JPH08256716A - 低油分ホイップクリーム用水中油型乳化物及びその製造方法 - Google Patents

低油分ホイップクリーム用水中油型乳化物及びその製造方法

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JPH08256716A
JPH08256716A JP7063802A JP6380295A JPH08256716A JP H08256716 A JPH08256716 A JP H08256716A JP 7063802 A JP7063802 A JP 7063802A JP 6380295 A JP6380295 A JP 6380295A JP H08256716 A JPH08256716 A JP H08256716A
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JP
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oil
emulsion
sfc
whipped
low
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JP7063802A
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English (en)
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Masakatsu Sugiura
将勝 杉浦
Teruyuki Kimura
輝行 木村
Naoaki Hayakawa
直明 早川
Yoshinobu Nakajima
義信 中島
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い乳化安定性を有し、ホイップ時にクリー
ミーな食感を与える適度な硬度(ホイップ性)を得るこ
とができ、ホイップ後の保型性、風味、口溶け性に優れ
たホイップクリーム用の低油分水中油型乳化物を提供す
る。 【構成】 SFCが、5℃で70%以上、15℃で40%以
上、20℃で35%以上である油脂を含む乳化物で、その乳
化物の油滴の平均粒子径が0.5 μm 以下である低油分ホ
イップクリーム用水中油型乳化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケーキ等のトッピング
やサンド等に用いられるホイップクリーム用の低油分水
中油型乳化物及びその製造方法に関する。更に詳しく
は、高い乳化安定性、ホイップ性、ホイップ後の風味、
口溶け性の改良されたクリームを得ることができるホイ
ップクリーム用の低油分水中油型乳化物及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品における嗜好性は、低カロリ
ー化やライトな風味へと変化しており、ホイップクリー
ムにおいても低油分化の要求が高まってきた。従来のホ
イップクリームは、油分が40〜50%のものが殆どであっ
た。これは、それ以下の低油分クリームでは、ホイップ
時にクリーミーな食感を与える適度な硬度を得ることが
できなかったし、ホイップ後の形状を維持することもで
きなかったためである。そこで、これらの問題点を解決
するため、特公昭62−118855号公報では、特定の乳化剤
を選択的に多量加えることが提案されている。また、ホ
イップクリームに含まれるラウリン系の油脂の量及び油
脂のSFC(油脂結晶量)を調整する方法(特開平2−
100646号公報)や、SUS型の対称型トリグリセリドに
富む油脂とラウリン酸系の油脂とを混合し、且つ油脂の
SFCを調整する方法(特開平5−219887号公報)が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような低油分ホイップクリームには以下のような欠点
がある。即ち、特公昭62−118855号公報の如き特定の乳
化剤を選択的に多量加えられたクリームは、乳化剤由来
の風味を有することとなり、ホイップクリーム本来の風
味が失われてしまう。また、特開平2−100646号公報に
記載のようなSFC範囲のクリームでは、ホイップ後の
保型性に乏しく、また、特開平5−219887号公報に記載
のSUS型油脂を用いると、振盪や攪拌に弱く、製品輸
送時の振動による乳化破壊が起こりやすいことや、ホイ
ップ後の温度変化(ヒートショック)による保型性の悪
化が問題となることが判明した。本発明の目的は、高い
乳化安定性を有し、ホイップ時にクリーミーな食感を与
える適度な硬度(ホイップ性)を得ることができ、ホイ
ップ後の保型性、風味、口溶け性に優れたホイップクリ
ーム用の低油分水中油型乳化物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な特性を有するホイップクリーム用の低油分水中油型乳
化物を得るべく、鋭意研究を行った。その結果、特定の
SFCを有する油脂を成分とする乳化物を用い、これを
従来より遙に高い特定の圧力で高圧乳化処理することに
より、従来の方法で得たホイップクリームより、乳化安
定性、ホイップ性等を更に高めたホイップクリーム用の
低油分水中油型乳化物が得られることを見出し、本発明
を完成したものである。即ち本発明は、SFCが、5℃
で70%以上、15℃で40%以上、20℃で35%以上である油
脂を含む乳化物で、その乳化物の油滴の平均粒子径が0.
5 μm 以下である低油分ホイップクリーム用水中油型乳
化物、及びその製造方法に関するものである。
【0005】以下に、本発明のホイップクリーム用低油
分水中油型乳化物について説明する。まず、本発明で用
いられる油脂は、そのSFCが、5℃で70%以上、15℃
で40%以上、20℃で35%以上のものである。更に具体的
には、そのSFCが、5℃で80%以上、15℃で45%以
上、20℃で35%以上のものが好ましく、5℃で85%以
上、15℃で55%以上、20℃で40%以上のものが特に好ま
しい。また、油脂の配合量は、30重量%以下であり、8
〜28重量%が好ましく、10〜25重量%が特に好ましい。
また、本発明で使用される食用油脂は、植物油脂、動物
油脂あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交
換油脂等の中から一種又は二種以上を併用することがで
きる。植物油脂、動物油脂の例としては、大豆油、ナタ
ネ油、コーン油、綿実油、パーム油、パーム核油、ヤシ
油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、イリッペ
脂、シア脂、カカオ脂、米油、乳脂、魚油、牛脂等を挙
げることができる。これらの油脂のうちでは、大豆油、
ナタネ油、綿実油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等が
好ましい。
【0006】また、本発明では、この種の用途に用いら
れる各種原料が適宜使用される。具体的には、生乳、牛
乳、生クリーム等のクリーム、濃縮乳、無糖練乳、加糖
練乳、全脂乳、醗酵乳、バターミルク、全脂粉乳、脱脂
粉乳、バターミルクパウダー、ホエー蛋白、ガゼイン、
ガゼインナトリウム等の乳蛋白の塩類、水、乳化剤、
糖、糖アルコール、安定剤、フレーバー、エッセンス
類、増粘剤などが挙げられる。乳化剤としては、ショ糖
脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリ
セリン脂肪酸エステル類、レシチン類、ポリグリセロー
ル脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エス
テル類等が使用可能である。また、安定剤としては、リ
ン酸(ヘキサメタリン酸、第2リン酸、第1リン酸)や
クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)
等が使用可能である。本発明のホイップクリームにおい
ては、任意成分として糖及び/又は糖アルコールを含ま
せる場合もある。この場合、糖としては一般公知のもの
が使用できるが、例えば、グルコース、ラクトース、マ
ルトース及びシュークロースなどを挙げることができ
る。また糖アルコールとしては、例えば、ソルビトー
ル、マルチトール、マンニトール及びキシリトールなど
を挙げることができる。これらは、一種で用いても良い
し、又は二種以上を併用しても良い。また、フレーバ
ー、エッセンス類としては、例えば、ミルクフレーバ
ー、バニラフレーバー、バニラエッセンスなどを挙げる
ことができる。
【0007】次に本発明のホイップクリーム用水中油型
乳化物の製造方法を説明する。先ず、上記の如き特定の
SFC範囲を有する油脂を60〜70℃に昇温後、油性乳化
剤等を添加し溶解して油相を調製する。また、水を60〜
70℃に昇温後、脱脂粉乳、糖、安定剤、乳化剤等を添加
し溶解して水相を調製する。次いで、油相と水相を混合
後、60〜70℃に保温し、3000〜15000rpmで、ホモミキサ
ーで5〜15分間程度の予備乳化し、更にこの予備乳化物
を均質化する。均質化は、例えばホモゲナイザーで50kg
/cm2 程度の圧力の通常の乳化処理により行われる。次
いで、この均質化物を、145 ℃、数秒間の超高温加熱殺
菌する。更に、殺菌後の乳化物を高圧乳化機(例えばナ
ノマイザーLA11型、ナノマイザー社製)で、300 kg
/cm2 以上、好ましくは500 〜3000kg/cm2 、更に好ま
しくは950 〜2000kg/cm2 の乳化圧力で高圧乳化処理
し、次いで冷却、そしてエージングの通常行われる各処
理を行うことにより製造することができる。この高圧乳
化処理により、乳化物の油滴の平均粒子径を0.5 μm 以
下とすることができる。
【0008】
【実施例】以下に、実施例および比較例を用いて本発明
を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を
制限するものではない。なお、実施例中の「%」は、
「重量%」を意味する。 実施例1〜4 表1に示す配合の油相(油性液)と水相(水性液)とを
混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物を65℃
においてホモジナイザーで均質化(50kg/cm2)処理を
行った。次いで、得られた乳化物をUHT殺菌機(145
℃、3秒、岩井機械工業(株)製)を用いて滅菌処理を
行い、その後殺菌後の乳化物を高圧乳化機(ナノマイザ
ーLA11型、ナノマイザー社製)で、表1に示す乳化
圧力で高圧乳化処理した。得られた乳化物を5℃まで冷
却し、充填後、一昼夜5℃でエージングして本発明に従
う低油分ホイップクリーム用水中油型乳化物を調製し
た。得られた水中油型乳化物をホイップしてホイップド
クリームを作り、各種の評価を行った。結果を表1に示
す。
【0009】
【表1】
【0010】尚、評価法は以下の通りである。 〔SFC〕バルスNMR法(D.Waddington 1986:Analys
is of Oils and Fats,R.J.Hamilton and J.B.Rossell(E
d),341-399,Elesevier Applied Science Publishers,Ne
wYork)によって測定した。 〔油滴の平均粒子径〕0.5 %ドデシル硫酸水溶液に乳化
物を分散後、超音波照射しながらレーザー回折式粒度分
布計(SALD−1100、島津製作所製)を用い、得
られた測定値をコンピューター処理して算出した体積基
準の平均粒子径である。 〔ホイップ法〕ホバートミキサーを用い、冷却下(10
℃)で調製したホイップクリームをホイップし、ホイッ
プ時間(最適なホイップの硬度を有する状態になるまで
の時間)及び以下の如くしてオーバーランの測定を行っ
た。
【0011】
【数1】
【0012】〔耐振盪試験〕100ml の三角フラスコにク
リームを30g入れ、20℃にて横型シェーカーを用い、振
幅8cm、100rpmの振幅数で振盪させ、クリームが凝集し
増粘(固化)し始めた時間を測定した。 〔保型性〕ホイップ後のクリームを絞り袋を用いてスポ
ンジケーキ上にトッピングしたものを10℃に保存し、保
型性を調べた。また、ヒートショックは、同様にトッピ
ングした後、25℃で1時間保存した後、10℃に保存し、
保型性を調べて評価した。 〔風味、食感〕専門パネラー20名により、優れている順
に、「良好」、「可」、「不可」の3段階評価を行い、
指摘数の最も多いものを結果とした。
【0013】比較例1〜3 配合組成及び調製法を表2に示すように変えた他は、前
記実施例と同様にしてホイップクリーム用水中油型乳化
物を調製し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】本発明の如く、特定のSFCを有する油
脂を成分とする乳化物を用い、これに高圧乳化処理等を
行い、乳化物の油滴を特定の粒子径に微細化することに
より、従来の方法で得たホイップクリームより、高い乳
化安定性を有し、ホイップ時にクリーミーな食感を与え
る適度な硬度(ホイップ性)を得ることができ、ホイッ
プ後の保型性、風味、口溶け性に優れたホイップクリー
ム用の低油分水中油型乳化物を得ることが可能となっ
た。
フロントページの続き (72)発明者 中島 義信 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1丁目8762− 23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SFCが、5℃で70%以上、15℃で40%
    以上、20℃で35%以上である油脂を含む乳化物で、その
    乳化物の油滴の平均粒子径が0.5 μm 以下である低油分
    ホイップクリーム用水中油型乳化物。
  2. 【請求項2】 油脂含量が30重量%以下である請求項1
    記載の低油分ホイップクリーム用水中油型乳化物。
  3. 【請求項3】 乳化時の乳化圧力が300 kg/cm2 以上で
    ある請求項1又は2記載の低油分ホイップクリーム用水
    中油型乳化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記高圧乳化処理を殺菌又は滅菌後に行
    う請求項3記載の低油分ホイップクリーム用水中油型乳
    化物の製造方法。
JP7063802A 1995-03-23 1995-03-23 低油分ホイップクリーム用水中油型乳化物及びその製造方法 Pending JPH08256716A (ja)

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