JPH05155672A - 多孔質炭素板及びその製造方法 - Google Patents
多孔質炭素板及びその製造方法Info
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- JPH05155672A JPH05155672A JP32180791A JP32180791A JPH05155672A JP H05155672 A JPH05155672 A JP H05155672A JP 32180791 A JP32180791 A JP 32180791A JP 32180791 A JP32180791 A JP 32180791A JP H05155672 A JPH05155672 A JP H05155672A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 炭素板の黒鉛化を進めることにより、炭素板
の板厚方向の熱伝導率を上げることを可能とする。 【構成】 ポリアクリロニトリル繊維と、パルプを抄紙
して得られたシ−トにその原紙シート100重量部に対
して、固形分重量で20〜160重量部のフェノ−ル樹
脂を含浸した含浸シ−トを得た後、その含浸シ−トを乾
燥後、空気中で不融化し、不活性雰囲気中で800℃以
上で加熱炭化して得られる多孔質炭素板において、不活
性ガス雰囲気中で2400〜3000℃で熱処理するこ
とによって黒鉛化させることを特徴としている。
の板厚方向の熱伝導率を上げることを可能とする。 【構成】 ポリアクリロニトリル繊維と、パルプを抄紙
して得られたシ−トにその原紙シート100重量部に対
して、固形分重量で20〜160重量部のフェノ−ル樹
脂を含浸した含浸シ−トを得た後、その含浸シ−トを乾
燥後、空気中で不融化し、不活性雰囲気中で800℃以
上で加熱炭化して得られる多孔質炭素板において、不活
性ガス雰囲気中で2400〜3000℃で熱処理するこ
とによって黒鉛化させることを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質炭素板の製造方
法に関し、更に詳しくは、ポリアクリロニトリル繊維を
主成分とするシートを焼成した炭素板を更に黒鉛化度を
高めて、板厚方向の熱伝導性を向上させた多孔質炭素板
の製造方法に関する。
法に関し、更に詳しくは、ポリアクリロニトリル繊維を
主成分とするシートを焼成した炭素板を更に黒鉛化度を
高めて、板厚方向の熱伝導性を向上させた多孔質炭素板
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素板の厚さ方向の熱伝導性を向
上させる多孔質炭素板の製造方法として、炭素繊維製造
用有機繊維と、パルプから抄紙したシ−トに有機高分子
物質と炭素質粉末を含浸して含浸シ−トとし、それを加
熱と同時に加圧し成形体とした後、不活性雰囲気中で8
00℃以上の温度で加熱炭化させる方法が知られている
(特公平2−23505号)。また、短い炭素繊維、コ
ークス粒子、結合剤および気孔形成剤からなる混合物を
温圧成型後、不活性雰囲気下で800℃以上で焼成炭化
する方法が知られている(特開平2ー106876
号)。
上させる多孔質炭素板の製造方法として、炭素繊維製造
用有機繊維と、パルプから抄紙したシ−トに有機高分子
物質と炭素質粉末を含浸して含浸シ−トとし、それを加
熱と同時に加圧し成形体とした後、不活性雰囲気中で8
00℃以上の温度で加熱炭化させる方法が知られている
(特公平2−23505号)。また、短い炭素繊維、コ
ークス粒子、結合剤および気孔形成剤からなる混合物を
温圧成型後、不活性雰囲気下で800℃以上で焼成炭化
する方法が知られている(特開平2ー106876
号)。
【0003】ポリアクリロニトリル繊維から高黒鉛化炭
素繊維を得る場合、2千数百℃の温度下で熱処理を行う
ことにより得られることが知られている。又、フェノー
ル樹脂から高黒鉛化炭素を得るには高圧下等の特殊な条
件での熱処理に限られることが知られている。上記の特
公平2−23505号の方法の場合も、1000℃で加
熱炭化後、更に3000℃で熱処理しても、通常の熱硬
化樹脂を含浸した場合、グラッシ−カ−ボンになり、黒
鉛化が進まないため、得られた炭素板の熱伝導度が低い
という問題があった。
素繊維を得る場合、2千数百℃の温度下で熱処理を行う
ことにより得られることが知られている。又、フェノー
ル樹脂から高黒鉛化炭素を得るには高圧下等の特殊な条
件での熱処理に限られることが知られている。上記の特
公平2−23505号の方法の場合も、1000℃で加
熱炭化後、更に3000℃で熱処理しても、通常の熱硬
化樹脂を含浸した場合、グラッシ−カ−ボンになり、黒
鉛化が進まないため、得られた炭素板の熱伝導度が低い
という問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は黒鉛化度を高
めることによって板厚方向の熱伝導度の高い多孔質炭素
板の製造方法を提供することを目的とする。
めることによって板厚方向の熱伝導度の高い多孔質炭素
板の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】厚さ方向の熱伝導度を上
げるために、主成分としてポリアクリロニトリル繊維
と、パルプとからなるシ−トに、シート100重量部に
対して、固形分で20〜160重量部のフェノ−ル樹脂
溶液を含浸し、含浸シ−トを乾燥後、空気中で加熱酸化
処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で800℃以上で加
熱炭化して多孔質炭素板を製造する方法において、上記
加熱炭化処理後、更に不活性ガス雰囲気中で2400〜
3000℃で熱処理を行うことにより黒鉛化が進み、垂
直方向の熱伝導性も上がることが判った。即ち、本発明
者等は、ポリアクリロニトリル繊維シートに熱硬化性樹
脂を含浸し、800℃以上の不活性ガス雰囲気下で加熱
炭化する方法で、高黒鉛化炭素板を得ることを検討した
結果、単に3000℃近くに熱処理しただけでは必ずし
も高黒鉛化は進まず、熱硬化性樹脂としてフェノール樹
脂を使用し、2400〜3000℃の温度範囲で熱処理
することにより初めて高黒鉛化が進むことを見い出だし
た。
げるために、主成分としてポリアクリロニトリル繊維
と、パルプとからなるシ−トに、シート100重量部に
対して、固形分で20〜160重量部のフェノ−ル樹脂
溶液を含浸し、含浸シ−トを乾燥後、空気中で加熱酸化
処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で800℃以上で加
熱炭化して多孔質炭素板を製造する方法において、上記
加熱炭化処理後、更に不活性ガス雰囲気中で2400〜
3000℃で熱処理を行うことにより黒鉛化が進み、垂
直方向の熱伝導性も上がることが判った。即ち、本発明
者等は、ポリアクリロニトリル繊維シートに熱硬化性樹
脂を含浸し、800℃以上の不活性ガス雰囲気下で加熱
炭化する方法で、高黒鉛化炭素板を得ることを検討した
結果、単に3000℃近くに熱処理しただけでは必ずし
も高黒鉛化は進まず、熱硬化性樹脂としてフェノール樹
脂を使用し、2400〜3000℃の温度範囲で熱処理
することにより初めて高黒鉛化が進むことを見い出だし
た。
【0006】上記方法において、原紙シート100重量
部に対してそれぞれ固形分重量で20〜160重量部の
フェノ−ル樹脂と併せて固形分重量で1〜40重量部の
炭素質粉末を混合して含浸してもよい。
部に対してそれぞれ固形分重量で20〜160重量部の
フェノ−ル樹脂と併せて固形分重量で1〜40重量部の
炭素質粉末を混合して含浸してもよい。
【0007】また、上記方法において、含浸シートは乾
燥後、単独でまたは複数枚積層して加熱プレスすること
によって成形および硬化処理を併せて行ってもよい。
燥後、単独でまたは複数枚積層して加熱プレスすること
によって成形および硬化処理を併せて行ってもよい。
【0008】本発明の特徴となる加熱炭化工程は空気中
で加熱酸化処理されたシ−トを、不活性ガス雰囲気中
で、800〜1200℃の温度下で加熱炭化した後、更
に不活性ガス雰囲気中で2400〜3000℃、好まし
くは2700〜3000℃で熱処理する。後段の熱処理
が2400℃以下では黒鉛化が充分に進まず、3000
℃以上にすることは、設備的に困難である。1000℃
付近でガスが発生するために、800〜1200℃の加
熱炭化と2400〜3000℃の2段階に分けることが
好ましい。本発明の炭素板の黒鉛化が進む原因として
は、ポリアクリロニトリルとフェノ−ル樹脂とが加熱酸
化時および焼成時に各々の収縮率に差があって、相互に
張力を受けることにより、黒鉛化が進むものと考えられ
る。
で加熱酸化処理されたシ−トを、不活性ガス雰囲気中
で、800〜1200℃の温度下で加熱炭化した後、更
に不活性ガス雰囲気中で2400〜3000℃、好まし
くは2700〜3000℃で熱処理する。後段の熱処理
が2400℃以下では黒鉛化が充分に進まず、3000
℃以上にすることは、設備的に困難である。1000℃
付近でガスが発生するために、800〜1200℃の加
熱炭化と2400〜3000℃の2段階に分けることが
好ましい。本発明の炭素板の黒鉛化が進む原因として
は、ポリアクリロニトリルとフェノ−ル樹脂とが加熱酸
化時および焼成時に各々の収縮率に差があって、相互に
張力を受けることにより、黒鉛化が進むものと考えられ
る。
【0009】以下に本発明について詳述する。
【0010】ポリアクリロニトリル繊維としては太さ
0.5〜15デニ−ル、長さ0.5〜50mm、好まし
くは抄紙性の点から長さ0.5〜20mmのものを目的
に応じて選択して使用される。
0.5〜15デニ−ル、長さ0.5〜50mm、好まし
くは抄紙性の点から長さ0.5〜20mmのものを目的
に応じて選択して使用される。
【0011】パルプとしては、種類については特別の制
約はなく、一般に製紙用に用いられているパルプから適
宜に選択することができる。叩解度も必要に応じてカナ
ディアンフリ−ネスを600〜200mlと変えて使用
でき、また数種のパルプ、叩解度のものを混合して使用
できる。ポリアクリロニトリルとパルプの配合比は2:
3〜9:1が好ましい。パルプがこれより多いと残炭率
が低く、少ないと抄紙性が悪くなる。
約はなく、一般に製紙用に用いられているパルプから適
宜に選択することができる。叩解度も必要に応じてカナ
ディアンフリ−ネスを600〜200mlと変えて使用
でき、また数種のパルプ、叩解度のものを混合して使用
できる。ポリアクリロニトリルとパルプの配合比は2:
3〜9:1が好ましい。パルプがこれより多いと残炭率
が低く、少ないと抄紙性が悪くなる。
【0012】フェノ−ル樹脂は、レゾ−ル樹脂とノボラ
ック樹脂の何れでもよく、また混合して使用してもよ
い。レゾ−ル樹脂およびノボラック樹脂の形状は液状ま
たは粉末のものが使用される。液状レゾ−ル樹脂は完全
水溶性、水溶性、又は溶剤タイプに分けられるが何れを
使用しても良い。ノボラック樹脂はヘキサミンなど硬化
剤と共に使用される。硬化剤を使用せずレゾ−ル樹脂と
混合して使用することも可能である。レゾ−ル樹脂とノ
ボラック樹脂を混合する場合レゾ−ル樹脂が全体の40
%以上であることが好ましい。
ック樹脂の何れでもよく、また混合して使用してもよ
い。レゾ−ル樹脂およびノボラック樹脂の形状は液状ま
たは粉末のものが使用される。液状レゾ−ル樹脂は完全
水溶性、水溶性、又は溶剤タイプに分けられるが何れを
使用しても良い。ノボラック樹脂はヘキサミンなど硬化
剤と共に使用される。硬化剤を使用せずレゾ−ル樹脂と
混合して使用することも可能である。レゾ−ル樹脂とノ
ボラック樹脂を混合する場合レゾ−ル樹脂が全体の40
%以上であることが好ましい。
【0013】炭素質粉末は炭素板の熱伝導性および電気
伝導性を若干改善するためにフェノール樹脂を含浸する
際併用して使用するのが好ましい。炭素質粉末として
は、粒径が0.1〜40μm、好ましくは0.5〜10
μmのグラファイトまたはカ−ボンブラック等が使用さ
れる。
伝導性を若干改善するためにフェノール樹脂を含浸する
際併用して使用するのが好ましい。炭素質粉末として
は、粒径が0.1〜40μm、好ましくは0.5〜10
μmのグラファイトまたはカ−ボンブラック等が使用さ
れる。
【0014】フェノ−ル樹脂は水溶液、水性エマルジョ
ン、または有機溶剤溶液の状態で原紙シ−トに含浸され
る。必要であれば炭素質粉末が同時に混合して含浸され
る。この含浸方法に格別の限定はなく、浸漬法、スプレ
−法、ロ−ル塗布法、ブラシ塗布法、ドクタ−塗布法な
ど従来方法のいずれであってもよい。
ン、または有機溶剤溶液の状態で原紙シ−トに含浸され
る。必要であれば炭素質粉末が同時に混合して含浸され
る。この含浸方法に格別の限定はなく、浸漬法、スプレ
−法、ロ−ル塗布法、ブラシ塗布法、ドクタ−塗布法な
ど従来方法のいずれであってもよい。
【0015】原紙シ−トに付着するフェノ−ル樹脂の含
浸量が少なすぎると、バインダ−効果、および炭化の際
の炭化収率が劣り、あまり過剰になると目詰まりを起こ
し、またもろくなる。含浸量としてはフェノ−ル樹脂は
原紙シ−ト100重量部に対して20〜160重量部、
好ましくは60〜120重量部である。炭素質粉末の含
浸量が過剰になると目詰まりを起こし、気孔率の調整が
困難になる。含浸量としては原紙シ−ト100重量部に
対して1〜40重量部、好ましくは10〜30重量部で
ある。
浸量が少なすぎると、バインダ−効果、および炭化の際
の炭化収率が劣り、あまり過剰になると目詰まりを起こ
し、またもろくなる。含浸量としてはフェノ−ル樹脂は
原紙シ−ト100重量部に対して20〜160重量部、
好ましくは60〜120重量部である。炭素質粉末の含
浸量が過剰になると目詰まりを起こし、気孔率の調整が
困難になる。含浸量としては原紙シ−ト100重量部に
対して1〜40重量部、好ましくは10〜30重量部で
ある。
【0016】フェノール樹脂を含浸したシ−トは、次い
でプレス成形を行う。プレス成形は最終炭素板に必要な
厚さ、形状、気孔率、孔径を付与するために行い、その
際、加熱処理を併用することにより含浸シ−ト中のフェ
ノール樹脂を硬化させる。含浸シ−トを必要枚数重ね合
せ、同様にプレス処理を行うと、容易に厚手の炭素板が
得られる。プレス加熱条件としては150〜220℃、
1〜60分が適当である。
でプレス成形を行う。プレス成形は最終炭素板に必要な
厚さ、形状、気孔率、孔径を付与するために行い、その
際、加熱処理を併用することにより含浸シ−ト中のフェ
ノール樹脂を硬化させる。含浸シ−トを必要枚数重ね合
せ、同様にプレス処理を行うと、容易に厚手の炭素板が
得られる。プレス加熱条件としては150〜220℃、
1〜60分が適当である。
【0017】上記プレス処理を行ったシ−トは加熱酸化
処理を行なう。加熱酸化処理は、加熱焼成工程後のアク
リル繊維の炭化収率を向上させるために行う。
処理を行なう。加熱酸化処理は、加熱焼成工程後のアク
リル繊維の炭化収率を向上させるために行う。
【0018】加熱酸化の処理条件は、特定しないが、好
ましくは150〜350℃、数10分〜100時間の範
囲で、空気中で処理する。
ましくは150〜350℃、数10分〜100時間の範
囲で、空気中で処理する。
【0019】上記の加熱酸化されたシ−トは、次いで不
活性ガス雰囲気中で、800〜1200℃の温度下で加
熱炭化した後、更に不活性ガス雰囲気中で2400〜3
000℃、好ましくは2700〜3000℃で熱処理さ
れ、本発明の多孔質炭素板を得る。
活性ガス雰囲気中で、800〜1200℃の温度下で加
熱炭化した後、更に不活性ガス雰囲気中で2400〜3
000℃、好ましくは2700〜3000℃で熱処理さ
れ、本発明の多孔質炭素板を得る。
【0020】
【実施例】本発明を更に理解しやすくするために、以下
に実施例を示すが、下記の実施例は本発明を制限するも
のではない。
に実施例を示すが、下記の実施例は本発明を制限するも
のではない。
【0021】実施例1 木材パルプ(NBKP)をカナディアンフリ−ネス25
0mlにまで叩解したものを20重量%に、太さ10デ
ニ−ル、長さ3mmのアクリル繊維80重量%に水を加
えてスラリ−を得て、円網抄紙機で常法により坪量で1
00g/m2のシ−トを抄造した。この原紙シ−トにフ
ェノ−ル樹脂(群栄化学製、PL−2215)を固形分
で80g/m2と炭素質粉末(平均粒径10μm)を固
形分で20g/m2、総固形分30%のメタノ−ル溶液
にて混合含浸し、100g/m2含浸した含浸シートを
得た後、105℃の温度で乾燥した。
0mlにまで叩解したものを20重量%に、太さ10デ
ニ−ル、長さ3mmのアクリル繊維80重量%に水を加
えてスラリ−を得て、円網抄紙機で常法により坪量で1
00g/m2のシ−トを抄造した。この原紙シ−トにフ
ェノ−ル樹脂(群栄化学製、PL−2215)を固形分
で80g/m2と炭素質粉末(平均粒径10μm)を固
形分で20g/m2、総固形分30%のメタノ−ル溶液
にて混合含浸し、100g/m2含浸した含浸シートを
得た後、105℃の温度で乾燥した。
【0022】乾燥後の含浸シ−ト11枚を重ね、170
℃の温度で5分間、熱プレスした。その際、スペ−サ−
を使用して3.7mmの厚さのプレス板にした。
℃の温度で5分間、熱プレスした。その際、スペ−サ−
を使用して3.7mmの厚さのプレス板にした。
【0023】そのプレス板を220℃で40時間、空気
中で加熱酸化処理を行った後、グラファイト板に挟んで
1000℃の窒素ガス中で1時間、加熱炭化処理を行
い、その後アルゴンガス中で2800℃で30分間加熱
焼成し、多孔質炭素板を得た。
中で加熱酸化処理を行った後、グラファイト板に挟んで
1000℃の窒素ガス中で1時間、加熱炭化処理を行
い、その後アルゴンガス中で2800℃で30分間加熱
焼成し、多孔質炭素板を得た。
【0024】実施例2 実施例1と同様に炭素板を製造した。ただし炭素質粉末
は含浸せず、プレス板の厚さを3.4mmとした。
は含浸せず、プレス板の厚さを3.4mmとした。
【0025】比較例1 木材パルプ(NBKP)をカナディアンフリ−ネス25
0mlにまで叩解したものを20重量%に、太さ10デ
ニール、長さ10mmのカイノール繊維を80重量%に
水を加えてスラリ−を得て、円網抄紙機で常法により坪
量で100g/m2のシ−トを抄造した。この原紙シ−
トにフェノ−ル樹脂(群栄化学製、PL−2215)を
固形分で80g/m2と炭素質粉末(平均粒径10μ
m)を固形分で20g/m2、総固形分30%のメタノ
−ル溶液にて混合含浸し、100g/m2含浸した含浸
シートを得た後、105℃の温度で乾燥した。
0mlにまで叩解したものを20重量%に、太さ10デ
ニール、長さ10mmのカイノール繊維を80重量%に
水を加えてスラリ−を得て、円網抄紙機で常法により坪
量で100g/m2のシ−トを抄造した。この原紙シ−
トにフェノ−ル樹脂(群栄化学製、PL−2215)を
固形分で80g/m2と炭素質粉末(平均粒径10μ
m)を固形分で20g/m2、総固形分30%のメタノ
−ル溶液にて混合含浸し、100g/m2含浸した含浸
シートを得た後、105℃の温度で乾燥した。
【0026】乾燥後の含浸シ−ト11枚を重ね、170
℃の温度で5分間、熱プレスした。その際、スペ−サ−
を使用して3.7mmの厚さのプレス板にした。
℃の温度で5分間、熱プレスした。その際、スペ−サ−
を使用して3.7mmの厚さのプレス板にした。
【0027】そのプレス板を220℃で40時間、空気
中で加熱酸化処理を行った後、グラファイト板に挟んで
1000℃の窒素ガス中で1時間、加熱炭化処理を行
い、その後アルゴンガス中で2800℃で30分間熱処
理し、多孔質炭素板を得た。
中で加熱酸化処理を行った後、グラファイト板に挟んで
1000℃の窒素ガス中で1時間、加熱炭化処理を行
い、その後アルゴンガス中で2800℃で30分間熱処
理し、多孔質炭素板を得た。
【0028】比較例2 実施例1と同様に炭素板を製造した。ただし、熱処理温
度を2200℃とした。
度を2200℃とした。
【0029】比較例3 木材パルプ(NBKP)をカナディアンフリ−ネス25
0mlにまで叩解したものを20重量%に、太さ10デ
ニ−ル、長さ3mmのアクリル繊維80重量%に水を加
えてスラリ−を得て、円網抄紙機で常法により坪量で1
00g/m2のシ−トを抄造した。この原紙シ−トにポ
リイミド樹脂(宇部興産製、商品名U−ワニス−A)を
固形分で40g/m2と炭素質粉末(平均粒径10μ
m)を固形分で20g/m2、N−メチル−2−ピロリ
ドン溶液にて混合含浸し、60g/m2含浸した含浸シ
ートを得た後、105℃の温度で乾燥した。乾燥後の含
浸シ−ト11枚を重ね、170℃で5分間、250℃で
5分間、350℃で10分間熱プレスした。その際、ス
ペ−サ−を使用して3.0mmの厚さのプレス板にし
た。そのプレス板を220℃で40時間、空気中で加熱
酸化処理を行った後、グラファイト板に挟んで1000
℃の窒素ガス中で1時間、加熱炭化処理を行い、その後
アルゴンガス中で2800℃で30分間熱処理し、多孔
質炭素板を得た。
0mlにまで叩解したものを20重量%に、太さ10デ
ニ−ル、長さ3mmのアクリル繊維80重量%に水を加
えてスラリ−を得て、円網抄紙機で常法により坪量で1
00g/m2のシ−トを抄造した。この原紙シ−トにポ
リイミド樹脂(宇部興産製、商品名U−ワニス−A)を
固形分で40g/m2と炭素質粉末(平均粒径10μ
m)を固形分で20g/m2、N−メチル−2−ピロリ
ドン溶液にて混合含浸し、60g/m2含浸した含浸シ
ートを得た後、105℃の温度で乾燥した。乾燥後の含
浸シ−ト11枚を重ね、170℃で5分間、250℃で
5分間、350℃で10分間熱プレスした。その際、ス
ペ−サ−を使用して3.0mmの厚さのプレス板にし
た。そのプレス板を220℃で40時間、空気中で加熱
酸化処理を行った後、グラファイト板に挟んで1000
℃の窒素ガス中で1時間、加熱炭化処理を行い、その後
アルゴンガス中で2800℃で30分間熱処理し、多孔
質炭素板を得た。
【0030】比較例4 実施例1と同様に炭素板を製造した。ただし1000℃
で加熱炭化後は熱処理をしなかった。
で加熱炭化後は熱処理をしなかった。
【0031】上記の実施例1、2と比較例1、2、3お
よび4で得られた炭素板の板厚方向の熱伝導率をレ−ザ
−熱定数測定装置(理学電機製)でレ−ザ−フラッシュ
法によりレ−ザ−パルス500μsec、充電電圧2.
5kV、真空中で測定した。結果を表1に示す。
よび4で得られた炭素板の板厚方向の熱伝導率をレ−ザ
−熱定数測定装置(理学電機製)でレ−ザ−フラッシュ
法によりレ−ザ−パルス500μsec、充電電圧2.
5kV、真空中で測定した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】 表1から明らかなように本発明により得られた実施例1
および実施例2は、比較例1〜4に対して熱伝導度が向
上していることがわかる。
および実施例2は、比較例1〜4に対して熱伝導度が向
上していることがわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、ポリアクリロニトリル繊維と
パルプから抄紙法により得られたシ−トに、フェノ−ル
樹脂と必要に応じて炭素質粉末を混合含浸処理後、好ま
しくは積層してプレスで、加熱成形処理を行った後加熱
焼成することにより多孔質炭素板を得る方法である。
パルプから抄紙法により得られたシ−トに、フェノ−ル
樹脂と必要に応じて炭素質粉末を混合含浸処理後、好ま
しくは積層してプレスで、加熱成形処理を行った後加熱
焼成することにより多孔質炭素板を得る方法である。
【0034】本発明の特徴は、800〜1200℃で加
熱炭化後、さらに2400〜3000℃で熱処理して黒
鉛化を進めることにより、板厚方向の熱伝導度の優れた
多孔質炭素板が得られるようになった。
熱炭化後、さらに2400〜3000℃で熱処理して黒
鉛化を進めることにより、板厚方向の熱伝導度の優れた
多孔質炭素板が得られるようになった。
Claims (7)
- 【請求項1】 主成分としてポリアクリロニトリル繊維
と、パルプとからなるシ−トに、シート100重量部に
対して、固形分で20〜160重量部のフェノ−ル樹脂
溶液を含浸し、含浸シ−トを乾燥後、空気中で加熱酸化
処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で800℃以上で加
熱炭化して多孔質炭素板を製造する方法において、上記
加熱炭化処理後、更に不活性ガス雰囲気中で2400〜
3000℃で熱処理を行うことを特徴とする多孔質炭素
板の製造方法。 - 【請求項2】 シートが湿式抄紙法により得られたシー
トであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質炭素
板の製造方法。 - 【請求項3】 シートが乾式抄紙法により得られたシー
トであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質炭素
板の製造方法。 - 【請求項4】 フェノール樹脂溶液が炭素質粉末を含有
することを特徴とする請求項1に記載の多孔質炭素板の
製造方法。 - 【請求項5】 フェノール樹脂溶液中のフェノール樹脂
と炭素質粉末との配合割合が20〜160重量部対1〜
40重量部であることを特徴とする請求項4に記載の多
孔質炭素板の製造方法。 - 【請求項6】 含浸シートを2枚以上積層して加熱プレ
ス処理を行った後、加熱酸化処理を行うことを特徴とす
る請求項1に記載の多孔質炭素板の製造方法。 - 【請求項7】 主成分としてポリアクリロニトリル繊維
と、パルプとからなるシ−トに、シート100重量部に
対して、固形分で20〜160重量部のフェノ−ル樹脂
溶液を含浸し、含浸シ−トを乾燥後、空気中で加熱酸化
処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で800℃以上で加
熱炭化して得られる多孔質炭素板において、上記加熱炭
化処理後、更に不活性ガス雰囲気中で2400〜300
0℃で熱処理を行うことを特徴とする多孔質炭素板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32180791A JPH05155672A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | 多孔質炭素板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32180791A JPH05155672A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | 多孔質炭素板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05155672A true JPH05155672A (ja) | 1993-06-22 |
Family
ID=18136640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32180791A Pending JPH05155672A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | 多孔質炭素板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05155672A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2012099036A1 (ja) * | 2011-01-21 | 2014-06-30 | 三菱レイヨン株式会社 | 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、固体高分子型燃料電池、前駆体シート、およびフィブリル状繊維 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6042213A (ja) * | 1983-08-19 | 1985-03-06 | Showa Denko Kk | 炭素薄板の製造法 |
JPS60122711A (ja) * | 1983-12-08 | 1985-07-01 | Oji Paper Co Ltd | 多孔質炭素板の製造方法 |
JPH0248466A (ja) * | 1988-08-08 | 1990-02-19 | Kawasaki Steel Corp | 薄板状炭素材料の製造法 |
JPH02184510A (ja) * | 1989-01-10 | 1990-07-19 | Showa Denko Kk | 炭素板の製造法 |
-
1991
- 1991-12-05 JP JP32180791A patent/JPH05155672A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6042213A (ja) * | 1983-08-19 | 1985-03-06 | Showa Denko Kk | 炭素薄板の製造法 |
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JPH02184510A (ja) * | 1989-01-10 | 1990-07-19 | Showa Denko Kk | 炭素板の製造法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2012099036A1 (ja) * | 2011-01-21 | 2014-06-30 | 三菱レイヨン株式会社 | 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、固体高分子型燃料電池、前駆体シート、およびフィブリル状繊維 |
JP5713003B2 (ja) * | 2011-01-21 | 2015-05-07 | 三菱レイヨン株式会社 | 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、固体高分子型燃料電池、前駆体シート、およびフィブリル状繊維 |
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