JPH08253103A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置

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Publication number
JPH08253103A
JPH08253103A JP7156235A JP15623595A JPH08253103A JP H08253103 A JPH08253103 A JP H08253103A JP 7156235 A JP7156235 A JP 7156235A JP 15623595 A JP15623595 A JP 15623595A JP H08253103 A JPH08253103 A JP H08253103A
Authority
JP
Japan
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webbing
engaging
rotation
pawl
rotating
Prior art date
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Pending
Application number
JP7156235A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Kato
啓一 加藤
Keisuke Imai
啓介 今井
Hisahiro Tsukiyama
尚弘 築山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP7156235A priority Critical patent/JPH08253103A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンドロック状態を容易にかつ確実に解消す
ることができ、また、それを簡単な構造で実現する。 【構成】 いわゆるエンドロック状態が生じた場合、ウ
エビングを引き出してVギヤ34をウエビング引出方向
(矢印A)へ回転させた後にウエビングを巻き取ってV
ギヤ34をウエビング巻取方向へ回転させると、クラッ
チディスク38と一体に回転する作動部114がフェイ
ントレバー100の第2係合部108と係合してクラッ
チディスク38の復帰回転が阻止され、Vギヤ34が先
行してウエビング巻取方向へ回転して裏歯104がパウ
ル46を押し下げてパウル46と外歯44との係合が解
除された後に、作動部114と第2係合部108との係
合が解除されてクラッチディスク38が原位置へ復帰回
転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シートベルト装置のウ
エビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シートベルト装置のウエビング巻取装置
では、通常は、ウエビングの引き出し巻き取りを自由と
するが、車両急減速時には、ウエビングの引き出しを阻
止して乗員の拘束をなす。
【0003】ウエビングの引き出しを阻止するのに、次
の構造を用いるものが公知である。すなわち、ウエビン
グが巻き掛けられて回転自在なスプールに、外歯ギヤ
(Vギヤ)が一体に回転可能に設けられるとともに、外
歯ギヤに対応しては、加速度センサが設けられる。加速
度センサでは、ボールが慣性移動することによりパウル
が外歯ギヤの外歯と噛合するようになっている。加速度
センサは、スプールと同軸状とされて回転可能なクラッ
チディスクに設けられ、クラッチディスクは所定の位置
に回転付勢されている。車両急減速時に、加速度センサ
が作動してパウルが外歯と噛合すると、車両急減速に伴
いウエビングが引っ張られることによって生ずるスプー
ルのウエビング引出方向の回転によりクラッチディスク
が同方向へ回転する。クラッチディスクには、クランプ
が連結され、クランプは、クラッチディスクのウエビン
グ引出方向の回転によって作動し、ウエビングを挟圧し
てウエビングの引き出しを阻止する。
【0004】このように、スプールとVギヤとを一体に
回転させる構造では、ロック作動角が小さくて足り、す
なわち、パウルが外歯と係合してからウエビングの引き
出しを阻止するまでに要するスプールの回転角が小さく
て足る。また、クランプを用いてウエビングを直接ロッ
クするので、ウエビングの巻き絞りに伴うウエビングの
引き出しも抑えることができる。
【0005】ところで、ウエビングがスプールに急速に
巻き込まれて、全格納状態(ウエビングをそれ以上巻き
込むことができない状態)に達すると、巻き込みが急速
であるために生ずる振動や、慣性力等で加速度センサが
作動してパウルが外歯と噛合してしまいその噛合が解除
できない、いわゆる、エンドロック状態が生ずる場合が
ある。外歯は、パウルとの係合にあたって、ウエビング
引出方向にパウルを掬い込み易い形状とされている。外
歯とパウルとの係合を解除するには、スプールのウエビ
ング巻取方向への回転を要する。パウルが外歯と噛合し
ても、通常は、ウエビングを巻き戻せば、スプールがウ
エビング巻取方向に回転して、その係合を解除すること
ができるが、全格納状態にある場合には、ウエビングを
それ以上巻き込めず、従って、スプールはウエビング巻
取方向の回転ができない。
【0006】上記エンドロック状態を解消するのに、ウ
エビングを引っ張ってウエビングを巻き絞ることが行な
われる。すなわち、ウエビングの巻き絞りを行った後に
ウエビングを巻き戻せは、ウエビングの巻き込み量が増
してスプールがエンドロック状態のときの位置よりウエ
ビング巻取方向側へ回転できて、エンドロック状態が解
消される。
【0007】しかし、そのエンドロック状態を解消する
操作は面倒である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、エンドロック状態を容易にかつ確実に解消するこ
とができ、また、それを簡単な構造で実現することがで
きるウエビング巻取装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る本発明のウエビング巻取装置は、回
転可能とされてウエビングを引き出し巻き取り自在とす
るスプールと、このスプールをウエビング巻取方向へ付
勢する巻取付勢手段と、前記スプールと一体に回転し、
周部に係合歯を有する回転部材と、この回転部材と同軸
状とされて回転可能な作動部材と、この作動部材に設け
られ、係合歯と係脱自在とされ、車両急減速に対応する
加速度の作用によって係合歯と係合し、係合状態では回
転部材のウエビング引出方向回転によって作動部材をウ
エビング引出方向へ回転させる係合爪と、前記作動部材
のウエビング引出方向回転により作動し、ウエビングの
引き出しを阻止する阻止手段と、前記係合爪の係合歯と
の係合状態でウエビングを引き出して回転部材をウエビ
ング引出方向へ回転させた後にウエビングを巻き取って
回転部材をウエビング巻取方向へ回転させるときに作動
部材を原位置へ復帰回転させるべく付勢する作動部材付
勢手段と、前記作動部材の復帰回転を、回転部材のウエ
ビング巻取方向回転より遅らせ、係合爪の係合歯との係
合を解除する遅れ手段と、を備えた構成を特徴とする。
【0010】請求項2に係る本発明のウエビング巻取装
置は、請求項1の構成において、前記遅れ手段は、前記
作動部材のウエビング巻取方向回転を阻止する回転阻止
手段と、前記回転部材と一体に回転し、所定量の回転部
材のウエビング巻取方向回転を要して回転阻止手段によ
る作動部材のウエビング巻取方向回転阻止を解除する解
除部と、を備えてなることを特徴とする。
【0011】なお、請求項2の構成において、回転阻止
手段は、前記作動部材と一体に回転する作動部と、第1
位置と第2位置との間で移動自在とされるとともに、第
1位置で作動部と係合して第1位置から第2位置への移
動を阻止する第1係合部と、第2位置で作動部と係合し
て作動部材のウエビング巻取方向回転を阻止する第2係
合部とを備え、作動部材のウエビング引出方向回転に伴
い作動部と第1係合部との係合が解除されて第1位置か
ら第2位置への移動が可能となり、第2位置から第1位
置への移動により作動部と第2係合部との係合が解除さ
れて作動部材のウエビング巻取方向回転を可能とする係
合部材と、前記係合部材を第1位置から第2位置へ付勢
する係合部材付勢手段と、を備え、前記解除部は、前記
回転部材と一体に回転し、係合部材の第1位置で係合部
材と離間し、係合部材の第2位置で係合部材と係合し、
作動部と第2係合部との係合状態で所定量の回転部材の
ウエビング巻取方向回転を要して係合部材を第1位置へ
移動させてなる、構成(第2−1具体化手段)が、より
具体的に挙げられる。
【0012】また、請求項2の構成において、前記回転
阻止手段は、前記作動部材と一体に回転するとともに、
第1位置から第2位置へ付勢移動される作動部と、この
作動部の第1位置で作動部と係合して作動部の第1位置
から第2位置への移動を阻止する第1係合部と、作動部
の第2位置で作動部と係合して作動部材のウエビング巻
取方向回転を阻止する第2係合部とを備え、作動部材の
ウエビング引出方向回転に伴い作動部と第1係合部との
係合が解除されて作動部を第1位置から第2位置へ移動
させ、作動部が第2位置から第1位置へ移動することに
より作動部と第2係合部との係合が解除される係合部材
と、を備え、前記解除部は、前記回転部材と一体に回転
し、作動部の第1位置で作動部と離間し、作動部の第2
位置では作動部と第2係合部との係合状態で所定量の回
転部材のウエビング巻取方向回転を要して作動部と係合
して作動部を第1位置へ移動させてなる、構成(第2−
2具体化手段)が、より具体的に挙げられる。
【0013】請求項3に係る本発明のウエビング巻取装
置は、回転可能とされてウエビングを引き出し巻き取り
自在とするスプールと、このスプールと一体に回転し、
周部に係合歯を有する回転部材と、この回転部材と同軸
状とされて回転可能な作動部材と、この作動部材に設け
られ、係合歯と係脱自在とされ、車両急減速に対応する
加速度の作用によって係合歯と係合し、係合状態では回
転部材のウエビング引出方向回転によって作動部材をウ
エビング引出方向へ回転させる係合爪と、前記作動部材
のウエビング引出方向回転により作動し、ウエビングの
引き出しを阻止する阻止手段と、前記係合爪の係合歯と
の係合状態でウエビングを引き出して回転部材をウエビ
ング引出方向へ回転させた後にウエビングを巻き取って
回転部材をウエビング巻取方向へ回転させるときに作動
部材を原位置へ復帰回転させるべく付勢する作動部材付
勢手段と、前記係合爪と作動部材との間に設けられ、係
合爪を作動部材の半径方向へ移動自在とする移動手段
と、作動部材の復帰回転に伴い係合爪を係合歯と離脱さ
せるように係合爪を作動部材半径方向へ移動案内する案
内手段と、を備えた構成を特徴とする。
【0014】請求項4に係る本発明のウエビング巻取装
置は、回転可能とされてウエビングを引き出し巻き取り
自在とするスプールと、このスプールと一体に回転し、
周部に係合歯を有する回転部材と、この回転部材と同軸
状とされて回転可能な作動部材と、この作動部材に回動
自在に軸支され、車両急減速に対応する加速度の作用に
よって係合歯と離脱する離脱位置から係合歯と係合する
係合位置へ回動し、係合歯との係合状態では回転部材の
ウエビング引出方向回転によって作動部材をウエビング
引出方向へ回転させる係合爪と、前記作動部材のウエビ
ング引出方向回転により作動し、ウエビングの引き出し
を阻止する阻止手段と、前記係合爪の係合歯との係合状
態でウエビングを引き出して回転部材をウエビング引出
方向へ回転させた後にウエビングを巻き取って回転部材
をウエビング巻取方向へ回転させるときに作動部材を原
位置へ復帰回転させるべく付勢する作動部材付勢手段
と、前記作動部材の復帰回転に伴い係合爪に、この回動
軸回りの離脱方向へモーメントを付与し、係合爪の係合
歯との係合を解除するモーメント付与手段と、備えた構
成を特徴とする。
【0015】なお、請求項4の構成において、前記モー
メント付与手段は、前記係合爪と相対回動するレバー
と、前記レバーを所定の絶対回動位置に付勢する位置付
勢手段と、前記係合爪とレバーとの間に設けられ、所定
の相対回動位置でレバーの係合爪離脱方向への相対回動
を阻止する阻止部と、所定の絶対回動位置でレバーと係
合する係合体と、を備え、前記作動部材のウエビング引
出方向回転によっては、所定の絶対回動位置にあるレバ
ーが係合体とこの一側から係合して係合体がレバーを係
合爪係合方向へ相対回動させ、この相対回動によりレバ
ーが係合体とこの逆側へ離脱されるとともに、作動部材
のウエビング巻取方向回転によっては、所定の絶対回動
位置にありかつ所定の相対回動位置にあるレバーが係合
体とこの逆側から係合して係合体がレバーを係合爪離脱
方向へ回動させ、この回動によりレバーが係合体とこの
一側へ離脱されてなる、構成(第4−1具体化手段)が
具体的に挙げられる。
【0016】また、請求項4の構成において、前記モー
メント手段は、前記係合爪と共に回動するレバーと、こ
のレバーと係合する係合体と、を備え、前記レバーと係
合体とのいずれかが弾性変形可能とされ、作動部材のウ
エビング引出方向回転によっては、レバーが係合体とこ
の一側から係合してレバーと係合体とのいずれかが弾性
変形し、この弾性変形によりレバーが係合体とこの逆側
へ離脱されるとともに、作動部材のウエビング巻取方向
回転によっては、レバーが係合体とこの逆側から係合し
て係合体がレバーを係合爪離脱方向へ回動させ、この回
動によりレバーが係合体とこの一側へ離脱されてなる、
構成(第4−2具体化手段)が具体的に挙げられる。
【0017】請求項5に係る本発明のウエビング巻取装
置は、請求項1の構成において、前記遅れ手段は、第2
位置から第1位置へ移動付勢されるフック部材と、この
フック部材に設けられる第1制御部と、前記作動部材に
設けられる規制部と、前記作動部材のウエビング引出方
向の回転に伴い、規制部が、ウエビング巻取方向側から
第1制御部と係合し、フック部材を第1位置に位置させ
たままで第1制御部のウエビング引出方向側へ離脱する
第1係合手段と、前記規制部が第1制御部のウエビング
引出方向側へ離脱した後の作動部材のウエビング巻取方
向の回転に伴い、規制部が、ウエビング引出方向側から
第1制御部と係合し、フック部材を第1位置から第2位
置へ移動させて、これにより第1制御部のウエビング巻
取方向側へ離脱する第2係合手段と、前記フック部材に
設けられる第2制御部と、前記回転部材の周方向に沿っ
て交互に設けられる第1係部と第2係部とを有し、回転
部材の回転位置に応じて第1係部が第2制御部と対応位
置するときと第2係部が第2制御部と対応位置するとき
とを得て、第1係部が第2制御部と対応位置するときは
フック部材の第2位置への移動を阻止すべく第1係部が
第2制御部と係合可能となり、第2係部が第2制御部と
対応位置するときはフック部材の第2位置への移動を許
容すべく第2係部が第2制御部と係合可能となり、前記
規制部がウエビング引出方向側から第1制御部と係合す
るときは、回転部材のウエビング巻取方向の回転に伴
い、第1係部が第2制御部と対応位置した後に第2係部
が第2制御部と対応位置する対応制御手段と、を備えた
構成を特徴とする。
【0018】請求項6に係る本発明のウエビング巻取装
置は、請求項5の構成において、前記対応制御手段の第
1係部と第2係部とが凹凸で形成され、凹凸が、回転部
材の係合歯と同ピッチで同数とされることを特徴とす
る。
【0019】請求項7に係る本発明のウエビング巻取装
置は、請求項5の構成において、前記作動部材に設けら
れるW歯と、車両急減速に伴うウエビングの引張加速に
よってウエビング巻取方向へ慣性力を受けて回転部材の
ウエビング引出方向の回転に遅れてW歯と係合するWパ
ウルとを有し、WパウルがW歯と係合した状態ではスプ
ールのウエビング引出方向の回転により作動部材をウエ
ビング引出方向へ回転させるW手段を備えたことを特徴
とする。
【0020】
【作用】上記構成によれば、通常は、係合爪が係合歯と
離脱しており、作動部材は原位置にあり、阻止手段は作
動せず、ウエビングは引き出し巻き取りが自由である。
【0021】車両急減速時には、加速度の作用によって
係合爪が係合歯と係合し、作動部材が原位置から、回転
部材と一体に、ウエビング引出方向へ回転する。作動部
材のウエビング引出方向回転により、阻止手段が作動
し、ウエビングの引き出しが阻止される。
【0022】ここで、ウエビングがスプールに急速に巻
き込まれて、全格納状態(ウエビングをそれ以上巻き込
むことができない状態)に達すると、巻き込みが急速で
あるために生ずる振動や、慣性力等で係合爪が係合歯と
係合してしまいその係合が解除できない、いわゆる、エ
ンドロック状態が生ずる場合がある。
【0023】この場合、ウエビングを引き出して回転部
材をウエビング引出方向へ回転させた後にウエビングを
巻き取って回転部材をウエビング巻取方向に回転させる
と、回転部材が先行してウエビング巻取方向へ回転し、
作動部材は、それに遅れて、原位置へ復帰回転する。こ
れにより、係合爪の係合歯との係合が解除される。
【0024】ウエビング引出方向に係合爪を掬い込み易
い形状に係合歯を形成するのがよいが、そのような場合
にも、作動部材が、回転部材に遅れて復帰回転すること
により、係合爪と係合歯との係合の解除が確実になされ
る。
【0025】これにより、エンドロック状態を解消する
のに、従来のようにウエビングの巻き絞りを要せず、た
だ、ウエビングを引き出し、そして、ウエビングを巻き
戻すだけで足り、エンドロック状態を容易にかつ確実に
解消することができ、また、それを簡単な構造で実現す
ることができる。
【0026】請求項2にある遅れ手段によれば、エンド
ロック状態では、ウエビングを引き出した後にウエビン
グを巻き戻して回転部材をウエビング巻取方向へ回転さ
せても、作動部材のウエビング巻取方向回転(復帰回
転)は阻止される。作動部材の復帰回転が阻止された状
態で、回転部材がウエビング巻取方向に所定量、回転す
ると、作動部材のウエビング巻取方向回転阻止が解除さ
れ、作動部材は、原位置へ復帰回転する。作動部材は、
回転部材のウエビング巻取方向回転に遅れて復帰回転す
ることになる。
【0027】請求項2の遅れ手段をより具体化した第2
−1具体化手段によれば、通常は、作動部材の作動部が
係合部材の第1係合部と係合して、係合部材が第1位置
にある。エンドロック状態では、ウエビングを引き出す
と、作動部材の回転に伴い、作動部と第1係合部との係
合が解除され、係合部材が第2位置へ移動する。係合部
材が第2位置へ移動すると、回転部材の移動部が係合部
材と係合する。その後、ウエビングを巻き戻すと、作動
部が第2係合部と係合することにより、作動部材は復帰
回転が阻止され、回転部材はウエビング巻取方向へ回転
し、回転部材が先行してウエビング巻取方向へ回転する
ことにより、係合爪と係合歯との係合が解除される。作
動部材の復帰回転が阻止された状態で、回転部材がウエ
ビング巻取方向に所定量、回転すると、移動部が係合部
材を第1位置へ移動させて作動部と第2係合部との係合
が解除される。係合部材が第1位置へ移動することによ
り、作動部と第2係合部との係合が解除され、作動部材
は、原位置へ復帰回転する。作動部材は、回転部材のウ
エビング巻取方向回転に遅れて復帰回転することにな
る。
【0028】また、請求項2の遅れ手段をより具体化し
た第2−2具体化手段によれば、通常は、作動部材の作
動部が、係合部材の第1係合部と係合して、作動部は第
1位置にある。
【0029】エンドロック状態では、ウエビングを引き
出すと、作動部材の回転に伴い作動部と第1係合部との
係合が解除され、作動部が第2位置へ移動する。
【0030】その後、ウエビングを巻き戻すと、作動部
が第2係合部と係合することにより、作動部材は復帰回
転が阻止され、回転部材はウエビング巻取方向へ回転
し、回転部材が先行してウエビング巻取方向へ回転する
ことにより、係合爪と係合歯との係合が解除される。作
動部材の復帰回転が阻止された状態で、回転部材がウエ
ビング巻取方向へ所定量の回転を行うと、回転部材の移
動部が作動部と係合して作動部が第2位置へ移動し、作
動部と第2係合部との係合が解除される。作動部材は、
回転部材のウエビング巻取方向回転に遅れて復帰回転す
ることになる。
【0031】更に、請求項3の構成によれば、エンドロ
ック状態が生じた場合、ウエビングを引き出して回転部
材をウエビング引出方向へ回転させた後にウエビングを
巻き取って回転部材をウエビング巻取方向へ回転させる
と、係合爪が、作動部材半径方向へ移動して、係合歯と
離脱するように、作動部材が原位置へ復帰回転する。
【0032】これにより、係合爪と係合歯との係合を積
極的に解除することができ、エンドロック状態を解消す
るのに、従来のようにウエビングの巻き絞りを要せず、
ただ、ウエビングを引き出し、そして、ウエビングを巻
き戻すだけで足り、エンドロック状態を容易にかつ確実
に解消することができ、また、それを簡単な構造で実現
することができる。
【0033】請求項4の構成によれば、エンドロック状
態が生じた場合、ウエビングを引き出して回転部材をウ
エビング引出方向へ回転させた後にウエビングを巻き取
って回転部材をウエビング巻取方向へ回転させると、作
動部材の復帰回転に伴い、係合爪に離脱方向への回動モ
ーメントが付与される。特に、ウエビング引出方向へ係
合爪を掬い易い形状に係合歯を形成した場合に、そのモ
ーメントによって、係合爪が、作動部材と回転部材との
間に回転位相差を生じさせるようにして離脱方向へ回動
し、係合爪と係合歯との係合を積極的にかつスムーズに
解除することができる。エンドロック状態を解消するの
に、従来のようにウエビングの巻き絞りを要せず、た
だ、ウエビングを引き出し、そして、ウエビングを巻き
戻すだけで足り、エンドロック状態を容易にかつ確実に
解消することができ、また、それを簡単な構造で実現す
ることができる。
【0034】請求項4のモーメント付与手段を具体化し
た第4−1具体化手段によれば、エンドロック状態でウ
エビングを引き出して回転部材をウエビング引出方向へ
回転させると、作動部材のウエビング引出方向への回転
に伴い、レバーが係合体とこの一側から係合して係合爪
係合方向へ相対回動される。この回動によりレバーが係
合体とこの逆側へ離脱される。
【0035】その後、ウエビングを巻き戻して回転部材
をウエビング巻取方向へ回転させると、作動部材の復帰
回転に伴い、レバーが、所定の絶対回動位置でかつ所定
の相対回動位置において、係合体とこの逆側から係合
し、係合爪離脱方向へ回動される。この回動により、係
合爪に離脱方向への回動モーメントが付与され、係合爪
が係合歯と離脱する。レバーが係合体とこの一側へ離脱
されて所定の絶対回動位置へ復帰し、作動部材が原位置
へ復帰する。
【0036】また、請求項4のモーメント付与手段を具
体化した第4−2具体化手段によれば、エンドロック状
態でウエビングを引き出して回転部材をウエビング引出
方向へ回転させると、作動部材のウエビング引出方向へ
の回転に伴い、レバーが係合体とこの一側から係合し、
係合体を弾性変形させ、あるいは、レバー自らが弾性変
形する。その弾性変形によってレバーが係合体とこの逆
側へ離脱される。
【0037】その後、ウエビングを巻き戻して回転部材
をウエビング巻取方向へ回転させると、作動部材の復帰
回転に伴い、レバーが係合体とこの逆側から係合し、係
合爪離脱方向へ回動される。この回動により、係合爪に
離脱方向への回動モーメントが付与され、係合爪が係合
歯と離脱する。レバーが係合体とこの一側へ離脱されて
作動部材が原位置へ復帰する。
【0038】請求項5の構成によれば、エンドロック状
態が生じた場合、ウエビングを引き出して回転部材をウ
エビング引出方向へ回転させると、作動部材がウエビン
グ引出方向へ回転し、それに伴い、規制部が、ウエビン
グ巻取方向側からフック部材の第1制御部と係合し、第
1制御部のウエビング引出方向側へ離脱する。この間、
フック部材は第1位置に位置したままである。
【0039】その後にウエビングを巻き戻して回転部材
をウエビング巻取方向へ回転させると、作動部材がウエ
ビング巻取方向へ復帰回転し、それに伴い、規制部が、
第1制御部にウエビング引出方向から係合する。このと
き、回転部材の第1係部がフック部材の第2制御部と対
応位置し、それと係合することにより、フック部材の第
2位置への移動が阻止される。これにより、規制部は第
1制御部にウエビング引出方向から係合するものの、フ
ック部材を第1位置から第2位置へ移動させることがで
きず、作動部材のウエビング巻取方向の復帰回転は阻止
される。
【0040】回転部材はウエビング巻取方向に回転を続
け、所定量の回転後に、回転部材の第2係部が第2制御
部に対応位置する。第2係部が第2制御部に対応位置す
ることにより、第2制御部が第2係部と係合してフック
部材が第2位置へ移動することが可能となる。規制部が
フック部材を第1位置から第2位置へ移動させて、第1
制御部からウエビング巻取方向側へ離脱し、作動部材の
ウエビング巻取方向の回転が再開される。
【0041】従って、ウエビングを引き出して回転部材
をウエビング引出方向へ回転させた後にウエビングを巻
き取って回転部材をウエビング巻取方向に回転させる
と、回転部材が先行してウエビング巻取方向へ回転し、
作動部材は、それに遅れて、原位置へ復帰回転する。こ
れにより、係合爪の係合歯との係合が解除される。
【0042】ウエビング引出方向に係合爪を掬い込み易
い形状に係合歯を形成するのがよいが、そのような場合
にも、作動部材が、回転部材に遅れて復帰回転すること
により、係合爪と係合歯との係合の解除が確実になされ
る。
【0043】これにより、エンドロック状態を解消する
のに、従来のようにウエビングの巻き絞りを要せず、た
だ、ウエビングを引き出し、そして、ウエビングを巻き
戻すだけで足り、エンドロック状態を容易にかつ確実に
解消することができ、また、それを簡単な構造で実現す
ることができる。
【0044】請求項6のあるように、対応制御手段の第
1係部と第2係部とを凹凸で形成し、凹凸を、回転部材
の係合歯と同ピッチで同数とする構成とすれば、作動部
材の規制部がウエビング引出方向側からフック部材の第
1制御部と係合するときに、回転部材の第1係部がフッ
ク部材の第2制御部と対応位置することが確実に達成さ
れる。
【0045】ところで、ウエビングの全格納状態では、
係合爪が係合歯と係合してしまってエンドロック状態が
発生する他、請求項7にあるように、Wパウルが、車両
急減速に伴うウエビング引張加速によってウエビング巻
取方向に慣性力を受けて回転部材のウエビング引出方向
の回転に遅れ、これによりW歯と係合して作動部材がウ
エビング引出方向へ回転する構成を採るものでは、Wパ
ウルがW歯と係合してしまってエンドロック状態が発生
する場合がある。このような場合も、ウエビングを引き
出し、そして、ウエビングを巻き戻せば、その巻き戻し
によって、回転部材がウエビング巻取方向に先行して回
転し、作動部材がウエビング巻取方向に遅れて復帰回転
して、WパウルがW歯と離脱され、容易にエンドロック
状態を解消することができる。
【0046】
【実施例】本発明に係るウエビング巻取装置の第1実施
例を、図1乃至図9に基づき説明する。車両前方を矢印
FRで、車両幅方向を矢印Wで、車両上方を矢印UPで
それぞれ図示する。
【0047】図1及び図2に示すように、フレーム12
が背片14と、車両前後方向で対向する一対の脚片1
6、18とを備えてコ字型に屈曲形成され、脚片16、
18間にスプール20が掛け渡される。スプール20
は、脚片16、18の対向方向が軸方向とされて両端に
支軸22、24をそれぞれ備える。支軸22がセンサカ
バー26に支持され、支軸24がゼンマイばねカバー2
8に支持されて、支軸22、24を中心(中心線をXで
示す)としてスプール20が回転自在とされる。スプー
ル20には、ウエビング30の一端が係止されて巻き掛
けられ、スプール20の回転に伴いウエビング30が引
き出し巻き取り自在とされる。上記ゼンマイばねカバー
28は脚片18外面に取り付けられ、ゼンマイばねカバ
ー28の内部には、支軸24に嵌合したゼンマイばね
(巻取付勢手段)32が収容されて、ゼンマイばね32
は、スプール20をウエビング巻取方向(矢印Aと反対
の向き)に回転付勢する。
【0048】スプール20の一端部には、上記支軸22
を突出させたVギヤ(回転部材)34が形成される。V
ギヤ34は、脚片16に形成された貫通孔36を貫通し
て脚片16外に位置し、スプール20と一体に回転す
る。支軸22には、クラッチディスク(作動部材)38
が嵌合して設けられる。クラッチディスク38は、支軸
22回りにスプール20と相対回転自在とされる。
【0049】上記センサカバー26は、脚片16外面に
取り付けられ、センサカバー26内部にクラッチディス
ク38、Vギヤ34が収容される。
【0050】クラッチディスク38の周部には3個の突
起40が角度間隔を置いて形成され、突起40に対応し
てセンサカバー26の周部には3個の凹部42が形成さ
れ、突起40が凹部42と当接することにより、クラッ
チディスク38のウエビング巻取方向の回転が阻止され
る。その当接位置が、クラッチディスク38の原位置と
される(図3、図4に示し位置)。
【0051】クラッチディスク38の周部には下位に、
Vギヤ34の外歯(係合歯)44と対向するパウル(係
合爪)46が設けられる。パウル46は、支軸22と平
行なパウル軸48で、クラッチディスク38に軸支さ
れ、外歯44と噛合する噛合位置と外歯44と離脱する
離脱位置との間をパウル軸48を中心として回動自在と
される(係合方向を矢印Dで示す)。パウル46が外歯
44と噛合すると(図4に示す)、Vギヤ34のウエビ
ング引出方向(矢印Aの向き)の回転に伴いクラッチデ
ィスク38が原位置から同方向へ回転するようにされ
る。
【0052】センサカバー26内部にはパウル46の下
側に、加速度センサ50が設けられる。加速度センサ5
0は、車両急減速により加速度を受けて車両後方(矢印
FRと反対の向き)へ慣性移動するボール52を備える
とともに、ボール52の慣性移動に伴い上方へ向けて回
動するセンサレバー54を備える。センサレバー54は
この回動によりパウル46を押し上げて(押し上げ方向
を矢印Eで示す)パウル46を外歯44と噛合させるこ
とができる。
【0053】クラッチディスク38の周部にはまた、そ
の上位に、支軸22と平行なクラッチピン56が突設さ
れ、クラッチピン56に対応しては中間レバー58が設
けられる。中間レバー58は、クラッチピン56と平行
なレバー軸60を備え、レバー軸60が脚片16、18
に軸支されて、レバー軸60を中心として回動自在とさ
れる。中間レバー58はまた嵌合孔62を備え、嵌合孔
62内にクラッチピン56が(脚片16に形成された通
過孔57を通過して)嵌合して、クラッチディスク38
のウエビング引出方向回転に伴い、中間レバー58が矢
印Bの向きに回動する。中間レバー58はまた、フォー
ク爪64を備え、フォーク爪64に対応しては、クラン
プ(阻止手段)66が設けられ、クランプ66は、クラ
ンプガイド68に設けられる。クランプガイド68は、
フレーム12の背片14の上部に対向して脚板16、1
8間に掛け渡されて設けられ、クランプガイド68内部
に、クランプ66を上下に摺動案内する案内部70を備
えるとともに、クランプ66と対向してウエビング30
を上下に挿通させる挿通部72を備える。クランプ66
のウエビング30と対向する部分には押さえ歯74が形
成され、クランプ66、案内部70が共に楔形状とさ
れ、クランプ66が下方に位置するときには、押さえ歯
74がウエビング30と離間して、ウエビング30の移
動(ウエビングの引き出し、巻き取り)は自由である
が、クランプ66が上方へ移動すると、押さえ歯74が
ウエビング30を挿通部72に押し付けてウエビング3
0の引き出しを阻止する(図5に示す)。クランプ66
はレバー軸60と平行なクランプ軸76を備え、クラン
プ軸76が上記フォーク爪64と係合し、中間レバー5
8の矢印Bの向きの回動に伴い、上方へ移動する。
【0054】クランプ66とクランプガイド68との間
には、コイルスプリング(作動部材附勢手段)78が介
在され、コイルスプリング78は、クランプ66を下方
位置へ付勢し、従って、中間レバー58を介して、クラ
ッチディスク38をウエビング巻取方向へ原位置に付勢
する。
【0055】車両急減速時に、加速度センサ50が作動
してパウル46が外歯44と係合し、同時に、車両急減
速に伴いウエビング30に引っ張り力が作用すると、ス
プール20のウエビング引出方向回転に伴いクラッチデ
ィスク38も同方向へ原位置から回転し、クラッチディ
スク38の回転によって中間レバー58を介してクラン
プ66がウエビング30の引き出しを阻止する。
【0056】また、支軸22には、Wパウルとしての板
状の慣性体80が嵌合して設けられ、慣性体80に対応
して、クラッチディスク38の周部には、W歯としての
内歯82(図3を参照)が形成される。慣性体80は、
支軸22と平行で、支軸22と偏心した慣性体軸84で
スプール20の端面に軸支され、慣性体軸84を中心と
して回動自在とされる。慣性体80には、凹所88が形
成され、スプール20の端面に突出形成された凸部90
と凹所88が当接することにより慣性体軸84を中心と
した矢印Cの向きの回動が阻止される。慣性体80とス
プール20との間にはコイルスプリング86が介在さ
れ、コイルスプリング86は、矢印Cの向きに慣性体8
0を付勢する。通常は、コイルスプリング86の付勢力
によって、慣性体80がスプール20の回転に追随可能
とされる。車両急減速時に、ウエビング30が急速に引
き出されると、コイルスプリング86の付勢力に抗し
て、スプール20が慣性体80より先行してウエビング
引出方向へ回転し、慣性体80は、この回転半径を大き
くするべく慣性体軸84を中心として回動する。回転半
径が大きくされた慣性体80は、内歯82と噛合して、
クラッチディスク38をウエビング引出方向へ原位置か
ら回転させる(図6に示す)。このクラッチディスク3
8の回転により中間レバー58を介してクランプ66が
作動し、ウエビング30の引き出しが阻止される。
【0057】ウエビング30の引き出しを阻止するの
に、慣性体80を用いたものが、ウエビング感応方式に
係り、上記の加速度センサ50を用いたものが、車体感
応方式に係り、本実施例の巻取装置は、両方式を兼ね備
えた2重感応方式に係るものである。
【0058】ここで、図7に示すように、パウル46の
ウエビング引出方向側には、Vギヤ34と対応してフェ
イントレバー(係合部材)100が設けられる。フェイ
ントレバー100はVギヤ34の周方向に沿って延び、
パウル46と反対側の一端部に、支軸22と平行なレバ
ー軸102で、脚片16外面に軸支され、レバー軸10
2を中心として、第1位置(図7に示す位置)と第2位
置(図8に示す位置)との間で回動自在とされる。Vギ
ヤ34の周部には外歯44と並んで裏歯(解除部)10
4がスプール20側に設けられる(Vギヤ34について
は、図2では、外歯44だけを示して裏歯104は省略
しており、図9に一部を拡大して、外歯44と裏歯10
4とを示す)。フェイントレバー100の他端部はその
裏歯104に対向して屈曲形成された屈曲爪106とさ
れる。フェイントレバー100の中間部には、段差(第
2係合部108)を備えて、段差を介して一端部側がV
ギヤ34と離間した部分110とされ、他端部側がVギ
ヤ34と近接した部分(第2係合部112)とされる。
【0059】フェイントレバー100は、これと脚片1
6との間に設けられたフェイントレバースプリング(係
合部材付勢手段としての)101によって第2位置へ付
勢され(付勢方向、すなわち、第1位置から第2位置へ
の回動方向を矢印Fで示す)、フェイントレバー100
の第1位置では、屈曲爪106が、裏歯104と離間し
て、Vギヤ34がウエビング引出方向、ウエビング巻取
方向のいずれにも回転自在とされる。第2位置では、屈
曲爪106が裏歯104と当接して係合し、Vギヤ34
のウエビング巻取方向の回転によって、屈曲爪106が
裏歯104で押されてフェイントレバー100が下方へ
回動し、第1位置を得る。
【0060】また、クラッチディスク38には、フェイ
ントレバー100に対応して突起状の作動部114が設
けられ、作動部114は、クラッチディスク38と一体
に回転自在とされる。クラッチディスク38の原位置で
は、フェイントレバー100の第1位置で、作動部11
4が第1係合部112と係合し、フェイントレバー10
0の第2位置への移動が阻止される。
【0061】ウエビング30がスプール20に急速に巻
き込まれて、全格納状態(ウエビング30をそれ以上巻
き込むことができない状態)に達すると、巻き込みが急
速であるために生ずる振動や、慣性力等で加速度センサ
50が作動してパウル46が外歯44と噛合してしまい
その噛合が解除できない、いわゆる、エンドロック状態
が生ずる場合がある。
【0062】この場合に、ウエビング30を引き出す
と、クラッチディスク38がウエビング引出方向へ回転
する。クラッチディスク38が原位置からウエビング引
出方向ヘ回転するのに伴い作動部114と第1係合部1
12との係合が解除される。この係合の解除によって、
作動部112が第2係合部108と係合し、クラッチデ
ィスク38の原位置への復帰回転が阻止される。作動部
112が第2係合部108と係合した状態(図8に示
す)で、Vギヤ34は先行してウエビング巻取方向へ回
転し、パウル46と外歯44との係合が解除される。作
動部112が第2係合部108と係合した状態で、Vギ
ヤ34がウエビング巻取方向へ所定量、回転すると、裏
歯104がフェイントレバー100を押し下げ、フェイ
ントレバー100は第1位置へ移動する。これにより、
作動部114と第2係合部108との係合が解除され
る。
【0063】これにより、クラッチディスク38は、V
ギヤ34のウエビング巻取方向回転より遅れて復帰回転
することになる。
【0064】フェイントレバー100、フェイントレバ
ー付勢手段、作動部114が回転阻止手段を構成し、そ
れらと裏歯104とが遅れ手段を構成する。
【0065】次に上記第1実施例の作用を説明する。通
常は、パウル46が外歯44と離脱しており、クラッチ
ディスク38は原位置にあり、クランプ66は作動せ
ず、ウエビング30は引き出し巻き取りが自由である。
【0066】車両急減速時には、加速度の作用によって
パウル46が外歯44と係合し、クラッチディスク38
が原位置から、Vギヤ34と一体に、ウエビング引出方
向へ回転する。クラッチディスク38のウエビング引出
方向回転により、クランプ66が作動し、ウエビング3
0の引き出しが阻止される。
【0067】ここで、エンドロック状態が生じた場合、
ウエビング30を引き出してVギヤ34をウエビング引
出方向へ回転させた後にウエビング30を巻き取ってV
ギヤ34をウエビング巻取方向へ回転させると、Vギヤ
34が先行してウエビング巻取方向へ回転し、クラッチ
ディスク38は、それに遅れて、原位置へ復帰回転す
る。これにより、パウル46の外歯44との係合が解除
される。
【0068】ウエビング引出方向にパウル46を掬い込
み易い形状に外歯44を形成するのがよいが、そのよう
な場合にも、クラッチディスク38が、Vギヤ34に遅
れて復帰回転することにより、パウル46の外歯44と
の係合の解除が確実になされる。
【0069】これにより、エンドロック状態を解消する
のに、従来のようにウエビングの巻き絞りを要せず、た
だ、ウエビング30を引き出し、そして、ウエビング3
0を巻き戻すだけで足り、エンドロック状態を容易にか
つ確実に解消することができ、また、それを簡単な構造
で実現することができる。
【0070】次に、第2実施例を図10及び図11に基
づき説明する。本実施例では、遅れ手段が、第1実施例
と異なる。
【0071】すなわち、本実施例では、Vギヤ200は
外歯44だけを備え、第1実施例の裏歯104は不要で
ある。
【0072】また、パウル46のウエビング引出方向側
において、クラッチディスク38と一体に回転する作動
部204が、クラッチディスク38に片持ち支持され、
クラッチディスク38の半径方向外方(矢印Gの向き)
へ、第1位置(図10に示す)から第2位置(図11に
示す)へ弾性的に付勢され、半径方向に沿って撓み変形
可能とされる。
【0073】一方、作動部204と対向し、作動部材3
8の周方向に沿っては、段差(第2係合部208)を介
して、パウル46と反対側に大径部212が形成される
ととに、パウル46側に、小径部(第1係合部206)
が形成されて、第1係合部206と第2係合部208と
が係合部材210を構成する。
【0074】更に、スプール20の端面には、凸状の解
除部214が設けられ、解除部214は、Vギヤ34と
一体に回転自在とされる。
【0075】通常は、クラッチディスク38の作動部2
04が、係合部材210の第1係合部206と係合し
て、作動部204は第1位置にある。
【0076】エンドロック状態では、ウエビング30を
引き出すと、クラッチディスク38の回転に伴い作動部
204と第1係合部206との係合が解除され、作動部
204が第2位置へ移動する。
【0077】その後、ウエビング30を巻き戻すと、作
動部204が第2係合部218と係合することにより、
クラッチディスク38の復帰回転が阻止され、クラッチ
ディスク38が先行してウエビング巻取方向へ回転し、
パウル46とVギヤ34の外歯44との噛合が解除され
る。クラッチディスク38の復帰回転が阻止された状態
で、Vギヤ200が所定量のウエビング巻取方向回転を
行うと、Vギヤ200の解除部214が作動部204と
係合して作動部204が第2位置へ移動し、作動部20
4と第2係合部206との係合が解除される。これによ
り、クラッチディスク38は、Vギヤ200のウエビン
グ巻取方向回転に遅れて原位置へ復帰回転することにな
る。
【0078】係合部材210、作動部204が回転阻止
手段を構成し、それらと解除部214とが遅れ手段を構
成する。
【0079】第2実施例によっても、エンドロック状態
を解消するのに、従来のようにウエビングの巻き絞りを
要せず、ただ、ウエビング30を引き出し、そして、ウ
エビング30を巻き戻すだけで足り、エンドロック状態
を容易にかつ確実に解消することができ、また、それを
簡単な構造で実現することができる。
【0080】他の構成、作用効果は、第1実施例と同様
である。次に、第3実施例を図12及び図13に基づき
説明する。
【0081】本実施例のウエビング巻取装置は、ウエビ
ング感応方式を採らず、車体感応方式に係る巻取装置で
ある。従って、第1実施例の慣性体80に相当する部材
はない。
【0082】図12に示すように、スプール20の支軸
22には歯車形状部302が形成され、歯車形状部30
2は、フレーム12の脚片16に形成されたボス308
内を貫通して脚片16外へ出る。歯車形状部302に
は、Vギヤ(回転部材)306の歯車形状孔304が嵌
合して、Vギヤ306が、スプール20と一体に回転自
在とされる。ボス308外周には、Vギヤ306と脚片
16との間で、クラッチディスク(作動部材)310の
嵌合孔312が嵌合し、クラッチディスク310が、ス
プール20に対して相対回転可能とされる。
【0083】クラッチディスク310には下部に、Vギ
ヤ306の外歯44と対向するパウル46が、支軸22
と平行なパウル軸320で軸支され、また、パウル46
の下側には、脚片16をセンサシートとしてそのセンサ
シートに加速度センサ50が取り付けられる。
【0084】車両急減速時には、加速度の作用により、
加速度センサ50が作動し、パウル46が押し上げられ
て外歯44との離脱位置から外歯44と噛合される。こ
の噛合によって、クラッチディスク310がVギヤ30
6と一体に、ウエビング引出方向へ回転し、そして、ク
ラッチディスク310のウエビング引出方向回転によっ
て、クランプ66が中間レバー58を介して作動し、ウ
エビング30の引き出しを阻止する。図1では、一部省
略しているが、それらは、第1実施例と同様である。
【0085】また、同様に図1では省略されているが、
コイルスプリング78によって、クラッチディスク31
0をウエビング巻取方向へ原位置に付勢するのも、第1
実施例と同様である。
【0086】ここで、パウル46は、クラッチディスク
310に、この半径方向に沿って移動自在とされる。こ
の移動自在とする移動手段を説明すれば、図13に示す
ように、クラッチディスク310の下部に、矩形の切り
欠き314が形成される。切り欠き314には、この側
縁に摺動自在に嵌合する嵌合凹部316を備えた矩形の
移動板318が設けられ、移動板318がクラッチディ
スク310の半径方向に沿って移動自在とされる。移動
板318には、パウル軸320が突設されている。
【0087】移動板318に対向して脚片16には、環
状の案内溝322が形成されている。案内溝322と移
動板318との間には、案内ピン324が設けられる。
上記パウル軸320の軸内には、脚片16側にピン係止
穴326が形成され、案内ピン324の一端がピン係止
穴326内に係止され、案内ピン324の他端が案内溝
322内に係合される。
【0088】案内溝322は、第1溝部328と第2溝
部330とを備え、次のように形成される。すなわち、
クラッチディスク310がウエビング引出方向ヘ回転す
る際は、案内ピン324が第1溝部328を移動し、案
内ピン324が第1溝部328を移動する限り、移動板
318はクラッチディスク310の半径方向へは移動し
ないようにされる。
【0089】案内ピン324が第1溝部328から第2
溝部330に到ると、それ以降は、クラッチディスク3
10がウエビング引出方向へ回転できないようにされ
る。
【0090】その状態で、クラッチディスク310がウ
エビング巻取方向へ回転すると、案内ピン324が第2
溝部330を移動し、第1溝部328の始端へ向かう。
第2溝部330の始端は、第1溝部328の終端より溝
が深くされて段差形成され(段差部位334を図13に
示す)、案内ピン324が第1溝部328へ逆行しない
ようにされる。案内ピン324とピン係止穴326との
間には、コイルスプリング(ピン付勢手段)332が介
在され、コイルスプリング332は、案内溝322の溝
底に案内ピン324の先端を圧接して、溝深さが異なっ
ても案内ピン324が円滑な移動を図れるようにしてい
る。
【0091】案内ピン324が第2溝部330を移動す
るのに伴い、移動板318が、従って、パウル46が、
クラッチディスク310の半径方向外方(図13に矢印
Hで示す)へ移動するようにされる。なお、図13に
は、案内溝322を移動する案内ピン324の移動方向
を矢印Jで示す。
【0092】このようにして、案内手段が構成される。
第1実施例で説明したエンドロック状態が生じた場合、
ウエビング30を引き出してVギヤ306をウエビング
引出方向へ回転させて案内ピン324を第2溝部330
へ到達させた後にウエビング30を巻き取ってVギヤ3
06をウエビング巻取方向へ回転させると、パウル46
がクラッチディスク310の半径方向外方へ移動して、
外歯44と離脱するように、クラッチディスク310が
原位置へ復帰回転する。
【0093】これにより、パウル46とVギヤ306の
外歯44との係合を積極的に解除することができ、エン
ドロック状態を解消するのに、従来のようにウエビング
の巻き絞りを要せず、ただ、ウエビングを引き出し、そ
して、ウエビングを巻き戻すだけで足り、エンドロック
状態を容易にかつ確実に解消することができ、また、そ
れを簡単な構造で実現することができる。
【0094】他の構成、作用効果は第1実施例と同様で
ある。次に、第4実施例を図14乃至図20に基づき説
明する。
【0095】上記第3実施例では、エンドロック状態を
解消するのに、移動板318、案内溝322、案内ピン
324を備え、パウル46をクラッチディスク310の
半径方向外方へ移動させるようにしているが、本実施例
では、それによらない。他の構成、そして、それに基づ
く作用効果については、第4実施例と同様である。
【0096】すなわち、図14及び図15に示すよう
に、パウル402の中間部の軸孔404が、クラッチデ
ィスク406に突設されたパウル軸408に嵌合され
る。パウル402は、パウル軸408の回りに回動自在
とされ、パウル402の一端部の爪部410がVギヤ3
06の外歯44と噛合する係合位置と、爪部410が外
歯44と離脱する離脱位置とを得る。パウル402の中
間部は凹設されてそこに、レバー412の一端部が入り
込むように、その一端部の軸孔414がパウル軸406
に嵌合される。レバー412は、パウル軸408の回り
にパウル402と相対回動自在とされる。レバー412
の中間部には、回動方向両側にストッパ部416、41
7が形成され、それらストッパ部416、417に対向
しては、パウル402に、ストッパ対向部418、41
9が形成され、レバー412の相対回動領域は、ストッ
パ対向部418、419間とされる。ストッパ対応部4
18にストッパ部416が当接したときは、レバー41
2のそれ以上のパウル離脱方向(パウル係合方向である
矢印Dとは反対の向き)の相対回動が阻止される。この
阻止状態(所定の相対回動位置)では、レバー412が
パウル離脱方向に回動することによりパウル402を離
脱方向へ回動させることができる。ストッパ部416と
ストッパ対向部418とは阻止部を構成する。
【0097】一方、センサシートとしての脚片16に
は、レバー412と対応して係合凸部(係合体)420
が設けられている。
【0098】レバー412はこのレバー先端部422が
下方へ延出される位置(所定の絶対回動位置)に重力の
作用で付勢保持され、レバー412の所定の絶対回動位
置では、レバー412のレバー先端部422に係合凸部
420が当接して係合可能とされる。
【0099】通常は、図16に示すように、レバー41
2が所定の絶対回動位置に位置し、かつ、係合凸部42
0のウエビング巻取方向側(矢印Aと反対側)に位置す
る。
【0100】図17に示すように、エンドロック状態が
生じた場合、レバー412は回動せずに、所定の絶対回
動位置へ保持される。そのエンドロック状態でウエビン
グ30を引き出してVギヤ306をウエビング引出方向
(矢印Aの向き)へ回転させると、クラッチディスク4
06のウエビング引出方向への回転に伴い、図18に示
すように、レバー412のレバー先端部422が係合凸
部420とこの一側(ウエビング巻取方向側)から係合
して係合凸部420に押され、レバー412は、図18
に2点鎖線で示すように、パウル係合方向(矢印Dの向
き)へ相対回動される。この回動によりレバー412の
レバー先端部422が係合凸部420とこの逆側(ウエ
ビング引出方向側)へ離脱される。離脱後は、レバー4
12は所定の絶対回動位置へ復帰する。
【0101】その後、ウエビング30を巻き取ってVギ
ヤ306をウエビング巻取方向(矢印Aと反対の向き)
へ回転させると、クラッチディスク406のウエビング
巻取方向への回転(復帰回転)に伴い、図19に示すよ
うに、レバー412のレバー先端部422が係合凸部4
20の逆側(ウエビング引出側)から係合する。このと
き、レバー412は、所定の絶対回動位置でかつ所定の
相対回動位置にある。レバー412のレバー先端部42
2が係合凸部420でパウル離脱方向へ押される。レバ
ー412は所定の相対位置にあってパウル離脱方向へは
相対回動できないので、パウル402には離脱方向への
回動モーメントが付与され、パウル402は、図20に
示すように、クラッチディスク406とVギヤ306と
の間に回転位相差を生じさせるようにVギヤ306の外
歯44と離脱すべく回動される。レバー412のレバー
先端部422は係合凸部420とこの一側へ離脱され
る。離脱後は、図16に示すように、レバー412が所
定の絶対回動位置へ復帰し、クラッチディスク406が
原位置へ復帰する。レバーと位置付勢手段と阻止部と係
合体とがモーメント付与手段を構成する。
【0102】これにより、パウル402とVギヤ306
の外歯44との係合を積極的にかつスムーズに解除する
ことができ、特に、ウエビング引出方向へパウル402
の爪部410を掬い易い形状にVギヤ304の外歯44
を形成した場合に、効果的である。エンドロック状態を
解消するのに、従来のようにウエビングの巻き絞りを要
せず、ただウエビング30を引き出し、そして、ウエビ
ングを巻き戻すだけで足り、エンドロック状態を容易に
かつ確実に解消することができ、また、それを簡単な構
造で実現することができるのは、上記各実施例と同様で
ある。
【0103】なお、図14、図16、図17に示すよう
に、クラッチディスク406には、ストッパ突起430
が形成され、これに対応してパウル402には対応凹部
432が形成され、ストッパ突起430が対応凹部43
2に係合することにより、パウル402のそれ以上の係
合方向への回動を阻止している。
【0104】なお、レバー412を所定の絶対回動位置
へ付勢する手段(位置付勢手段)として、レバー先端部
422を垂下させて重力の作用を利用しているが、位置
付勢手段としては、例えば、図21に示す変形例が可能
である。すなわち、レバー412に長孔424を形成
し、一方、クラッチディスク406に弾性片426を設
ける。弾性片426は一端が片持ち的に支持され、レバ
ー412の回転面に沿って(矢印Kの向き)弾性的に撓
み変形可能とされる。弾性片426の先端は屈曲されて
その屈曲された屈曲部428が長孔424内に嵌合され
る。これにより、レバー412の回動に伴い、弾性片4
26の屈曲部428が、弾性片426の弾性変形を伴っ
て長孔424内に長手方向へ移動する。このとき、弾性
片426は復帰変形力により、レバー412を所定の絶
対回動位置へ付勢する。
【0105】これによれば、レバー412の所定の絶対
回動位置への付勢が積極的になされ、レバー412の姿
勢が、より安定化され、作動性が向上される。
【0106】上記第4実施例では、パウル402がクラ
ッチディスク406とレバー412との間に位置する
が、本変形例では、レバー412がパウル402とクラ
ッチディスク406との間に位置するようにされてい
る。他の構成は、第4実施例と同様である。
【0107】次に、第5実施例を図22乃至図26に基
づき説明する。上記第4実施例では、レバー412がパ
ウル402と相対回動自在とされているが、本実施例で
は、図25に示すように、レバー502が、パウル50
4の中間部に突出されてパウル504と一体に設けら
れ、パウル504の中間部の軸孔506を貫通したパウ
ル軸408の回りに、パウル504と共に回動自在とさ
れる。
【0108】また、上記第4実施例では、係合体が係合
凸部420で構成されているが、本実施例では、係合体
が、板ばね製のスナップスプリング(弾性変形部材)5
08で構成される。スナップスプリング508は、セン
サシートとしての脚片16に設けられ、クラッチディス
ク406の回転方向に沿って長尺とされ、ウエビング巻
取方向(矢印Aと反対の向き)側の一端が脚片16に片
持ち的に固定される固定部510とされる。ウエビング
引出方向(矢印Aの向き)側の一端部は斜部512(ウ
エビング巻取方向側に位置する)と垂直部514(ウエ
ビング引出方向側に位置する)とを有してヘの字型に屈
曲されている。
【0109】図22に示すように、パウル504が2点
鎖線で示す離脱位置から実線で示す係合位置へ矢印Dの
向き(パウル係合方向)へ回動してエンドロック状態が
生じた場合、図23に示すように、ウエビング30を引
き出してVギヤ306をウエビング引出方向へ回転させ
ると、クラッチディスク406のウエビング引出方向
(矢印Aの向き)への回転に伴い、レバー502がスナ
ップスプリング508とこの一側(ウエビング巻取方向
側)から当接係合する。この係合によれば、スナップス
プリング508の斜部512がレバー502で押され、
スナップスプリング508は、図23に2点鎖線で示す
ように、矢印Lの向きに弾性変形される。この弾性変形
によってレバー502がスナップスプリング508とこ
の逆側(ウエビング引出方向側)へ離脱される。離脱
後、スナップスプリング508は、復帰変形する。
【0110】その後、ウエビング30を巻き取ってVギ
ヤ306をウエビング巻取方向へ回転させると、クラッ
チディスク406のウエビング巻取方向(矢印Aと反対
の向き)への回転(復帰回転)に伴い、図24、図25
に示すように、レバー502がスナップスプリング50
8とこの逆側から係合する。この係合によれば、レバー
502がスナップスプリング508の垂直部514と当
接し、スナップスプリング508は弾性変形することな
く垂直部514がレバー502をパウル離脱方向へ押
す。これにより、パウル504に離脱方向(矢印Dと反
対の向き)への回動モーメントが付与され、クラッチデ
ィスク406とVギヤ306との間に回転位相差を生じ
させるようにしてパウル504がVギヤ306の外歯4
4と離脱すべく(図26に示す)回動される。レバー5
02がスナップスプリング508とこの一側へ離脱され
(図22の2点鎖線の位置)、クラッチディスク406
が原位置へ復帰する。レバーと係合体とがモーメント付
与手段を構成する。
【0111】この構成によっても、パウル504とVギ
ヤ306の外歯44との係合を積極的にかつスムーズに
解除することができ、特に、ウエビング引出方向へパウ
ル504の爪部410を掬い易い形状にVギヤ306の
外歯44を形成した場合に効果的ではあるのは、第4実
施例と同様である。
【0112】その他の構成、作用効果は、上記第4実施
例と同様である。次に、第6実施例を図27乃至図31
に基づき説明する。
【0113】上記第5実施例では、レバー502がパウ
ル504の中間部から突出されているが、本実施例で
は、図28に示すように、レバー602が、パウル60
4のパウル軸408を介して爪部410の反対側の部分
に一体に形成される。
【0114】また、第5実施例では、係合体が弾性変形
可能とされているが、本実施例では、レバー602が弾
性変形可能とされ、そして、係合体は、ウエビング巻取
方向(矢印Aと反対の向き)側の傾斜面608とウエビ
ング引出方向(矢印Aの向き)側の垂直面610とを備
えた3角柱状の係合凸部612とされ、センサシートと
しての脚片16に設けられている。
【0115】図27に示すように、パウル604が2点
鎖線で示す離脱位置から実線で示す係合位置へ回動して
エンドロック状態が生じた場合には、ウエビングを引き
出してVギヤ306をウエビング引出方向へ回転させる
と、クラッチディスク406のウエビング引出方向(矢
印Aの向き)への回転に伴い、図28に示すように、レ
バー502が係合凸部612とこの一側(ウエビング巻
取方向側)から当接係合する。この係合によれば、係合
凸部612の斜面608がレバー502を押して矢印M
の向きに弾性変形させ(弾性変形の向きは、パウル60
4の爪部410がVギヤ306の外歯44と噛合した状
態が保持されていても弾性変形可能な向き)、その弾性
変形によってレバー604が係合凸部612とこの逆側
(ウエビング引出方向側)へ離脱される。
【0116】その後、ウエビング30を巻き取ってVギ
ヤ306をウエビング巻取方向へ回転させると、クラッ
チディスク406のウエビング巻取方向(矢印Aと反対
の向き)への回転(復帰回転)に伴い、図29、図30
に示すように、レバー602が係合凸部612とこの逆
側(ウエビング引出方向側)から当接係合する。この係
合によれば、レバー612が係合凸部610の垂直面6
10と当接し、垂直面610がレバー612を押す。レ
バー612は、そのとき、垂直面610に対して傾斜し
ており、レバー612は弾性変形することなく、垂直面
610はレバー612を押し上げるようにして、パウル
604には離脱方向(矢印Dと反対の向き)への回動モ
ーメントが付与される。これにより、クラッチディスク
406とVギヤ306との間に回転位相差を生じさせる
ようにパウル604を離脱方向へ回動させる。これによ
り、図31に示すように、パウル604がVギヤ306
の外歯44と離脱する。レバー602が係合凸部612
とこの一側へ離脱されて、図27に2点鎖線で示す位置
に復帰し、クラッチディスク406が原位置へ復帰す
る。レバーと係合体とがモーメント付与手段を構成す
る。
【0117】本実施例でも、パウル604とVギヤ30
6の外歯44との係合を積極的にかつスムーズに解除す
ることができ、特に、ウエビング引出方向へパウル60
4の爪部410を掬い易い形状にVギヤ306の外歯4
4を形成した場合に効果的ではあるのは、第5実施例と
同様である。その他の構成、作用効果は、第5実施例と
同様である。
【0118】次に、第7実施例を図32乃至図37に基
づき説明する。本実施例では、図37に示すように、ク
ラッチディスク706、Vギヤ720について、スプー
ル20の軸方向に沿った配置関係は、図12、図14に
示すものと同様に、スプール20側にクラッチディスク
706が設けられ、センサカバー26側にVギヤ720
が設けられる。そして、Vギヤ720はスプール20と
一体に回転するようにされる。パウル46がVギヤ72
0の係合歯44と係合した状態でクラッチディスク70
6がウエビング引出方向へ回転することにより、クラン
プ66が作動してウエビング30の引き出しが阻止され
るのは、第1実施例と同様である。
【0119】センサカバー26にはフック(フック部
材)700が設けられる。フック700は、センサカバ
ー26の周壁内面にL字型に屈曲されて片持ち支持さ
れ、周方向に沿ってウエビング巻取方向へ延出される。
フック700は、スプール20の軸方向(Vギヤ、クラ
ッチディスクの軸方向)、スプール20の半径方向(V
ギヤ、クラッチディスクの半径方向)のいずれにも、弾
性的に撓み変形可能とされる。図36にも示すように、
フック700の延出先端部には、第1制御部704が突
起状に半径方向外方へ形成される。第1制御部704に
対応してクラッチディスク706には、規制部708が
スプール20の軸方向へピン状に突出形成され、規制部
708はクラッチディスク706と一体に回転する。ク
ラッチディスク706の回転に伴う規制部708の移動
軌跡上に第1制御部704が位置される。クラッチディ
スク706の原位置では、図32に示すように、規制部
708が、第1制御部704のウエビング巻取方向側に
位置する。クラッチディスク706がウエビング引出方
向へ回転することにより、規制部708が第1制御部7
04に、ウエビング巻取方向側から当接係合する。第1
制御部704のウエビング巻取方向側の端面は、傾斜さ
れた第1面710とされている。クラッチディスク70
6のウエビング引出方向の回転に伴い、規制部708の
突出端がその傾斜された第1面710に沿って摺接し、
フック700は規制部708の突出方向へ向けて押し上
げられて撓む。これにより、規制部708は、第1制御
部704のウエビング引出方向側に離脱する。規制部7
08が、第1制御部704のウエビング引出方向側に離
脱した後は、フック700は、弾性復帰する。クラッチ
ディスク706のウエビング引出方向の回転に伴う規制
部708の第1制御部704との係合の間は、フック7
00は、スプール20の半径方向へは移動せず、そのま
まの位置(図32に示す第1位置)に保持される。
【0120】規制部708が第1制御部704のウエビ
ング引出方向側へ離脱した後に、クラッチディスク70
6がウエビング巻取方向へ回転すると、規制部708が
ウエビング引出方向側から第1制御部704に当接係合
する。第1制御部704のウエビング引出方向側の端面
は、傾斜された第2面714とされる。クラッチディス
ク706のウエビング巻取方向の回転に伴い、傾斜され
た第2面714が規制部704の周部で押されて、規制
部708と第2面714とが相対的に摺接し、フック7
00がスプール20の半径方向内方へ撓むようにされ
る。規制部708は第2面714を抜けると、第1制御
部704の外周面716に沿って移動し、第1制御部7
16からウエビング巻取方向側へ離脱する。規制部70
8が第1制御部716からウエビング巻取方向側へ離脱
するのに要する第1制御部704の位置が第2位置(図
35に示す位置)とされる。規制部708が第1制御部
716からウエビング巻取方向側へ離脱した後は、フッ
ク700は、第1位置に弾性復帰する。
【0121】一方、フック700の延出先端部には、第
1制御部704と反対側(スプール20の半径方向内
方)に第2制御部718が爪状に突出形成されている。
また、第2制御部718に対応してVギヤ720には、
外周部に、凹凸722、724で形成される対応制御手
段が設けられる。凹凸722、724は、Vギヤ720
の係合歯44と同ピッチでかつ同数とされた台形歯状と
される。Vギヤ720の回転に伴い、凹(第2係部)7
22が第2制御部718と対応する位置と、凸(第1係
部)724が第2制御部718と対応する位置とを交互
に得る。図34に示すように、凸724が第2制御部7
18と対応位置するときは、凸724の先端面が第2制
御部718の先端面と当接係合することによりフック7
00の第2位置への移動が阻止される。図35に示すよ
うに、凹722が第2制御部718と対応位置するとき
は、第2制御部718が凹722内に入り込むように係
合されて、第2位置への移動が可能となる。また、規制
部708が第1制御部716からウエビング巻取方向側
へ離脱するまで、第2制御部718が凹722内に入り
込んだ状態とされる。
【0122】Vギヤ720の係合歯44にパウル46が
係合した状態で、Vギヤ720がウエビング引出方向へ
回転してクラッチディスク706がウエビング引出方向
へ回転し、規制部708が第1制御部704のウエビン
グ引出方向側へ離脱した後に、クラッチグディスク70
6がウエビング巻取方向側へ回転して、規制部708が
ウエビング巻取方向側から第1制御部704と係合した
ときは、凸724が第2制御部718と対応位置し、凹
722が続いて第2制御部718と対応位置するよう
に、凹凸722、724がVギヤ720の係合歯44と
関係配置される。
【0123】また、本実施例は、Wパウル80、W歯8
2を有するW手段を備える。Wパウル80は、Vギヤ7
20に取付られ、W歯82は、クラッチディスク706
に形成される。車両急減速時にウエビング30が急速に
引っ張られて生ずるウエビング引張加速によって、Wパ
ウル80にウエビング巻取方向へ慣性力が作用してWパ
ウル80がVギヤ720のウエビング引出方向の回転に
遅れ、W歯82と離脱した状態(図32の鎖線で示す状
態)から係合すべく作動し(図32の実線で示す状態へ
移動し)、ウエビング感応方式に係るウエビング巻取装
置としての機能も果たすのは、第1実施例と同様であ
る。Wパウル80とW歯とは、それらが係合した状態で
クラッチディスク706がウエビング引出方向へ回転
し、そして、ウエビング巻取方向へ復帰回転する場合
に、規制部708がウエビング巻取方向側から第1制御
部704と係合したとき、凸724が第2制御部718
と対応位置し、凹722が続いて第2制御部718と対
応位置するように、関係配置されている。
【0124】次に上記第7実施例の作用を説明する。エ
ンドロック状態が生じた場合(図32に示す場合)、ウ
エビング30を引き出してVギヤ720をウエビング引
出方向へ回転させると、クラッチディスク706がウエ
ビング引出方向へ回転し、それに伴い、規制部708
が、ウエビング巻取方向側からフック700の第1制御
部704と係合し、第1制御部704のウエビング引出
方向側へ離脱する(図33で、鎖線で示す位置から実線
で示す位置へ移動する)。この間、フック700は第1
位置に位置したままである。
【0125】図34に示すように、その後にウエビング
30を巻き戻してVギヤ720をウエビング巻取方向へ
回転させると(巻取付勢手段(第1実施例で説明したゼ
ンマイばね32)の付勢力で)、クラッチディスク70
6が作動部材付勢手段(第1実施例で説明したコイルス
プリング78)でウエビング巻取方向へ復帰回転し、そ
れに伴い、規制部708が、第1制御部704にウエビ
ング引出方向から係合する。このとき、Vギヤ720の
凸724がフック700の第2制御部718と対応位置
し、それと係合することにより、フック700の第2位
置への移動が阻止される。これにより、規制部708は
第1制御部704にウエビング引出方向から係合するも
のの、フック700を第1位置から第2位置へ移動させ
ることができず、クラッチディスク706のウエビング
巻取方向の復帰回転は阻止される。
【0126】図35に示すように、Vギヤ720はウエ
ビング巻取方向に回転を続け、所定量の回転後に、Vギ
ヤ720の凹722が第2制御部718に対応位置す
る。凹722が第2制御部718に対応位置することに
より、第2制御部718が凹722内に係合してフック
700が第2位置へ移動することが可能となる。規制部
708がフック700を第1位置から第2位置へ移動さ
せて、第1制御部704からウエビング巻取方向側へ離
脱し(図35に鎖線で示す)、クラッチディスク706
のウエビング巻取方向の回転が再開される。クラッチデ
ィスク706は原位置へ戻り、フック700は第1位置
へ弾性復帰する。
【0127】従って、ウエビング30を引き出してVギ
ヤ720をウエビング引出方向へ回転させた後にウエビ
ング30を巻き取ってVギヤ720をウエビング巻取方
向に回転させると、Vギヤ720が先行してウエビング
巻取方向へ回転し、クラッチディスク706は、それに
遅れて、原位置へ復帰回転する。これにより、パウル4
6が自重で係合歯44から外れることができ、パウル4
6と係合歯44との係合が解除される。
【0128】これにより、エンドロック状態を解消する
のに、従来のようにウエビングの巻き絞りを要せず、た
だ、ウエビングを引き出し、そして、ウエビングを巻き
戻すだけで足り、エンドロック状態を容易にかつ確実に
解消することができ、また、それを簡単な構造で実現す
ることができる等、他の構成、作用効果は、上記第1実
施例と同様である。
【0129】なお、対応制御手段の第1係部と第2係部
とは凹凸722、724に限らず他の手段が可能であ
る。ただ、凹凸を、Vギヤ720の係合歯44と同ピッ
チで同数とする構成とすれば、クラッチディスク706
の規制部708がウエビング引出方向側からフック70
0の第1制御部704と係合するときに、Vギヤ720
の凸724(第1係部)がフック700の第2制御部7
18と対応位置することが確実に達成される。
【0130】一方、Wパウル80が、車両急減速に伴う
ウエビング引張加速によってウエビング巻取方向に慣性
力を受けてVギヤ720のウエビング引出方向の回転に
遅れ、これによりW歯82と係合してクラッチディスク
706がウエビング引出方向へ回転し、ウエビング30
の引き出しが阻止される。ところで、ウエビング30の
全格納状態では、パウル46が係合歯44と係合してし
まってエンドロック状態が発生する他、Wパウル80が
W歯82と係合してしまってエンドロック状態が発生す
る場合がある。このような場合も、ウエビング30を引
き出し、そして、ウエビングを巻き戻せば、その巻き戻
しによって、Vギヤ720がウエビング巻取方向に先行
して回転し、クラッチディスク706がウエビング巻取
方向に遅れて(図34に示す)復帰回転して、Wパウル
80がW歯82と離脱され(図35に示す)、容易にエ
ンドロック状態を解消することができる。
【0131】なお、フック700は、合成樹脂製とされ
たセンサカバー26と一体に成形することが可能であ
る。また、規制部708がウエビング巻取方向側から第
1制御部704と係合するとき、フック700はスプー
ル20の軸方向へ弾性変形して、規制部708を第1制
御部704からウエビング引出方向側に離脱させている
が、そのときのフック700の弾性変形する方向は、ス
プール20の半径方向外方でもよい等、ただ、フック7
00の第2位置への方向でなければよい。
【0132】本発明は上記各実施例、変形例に限定され
るものではなく種々の変更が可能である。例えば、第1
実施例では、解除部を裏歯104で構成しているが、そ
れに限定されるものでない。
【0133】また、第3実施例では、案内手段として、
環状の案内溝328を用いているが、それに限らず、他
の手段が可能であり、更に、移動手段も矩形孔314、
移動板318に限らず、他の手段が可能である。
【0134】第4実施例、その変形例、第5実施例、第
6実施例において、係合体やレバー等の形状、位置等
は、それら実施例、変形例に限定されるものではない。
【0135】更に、第1実施例、第2実施例、第7実施
例では、慣性体80を用いたウエビング感応方式と加速
度センサ50を用いた車体感応方式とを採用した2重感
応方式に係る巻取装置について説明し、第3実施例、第
4実施例、この変形例、第5実施例、第6実施例では、
加速度センサ50を用いた車体感応方式に係る巻取装置
について説明したが、それらに限定されるものではな
い。
【0136】また、上記各実施例、変形例では、加速度
センサ50のセンサレバー54でパウル46を押し上
げ、そのパウル46をVギヤの外歯44に噛合させてい
るが、加速度センサ50のセンサレバー54をパウルと
して形成し、それを直接に外歯44と噛合させるように
してもよい。
【0137】
【発明の効果】本発明のウエビング巻取装置によれば、
エンドロック状態を容易にかつ確実に解消することがで
き、また、それを簡単な構造で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウエビング巻取装置の第1実施例
の一部を示す分解斜視図である。
【図2】第1実施例の残部を示す分解斜視図である。
【図3】第1実施例に係り、スプールの軸方向から見た
図である。
【図4】第1実施例に係り、パウルがVギヤと係合した
状態を示す図3に対応する図である。
【図5】クランプが作動した状態を示す図3に対応する
図である。
【図6】慣性体が作動した状態を示す図3に対応する図
である。
【図7】第1実施例に係り、エンドロック状態を示し、
スプールの軸方向から見た図である。
【図8】エンドロック状態を解消するための作動状態を
示し、図7に対応する図である。
【図9】第1実施例に係り、Vギヤの一部を、スプール
側から見た斜視図である。
【図10】第2実施例に係り、図7に対応する図であ
る。
【図11】第2実施例に係り、図8に対応する図であ
る。
【図12】第3実施例に係る分解斜視図である。
【図13】図12において、要部を拡大して示す斜視図
である。
【図14】第4実施例に係る分解斜視図である。
【図15】第4実施例に係る要部分解斜視図である。
【図16】第4実施例に係り、エンドロック状態でない
状態を示し、スプールの軸方向から見た図である。
【図17】第4実施例に係り、エンドロック状態を示
し、図16に対応する図である。
【図18】第4実施例に係り、エンドロック状態を解消
するための作動状態を示し、図16に対応する図であ
る。
【図19】第4実施例に係り、エンドロック状態を解消
するための次の作動状態を示し、図16に対応する図で
ある。
【図20】第4実施例に係り、エンドロック状態が解消
された状態を示し、図16に対応する図である。
【図21】第4実施例の変形例を示し、図15と反対側
から見た要部分解斜視図である。
【図22】第5実施例に係り、エンドロック状態を示
す、スプールの軸方向から見た図である。
【図23】第5実施例に係り、エンドロック状態を解消
するための作動状態を示し、図22に対応する図であ
る。
【図24】第5実施例に係り、エンドロック状態を解消
するための次の作動状態を示し、図22に対応する図で
ある。
【図25】図24の状態を示す要部斜視図である。
【図26】第5実施例に係り、エンドロック状態が解消
された状態を示し、図22に対応する図である。
【図27】第6実施例に係り、エンドロック状態を示
す、スプールの軸方向から見た図である。
【図28】第6実施例に係り、エンドロック状態を解消
するための作動状態を示す要部斜視図である。
【図29】第6実施例に係り、エンドロック状態を解消
するための次の作動状態を示す図28に対応する図であ
る。
【図30】図29の状態を、スプールの軸方向から見た
図である。
【図31】第6実施例に係り、エンドロック状態が解消
された状態を示し、図28に対応する図である。
【図32】第7実施例に係り、エンドロック状態を示
す、スプールの軸方向から見た図である。
【図33】第7実施例に係り、エンドロック状態を解消
するための作動状態を示す図32に対応する図である。
【図34】第7実施例に係り、エンドロック状態を解消
するための次の作動状態を示す図32に対応する図であ
る。
【図35】第7実施例に係り、エンドロック状態を解消
するための更に次の作動状態を示す図32に対応する図
である。
【図36】第7実施例に係り、要部を示す斜視図であ
る。
【図37】第7実施例に係り、構成部品について、スプ
ールの軸方向に沿った配置関係を示す図である。
【符号の説明】
20 スプール 30 ウエビング 32 ゼンマイばね(巻取付勢手段) 34 Vギヤ(回転部材) 38 クラッチディスク(作動部材) 44 外歯(係合歯) 46 パウル(係合爪) 66 クランプ(阻止手段) 78 コイルスプリング(作動部材付勢手段) 100 フェイントレバー(係合部材、回転阻止手段、
遅れ手段) 104 裏歯(解除部、遅れ手段) 114 作動部(回転阻止手段、遅れ手段) 204 作動部(回転阻止手段、遅れ手段) 206 第1係合部 208 第2係合部 210 係合部材(回転阻止手段、遅れ手段) 214 解除部 (遅れ手段) 306 Vギヤ(回転部材) 310 クラッチディスク(作動部材) 318 移動板(移動手段) 322 案内溝(案内手段) 324 案内ピン(案内手段) 406 クラッチディスク(作動部材) 402 パウル(係合爪) 412 レバー(モーメント付与手段) 418 ストッパ対向部(阻止部、モーメント付与手
段) 416 ストッパ部(阻止部、モーメント付与手段) 420 係合凸部(係合体、モーメント付与手段) 422 レバー先端部(位置付勢手段、モーメント付与
手段) 426 弾性片(位置付勢手段、モーメント付与手段) 502 レバー(モーメント付与手段) 504 パウル(係合爪) 508 スナップスプリング(係合体、モーメント付与
手段) 602 レバー(モーメント付与手段) 604 パウル(係合爪) 612 係合凸部(係合体、モーメント付与手段) 80 Wパウル 82 W歯 700 フック部材(遅れ手段) 704 第1制御部(遅れ手段) 708 規制部(遅れ手段) 710 第1面(1係合手段) 714 第2面(第2係合手段) 718 第2制御部(遅れ手段) 722 凹(第2係部、凹凸(対応制御手段)) 724 凸(第1係部、凹凸(対応制御手段)) 706 クラッチディスク(作動部材) 720 Vギヤ(回転部材)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能とされてウエビングを引き出し
    巻き取り自在とするスプールと、 このスプールをウエビング巻取方向へ付勢する巻取付勢
    手段と、 前記スプールと一体に回転し、周部に係合歯を有する回
    転部材と、 この回転部材と同軸状とされて回転可能な作動部材と、 この作動部材に設けられ、係合歯と係脱自在とされ、車
    両急減速に対応する加速度の作用によって係合歯と係合
    し、係合状態では回転部材のウエビング引出方向回転に
    よって作動部材をウエビング引出方向へ回転させる係合
    爪と、 前記作動部材のウエビング引出方向回転により作動し、
    ウエビングの引き出しを阻止する阻止手段と、 前記係合爪の係合歯との係合状態でウエビングを引き出
    して回転部材をウエビング引出方向へ回転させた後にウ
    エビングを巻き取って回転部材をウエビング巻取方向へ
    回転させるときに作動部材を原位置へ復帰回転させるべ
    く付勢する作動部材付勢手段と、 前記作動部材の復帰回転を、回転部材のウエビング巻取
    方向回転より遅らせ、係合爪の係合歯との係合を解除す
    る遅れ手段と、 を備えたことを特徴とするウエビング巻取装置。
  2. 【請求項2】 前記遅れ手段は、 前記作動部材のウエビング巻取方向回転を阻止する回転
    阻止手段と、 前記回転部材と一体に回転し、所定量の回転部材のウエ
    ビング巻取方向回転を要して回転阻止手段による作動部
    材のウエビング巻取方向回転阻止を解除する解除部と、 を備えてなる請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  3. 【請求項3】 回転可能とされてウエビングを引き出し
    巻き取り自在とするスプールと、 このスプールと一体に回転し、周部に係合歯を有する回
    転部材と、 この回転部材と同軸状とされて回転可能な作動部材と、 この作動部材に設けられ、係合歯と係脱自在とされ、車
    両急減速に対応する加速度の作用によって係合歯と係合
    し、係合状態では回転部材のウエビング引出方向回転に
    よって作動部材をウエビング引出方向へ回転させる係合
    爪と、 前記作動部材のウエビング引出方向回転により作動し、
    ウエビングの引き出しを阻止する阻止手段と、 前記係合爪の係合歯との係合状態でウエビングを引き出
    して回転部材をウエビング引出方向へ回転させた後にウ
    エビングを巻き取って回転部材をウエビング巻取方向へ
    回転させるときに作動部材を原位置へ復帰回転させるべ
    く付勢する作動部材付勢手段と、 前記係合爪と作動部材との間に設けられ、係合爪を作動
    部材の半径方向へ移動自在とする移動手段と、 作動部材の復帰回転に伴い係合爪を係合歯と離脱させる
    ように係合爪を作動部材半径方向へ移動案内する案内手
    段と、 を備えたことを特徴とするウエビング巻取装置。
  4. 【請求項4】 回転可能とされてウエビングを引き出し
    巻き取り自在とするスプールと、 このスプールと一体に回転し、周部に係合歯を有する回
    転部材と、 この回転部材と同軸状とされて回転可能な作動部材と、 この作動部材に回動自在に軸支され、車両急減速に対応
    する加速度の作用によって係合歯と離脱する離脱位置か
    ら係合歯と係合する係合位置へ回動し、係合歯との係合
    状態では回転部材のウエビング引出方向回転によって作
    動部材をウエビング引出方向へ回転させる係合爪と、 前記作動部材のウエビング引出方向回転により作動し、
    ウエビングの引き出しを阻止する阻止手段と、 前記係合爪の係合歯との係合状態でウエビングを引き出
    して回転部材をウエビング引出方向へ回転させた後にウ
    エビングを巻き取って回転部材をウエビング巻取方向へ
    回転させるときに作動部材を原位置へ復帰回転させるべ
    く付勢する作動部材付勢手段と、 前記作動部材の復帰回転に伴い係合爪に、この回動軸回
    りの離脱方向へモーメントを付与し、係合爪の係合歯と
    の係合を解除するモーメント付与手段と、 備えたことを特徴とするウエビング巻取装置。
  5. 【請求項5】 前記遅れ手段は、 第2位置から第1位置へ移動付勢されるフック部材と、 このフック部材に設けられる第1制御部と、 前記作動部材に設けられる規制部と、 前記作動部材のウエビング引出方向の回転に伴い、規制
    部が、ウエビング巻取方向側から第1制御部と係合し、
    フック部材を第1位置に位置させたままで第1制御部の
    ウエビング引出方向側へ離脱する第1係合手段と、 前記規制部が第1制御部のウエビング引出方向側へ離脱
    した後の作動部材のウエビング巻取方向の回転に伴い、
    規制部が、ウエビング引出方向側から第1制御部と係合
    し、フック部材を第1位置から第2位置へ移動させて、
    これにより第1制御部のウエビング巻取方向側へ離脱す
    る第2係合手段と、 前記フック部材に設けられる第2制御部と、 前記回転部材の周方向に沿って交互に設けられる第1係
    部と第2係部とを有し、回転部材の回転位置に応じて第
    1係部が第2制御部と対応位置するときと第2係部が第
    2制御部と対応位置するときとを得て、第1係部が第2
    制御部と対応位置するときはフック部材の第2位置への
    移動を阻止すべく第1係部が第2制御部と係合可能とな
    り、第2係部が第2制御部と対応位置するときはフック
    部材の第2位置への移動を許容すべく第2係部が第2制
    御部と係合可能となり、前記規制部がウエビング引出方
    向側から第1制御部と係合するときは、回転部材のウエ
    ビング巻取方向の回転に伴い、第1係部が第2制御部と
    対応位置した後に第2係部が第2制御部と対応位置する
    対応制御手段と、 を備えた請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  6. 【請求項6】 前記対応制御手段の第1係部と第2係部
    とが凹凸で形成され、凹凸が、回転部材の係合歯と同ピ
    ッチで同数とされる請求項5に記載のウエビング巻取装
    置。
  7. 【請求項7】 前記作動部材に設けられるW歯と、車両
    急減速に伴うウエビングの引張加速によってウエビング
    巻取方向へ慣性力を受けて回転部材のウエビング引出方
    向の回転に遅れてW歯と係合するWパウルとを有し、W
    パウルがW歯と係合した状態ではスプールのウエビング
    引出方向の回転により作動部材をウエビング引出方向へ
    回転させるW手段を備えた請求項5に記載のウエビング
    巻取装置。
JP7156235A 1994-11-14 1995-06-22 ウエビング巻取装置 Pending JPH08253103A (ja)

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JP599195 1995-01-18
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013133072A1 (ja) * 2012-03-07 2013-09-12 芦森工業株式会社 シートベルト用リトラクタ
WO2014126059A1 (ja) * 2013-02-12 2014-08-21 芦森工業株式会社 シートベルト用リトラクタ

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US9701278B2 (en) 2013-02-12 2017-07-11 Ashimori Industry Co., Ltd. Seat belt retractor

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