JPH08259911A - 粘接着体 - Google Patents

粘接着体

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JPH08259911A
JPH08259911A JP7064612A JP6461295A JPH08259911A JP H08259911 A JPH08259911 A JP H08259911A JP 7064612 A JP7064612 A JP 7064612A JP 6461295 A JP6461295 A JP 6461295A JP H08259911 A JPH08259911 A JP H08259911A
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JP
Japan
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sensitive adhesive
pressure
resin composition
thermosetting resin
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JP7064612A
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English (en)
Inventor
Yuka Imai
ゆか 今井
Kenjiro Kuroda
健二郎 黒田
Tatsuya Morimitsu
達也 守満
Yoshiaki Shiina
義明 椎名
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着初期に十分な接着強度を発揮し、その後
も長期にわたって高い接着強度を発現する粘接着体。 【構成】 基体1上の同一面内に、熱硬化性樹脂組成物
層2と感圧接着剤層3とが接触することなく形成され
る。 【効果】 貼着直後から熱処理を施さずとも仮止めが十
分に強固にできる接着性を示すと共に、熱処理後におい
ては、接着性がより高まる。よって、貼着時の仮止めが
可能で作業性が高い上に、耐久性も高いので、多くの用
途に用いることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の部材に接着する
粘接着体に関するもので、特に、優れた初期接着強度と
経時的強度を兼ね備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】工業用または個人用として、様々な部材
に貼着したり、またはそれらの部材間を接着するため
に、粘接着性を有したテープまたはシートが広く利用さ
れている。こうした粘接着テープ等は、その利用形態の
多様化に伴い様々な要件が求められているが、中でも、
貼着直後の初期接着強度と、長時間経過後の経時的接着
強度の高いものが希求されている。初期強度が高いと、
粘接着テープの仮止め等を行うことができ作業性が向上
し、経時的強度が高いと、安心して耐久材にも適用で
き、用途が広がるものの、両要件を共に兼ね備えたもの
でないと、用途の限定や作業性の低下などの不具合を生
じてしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】初期強度が高く、被着
体への貼着が容易なものとして、感圧接着剤を利用した
粘着テープがあるが、これは経時的強度が必ずしも高い
ものでなく、時間の経過と共に、剥がれ易くなってしま
うという欠点があり、用途が限定されてしまうものであ
った。また、経時的強度の優れたものとして、天然ゴ
ム、合成ゴム、アルキルフェノール樹脂等を主成分と
し、熱硬化特性を利用する粘着テープが市販されてい
る。しかしながら、この種の粘着テープは加熱処理を施
すと、粘着剤中の粘着付与樹脂やゴム成分が熱によって
流動、軟化し、凝集力が低下して、硬化後にも接着特性
が不十分になるという問題があった。
【0004】そこで、この問題を解決するものとして、
特開昭59−108072号公報にエポキシ樹脂を主成
分とした粘着性を有する熱硬化性接着シートが提案され
ている。しかしながら、このものであると、エポキシ樹
脂のみがベースのため、初期強度が小さく、常温時の粘
着特性に限界があり接着層が硬化して接着力が発現する
までに剥離しやすいといった問題がある。また、硬化さ
せるためには、高温で長時間加熱しなければならず、基
材が軟化してしまったり、また被着体が軟化してしまっ
たりするおそれがあった。すなわち、初期強度の高いも
のは高い経時的強度を保つものが難しく、高い経時的強
度を発揮するものは、高い初期強度を発揮させることが
困難で、両要件において高い性能を十分に有するものは
なかった。
【0005】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、接着初期に十分な接着強度を発揮し、その後
も長期にわたって高い接着強度を発現する粘接着体を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の粘接着体は、基
体上の同一面内に、熱硬化性樹脂組成物層と感圧接着剤
層とが接触することなく形成されているものである。
【0007】請求項2記載の発明は、熱硬化性樹脂組成
物層と感圧接着剤層との間に、熱溶融性遮断材が介在し
ていることを特徴とする請求項1記載の粘接着体であ
る。
【0008】請求項3記載の発明は、熱硬化性樹脂組成
物は、溶融温度が80℃以上のカルボジイミド基含有ポ
リマーを主成分とすることを特徴とする請求項1または
2記載の粘接着体である。
【0009】請求項4記載の発明は、カルボジイミド基
含有ポリマーの含有量が、熱硬化性樹脂組成物の固形分
中、2〜200重量%であることを特徴とする請求項3
記載の粘接着体である。
【0010】請求項5記載の発明は、カルボジイミド基
含有ポリマーが、次式で表されるものであることを特徴
とする請求項3または4記載の粘接着体である。 −(N=C=N−R)n− 式中、Rは有機ジイソシアネート残基であり、nは10
〜10000の整数である。
【0011】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の粘接
着体は、その平面形状は特に限定されるものではなく、
帯状のテープとして、また矩形状のシートとして目的に
応じて使用される。本発明での基体は、使用目的に応じ
て適宜選択されるものであるが、天然繊維や合成繊維を
材質とする織布または不織布、紙、プラスチックシー
ト、金属箔等が好ましい。
【0012】熱硬化性樹脂組成物層に使用される熱硬化
性樹脂組成物は、種々のものが適用できるものの、カル
ボジイミド基含有ポリマーを主成分とするものが好適で
ある。このカルボジイミド基含有ポリマーは、その分子
中に少なくとも一つ以上のカルボジイミド基、即ち、−
(N=C=N)− を有し、通常、室温で固体のポリマー
である。このようなカルボジイミド含有ポリマーとして
は、米国特許2,941,956号明細書、特公平47−332
79号公報、J.Org.Chem.,28,2069〜2075(1963)、Chemi
cal Review 81(4),619〜621(1981)等に記載されている
ものが適用できる。中でも、カルボジイミド含有ポリマ
ーとしては、製造し易さなどの点から、次式(1)で示
されるポリカルボジイミドを含有するものが好ましい。 −(N=C=N−R)n− ・・・(1) 式中、Rは、有機ジイソシアネート残基であり、nは1
0〜10000の整数である。Rの有機ジイソシアネー
トは具体的には、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ
ート等の脂肪族系ジイソシアネート残基、イソホロンジ
イソシアネート等の脂環式系ジイソシアネート残基、ト
リレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート
残基、キシリレンジイソシアネート等の芳香族−脂肪族
系ジイソシアネート残基、これらの混合物残基等が挙げ
られる。従って、式(1)のカルボジイミド基含有ポリ
マーとしては、例えば、化学式(2)〜(16)に示さ
れるものが適用され得る。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】これらの中でもRが芳香族系ジイソシアネ
ート残基であるものがより好ましい。これらのカルボジ
イミド基含有ポリマーの一部は、カルボジライト10M
−SP、カルボジライトIM−50、カルボジライト9
010(いずれも日清紡(株)製)として市販されてい
る。なお、式(1)のカルボジイミド基含有ポリマーの
末端は、モノイソシアネート化合物等により封止されて
いてもよい。
【0016】また、上記式(1)において、nが10未
満であると、架橋密度が低くなり、接着性が低下するの
で好ましくなく、また10000よりも大きいと、溶融
温度が高くなり、接着条件が厳しくなったり、また、被
着体へのぬれが不十分となり、接着強度が低下する傾向
があるので好ましくない。また、nは50〜5000の
範囲内であると、より好ましい。これらのカルボジイミ
ド基含有ポリマーは、有機ジイソシアネートの脱二酸化
炭素を伴う縮合反応を利用する公知の方法により容易に
製造できる。
【0017】このポリマーは、加熱溶融すると、カルボ
ジイミド基の二重結合が開環重合して内部架橋反応を起
して硬化し、熱硬化性樹脂組成物として優れた耐熱性と
耐水性とを付与する。したがって、高温雰囲気下におい
ても強固な接着力が維持されるので耐熱基材への積層が
可能となる。この場合、その重合は、通常、加熱溶融後
1〜2分で開始する。従って、熱硬化性樹脂組成物層
は、加熱後1〜2分間は硬化せずにその軟化もしくは溶
融流動状態を保持する。
【0018】また、カルボジイミド基は、活性水素を有
する活性水素化合物に対して反応性を有する。従って、
熱硬化性樹脂組成物の架橋密度は、活性水素を有する架
橋剤により高めることができる。
【0019】以上のカルボジイミド基含有ポリマーは、
テトラクロロエチレンなどの有機溶媒に溶解した溶液と
して、あるいは溶液から沈殿させた粉末として得ること
ができる。カルボジイミド基含有ポリマーとして粉末を
使用する場合には、その溶融温度が80℃以上のものが
好ましい。好ましくは80〜180℃、より好ましくは
100〜160℃である。これらの溶融温度の調整は、
上記式(1)中のnやRなどの調整により可能である。
溶融温度が80℃より低い場合には、カルボジイミド基
含有ポリマーを含有する塗液又は塗工物の安定性に問題
が生じ、溶融温度が180℃を越えると接着条件が厳し
くなるためである。
【0020】さらに、上記熱硬化性樹脂組成物には、カ
ルボジイミド基含有ポリマーに加えてバインダー樹脂を
添加することができる。特に、カルボジイミド基含有ポ
リマーが粉末の場合には、バインダー樹脂にカルボジイ
ミド基含有ポリマーを分散保持させることが好ましい。
このようなバインダー樹脂としては、カルボジイミド基
含有ポリマーとの分散性が良好であり且つ基材上へ均一
に成膜できるものを使用することが好ましい。例えば、
ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アク
リル/塩酢ビ共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルア
ルキルエーテル樹脂などの熱可塑性樹脂を使用すること
ができる。
【0021】なお、バインダー樹脂を使用する場合、そ
の使用量が多すぎると熱硬化後の接着力が低下するおそ
れがあり、少なすぎると成膜性が低下するので、バイン
ダー樹脂の固形分に対してカルボジイミド基含有ポリマ
ーの含有量が2〜200重量%となるようにする。10
〜100重量%であるとより好ましい。
【0022】本発明での感圧接着剤層に使用される感圧
接着剤としては、半永久的に安定して接着性を示す感圧
接着剤であれば特に制限はなく、例えば、アクリル系接
着剤、共役ジエン系重合体を主体とする組成物、シリコ
ーン系接着剤、ビニルエーテル系接着剤等を挙げること
ができる。
【0023】これらの中でも好ましいのは、アクリル系
接着剤、共役ジエン系重合体を主体とする組成物であ
る。ここで、アクリル系接着剤としては、粘着成分であ
るアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、官能基
成分と、凝集成分等の共重合体により構成されているも
のとする。
【0024】アクリル系接着剤の構成成分としてのアク
リル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、
アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸n−ラウリル等が適用できる。また、メタク
リル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸
n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n
−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ラウリル等の適
用が可能である。
【0025】また、官能基成分としては、アクリル酸エ
ステル又はメタクリル酸エステル等と共重合可能なアク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマール酸等のα、β不飽和カルボン酸や、同
じく共重合可能なアクリル酸ヒドロキシエチル、メタク
リル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ基
含有モノマー、同じく共重合可能なアクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアク
リルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等の
N−置換アクリルアミド系又はN−置換メタクリルアミ
ド系モノマー、同じく共重合可能なアクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマ
ー、アクリロニトリル等が適用できる。
【0026】さらに、凝集成分としては、スチレン系モ
ノマー、例えば、スチレン、2−メチルスチレン等のビ
ニルトルエン、クロルスチレン等や、酢酸ビニル等の適
用が可能である。
【0027】これらの共重合体は、一般的に知られてい
るように架橋剤、例えばイソシアネート架橋剤、キレー
ト架橋剤、エポキシ架橋剤等により架橋される。
【0028】共役ジエン系重合体を主体とする組成物と
しては、共役ジエン系重合体と粘着付与樹脂とからなる
組成物を挙げることができる。共役ジエン系重合体とし
ては、例えば、天然ゴム、合成イソプレンゴム、スチレ
ン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジ
エン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレ
ン−スチレン共重合体等の熱可塑性エラストマー等を挙
げることができる。
【0029】粘着付与剤としては、ロジン系樹脂または
その誘導体、テルペン系樹脂またはその誘導体、石油系
樹脂、芳香族系樹脂、クマロンインデン系樹脂等を挙げ
ることができる。
【0030】上記熱硬化性樹脂組成物および感圧接着剤
は、リバースロールコーティング法、ナイフコーティン
グ法等による転写塗工法あるいはパターン塗工法等によ
って基板上に層形成され得る。
【0031】こうして、熱硬化性樹脂からなる層と感圧
接着剤からなる層とは基体上の同一面内に形成される
が、その際、熱硬化性樹脂組成物層と感圧接着剤層とは
接触しないようにすることが必要である。したがって、
熱硬化性樹脂組成物層と感圧接着剤層との間には所定幅
の間隙が設けられる。間隙の幅としては、0.5mm程度
で十分とされる。熱硬化性樹脂組成物層と感圧接着剤層
とが接触すると、保存中に接触部分で化学的な反応が起
き、不具合が生じるおそれがあるからであり、接触しな
いようにすることにより、加熱時、熱硬化性組成物層と
感圧接着剤層が互いに干渉することなく夫々の機能を発
揮するようになる。
【0032】基材上に形成される熱硬化性樹脂組成物層
と感圧接着剤層の平面形状は、特に限定されるものでは
なく、被着体の材質や形状またはその使用目的に応じて
適宜決めればよい。また、各層の形状としては、例え
ば、図1,2に示すように、基体1上に熱硬化性樹脂組
成物層2と感圧接着剤層3とを間隙4を介在させて平行
に交互に縞状にしたものや、図5に示すように、熱硬化
性樹脂組成物層5中に感圧接着剤層6を点在させたもの
等が挙げられる。この図5に示すものの場合でも、感圧
接着剤層6の周囲に間隙7を設けて感圧接着剤層6と熱
硬化性樹脂組成物層5とが接触しないようにしなければ
ならない。また逆に、感圧接着剤層中に、熱硬化性樹脂
組成物層を点在させた構成のものであっても良い。ま
た、熱硬化性樹脂組成物層と感圧接着剤層の厚さはでき
るだけ同じ厚さとすることが望ましく、またそれらの厚
さは5〜200μmの範囲内とすることが好ましく、1
0〜100μmであればより好ましい。
【0033】本発明の粘接着体であると、被着体に貼着
すると、その接着初期および加熱未処理時においては感
圧接着剤によって被着体に強固に接着し、仮止め等が可
能となる。そして、熱処理を施すことで熱硬化性樹脂組
成物層が溶融硬化し被着体への接着がさらに強固にな
り、高い経時的強度が発揮される。特に、貼着後の加熱
処理は比較的低温短時間の加熱により熱硬化性樹脂組成
物を含有する層が溶融流動して被着体に対し十分濡れ、
さらに硬化するので被着体への接着が強固となる。ま
た、ポリカルボジイミド樹脂は耐熱性に優れているの
で、感圧接着剤としてポリカルボジイミド樹脂を用いた
ものであると、特に高温雰囲気においても強固な接着力
を維持することが可能となる。
【0034】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物層と感
圧接着剤層とは接触しないようにされるが、その際、そ
れらの間に単に間隙を介在させる他に、その間隙に熱溶
融性遮断材を介在させることが望ましい。例えば、図
3,4に示すように、熱硬化性樹脂組成物層2と感圧接
着剤層3の間に熱溶融性遮断材8を形成し、熱硬化性樹
脂組成物層2と感圧接着剤層3の接触を防ぐ。熱溶融性
遮断材は、熱硬化性樹脂組成物とほぼ同一もしくは若干
低い溶融温度を有するものを用い、溶融時において熱硬
化性樹脂組成物に対し良好な溶解性を有している材料を
選定する。熱硬化性樹脂組成物層とほとんど同時に溶融
し、熱硬化性樹脂組成物層と相溶性があることにより、
熱硬化後の広い接着面積が確保され、高い接着強度が保
たれる。具体的には熱硬化性樹脂組成物のバインダー樹
脂、またはポリエチレン、ポリエチレンオキサイド、ポ
リアクリルエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
の熱可塑性プラスチックやゼラチン等が挙げられる。
【0035】本発明では、熱硬化性樹脂組成物層と感圧
接着剤層の間に間隙を設けたり、熱溶融性遮断材を形成
するので、熱硬化性樹脂組成物層と感圧接着剤層の接触
を防ぐことにより、接着機能を有する熱硬化性樹脂組成
物と、粘着機能を有する感圧接着剤とがそれぞれ独立し
て作用し、これらが混合されてしまうことによる諸物性
の低下や、材料選択の幅が狭ばるといった問題が起こら
ない。
【0036】また、図6に示すように、基体1の両面に
熱硬化性樹脂組成物層2と感圧接着剤層3を設けること
もでき、この場合、基体1の両面に被着体を接着するこ
とができ、所謂、両面粘接着テープとして用いることが
できる。また、基体に、熱硬化性樹脂組成物層および感
圧接着剤層と剥離しやすいものを用いると、熱硬化性樹
脂組成物層および感圧接着剤層を基体の片面にのみ形成
した場合でも、被着体に接着した後、基体のみを剥離
し、熱硬化性樹脂組成物層および感圧接着剤層を露出さ
せることにより、さらに他の被着体を接着して両面テー
プとしてのはたらきをもたせることも可能である。
【0037】尚、保管時、使用前などには、基体上に形
成された熱硬化性樹脂組成物層および感圧接着剤層の上
に、剥離紙等を被覆し、接着力を保つようにすることが
望ましい。
【0038】
【実施例】以下本発明を実施例を用いて具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0039】<実施例1>上説した図1,2に示すよう
に、厚さ30μmの硬質アルミ箔(日本製箔社製)から
なる基体1上に、感圧接着剤であるアクリル系接着剤
「BPS4849−40」(東洋インキ製造(株)製)を
総厚が80μmであって、幅3mmで6mm間隔になる
ようにストライプ状に塗布した。
【0040】次に、ウレタン樹脂バインダー30重量部
と、粉末状カルボジイミド基含有ポリマー「カルボジラ
イト9010」(日清紡製)6重量部と、溶媒(トルエ
ン/MEK/エタノール(4/5/1))とからなる固
形分45%の熱硬化性樹脂組成物を調整し、これを先に
形成した感圧接着剤層と0.5mmの間隙を介して幅5
mm、総厚が80μmとなるように塗布、乾燥してシー
ト状の粘接着体を作製した。
【0041】<実施例2>実施例1において感圧接着剤
層と熱硬化性樹脂組成物層の間隙に、熱硬化性樹脂組成
物のバインダー樹脂として用いたウレタン樹脂を20μ
mの厚さで塗布し、乾燥させて熱溶融性遮断材を形成し
たこと以外は実施例1と同様にしてシート状の粘接着体
を作製した。
【0042】<実施例3>感圧接着剤としてゴム系接着
剤「BPS3757−1」(東洋インキ製造(株)製)を
使用し、熱硬化性樹脂組成物中のバインダー樹脂として
ポリアミド樹脂バインダー「トーマイド1310」(富
士化成工業(株)製)を使用する以外は、実施例1と同様
にしてシート状の粘接着体を作製した。
【0043】〔試験例〕上記実施例1〜3と下記比較例
1、2で得られた粘接着シートの接着面に、ステンレス
板(30mm×110mm×2mm)を貼り合わせた
後、2kgのローラーにて1往復して圧着し、30分放
置後、アルミ箔の基体を180度剥離により引張試験機
で接着強度(単位:kg/25mm)を測定した。測定速度
は、300mm/minとした。
【0044】また、粘接着シートを貼着したステンレス
板を20kg/cm2の圧力をかけながら120℃で1分間プ
レス接着して熱処理を施し、熱処理後の粘接着シートに
ついて常温下で180度剥離による接着強度を引張試験
機にて測定した。また、その時の剥離破壊位置を目視に
て観察した。これら、熱処理前と熱処理後の測定結果を
表1に示す。
【0045】尚、比較例1のものは、基体上に実施例1
で用いた感圧接着剤のみを全面に塗布したものである。
比較例2のものは、基体上に実施例1で用いた熱硬化性
樹脂組成物のみを塗布したものである。
【0046】
【表1】
【0047】表1から、実施例1〜3は加熱処理前は粘
着性を有し被着体への仮止めが可能な接着力が得られ、
しかも加熱処理を行うことによって接着力が飛躍的に向
上し被着体へ強固に接着したことが確認される。
【0048】しかしながら、比較例1のものは、加熱処
理前の接着力は感圧接着剤により良好であるが、加熱処
理を行っても接着強度が向上せず時間経過と共に逆に低
下してしまった。
【0049】比較例2のものは、加熱処理後では熱硬化
性樹脂組成物により接着力が発現し、高い接着力が得ら
れたものの、加熱処理前では接着力は殆ど無く仮止めは
不可能で作業性の悪いものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明の粘接着体は、同一面に、熱硬化
性樹脂組成物層と感圧接着剤層とが互いに干渉すること
なく形成されているもので、貼着直後から熱処理を施さ
ずとも半永久的に安定な粘着性を示すと共に、熱処理後
においては、接着性がより高まる。したがって、貼着時
の仮止めが可能で作業性が高い上に、耐久性も高いの
で、多くの用途に用いることが可能となる。
【0051】また、熱硬化性樹脂組成物の主成分が耐熱
性に優れるポリカルボジイミド樹脂であると、得られる
粘接着体は高温雰囲気下においても強固な接着力が維持
されるので耐熱性を要する用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘接着体の一例を示す平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】本発明の粘接着体の一例を示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】本発明の粘接着体の一例を示す平面図である。
【図6】本発明の粘接着体の一例を示す側断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基体 2 熱硬化性樹脂組成物層 3 感圧接着剤層 4 間隙 5 熱硬化性樹脂組成物層 6 感圧接着剤層 7 間隙 8 熱溶融性遮断材
フロントページの続き (72)発明者 椎名 義明 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上の同一面内に、熱硬化性樹脂組成
    物層と感圧接着剤層とが接触することなく形成されてい
    ることを特徴とする粘接着体。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂組成物層と感圧接着剤層と
    の間に、熱溶融性遮断材が介在していることを特徴とす
    る請求項1記載の粘接着体。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂組成物は、溶融温度が80
    ℃以上のカルボジイミド基含有ポリマーを主成分とする
    ことを特徴とする請求項1または2記載の粘接着体。
  4. 【請求項4】 カルボジイミド基含有ポリマーの含有量
    が、熱硬化性樹脂組成物の固形分中、2〜200重量%
    であることを特徴とする請求項3記載の粘接着体。
  5. 【請求項5】 カルボジイミド基含有ポリマーが、次式
    で表されるものであることを特徴とする請求項3または
    4記載の粘接着体。 −(N=C=N−R)n− (式中、Rは有機ジイソシアネート残基であり、nは1
    0〜10000の整数である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11106724A (ja) * 1997-10-07 1999-04-20 Mitsubishi Alum Co Ltd アルミニウム箔を用いた接着性シート及びアルミ箔の継目表示法
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