JPH08257867A - ワーク搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 稼働コストおよび設備コストの増大を可及的
に抑制し得るワーク搬送装置の提供を目的とする。 【構成】 クランクケースＷ１を直接に搬送する搬入用
コンベアＣ１と搬出用コンベアＣ２とを、マシニングセ
ンタＭＣに臨むワークリフタＷＬを挟んで設け、さらに
ワークリフタＷＬから搬出用コンベアＣ２にクランクケ
ースＷ１を搬出するとともに搬入用コンベアＣ１からワ
ークリフタＷＬにクランクケースＷ１を搬入する第１の
搬送手段Ｍ１と、クランクケースＷ１をパレットＰと共
にワークリフタＷＬからマシニングセンタＭＣに搬入す
るとともにクランクケースＷ１をパレットＰと共にマシ
ニングセンタＭＣからワークリフタＷＬに搬出する第２
の搬送手段Ｍ２とを設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はワーク搬送装置に関する
ものであり、詳しくは作業機に対してワークの搬入・搬
出を実施するためのワーク搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、ワークを作業機に対して搬入・
搬出する工程を含む加工システムでは、パレットにワー
クを載置した状態おいて上記ワークをパレットと共に搬
送するよう構成したワーク搬送装置が採用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のワー
ク搬送装置においては、上述のようにワークをパレット
に載置した状態で搬送を行なっているので、決して軽量
とは言えないパレットを搬送ラインの全路程に亘って移
動させねばならず、さらに搬送ライン上を流動するワー
クの個数とほぼ同数に及ぶ多数のパレットを必要とし、
もって稼働コストおよび設備コストの著しい増大を招く
不都合がある。本発明は上記実状に鑑みて、稼働コスト
および設備コストの増大を可及的に抑制し得るワーク搬
送装置を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明に関わる
ワーク搬送装置では、ワークを直接に搬送する搬入用コ
ンベアと搬出用コンベアとを、作業機に臨んで設けられ
たワークリフタを挟んで隣接する態様で各々配設すると
ともに、ワークリフタから搬出用コンベアにワークを搬
出しかつ搬入用コンベアからワークリフタにワークを搬
入する第１の搬送手段と、ワークリフタにおいてパレッ
トに載置されたワークをパレットとともにワークリフタ
から作業機に搬入しかつパレットに載置されたワークを
パレットとともに作業機からワークリフタに搬出する第
２の搬送手段とを設けることによって上記目的を達成し
ている。

【０００５】

【作用】上記構成によれば、ワークリフタと作業機との
間におけるワークの搬入・搬出に際してのみ、パレット
を用いたワークの移送が実施されることとなる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明を一実施例を示す図面に基づい
て詳細に説明する。図１ないし図２１は、エンジンの生
産設備における加工システムを構成するとともに、作業
機としてのマシニングセンタに対してワークとしてのク
ランクケースの搬入・搬出を行なうための装置に、本発
明に関わるワーク搬送装置を適用した例を示している。

【０００７】図１に示すように加工システムＳは、互い
に並設された複数台のマシニングセンタＭＣ，ＭＣ…を
備えており、各マシニングセンタＭＣ，ＭＣ…に臨んで
設けられた機付きのワークリフタＷＬ，ＷＬ…の間に
は、それぞれコンベアＣ，Ｃ…が配設されている。

【０００８】この加工システムＳにおいて、ワークとし
てのクランクケースは、矢印ａで示す如く右方のコンベ
アＣからワークリフタＷＬに送り込まれたのち、矢印ｂ
で示す如くワークリフタＷＬからマシニングセンタＭＣ
に送り込まれ、このマシニングセンタＭＣにおいて所定
の加工が施されたのち、矢印ｃで示す如くマシニングセ
ンタＭＣからワークリフタＷＬに送り出され、次いで矢
印ｄで示す如くワークリフタＷＬから図中左方のコンベ
アＣへ送り出される。

【０００９】図２に示すように、ワーク搬送装置１はマ
シニングセンタＭＣに臨んで設けられた機付きのワーク
リフタＷＬと、クランクケースＷ１あるいはクランクケ
ースＷ２を搬送するための搬入用コンベアＣ１および搬
出用コンベアＣ２とを具備している。

【００１０】これら搬入用コンベアＣ１と搬出用コンベ
アＣ２とは、上記ワークリフタＷＬを挟んで隣設する態
様で配設されており、図１においては各ワークリフタＷ
Ｌ，ＷＬ…の図中右方側に位置するコンベアＣが搬入用
コンベアＣ１を構成し、図中左方側に位置するコンベア
Ｃが搬出用コンベアＣ２を構成している。

【００１１】また、図２に示すようにワーク搬送装置１
は、クランクケースＷ１またはＷ２をワークリフタＷＬ
から搬出用コンベアＣ２へ搬出するとともに、搬入用コ
ンベアＣ１からクランクケースＷ１またはＷ２をワーク
リフタＷＬに搬入する第１の搬送手段Ｍ１を具備してい
る。

【００１２】さらにワーク搬送装置１は、ワークリフタ
ＷＬにおいてパレットＰに載置されたクランクケースＷ
１またはＷ２を、パレットＰと共にワークリフタＷＬか
ら作業機としてのマシニングセンタＭＣに搬入する一
方、パレットＰに載置されたクランクケースＷ１または
Ｗ２を、パレットＰとともにマシニングセンタＭＣから
ワークリフタＷＬに搬出する第２の搬送手段Ｍ２を具備
している。

【００１３】上述したように、ワーク搬送装置１はワー
クリフタＷＬ、搬入用コンベアＣ１および搬出用コンベ
アＣ２と、第１の搬送手段Ｍ１および第２の搬送手段Ｍ
２とから構成されている。

【００１４】また、ワーク搬送装置１は、図２２に示す
Ｖ型６気筒エンジンの構成部品であるクランクケースＷ
１と、図２３に示す並列４気筒エンジンの構成部品であ
るクランクケースＷ２とを作業対象としており、これら
クランクケースＷ１，Ｗ２における長手方向、言い換え
れば搬入用コンベアＣ１上および搬出用コンベアＣ２上
において搬送される方向の寸法は、クランクケースＷ１
における寸法Ｌ１に対して、クランクケースＷ２におけ
る寸法Ｌ２が長く設定されている。

【００１５】図２に示すように搬入用コンベアＣ１は、
ガイドバーＣ１ａおよび駆動ローラＣ１ｂ，Ｃ１ｂ…を
具備し、これら駆動ローラＣ１ｂ，Ｃ１ｂ…の回転に基
づいて、クランクケースＷ１またはＷ２をガイドバーＣ
１ａによって案内しつつ、ワークリフタＷＬに近接させ
る方向へ直接に搬送する。

【００１６】一方、搬出用コンベアＣ２は、ガイドバー
Ｃ２ａと駆動ローラＣ２ｂ，Ｃ２ｂ…とを具備してお
り、これら駆動ローラＣ２ｂ，Ｃ２ｂ…の回転に基づい
て、クランクケースＷ１またはＷ２をガイドバーＣ２ａ
によって案内しつつ、ワークリフタＷＬから離隔させる
方向へ直接に搬送する。

【００１７】図２ないし図１０に示す如く、ワークリフ
タＷＬはベースフレーム１０と昇降プレート１１とを備
えており、この昇降プレート１１は左右の各サイドプレ
ート１１ｓ，１１ｓに、それぞれパレット押えプレート
１１ｐと複数個の転動ローラ１１ｒ，１１ｒ…とを備
え、パレットＰを水平方向（図２および図３中の上下方
向）に沿って移動自在に支承する。

【００１８】また昇降プレート１１は、ベースフレーム
１０に取り付けられた油圧シリンダ１２の動作に基づい
て、図４および図５中に実線で示した退避位置と、鎖線
で示したリフト位置との間を上下に移動する。なお、昇
降プレート１１にはガイドロッド１３ｒが取り付けら
れ、このガイドロッド１３ｒはベースフレーム１０に取
り付けられたガイドスリーブ１３ｓによって上下方向に
案内される。

【００１９】ベースフレーム１０には、クランクケース
Ｗ１，Ｗ２が搬入用コンベアＣ１から搬入される方向、
換言すればクランクケースＷ１，Ｗ２が搬出用コンベア
Ｃ２へ搬出される方向に沿って延びるガイドバー１４
ａ，１４ａが設けられており、各ガイドバー１４ａの左
右（図３中における上下）には、それぞれスライドガイ
ド１４ｂ，１４ｂ…が設けられている。

【００２０】ガイドバー１４ａ，１４ａは、搬入用コン
ベアＣ１のガイドバーＣ１ａ、および搬出用コンベアＣ
２のガイドバーＣ２ａと同軸上に設けられ、さらに左右
のスライドガイド１４ｂ，１４ｂ…は、その上面（スラ
イド面）の高さ位置が搬入用コンベアＣ１および搬出用
コンベアＣ２のワーク搬送レベルと一致する態様で設け
られており、クランクケースＷ１，Ｗ２が搬入用コンベ
アＣ１から搬入、あるいは搬出用コンベアＣ２へ搬出さ
れる際、クランクケースＷ１，Ｗ２は各ガイドバー１４
ａ，１４ａに案内されつつ、スライドガイド１４ｂ，１
４ｂ…の上面を摺動する。

【００２１】また、ベースフレーム１０には、搬出用コ
ンベアＣ２と近接する側の縁部に、一対のストッパピン
１５ｐ，１５ｐが昇降自在に設けられている。これらス
トッパピン１５ｐ，１５ｐは、連結プレート１５ａに取
り付けられているとともに、ベースフレーム１０に取り
付けられたエアーシリンダ１６の動作に基づいて、スラ
イドガイド１４ｂ，１４ｂ…上におけるクランクケース
Ｗ１等の移動域から下方に退いた退避位置（図４および
図５中の実線位置）と、クランクケースＷ１等の移動域
に突出する稼働位置（図４および図５中の鎖線位置）と
の間を上下に移動する。

【００２２】なお、図２に示す如く搬入用コンベアＣ１
におけるワークリフトＷＬと近接する側の縁部には一対
のストッパピンＣ１ｐ，Ｃ１ｐが設けられている。この
ストッパピンＣ１ｐ，Ｃ１ｐは、ワークリフトＷＬにお
けるストッパピン１５ｐ，１５ｐと同様、図示していな
いエアーシリンダの動作に基づいて、駆動ローラＣ１
ｂ，Ｃ１ｂ…上におけるクランクケースＷ１等の移動域
から下方に退いた退避位置と、クランクケースＷ１等の
移動域に突出する稼働位置との間を上下に移動する。

【００２３】ワークリフトＷＬにおけるベースフレーム
１０には、昇降プレート１１を貫通するとともに該昇降
プレート１１に支承されたパレットＰに貫入することに
よって、昇降プレート１１に対するパレットＰの位置決
めを行なう一対のパレットガイドピン１７が設けられて
いるとともに、図７に示す如く退避位置の昇降プレート
１１と当接する位置決めボルト１８ａと、この位置決め
ボルト１８ａをベースフレーム１０に固定するストッパ
受け１８ｂとから成る下降ストッパ１８が設けられてい
る。

【００２４】さらに、ベースフレーム１０にはアンチバ
ックストッパ１９、ワーク検出手段２０および昇降動作
検出手段２１が設けられており、アンチバックストッパ
１９は図８に示す如くベースブラケット１９ａにピン１
９ｂを介してストッパ１９ｃを揺動支持し、クランクケ
ースＷ１，Ｗ２の左行、すなわち搬入用コンベアＣ１か
らの搬入、および搬出用コンベアＣ２への搬出を許容す
る一方、クランクケースＷ１，Ｗ２の逆行（右行）を阻
止するものである。

【００２５】ワーク検出手段２０は、図９に示す如くベ
ースブラケット２０ａにピン２０ｂを介してドグ２０ｃ
を揺動支持し、図示する所定の位置に占位したクランク
ケースＷ１，Ｗ２によって揺動するドグ２１ｃを、セン
サブラケット２０ｄを介してベースブラケット２０ａに
取り付けたセンサ２０ｓにより検出するものであり、ま
た昇降動作検出手段２１は、図１０に示すように昇降プ
レート１１にドグプレート２１ａおよびネジ棒２１ｂを
介してスイッチドグ２１ｃ，２１ｄを設け、昇降プレー
ト１１の昇降に伴って上下移動するスイッチドグ２１
ｃ，２１ｄを、センサブラケット２１ｅに取り付けたセ
ンサ２１ｆ，２１ｇにより検出するものである。

【００２６】図１１ないし図１５に示す如く、第１の搬
送手段Ｍ１は搬入用コンベアＣ１とワークリフタＷＬと
の並設方向、言い換えれば搬入用コンベアＣ１および搬
出用コンベアＣ２におけるワークの搬送方向に沿って延
びるボールスプライン軸３０と、このボールスプライン
軸３０に設けられたプッシャ部材４０およびプッシャ・
ストッパ部材５０とを具備している。

【００２７】ボールスプライン軸３０は、搬入用コンベ
アＣ１に取り付けられたブラケット３１と、搬出用コン
ベアＣ２に取り付けられたブラケット３２とに、各々ベ
アリングを介して回動自在に支承されており、該ボール
スプライン軸３０の端部に固設された揺動レバー３３に
は、支持ブラケット３４を介して搬出用コンベアＣ２に
揺動支持されたエアーシリンダ３５が、ナックルジョイ
ント３６およびヒンジピン３７を介してピン結合されて
いる。

【００２８】プッシャ部材４０は、クランクケースＷ１
を払い出すためのプッシャプレート４１、およびクラン
クケースＷ２を払い出すためのプッシャプレート４２
と、これらプッシャプレート４１，４２の取り付けられ
たホルダ４３とを備えており、該ホルダ４３はボールス
プライン軸３０と係合するボールスプラインナット４４
に固設されている。

【００２９】一方、プッシャ・ストッパ部材５０は、ワ
ークリフトＷＬからクランクケースＷ１，Ｗ２を払い出
すためのプレート５１と、該プレート５１の取り付けら
れたホルダ５２とを備えており、該ホルダ５２はボール
スプライン軸３０と係合するボールスプラインナット５
３に固設されている。

【００３０】これらプッシャ部材４０およびプッシャ・
ストッパ部材５０は、共にボールスプライン軸３０に該
軸３０の軸線方向に沿って移動自在に支承されていると
ともに、ボールスプライン軸３０に対して回転不可能に
係合しており、エアーシリンダ３５の動作に基づいてボ
ールスプライン軸３０を回動させることにより、プッシ
ャ部材４０のプッシャプレート４１，４２は、ワークリ
フタＷＬおよび搬入用コンベアＣ１のワーク搬送域に突
出する稼働位置（図１３中の実線位置）と、ワーク搬送
域から上方に退いた退避位置（図１３中の鎖線位置）と
の間において揺動し、またプッシャ・ストッパ部材５０
におけるプレート５１も、図１５中において一点鎖線で
示す稼働位置と、二点鎖線鎖で示す退避位置との間を揺
動することとなる。

【００３１】また、プッシャ部材４０にはプッシャ・ス
トッパ部材５０に向けて延びる連結管４５が固設されて
おり、この連結管４５におけるプッシャ・ストッパ部材
５０側の端部は、図１２に示す如く該部材５０のホルダ
５２に収容されている。ホルダ５２と連結管４５との間
には圧縮スプリング４６が介装されており、常態におい
ては圧縮スプリング４６の付勢力によって、連結管４５
の端部に設けられたストッパ爪４５ａが、ホルダ５２の
端部に取り付けられたストッパプレート５４と圧接して
いる。

【００３２】第１の搬送手段Ｍ１は、さらにエアーシリ
ンダ（駆動シリンダ）６０を備えており、このエアーシ
リンダ６０はボールスプライン軸３０と並行して延設さ
れ、該エアーシリンダ６０における作動ロッド６０ｒの
先端は、プッシャ部材４０に対して回動自在に設けられ
たシフトレバー６１に取り付けられている。

【００３３】エアーシリンダ６０の作動ロッド６０ｒが
伸張・縮退することによって、プッシャ部材４０はボー
ルスプライン軸３０上を移動し、またプッシャ・ストッ
パ部材５０は、連結管４５および圧縮スプリング４６を
介して、プッシャ部材４０の移動に伴ってボールスプラ
イン軸３０上を移動する。

【００３４】プッシャ部材４０およびプッシャ・ストッ
パ部材５０は、常態において図１１に示す如く搬入用コ
ンベアＣ１の側方域における待機位置にあり、エアーシ
リンダ６０における作動ロッド６０ｒの縮退動作によっ
て、ワークリフタＷＬに向けて移動することとなる。

【００３５】ここで、ボールスプライン軸３０には、搬
出用コンベアＣ２に取り付けられたブラケット３２に、
調整ブロック３８を介してストッパブロック３９が設け
られており、待機位置から移動したプッシャ・ストッパ
部材５０は、このストッパブロック３９に当接して停止
することとなる。

【００３６】図５および図１６に示す如く、第２の搬送
手段Ｍ２は互いに揺動自在に連結された第１アーム７１
と第２アーム７２とを具備しており、図５に示す如く第
１アーム７１の基端は、軸受けスリーブ７３に支承され
かつロータリアクチュエータ７４に接続された駆動シャ
フト７５（図６参照）によって支持されている一方、第
２アーム７２の自由端部には、一対のフックピン７６
ｐ，７６ｐを備えたブラケットプレート７６が設けられ
ている。

【００３７】第１アーム７１および第２アーム７２の内
部には、図示していない連動機構が設けられており、こ
れら第１アーム７１、第２アーム７２およびブラケット
プレート７６は、ロータリアクチュエータ７４の動作に
基づいて、図１６中において鎖線（図２中において実
線）で示す縮退位置と、実線で示す伸張位置との間を移
動する。

【００３８】ブラケットプレート７６のフックピン７６
ｐ，７６ｐは、パレットＰに設けられた一対の孔Ｐａ，
Ｐａに貫入してパレットＰと係合するもので、縮退位置
においてパレットガイドピン１７，１７の直上域に占位
している。また縮退位置と伸張位置との間において、ブ
ラケットプレート７６およびフックピン７６ｐ，７６ｐ
は、ワークリフタＷＬに対して搬入用コンベアＣ１から
クランクケースＷ１等が搬入される方向、換言すればク
ランクケースＷ１等がワークリフタＷＬから搬出用コン
ベアＣ２へ搬出される方向と交差する方向に沿って移動
する。

【００３９】上述した如き構成のワーク搬送装置１にお
いて、搬入用コンベアＣ１上を移送されるクランクケー
スワークＷ１またはクランクケースワークＷ２は、稼働
位置に上動した一対のストッパピンＣ１ｐ，Ｃ１ｐと当
接することによって、図２において鎖線で示すように搬
入用コンベアＣ１上の所定位置に停止する。

【００４０】クランクケースＷ１等が搬入用コンベアＣ
１上を移送される際、第１の搬送手段Ｍ１におけるプッ
シャ部材４０とプッシャ・ストッパ部材５０とは、共に
搬入用コンベアＣ１の側方域における待機位置に占位し
ているとともに、プッシャ部材４０のプッシャプレート
４１，４２と、プッシャ・ストッパ部材５０のプレート
５１とは、共にワーク搬送域から上方に退いた退避位置
に占位している。

【００４１】また、プッシャ部材４０のプッシャプレー
ト４１，４２と、プッシャ・ストッパ部材５０のプレー
ト５１とは、クランクケースＷ１等がストッパピンＣ１
ｐ，Ｃ１ｐと当接して停止したのち、共にワーク搬送域
に突出した稼働位置まで揺動する。ここで、作業対象が
クランクケースＷ１であれば、プッシャプレート４１が
該クランクケースＷ１の端部に臨み、また作業対象がク
ランクケースＷ２の場合、プッシャプレート４２が該ク
ランクケースＷ２の端部に臨むこととなる。

【００４２】一方、マシニングセンタＭＣにおいて加工
作業が施されたのち、第２の搬送手段Ｍ２によってワー
クリフタＷＬに引き入れられたクランクケースワークＷ
１、またはクランクケースワークＷ２は、昇降プレート
１１がパレットＰを伴って退避位置まで下降することに
よって、スライドガイド１４ｂ，１４ｂ…上に載置され
る。

【００４３】以下では、図１７ないし図２０を参照しつ
つ、第１の搬送手段Ｍ１における動作態様を説明する。
なお、図１７ないし図２０においては、クランクケース
Ｗ１を作業対象と想定しており、また以下の説明におい
ては便宜上、ワークリフタＷＬに占位しているクランク
ケースをＷ１−１、搬入用コンベアＣ１に占位している
クランクケースをＷ１−２と呼称する。

【００４４】図１７に示すように、クランクケースＷ１
−１およびＷ１−２が、各々ワークリフタＷＬおよび搬
入用コンベアＣ１に占位している状態において、まずワ
ークリフタＷＬにおけるストッパピン１５ｐ，１５ｐ
と、搬入用コンベアＣ１おけるストッパピンＣ１ｐ，Ｃ
１ｐとが共に退避位置へ下降し、こののち第１の搬送手
段Ｍ１におけるエアーシリンダ６０の動作に基づいて、
プッシャ部材４０とプッシャ・ストッパ部材５０とがワ
ークリフタＷＬに向けて移動を開始する。

【００４５】図１８に示すように、プッシャ部材４０が
移動することにより、クランクケースＷ１−２がプッシ
ャプレート４１に押されて、搬入用コンベアＣ１からワ
ークリフタＷＬに向けて搬送されるとともに、プッシャ
・ストッパ部材５０が移動することにより、クランクケ
ースＷ１−１がプレート５１に押されて、ワークリフタ
ＷＬから搬出用コンベアＣ２に向けて搬送される。

【００４６】図１９に示す如く、プッシャ・ストッパ部
材５０の移動によって搬出用コンベアＣ２に押し入れら
れたクランクケースＷ１−１は、該搬出用コンベアＣ２
の動作によって次の工程へ搬送されて行く一方、プッシ
ャ・ストッパ部材５０はボールスプライン軸３０に設け
られたストッパブロック３９と当接することによって停
止される。

【００４７】プッシャ・ストッパ部材５０がストッパブ
ロック３９と当接したのち、図２０および図２１
（ａ），（ｂ）に示すように、プッシャ部材４０をプッ
シャ・ストッパ部材５０との間に介装された圧縮スプリ
ング４６の付勢力に抗して、エアーシリンダ６０におけ
る作動ロッド６０ａのストロークエンドまで移動させる
ことにより、クランクケースＷ１−２はプッシャ部材４
０のプッシャプレート４１に押されて移動し、プッシャ
・ストッパ部材５０のプレート５１に接近することによ
って、プッシャプレート４１とプレート５１との間に挟
まれる態様で位置決めされることとなる。

【００４８】この状態において、プッシャプレート４１
およびプレート５１と、クランクケースＷ１−２との間
隙は５mm以下に制限されており、後述するワークリフト
ＷＬのパレットＰの上動に際して問題なく、ワークリフ
タＷＬ上における所定の位置に位置決めされることとな
る。

【００４９】また、ワークリフタＷＬにおけるストッパ
ピン１５ｐ，１５ｐが稼働位置へ上動することによっ
て、クランクケースＷ１−２の搬出用コンベアＣ２への
移動が制限されるともに、ワークリフタＷＬに設けられ
たアンチバックストッパ１９，１９によって、クランク
ケースＷ１−２の搬入用コンベアＣ１への移動が制限さ
れることにより、ワークリフタＷＬ上におけるクランク
ケースＷ１−２のセット位置が確保される。

【００５０】ところで、上述した第１の搬送手段Ｍ１の
ように、搬入用コンベアＣ１上のクランクケースをワー
クリフタＷＬに搬送し、併せてワークリフタＷＬ上のク
ランクケースを搬出用コンベアＣ２に搬送する場合、従
来のワーク搬送装置においては専用のアクチュエータを
２個必要としているため、クランクケースの搬入・搬出
に際してタイムラグを生じるばかりでなく、設備コスト
の不用意な増大をも招いていた。

【００５１】これに対して、上述した第１の搬送手段Ｍ
１では、搬入用コンベアＣ１からワークリフタＷＬにク
ランクケースを押し込むプッシャ部材４０と、ワークリ
フタＷＬから搬出用コンベアＣ２にクランクケースを押
し込むプッシャ・ストッパ部材５０とを、１個のエアー
シリンダによって移動させているので、クランクケース
の搬入・搬出に際してタイムラグを生じることがなく、
また設備コストの不用意な増大を招くこともない。

【００５２】さらに、上述した第１の搬送手段Ｍ１で
は、プッシャ部材４０とプッシャ・ストッパ部材５０と
を相対的に移動し得るよう構成し、プッシャ部材４０と
プッシャ・ストッパ部材５０との間にクランクケース挟
む態様で該クランクケースの位置決めを行なっているた
め、１個のエアーシリンダであってもクランクケースを
確実に位置決めすることが可能となる。

【００５３】図２０に示すように、クランクケースＷ１
−２がワークリフタＷＬ上における所定のセット位置に
搬入されたのち、第１の搬送手段Ｍ１におけるプッシャ
部材４０とプッシャ・ストッパ部材５０とは、プッシャ
プレート４１，４２とプレート５１とが退避位置に揺動
され、次いでエアーシリンダ６０の動作に基づいて待機
位置まで移動し、搬入用コンベアＣ１に対する新たなク
ランクケースの搬入に備える。

【００５４】第１の搬送手段Ｍ１におけるプッシャ部材
４０とプッシャ・ストッパ部材５０とが待機位置に移動
したのち、ワークリフタＷＬにおける昇降プレート１１
が、パレットＰを伴って稼働位置まで上昇することによ
り、クランクケースＷ１−２はパレットＰ上における所
定位置に載置されることとなる。

【００５５】また、昇降プレート１１とともにパレット
Ｐが上動することにより、該パレットＰに設けられた一
対の孔Ｐａ，Ｐａに、縮退位置に在る第２の搬送手段Ｍ
２における一対のフックピン７６ａ，７６ａが貫入する
とこととなり、こののち第２の搬送手段Ｍ２の動作に基
づいて、ブラケットプレート７６等が伸張位置へ移動す
ることにより、クランクケースＷ１−２はパレットＰと
ともにマシニングセンタＭＣへ送り込まれる。

【００５６】マシニングセンタＭＣにおいて加工作業が
施されたのち、第２の搬送手段Ｍ２におけるブラケット
プレート７６等が縮退位置へ移動することにより、クラ
ンクケースＷ１−２はパレットＰとともにワークリフタ
ＷＬに引き入れられ、こののち昇降プレート１１がパレ
ットＰを伴って退避位置まで下降することにより、スラ
イドガイド１４ｂ，１４ｂ…上の所定位置に載置される
こととなる。

【００５７】次いで、搬入用コンベアＣ１に新たなクラ
ンクケースが搬入されたのち、上述した如き第１の搬送
手段Ｍ１、および第２の搬送手段Ｍ２の動作が繰り返し
実行されることにより、搬入用コンベアＣ１、ワークリ
フタＷＬおよび搬入用コンベアＣ２間において、クラン
クケースが順次搬送されて行くこととなる。

【００５８】なお、上述した構成のワーク搬送装置にお
いては、ワークリフタＷＬにクランクケースがなく、搬
入用コンベアＣ１に搬入されているクランクケースのみ
を搬入用コンベアＣ１からワークリフタＷＬに搬送する
場合でも、あるいは搬入用コンベアＣ１にクランクケー
スがなく、ワークリフタＷＬに搬入されているクランク
ケースのみを、ワークリフタＷＬから搬出用コンベアＣ
２に搬送する場合においても、共にクランクケースを有
効に搬送し得ることは勿論である。

【００５９】また、上述した構成のワーク搬送装置にお
いては、クランクケースＷ２を作業対象とした場合、プ
ッシャ部材４０におけるプシャプレート４２が、クラン
クケースＷ２と当接して移動させる構成以外は、クラン
クケースＷ２を作業対象とした場合と、その動作態様に
おいて何の相違もないことは言うまでもない。

【００６０】上述したように、ワーク搬送装置１におい
て、ワークとしてのクランクケースＷ１、Ｗ２は、搬入
用コンベアＣ１および搬出用コンベアＣ２によって直接
に搬送されており、しかも搬入用コンベアＣ１とワーク
リフタＷＬとの間、およびワークリフタＷＬと搬出用コ
ンベアＣ２との間は、第１の搬送手段Ｍ１によって搬送
されている。

【００６１】すなわち、上述したワーク搬送装置１で
は、ワークリフタＷＬとマシニングセンタＭＣとの間に
おけるクランクケースＷ１、Ｗ２の搬入・搬出にだけ、
第２の搬送手段Ｍ２によるパレットＰを用いたワークの
搬送を実施しており、それ以外においてはパレットＰを
使用することなくクランクケースＷ１、Ｗ２を直接に搬
送しているので、パレットＰを搬送ラインの全路程に亘
って移動させる必要がなく、また搬送ライン上を流動す
るクランクケースＷ１、Ｗ２の個数とほぼ同数に及ぶ多
数のパレットＰをも必要とせず、もって稼働コストおよ
び設備コストの増大を可及的に抑制することができる。

【００６２】なお、上述した実施例では、エンジンの生
産設備においてマシニングセンタに対するクランクケー
スの搬入・搬出を行なうためのワーク搬送装置に、本発
明に関わるワーク搬送装置を適用した例を示したが、本
発明はエンジンの生産設備のみならず、各種ワークを作
業機に対して搬入・搬出させるためのワーク搬送装置と
して、様々な作業分野においても有効に適用し得るもの
であることは言うまでもない。

【００６３】

【発明の効果】以上、詳述した如く、本発明に関わるワ
ーク搬送装置では、ワークを直接に搬送する搬入用コン
ベアと搬出用コンベアとを、作業機に臨んで設けられた
ワークリフタを挟んで配設するとともに、ワークリフタ
から搬出用コンベアにワークを搬出しかつ搬入用コンベ
アからワークリフタにワークを搬入する第１の搬送手段
と、ワークリフタにおいてパレットに載置されたワーク
をパレットとともにワークリフタから作業機に搬入しか
つパレットに載置されたワークをパレットとともに作業
機からワークリフタに搬出する第２の搬送手段とを設け
ている。上記構成によれば、ワークリフタと作業機との
間におけるワークの搬入・搬出に際してのみ、パレット
を用いたワークの移送が実施されることとなり、もって
本発明に関わるワーク搬送装置によれば、パレットを搬
送ラインの全路程に亘って移動させる必要がなく、また
搬送ライン上を流動するワークの個数とほぼ同数に及ぶ
多数のパレットをも必要としないので、稼働コストおよ
び設備コストの増大を可及的に抑制することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に関わるワーク搬送装置を適用した加工
システムの概念平面図。

【図２】本発明に関わるワーク搬送装置を示す全体平面
図。

【図３】ワーク搬送装置におけるワークリフタを示す全
体平面図。

【図４】ワークリフタを示す図３中のIV−IV線断面図。

【図５】ワークリフタを示す図３中の V−V 線断面図。

【図６】ワークリフタを示す図５中のVI−VI線断面図。

【図７】ワークリフタの下降ストッパを示す図６中の V
II−VII 線断面図。

【図８】ワークリフタのアンチバックストッパを示す正
面図。

【図９】（ａ）および（ｂ）はワークリフタにおけるワ
ーク検出手段を示す正面図および側面図。

【図１０】ワークリフタの昇降動作検出手段を示す図３
中の X−X 線断面図。

【図１１】ワーク搬送装置における第１の搬送手段を示
す正面図。

【図１２】第１の搬送手段の要部を破断して示す平面
図。

【図１３】第１の搬送手段を示す図１１中のXIII−XIII
線断面図。

【図１４】第１の搬送手段を示す図１１中の XIV−XIV
線断面図。

【図１５】第１の搬送手段を示す図１１中のXV−XV線断
面図。

【図１６】ワーク搬送装置における第２の搬送手段を示
す要部平面図。

【図１７】第１の搬送手段の動作態様を示すワーク搬送
装置の全体概念図。

【図１８】第１の搬送手段の動作態様を示すワーク搬送
装置の全体概念図。

【図１９】第１の搬送手段の動作態様を示すワーク搬送
装置の全体概念図。

【図２０】第１の搬送手段の動作態様を示すワーク搬送
装置の全体概念図。

【図２１】（ａ）および（ｂ）は第１の搬送手段の動作
態様を示す要部断面平面図。

【図２２】ワークとしてのクランクケースを示す断面側
面図および全体平面図。

【図２３】ワークとしての他のクランクケースを示す側
面図および全体平面図。

【符号の説明】

１…ワーク搬送装置、 ＭＣ…マシニングセンタ（作業機）、 ＷＬ…ワークリフタ、 Ｐ…パレット、 Ｃ１…搬入用コンベア、 Ｃ２…搬出用コンベア、 Ｍ１…第１の搬送手段、 ４０…プッシャ部材、 ５０…プッシャ・ストッパ部材、 ６０…エアーシリンダ（駆動シリンダ）、 Ｍ２…第２の搬送手段、 Ｗ１，Ｗ２…クランクケース（ワーク）。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業機に臨んで設けられたワークリ
   フタを挟んで隣接し、ワークを直接に搬送する搬入用コ
   ンベアおよび搬出用コンベアと、 ワークリフタから搬出用コンベアにワークを搬出すると
   ともに、搬入用コンベアからワークリフタにワークを搬
   入する第１の搬送手段と、 ワークリフタにおいてパレットに載置されたワークをパ
   レットとともにワークリフタから作業機に搬入し、かつ
   パレットに載置されたワークをパレットとともに作業機
   からワークリフタに搬出する第２の搬送手段と、 を具備して成ることを特徴とするワーク搬送装置。
2. 【請求項２】 第１の搬送手段は、駆動シリンダの
   動作に基づいて搬入用コンベアとワークリフタとの並設
   方向に沿って移動し、搬入用コンベアからワークリフタ
   に向かって移動することにより、ワークを搬入用コンベ
   アからワークリフタに押し入れるプッシャ部材と、 該プッシャ部材の移動に伴いワークリフタと搬出用コン
   ベアとの並設方向に沿って移動し、ワークリフタから搬
   出用コンベアに向かって移動することにより、ワークを
   ワークリフタから搬出用コンベアに押し出すとともに、
   ワークをワークリフタから押し出した位置に停止した状
   態において、搬入用コンベアからワークリフタに向かっ
   て移動するプッシャ部材と協働し、ワークリフタに押し
   入れられたワークを挟んで位置決めするプッシャ・スト
   ッパ部材と、 を具備していることを特徴とする請求項１記載のワーク
   搬送装置。