JPH08256722A - 柿の加工方法およびその方法を用いて製造されたゲル状食品 - Google Patents

柿の加工方法およびその方法を用いて製造されたゲル状食品

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JPH08256722A
JPH08256722A JP6562695A JP6562695A JPH08256722A JP H08256722 A JPH08256722 A JP H08256722A JP 6562695 A JP6562695 A JP 6562695A JP 6562695 A JP6562695 A JP 6562695A JP H08256722 A JPH08256722 A JP H08256722A
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(57)【要約】 【目的】 柿ペーストが均一に分散されるとともにその
変色を防止できる柿の加工方法を提供する。 【構成】 柿をペースト化する第1の工程S1と、柿ペ
ーストにペクチナーゼを添加して粘度を低下させるとと
もにこれに含まれた空気を脱気する第2の工程S2と、
柿ペーストを真空雰囲気下に置き、なお残留している空
気を脱気する第3の工程S3と、脱気後の柿ペーストに
窒素ガスを含気する第4の工程S4とを含む柿の加工方
法である。これによれば、粘度が低下して柿ペーストは
混合対象物に対して均一に分散される。また、空気の脱
気により製品の変色が防止され、窒素ガスの含気により
柿ペーストが柿本来の色合いに調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は柿の加工方法に関し、特
に柿ペーストによる菓子の製造における柿の加工に適用
して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】果実をペースト化して砂糖などを加え、
これを型に流し込んで固めたゲル状食品であるゼリーな
どの菓子では、オレンジを用いたものやイチゴを用いた
ものなど多種多様な製品が市場に投入されている。そし
て、今日における消費者の嗜好の多様化に伴い、これを
提供するメーカー側では味覚やパッケージングなどによ
る差別化を図るとともに、未だ市場にはない新たなゼリ
ーの開発にも余念がない。このような状況の中で、本発
明者は柿を用いたゼリーの開発を行った。
【0003】そして、該ゼリーの開発途上において、オ
レンジなど他の果実と異なる柿固有の特性から次のよう
な問題点が発生した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第1の問題点は、柿ペ
ーストをゲル化剤(凝固剤)と混合すると、柿ペースト
が凝集して全体に均一とならないということである。こ
のような状態で製品が仕上がると、視覚的な商品価値が
損なわれるのみならず、食したときに部分部分で味が異
なってしまう。
【0005】第2の問題点は、柿をペースト化する際や
ゼリー作成時の前処理の際に抱き込まれた空気(酸素)
が最終製品にまで残ると、酸化により変色してしまうと
いうことである。このような変色を防止するには、抱き
込まれた空気を取り除けば、つまり脱気すればよいが、
柿ペースト自体の粘性が高いために簡単には脱気されな
い。
【0006】この第2の問題点については、発明者は酸
化防止剤による変色防止を思い至った。一般に、消費者
は酸化防止剤などの添加物の使用が極力控えられている
製品を求める傾向にあるため、このとき、ビタミンCと
同一物で比較的受け入れられやすい酸化防止剤であるア
スコルビン酸が用いられた。しかし、製品の変色を完全
に抑えることはできず、また、変色抑制のために添加量
を多くすると酸味を呈してしまった。
【0007】そこで、本発明の目的は、柿ペーストが凝
集することなく均一に分散する加工技術を提供すること
にある。
【0008】本発明の他の目的は、柿ペーストの変色を
防止することのできる加工技術を提供することにある。
【0009】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかにな
るであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を説明すれば、次の通
りである。
【0011】すなわち、本発明による柿の加工方法は、
柿をペースト化する工程と、柿ペーストにペクチナーゼ
を添加して粘度を低下させるとともにこれに含まれた空
気を脱気する工程と、脱気後の柿ペーストに窒素ガスを
含気する工程とを含むものである。
【0012】また、本発明による柿の加工方法は、柿を
ペースト化する工程と、柿ペーストにペクチナーゼを添
加して粘度を低下させるとともにこれに含まれた空気を
脱気する工程と、柿ペーストを真空雰囲気下に置き、な
お残留している空気を脱気する工程と、脱気後の柿ペー
ストに窒素ガスを含気する工程とを含むものである。
【0013】このような柿の加工方法によりゲル状食品
を製造することができる。
【0014】
【作用】上記した手段によれば、柿ペーストにペクチナ
ーゼを添加して粘度を低下させているので、柿ペースト
を凝集することなく混合対象物に対して均一に分散する
ことができる。
【0015】また、空気を脱気して窒素ガスを含気する
ようにしているので、酸化防止剤を用いることなく製品
の変色を防止することができ、柿ペーストが柿本来の色
合いに調整される。なお、酸化防止剤を補助的に使用し
た場合では、該酸化防止剤の効果をより持続させること
ができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて詳
細に説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例である柿の加工方
法を示すフローチャートであり、このフローチャートに
沿ってたとえば西条柿を加工してゲル状食品であるゼリ
ーを製造する方法を説明する。
【0018】先ず、第1の工程S1において、西条柿を
たとえば圧搾してこれを糊状にペースト化する。なお、
圧搾以外の方法でペースト化してもよい。
【0019】次に、第2の工程S2に移行し、ペースト
化された西条柿(以下「柿ペースト」という。)に、ペ
ースト重量に対してたとえば0.001%程度のペクチナ
ーゼを添加して撹拌し、作用温度をたとえば40〜50
℃に設定して2時間程度反応させる。これにより、粘度
が低下して柿ペーストが混合対象物であるゼリー内に均
一に分散されるようになるとともにペースト化時に抱き
込まれた空気が脱気される。そして、この脱気により柿
ペーストが酸化して変色することが防止される。
【0020】なお、ペクチナーゼの活性(ペクチン分解
能力)は製品ごとに異なっており、したがって、前記し
た添加量は一例に過ぎない。但し、果汁の濾過、清澄で
の該ペクチナーゼにおける標準添加量の1/5〜1/1
0の量が目安とされる。また、同様に前記した反応条件
も一例に過ぎず、反応時間を短縮したい場合には、ペク
チナーゼの添加量を増やしたり反応温度を上げたりすれ
ばよい。
【0021】粘度の低下による脱気でも、依然柿ペース
ト内には空気が残留している場合がある。そこで、ペク
チナーゼの添加による脱気工程後、第3の工程S3にお
いて柿ペーストを真空雰囲気下に置いて残留空気をさら
に脱気する。ここで、真空度は所望のレベルに設定でき
るが、柿ペーストの粘度などを考慮すると600mmHg以
上の真空度とすることが望ましい。なお、柿の種類や柿
の成熟度などによって、その柿自体が有する粘度は区々
であり、たとえば熟柿などの場合にはペクチナーゼの添
加による粘度は相対的に低くなる。そして、粘度が低い
とその状態において十分に脱気されるので、このような
場合には真空雰囲気下での脱気工程である第3の工程は
省略することができる。
【0022】脱気後には、第4の工程S4において、柿
ペーストに窒素ガス(N2 ガス)を含気する。つまり、
柿ペーストから完全に空気を取り除くと、この柿ペース
トがやや黒ずんだ色になるため、不活性ガスである窒素
ガスを含気させて柿本来の色合いに調整するものであ
る。窒素ガスの含気は、柿ペーストをたとえばミキサー
に入れて窒素ガスを供給しながら撹拌して行う。第4の
工程S4による窒素ガスの含気率はたとえば3.7%程度
とする。なお、この含気率も柿ペーストの性質などを考
慮して任意の値に調節することができる。
【0023】その後、常法に従って所定の加工を施し、
最終的に型に流し込んで固めてゼリーが製造される。
【0024】ここで、脱気後に窒素ガスを含気した本実
施例による柿ペーストを用いて製造されたゼリーと、脱
気のみで窒素ガスを含気していない柿ペーストを用いて
製造されたゼリーとの色の対比を表1に示す。なお、測
定装置としては日本電色工業株式会社製の測色色差計、
ND−300Aを用いた。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、本実施例によるゼリー
は、比較例に比べて明るく黄色度も高い値となった。し
たがって、製品として良好な色合いを呈することがで
き、商品価値の高いものになった。
【0027】このように、本実施例による柿の加工技術
によれば、柿ペーストにペクチナーゼを添加して粘度を
低下させているので、柿ペーストは凝集することなくゼ
リー内で均一に分散される。
【0028】また、ペクチナーゼによる粘度の低下と必
要に応じた真空処理によって空気を脱気し、その後窒素
ガスを含気することによって、酸化防止剤を用いること
なく製品の変色を防止することができ、また、柿ペース
トが柿本来の色合いに調整される。なお、この場合、ア
スコルビン酸などの酸化防止剤は酸味を呈しない程度に
微量に添加することができる。
【0029】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0030】たとえば、前述のように本実施例において
は加工対象の柿として西条柿が用いられているが、他の
種々の種類の柿を用いることができる。
【0031】また、本実施例では、柿ペーストによりゼ
リーが製造される柿の加工方法が説明されたが、たとえ
ば羊羹などのように柿ペーストを多量に含む種々のゲル
状食品の製造に適用することができる。
【0032】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以
下の通りである。
【0033】(1).すなわち、本発明の柿の加工技術によ
れば、柿ペーストにペクチナーゼを添加して粘度を低下
させているので、柿ペーストを凝集することなく混合対
象物に対して均一に分散することができる。
【0034】(2).これにより、製品が仕上がった製品に
柿ペーストのムラがなく、視覚的な商品価値が向上する
とともに、食したときの味の均一性を奏することができ
る。
【0035】(3).また、空気を脱気して窒素ガスを含気
するようにしているので、酸化防止剤を用いることな
く、あるいは使用したとしても微量で、製品の変色を防
止することができ、さらに、柿ペーストを柿本来の色合
いに調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である柿の加工方法を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
S1 第1の工程 S2 第2の工程 S3 第3の工程 S4 第4の工程

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の工程(a)〜(c)を含むことを特
    徴とする柿の加工方法。 (a)柿をペースト化する工程、(b)柿ペーストにペ
    クチナーゼを添加して粘度を低下させるとともにこれに
    含まれた空気を脱気する工程、(c)脱気後の前記柿ペ
    ーストに窒素ガスを含気する工程。
  2. 【請求項2】 次の工程(a)〜(d)を含むことを特
    徴とする柿の加工方法。 (a)柿をペースト化する工程、(b)柿ペーストにペ
    クチナーゼを添加して粘度を低下させるとともにこれに
    含まれた空気を脱気する工程、(c)前記柿ペーストを
    真空雰囲気下に置き、前記(b)工程を経てもなお残留
    している空気を脱気する工程、(d)脱気後の前記柿ペ
    ーストに窒素ガスを含気する工程。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の柿の加工方法を
    用いて製造されたことを特徴とするゲル状食品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010007869A1 (ja) * 2008-07-15 2010-01-21 バイオボックス株式会社 加工食品生産方法及び加工食品
KR20200072138A (ko) * 2018-12-12 2020-06-22 경상북도(농업기술원) 홍시 조청의 제조방법

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JP2010022213A (ja) * 2008-07-15 2010-02-04 Biobox Co Ltd 加工食品生産方法及び加工食品
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