JPH08255525A - 耐熱絶縁電線の製造方法 - Google Patents

耐熱絶縁電線の製造方法

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JPH08255525A
JPH08255525A JP7060719A JP6071995A JPH08255525A JP H08255525 A JPH08255525 A JP H08255525A JP 7060719 A JP7060719 A JP 7060719A JP 6071995 A JP6071995 A JP 6071995A JP H08255525 A JPH08255525 A JP H08255525A
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JP
Japan
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coating
heat
metal
insulation
insulated wire
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Withdrawn
Application number
JP7060719A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenzo Takeuchi
健三 武内
Ataru Ishiyama
中 石山
Nobuyuki Sukegawa
伸行 助川
Takeshi Okada
岡田  健
Junichi Nishioka
淳一 西岡
Junko Tsujimaki
淳子 辻巻
Yasuo Takahashi
保夫 高橋
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱分解法による被膜の緻密化を図り、耐熱性
に優れ、しかも絶縁性および可とう性が良好で、かつ、
ガスの放出も少ない絶縁被膜を具備した耐熱絶縁電線を
製造することができる方法を提供する。 【構成】 金属アルコレートのような有機金属化合物を
導体上に塗布し加熱焼成して金属酸化物を主体とする絶
縁被膜を設け、次いで、この被膜にCO2 レーザ光を照
射し加熱溶融させて緻密化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温度、高真空の過酷
な環境下で使用される耐熱絶縁電線の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、高い耐熱性が要求される用途に
は、ポリイミドやフッ素系樹脂などの耐熱性有機樹脂を
被覆した絶縁電線が使用されてきた。しかるに、近年、
真空機器や原子力機器などのリード線や巻線などの用途
に、300℃を越える過酷な温度環境下、高真空下で使用
しても絶縁特性や機械特性などが低下することのない絶
縁電線の要求があり、このような用途には、耐熱温度が
たかだか 200℃前後の従来の有機樹脂を被覆した絶縁電
線では、その適用は困難であった。
【0003】このようななかで、近時、CVD法やPV
D法、あるいは熱分解法と称する方法などにより、Si、
Al、Zr、Mgなどの酸化物からなる絶縁性の無機被膜を形
成する技術が開発され、従来の有機系被膜よりはるかに
高い耐熱性を有する絶縁被膜が形成されることから注目
されている。なかでも、ステアリン酸やオクチル酸など
の有機酸の金属塩、あるいは金属アルコレートなどの溶
液もしくは分散液を基材上に塗布し焼結する熱分解法
は、次のような特長を有することから、絶縁電線への適
用が期待されている。
【0004】すなわち、この熱分解法は、イ)CVD法
やPVD法などのように、特殊な装置を必要としたり、
実際に成膜に預かる量の数倍乃至数十倍の原料を必要と
するなどの不都合がない、ロ)比較的低温で成膜される
ため、基材、すなわち導体の変質(酸化など)や変形を
招くおそれが少ないなどの特長を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱分解
法は、有機金属化合物の熱分解により有機基が脱離する
とともに溶剤が蒸発して被膜が形成されるものであるた
め、被膜は本質的にポーラスになりやすく、絶縁性や可
とう性が不十分で、また、被膜の表面積が実質的に広く
なるためガスの吸着が起こりやすく、真空下で使用した
場合にガスの発生が問題となるなどの難点があった。
【0006】本発明はこのような従来技術の課題を解決
するためになされたもので、熱分解法により形成される
被膜の緻密化を図り、これにより耐熱性に優れ、しかも
絶縁性および可とう性が良好で、かつ、ガスの放出も少
ない絶縁被膜を具備した耐熱絶縁電線を製造することが
できる方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱絶縁電線の
製造方法は、有機金属化合物を導体上に塗布し加熱焼成
して金属酸化物を主体とする絶縁被膜を設け、次いで、
この絶縁被膜にCO2レーザ光を照射し加熱溶融させる
ことを特徴としている。
【0008】本発明に使用される有機金属化合物として
は、有機酸の金属塩、金属アルコレート、金属キレー
ト、金属アシレートなどがあげられ、金属種としては、
Al、Mg、Be、Si、Ti、Zrなどがあげられる。具体的に
は、ナフテン酸、カプリン酸、ステアリン酸、オクチル
酸などのアルミニウム塩、アルミニウムイソプロピレー
ト、モノsec-ブトキシアルミニウムイソプロピレート、
アルミニウムヘキシレート、アルミニウムエチレート、
アルミニウム- ジ-iso- プロポキシ -モノエチルアセト
アセテート、アルミニウム- ジ-n- ブトキシ -モノエチ
ルアセトアセテート、アルミニウム- ジ-n- ブトキシ -
モノメチルアセトアセテート、アルミニウム- ジ-iso-
ブトキシ -モノメチルアセトアセテート、アルミニウム
- ジ-sec- ブトキシ -モノエチルアセトアセテート、ア
ルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミ
ニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウム
ビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネー
ト、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレー
ト、アルミニウムオキサイドオクトエート、アルミニウ
ムオキサイドステアレート、テトラエトキシシラン、テ
トライソプロポキシチタン、トリスイソプロポキシアル
ミニウム、テトラ-n- ブトキシテトラキス-2- エチルヘ
キソキシチタン、ジフェニルシランジオール、シリコー
ンオイルなどが使用される。これらは1 種を単独で使用
してもよく、また、 2種以上を混合して用いるようにし
てもよい。
【0009】本発明においては、このような有機金属化
合物をそのまま、あるいは炭化水素系、アルコール系、
エーテル系、芳香族系などの有機溶剤に溶解または分散
させて塗布液とし、これを、導体上に塗布し加熱焼成す
る。塗布方法としては、フェルトコート法、浸漬法、噴
霧法など、塗料の場合と同様の方法を用いることができ
る。また、焼成温度は 200〜1000℃程度が適当である。
200℃より低いと有機金属化合物の熱分解が十分に進ま
ずに有機分が被膜中に残留するおそれがある。逆に1000
℃より高いと熱分解が急速に起こり、被膜が導体から剥
離するおそれがある。この塗布および加熱焼成工程は必
要に応じて複数回繰り返され、所要の厚さの被膜に形成
される。なお、本発明において、上記塗布液には、有機
金属化合物とともにアルミナ、二酸化珪素、酸化マグネ
シウムなどの絶縁性のセラミック粉末の 1種以上を含有
させるようにしてもよい。
【0010】この加熱焼成によって、有機金属化合物の
有機分が分解除去され、導体上に金属酸化物を主体とす
る耐熱性に優れた絶縁被膜が形成される。しかして、こ
こで形成される絶縁被膜は、ポーラスで多数のピンホー
ルの発生がみられる。このため、本発明においては、こ
の被膜に、CO2 レーザ光(波長 10.6 μm)を照射す
る。これにより、金属酸化物を主体とする前記絶縁被膜
はCO2 レーザ光を吸収して加熱溶融し、緻密化され
る。すなわち、ピンホールがなく、絶縁性および可とう
性に優れ、また、ガスの放出も少ない特性に優れた耐熱
絶縁被膜が形成される。なお、酸化物系のセラミックは
CO2 レーザ光を良く吸収するが、なかでも、前述した
アルミナ、二酸化珪素、酸化マグネシウムはCO2 レー
ザ光の吸収率が高いことから、被膜の形成には、これら
の金属酸化物からなる絶縁被膜が形成されるような有機
金属化合物を使用することが望ましい。
【0011】なお、本発明に使用する導体としては、上
記加熱焼成温度範囲内で導体の電気抵抗があまり低下す
ることのない耐熱性に優れたものが好ましく、たとえば
Ag線、Au線、Pt線、Ni線、これらの合金線またはこれら
をメッキしたCu線、ステンレス線、ステンレスを被覆し
たCu線などが例示される。
【0012】
【作用】このように本発明方法においては、有機金属化
合物により形成されたポーラスな金属酸化物を主体とす
る絶縁被膜に、CO2 レーザ光を照射して加熱溶融させ
るため、被膜が緻密化され、絶縁性および可とう性が良
好で、かつ、ガスの放出も少ない耐熱絶縁被膜を有する
耐熱絶縁電線を得ることができる。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を記載する。
【0014】実施例1 直径 0.5mmのAg線に、テトラエトキシシランの20%溶液
(溶剤:メタノール)を塗布し、 400℃、10分間の条件
で加熱焼成した後、さらに、これを複数回繰り返して、
厚さ10μmの被膜を形成した。次いで、この表面に出力
5.0wのCO2 レーザを用いてCO2 レーザ光を照射して
絶縁電線を得た。 実施例2〜8 導体、塗布液、焼成温度、およびCO2 レーザを表1に
示すように変えた以外は、実施例1と同様にして絶縁電
線を得た。なお、表中のAlアセテートは、アルミニウム
- ジ-n- ブトキシ -モノエチルアセトアセテートを略記
したものである。上記各実施例により得られた絶縁電線
の特性を表1下欄に示す。なお、表中の比較例1〜3
は、CO2 レーザ光を未照射とした点を除いて、それぞ
れ実施例1、実施例4および実施例6と同様にして製造
した絶縁電線の例であり、本発明との比較のために示し
たものである。
【0015】
【表1】 表1に示した特性評価からも明らかなように、実施例の
絶縁電線は、比較例のものに比べ、いずれも絶縁性およ
び可とう性が向上しており、また、ガス放出性の点でも
良好な特性を有していた。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱分解法により導体上に形成した絶縁被膜を緻密なもの
にすることができるため、熱分解法を適用して、耐熱性
に優れ、しかも、絶縁性および可とう性が良好で、か
つ、ガスの放出も少ない絶縁被膜を具備した絶縁電線を
製造することかできる。
【0017】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 助川 伸行 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 岡田 健 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 西岡 淳一 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 辻巻 淳子 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 高橋 保夫 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機金属化合物を導体上に塗布し加熱焼
    成して金属酸化物を主体とする絶縁被膜を設け、次い
    で、この絶縁被膜にCO2 レーザ光を照射し加熱溶融さ
    せることを特徴とする耐熱絶縁電線の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の耐熱絶縁電線の製造方法
    において、有機金属化合物が金属アルコレートであるこ
    とを特徴とする耐熱絶縁電線の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の耐熱絶縁電線の製造方法
    において、有機金属化合物が金属キレートであることを
    特徴とする耐熱絶縁電線の形成方法。
JP7060719A 1995-03-20 1995-03-20 耐熱絶縁電線の製造方法 Withdrawn JPH08255525A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115210198A (zh) * 2020-02-26 2022-10-18 住友化学株式会社 烧结体的制造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

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Effective date: 20020604