JPH08256828A - コンパクト容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来、販売流通のためだけに用いられていた詰
替容器を直接コンパクト容器内に装填できるようにする
ことにより、コンパクト容器自体の構造を簡素化すると
共に、気密性を保つための部材を不要とし、その生産コ
ストを低減する。また詰替容器のねじ蓋による高い気密
性により、揮発性の高い化粧料の変質を防止すると共
に、化粧料漏洩による損失や汚損事故を防止する。 【構成】容器本体２の化粧料収納部２ｂの底面を開放し
て、開口２ｄを形成すると共に、この開口２ｄの周縁に
複数の弾性係止片２ｆを設け、この弾性係止片２ｆで詰
替容器３の下端鍔部６ｂを固定保持することにより、容
器本体２内に詰替容器３をそのまま装填できることとし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、化粧料収納皿の取り替
えにより、化粧料の詰め替えが行え、連続して使用でき
るコンパクト容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のコンパクト容器は、図３
に示すレフィル容器と称される販売流通用の詰替容器に
化粧料と共に気密に密閉収納された化粧料収納皿を着脱
可能に嵌合保持できるようになっており、その具体例と
しては、実開平３−１１９３１５号や実開平３−１１９
３１７号に示されるものがある。

【０００３】実開平３−１１９３１５号のコンパクト容
器は、図４に示したように容器本体２２の一端に回動開
閉自在に枢着される蓋体２３の裏面に環状壁２４を突設
し、この環状壁２４に内面に複数の傾斜突条２６を設け
た雌ねじ状筒２５を回動自在に取り付け、一方、この雌
ねじ状筒２５と対向する容器本体２２の上面に、外周面
に上記傾斜突条と係合可能な複数の傾斜突条２７を突設
した環状壁２８を立設したものである。なお図４におい
て、符号２９は環状壁２８の内側に嵌合する化粧料収納
皿、３０は蓋体２３の裏面に固定される筒状弾性部材を
示している。

【０００４】このコンパクト容器は、蓋体２３を閉蓋方
向に回動して容器本体２２の上面に重ねた後、雌ねじ状
筒２５を回動し、その内面の傾斜突条２６を容器本体２
２の環状壁２８外周面の傾斜突条２７の下側に進入させ
て係合させることにより、蓋体２３の閉蓋ロックをはか
ると共に、蓋体２３を強制的に容器本体２２側に移動さ
せ、蓋体２３の裏面に取り付けた筒状弾性部材３０を化
粧料収納皿２９のフランジ上面に密着させて、この化粧
料収納皿２９を気密に密閉するようにしたものである。

【０００５】また実開平３−１１９３１７号のコンパク
ト容器は、図５に示したように容器本体２２に回動開閉
自在に枢着される蓋体３１に、容器本体２２の環状壁２
８が嵌入する突部３１ａを設け、この突部３１ａに回動
蓋３２を所定範囲回動可能に取り付け、この回動蓋３２
の内周に突設した複数の傾斜突条３３を突部３１ａの周
囲切欠部３１ｂから環状壁２８外周面に突設した複数の
傾斜突条２７に係合させることにより、上述したコンパ
クト容器と同様に蓋体３１の裏面に取り付けた筒状弾性
部材３０を化粧料収納皿２９のフランジ上面に密着さ
せ、この化粧料収納皿２９を気密に密閉するようにした
ものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来のコンパ
クト容器は、いずれも環状壁の外周面に突設した傾斜突
条に、雌ねじ状筒（あるいは回動蓋）の内周に突設した
傾斜突条を係合させることにより、蓋体の閉蓋ロックを
はかっている。

【０００７】従って、雌ねじ状筒（あるいは回動蓋）の
回動範囲は、環状壁の外周面に設けられた各傾斜突条の
長さで決まることとなり、この傾斜突条を越えて回動す
ることはない。よって、蓋体のロック及びロック解除
は、雌ねじ状筒あるいは回動蓋を左右に僅かに回動する
だけでなされ、操作性に優れているものの傾斜突条同士
の掛りが少なく、かつその傾斜が急であるので、蓋体の
ロックが緩み易く、その場合は、化粧料がコンパクト容
器の外部に漏洩し、コンパクト容器を入れたバッグ内な
どで周囲のものを汚損する虞れがあった。また傾斜突条
同士の掛りが少ないことから十分な気密性が得られず、
化粧料が揮発して変質する虞れもあり、これを防止する
ためには、長期間使用しない時には、化粧料収納皿をコ
ンパクト容器から取り外し、販売流通用の気密性の高い
レフィル容器に戻すという手間が必要であるという問題
点を有していた。

【０００８】本発明は、上述した従来のコンパクト容器
が有していた問題点の解決を課題とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記の課題
を解決するために化粧料の収納部とパフや刷毛などの化
粧用具の収納部とが設けられた容器本体と、この容器本
体を閉蓋する蓋体とが互いにその後部において回動自在
に連結されたコンパクト容器において、容器本体に設け
られた化粧料収納部の底面を開放して、開口を形成する
と共に、この開口の周縁に詰替容器の下端鍔部の周縁を
係止する複数の弾性係止片を設け、容器本体内に詰替容
器を装填することとした。

【００１０】

【作用】化粧料収納部の開口周縁に設けられた複数の弾
性係止片は、詰替容器の下端鍔部の周縁を係止し、この
詰替容器をコンパクト容器内に固定保持するように作用
する。また容器本体の化粧料収納部の底面に形成された
開口は、詰替容器の底面を押圧し、鍔部と上記弾性係止
片との係合を外して詰替容器をコンパクト容器から取り
外す際の押動操作部として作用する。

【００１１】

【実施例】図１は実施例による容器本体２と詰替容器３
との分解斜視図である。図示したように本発明のコンパ
クト容器は、パフや刷毛などの化粧用具（図示せず）を
収納する化粧用具収納部２ａと、化粧料を収納する化粧
料収納部２ｂとを設けた容器本体２内にレフィル容器と
称される詰替容器３を収納するようになっており、この
容器本体２の後部２ｃに枢着された蓋体１で、図２に示
すように詰替容器３を収納したままこの容器本体２の上
面を閉蓋するようになっている。

【００１２】図３は、上記詰替容器３の分解斜視図であ
る。この詰替容器３は、内周にねじ溝（図示せず）を形
成した合成樹脂製のねじ蓋４と、このねじ溝と螺合する
ねじ条６ａを外周に形成した同じく合成樹脂製の本体６
とからなり、詰替用の化粧料を化粧料収納皿５と共に気
密に密閉収納して販売流通の際に使用されるものであ
る。またこの本体６は、その下端に鍔部６ｂを有し、こ
の鍔部６ｂには、その下端周縁に複数の係合凹所６ｃを
設けている。

【００１３】化粧料収納皿５は、金属板をフランジ５ａ
を有する円形浅皿状にプレス加工で形成したものであ
り、その外周には係合用の凹部５ｂを同時に形成してい
る。

【００１４】また上記容器本体２は、図１に示すように
化粧料収納部２ｂの底面を開放して開口２ｄを形成して
いる。この開口２ｄは、詰替容器本体３の底面の径とほ
ぼ等しく、周縁の所定位置に複数の突縁２ｅを設けると
共に、この突縁２ｅ間の周縁に複数の弾性係止片２ｆを
上方突設している。２ｇは、この弾性係止片２ｆの先端
にそれぞれ内方突設した係止突部である。

【００１５】なお突縁２ｅの大きさは、詰替容器本体６
底面に形成した係合凹所６ｃの大きさと、少なくともそ
の周方向の長さと奥行きとが等しいこととする。

【００１６】なお図１において、符号７は蓋体１のフッ
ク（図示せず）と係合し、蓋体１を開放不可にロックす
ると共に、押動されることにより、このロックを解除す
る押釦を示す。

【００１７】上記構成を有する本発明のコンパクト容器
は、図１に示すように容器本体２の突縁２ｅと詰替容器
３の係合凹所６ｃとの位置合わせをして詰替容器３を容
器本体２の開口２ｄ側に押しつけると、開口２ｄの周縁
に設けた複数の弾性係止片２ｆが、鍔部６ｂの下端周縁
に接して互いに拡開する方向に押し広げられ、鍔部６ｂ
がこの弾性係止片２ｆの係止突部２ｇの下方に嵌まり込
む。この時、容器本体２側の突縁２ｅは、鍔部６ｂの係
合凹所６ｃに嵌まり込み、詰替容器３が開口２ｄから下
方に落ち込むことを阻止すると共に、コンパクト容器本
体２に対して回動しないように保持する。また弾性係止
片２ｆはその先端の係止突部２ｇが、詰替容器３の鍔部
６ｂ上に突出することにより、この鍔部６ｂを押え、詰
替容器３が容器本体２の化粧料収納部２ｂから外れるこ
とを阻止する。

【００１８】このようにして詰替用の化粧料が、詰替容
器３と共にコンパクト容器内に装填されるものである。
そして、その使用法はまず通常のコンパクト容器と同様
に押釦７の操作などにより蓋体１のロックを解除し、蓋
体１を回動開放する。このようにして容器本体２の上面
を開放した後、本発明のコンパクト容器では、容器収納
部２ｂに現れた詰替容器３のねじ蓋４を回動して取り外
す。この時、詰替容器３の本体６は、上述したように鍔
部６ｂの係合凹所６ｃが容器本体２の突縁２ｅに係合し
ているので、回動することはない。このようにして本発
明のコンパクト容器では、化粧料収納皿５の上面を開放
し、ここに収納された化粧料を取り出し、使用に供され
るものである。

【００１９】そして、使用後は上記と全く反対にまずね
じ蓋４を締め、次いで蓋体１を回動させてその閉蓋ロッ
クを行えば良い。このことにより、化粧料はコンパクト
容器内に気密に密閉収納されるものである。

【００２０】また化粧料が無くなった場合やあるいは化
粧料の交換を必要とする場合は、蓋体１を開放した状態
で容器本体２の開口２ｄから詰替容器３の底面を押し上
げて鍔部６ｂと弾性係止片２ｆとの係合を外して、詰替
容器３をコンパクト容器から取り外し、ここに新たな詰
替容器を嵌着すれば良い。あるいはまた詰替容器３内の
化粧料収納皿５のみを取り替えることとしても良い。

【００２１】このようにして本発明のコンパクト容器
は、使用されるものである。

【００２２】なお本実施例では、詰替容器本体６の鍔部
６ｂに係合凹所６ｃを設けると共に、容器本体２にこの
係合凹所６ｃに嵌まり込む突縁２ｅを設けた例を示した
が、この詰替容器３の本体６は、ねじ蓋４開閉操作の際
に回動不可に容器本体２に固定されていれば良く、例え
ば鍔部６ｂの周縁に縦溝を設け、弾性係止片２ｆにこの
縦溝に嵌まり込む突条などを設けることとしても良い。

【００２３】

【発明の効果】以上の通り、本発明のコンパクト容器で
は、ねじ蓋を有し、気密性の高い詰替容器を直接化粧料
収納部に装填できるので、化粧料の揮発が確実に防止さ
れ、変質する虞れがない。またコンパクト容器自体に気
密性が要求されないので、構造が簡素化されると共に、
気密性を保つための弾性部材なども不要となり、コスト
低廉に製造できる。さらに化粧料収納皿の上面は詰替容
器のねじ蓋で閉蓋されるので、コンパクト容器内が化粧
料で汚れることもなく、コンパクト容器の蓋体には、化
粧用具収納部から化粧料収納部にわたって大きな鏡を装
着することもできるという従来には見られない多くの優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例による容器本体と詰替容器との分解斜視
図である。

【図２】実施例によるコンパクト容器の閉蓋状態の断面
図である。

【図３】詰替容器の分解斜視図である。

【図４】従来例の分解斜視図である。

【図５】他の従来例の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 蓋体 ２ 容器本体 ３ 詰替容器 ４ ねじ蓋 ５ 化粧料収納皿 ６ 詰替容器の本体 ７ 押釦 ２ａ 化粧用具収納部 ２ｂ 化粧料収納部 ２ｄ 開口 ２ｅ 突縁 ２ｆ 弾性係止片 ６ｂ 鍔部 ６ｃ 係合凹所

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 化粧料の収納部とパフや刷毛などの化粧
   用具の収納部とが設けられた容器本体と、この容器本体
   を閉蓋する蓋体とが互いにその後部において回動自在に
   連結されたコンパクト容器において、 容器本体に設けられた化粧料収納部の底面が開放され、
   開口が形成されると共に、この開口の周縁に詰替容器の
   下端鍔部の周縁を係止する複数の弾性係止片が設けら
   れ、容器本体内に詰替容器が装填されるようになされた
   ことを特徴とするコンパクト容器。