JPH0825799B2 - 高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体の製造方法

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JPH0825799B2
JPH0825799B2 JP62110810A JP11081087A JPH0825799B2 JP H0825799 B2 JPH0825799 B2 JP H0825799B2 JP 62110810 A JP62110810 A JP 62110810A JP 11081087 A JP11081087 A JP 11081087A JP H0825799 B2 JPH0825799 B2 JP H0825799B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、窒化アルミニウム焼結体の製造方法に関
し、さらに詳しくは、緻密で高熱伝導性を有する窒化ア
ルミニウム単相からなる窒化アルミニウム焼結体の製造
方法に関する。
(従来の技術) 窒化アルミニウム(AlN)は高温まで強度低下が少な
く、化学的耐性にも優れているため、耐熱材料として用
いられる一方、その高熱伝導性、高電気絶縁性を利用し
て半導体装置の放熱板材料、回路基板用絶縁体材料とし
ても有望視されている。こうした窒化アルミニウムは常
圧下では融点を持たず、2500℃以上の高温で分解するた
め、薄膜などの用途を除いては焼結体として用いられ
る。
かかる窒化アルミニウム焼結体は通常、窒化アルミニ
ウム粉末を成形、焼結して得られる。超微粉(0.3μm
以下程度)のAlN粉末を用いた場合には単独でも緻密な
焼結体が得られるが、原料粉末表面の酸化層中の酸素が
焼結時にAlN格子中に固溶したり、Al−O−N化合物を
生成し、その結果無添加焼結体の熱伝導率はたかだか10
0w/mK程度である。また粒径0.5μm以上のAlN粉末を用
いた場合は焼結性が良好でないために、ホットプレス法
による以外には無添加では緻密な焼結体を得ることは困
難である。そこで常圧で焼結体を得ようとする場合、焼
結体の高密度化およびAlN原料粉末の不純物酸素のAlN粒
内への固溶を防止するために、焼結助剤として希土類酸
化物、アルカリ土類金属酸化物等を添加することが一般
に行なわれている(特開昭60−127267号、特開昭61−10
071号、特開昭60−71575号等)。これらの焼結助剤はAl
N原料粉末の不純物酸素と反応し液相を生成し焼結体の
緻密化を達成すると共に、この不純物酸素を粒界相とし
て固定(酸素トラップ)し、高熱伝導率化をも達成す
る。
このように焼結助剤を添加することにより確かに焼結
体は緻密化、高熱伝導率化するが、他方で、結果的に残
存する粒界相(主相であるAlN相に対し副相)の存在、
完全にトラップしきれなかった酸素等の存在により、Al
Nの理論熱伝導率320w/mKに対しかなり低いものであっ
た。
そのため、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率の向上
を目的として種々の試みがなされているが、未だ十分満
足すべきものは得られていない。
(発明が解決しようとする問題点) 現在半導体搭載用の回路基板、放熱基板等ではより高
い熱伝導率を有する材料が望まれている。しかしながら
酸素その他の不純物特に、助剤添加の結果として粒界に
生成する粒界相の存在により、窒化アルミニウム焼結体
の高熱伝導率化には限界があった。
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、熱伝
導性に優れた窒化アルミニウム焼結体を提供することを
目的とする。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明者等は上記目的を達成すべく窒化アルミニウム
粉末に添加する焼結助剤や焼結条件、焼結体組成、焼結
体微細構造等と熱伝導率の関係について実験・検討を進
めた結果、以下に示す新規事項を発見し、本発明を完成
するに至った。
すなわち、焼結助剤としてカルシウム化合物をAlN粉
末に(希土類化合物は添加せず)添加し、窒素ガスを含
む還元性雰囲気中で4時間以上の長時間焼成したとこ
ろ、粒界相(Ca−Al−O系化合物相等)の存在量が、従
来の窒化アルミニウム焼結体に比べて減少するというこ
とがわかった。そして十分長時間焼結すると実質的に副
相がなくAlN単相からなり、多結晶体としては非常に高
い熱伝導率を有する窒化アルミニウム焼結体が得られる
という事実をみいだした。この効果は他のアルカリ土類
元素でも同様に認められた。
この事実に基づいて高熱伝導率化を達成する最適条件
を種々検討した結果が本発明である。
本発明の高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体の製造方
法について述べる。
本発明の製造方法は、窒化アルミニウム原料粉末の純
度および平均粒径、焼結助剤、焼成用容器、焼成時間お
よび焼成雰囲気を骨子とするものである。
主成分である窒化アルミニウム原料粉末としては、焼
結性、熱伝導性を考慮して酸素を7重量%以下、実用上
は0.01〜7重量%含有し、平均粒径が0.05〜5μmのも
のを使用する。
添加物してはアルカリ土類元素化合物(特にカルシウ
ム化合物が好ましい)を用いる。アルカリ土類元素の化
合物としては、酸化物、窒化物、フッ化物、酸フッ化
物、酸窒化物、もしくは焼成によりこれらの化合物とな
る物質が最適である。焼成によって例えば酸化物となる
物質としては、これら元素の炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸
塩、水酸化物などをあげることができる。
アルカリ土類元素化合物の添加は、アルカリ土類元素
の重量換算で0.01〜15重量%の範囲で添加する。この添
加量が、0.01重量%未満であると、添加物の効果が十分
に発揮されず、焼結体が緻密化されなかったり、AlN結
晶中に酸素が固溶し高熱伝導焼結体が得られない。ま
た、添加量が過度に多いと、粒界相が焼結体中に残った
り、熱処理により除去される粒界相の体積が大きいた
め、焼結体中に空孔が残ったりして、収縮率が非常に大
きくなり、形状がくずれる等の不利な点が生ずる。好ま
しくは、0.02〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜
8重量%である。
本発明方法においてはこの様なAlN粉とアルカリ土類
元素化合物の混合された成形体を後述の条件で焼結して
も良いし、また、従来の方法(例えば特公昭58−49510
号、特願昭57−158885号)で、アルカリ土類元素含有量
が0.01〜15重量%で、酸素含有量が0.01〜20重量%であ
り、AlNを主相とし(アルカリ土類元素)−Al−O化合
物相および/または(アルカリ土類元素)−O化合物相
から成る焼結体を製造し、上記成形体の代りに用いても
よい。
焼成雰囲気に関しては、窒素ガスを含む還元性雰囲気
中で行なう。還元性雰囲気は、CO,H2ガスおよびC(ガ
スそして固相)などを、一種または二種以上存在させる
ことによって作ることができる。
最も簡便なのは、N2雰囲気中でカーボン製容器を用い
て焼結する方法である。
焼成用容器に関しては、単に成形体を緻密化させるだ
けの目的ならば、窒化アルミニウム、アルミナ、Mo製等
でも十分である(特公昭58−49510、特開昭61−146769
号等)。しかし、これらの容器を用いたものでは、かな
り多量の(アルカリ土類元素)−Al−O化合物相などが
不均一に焼結体に存在したままの状態となり、高熱伝導
なAlN焼結体は得られない。本発明では、焼成中にカー
ボンガス雰囲気をつくり出す容器を用いる。この様な焼
成用容器としては容器全体がカーボン製の物、容器全体
がカーボン製で試料を設置する箇所にはAlN板、BN板、
W板等を敷いたもの、窒化アルミニウム製の容器で上部
蓋がカーボン製の物等を用いることができる。本発明で
いうカーボンガス雰囲気とは、1550〜2050℃の焼結に蒸
気圧で1×10-5〜5×10-1Pa程度生成するガスをさす。
このカーボンガスが、焼成中のAlNを還元するという作
用が得られ、さらに具体的には(アルカリ土類元素)−
Al−O三元系化合物等の粒界相を焼結体中より除去する
作用が働らき、窒化アルミニウム焼結体はAlN単相とな
り、高熱伝導性の焼結体に変化していく。
この容器の内容積は、その内容積と窒化アルミニウム
成形体との体積の比(内容積/成形体の体積)が1×10
0〜1×107が良い。これ以上大きな容積を用いた場合、
試料近傍におけるカーボン蒸気圧が低く、カーボンによ
る粒界相除去効果が小さくなる。この容積比は5×100
〜1×105が好ましい。
焼結時間については、従来種々の助剤を用い1〜3時
間の短時間で行なわれているが、この程度の時間では、
上記焼成容器中で焼成したとしても、窒化アルミニウム
焼結体の緻密化、そして原料粉末表面の酸素を粒界相に
固定することは可能であるが、AlN粒間の陵および三重
点に粒界相が存在し、AlN単相の焼結体は得られない。
また前述の如くのカーボンガス雰囲気が得られない焼成
用容器を用いた場合は、長時間の焼成によっても粒界相
の除去の効果は現われない。AlN単相にするためには焼
結温度および助剤添加量にもよるが、6時間以上が必要
である。より好ましくは6時間以上である。
焼成温度については、1550〜2050℃が好ましい。1550
℃より低温で焼成すると、原料粉末の粒径、酸素量にも
よるが緻密な焼結体が得られない。また焼成用容器から
のカーボンガスの発生が少なくなり、粒界相を残したま
まとなる。また2050℃より高温で焼成すると、AlN自体
の蒸気圧が高くなり、緻密化が困難になる。焼成温度は
より好ましくは1700〜2000℃である。さらには1750〜20
00℃が好ましい。
なお焼結は減圧、加圧及び常圧を含む雰囲気圧下で行
なう。
次いで本発明の窒化アルミニウム焼結体の製造方法の
一例を以下に述べる。
まず、AlN粉末に焼結添加物としてアルカリ土類元素
化合物を所定量添加したのちボールミル等を用いて混合
する。焼結には常圧焼結法を使用する。この場合、混合
粉末にバインダーを加え、混練、造粒、整粒を行なった
のち成形する。成形法としては、金型プレス、静水圧プ
レス或いはシート成形などが適用できる。続いて、成形
体を非酸化性雰囲気中、例えば窒素ガス気流中で加熱し
てバインダーを除去したのち常圧焼結する。この時用い
る焼成用容器は、焼成中カーボンガス雰囲気をつくり出
す、例えばカーボン製容器で、容器内容積と成形体体積
の比が、1×100〜1×107のものを用いる。焼結温度は
1550〜2050℃に、焼結時間は6時間以上に設定する。こ
の様な方法により本発明焼結体を得られることができ
る。
この様な方法で得られた窒化アルミニウム焼結体は多
結晶体としては非常に高い180w/mK以上の熱伝導率を有
し、この焼結体をX線回折及び電子顕微鏡を用いて構成
相を観察してもAlN結晶粒のみ認められ、他の相は観察
されない。また成分分析を行なったところAl,Nが主成分
で、アルカリ土類類元素5〜3000ppm、不純物酸素2000p
pm未満を含有し、その他の不純物陽イオン元素は1000pp
m以下という高純度な窒化アルミニウム焼結体であっ
た。熱伝導率向上の観点からアルカリ土類元素は5〜10
00ppm、不純物酸素は1000ppm以下が好ましい。このアル
カリ土類元素は結晶粒界では観察されないことから、Al
N結晶粒に固溶しているものと考えられる。酸素元素も
同様である。なお本発明焼結体においては不純物酸素量
は極力少ないことが望ましく、また原料粉に起因する不
純物陽イオンも熱伝導率低下の原因となるため極力少な
いことが望まれる。
次に本発明の窒化アルミニウム焼結体の熱伝導性の向
上効果および(アルカリ土類元素)−Al−O系化合物相
等の粒界の除去による窒化アルミニウム焼結体の純化作
用について説明する。厳密なメカニズムは現在のところ
完全に解明されているわけではないが、本発明者らの研
究によれば高熱伝導率化の要因として次のように推定さ
れる。
まず、アルカリ土類元素添加によるAlN原料粉末の不
純物酸素のトラップ効果である。すなわち、アルカリ土
類元素化合物を焼結助剤として添加することにより、不
純物酸素を(アルカリ土類元素)−Al−O化合物等の形
でAlN粒界の稜および三重点に固定するため、AlN格子中
への酸素の固溶が防止され、Alの酸窒化物(AlON)、そ
してAlNのポリタイプ(27R型)の生成を防止する。発明
者らの研究結果によれば、AlONそして27R型が生成した
焼結体は、いずれも熱伝導率が低いことがわかってい
る。この様な低熱伝導率化の原因を抑制することが高熱
伝導率化の一因として挙げられる。
アルカリ土類元素としてCaを選んだ場合は原料粉末の
不純物酸素が、1CaO・6Al2O3,1CaO・2Al2O3,1CaO・1Al2
O3,CaOなどの化合物としてトラップされる。この状態
は、焼結初期、すなわち、焼結時間の0〜3時間の間で
起こり、熱伝導率が最高160w/mK程度に達する。
これ以降の焼結過程でカーボン雰囲気が粒界相を還元
し、さらに粒界相を除去し始める。次第に粒界相は窒化
アルミニウム焼結体中には存在しなくなり、焼結体の系
外へと移動する。そして最終的に焼結体は他の相を実質
的に含有しないAlN単相となり、熱伝導率は大幅に上昇
する。これは熱伝導率が小さく熱抵抗として働いていた
粒界相が除去されるためである。また長時間の焼成によ
り焼結体の粒子が成長する。AlN粒子が成長すると熱抵
抗となる粒界の数が結果的に少なくなることを意味し、
フォノンの散乱が小さな焼結体になる。
また、上述のような副相の除去そして粒成長以外に還
元雰囲気下で長時間焼成することにより、AlN結晶粒の
純化、例えば不純物酸素固溶による格子欠陥の減少によ
る熱伝導率上昇効果も考えられる。
(実施例) 実施例1 不純物としての酸素を1.1重量%含有し、平均粒径が
0.7μmのAlN粉末に、添加物としてCa(NO3・4H2O
をカルシウム元素の重量換算で0.7重量%添加し、ボー
ルミルを用いて混合を行ない原料を調整した。ついで、
この原料に有機系バインダーを4重量%添加して造粒し
たのち500kg/cm2の圧力でプレス成形して38×38×10mm
の圧粉体とした。この圧粉体を窒素ガス雰囲気中で700
℃まで加熱してバインダーを除去した。更に、BN粉末を
塗布したAlN板を底板としてひいたカーボン製容器(焼
成用容器A)に脱脂体を収容した。このとき容器Aの形
成および大きさは、12cmφ×6.4cmで内容積が720cm3
度である。すなわちこの容器Aの内容積とAlN成形体の
体積の比が約5×101程度となっている。この容器を用
い窒素ガス雰囲気中(1気圧)1850℃、24時間の条件で
常圧焼結した。得られたAlN焼結体の密度および粒径を
測定した。また焼結体から、直径10mm、厚さ3.3mmの円
板を研削し、これを試験片としてレーザーフラッシュ法
により熱伝導率を測定した(真空理工製TC−3000使
用)。測定した温度は25℃である。
さらに、この焼結体の分析を行なった。カルシウムは
ICP発光分光法(セイコー電子工業製SPS−1200A使用)
により、陽イオン不純物の分析は化学分析により行い、
不純物酸素に関しては速中性子放射化分析により行なっ
た(理化学研究所160cmサイクロトロン使用)。上記焼
結条件および得られた焼結体の特性を第1表に示した。
また、この焼結体のX線回折(理学電機製ロータフレッ
クスRU−200、ゴニオメータCN2173D5、線源Cu50kV,100m
A使用)を行なった結果を第1図に示す。AlNの単相であ
る。また、焼結体破面のSEM観察でも(日本電子製JSM−
T20使用)、AlN単相であることが確認された。
実施例2〜5 焼結添加物の添加量を種々に変えて上記実施例1と同
様にしてAlN焼結体を製造し、それぞれについて、同様
に、評価を行なった。
実施例6〜7 焼結温度を種々に変えて上記実施例1と同様にしてAl
N焼結体を製造し、それぞれについて同様の評価を行な
った。
実施例8〜11 焼結時間を種々に変えて上記実施例1と同様にしてAl
N焼結体を製造し、それぞれについて同様の評価を行な
った。
実施例12〜15 焼結雰囲気を種々に変えて上記実施例1と同様にして
AlN焼結体を製造し、それぞれについて同様の評価を行
なった。
実施例16 内側の寸法が38.5×38.5×10.7mmの焼成用容器Aを使
用した点を除き上記実施例1と同様にしてAlN焼結体を
製造し、同様の評価を行なった。
実施例17 内側の寸法が700φ×380mmの焼成用容器Aを使用した
点を除き、上記実施例1と同様にしてAlN焼結体を製造
し同様の評価を行なった。
実施例18 成形体の寸法が15φ×6mmで内側の寸法が306φ×380m
mの焼成用容器Aを使用した点を除き、上記実施例1と
同様にしてAlN焼結体を製造し同様の評価を行なった。
実施例19 BN板を底板としてひいたカーボン製容器(焼成用容器
B)を用いたことを除いて上記実施例1と同様にして、
AlN焼結体を製造し同様の評価を行なった。
実施例20 内側の全体がカーボン製の容器(焼成用容器C)を用
いたことを除いて、上記実施例1と同様にしてAlN焼結
体を製造し、同様の評価を行なった。
実施例21 助剤の陽イオンをBaに変え、平均粒径1.0μmのBaCO3
を添加し、上記実施例1と同様にしてAlN焼結体を製造
し、同様の評価を行なった。
実施例22 助剤の陽イオンをSrに変え、平均粒径1.1μmのSrCO3
を添加し、上記実施例1と同様にしてAlN焼結体を製造
し同様の評価を行なった。
実施例23 助剤の陽イオンをCaおよびBaに変えて、助剤の元素重
量比が、Ca:Ba=1:1になるようにCa(NO3−4H2Oお
よびbaCO3の形で0.7重量%添加し、上記実施例1と同様
にしてAlN焼結体を製造し、同様の評価を行なった。
実施例24 助剤の陽イオンをCaおよびSrに変えて、助剤の元素重
量比がCa:Sr=1:1になるようにCa(NO3−4H2Oおよ
びBaCO3の形で0.7重量%添加し、上記実施例1と同様に
してAlN焼結体を製造し、同様の評価を行なった。
比較例1〜3 実施例1と同様な方法により得たAlN脱脂体を焼成用
容器A,BおよびCに種々にセットし、1850℃、2hr、N2
流中で常圧焼結し、焼結体を得た。これらの焼結体の特
性を第1表に示す。
このように焼結時間が3時間未満と短い場合、カーボ
ン製容器を用いることによる粒界相の除去が十分でな
く、1CaO・1Al2O3(CA)化合物が副相として存在し、熱
伝導率も140w/mKと低い。すなわち高熱伝導率を有するA
lN焼結体を得るためには長時間(4時間以上)の焼結が
必要であることがわかる。第2図に、比較例1で得られ
た焼結体のX線回折パターンを示す。
比較例4〜6 実施例1と同様な方法により得たAlN脱脂体を、比較
例4では内側の全体がAlN製の容器(焼成用容器D)、
比較例5では内側の全体がアルミナ製の容器(焼成用容
器E)、比較例6では内側の全体がタングステン製の容
器(焼成用容器F)を用い、1850℃,24hr、N2気流中で
常圧焼結し、焼結体を得た。これらの焼結体の特性を第
1表に示す。その結果より、粒界相は除去されず1CaO・
1Al2O3(CA)および1CaO・2Al2O3(CA2)が観察されAlN
単相ではないことがわかる。その結果、熱伝導率も、14
2w/mK以下の比較的低い値である。
この様に少なくとも内部の一部が、カーボンよりなる
焼成用容器を用いない場合も高熱伝導率を有しAlN単相
からなるAlN焼結体は得られず、カーボン雰囲気の有効
さがわかる。
比較例7 実施例1で用いたAlN粉末を、500kg/cm2の圧力でプレ
ス成形して、30×30×10mmの圧粉体とし、この圧粉体を
カーボン型中に入れ窒素ガス雰囲気中、温度1850℃、40
0kg/cm2の圧力下で1時間ホットプレス焼結し、焼結体
を得た。この焼結体の特性を第1表に示した。副相とし
てAl−O−N系化合物が観察され、AlN単相ではなく結
果として熱伝導率も79w/mKという低い値であった。
この様にアルカリ土類元素化合物無添加では、AlN原
料粉末表面の不純物酸素とAlNが反応し、熱伝導をさま
たげるAl−O−N化合物が生成してしまうことから、ア
ルカリ土類元素化合物の添加の有効さがわかる。
実施例25 比較例1と同様の焼結条件で作製した焼結体を、実施
例1と同様の焼結条件で再焼結し、得られた焼結体の特
性を第2表に示す。成形体の焼結だけでなく、焼結体を
処理したものも実施例1と同様の効果が得られる。
実施例26〜27 実施例26では比較例2、実施例27では比較例3と同様
の焼結条件で焼結した焼結体を実施例1と同様の焼結条
件で再焼結し、焼結体を製造し同様の評価を行なった。
実施例28〜30 実施例28では、比較例3、実施例29では比較例4、実
施例30では比較例5と同様の焼結条件で焼結した焼結体
を、実施例1と同様の焼結条件で再焼結し、焼結体を製
造し同様の評価を行なった。
〔発明の効果〕
以上述べた如く、本発明の窒化アルミニウム焼結体は
実質的にAlN単相からなるもので、高純度かつ、高熱伝
導率を示すなど優れた性質を有するものであり、その工
業的価値は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、AlN焼結体のX線回折パターン
図である。 1……AlNの回折ピーク 2……1CaO・1Al2O3化合物のピーク(副相)
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 佳子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝総合研究所内 (72)発明者 柘植 章彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−132776(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 不純物酸素量が7重量%以下であ
    り、平均粒径が0.05〜5μmである窒化アルミニウム粉
    末と、アルカリ土類元素の重量換算で0.01〜15重量%の
    アルカリ土類化合物とを希土類化合物を含有せずに混合
    した後成形した成形体、またはアルカリ土類元素含有量
    が0.01〜15重量%の酸素含有量が0.01〜20重量%であ
    り、AlNを主相とし(アルカリ土類元素)−Al−O化合
    物相及び/又は(アルカリ土類元素)−O化合物を含み
    希土類元素の化合物相を有しない焼結体を、 (b) 窒素ガスを含む還元雰囲気中で (c) 1550〜2050℃で6時間以上焼成して熱伝導率18
    8W/m・kにしたことを特徴とした高熱伝導性窒化アルミ
    ニウム焼結体の製造方法
  2. 【請求項2】焼成雰囲気が窒化ガス及び水素、一酸化炭
    素、カーボンガスカーボン固相から選ばれた少なくとも
    一種から成る特許請求の範囲第1項記載の高熱伝導性窒
    化アルミニウム焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】カーボンガスを生成する焼成容器及び/又
    は焼成時にカーボンガスを生成する物質を焼成容器内に
    含むことで還元雰囲気を具体化する特許請求の範囲第2
    項記載の高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】アルカリ土類元素がCa,Sr,Baから選ばれた
    少なくとも一種以上であることを特徴とする特許請求の
    範囲第3項記載の高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】成形体もしくは焼結体を配置する試料台と
    して窒化アルミニウム板、BN板、タングステン板及びカ
    ーボン板の少なくとも一種を敷いたカーボン容器中で焼
    成することを特徴とした特許請求の範囲第4項記載の高
    熱伝導性窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】焼成容器の内容積と、前記成形体または焼
    結体との体積比が1×100〜1×107であることを特徴と
    した特許請求の範囲第5項記載の高熱伝導性窒化アルミ
    ニウム焼結体の製造方法。
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