、それは不活性マグネシアのスラ
リーが安定ではなく、マグネシア粒子が槽の底部に沈降
する傾向があったからである。1300℃超過における
マグネシアのか焼は、その反応性を減少させ、そしてフ
ォステライトの形成を抑制する。
【0009】不活性マグネシアを使用して粒子方向性珪
素鋼を被覆しようと試みている特許は非常に僅かであ
る。米国特許第4,344,802号明細書(Michael H.
Haselkorn、アームコ)は、200秒より大きいクエン
酸活性を有するマグネシアを用いて成されたものであ
る。粒子の沈降を防ぐためにホスフェートがマグネシア
に添加されたが、これにより、鋼に適用されることが可
能であり、かつ許容され得る被覆重量を生じる粘性を有
するスラリーが形成された。得られたスラリーは良好な
接着性を有し、そして鋼表面と反応してガラスフィルム
を形成した。
【0010】特開昭59−96278号公報は、脱炭中
に形成される酸化物フィルム中のSiO2 との低い反応
性を有するAlO3 を含む、焼きなましセパレーターを
開示している。この焼きなましセパレーターの一部は、
1300℃を越える温度でか焼されてその反応性が減少
させられたMgOである。このセパレーターはフォステ
ライトの形成を抑制する。
【0011】米国特許第3,375,144号(David W.
Taylor、アームコ・スチール)は、ナトリウムおよび
カリウムの水酸化物および硫化物等のアルカリ金属をマ
グネシアと混合して、強力水洗いおよび短時間の酸洗い
による表面の容易な除去を可能とした。添加物が表面下
の珪素系粒子を除去したと信じられる。
【0012】米国特許第3,378,581号明細書(Da
le M. Kohler、アームコ・スチール)は、焼きなましセ
パレーターとしてマグネシアに酸化カルシウムを添加す
ることによって脱硫を改善している。焼きなましセパレ
ーターおよびそれから形成されるガラス状派生物の接着
性フィルムにより表面が覆われないようにしている。非
水和マグネシアの使用により、薄いフィルムが意図さ
れ、そしてガラスフィルムの形成は大きく回避された。
薄いガラスフィルムおよび鉄を酸化するものは、酸化カ
ルシウムの使用により回避される。
【0013】米国特許第4,875,947号明細書(ヒ
サノブ・ナカヤマ、新日本製鐵)は、ガラスフィルムの
形成を、Li、NaおよびK等のアルカリ金属ならびに
Ca、Ba、MgおよびSr等のアルカリ土類金属の1
種類またはそれ以上の塩をマグネシアに添加することに
より防止している。これらの塩は酸化物フィルム中のS
iO2 を分解し、ガラスを形成する反応を防止する。良
好なパンチング特性を維持するために、無機被覆を適用
して熱扁平(thermal flattening)およびひずみ取り焼
きなまし中の酸化を防止し、次いでパンチング特性を改
善する有機被覆を適用する。
【0014】脱炭処理は珪素鋼表面をこのように酸化さ
せ、そしてシリカの明瞭な層を表面上またはその近傍に
生じさせる。米国特許第3,201,293号明細書(Vi
ctorW. Curtis、アームコ・スチール)は、脱炭雰囲気
中での熱処理が、約1700°F(926.7℃)まで
の温度であるときだけに、満足なダイ寿命を与えること
を見出しているが、この温度は最適な磁気特性を発達さ
せるに充分な程には高くない。基材金属と表皮との本来
の境界面における酸化物の帯または線が脱炭中に現れ
る。最終高温焼きなましにおける帯下面でのシリコンの
酸化は、帯をおよそ最終表面の半分の厚みにまで持ち上
げる。
【0015】上記の議論は、珪素鋼のための、容易に除
去されるガラスを形成する焼きなましセパレーターの必
要性があることを、明瞭に説明している。ガラス形成を
制限するための従来の試みは、磁気品質を最適化しない
か、または容易かつ完全に除去することができないガラ
スを生じる結果となっている。従来のマグネシア被覆系
は、被覆と基材金属との境界面を制御して容易に除去さ
れる被覆を提供することを意図していない。
【0016】本発明の目的は、最終高温焼きなまし後に
容易に除去される焼きなましセパレーター被覆を有す
る、パンチング品質用粒子方向性珪素鋼を提供すること
である。本発明のその他の目的は、基材金属と被覆との
間の表面相互作用を制御することにより優れた磁気特性
を与える、除去可能なマグネシア被覆を提供することで
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意研究を行ったところ、シリカをマグネシアに特
定の割合で添加する焼きなましセパレーター被覆組成物
を用いることにより上記課題が解決されることを見い出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれ
ば、粒子方向性珪素鋼のための焼きなましセパレーター
被覆組成物であって、該被覆組成物が重量部および水未
含有基準で、 a)マグネシア 35〜85部、 b)シリカ 15〜65部、 c)硫黄 5部以下、から本質的になる被覆組成
物が提供される。
【0018】また、796 A/mで測定された、少なく
とも1780の透磁性を有する粒子方向性珪素鋼ストリ
ップの製造方法において、 a)該ストリップを脱炭させて0.005%の最大炭素
レベルおよび上記ストリップ上にシリカ表面層を提供
し、 b)該ストリップに、マグネシアおよび少なくとも15
重量部のシリカを含有する焼きなましセパレーター被覆
を適用し、そして c)該マグネシア被覆を有するストリップを高温焼きな
ましに供し、このとき上記シリカが鋼ストリップと滑ら
かな境界面を形成し、かつ上記マグネシアが容易に除去
されるガラスフィルムを形成する、工程を含む、粒子方
向性珪素鋼ストリップの製造方法も提供される。
【0019】本発明は、珪素鋼のための、最終高温焼き
なまし中にガラスフィルムを形成するマグネシア焼きな
ましセパレーターを提供する。このガラスフィルムは二
次的結晶成長の完了後に容易に除去される。この被覆を
除去した後、鋼はパンチング品質用途に特に適するが、
そのような用途では、ラミネーションをポンチしたり打
抜きしたりするために使用されるダイを傷つけない表面
が必要である。本発明のマグネシア被覆はパンチング品
質用途に制限されない。方向性珪素鋼の、ガラスフィル
ムが必要とされない全ての用途は、本発明の恩恵にあず
かる。
【0020】マグネシアおよびシリカは、セパレーター
被覆の主成分である。本発明の被覆には全てのマグネシ
アが使用可能であり、不活性マグネシアの使用は幾つか
の魅力的な利点を有している。酸化マグネシウムの水性
スラリーは、典型的には、乾燥重量で少なくとも20重
量%の量のシリカと混合される。シリカは好ましくはコ
ロイド状であるが、どのような粒子サイズであってもよ
い。シリカは表面反応を制限しないが、ガラスフィルム
は基材金属に接着しない。ガラスフィルムと基材金属と
の間の非常に滑らかな境界面は、ガラスフィルムの離層
を容易にするものと信じられる。マグネシア被覆は良好
な表面反応を提供するので、磁気特性レベルも改善され
る。
【0021】本発明の特徴は、粒子方向性珪素鋼のため
のマグネシアに大量のシリカを添加することにより容易
に除去されるガラスフィルムを生じさせることである。
本発明の別の特徴は、マグネシアの粘性を制御すること
を助け、そしてマグネシア粒子の沈降量を減少させるシ
リカの大量添加により、マグネシア被覆工程を改善する
ことである。本発明のさらなる特徴は、本発明のマグネ
シアを硫化物の添加によりさらに改変し、製造される珪
素鋼の磁気特性を一段冷間圧延工程を用いてさらに改善
することである。
【0022】
【発明の実施の形態】粒子方向性珪素鋼の製造におい
て、ストリップは、従来の溶融、鋳造、熱間圧延、付加
的焼きなまし、および1またはそれ以上の工程の冷間圧
延を用いて処理されるが、冷間圧延の複数の工程に中間
焼きなましが随伴する。次いで、ストリップは、典型的
には脱炭されて炭素が除去されるが、これにより磁気時
効が防止される。脱炭雰囲気は湿水素であり、これはス
トリップの表面にSiO2 および酸化鉄を形成する。次
いで、典型的にはマグネシアである焼きなましセパレー
ターが、形成された酸化物層に適用され、コイル状に巻
かれ、そして最終焼きなましに供される。焼きなまし
は、典型的には水素雰囲気中で1100〜1300℃の
温度範囲内で行うが、これにより絶縁ガラスが形成さ
れ、且つ所望の方向に二次的結晶成長が生成される。
【0023】鋼の組成、および溶融から脱炭に至る種々
の処理工程は従来通りであり、本発明を些かも制限する
ものではない。本発明は、脱炭後に適用する、珪素鋼の
ためのマグネシア焼きなましセパレーター被覆を提供す
るものであり、この被覆は二次的結晶成長を与える焼き
なましの後に容易に除去される。本被覆は、絶縁のため
の二次被覆またはパンチング性能を改善するための被覆
と関連させられるものではない。本発明の被覆は、二次
的結晶成長が得られる最終高温焼きなましの間、コイル
の重なり部分を仕切るために使用されるものである。
【0024】脱炭後の珪素鋼表面は、シリカと酸化鉄か
ら構成される酸化物層を有する。薄い酸化物層は酸洗い
により最も容易に除去されること、ならびに、より厚い
層は磁気特性に不利に影響するガラスフィルムを形成す
ることは、従来から認められている。酸化物が増加する
につれてラミネーション要素(lamination factor)が
減少させられる(基材金属の横断面%が酸化物の厚みと
の比率において減少する)。所望の方向に二次的に再結
晶させられる結晶が発達する核となる、冷間圧延鋼表面
上の結晶核は、酸化により失われるものと信じられてい
た。
【0025】製造中、脱炭炉内の露点および雰囲気濃度
を変更することができる。これは、ストリップ表面上に
形成される酸化物フィルムの厚みの変更をもたらす。全
体工程の履歴に依存して、ストリップの幅にわたり、か
つコイルの長さにわたる酸化にも種々の変更がある。過
去におけるどのような変更も、ガラスフィルムの不均一
な除去をもたらした。本発明がなされるまで、許容され
得る磁気特性を損なわない、ガラスフィルムの均一な除
去のための方法は存在しなかった。
【0026】本発明による、シリカのマグネシアへの添
加は、種々の異なった方法で行われることができる。珪
素の供給源は種々の水溶性または水分散性の珪素化合物
であることができる。そのような化合物の例示として、
シリカ、特にはコロイド状シリカ、珪酸、ならびにカオ
リン、マイカおよびフレッドスパー(fledspar)等の天
然珪素生成物を挙げることができる。優れた結果は、本
発明の組成物における珪素の供給源としてコロイド状シ
リカを使用したときに得られている。上記したシリカ供
給源のリストは何らかの制限を与えるものではなく、使
用され得る種々の化合物の単なる例示である。
【0027】理論に拘束されることを望むのではない
が、本発明におけるシリカのマグネシアへの添加は、脱
炭の後の、二次的再結晶を与える焼きなましの間に起こ
る通常の酸化還元反応を変化させると信じられる。脱炭
の間に形成された酸化鉄は、かつては、最終焼きなまし
温度において、下記反応(1): 2FeO + Si = 2Fe + SiO2 (1) により、基材金属中の珪素をSiO2 へと酸化した。
【0028】この反応は良好な接着性を有するフィルム
を提供した。しかし、最終焼きなましの間、緊密に包み
込まれたコイルは雰囲気中の水素に浸透を許さなかった
が、これはコイルの重なり部分の間の圧力が雰囲気の圧
力よりも高かったためである。この圧力の原因は、加熱
による熱膨張ならびに、乾燥したままのマグネシア被覆
内に含まれる化学的に結合されていた水および物理的に
吸着されていた水から解離した蒸気であると見なされて
いる。このように水素がコイルの重なり部分内に浸透す
ることは非常に困難である。そのために、脱炭された表
面上の酸化鉄は、下記反応(2): FeO + H2 = Fe + H2O (2) による還元を容易には受けない。
【0029】典型的には、SiO2 は約800℃および
それ以上の温度で有利に反応する。水素元素に対する抵
抗は約1000℃まで存在するが、その温度においては
蒸気は焼きなましセパレーターから発生し得ない。セパ
レーター中のMgOは、SiO2 と結合してガラスフィ
ルム(Mg2SiO4)を形成する。一旦ガラスが形成さ
れると浸透水素の量が増加するものの、上記反応(1)
は右辺に移行し終わっており、上記反応式(2)の反応
は生じない。
【0030】本発明によれば、マグネシア中の大量のS
iO2 はガラスフィルムの形成に役立つと信じられる。
ガラスフィルムはMg2SiO4 からなることができる
が、種々の珪酸鉄および珪酸マグネシウムならびに他の
反応成分を含み得る。鉄およびマグネシウムはガラス被
覆の固溶体中で容易に置換する。このことは、脱炭中に
形成されるSiO2 との表面反応に依存しない、厚いガ
ラスの形成を許す。形成されたガラスは、上記反応式
(2)に従い酸化第一鉄を還元する水素の浸透を許す。
酸化第一鉄の還元はガラスの接着性を実質的に低くす
る。最終焼きなまし初期段階における水素の浸透が、酸
化第一鉄の還元に有利である反応の方向、および境界面
の強さを変えることは明らかである。
【0031】シリカは15〜65重量部の量添加される
が、好ましくは20〜55重量部、そして最も好ましく
は25〜45重量部である。マグネシアの量は、100
重量部からシリカの重量部を引いた量である。
【0032】シリカはマグネシアスラリーの粘性制御に
劇的な影響を与える。シリカの添加は不活性マグネシア
の使用を許し、そして通常生じる沈降の問題を回避す
る。不活性マグネシアはスラリーから別れて沈降してし
まいがちな大きな粒子サイズを有する。添加されるべき
シリカの最適な量は、使用されるマグネシアの特性およ
びスラリーの粘性に依存する。
【0033】本発明は、所望の被覆重量を如何なる範囲
でも提供し得るが、典型的には10g/m2/片面(side)
まで、通常は約3〜4g/m2/片面の乾燥被覆重量を提供
するように調整される。シリカは燃焼温度を低くする傾
向があり、そしてより光沢のあるフィルムを提供する。
シリカレベルを上昇させることは、基材金属からの離層
に役立つ、ガラスの張力分散(tension imparting)特
性を増加させる。高いシリカレベルはより厚いガラスフ
ィルムを提供する助けとなるが、これはさらに離層を促
進する。より厚いガラスフィルムは離層をより容易にす
るが、それは基材金属との境界面での熱膨張の大きな相
違によるものである。
【0034】本発明は、マグネシアの粒子サイズおよび
活性に関わらず容易に除去されるガラスを提供する。し
かしながら、不活性マグネシアが使用されるときに最適
な利益が提供される。不活性マグネシアは改善された水
和制御を提供し、そして典型的には活性マグネシアより
も非常に安価である。
【0035】また、焼きなましセパレーターは活性マグ
ネシアと不活性マグネシアを混合して含むことができ
る。幾らかの活性マグネシアを内包することは、二次的
結晶成長のより良い制御およびMnS抑制剤とのより密
接な硫黄関係を提供することもできるであろう。
【0036】硫黄は、好ましくはマグネシアに添加され
て、高温焼きなまし中の早期脱硫を防止する。使用され
得る硫黄含有化合物には、種々の許容され得る形態があ
る。これらに制限されるものではないが、許容され得る
硫黄含有化合物は、硫酸第一鉄、硫酸ナトリウム、硫酸
マグネシウム等を包含する。硫酸マグネシウム(エプソ
ム塩、MgSO4・7H2O)は特に有利であるが、それ
はその入手性、コストおよび無毒性の性質によるもので
ある。5重量部までのサルフェートが添加され得るが、
0.5重量部以上、例えば1〜2重量部であることが好
ましい。マグネシア被覆への硫黄添加は二次的結晶成長
の安定性を改善する。
【0037】カルシウムホスフェート、チタニアおよび
硼素等のその他の添加物を単独で、または組み合わせて
マグネシアに添加して、水和制御、硫黄除去および/ま
たはガラスフィルムの厚みの増加を図ることもできる。
本発明にとって、添加物が基材金属と被覆との境界面の
滑らかさを有意に変えないことが重要である。
【0038】本発明の被覆系を理解するには、ガラスフ
ィルムが可能な限り最良の磁気品質の発達にとって望ま
しいものであることを理解することが重要である。ガラ
スの形成は、望ましい方向性結晶構造のために必要とさ
れる硫黄が早期に損失することを防止する。
【0039】脱炭および最終焼きなましの条件は、本発
明の被覆系の制限事項ではない。現在実際に使用されて
いるどのような温度、加熱速度および均熱温度も、本発
明の焼きなましセパレーター被覆と組み合わせて用いる
ことができる。
【0040】鋼の打抜き特性をさらに改善することに適
用され得る被覆は数多く存在する。それらは典型的には
有機被覆であり、処理完了後に裸鋼またはマグネシア被
覆鋼に適用される。米国特許第3,948,786号、第
3,793,073号および第3,909,313号等の特
許は、パンチングダイの寿命を改善し、溶接の問題を減
少させている。
【0041】種々の方法で、焼きなましセパレーターを
粒子方向性珪素鋼ストリップに適用することができる。
典型的には、水性被覆スラリーが、計量ロールを用いて
鋼ストリップに適用される。また、非水性媒質スラリー
も適用される。被覆は静電塗装等の乾燥形態でも適用さ
れる。
【0042】本発明の範囲内の量でシリカを活性である
かまたは不活性であってもよいマグネシアへ添加するこ
とにより、非常に滑らかな改善された境界面が提供され
ることが示されている。理論に拘束されることを望むも
のではないが、被覆内の大量のシリカは反応の進行方向
を変えるものと信じられる。従来は、表面上に存在する
マグネシアが、脱炭中に起こる基材金属内珪素の酸化の
結果として表面上に形成されるシリカと、反応してい
た。マグネシア中に大量のシリカを提供することによっ
て、マグネシアは基材金属境界面よりもむしろ被覆内で
反応するようになる。従来の内側拡散反応は粗い境界面
をもたらし、且つ従来ガラスをより基材金属に接着させ
ていたと信じられる。
【0043】
【実施例】本発明およびそれを実際に行うために用いら
れるであろう方法のより良い理解を促すために、以下に
具体的な実施例を示す。しかしながら、これらの実施例
は本発明の好適な実施態様を説明するものに過ぎず、本
発明を些かも制限するものではないことをご理解戴きた
い。以下の実施例においては、マグネシアスラリーはマ
グネシアを水と混合することにより調製した。次に、シ
リカを種々の割合で添加したが、このときマグネシアと
シリカとの合計が100重量部となるようにした。溝付
ゴム製計量ロールを用いて、これらの調製スラリーを脱
炭したままの鋼ブランク(steel blanks)に適用した。
次いで250〜300℃で約60秒間にわたって被覆を
乾燥させた。乾燥させたままの被覆重量を3〜4g/m2/
片面の範囲内に制御した。
【0044】次に、このようにして調製した試料を積み
重ね、そして鉄−珪素箔で包んだ。そして、包み込んだ
積重ねを標準的な高温集合組織焼きなましに供したが、
これは1200℃の均熱温度の15時間にわたる使用を
包含していた。箱焼きなましの雰囲気は、水素に炉を通
過させることにより制御した。
【0045】実施例 1 下記表I.aに、本研究に用いた被覆組成物を示す。使
用した種々のマグネシアタイプの主要特性を下記表I.
bに示す。本研究に用いた、脱炭したままの鋼試料は4
種類の異なる基材金属組成を有していた。基材金属の主
要な化学成分を示せば、珪素が3.09〜3.20%、炭
素が0.029〜0.037%、マグネシウムが0.05
5〜0.060%、硫黄が0.020〜0.024%、お
よびクロムが0.06〜0.25%の範囲であった。残部
は実質的に鉄であったが、不可避的不純物も含まれてい
た。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】高温組織焼きなましの後、試料を個々に拭
いて清浄し、余分な表面反応生成物を全て除去した。こ
の材料からの除去容易性と、清浄後の鋼表面の外観とを
記録した。この表面清浄および外観情報を後記表I.c
に示す。
【0049】清浄した試料を再度積み重ね、830℃で
4時間のひずみ取り焼きなましに供した。次いで試料の
磁気特性を試験した。その結果を、平均値として下記表
I.cに示す。
【0050】
【表3】
【0051】“ガラス除去”評価: 1 = 布拭きにより全てのコイルからガラスが完全に除
去された。 2 = 研磨パッドを用いた軽いスクラビングにより全て
のコイルからガラスが完全に除去された。 3 = 研磨パッドを用いた強いスクラビングにより全て
のコイルからガラスが完全に除去された。 4 = 研磨パッドを用いた強いスクラビングによって
も、幾つかのコイルではガラスの除去は不完全であっ
た。 5 = 研磨パッドを用いた強いスクラビングによって
も、全てのコイルでガラスの除去は不完全であった。 6 = 研磨パッドを用いた強いスクラビングによって
も、全てのコイルでガラスは全く除去されなかった。
【0052】上記表I.cは、全ての組成物が良好且つ
許容され得る磁気品質を提供したことを明示している。
しかしながら、幾つかの被覆は他の被覆程優れた磁気特
性を提供しなかったことを記しておかねばならない。例
えば、活性マグネシア“タイプ1”へのシリカ添加レベ
ルを35部(被覆“B")から50部(被覆“D")に増
加させたときに、より高いシリカレベルが優れた磁気特
性(低い鉄損および高いH−10透磁性)を提供したこ
とが認められた。反対に、不活性マグネシア“タイプ
2”へのシリカ添加レベルを35部(被覆“F")から
50部(被覆“G")に増加させることは、磁気特性を
減退させる結果となった。このことは、好ましいシリカ
添加レベルをどのように選択するかということが、使用
するマグネシアタイプの生来的な特性に依存するであろ
うことを示している。
【0053】その他の磁気品質効果に関して、硫黄添加
レベルは重要な役割を果たしていないことが観察された
(被覆“A"、“B”および“C”参照)。活性マグネシ
アと不活性マグネシアを混合することは、ある例(被覆
“D”と“E”との比較)においては磁気品質に有意に
影響しなかったが、別の例(被覆“I”と“J”との比
較)においては、活性マグネシアと不活性マグネシアと
の組合せが、平均鉄損に関して磁気品質の有意な低下を
もたらした。繰り返せば、最適な磁気特性に関して、適
切なシリカ添加レベルは、選択するマグネシアのタイプ
に依存しているものと認められる。
【0054】上記表I.cに示したガラスフィルム除去
評価(“1”から“6")は、大きく2つに分類される
ことができる。“1”から“4”までの評価を得た被覆
は、本発明の被覆である。評価“4”に関する記述は受
け入れ難いレベルの性能を示しているように思われる
が、本研究に用いた4種類の異なるコイルは、幾つかの
被覆に対して(被覆除去の容易性に関し)異なる挙動を
示したことを記しておかなければならない。より具体的
には、2種類のコイルは、被覆“B”および“C”の使
用において完全なガラスフィルム除去が得られることを
示した。4種類の異なるコイル上に存在する、脱炭した
ままの酸化物層の厚みのバラツキが、被覆“B”および
“C”で特に明瞭であった、この明らかに不規則な性能
に、重要な役割を果たしたものと信じられる。
【0055】上記した如く、磁気品質性能における被覆
の効果に関しては、好適なシリカ添加レベルが、使用す
るマグネシアのタイプの変更に伴い変化する。被覆
“B”対“D”(活性マグネシア、タイプ1を使用)お
よび被覆“F”対“G”(不活性マグネシアを使用)と
を等しく比較すると、シリカ添加レベルを増加させるこ
とは、ガラスフィルム除去の容易性を改善するか、ある
いは減退させるかのどちらかであることが認められる。
これら2つの最適なガラスフィルム性能被覆(“D”お
よび特に“F")は、また、磁気特性性能に関しても最
適な被覆であった。
【0056】被覆“A"、“K"、“L”および“M”の
貧弱な性能は、幾つかの方法で説明することができる。
被覆“A”に関しては、高いサルフェートレベル(1.
5部添加)がガラスフィルム被覆の接着性を増加させた
ことは明らかであった。同様に、モノカルシウムホスフ
ェートを2部内包させたことが、マグネシア“タイプ
1”のガラスフィルム除去性能を減退させた(被覆
“K")。被覆“L”および“M”の極端に貧弱な性能
評価(“6")もまた、部分的にはモノカルシウムホス
フェートの添加によるものであろうが、これら2種類の
マグネシア(タイプ4およびタイプ5、表I.b参照)
内に存在する生来的に高い塩化物レベルが、強力に接着
するガラスフィルム被覆の生成に主要な役割を果たして
いるものと強く信じられる。
【0057】実施例 2 本研究は、粒子方向性珪素鋼のパンチング品質等級を製
造するために使用される従来のマグネシア被覆と比べた
ときに、上記実施例1で決定された本発明の最適な被覆
が有する利点を示すために行った。本発明において使用
したのは、塩化カルシウムの高い添加レベルを用いてガ
ラスを有しない製造物を提供する、米国特許第4,87
5,947号明細書に教示された被覆であった。具体的
な被覆組成を下記表 II.aに示す。脱炭したままの鋼の
3種類の試料の基材金属組成は、実施例1に示した範囲
内であった。
【0058】
【表4】
【0059】 MgO−タイプ1 = 従来の打抜き品質MgO: CAA = 145秒 Cl = 2200 ppm 粒子サイズ = 1.4ミクロン MgO−タイプ2 = 不活性MgO: CAA > 10,000秒 Cl < 20 ppm 粒子サイズ = 10.8ミクロン
【0060】図1〜5は、本研究における4種類の被覆
の使用から得られた、ガラスフィルムの光学顕微鏡写真
である。図1および2は、従来のパンチング品質タイプ
のマグネシアを用いて鋼の表面上に形成させた、薄くて
連続したガラスフィルムを示している。これらの写真に
見られる境界面の粗さの程度は、被覆本体の除去に強酸
を必要とするガラスフィルムタイプを明示している。こ
れらの被覆は、基材金属内へのガラスフィルムの内層面
膨張のため、酸洗いするには非常に強固である。図1
(被覆“A"、表 II.a参照)と図2(被覆“B")と比
較すると、2部のサルフェートを含むことは被覆の厚み
および粗さを増大したように思える。
【0061】図3および4は、塩化物被覆(被覆
“C")はガラスを有しない表面を提供することに成功
しなかったばかりではなく、鋼ブランクの反対表面上に
2つの明らかに異なるタイプのガラスフィルムを与え
た。図3に示すガラスフィルムの“球状鉄”タイプ(ガ
ラス内に包埋された鉄の“球”のためにそう呼ばれてい
る)は、高い塩化物添加レベルの結果であることが知ら
れている。このタイプのガラスフィムル形成メカニズム
に最終的にガラスを有しない表面を生成させるために
は、塩化物の非常に高い濃度が必要とされるであろうこ
とが期待される。“上側”および“下側”表面がなぜこ
のように異なるガラスフィルム特性を有していたのかは
判らない。
【0062】図5は、本発明の利点を示している。本研
究に用いられた3種類のコイル全てにおいて、100%
ガラスを有しない表面が得られた。これは図5において
ガラスフィルムが完全に欠落していることで確認され
る。この図では“境界面”を観察することは非常に困難
であるが、このマグネシア被覆は非常に滑らかな表面/
境界面を生成したものと考えられる。
【0063】本研究で得られた磁気品質結果を下記表 I
I.bに示す。本研究において試験した全てのブランクで
得られたH−10透磁性を、図2にグラフとして示す。
図3に、17キロガウス鉄損(Pc17;60)の同様
の分布を示す。透磁性および鉄損のデータは、従来の
“パンチング品質”MgOにおいては、サルフェート添
加が、許容され得る磁気品質を得るために必要とされる
ことを示している(被覆“A”と“B”との比較によ
る)。2部のサルフェート添加を行ってさえ、ガラスを
有しない表面(被覆“C")を提供する試みとして高い
塩化物添加レベルが用いられたときには、非常に貧弱な
磁気品質という結果に終わることが、これらの図に示さ
れている。仮に(既に示唆した通り)もっと高い塩化物
濃度を用いてガラスを有しない表面を提供することがで
きたとしても、磁気品質がさらに大きく減退するであろ
うことが予測され得る。
【0064】
【表5】
【0065】図面および上記表 II.bは、本発明の被覆
(被覆“D")において最適な磁気品質結果が得られた
ことを示している。優れた磁気特性に加えて、この被覆
はガラスフィルム被覆を全く持たず、パンチング品質用
途のための酸洗いを必要としない表面を生成する。
【0066】上記実施例において記述された如き本発明
に対し、本発明の主題から離れることなく、改変および
仕様変更することは可能であり、そのように変更された
ものも全て本発明の範囲に包含される。また、本発明の
組成物の一要素にとって好ましいか、またはより好まし
い範囲が、本発明の組成物のその他の要素の広い範囲と
共に使用され得ることができることもご理解いただきた
い。
【0067】
【発明の効果】本発明の利点は、珪素鋼ラミネーション
のパンチング中のダイ磨耗量が、改善された珪素鋼表面
により大幅に減少することである。本発明の別の利点
は、マグネシアへのシリカの添加が不活性マグネシア粒
子の使用を可能にし、沈降の問題を回避することであ
る。本発明のさらなる利点は、高レベルのシリカがマグ
ネシアに添加されたときにガラスフィルムを除去するた
めの酸洗い工程が排除され得ることである。本発明のさ
らに別の利点は、不活性マグネシアの使用が、マグネシ
アの水和を制御するための処理中の冷却を必要としない
ことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の活性マグネシアを用いたときの、ガラス
と基材金属との境界面の顕微鏡写真(X1000)であ
る(被覆A:従来のパンチング品質MgO)。
【図2】従来の活性マグネシアを2重量部のSO4 と共
に用いたときの、ガラスと基材金属との境界面の顕微鏡
写真(X1000)である(被覆B:従来のパンチング
品質MgO+2.0%SO4)。
【図3】従来の活性マグネシアを2重量部のSO4 およ
び5重量部のCaCl2 と共に用いたときの、ガラスと
基材金属との上面境界面の顕微鏡写真(X1000)で
ある(“上側”表面;被覆C:従来のパンチング品質M
gO+2.0%SO4+5.0%CaCl2)。
【図4】従来の活性マグネシアを2重量部のSO4 およ
び5重量部のCaCl2 と共に用いたときの、ガラスと
基材金属との下面境界面の顕微鏡写真(X1000)で
ある(“下側”表面;被覆C:従来のパンチング品質M
gO+2.0%SO4+5.0%CaCl2)。
【図5】本発明の不活性マグネシアを2重量部のSO4
および35重量部のCaCl2と共に用いたときの、ガ
ラスと基材金属との境界面の顕微鏡写真(X1000)
である(被覆D:不活性MgO+2.0%SO4+35%
SiO2)。
【図6】3種類の鋼試料上の4種類の異なるマグネシア
組成物の透磁性を比較するグラフである。
【図7】3種類の鋼試料上の4種類の異なるマグネシア
組成物の鉄損を比較するグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子方向性珪素鋼のための焼きなましセ
    パレーター被覆組成物であって、該被覆組成物が重量部
    および水未含有基準で、 a)マグネシア 35〜85部、 b)シリカ 15〜65部、 c)硫黄 5部以下、から本質的になる被覆組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記マグネシアが200秒より大きいク
    エン酸活性を有している、請求項1に記載の被覆組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記被覆が少なくとも0.5重量部のサ
    ルフェートを付加的に包含する、請求項1に記載の被覆
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記シリカがコロイド状である、請求項
    1に記載の被覆組成物。
  5. 【請求項5】 前記シリカが20〜55重量部含有され
    ている、請求項1に記載の被覆組成物。
  6. 【請求項6】 前記シリカが25〜45重量部含有され
    ている、請求項1に記載の被覆組成物。
  7. 【請求項7】 前記マグネシアが100秒より大きいク
    エン酸活性を有している、請求項1に記載の被覆組成
    物。
  8. 【請求項8】 前記マグネシアが、100秒未満のクエ
    ン酸活性を有するマグネシア少なくとも20%と、10
    00秒より大きいクエン酸活性を有するマグネシア少な
    くとも40%とが混合されたものである、請求項1に記
    載の被覆組成物。
  9. 【請求項9】 796 A/mで測定された、少なくとも
    1780の透磁性を有する粒子方向性珪素鋼ストリップ
    の製造方法において、 a)該ストリップを脱炭させて、0.005%の最大炭
    素レベルを提供し、かつ上記ストリップ上にシリカ表面
    層を提供し、 b)該ストリップに、マグネシアおよび少なくとも15
    重量部のシリカを含有する焼きなましセパレーター被覆
    を適用し、そして c)該マグネシア被覆を有するストリップを高温焼きな
    ましに供し、このとき上記シリカが鋼ストリップと滑ら
    かな境界面を形成し、かつ上記マグネシアが容易に除去
    されるガラスフィルムを形成する、工程を含む、粒子方
    向性珪素鋼ストリップの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記シリカがコロイド状シリカであ
    る、請求項9に記載の粒子方向性珪素鋼ストリップの製
    造方法。
JP8065162A 1995-02-28 1996-02-28 マグネシア被覆およびパンチング用粒子方向性珪素鋼の製造方法 Pending JPH08260034A (ja)

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