JPH08250389A - 薄膜形成装置及び薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置及び薄膜形成方法

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JPH08250389A
JPH08250389A JP7048459A JP4845995A JPH08250389A JP H08250389 A JPH08250389 A JP H08250389A JP 7048459 A JP7048459 A JP 7048459A JP 4845995 A JP4845995 A JP 4845995A JP H08250389 A JPH08250389 A JP H08250389A
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elastic roll
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Hiroyuki Naka
裕之 中
Masayoshi Miura
真芳 三浦
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗布液の無駄な消費を抑えかつ基板に反りや
凹凸があっても簡単な移動制御で塗布後の膜厚を可及的
に均一にできるようにする。 【構成】 インクジェットコータ1は、角型基板10上
にレジスト液の薄膜を形成する装置であって、基板を保
持する基板保持部12と、Y方向に並べて配置されたイ
ンクジェット方式の複数のインクジェットノズル20を
有し、角型基板10に向けて複数のノズル20からレジ
スト液を噴出して角型基板10上にレジスト液を塗布す
るインクジェットヘッド13と、インクジェットヘッド
13を基板保持部12に対してX方向に直線的に移動さ
せるヘッド移動部14とを備え、レジスト液を間接的に
定量噴出しながら角型基板10上をインクジェットヘッ
ド13を直線的に移動させて均一膜厚のレジスト膜11
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上にレジストや液
晶等の塗布液の薄膜を形成する薄膜形成装置及び薄膜形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体基板や液晶表示装置用基板
やカラーフィルタ用基板に薄膜を形成する方法として、
スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法等の薄
膜形成方法が知られている。スピンコート法は、一般的
に良く知られているように、スピンチャック上に保持さ
れた基板の中心に塗布液を滴下した後、基板を高速回転
させて遠心力によって塗布液を基板表面に均一に拡散さ
せる方法である。ダイコート法は、特開昭56−159
646号公報に開示されているように、スリット状のノ
ズルから塗布液を流出しつつ、水平に保持された基板に
対してスリットの形成方向と直交する方向にノズルを相
対移動させて塗布液を塗布する方法である。このとき、
ノズルの下面で塗布液を押さえながらノズルを移動する
ことで、塗布した後の膜厚を均一にする。ロールコート
法は、実開平4−99266号公報に開示されているよ
うに、基板に接触しつつ転動するロールの表面に塗布液
を塗布し、ロールを転動させて基板に対して相対移動さ
せることで塗布液を基板表面に転写する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記スピンコート法で
は、高速回転で塗布液を拡散させているので、基板が反
っていたり、基板の表面に凹凸があっても塗布液を均一
に拡散でき、塗布後の膜厚が均一になりやすい。しか
し、滴下された塗布液の80〜90%が基板表面から飛
散するので、塗布液が無駄に消費されるという問題があ
る。
【0004】ダイコート法では、ノズルを基板に対して
移動させて塗布液を基板上だけに塗布できるので、スピ
ンコート法に比べて塗布液が無駄に消費されることがな
い。しかし、ノズルの下面で塗布液を押さえて膜厚が均
一になるようにしているので、基板が反っていたり基板
上に凹凸があると、塗布液の表面は平滑になるが、膜圧
は均一にならない。従って、基板に反りや凹凸がある場
合には、反りや凹凸に沿ってノズルを移動させないと膜
厚が均一にならず、ノズルの移動制御が複雑になるとい
う問題がある。
【0005】ロールコート法では、ロールを基板に対し
て移動させて塗布液を基板に転写しているので、ダイコ
ート法と同様に塗布液は無駄に消費されにくい。しか
し、ロールに塗布液を均一に塗布しても、ロール材と基
板との双方に塗布液が分離するため計量精度が困難であ
り、基板に反りや凹凸があると、基板に転写された塗布
膜の厚みが均一にならないという問題がある。
【0006】本発明は上記従来技術の課題を解決するも
のであり、その目的は、塗布液の無駄な消費を抑えかつ
基板に反りや凹凸があっても簡単な移動制御で塗布後の
膜厚を可及的に均一にできる薄膜形成装置及び薄膜形成
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る薄膜形成
装置は、基板上に塗布液の薄膜を形成する装置であっ
て、基板を保持する基板保持手段と、第1方向に並べて
配置されたインクジェット方式の複数のノズルを有し、
基板に向けて複数のノズルから塗布液を噴出して基板上
に塗布液を塗布する塗布液塗布手段と、塗布液塗布手段
を基板保持手段に対して第1方向と交差する第2方向に
直線的に相対移動させる相対移動手段とを備えている。
【0008】請求項2に係る薄膜形成装置は、基板を保
持する基板保持手段と、基板保持手段に保持された基板
上を転動自在な弾性ロールと、弾性ロールの周面に離型
層を形成する離型層形成手段と、第1方向に並べて配置
されたインクジェット方式の複数のノズルを有し、離型
層形成手段によって離型層が形成された弾性ロールの周
面に向けて複数のノズルから塗布液を噴出して弾性ロー
ルの周面に塗布液を塗布する塗布液塗布手段と、塗布液
が塗布された弾性ロールを基板に押圧しつつ転動させて
基板保持手段に対して第1方向と交差する第2方向に直
線的に相対移動させ、弾性ロールに塗布された塗布液を
基板に転写する相対移動手段とを備えている。
【0009】請求項3に係る薄膜形成装置は、請求項1
又は2記載の装置において、塗布液は誘電性を有し、基
板保持手段に保持された基板を第1極性に帯電させる第
1帯電手段と、各ノズルから噴出される塗布液を第1極
性と逆極性の第2極性に帯電させる第2帯電手段とをさ
らに備えている。請求項4に係る薄膜形成装置は、請求
項1から3のいずれかに記載の装置において、塗布液塗
布手段に正圧化された塗布液を供給する塗布液供給手段
をさらに備えている。
【0010】請求項5に係る薄膜形成装置は、請求項1
から4のいずれかに記載の装置において、各ノズルにお
ける塗布液の噴出/遮断をそれぞれ制御するノズル制御
手段をさらに備えている。請求項6に係る薄膜形成方法
は、基板上に塗布液の薄膜を形成する方法であって、基
板を基板保持部に保持する基板保持工程と、第1方向に
並べて配置されたインクジェット方式の複数のノズル
を、基板保持部に対して前記第1方向と交差する第2方
向に直線的に相対移動させつつ基板に向けて複数のノズ
ルから塗布液を噴出し基板上に塗布液を塗布する塗布液
塗布工程とを含んでいる。
【0011】請求項7に係る薄膜形成方法は、基板を基
板保持部に保持する基板保持工程と、基板保持工程で保
持された基板上を転動自在な弾性ロールの周面に離型層
を形成する離型層形成工程と、第1方向に並べて配置さ
れたインクジェット方式の複数のノズルから塗布液を離
型層形成工程で弾性ロールの周面に形成された離型層に
向けて噴出して弾性ロール上に塗布液を塗布する塗布液
塗布工程と、塗布液塗布工程で塗布液が塗布された弾性
ロールを、基板に押圧しつつ転動させて基板保持部に対
して第1方向と交差する第2方向に直線的に相対移動さ
せて、弾性ロールに塗布された塗布液を基板に転写する
塗布液転写工程とを含んでいる。
【0012】請求項8に係る薄膜形成方法は、請求項6
又は7記載の方法において、塗布液は誘電性であり、基
板保持工程は、基板保持部に保持された基板を第1極性
に帯電させる第1帯電工程をさらに含み、塗布液塗布工
程は、各ノズルから噴出される塗布液を第1極性と逆極
性の第2極性に帯電させる第2帯電工程をさらに含んで
いる。
【0013】請求項9に係る薄膜形成方法は、請求項6
から8のいずれかに記載の方法において、塗布液塗布工
程では、所定の塗布パターンとなるように各ノズルにお
ける噴出/遮断をそれぞれ制御する。
【0014】
【作用】請求項1に係る薄膜形成装置では、基板保持手
段に保持された基板に対して処理液塗布手段を第2方向
に直線的に相対移動させつつ、インクジェット方式の各
ノズルで基板上の離れた位置から塗布液を間欠的に定量
噴出して基板上に塗布液を塗布する。ここでは、インク
ジェット方式のノズルを用いているので、ノズルから噴
出された塗布液が基板から離れた位置から基板に向けて
間欠的に定量供給され、塗布液を押さえることなくノズ
ルを直線的に相対移動させるだけで基板上に均一に塗布
液を塗布できる。このため、基板に反りや凹凸があって
も、直線的な簡単な移動制御で反りや凹凸に沿って均一
な膜厚の薄膜を形成できる。
【0015】請求項2の発明に係る薄膜形成装置では、
弾性ロールの周面に離型層が形成された後に、インクジ
ェット方式の複数のノズルから離型層が形成された弾性
ロールの周面に向けて塗布液が噴出され弾性ロールの周
面に塗布液が塗布される。そして、塗布液が塗布された
弾性ロールが基板に押圧されつつ転動されて基板保持手
段に対して第2方向に直線的に相対移動され、弾性ロー
ルに塗布された塗布液が基板に転写される。ここでは、
インクジェット方式のノズルを用いているので、ノズル
から噴出された塗布液が弾性ロールから離れた位置から
弾性ロールに向けて定量供給され、弾性ロールに均一に
塗布液を塗布できるとともに、弾性ロールの弾性により
弾性ロールを基板に対して直線的に相対移動させるだけ
で、基板の反りや凹凸にロール表面が沿って移動する。
このため、基板に反りや凹凸があっても、直線的な簡単
な移動制御で反りや凹凸に沿って均一な膜厚の薄膜を形
成できる。また後で離型槽を除去(乾燥の場合もある)
することでロール面への裏うつりがない。
【0016】請求項3の発明に係る薄膜形成装置では、
誘電性を有する塗布液がノズルから噴出される際に第2
帯電手段により第2極性に帯電されて基板また弾性ロー
ルに塗布される。一方、基板は第1帯電手段により第1
極性に帯電される。このため、基板に塗布液が塗布また
は転写されたときに、塗布液と基板との極性が逆になり
基板と塗布液との間に引力が発生し、基板上の塗布液が
平滑化され、膜厚がより均一になる。
【0017】請求項4の発明に係る薄膜形成装置では、
塗布液塗布手段に正圧化された塗布液が供給されるの
で、ノズルから噴出される塗布液がより定量供給され
る。請求項5の発明に係る薄膜形成装置では、各ノズル
における塗布液の噴出/遮断がノズル制御手段によりそ
れぞれ制御されるので、基板又は弾性ロール上に所望の
パターンで塗布液を塗布でき、塗布液の消費をより抑え
ることができる。
【0018】請求項6の発明に係る薄膜形成方法では、
基板を基板保持部に保持すると、インクジェット方式の
複数のノズルを、基板保持部に対して前記第1方向と交
差する第2方向に直線的に相対移動させつつ基板に向け
て複数のノズルから塗布液を噴出し基板上に塗布液を塗
布する。ここでは、インクジェット方式のノズルを用い
ているので、ノズルから噴出された塗布液が基板から離
れた位置から基板に向けて間欠的に定量供給され、塗布
液を押さえることなくノズルを直線的に相対移動させる
だけで基板上に均一に塗布液を塗布できる。このため、
基板に反りや凹凸があっても、直線的な簡単な移動制御
で反りや凹凸に沿って均一な膜厚の薄膜を形成できる。
【0019】請求項7の発明に係る薄膜形成方法では、
基板を基板保持部に保持すると、弾性ロールの周面に離
型層が形成され、インクジェット方式の複数のノズルか
ら塗布液が弾性ロールの周面に形成された離型層に向け
て噴出され弾性ロール上に塗布液が塗布される。そし
て、塗布液が塗布された弾性ロールを、基板に押圧しつ
つ転動させて基板保持部に対して直線的に相対移動させ
て、弾性ロールに塗布された塗布液を基板に転写する。
ここでは、インクジェット方式のノズルを用いているの
で、ノズルから噴出された塗布液が弾性ロールから離れ
た位置から弾性ロールに向けて定量供給され、弾性ロー
ルに均一に塗布液を塗布できるとともに、弾性ロールの
弾性により弾性ロールを基板に対して直線的に相対移動
させるだけで、基板の反りや凹凸にロール表面が沿って
移動する。このため、基板に反りや凹凸があっても、ロ
ールの直線的な簡単な移動制御で反りや凹凸に沿って均
一な膜厚の薄膜を形成できる。
【0020】請求項8の発明に係る薄膜形成方法では、
誘電性を有する塗布液がノズルから噴出される際に第2
極性に帯電されて基板また弾性ロールに塗布される。一
方、基板は第1極性に帯電される。このため、基板に塗
布液が塗布または転写されたときに、塗布液と基板との
極性が逆になり基板と塗布液との間に引力が発生し、基
板上の塗布液が平滑化され、膜厚がより均一になる。
【0021】請求項9の発明に係る薄膜形成方法では、
各ノズルにおける塗布液の噴出/遮断がそれぞれ制御さ
れるので、基板又は弾性ロール上に所望のパターンで塗
布液を塗布でき、塗布液の消費をより抑えることができ
る。
【0022】
【実施例】実施例1 図1は本発明の一実施例による薄膜形成装置としてのイ
ンクジェットコータの構成を示す斜視図である。図1に
おいて、インクジェットコータ1は、たとえば液晶表示
装置用の角型基板10に誘電性のレジスト液を塗布して
レジスト膜11を形成するものである。インクジェット
コータ1は、角型基板10を保持する基板保持部12
と、基板保持部12上をX方向(角型基板10の長手方
向)に移動するインクジェットヘッド13と、インクジ
ェットヘッド13をX方向に移動させるヘッド移動部1
4とを備えている。基板保持部12は、角型基板10よ
りやや大きな面積を有しており、角型基板10を真空吸
着する構造となっている。基板保持部12は、その表面
に電極板16を有している。電極板16は、角型基板1
0にたとえば負の電荷を付与するためのものであり、電
源17に接続されている。
【0023】インクジェットヘッド13は、図2に示す
ように、X方向と直交するY方向に間隔を隔てて並設さ
れた多数のインクジェットノズル20を有している。イ
ンクジェットノズル20は0.1mm径であり、レジス
ト液を間欠的に噴出する。また、インクジェットノズル
20は角型基板10と間隔を隔てて移動するように配置
されている。インクジェットノズル20は、インクジェ
ットヘッド13内に形成された液貯溜空間21と、液貯
溜空間21の上方に各インクジェットノズル20に対応
して設けられたピエゾ素子22とを有している。ピエゾ
素子22は印加された電圧に応じて振動する圧電素子で
あり、そこにはピエゾ素子22を制御するための供給制
御部23が接続されている。液貯溜室21には、液貯溜
槽24が接続されている。液貯溜槽24は密閉式のタン
クであり、そこには空気供給源25が接続されており、
空気供給源25から調圧された正圧空気が供給されてい
る。インクジェットノズル20の下方には、プリチャー
ジャー30が配置されている。プリチャージャー30は
インクジェットノズル20から噴出するレジスト液に正
の電荷を付与するためのものである。
【0024】このインクジェットヘッド13では、空気
供給源25により加圧されたレジスト液が液貯溜槽24
から液貯留空間21に供給される。この結果、インク室
21内のレジスト液は所定の圧力に加圧はされている
が、下方に噴出することはない状態で液貯留室空間21
内に貯溜される。そしてピエゾ素子22により僅かな振
動が加えられると下方にインクジェットノズル20から
レジスト液を噴出する。
【0025】次に上述の実施例の動作について説明す
る。まず角型基板10を基板保持部12上に載置して真
空吸着する。続いて電源17により電極板16に通電
し、角型基板10を負の電荷に帯電する。この状態でイ
ンクジェットヘッド13をヘッド移動部14により、角
型基板10の図1手前側の端部からX方向に移動させ
る。それとともに、供給制御部23によりピエゾ素子2
2を制御し、ピエゾ素子を振動させて液貯溜槽24から
供給されたレジスト液を下方に間欠的に噴出する。この
とき、インクジェットノズル20から噴出されたレジス
ト液は、プリチャージャー30により正の電荷に帯電す
る。この結果、インクジェットノズル20から噴出した
レジスト液が角型基板10に間欠的に噴出されると、角
型基板10が負に帯電されているので、電気的な引力で
角型基板10上により平滑にレジスト液が塗布され、基
板面に沿って均一な厚みのレジスト膜11を角型基板1
0上に形成できる。
【0026】インクジェットヘッド13が角型基板10
の奥側の端部まで移動すると、供給制御部23によりピ
エゾ素子22の振動を停止し、レジスト液の噴出を停止
する。このとき空気供給源25からの空気の供給も停止
し、レジスト液の供給を完全に遮断する。そして、イン
クジェットヘッド13を手前側の端部まで戻す。ここで
は、インクジェットノズル20からレジスト液を間欠的
に噴出して一定量のレジスト液を角型基板10に供給す
るようにしているので、角型基板10が反っていたり、
角型基板10上に別の膜が既に形成され凹凸がある場合
にも、均一な膜厚のレジスト膜11を形成できる。 〔変形例〕図3に示すように、供給制御部23によりピ
エゾ素子22のオンオフ制御を行い、所定の微細パター
ンのレジスト膜11aを形成するようにしてもよい。イ
ンクジェットヘッド13を用いることで、このような微
細パターンの形成も簡単に行える。ここでは、ピエゾ素
子22をオンオフしてインクジェットノズル20を噴出
/遮断制御することで、角型基板10上の必要な領域に
だけ微細パターンのレジスト膜11aを形成できる。こ
の場合には、レジスト膜の無駄な消費をさらに抑えるこ
とができる。実施例2 図4は実施例2によるロール式のインクジェットコータ
の構成を示す斜視図である。
【0027】インクジェットコータ1は、角型基板10
を保持する基板保持部12と、基板保持部12上を転動
しかつX方向に移動するフレキシブルロール31と、フ
レキシブルロール31をX方向に移動させるロール移動
部32とを有している。フレキシブルロール31の周面
には、2つのインクジェットヘッド33,34が周方向
に間隔を隔てて配置されている。インクジェットヘッド
33はインクジェットヘッド34の回転方向上流側に配
置されている。
【0028】フレキシブルロール31は、表面に弾性体
35が貼り付けられた弾性を有するロールであり、角型
基板10の反りや凹凸にならって移動可能なものであ
る。インクジェットヘッド33は、図5に示すように、
フレキシブルロール31の表面に離型液を塗布するもの
である。インクジェットヘッド34は離型液が塗布され
たフレキシブルロール31の表面にレジスト液を塗布す
るものである。インクジェットヘッド33,34は前述
したインクジェットヘッド13と同様な構成であり、多
数のインクジェットノズルがY方向に並設されている。
また、インクジェットヘッド34には供給制御部23及
び液貯溜槽24がそれぞれ接続されている。
【0029】このように構成された上述のインクジェッ
トコータ1では、まず角型基板10を基板保持部12上
に保持する。そして、ロール移動部32によりフレキシ
ブルロール31を角型基板10の手前側の端部に圧接し
てX方向に移動させつつ転動させる。この転動中に、イ
ンクジェットヘッド33から離型液をフレキシブルロー
ル31の周面に塗布し、その後、離型液の上にインクジ
ェットヘッド34によりレジスト液を塗布する。塗布さ
れたレジスト液は、角型基板との圧接位置で角型基板1
2上に転写される。転写後離型液は、自然乾燥や温風に
よる乾燥等により蒸発し除去される。この結果、角型基
板12上にレジスト膜11が形成される。この際、フレ
キシブルロール31上に均一にレジスト液が塗布されか
つ、フレキシブルロール31が角型基板10の凹凸やそ
れに沿って移動するので均一な膜厚のレジスト膜11を
形成できる。 〔変形例〕図6に示すように、供給制御部23によりレ
ジスト液の噴出/遮断制御を行い、角型基板10上に所
定の微細パターンのレジスト膜11aを形成してもよ
い。インクジェットヘッド13を用いることで、このよ
うな微細パターンの形成も簡単に行える。ここでは、イ
ンクジェットノズル20を噴出/遮断制御することで、
角型基板10上の必要な領域にだけ微細パターンのレジ
スト膜11aを形成できる。この場合には、レジスト膜
の無駄な消費をさらに抑えることができる。
【0030】〔他の実施例〕 (a) ピエゾ素子を用いたインクジェットノズルに代
えて、バブルジェット方式や他の方式のインクジェット
ノズルを用いてもよい。 (b) 角型基板に代えて、丸型基板や他の形状の基板
にも本発明を適用できる。 (c) 本発明はレジスト膜の形成に限定されるもので
はなく、液晶膜の形成やカラーフィルタ膜の形成等、基
板上に薄膜を形成する技術全般に適用できる。 (d) 塗布する液体が誘電性であると、電気的な引力
により膜厚がより均一になるが、塗布する液体は導電性
の液体であってもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1に係る薄膜形成装置によれば、
インクジェット方式のノズルを用いているので、ノズル
から噴出された塗布液が角型基板から離れた位置から角
型基板に向けて間欠的に定量供給され、塗布液を押さえ
ることなくノズルを直線的に相対移動させるだけで角型
基板上に均一に塗布液を塗布できる。このため、角型基
板に反りや凹凸があっても、直線的な簡単な移動制御で
反りや凹凸に沿って均一な膜厚の薄膜を形成できる。
【0032】請求項2の発明に係る薄膜形成装置によれ
ば、インクジェット方式のノズルを用いているので、ノ
ズルから噴出された塗布液が弾性ロールから離れた位置
から弾性ロールに向けて間欠的に定量供給され、弾性ロ
ールに均一に塗布液を塗布できるとともに、弾性ロール
の弾性により弾性ロールを角型基板に対して直線的に相
対移動させるだけで、角型基板の反りや凹凸にロール表
面が沿って移動する。このため、角型基板に反りや凹凸
があっても、直線的な簡単な移動制御で反りや凹凸に沿
って均一な膜厚の薄膜を形成できる。
【0033】請求項3の発明に係る薄膜形成装置によれ
ば、角型基板に塗布液が塗布または転写されたときに、
塗布液と角型基板との極性が逆になり角型基板と塗布液
との間に引力が発生し、角型基板上の塗布液が平滑化さ
れ、膜厚がより均一になる。請求項4の発明に係る薄膜
形成装置によれば、正圧化された塗布液が供給されるの
で、ノズルから噴出される塗布液がより定量供給され
る。
【0034】請求項5の発明に係る薄膜形成装置によれ
ば、各ノズルにおける塗布液の噴出/遮断がそれぞれ制
御されるので、角型基板又は弾性ロール上に所望のパタ
ーンで塗布液を塗布でき、塗布液の消費をより抑えるこ
とができる。請求項6の発明に係る薄膜形成方法によれ
ば、インクジェット方式のノズルを用いているので、ノ
ズルから噴出された塗布液が角型基板から離れた位置か
ら角型基板に向けて間欠的に定量供給され、塗布液を押
さえることなくノズルを直線的に相対移動させるだけで
角型基板上に均一に塗布液を塗布できる。このため、角
型基板に反りや凹凸があっても、直線的な簡単な移動制
御で反りや凹凸に沿って均一な膜厚の薄膜を形成でき
る。
【0035】請求項7の発明に係る薄膜形成方法によれ
ば、インクジェット方式のノズルを用いているので、ノ
ズルから噴出された塗布液が弾性ロールから離れた位置
から弾性ロールに向けて間欠的に定量供給され、弾性ロ
ールに均一に塗布液を塗布できるとともに、弾性ロール
の弾性により弾性ロールを角型基板に対して直線的に相
対移動させるだけで、角型基板の反りや凹凸にロール表
面が沿って移動する。このため、角型基板に反りや凹凸
があっても、直線的な簡単な移動制御で反りや凹凸に沿
って均一な膜厚の薄膜を形成できる。
【0036】請求項8の発明に係る薄膜形成方法によれ
ば、角型基板に塗布液が塗布または転写されたときに、
塗布液と角型基板との極性が逆になり角型基板と塗布液
との間に引力が発生し、角型基板上の塗布液が平滑化さ
れ、膜厚がより均一になる。請求項9の発明に係る薄膜
形成方法によれば、各ノズルにおける塗布液の噴出/遮
断がそれぞれ制御されるので、角型基板又は弾性ロール
上に所望のパターンで塗布液を塗布でき、塗布液の消費
をより抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によるインクジェットコータ
の斜視図。
【図2】インクジェットヘッドの断面模式図。
【図3】変形例の図2に相当する図。
【図4】本発明の実施例2によるインクジェットコータ
の斜視図。
【図5】その側面模式図。
【図6】変形例の図5に相当する図。
【符号の説明】
1 インクジェットコータ 10 角型基板 11,11a レジスト膜 12 基板保持部 13,33,34 インクジェットヘッド 14 ヘッド移動部 16 電極 17 電源 20 インクジェットノズル 23 供給制御部 30 プリチャージャー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に塗布液の薄膜を形成する薄膜形成
    装置であって、 前記基板を保持する基板保持手段と、 第1方向に並べて配置されたインクジェット方式の複数
    のノズルを有し、前記基板に向けて前記複数のノズルか
    ら前記塗布液を噴出して前記基板上に前記塗布液を塗布
    する塗布液塗布手段と、 前記塗布液塗布手段を前記基板保持手段に対して前記第
    1方向と交差する第2方向に直線的に相対移動させる相
    対移動手段と、を備えた薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】基板上に塗布液の薄膜を形成する薄膜形成
    装置であって、 前記基板を保持する基板保持手段と、 前記基板保持手段に保持された基板上を転動自在な弾性
    ロールと、 前記弾性ロールの周面に離型層を形成する離型層形成手
    段と、 第1方向に並べて配置されたインクジェット方式の複数
    のノズルを有し、前記離型層形成手段によって離型層が
    形成された前記弾性ロールの周面に向けて前記複数のノ
    ズルから前記塗布液を噴出して前記弾性ロールの周面に
    前記塗布液を塗布する塗布液塗布手段と、 前記塗布液が塗布された弾性ロールを前記基板に押圧し
    つつ転動させて前記基板保持手段に対して前記第1方向
    と交差する第2方向に直線的に相対移動させ、前記弾性
    ロールに塗布された塗布液を前記基板に転写する相対移
    動手段と、を備えた薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】前記塗布液は誘電性を有し、 前記基板保持手段に保持された基板を第1極性に帯電さ
    せる第1帯電手段と、 前記各ノズルから噴出される塗布液を前記第1極性と逆
    極性の第2極性に帯電させる第2帯電手段とをさらに備
    える、請求項1又は2記載の薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】前記塗布液塗布手段に正圧化された塗布液
    を供給する塗布液供給手段をさらに備える、請求項1か
    ら3のいずれかに記載の薄膜形成装置。
  5. 【請求項5】前記各ノズルにおける塗布液の噴出/遮断
    をそれぞれ制御するノズル制御手段をさらに備える、請
    求項1から4のいずれかに記載の薄膜形成装置。
  6. 【請求項6】基板上に塗布液の薄膜を形成する薄膜形成
    方法であって、 前記基板を基板保持部に保持する基板保持工程と、 第1方向に並べて配置されたインクジェット方式の複数
    のノズルを、前記基板保持部に対して前記第1方向と交
    差する第2方向に直線的に相対移動させつつ前記基板に
    向けて前記複数のノズルから前記塗布液を噴出し前記基
    板上に前記塗布液を塗布する塗布液塗布工程と、を含む
    薄膜形成方法。
  7. 【請求項7】基板上に塗布液の薄膜を形成する薄膜形成
    方法であって、 前記基板を基板保持部に保持する基板保持工程と、 前記基板保持工程で保持された基板上を転動自在な弾性
    ロールの周面に離型層を形成する離型層形成工程と、 第1方向に並べて配置されたインクジェット方式の複数
    のノズルから塗布液を前記離型層形成工程で弾性ロール
    の周面に形成された離型層に向けて噴出して前記弾性ロ
    ール上に前記塗布液を塗布する塗布液塗布工程と、 前記塗布液塗布工程で塗布液が塗布された弾性ロール
    を、前記基板に押圧しつつ転動させて前記基板保持部に
    対して前記第1方向と交差する第2方向に直線的に相対
    移動させて、前記弾性ロールに塗布された塗布液を前記
    基板に転写する塗布液転写工程と、を含む薄膜形成方
    法。
  8. 【請求項8】前記塗布液は誘電性であり、 前記基板保持工程は、前記基板保持部に保持された基板
    を第1極性に帯電させる第1帯電工程をさらに含み、前
    記塗布液塗布工程は、前記各ノズルから噴出される塗布
    液を前記第1極性と逆極性の第2極性に帯電させる第2
    帯電工程をさらに含む、請求項6または7記載の薄膜形
    成方法。
  9. 【請求項9】前記塗布液塗布工程では、所定の塗布パタ
    ーンとなるように前記各ノズルにおける噴出/遮断をそ
    れぞれ制御する、請求項6から8のいずれかに記載の薄
    膜形成方法。
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