JPH07220732A - リン酸型燃料電池用多孔質炭素板の製造方法 - Google Patents

リン酸型燃料電池用多孔質炭素板の製造方法

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JPH07220732A
JPH07220732A JP6010505A JP1050594A JPH07220732A JP H07220732 A JPH07220732 A JP H07220732A JP 6010505 A JP6010505 A JP 6010505A JP 1050594 A JP1050594 A JP 1050594A JP H07220732 A JPH07220732 A JP H07220732A
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JP
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carbon plate
temperature
porous carbon
phosphoric acid
sheet
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JP6010505A
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Katsuhiko Sugiyama
勝彦 杉山
Tatsuhiro Kaneda
竜大 金田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リン酸に濡れ難いリン酸型燃料電池用多孔質
炭素板を提供する。 【構成】 炭素繊維製造用有機繊維およびパルプを抄紙
して得られたシートに、有機高分子物質の溶液を含浸さ
せて含浸シートを製造し、その含浸シートを乾燥した
後、またはこの乾燥したシートを単層または積層して加
熱プレスして成形および硬化を行った後、空気中で不融
化し、不活性ガス雰囲気中で2000℃以上の温度で黒
鉛化して得られる気孔率50〜80%の多孔質炭素板の
製造方法において、黒鉛化処理後の雰囲気温度を降温さ
せる際に600〜300℃の範囲の温度で水蒸気と接触
させることを特徴とするリン酸型燃料電池用多孔質炭素
板の製造方法、およびリン酸に濡れ易くなった多孔質炭
素板を600〜300℃の範囲の温度で水蒸気と接触さ
せることを特徴とするリン酸型燃料電池用多孔質炭素板
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン酸型燃料電池の電
極に使用される多孔質炭素板の製造方法に関し、更に詳
しく述べるならば、本発明はリン酸型燃料電池の電解質
であるリン酸に濡れにくいリン酸型燃料電池用多孔質炭
素板(以下、多孔質炭素板と略す)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】リン酸型燃料電池はリン酸を電解質とし
てマトリックスに保持させ、水素電極と空気電極で挟持
した構成となっている。水素電極と空気電極はどちらも
多孔質炭素板上に触媒層として白金等の触媒を担持させ
たカーボン粉末とフッ素樹脂を塗工して結合させてあ
り、多孔質炭素板側から供給される水素あるいは空気を
触媒層中でリン酸と反応させることで電気化学反応によ
り発電させるものである。上記触媒層には、マトリック
ス中からのリン酸が適度に入り込み、反応にたずさわる
必要がある。しかし、リン酸が触媒層を通り抜けて多孔
質炭素板に入り込むと、ガス供給機能が損なわれ、反応
が充分に行われない。そのため通常フッ素樹脂処理によ
って多孔質炭素板に撥水処理を施される。
【0003】しかし、撥水処理前の多孔質炭素板がリン
酸に濡れ易いと、撥水処理を施しても充分な撥水性を与
えられない場合がある。そのためガス供給が不良にな
り、また、撥水性を上げるためにフッ素樹脂を過度に付
着させると熱伝導率の低下や電気抵抗が高くなるなどの
問題が生じる。従って、撥水処理前の多孔質炭素板はリ
ン酸に濡れにくいことが必要である。
【0004】多孔質炭素板が黒鉛化していると非常に親
油性になるため親水性のリン酸には濡れにくくなる。し
かし多孔質炭素板が高温空気酸化を受けると炭素材表面
に水酸基、カルボニル基、カルボキシル基等が導入され
てリン酸に濡れ易くなることが判っている。又、多孔質
であるために表面積が大きく、緻密な炭素材と比較する
と高温空気酸化され易い。この高温空気酸化は一般の黒
鉛では約420℃以上で起こることが知られている。
【0005】加熱炭化処理で黒鉛化する際に使用される
黒鉛化炉は、大きく分けて開放式と閉鎖式がある。開放
式の代表なものであるアヂソン炉はコークス粒をパッキ
ング材として炉詰めし、直接通電して抵抗加熱する。一
方真空電気炉では、炉の中を真空にして通電加熱する。
開放炉を使用することは真空電気炉と比較してコストの
点で大幅に有利である。アヂソン炉では多孔質炭素板は
ケースに入れて通電加熱するが、加熱後コークスを取り
除きながら冷却する為、冷却に従い空気がケース中に入
り多孔質炭素板が高温空気酸化する可能性がある。
【0006】従来、炭素板の厚さ方向の熱伝導性が高い
多孔質炭素板の製造方法として、炭素繊維製造用有機繊
維と、パルプから抄紙したシートに有機高分子物質と炭
素質粉末を含浸して含浸シートとし、それを加熱と同時
に成形体とした後、不活性ガス雰囲気中で800℃以上
の温度で加熱炭化させる方法が知られている(特公平2
ー23505号公報)。
【0007】また、特開平2ー106876号公報によ
ると、短炭素繊維とコークス粒子、結合剤および気孔形
成剤の混合物を温圧成形し、不活性雰囲気下もしくは減
圧下で800〜3000℃で加熱炭化して多孔質炭素板
を得る方法が開示されている。
【0008】これらの方法で多孔質炭素板を製造する際
に加熱炭化処理の黒鉛化で開放炉を使用するとその冷却
過程において高温空気酸化が起こり易く、その結果リン
酸に濡れ易くなる。そのためリン酸型燃料電池用炭素板
に使用することが難しく、多孔質炭素板の歩留まりが下
がるため改善が必要とされていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リン酸型燃
料電池の電解質であるリン酸に濡れにくい多孔質炭素板
の製造方法およびリン酸に濡れ易くなった多孔質炭素板
を再処理により再びリン酸に濡れ難くする改善方法を提
供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはリン酸型燃
料電池用多孔質炭素板が電解質のリン酸に濡れ易くなる
のは、加熱炭化に使用される黒鉛化炉が開放炉の場合、
冷却にともない高温空気酸化を受けて多孔質炭素板の表
面に含酸素官能基が修飾することに起因しており、その
表面の酸化を防止するためには、300〜600℃の温
度で水蒸気と接触反応させれば良い事を見いだした。ま
た、既に酸化した表面を改質するためには、300〜6
00℃の温度で水蒸気と反応させれば良い事を見出し、
本発明に到達したものである。
【0011】すなわち、本発明に係わるリン酸型燃料電
池用多孔質炭素板の製造方法は、 (1) 炭素繊維製造用有機繊維およびパルプを抄紙し
て得られたシートに、有機高分子物質の溶液を含浸させ
て含浸シートを製造し、その含浸シートを乾燥した後、
または乾燥した含浸シートを単層または積層して加熱プ
レスして成形および硬化を行った後、空気中で不融化
し、不活性ガス雰囲気中で2000℃以上の温度で黒鉛
化して得られる気孔率50〜80%の多孔質炭素板の製
造方法において、黒鉛化処理後の雰囲気温度を降温させ
る際に600〜300℃の範囲の温度で、処理する炭素
板の重量、1kg当り0.5〜20kgの水蒸気を吹き
込み、水蒸気と接触させることを特徴とする。
【0012】(2) 炭素繊維製造用有機繊維およびパ
ルプを抄紙して得られたシートに、有機高分子物質の溶
液を含浸させて含浸シートを製造し、その含浸シートを
乾燥した後、または乾燥したシートを単層または積層し
て加熱プレスして成形および硬化を行った後、不活性ガ
ス雰囲気中で2000℃以上の温度で黒鉛化して得られ
た気孔率50〜80%の多孔質炭素板を600〜300
℃の範囲の温度で、処理する炭素板の重量、1kg当り
0.5〜20kgの水蒸気を吹き込み、水蒸気と接触さ
せることを特徴とするものである。
【0013】本発明の構成要素について以下に詳述す
る。本発明に用いる炭素繊維製造用有機繊維としては、
再生セルロース繊維は、ピッチ繊維、フェノール繊維、
ポリアクリロニトリル繊維等、炭素繊維を製造する場合
に普通に使用される有機繊維が適当であり、0.5〜1
5デニール、長さ2〜15mm、好ましくは抄紙性等の点
から0.5〜8デニール、長さ3〜10mmのものを目的
に応じて選択し、単独であるいは2種以上を配合して使
用する。
【0014】この発明に用いられるパルプとしては、セ
ルロースパルプのほか、各種合成パルプが適しており、
これらのパルプは抄紙の際に有機繊維のつなぎとして作
用する。抄紙用バインダーとしては、例えばポリビニル
アルコール繊維、各種合成パルプ、抄紙用レーヨン等の
冷水中に溶解しないが熱水に溶解する繊維で、抄紙用バ
インダーとして一般に市販されているものを使用するこ
とができる。合成樹脂エマルジョンも抄紙バインダーと
して使用することができる。
【0015】有機繊維、パルプおよびまたは抄紙用バイ
ンダーは、それぞれ70〜95重量部、3〜30重量部
の割合で混合して常法により抄紙する。抄紙は、通常の
湿式法でも、乾式法の何れでもよいが、シート密度が低
い場合は乾式法が好適であり、比較的高密度では湿式法
が好適である。
【0016】有機繊維が70重量部以下になると、孔
径、気孔率等のコントロールがむずかしくなり、かつ強
度も低くなつて良好なシートが得られなくなり、一方9
5重量部以上では抄紙の際に良好なシート形成がむずか
しい。更に湿潤強度を維持するためにも、パルプと抄紙
用バインダーとを合計で5重量部以上配合するのが好ま
しい。
【0017】含浸に用いる有機高分子物質としては、例
えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ポリジビニルベンゼンの如き熱硬化性樹脂、塩
化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ化ビニル樹
脂、フッ化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル樹脂等の
熱可塑性樹脂、更にリグニン、ピツチまたはタールの如
きものも使用される。これらの高分子化合物の好ましい
性質としては、何等かの溶剤に溶解するか、または熱処
理時の高温で融解することおよび炭素含有量が30重量
%以上あり炭化後、炭素質バインダーとして炭素繊維内
の結合に役立つものであり、熱硬化性樹脂が好ましい。
【0018】含浸に用いる炭素質粉末は、熱伝導性、電
気伝導性を付与するためのものであり、粒径が0.1〜
40μm、好ましくは0.5〜10μmのグラファイト
又はカーボンブラックが使用される。
【0019】前記の有機高分子物質の溶液または分散液
に炭素質粉末を分散し、混抄紙を含浸処理する。混抄紙
に付着する有機高分子物質の含浸量が少なすぎると、バ
インダー効果および炭化の際の炭化収率が劣り、あまり
過剰になると最終炭素板の厚さ方向の強度が低くなる。
好ましい含浸付着量としては、混抄紙の重量の20〜2
00%、さらに好ましくは30〜120%である。炭素
質粉末は混抄紙の重量に対して1〜40%、好ましくは
5〜30%含浸される。これより含浸量が少なすぎると
最終炭素板に熱伝導性および電気伝導性が十分に付与で
きず、多すぎると目詰まりの原因となる。
【0020】含浸したシートを、必要であれば熱プレス
処理を行い、シート中の樹脂を硬化させる。熱プレス処
理は最終炭素板に必要な厚さ、形状、空隙率を付与する
ために行う。上記プレス処理の際、含浸シートを必要枚
数重ね合わせ、同様に熱プレス処理を行うと容易に厚手
の最終炭素板が得られる。熱プレス処理の条件は、積層
枚数および樹脂含浸量によって異なるが、150〜22
0℃で1〜60分が適当である。
【0021】不融化の処理条件は、特定しないが、例え
ば150℃から350℃、数10分から10数時間、空
気中で加熱する。ついで、不活性ガス雰囲気中で100
0℃で数時間、加熱焼成して炭素板を得る。
【0022】前記のごとく加熱焼成した炭素板を黒鉛製
のケースに積載して詰めたのち、ケースに蓋をして、黒
鉛化炉の中に通電発熱体であるコークス粒でケースの上
下周囲をパッキングして炉詰めし、必要な温度と時間で
通電加熱して黒鉛化させる。降温は冷却した表面のコー
クス粒を取り除きながら自然冷却に任せる。コークス粒
を適度な深さまで取り除いたときにケースが埋まってい
る深さのケース周囲のコークス粒の温度を測定し、60
0℃〜300℃であればケースの蓋を開け、水蒸気を吹
き込む。水蒸気の温度は110〜140℃程度、吹き込
み量は炭素板重量1kg当り0.5〜20kgが適当で
ある。このとき、ケースの蓋の四隅に水蒸気専用の吹き
込み口を設けておくと作業性がよい。水蒸気の吹き込み
によってケース温度が300℃以下に下がれば、表面の
改質効果が得られないため、吹き込み時間は、吹き込み
開始温度、吹き込み量によって決まることになる。
【0023】黒鉛化処理時の条件が悪く、酸化してしま
った最終炭素板についても、密閉式の炉の中で加熱して
水蒸気処理をすれば表面を改質できる。炉は、電気、ガ
ス、重油いずれで加熱しても良い。炉の中に最終炭素板
を積載し、炉内空気を不活性ガスに置換した後に昇温す
る。300〜600℃まで昇温した後、水蒸気を炉内に
吹き込んで最終炭素板を処理すればよい。
【0024】温度が600℃を越えて水蒸気にあてると
急激な温度変化による多孔質炭素板に与えるダメージが
大きく、曲げ強度、圧縮強度の低下が起こり好ましくな
い。温度が300℃未満であると充分な反応が起こらず
効果が期待できない。
【0025】
【作用】約700〜300℃の温度領域では、次に示す
(1)式の反応は起こり難く(2)式の反応は起こり易
いことは知られている。
【0026】
【式1】
【0027】
【式2】 本願発明の作用は600〜300℃の温度範囲で多孔質
炭素板を水蒸気に触れさせると黒鉛構造のエッジに導入
されているカルボニル基やカルボキシル基からCOがと
れて、表面の含酸素官能基が減少し、一方、酸化は起き
にくい為に表面が疎水性になると推定される。そのた
め、処理する板が仮に600℃より高温で空気酸化を受
けていたとしても、本願発明の処理によって、表面を疎
水性に改質することが可能と考えられる。
【0028】
【実施例】本発明を下記実施例によって、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれによって制限するものでは
ない。
【0029】実施例1 カナディアンフリ−ネス250mlにまで叩解した木材
パルプ(NBKP)を40重量%と、麻パルプ(アバ
カ)を20重量部、太さ0.5デニ−ル、長さ3mmの
アクリル繊維20重量%、太さ3デニール長さ3mmの
アクリル繊維20重量部よりなる混合物に水を加えてス
ラリ−を得て、このスラリーより円網抄紙機で常法によ
り坪量100g/m2、幅1.2mのシ−トを抄造し
た。この原紙シ−トに含浸量がフェノ−ル樹脂(群栄化
学製、PL−2215)を固形分で90g/m2と、黒
鉛粉末(平均粒径10μm)を固形分で10g/m2
なるように、総固形分30%のメタノ−ル溶液にて混合
含浸し、100g/m2含浸した含浸シートを得た。そ
の後105℃の温度で乾燥し、乾燥後含浸シ−ト11枚
を重ね、170℃の温度で5分間、熱プレスした。その
際、スペ−サ−を使用して3.7mmの厚さのプレス板
にした。そのプレス板を220℃で40時間、空気中で
不融化処理を行った後、グラファイト板に挟んでSUS
製のケースに入れ、1000℃で24時間加熱炭化処理
を行った。その後、グラファイト板に炭化後の炭素板を
30枚挟んで黒鉛製の箱に入れ、アジソン炉でコークス
に埋めて2800℃で加熱処理した。その後、冷却中に
多孔質炭素板の温度が600℃になったら120℃の水
蒸気を30kg/分、黒鉛製の箱に吹き込んだ。
【0030】実施例2 実施例1と同様にして多孔質炭素板を得たが、温度が3
00℃で水蒸気を黒鉛製の箱に吹き込んだ。
【0031】実施例3 原紙シートを坪量200g/m2で抄紙し、この原紙シ
ートに対してフェノ−ル樹脂を固形分で180g/m2
と、黒鉛粉末を固形分で20g/m2付着するように含
浸し、乾燥後、積層せずに1枚だけで厚さ0.7mmに
プレスした以外は実施例1と同様にして多孔質炭素板を
得た。
【0032】比較例1 実施例1と同様にして多孔質炭素板を得たが、温度が7
00℃で水蒸気を黒鉛製の箱に吹き込んだ。
【0033】比較例2 実施例1と同様にして多孔質炭素板を得たが、温度が3
0℃で水蒸気を黒鉛製の箱に吹き込んだ。
【0034】比較例3 実施例3と同様にして多孔質炭素板を得たが、温度が3
0℃で水蒸気を黒鉛製の箱に吹き込んだ。
【0035】実施例4 比較例2で得られた多孔質炭素板10枚を黒鉛板で挟ん
で電気炉に入れ、炉内空気を窒素ガスに置換した後、1
00℃/時間の割合で400℃まで昇温した。その後、
120℃の水蒸気を10kg/分の割合で炉内に吹き込
み、水蒸気処理した多孔質炭素板を得た。
【0036】実施例5 比較例3で得られた多孔質炭素板10枚を黒鉛板で挟ん
で電気炉に入れ、炉内空気を窒素ガスに置換した後、1
00℃/時間の割合で400℃まで昇温した。その後、
120℃の水蒸気を10kg/分の割合で炉内に吹き込
み、水蒸気処理した多孔質炭素板を得た。
【0037】得られた多孔質炭素板のりん酸に対する濡
れ性を調べるため、85%濃度のリン酸を0.03g滴
下してその吸収速度を測定した。6秒以上であればリン
酸の濡れ性は問題ない。
【0038】また、得られた多孔質炭素板の強度低下を
調べるために曲げ強度を測定した。曲げ強度は150k
g/cm2 以上が必要である。リン酸の吸収速度および
曲げ強度の平均値を表1に示す。
【0039】
【表1】 表1から明らかなように、本発明により得られた実施例
1、2、3、4および5の多孔質炭素板は、比較例1、
2、および3で得られた多孔質炭素板と比較してリン酸
に濡れにくく、かつ強度低下もないことが判る。
【0040】
【発明の効果】本発明によって得られる多孔質炭素板は
表1に示す通り従来の多孔質炭素板よりリン酸に濡れ難
く、リン酸型燃料電池の電極板にすべくフッ素樹脂を塗
工すれば電解質であるリン酸が入り込むことがなく良好
なガス供給機能を発揮することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維製造用有機繊維およびパルプを
    抄紙して得られたシートに、有機高分子物質の溶液を含
    浸させて含浸シートを製造し、その含浸シートを乾燥し
    た後、または乾燥した含浸シートを単層または積層して
    加熱プレスして成形および硬化を行った後、空気中で不
    融化し、不活性ガス雰囲気中で2000℃以上の温度で
    黒鉛化して得られる気孔率50〜80%の多孔質炭素板
    の製造方法において、黒鉛化処理後の雰囲気温度を降温
    させる際に600〜300℃の範囲の温度で、処理する
    炭素板の重量、1kg当り0.5〜20kgの水蒸気を
    吹き込み、水蒸気と接触させることを特徴とするリン酸
    型燃料電池用多孔質炭素板の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素繊維製造用有機繊維およびパルプを
    抄紙して得られたシートに、有機高分子物質の溶液を含
    浸させて含浸シートを製造し、その含浸シートを乾燥し
    た後、または乾燥した含浸シートを単層または積層して
    加熱プレスして成形および硬化を行った後、空気中で不
    融化し、不活性ガス雰囲気中で2000℃以上の温度で
    黒鉛化して得られた気孔率50〜80%の多孔質炭素板
    を600〜300℃の範囲の温度で、処理する炭素板の
    重量、1kg当り0.5〜20kgの水蒸気を吹き込
    み、水蒸気と接触させることを特徴とするリン酸型燃料
    電池用多孔質炭素板の製造方法。
JP6010505A 1994-02-01 1994-02-01 リン酸型燃料電池用多孔質炭素板の製造方法 Pending JPH07220732A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000513480A (ja) * 1995-11-28 2000-10-10 ヘキスト・リサーチ・アンド・テクノロジー・ドイチュラント・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー 高分子電解質膜型燃料電池用ガス拡散電極
JP2009004136A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Fuji Electric Holdings Co Ltd 燃料電池用多孔質基材
JP2009129634A (ja) * 2007-11-21 2009-06-11 Mitsubishi Rayon Co Ltd 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、および固体高分子型燃料電池

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