JPH0825817B2 - ガラス状カーボン材の製造方法 - Google Patents

ガラス状カーボン材の製造方法

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JPH0825817B2
JPH0825817B2 JP2311050A JP31105090A JPH0825817B2 JP H0825817 B2 JPH0825817 B2 JP H0825817B2 JP 2311050 A JP2311050 A JP 2311050A JP 31105090 A JP31105090 A JP 31105090A JP H0825817 B2 JPH0825817 B2 JP H0825817B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高強度特性を備える複合系のガラス状カー
ボン材を効率よく製造する方法に関する。
〔従来の技術〕 ガラス状カーボン材は、通常のカーボン材料に比べて
組織にポアを含まない無孔構造を備えており、高度のガ
ス不透過性を有することから、近時とくに半導体や電気
化学の分野などで有用されている。
従来、ガラス状カーボン材の製造技術としては、フェ
ノール樹脂、フラン樹脂のような炭化性の熱硬化性樹脂
の成形体を非酸化性雰囲気下で焼成炭化処理する手段が
典型的方法とされている。ところが、この方法には焼成
時の昇温速度を緩徐に制御しても急激な揮発成分の放散
ならびに材料の収縮現象に伴って組織にクラックが発生
し易いという欠点がある。
このような欠点を解消するために、120〜250℃で加熱
処理したセルロース質の紙に熱硬化性樹脂を含浸し、硬
化、焼成するガラス状炭素材の製造方法(特開昭60−14
5952号公報)、熱硬化性樹脂を含浸したセルロース質の
紙を積層圧着し、硬化、焼成する炭素薄板の製造法(特
開昭60−161144号公報)などが提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記の方法では、セルロース繊維の基材にフェノール
系、フラン系などの熱硬化性樹脂液を含浸した複合組織
の成形体を焼成処理するため、樹脂単独の成形体と比較
して焼成時のクラック発生率が大幅に改善される有利性
がある。
しかしながら、発明者らの研究によるとセルロース質
のパルプ繊維をベースにする場合であっても、その性状
および熱硬化性樹脂の含浸条件等によって得られるガラ
ス状カーボン材の組織性状、とくにピンホールの生成状
況がかなり変動することが判った。
本発明は、このような知見に基づいて研究を重ねた結
果開発に至ったもので、その目的はピンホール不良の発
生がなく、常に均質な不透過性組織と高強度特性を備え
るガラス状カーボン材を効率よく製造する方法を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本発明によるガラス状カー
ボン材の製造方法は、繊維径0.1〜1.0デニール、長さ1
〜5mm、α−セルロース90%以上のパルプ繊維を抄紙し
て含有する平均気孔径が10〜40μmのシートを形成し、
該シートに残炭率40重量%以上の熱硬化性樹脂液を担持
量が30〜100g/m2になるように含浸処理を施して熱風乾
燥し、ついでシートを積層して熱圧下に圧縮比が1/5以
下になるまで圧縮成形したのち、非酸化性雰囲気下で80
0℃以上の温度により焼成炭化することを構成上の特徴
とする。
本発明においてベース基材となるシートは、繊維径0.
1〜1.0デニール、長さ1〜5mm、α−セルロース90%以
上のパルプ繊維を抄紙化して形成したものである。パル
プ繊維の繊維径が0.1デニール未満で長さが1mmを下廻る
場合には局部的なポアが形成されるほか材料強度が低下
し、また繊維径が1.0デニールを上廻り長さが5mmを越え
ると全面にピンホールリークが生じるようになる。
α−セルロース分90%以上を含むパルプ繊維として典
型的なものはレーヨン級の溶解パルプで、90%以上のα
−セルロース成分が熱硬化性樹脂との共存下で高い炭化
性能を示し、炭化後に繊維形態のガラス状カーボンに転
化して材料の高強度性能を付与するために機能する。
シートは、前記パルプ繊維あるいはこれに適宜なバイ
ンダー成分を混合し、水に均一分散させたのち通常の抄
紙手段を用いて形成される。バインダー成分としては、
例えばアカマツ、エゾマツ、トドマツ、モミ、ツガ、カ
ラマツ等の針葉樹系パルプを用いることが好ましい。
この際、形成するシートは、抄紙条件を制御して含有
する平均気孔径が10〜40μmの範囲内に収まる組織性状
に調製する。この平均気孔径が10μm未満では熱硬化性
樹脂を円滑な含浸と均一な担持が困難となり、40μmを
越えるとポアが発生するようになる。
抄造シートは、十分に乾燥したのち残炭率40重量%以
上の熱硬化性樹脂液で含浸処理する。
熱硬化性樹脂の残炭率とは、樹脂を非酸化性雰囲気中
で800℃の温度に焼成したときに残留する炭素分の重量
を指し、この残炭率が40重量%を下廻る場合には、得ら
れるガラス状カーボン材の強度を高めることが困難とな
る。40重量%以上の残炭率を有する熱硬化性樹脂の例と
しては、フェノール系樹脂、フラン系樹脂、ポリイミド
樹脂等が挙げられ、いずれも本発明の目的に有効に使用
される。これら熱硬化性樹脂は好ましくは初期縮合物の
状態で適宜な有機溶媒に溶解して溶液化するが、この溶
液化には例えばアセトン、エタノールのような低粘度で
浸透性が高く、容易に熱揮散する性質の有機溶媒を選定
使用するのが良好である。
含浸処理は、シートを熱硬化性樹脂溶液に浸漬する
か、熱硬化性樹脂溶液をシートに塗布またはスプレーす
る方法によっておこなわれる。
このようなプロセスにより、含浸された樹脂の担持量
が30〜100g/m2のシートを形成する。樹脂担持量が30g/m
2未満であると樹脂によるポアの充填が不十分となり、
他方、100g/m2を越えると充填樹脂が成形工程中に発泡
現象を起こしてピンホールの原因となる。樹脂担持量の
調整は、樹脂液の濃度、浸漬速度、含浸後のローラー絞
り等によっておこなうことができる。
含浸処理後のシートは、50〜100℃の熱風を吹きつけ
て乾燥する。該乾燥工程は樹脂成分中に含有するホルマ
リン、フェノール、水分等を揮散させるために必要な手
段で、この乾燥工程を施さないと硬化段階でポアの発生
が多くなる。
圧縮工程は、前記シートを所要枚数に積層して全面を
加熱しながら圧縮比が1/5以下になるまで加圧成形する
プロセスである。この場合の圧縮比は、成形後の厚さ
(分子)と成形前の積層シートの厚さ(分母)の関係比
である。この圧縮比を1/5以下にする理由は、この圧縮
比より低い圧縮条件では成形段階でシートに担持された
樹脂がポアを完全に充填することができず、組織のガス
不透過性を損ねるからである。
圧縮処理で一体に積層硬化成形されたシートは、非酸
化性雰囲気中で800℃以上の温度により焼成し、熱揮散
性の成分を揮散させると共に熱硬化性樹脂成分を炭化し
てガラス状カーボンに転化させる。この焼成炭化工程
は、圧縮シートを平滑表面を有する黒鉛板で挟み込んだ
形態でおこなうと反りなどの変形を防止する効果があ
る。
〔作 用〕
本発明によれば、繊維径0.1〜1.0デニール、長さ1〜
5mm、α−セルロース90%以上のパルプ繊維を抄紙して
形成した平均気孔径が10〜40μmのシートをベースと
し、これに残炭率40%以上の熱硬化性樹脂液を担持量が
30〜100g/m2になるように含浸することによって、シー
トのポアに樹脂が完全に充填した組織を得ることができ
る。さらに、その後の熱風乾燥、圧縮成形においてポア
の生成が効果的に抑制されるから、最終的な焼成炭化工
程を経て常にピンホール不良のない均質な不透過性組織
を備えるガラス状カーボン材に転化する。
また、シートを構成する90%以上のα−セルロースと
炭化して繊維形態のガラス状カーボンとなり、熱硬化性
樹脂から転化したガラス状カーボンと一体となった複合
組織を形成することになるから、前記の作用と相俟って
優れた材料強度が付与される。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
実施例1〜6、比較例1〜5 繊維径および長さの異なるα−セルロース95%のレー
ヨンパルプ繊維100重量部を針葉樹パルプ(NBKP)10重
量部とともに水に入れ、十分に撹拌混合して均質に分散
させたのち長網式抄紙機を用いて抄造、乾燥し、縦横30
0mm、厚さ0.1mmのシートを形成した。
乾燥シートを、残炭率45%のフェノール樹脂〔住友デ
ュレズ(株)製、“スミライトレジンPR940"〕のエタノ
ール溶液中に浸漬してシート組織内部に樹脂溶液を十分
に含浸させた。この際、熱硬化性樹脂溶液の濃度を調整
して、樹脂担持量を変動させた。含浸シートに100℃の
熱風を吹きつけて乾燥処理をおこなった。
ついで、シートを70枚積層し、150℃に加熱された状
態で100トンプレスにかけて圧縮比1/5(厚さ1.3mm)に
圧縮成形した。
圧縮シートを平滑表面を有する黒鉛板に挟み付けた状
態で電気焼成炉に移し、周囲をコークスパッキング材で
被包して昇温速度20℃/hr.で1000℃の温度まで焼成炭化
処理を施した。
このようにして製造された各ガラス状カーボン材につ
いて各種特性および製品歩留を測定し、結果を製造条件
と対比させて表1に示した。
なお、平均気孔径は水銀圧入法で測定し、気体透過量
の測定は室温において窒素ガス1kg/cm2の条件によって
測定した。
表1の結果から、本発明の実施例においては優れた曲
げ強度と極めて低い気体透過量を備えるガラス状カーボ
ン材が歩留よく製造し得ることが判明する。これに対
し、本発明の特性要件を外れる比較例では、曲げ強度、
気体透過量または製品歩留りのいずれかに点で劣化して
いることが認められる。
〔発明の効果〕 以上のとおり、本発明によればピンホール不良のない
ガス不透過性と優れた強度特性を備える高品位のガラス
状カーボン材を収率よく製造することができる。したが
って、半導体、電気化学のほか多様の分野で使用される
ガラス状カーボン材の製造技術として極めて有用であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維径0.1〜1.0デニール、長さ1〜5mm、
    α−セルロース90%以上のパルプ繊維を抄紙して平均気
    孔径10〜40μmのシートを形成し、該シートに残炭率40
    重量%以上の熱硬化性樹脂液を担持量が30〜100g/m2
    なるように含浸処理を施して熱風乾燥し、ついでシート
    を積層して熱圧下に圧縮比が1/5以下になるまで圧縮成
    形したのち、非酸化性雰囲気下で800℃以上の温度によ
    り焼成炭化することを特徴とするガラス状カーボン材の
    製造方法。
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JPS60145952A (ja) * 1984-01-09 1985-08-01 昭和電工株式会社 ガラス状炭素材の製造法
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