JPH08258717A

JPH08258717A - 小形電動運搬車

Info

Publication number: JPH08258717A
Application number: JP6370895A
Authority: JP
Inventors: Toshikatsu Ito; 敏勝伊藤; Takayuki Ninomiya; 孝行二宮; Kazuhisa Ishizaki; 和久石崎; Takuji Ujiie; 拓司氏家
Original assignee: Hitachi Automotive Engineering Co Ltd; Hitachi Ltd; Hitachi Car Engineering Co Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd; Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Priority date: 1995-03-23
Filing date: 1995-03-23
Publication date: 1996-10-08

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明の目的は、操作性に優れ、安価な小形電
動運搬車を提供することである。【構成】小形電動運搬車１００は、荷台１の前方に方向
固定の前輪４，４ａの片方に減速倍力装置５がを連結さ
れ、且つ、前輪４，４ａは両軸支持されている。又、バ
ッテリー１３，コントローラ１２Ａ，操作ノブ１１ａ、
その他電装品をバッテリーケース１１に収納し、且つ、
バッテリーケース１１はハンドル２に引っ架けるように
装着する構成となっている。【効果】ハンドルを握ったまま速度調整が出来るので速
度調整の操作性が向上し、老齢者や女子にも操作が可能
となり、安全性も向上する。また方向固定の一方のみに
駆動装置を連結したため、方向転換性能を損なうこと無
く構造を単純化出来る利点がある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、小形電動運搬車に係
り、特に運転性の向上と機器構成の単純化に好適な小形
電動運搬車に関する。

【０００２】

【従来の技術】小形電動運搬車は直流モータの回転力を
減速用歯車で倍力し、駆動輪に伝達して運搬のための労
力を軽減して、作業効率を向上させるためのものであ
る。今後は労働人口の高齢化や女子化の増加に伴い、そ
の需要が年々増加して行くことが予想される。従って、
今後の小形電動運搬車は操作が簡単で、使い勝手が良
く、安価なものが要求される。

【０００３】一方、小形電動運搬車は積載物の大きさや
重量が一定せず、狭い所を出入りする場合が多いため、
スピードコントロールが容易で、且つ、小回りがきき、
機器構成が安価なものであることが必要である。

【０００４】同種用途の小形電動運搬車の従来技術とし
ては特開平3−265403 号公報が知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によれば
ハンドル（フレーム２）の上部にグリップ状の電源スイ
ッチと，速度設定スイッチと，前進後進切替えスイッチ
が設けられ、機械系はモータと減速機と差動歯車と電動
クラッチと駆動輪，電機系はバッテリーと前記した各ス
イッチとコントローラとモータから構成されている。

【０００６】上記従来技術による速度設定は片手でグリ
ップ状の電源スイッチをオンしながら別の片手をハンド
ルから放し、速度設定スイッチを操作しなければならな
いので、特に、重量物の運搬時などの操作時に不安全で
あり、また、各スイッチがハンドル上部に装着されてい
るため、電気配線の処理が難しく（ハンドル内部に収納
するのが最良）、又、スイイッチなどの収納ケースが必
要となり構造が複雑になるため、高価で信頼性に問題あ
るものとなっている。

【０００７】更に、差動歯車や電動クラッチなど高価な
機器を用いているため、安価な小形電動運搬車が提供で
きず、従って、使い勝手が良く、安価な小形電動運搬車
を提供するという、今後の需要動向にそった小形電動運
搬車を提供出来ないという欠点を有する。

【０００８】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
消し、操作性に優れ、安価な小形電動運搬車を提供する
ことである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は運搬物を積載す
る荷台と，該荷台の前方に方向固定に装着された前輪
と，前記荷台の後方に方向自在に装着された後輪と，前
記荷台の後方に装着されたハンドルと，走行用モータと
減速機から構成された駆動装置と，該駆動装置を制御す
るコントローラと，該コントローラの操作部と，前記駆
動装置の動力源であるバッテリーを備えた小形電動運搬
車において、前記前輪を構成する２輪のいずれか一方の
駆動軸に前記駆動装置を連結し、且つ、該駆動装置を構
成する減速機を平行軸の歯車列とすることにより達成さ
れる。

【００１０】

【作用】方向固定の前輪の片方に連結された減速倍力装
置は、方向固定の前輪の片方を駆動することにより直進
性が確保でき、一方、カーブを曲がる時には後輪の２輪
を方向自在とし、方向固定の前輪２をそれぞれ独立して
構成してあるため内外輪差が生じ、スムーズな曲がり操
作が行われる。

【００１１】また、減速倍力装置の歯車箱の歯車は全て
平行軸としてあるため、非電動時でも同様の操作が可能
で、更に駆動輪は両軸受で支持し減速倍力装置と継手に
より連結するようにしたことにより、積載荷重を駆動輪
で支持、駆動力を減速倍力装置で伝達することになり、
それぞれの負荷を分担して操舵される。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図５により
説明する。

【００１３】本実施例による小形電動運搬車１００の全
体構造図を図１，図２，図３，図４，図５に示す。

【００１４】図１は小形電動運搬車１００の前輪側から
見た正面図、図２は小形電動運搬車１００の裏側から見
た下面図、図３は小形電動運搬車１００の側面図、図４
はバッテリーケース５を上から見た正面図、図５は減速
倍力装置８と駆動輪２と連結状態、及び装着状態を示し
た図である。

【００１５】図１，図３及び図５において、本実施例の
小形電動運搬車１００は、運搬物を積載する荷台１と、
荷台１の後方部（図３の図示左方）に設けられ操作者が
把時するハンドル２と、荷台１の後方部下側に方向自在
に設けられ荷台１を走行可能に支持する一対の後輪３，
３ａ荷台１の前方部（図３の右方）下側に方向を固定し
て設けられ荷台１を支持する一対の前輪４，４ａと、一
方の前輪に回転力を供給する直流モータ５ａと歯車箱５
ｂとを備えた減速倍力装置５と、歯車箱５ｂ内の最終段
の歯車Ｇ１と連結され、直流モータ５ａからの動力によ
り駆動される駆動軸１０を有している。また前輪４と駆
動軸６との連結には継手７が設けられており、これによ
って駆動軸６から前輪４に駆動を伝達する構成になって
いる。

【００１６】前輪４はコの字状の取付板８に軸受８ａを
介して回動自在に取り付けられ、それを台車１に取付ボ
ルト９を介して支持固定している。減速倍力装置５も同
様に別に設けたＬ字状の取付板１１及び前記ボルト９を
介して台車１に支持固定している。

【００１７】バッテリーケース１１は、該バッテリーケ
ース１１と一体になっている取付ブラケット１１ａによ
りハンドル２の上部にひっかけられて支持され、前記ハ
ンドルに溶接固定された化粧板（型式とか商標などを明
記するためのパネル）１２にネジ１２ａ，１２ｂにより
ネジ止めされ横ずれを防止している。そして該バッテリ
ーケース１１の中にはコントローラ１２Ａ，バッテリー
１３が収納されている。

【００１８】図４に示すバッテリーケース１１の操作部
において、１１ａは速度調整ノブ、１１ｂは前進・後進
切替スイッチ、１１ｃは電源スイッチ、１１ｄはブレー
カ、１１ｅは充電用カプラーの配置の一例を示したもの
である。従って、電気系機器の電気配線はコントローラ
１２Ａと直流モータ５ａ間の配線を除き、全てバッテリ
ーケース１１内で処理出来るため、信頼性が確保出来、
且つ、価格が低減できる。

【００１９】図６は運転者が本発明による小形電動運搬
車１００を運転する時の操作法の一例を示したもので、
右手でハンドル２を握りながら速度調整ノブ１１ａが調
整出来、左手でハンドル２を握りながら電源スイッチ１
１ｃが操作出来ることを示している。

【００２０】以上、本発明による小形電動運搬車１００
の機器構成を示したが、本発明によれば、方向固定の前
輪４，４ａの片方に減速倍力装置５を連結したので駆動
系統の機器構成が単純に出来、しかも前輪４，４ａの片
方を駆動しても、方向固定の前輪を駆動することにより
直進性が確保でき、一方、カーブを曲がる時には後輪３
の２輪を方向自在としたことと、方向固定の前輪４，４
ａはそれぞれ独立して構成したことから内外輪差が生ず
るため、スムーズに曲がることが出来、更に、減速倍力
装置５の歯車箱５ｂの歯車を全て平行軸としたことによ
り、非電動時でも同様の効果が得られ、更に駆動輪４は
両軸受で支持し減速倍力装置５と継手７により連結する
ようにしたことにより、積載荷重を駆動輪４で支持、駆
動力を減速倍力装置５で伝達することになり、それぞれ
の負荷を分担するので信頼性が高く安定した運搬車とな
る。

【００２１】本発明の他の実施例を図７，図８，図９に
示す。この実施例は減速倍力装置５と駆動輪４の連結を
継手７を廃止して機器構成を更に単純化したもので、特
に軽荷重搭載の小形電動運搬車に有効である。図７は小
形電動運搬車の前輪側から見た正面図、図８は小形電動
運搬車の裏側から見た下面図、図９は減速倍力装置と駆
動輪との構成状況を示す部分断面図である。

【００２２】図９において減速倍力装置５の歯車箱５ｂ
は平歯車列により構成され、最終段の歯車Ｇ１の出力軸
１０を延長して駆動輪４の軸として共用、また、取付板
８の一方に減速倍力装置５を出力軸を貫通して装着し、
駆動輪４を固着した先端を取付板８で回動自在に支持し
てある。

【００２３】本実施例によれば駆動輪４の両軸が支持さ
れたことになり、前記実施例の効果の他に継手７と取付
板１０が廃止出来、小形電動運搬車を構成する機器が更
に簡略化出来るという優れた効果がある。

【００２４】次に、本発明による小形電動運搬車の速度
制御の一実施例について説明する。図１０において、バ
ッテリー１３からの電力は、モータ過電流防止のための
ブレーカ１４，操作者が電動運転・非電動運転に応じて
ＯＮ−ＯＦＦ操作をする電源スイッチ１５，バッテリー
逆接時の回路保護用ダイオード３０、及び回路動作安定
のための電源回路３１、を介してボルテージレギュレー
タ３２に接続される。この時、ボルテージレギュレータ
３２からパルス発生回路３３に５Ｖ電圧が供給されてお
り、このパルス発生回路３３のパルス幅が操作ノブ１１
ａに連結されている可変抵抗器３４で調整されることに
より、直流モータ５ａがトランジスタ３５を介しチョッ
パ制御され速度制御が行われる。ここで、前進・後進切
換スイッチ１１ｂの接点がリレー３６側に入っている場
合、リレー３６がＯＮし接点３６ｂ側に切換り、モータ
電流はＸ方向に流れ前進(正転)する。また、前進・後進
切換スイッチ１１ｂの接点がリレー３７側に入った場合
は、リレー３７がＯＮし接点３７ｂ側に切換り、モータ
電流はＹ方向に流れ後進（逆転）する。この時の可変抵
抗器３４の抵抗値とパルス発生回路３３の出力デューテ
ィとの関係を図１１に、パルス発生回路３３からの出力
波形の１例を図１２に示す。

【００２５】図１０において、電源回路３１は、サージ
吸収用のツェナーダイオード３１ａと、電源瞬断時の回
路保護、動作安定のためのケミカルコンデンサ３１ｂ
と、ボルテージレギュレータ３２の発進防止のためのタ
ンタルコンデンサ３１ｃとを備えている。

【００２６】以上本発明の実施例によれば、（１）ハンドルを握ったまま速度調整が出来るようにし
たことにより、連続して木目細かな操作が可能となり、
また、安全性に優れた小形電動運搬車が提供出来る。

【００２７】（２）バッテリケースにコントローラを内
蔵し、且つ、各操作スイッチを装着することにより、全
ての電気配線の這い回しがバッテリーケース内で済み、
且つ、方向固定の前輪の一方に駆動装置を連結すること
により、カーブを曲がる時に左右の前輪で内外輪差が生
じ、後輪が方向自在になっているため自由に方向転換が
可能になるため、高価な電動クラッチと差動歯車を廃止
出来、安価な小形電動運搬車が提供出来る。

【００２８】（３）バッテリーケースをハンドルにひっ
かけるようにしたことにより、台取付けのための加工が
不必要となり、特に、後付けする場合において装着性が
向上する。

【００２９】

【発明の効果】本発明は前輪を構成する２輪のいずれか
一方の駆動軸に駆動装置を連結し、且つ、該駆動装置を
構成する減速機を平行軸の歯車列とすることにより、カ
ーブを曲がる時に左右の前輪で内外輪差が生じ、後輪が
方向自在になり自由に方向転換が可能になるため、ハン
ドルを握ったまま速度調整が出来るので速度調整の操作
性が向上し、老齢者や女子にも操作が可能となり、安全
性も向上する。また方向固定の一方のみに駆動装置を連
結したため、方向転換性能を損なうこと無く構造を単純
化出来る利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による小形電動運搬車の荷台
の方向から見た正面図。

【図２】本発明の一実施例による小形電動運搬車の荷台
の裏面から見た下面図。

【図３】本発明の一実施例による小形電動運搬車の全体
側面図。

【図４】本発明の一実施例による小形電動運搬車のバッ
テリーケースを上方から見た正面図。

【図５】本発明の一実施例による小形電動運搬車に用い
る駆動装置の部分断面図。

【図６】操作ノブと電源スイッチ近傍の詳細構造及びそ
れらの操作方法を示す斜視図。

【図７】本発明の他の実施例による小形電動運搬車の荷
台の方向から見た正面図。

【図８】本発明の他の実施例による小形電動運搬車の荷
台の裏面から見た下面図。

【図９】本発明の他の実施例による小形電動運搬車に用
いる駆動装置の部分断面図。

【図１０】本発明の一実施例による小形電動運搬車に用
いる制御回路構成を示す回路図。

【図１１】図１０に示した可変抵抗の抵抗値とパルス発
生回路の出力デューテイとの関係を表すグラフ図。

【図１２】図１０に示したパルス発生回路からの出力波
形図である。

【符号の説明】

１…荷台、２…ハンドル、３…後輪、４…駆動輪、５…
減速倍力装置、５ａ…直流モータ、５ｂ…歯車箱、６…
駆動軸、７…継手、８…取付板、１０…取付板、１１…
バッテリーケース、１１ａ…速度調整ノブ、１１ｂ…前
進・後進切替スイッチ、１１ｃ…電源スイッチ、１１ｄ
…ブレーカ、１２Ａ…コントローラ、１３…バッテリ
ー、Ｇ１…最終段歯車、１００…小形電動運搬車。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者二宮孝行茨城県ひたちなか市東石川西古内3085番地の５日立カーエレクトロニクス株式会社内 (72)発明者石崎和久茨城県ひたちなか市東石川西古内3085番地の５日立カーエレクトロニクス株式会社内 (72)発明者氏家拓司茨城県ひたちなか市東石川西古内3085番地の５日立カーエレクトロニクス株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】運搬物を積載する荷台と，該荷台の前方に
方向固定に装着された前輪と，前記荷台の後方に方向自
在に装着された後輪と，前記荷台の後方に装着されたハ
ンドルと，走行用モータと減速機から構成された駆動装
置と，該駆動装置を制御するコントローラと，該コント
ローラの操作部と，前記駆動装置の動力源であるバッテ
リーを備えた小形電動運搬車において、前記前輪を構成
する２輪のいずれか一方の駆動軸に前記駆動装置を連結
し、且つ、該駆動装置を構成する減速機が平行軸の歯車
列であることを特徴とした小形電動運搬車。
【請求項２】請求項１記載において、前輪の一方と駆動
装置の連結を継手により連結したことを特徴とした小形
電動運搬車。
【請求項３】請求項１記載において、荷台下部に固定し
た駆動装置の出力軸に駆動輪を固定し、駆動装置に対向
する車輪取付板に前記出力軸の先端を軸受を介して回動
自在に支持したことを特徴とした小形電動運搬車。
【請求項４】請求項１記載において、コントローラをバ
ッテリーケースに収納し、該コントローラの操作部をバ
ッテリーケースの上面に設置すると共に、該バッテリー
ケースをハンンドルに引っ架け装着したことを特徴とし
た小形電動運搬車。
【請求項５】請求項４記載において、バッテリーケース
の上面に設置した車両の速度調整ノブを該ハンドル右下
部近くに、且つ、電源オフスイッチを該ハンドル左前方
のバッテリーケース前面部に装着したことを特徴とした
小形電動運搬車。
【請求項６】請求項５記載において、速度調整ノブに連
動する速度調整器は可変抵抗器であり、且つ、電源オフ
スイッチはモーメンタリスイッチであることを特徴とし
た小形電動運搬車。
【請求項７】請求項６記載において、電源オフスイッチ
は主と副から構成されてバッテリーケースの側面に設置
され、且つ、副のオフスッチは電流遮断ブレーカである
ことを特徴とした小形電動運搬車。