JPH0824927A - 金属帯の圧延形状の自動制御方法および装置 - Google Patents

金属帯の圧延形状の自動制御方法および装置

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JPH0824927A
JPH0824927A JP6165645A JP16564594A JPH0824927A JP H0824927 A JPH0824927 A JP H0824927A JP 6165645 A JP6165645 A JP 6165645A JP 16564594 A JP16564594 A JP 16564594A JP H0824927 A JPH0824927 A JP H0824927A
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JP
Japan
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shape
rolling mill
metal strip
roll
rolling
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JP6165645A
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English (en)
Inventor
Seiji Ebisu
誠治 戎
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延、焼鈍、ならびに焼鈍および酸洗などの
次工程に適合した形状を有する金属帯を確実に圧延する
ことができるように金属帯の圧延形状を制御する。 【構成】 ロールベンドとロールシフトが可能な圧延機
を用い、その出側でステンレス鋼帯の形状を検出する。
メモリには、次工程でそれぞれ要求される各形状に対応
するロールベンダ圧力とロールシフト位置とのプリセッ
ト値と関連する値とを選定して設定記憶しておく。圧延
すべき金属帯毎に次工程で要求される形状となるよう
に、メモリの設定記憶内容を読出して圧延機を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼帯や高合
金鉄帯などの金属帯の圧延形状の自動制御方法および装
置に関し、もっと詳しくは、圧延後に次工程で要求され
る形状に圧延するための新規な構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、タンデム方式の冷間圧延機で
一旦圧延した後のステンレス鋼帯などの金属帯は、最終
的に製品としての要求を満たすように、さらに、(a)
センジミアミルなどによる圧延、(b)焼鈍、酸洗およ
び圧延、(c)焼鈍、または(d)焼鈍および酸洗など
の各種の次工程において処理される場合が多い。金属帯
の最終製品としての客先要求は厳しく、各種次工程で効
率良く製品規格仕様を満たせるように、前工程として
も、できるだけ次工程の要求に適した形状となるように
圧延する必要がある。前工程の形状が不適合であると、
次工程では通板速度を上げられず、疵が付き易く、板厚
ゲージの精度が出ず、焼鈍の条件から外れて材質の要求
から外れやすくなる等の弊害が生じるおそれがある。
【0003】従来では作業者が、鋼種、板厚および次工
程の種類などに応じて、経験的に目標とすべき形状をキ
ー入力の操作等の手段によって設定している。複数種類
の金属帯を溶接して順次連続的に通板させるタンデム方
式の圧延機では、このような目標形状設定替えの作業
は、連続するステンレス鋼帯などの金属帯の溶接部分が
最終圧延スタンドを通過した直後に行う必要がある。ま
た、単基の圧延機によるレバース方式では、圧延張力確
保のための未圧延部まで圧延した時点で切り替える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金属帯の製造において
は、多数の工程が必要となり、材質、寸法、表面仕上げ
等について、近年、ますます厳しくなる客先からの要求
に要求に適合しつつ、なおかつ製品の歩留まりや作業
性、作業効率などの改善や製造コストの低減の要求も満
足させる必要がある。特に、金属帯の形状品質に関連す
るものは、最終的に顧客の要求を満足させるためには、
途中の工程間を順次移行する段階で形状が良くても最終
的に要求に合致するとは限らない。従来は、熟練した作
業者が、個々の工程、次工程の要求などに沿えるよう
に、経験的に形状の制御を行っている。しかしながら、
作業者の熟練度は個人差があり、また、未熟練者にはそ
のような目標形状の設定は到底無理である。
【0005】また、溶接部分が複数段のタンデム方式圧
延機を通過している際には、作業者の圧延状態の監視項
目が多く、したがってこのような状況下で目標形状の設
定替えを行うことは、誤操作を招きやすく、トラブル発
生の原因となる可能性が大きい。切り替えのタイミング
を誤ると、次工程にとってかえって不都合な形状の部分
が発生して、製品としての最終的な歩留まりを低下させ
たり、甚だしい場合は、次工程で障害が発生したりする
おそれがある。たとえば、次工程で、焼鈍を行う場合、
通常の焼鈍および脱スケール工程であるか、光輝焼鈍工
程であるかなどによって、形状の変化による疵の発生の
仕方が異なり、最も疵の発生しにくい形状が好ましいこ
とになる。さらに、光輝焼鈍でも、竪型の装置を使用す
るか、横型の装置を使用するかでも、要求される形状に
は違いがある。
【0006】本発明の目的は、作業者の負担を軽減し、
自動的に、しかも最終的に製品化された金属帯の形状を
良好なものに製造するために、次工程に適合した形状を
有する金属帯を確実に圧延することができるようにした
金属帯の圧延形状の自動制御方法および装置を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延機の出側
の金属帯の形状を検出し、その圧延形状が次工程で要求
される形状に合致するように前記圧延機を自動的に制御
することを特徴とする金属帯の圧延形状の自動制御方法
である。
【0008】また本発明で、前記圧延機は、ロールベン
ダおよびロールシフタを備えてロールベンドおよびロー
ルシフトが可能な圧延機であって、当該圧延機が単基の
レバース方式のものまたは複数基を備えたタンデム方式
のものであることを特徴とする。
【0009】また本発明は、圧延すべき金属帯毎に、セ
ットアップコンピュータによって選定された目標形状と
形状制御に係る制御用係数と形状制御開始点における圧
延機のロールベンダ圧力とロールシフト位置を決めるプ
リセット値とを、事前に形状制御装置に設定記憶させて
おき、該形状制御装置は、次なる金属帯の形状制御開始
点で設定記憶内容を自動的に切り替え、その金属帯につ
いて設定記憶された内容を設定値として読みだし、設定
値のうちのプリセット値で該圧延機のロールベンダ圧力
とロールシフト位置とを初期設定し、以後、実際に圧延
された金属帯の形状を、予め定めるサンプリング周期毎
に検出して、目標形状と連続して比較しながらその誤差
を検出し、前記誤差と制御用係数とから前記圧延機のロ
ールベンダ圧力とロールシフト位置とについての操作量
を決定し、決定された操作量に従ってロールベンダ圧力
とロールシフト位置とを操作し、金属帯の実際の形状が
前記目標形状に合致するように圧延機を制御することを
特徴とする。
【0010】また本発明は、金属帯の繋ぎ目である溶接
点を金属帯の通板ライン前面から追尾し、圧延機の前方
で実際に溶接点を検出したら、その検出信号が真の溶接
点検出信号であることを自動的に確認し、同時に追尾誤
差を修正し、該検出信号をもって次なる金属帯の目標形
状と形状制御に係る制御用係数と形状制御開始点におけ
る圧延機のロールベンダ圧力とロールシフト位置とを決
めるプリセット値を形状制御装置に設定し、さらに前記
溶接点検出位置からの金属帯の通板長を計測し、圧延形
状制御装置は、通板長に基づいて判断される溶接点が該
圧延機に到達した時点で前記設定値のプリセット値で該
圧延機のロールベンダ圧力とロールシフト位置とを初期
設定し、さらに通板長に基づいて判断される溶接点が形
状検出装置の設置位置まで到達した時点で前記設定値の
目標形状と制御用係数との設定記憶内容を切り替え、以
後、該形状検出装置からの実績値である実際の金属帯形
状が前記目標形状になるように圧延機を制御することを
特徴とする。
【0011】また本発明で、前記形状制御は、タンデム
方式では少なくとも最終スタンドの圧延機で、レバース
方式では少なくとも最終仕上げパスにおいて行うことを
特徴とする。
【0012】さらに本発明は、ロールベンドとロールシ
フトとが可能な圧延機と、圧延機の出側で金属帯の形状
を検出する形状検出手段と、金属帯の前記圧延機による
圧延後における複数の次工程でそれぞれ要求される各形
状に対応して、圧延機のロールベンド圧力およびロール
シフト位置とを含む関連する値を設定して記憶するメモ
リと、次工程で要求される目標形状を選定するセットア
ップコンピュータと、形状検出手段および形状指定手段
の出力に応答し、指定された形状に対応してメモリに記
憶されている前記値を読出し、検出形状が前記値に対応
した目標形状になるように圧延機を制御する制御手段と
を含むことを特徴とする金属帯の圧延形状の自動制御装
置である。
【0013】また本発明の前記形状制御を行う圧延機
は、単基のレバース方式または複数基のタンデム方式で
あることを特徴とする。
【0014】また本発明の前記形状制御は、単基のレバ
ース方式では少なくとも最終パスにおいて、または、複
数基のタンデム方式では少なくとも最終スタンドで行う
ことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明に従えば、圧延機の出側で検出される金
属帯の形状が次工程で要求される形状に合致するよう
に、圧延機を自動的に制御することができる。次工程で
は要求された形状の金属帯を使用することができるの
で、安定した効率の良い操業を行うことができ、処理さ
れる金属帯の形状品質も向上する。
【0016】また本発明に従えば、ロールベンダおよび
ロールシフタを備えてロールベンドおよびロールシフト
が可能な圧延機を、単基備えるレバース方式、または複
数基備えるタンデム方式として使用する。ロールベンド
およびロールシフトが可能であるので、圧延される金属
帯の板幅方向の圧延荷重分布を調整し、板幅方向の伸び
率分布を変化させて形状制御を行うことができる。
【0017】また本発明に従えば、圧延すべき金属帯毎
に、セットアップコンピュータによって選定された目標
形状と形状制御に係る制御用係数と形状制御開始点にお
ける圧延機のロールベンダ圧力とロールシフト位置を決
めるプリセット値とを、事前に形状制御装置に設定記憶
させる。形状制御装置は、次なる金属帯の形状制御開始
点で設定記憶内容を自動的に切り替え、その金属帯につ
いて設定記憶された内容を設定値として読みだし、設定
値のうちのプリセット値で該圧延機のロールベンダ圧力
とロールシフト位置とを初期設定する。以後、実際に圧
延された金属帯の形状を、予め定めるサンプリング周期
毎に検出して、目標形状と連続して比較しながらその誤
差を検出し、誤差と制御用係数とから圧延機のロールベ
ンダ圧力とロールシフト位置とについての操作量を決定
し、ロールベンダ圧力とロールシフト位置とを操作し、
金属帯の実際の形状が前記目標形状に合致するように圧
延機を制御する。金属帯毎に、必要な形状への切り替え
を自動的に行うことができるので、多様な次工程の要求
に対しても容易に対応することができる。
【0018】また本発明に従えば、金属帯の繋ぎ目であ
る溶接点を金属帯の通板ライン前面から追尾し、圧延機
の前方で実際に溶接点を検出したら、その検出信号が真
の溶接点検出信号であることを自動的に確認し、同時に
追尾誤差を修正するので、溶接点の位置の把握を正確に
行うことができる。この検出信号をもって次なる金属帯
の目標形状と形状制御に係る制御用係数と形状制御開始
点における圧延機のロールベンダ圧力とロールシフト位
置とを決めるプリセット値を形状制御装置に設定するの
で正確なタイミングで設定値の切り替えを行うことがで
きる。さらに前記溶接点検出位置からの金属帯の通板長
を計測し、通板長に基づいて溶接点が圧延機に到達した
時点を判断して、設定値のプリセット値で圧延機のロー
ルベンダ圧力とロールシフト位置とを初期設定し、さら
に通板長に基づいて判断される溶接点が形状検出装置の
設置位置まで到達した時点で設定値の目標形状と制御用
係数との設定記憶内容を切り替え、以後、形状検出装置
からの実績値である実際の金属帯形状が目標形状になる
ように圧延機を制御することができる。
【0019】また本発明に従えば、形状制御は、タンデ
ム方式では少なくとも最終スタンドの圧延機で、レバー
ス方式では少なくとも最終仕上げパスなど、最終段階で
効率よく行うことができる。
【0020】本発明に従えば、メモリには、次工程で要
求される金属帯の各形状に対応して、圧延機のロールベ
ンド量とロールシフト量とに関連する値を設定して記憶
しておき、次工程で要求される形状を指定し、またはそ
の次工程の種類を指定することによって前記形状を指定
することができ、こうして圧延機で圧延される金属帯の
形状を、容易に、次工程で要求される形状に合致させる
ことができる。
【0021】また本発明に従えば、形状制御を行う圧延
機は、単基のレバース方式または複数基のタンデム方式
であるので、複数回の圧延が行われ、その一部で形状制
御を行うことができる。
【0022】また本発明に従えば、形状制御は、単基の
レバース方式では少なくとも最終パスにおいて、また
は、複数基のタンデム方式では少なくとも最終スタンド
で行うので、金属帯の最終形状を次工程の要求に効率的
に適合させることができる。
【0023】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の一部の構成を示
すブロック図である。金属帯であるステンレス鋼帯1の
圧延機15の出側にはそのステンレス鋼帯1の形状を検
出する形状検出手段63が設けられる。この形状検出手
段63の出力によって、形状制御装置64は、圧延機1
5のロールベンダ圧力とロールシフト位置とを制御し、
そのコイルからのステンレス鋼帯1が次工程で要求され
る形状に合致するように、圧延される。次工程というの
は、たとえば(a)センジミアミルなどによる圧延、
(b)焼鈍、または(c)焼鈍および酸洗などであって
もよく、こうしてステンレス鋼帯1の(i)フラット、
中伸、端伸、M型、W型などの形状の型、(ii)その
形状の強弱が、次工程の要求する形状に合致するように
圧延される。次工程におけるステンレス鋼帯1の通板の
形態としては、前記表裏各面が上下の各面となる横形通
板であることもあり、また縦形通板であることもある。
このような次工程の要求に最適な形状になるようにステ
ンレス鋼帯1を圧延することによって、(1)表面疵の
発生を防いで表面品質の低下を防ぎ、また通板速度を向
上し、さらに次工程の後の工程で、形状がさらに崩れて
しまうことを防ぐことができ、(2)次工程の安定な操
業を可能とすることができる。
【0024】図2は、図1に示される圧延機15の正面
から見た簡略化した図である。この圧延機2は6重圧延
機であって、ワークロールWR1,WR2と、中間ロー
ルIMR1,IMR2と、バックアップロールBUR
1,BUR2とが備えられる。ステンレス鋼帯1の形状
制御のために、ワークロールベンディング法が行われ
る。圧下力PでバックアップロールBUR1,BUR2
に作用して圧延を行っているとき、上ワークロール軸受
箱と下ワークロール軸受箱との間に油圧ジャッキで力F
1を作用させ、この力F1によって上ワークロールWR
1は下に凸に、また下ワークロールWR2は上に凸に曲
げられ、その結果、圧延材であるステンレス鋼帯1は中
央部で薄く、板端部で厚くなり、中伸び傾向の形状にな
る。この力Fを作用させる油圧ジャッキは、ワークロー
ルベンダとして参照符21で示される。圧下力Pを作用
する油圧圧下シリンダは参照符20で示されている。
【0025】上下の各中間ロールIMR1,IMR2
に、油圧ジャッキで力F2を作用させて、上下の各ワー
クロールWR1,WR2の力F1とともに、ロール形状
を変化させる。このような上下の中間ロールIMR1,
IMR2に力F2を作用させる油圧ジャッキは、中間ロ
ールベンダとして参照符22で示される。
【0026】さらに中間ロールIMR1,IMR2は、
その軸線方向に矢符24,25で示されるように油圧シ
リンダによって変位させることができ、このような油圧
シリンダは、図2において中間ロールシフト用シリンダ
として参照符23で示されている。上下の中間ロールI
MR1,IMR2は、設備ラインの中心から左右に対称
にシフト変位される。
【0027】図3は、図1に示される構成を含むステン
レス鋼帯用の一連の連続焼鈍および脱スケール装置に後
続配置される冷間圧延設備の構成全体を簡略化して示す
系統図である。ステンレス鋼帯1は、ペイオフリール5
から繰り出され、走間剪断機および溶接機などを有する
前処理装置6で先行帯と後行帯の各端部が剪断されて溶
接され、この溶接部分付近には、その溶接部分であるこ
とを表すための小孔が形成される。このようなステンレ
ス鋼帯1は、連続的に送り出され、入側ルーパ7を経て
焼鈍装置8で焼鈍処理され、冷却された後、引続き、脱
スケール装置である酸洗装置9で脱スケールされ、こう
して脱スケール処理を終えたステンレス鋼帯1は、出側
ルーパ10からブライドルロール11を経て、上流側か
ら1基目の圧延機12に導かれて圧延される。この圧延
機12で冷間圧延されるステンレス鋼帯1は、その直後
に設けられた剪断機13を経て少なくとも1台の前面テ
ンションリール14によって巻き取られることができ
る。
【0028】さらに圧延機12で圧延されたステンレス
鋼帯1は、剪断機13で剪断されることなく、かつテン
ションリール14で巻き取られることなしに、複数(こ
の実施例は2)基の圧延機2および圧延機15で圧延さ
れ、さらに張力付与装置16から走間剪断機17を経て
テンションリール18で巻き取られる。上流側から1基
目の圧延機12は、たとえば4重圧延機であり、また圧
延機2は、圧延機15と同様に6重圧延機である。張力
付与装置16は、2重圧延機に類似した構成を有し、圧
延機15との間でステンレス鋼帯1に抗張力を付与する
働きをする。テンションリール18で巻き取られたステ
ンレス鋼帯1のコイルは、次工程で前述のように処理さ
れる。なお、各ルーパ7,10には、ルーパ位置検出器
35が設けられ、通板ラインの要所には光電式の溶接点
検出器36およびロールの回転量に基づく送板長検出器
37が設けられている。
【0029】再び図1を参照して、形状検出手段63の
出力は、形状モニタ手段27に与えられ、圧延機15の
圧延後のステンレス鋼帯1の形状が目視表示される。こ
の形状検出手段63の出力はまた、形状信号処理回路2
8に与えられる。
【0030】形状制御装置64には、セットアップコン
ピュータ65から、次工程の要求する目標形状をパター
ンコードとして設定し、前記目標形状パターンコードを
メモリし、該形状を関数化するための形状設定回路29
と、その出力が与えられるもう1つの形状信号処理回路
30が備えられる。
【0031】セットアップコンピュータ64には、次の
表1に示されるように、次工程、鋼種、板幅、板厚など
に対応して、ステンレス鋼帯1の目標とする形状パター
ンのコードが対応して設定されている。次工程を指定
し、または形状パターンコードを指定して入力すること
によって、目標形状の設定が行われる。
【0032】
【表1】
【0033】表1にない場合、パターンコードを「0」
とする。なお、表1における「AP」は、焼鈍および酸
洗の工程を示し、「ZM」は、センジミア圧延機による
圧延の工程を示す。
【0034】形状信号処理回路30には、形状パターン
コードに対応して、そのステンレス鋼帯1の断面形状が
簡略化してストアされている。形状制御のための目標形
状は、図4における各形状パターンコード毎の横軸X軸
とし、縦軸をY軸とし、板幅中心を0とし、板端を1と
する正規化された式(1)〜(2)の関数によって表さ
れる。
【0035】 Y = ax2 +cx+d x = 2X/b(0<X≦X0) …(1) Y = ax3 +bx2 +cx+d x =(X−X0)/(b/2−X0)(X0<X≦b/2) …(2) ここで、a〜dの係数は、表2に示すように、目標とさ
れる形状パターンコードに対応して形状設定回路29に
ストアされている。圧延機15による形状制御特性は、
図5に示されている。図5においてX0 は、中間ロール
IMR1,IMR2のシフト用シリンダ23の位置で決
まる値である。図2では、中間ロールIMR2の端部が
ステンレス鋼帯1の板端から板幅の外方に突出している
変位量をUCδ(+)で表すことにすると、前記値X0
は、そのUCδ(+)が大きくにるにつれて板端部側
(図5の右方)へ移動することになる。図5中、はス
テンレス鋼帯1の板形状を示し、は中間ロールIMR
1,IMR2のベンダ22による形状特性を示し、
は、ワークロールWR1,WR2のベンダ21による形
状特性を示し、これらの特性2,3によってステンレス
鋼帯1の板形状が達成されることになる。
【0036】コントローラ33には、形状信号処理回路
30からの目標形状と、形状信号処理回路28からの実
形状との偏差信号が入力される。それぞれのベンダ操作
は、以下の方法により操作量を算出し行われる。まず板
形状の変化量ΔYA は、式(3)で示される。
【0037】 ΔYA = A1ΔFI2+A2ΔFW(X−X02+A3ΔFLX …(3) また形状検出手段63の出力が与えられる形状信号処理
回路28は、板形状の変化ΔYP として、目標形状と実
形状データの偏差を、式(4)の回帰モデル式にあては
めると、その回帰係数としてC1〜C3が得られる。
【0038】 ΔYP = C12 +C2(X−X02 +C3X …(4) ここでA1〜A3は、各操作端の操作量に対する形状制
御の影響係数であり、この形状影響係数は、セットアッ
プコンピュータ65により前もって回路32に設定さ
れ、コントローラ33に与えられている。したがって、
各操作量ΔFI,ΔFW,ΔFLを求めることができる。
【0039】 ΔFI = C1 /A1 …(5) ΔFW = C2 /A2 …(6) ΔFL = C3 /A3 …(7) コントローラ33は、中間ロールIMR1,IMR2の
ためのベンダ22のための操作量ΔFIと、上下のワー
クロールWR1,WR2のためのベンダ21の操作量Δ
Wおよび圧下シリンダ20による圧下レベリング操作
量ΔFLを式(5)〜式(7)のように演算する。コン
トローラ33の各出力によって、ベンダ21,22およ
び圧下シリンダ20が駆動される。またプリセット回路
34は、ステンレス鋼帯1の鋼種、板厚、板幅、ロール
形、圧延荷重から、中間ロールIMR1,IMR2の最
適なシフト位置をセットアップコンピュータ65からの
データにより決定し、ワークロールWR1,WR2のベ
ンダ圧F1、中間ロールIMR1,IMR2のベンダ圧
F2および中間ロールIMR1,IMR2のシフト量を
プリセットしてメモリにストアしておく。このプリセッ
ト回路34の出力は、各ベンダ21,22および圧下シ
リンダ20に与えられる。
【0040】式(3)の係数A1〜A3は、鋼種、板
幅、板厚、作業種類により決定される形状影響係数であ
って、セットアップコンピュータ65にテーブル化して
メモリにストアされている定数であり、ステンレス鋼帯
1が変わる毎に、目標形状パターンコードや初期設定値
とともに、セットアップコンピュータ65から形状制御
装置64に事前設定される。
【0041】
【表2】
【0042】プリセット回路34から出力されるプリセ
ット値の初期値は、セットアップコンピュータ65から
与えられる。そのタイミングは、溶接点の位置に追従
し、現在位置を演算するトラッキングコンピュータ66
から与えられる。セットアップコンピュータ65および
トラッキングコンピュータ66には、上位(ホスト)コ
ンピュータ67から溶接および次工程についての情報が
与えられる。
【0043】溶接点をトラッキングするために、ルーパ
位置検出器35と、溶接点位置検出器36と、送板長検
出器37からの各信号をトラッキングコンピュータ66
に取り込み、ライン前面で溶接された信号を前記各信号
に基づいて演算し、目的とする溶接点の位置、すなわち
コイル替わりの位置を正確に把握するとともに、この信
号を使ってセットアップコンピュータ65に対しては、
溶接点が図3のAの位置に到達した時点でセットアップ
タイミングを知らせ、また形状制御装置64に対して
は、圧延機15の位置に到達した時点で、プリセットタ
イミング、さらには一定量通板毎にコントロールタイミ
ングを知らせることにより、全体を同期させて制御する
ことができる。
【0044】図6は圧延機15による各ベンダ21,2
2の最小値Minと最大値Maxと、その圧延によるス
テンレス鋼帯1の形状保証範囲を示す図である。ε1,
ε2はひずみを示す。この図6から、ベンダ21,22
の作用によって、ステンレス鋼帯1の形状を変化するこ
とができることが理解される。図6の右は耳伸びの状態
を示し、左は耳伸びの状態を示し、図6の上は中伸びの
状態が強い状況を示し、また下は中伸びと耳伸びとの両
者が生じている状態を示す。図6に用いられるステンレ
ス鋼帯1は表3に示されるとおりである。
【0045】
【表3】
【0046】圧延機15のワークロールWR1,WR2
は、直円柱状のフラットロールであってもよく、または
クラウンロールであってもよい。
【0047】図7は、本実施例の概略的な動作を示す。
ステップa1から動作を開始し、ステップa2では生産
計画が決定され、どのような仕様の金属帯を圧延するか
が決定される。圧延する金属帯の仕様が決定されれば、
圧延工程で使用する設備が決定され、本実施例の対象と
する一連の設備に通板される金属帯も判明する。各金属
帯については、次工程についての情報も判明し、上位コ
ンピュータ67からセットアップコンピュータ65に伝
達される。
【0048】ステップa3では、セットアップコンピュ
ータ65からの情報に基づき、形状設定回路29によっ
て、形状信号処理回路30にプリセット値の一つとして
の目標形状が選定される。また、形状影響係数、ロール
ベンダ圧力およびロールシフト位置もプリセット値とし
て選定される。ステップa4では、選定されたプリセッ
ト値がプリセット回路34のメモリに記憶される。
【0049】一連の圧延設備では、生産計画に従って、
複数のコイルからの金属帯が順次連続通板され、各金属
帯毎に、次工程を考慮した形状制御が行われる。ステッ
プa5では、圧延中のコイルからの金属帯の終端に、次
に通板するコイルからの金属帯の先端が溶接される。溶
接部分近傍には、溶接点検出用の透孔がパンチされる。
ステップa6では、送板長検出器37によって溶接後の
送板長が検出され、溶接機の位置を基準とした溶接点の
通板ライン上の位置が追尾される。
【0050】ステップa7で溶接点の位置が溶接点検出
器36の近傍に到達し、実際に溶接点が検出されると、
ステップa8で追尾誤差の修正が行われ、ステップa9
で次の金属帯に対するプリセット値がメモリから読み出
されて設定される。ステップa10で溶接点が圧延機に
到達すると、ステップa11ではロールベンダ圧力とロ
ールシフト位置とが初期設定される。
【0051】ステップa12では、溶接点が形状検出手
段63まで到達するのを待つ。溶接点が形状検出手段6
3まで到達した後は、ステップa13で、目標形状との
比較による圧延される金属帯の形状制御が行われる。さ
らに次のコイルからの金属帯については、ステップa5
以下を繰り返す。
【0052】なお、ステップa5からa8ならびにa1
0およびa12はトラッキングコンピュータ66の役割
によるものであり、ステップa3はセットアップコンピ
ュータ65の役割によるものである。さらにステップa
4、a9、a11およびa13は形状制御装置64の役
割であって、それぞれの詳細な動作を図8〜図16に示
す。
【0053】図8〜図11は、トラッキングコンピュー
タ66の動作を示す。図8は、前処理装置6に関連し、
ステップb1で、溶接完了信号が入ると動作を開始す
る。ステップb2では、先行コイル通板長である溶接完
了時点のコイル通板カウンタ積算値を、先行コイルのコ
イル長として記憶する。ステップb3では、コイル通板
カウンタをゼロリセットし、後行コイルの通板長のカウ
ントを開始する。ステップb4では、次の溶接点検出位
置での溶接点監視処理を起動し、ステップb5で処理を
終了する。
【0054】図9は、1基目の圧延機12の上流側の複
数箇所の溶接点検出器36に関連し、通板に伴う溶接点
の移動に従って、ステップb10,b30,・・・,b
50の各溶接点検出処理のうち、溶接点監視処理がステ
ップb11から順次起動される。ステップb12では、
溶接点監視中であることを記憶し、ステップb13を経
てステップb14で、現在のコイル通板長を取込み通板
カウンタのカウント値を変数LB に代入する。ステップ
b15では、現在通板中のコイルのコイル長を取出し、
記憶テーブルのデータを変数LM に代入する。ステップ
b16では、LB とLM とを比較して、LB ≧LM +Δ
Lの関係が成立しないときはステップb13に戻る。こ
こでΔLは、溶接点検出許容誤差である。前述の関係が
成立するときには、ステップb17に移り、監視中であ
ることをリセットし、バックアップ溶接点を発生させ、
ステップb18で終了する。なお、ステップb13〜b
16の繰り返しの途中で溶接点が検出されれば、後述す
るように監視中であることがリセットされ、ステップb
13からステップb18に移って監視を終了する。
【0055】溶接点が検出された時点、または、バック
アップ溶接点が発生された時点で、ステップb20か
ら、溶接点検出後の動作が開始される。ステップb21
では、現在のコイル通板長を取り込み、通板カウンタの
カウント値を変数LA に代入する。ステップb22で
は、現在通板中のコイルのコイル長を取り出し、記憶テ
ーブルのデータを変数LM に代入する。ステップb23
では、LA とLM とを比較し、LA ≧LM ーΔLの関係
が成立すれば、溶接点が検出された場合であり、ステッ
プb24に移る。
【0056】ステップb24では、今回検出された溶接
点はバックアップによるものか否かを判断する。溶接点
監視中である正規の場合は、ステップb25で、監視中
であることをリセットし、LA をコイル長として記憶す
る。ステップb24でバックアップ溶接点が発生されて
いるときは、ステップb26に移り、LM を再びコイル
長として記憶する。ステップb25またはb26の次
は、ステップb27で、コイル通板カウンタをゼロにリ
セットし、後行コイルの通板長のカウントを開始する。
ステップb28では、次の溶接点監視位置での溶接点監
視処理を起動する。ステップb28が終了したとき、ま
たは、ステップb23で関係が成立せず、溶接点検出が
ないときは、ステップb29で終了する。
【0057】図10は、各圧延機のミル前での溶接点検
出後の処理を示す。溶接点監視処理は、図9のステップ
b11〜b18と同様である。溶接点が検出された時
点、または、バックアップ溶接点が発生された時点で、
ステップc1から、溶接点検出後の動作が開始される。
ステップc2では、現在のコイル通板長を取り込み、通
板カウンタのカウント値を変数LA に代入する。ステッ
プc3では、現在通板中のコイルのコイル長を取り出
し、記憶テーブルのデータを変数LM に代入する。ステ
ップc4では、LA とLM とを比較し、LA ≧LM ーΔ
Lの関係が成立すれば、溶接点が検出された場合であ
り、ステップc5に移る。
【0058】ステップc5では、今回検出された溶接点
はバックアップによるものか否かを判断する。溶接点監
視中である正規の場合は、ステップc6で、監視中であ
ることをリセットし、LA をコイル長として記憶する。
ステップc5でバックアップ溶接点が発生されていると
きは、ステップc7に移り、LM を再びコイル長として
記憶する。ステップc6またはc7の次は、ステップc
8で、コイル通板カウンタをゼロにリセットし、後行コ
イルの通板長のカウントを開始する。ステップc9で
は、セットアップコンピュータ65にセットアップタイ
ミングであることを通知する。ステップc10では、ミ
ル点到達測長用カウンタ、すなわちプリセットタイミン
グ用カウンタをゼロリセットし、ミル点到達測長中であ
ることをきおくする。ステップc10が終了したとき、
または、ステップc4で関係が成立せず、溶接点検出が
ないときは、ステップc11で終了する。
【0059】図11は、トラッキングコンピュータ66
全体の動作を示す。ステップd1でONになると、ステ
ップd2でテーブルの初期化が行われる。各種カウンタ
がリセットされ、設備長が仮のコイル長とされ、コント
ロール中ではないとリセットされ、ミル点到達測長中も
リセットされ、コントロール開始点測長中もリセットさ
れる。
【0060】ステップd3では、一定長の通板が行われ
たか否かを判断する。一定長の通板がされたときには、
ステップd4に移り、コントロール中か否かを判断す
る。コントロール中であるときは、ステップd5で形状
制御装置64にコントロールタイミングであることを通
知し、ステップd6で一定長通板カウンタをリセットす
る。
【0061】ステップd3またはd4で条件が成立しな
いときには、ステップd7で、ミル点到達測長中か否か
を判断する。ミル点到達測長中のときには、ステップd
8でミル点に到達したか否かを判断する。ミル点に到達
したときには、ステップd9で、形状制御装置64にプ
リセットタイミングであることを通知し、ミル点到達測
長中であることをリセットする。ステップd10では、
コントロール開始点測長用カウンタをゼロリセットし、
コントロール開始点測長中であることを記憶する。ステ
ップd11では、コントロール中であることをリセット
しておく。
【0062】ステップd7で条件が成立しないときに
は、ステップd12に移り、コントロール開始点測長中
か否かを判断する。コントロール開始点測長中であれ
ば、ステップd13で、コントロール開始点に到達した
か否かを判断する。到達していれば、ステップd14
で、コントロール開始点測長中であることをリセット
し、コントロール中であることを記憶する。ステップd
6、d11またはd14が終了したとき、ステップd
8、d12またはd13で条件が成立しないときには、
ステップd3に戻る。
【0063】図12は、セットアップコンピュータ65
の動作を示す。ステップe1で、トラッキングコンピュ
ータ66からセットアップタイミング通知を受けると、
動作を開始する。ステップe2では、通板コイルデータ
を1コイル分進める。ステップe3では、セットアップ
対象コイルの鋼種、板幅、板厚、作業種類、および次工
程により、目標形状、形状影響係数、および初期設定値
を決定し、今回のセットアップデータとする。ステップ
e4では、形状制御装置64に対し、セットアップデー
タを送信し、ステップe5で終了する。
【0064】図13〜図16は、セットアップデータ受
信時、プリセットタイミング通知時、切替えタイミング
通知時、およびコントロールタイミング通知時の形状制
御装置64の動作をそれぞれ示す。図13のステップf
1で、セットアップデータを受信すると、ステップf2
で、目標形状、形状影響係数および初期設定値の各受信
データを次コイルの制御用データメモリに記憶し、ステ
ップf3で終了する。
【0065】図14のステップg1で、プリセットタイ
ミング通知を受けると、ステップg2で、次コイルの制
御用データメモリから初期設定値を取出し、現コイルの
制御用データメモリに記憶する。ステップg3では、現
コイルの制御用データメモリの初期設定値を使って、W
R、IMRベンダ、IMRシフトシリンダに対し、初期
位置の操作制御出力であるプリセットを行う。ステップ
g4では、目標形状と形状影響係数の切替えタイミング
を通知し、ステップg5で終了する。
【0066】図15のステップh1で、切替えタイミン
グ通知を受けると、ステップh2で、次コイルの制御用
データメモリから目標形状および形状影響係数を各々取
出し、現コイルの制御用データメモリニ各々記憶する。
ステップh3で、動作を終了する。
【0067】図16のステップi1で、コントロールタ
イミング通知を受けると、ステップi2で、通板速度が
形状制御可能な一定速度以上か否かを判断する。一定速
度以上のときは、ステップi3で形状信号を取込み、ス
テップi4で目標形状と実形状の偏差を算出する。ステ
ップi5では、非対称成分であるレベリング操作量ΔF
L を算出する。ステップi6では、対称成分であるベン
ダ操作量ΔFW およびΔFI を算出する。ステップi7
では、WRベンダおよびIMRベンダに対し、今回算出
された操作量で操作制御出力を行う。ステップi7が終
了したとき、またはステップi2で一定速度未満のとき
は、ステップi8で動作を終了する。
【0068】本発明は、ステンレス鋼帯1のほかに、そ
の他の種類の金属帯に関連してもまた実施することがで
きる。
【0069】形状検出手段63は、たとえば軸方向に分
割した複数個のロールを回転自在に設け、各ロールに作
用する荷重をストレッソメータで個別的に検出して、ス
テンレス鋼帯1の幅方向の張力分布を直接測定する構成
であってもよい。またこの形状検出手段63は、テレビ
カメラを用いて波の位置、周波数、振幅を光学的に反射
率の変化として捕える構成であってもよく、さらにまた
幅方向の張力分布を直接測定するために、張力と透磁率
の変化の関係を利用し、透磁率を磁気的に検出して、張
力変化を知る構成であってもよく、さらにその他の構成
であってもよい。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、圧延機の
出側で検出される金属帯の形状が次工程で要求される形
状に合致するように、圧延機を自動的に制御することが
できる。次工程では要求された形状の金属帯を使用する
ことができるので、安定した効率の良い操業を行うこと
ができ、処理される金属帯の形状品質も向上する。
【0071】また本発明によれば、ロールベンダおよび
ロールシフタを備えてロールベンドおよびロールシフト
が可能な圧延機を、単基備えるレバース方式、または複
数基備えるタンデム方式として使用する。ロールベンド
およびロールシフトが可能であるので、圧延される金属
帯の板幅方向の圧延荷重分布を調整し、板幅方法の伸び
率分布を変化させて形状制御を行うことができる。
【0072】また本発明によれば、圧延すべき金属帯毎
に、セットアップコンピュータによって選定された目標
形状と形状制御に係る制御用係数と形状制御開始点にお
ける圧延機のロールベンダ圧力とロールシフト位置を決
めるプリセット値とを、事前に形状制御装置に設定記憶
させる。形状制御装置は、次なる金属帯の形状制御開始
点で設定記憶内容を自動的に切り替え、その金属帯につ
いて設定記憶された内容を設定値として読みだし、設定
値のうちのプリセット値で該圧延機のロールベンダ圧力
とロールシフト位置とを初期設定する。以後、実際に圧
延された金属帯の形状を、予め定めるサンプリング周期
毎に検出して、目標形状と連続して比較しながらその誤
差を検出し、誤差と制御用係数とから圧延機のロールベ
ンダ圧力とロールシフト位置とについての操作量を決定
し、ロールベンダ圧力とロールシフト位置とを操作し、
金属帯の実際の形状が前記目標形状に合致するように圧
延機を制御する。金属帯毎に、必要な形状への切り替え
を自動的に行うことができるので、多様な次工程の要求
に対しても容易に対応することができる。
【0073】また本発明によれば、金属帯の繋ぎ目であ
る溶接点を金属帯の通板ライン前面から追尾し、圧延機
の前方で実際に溶接点を検出したら、その検出信号が真
の溶接点検出信号であることを自動的に確認し、同時に
追尾誤差を修正するので、溶接点の位置の把握を正確に
行うことができる。この検出信号をもって次なる金属帯
の目標形状と形状制御に係る制御用係数と形状制御開始
点における圧延機のロールベンダ圧力とロールシフト位
置とを決めるプリセット値を形状制御装置に設定するの
で正確なタイミングで設定値の切り替えを行うことがで
きる。さらに前記溶接点検出位置からの金属帯の通板長
を計測し、通板長に基づいて溶接点が圧延機に到達した
時点を判断して、設定値のプリセット値で圧延機のロー
ルベンダ圧力とロールシフト位置とを初期設定し、さら
に通板長に基づいて判断される溶接点が形状検出装置の
設置位置まで到達した時点で設定値の目標形状と制御用
係数との設定記憶内容を切り替え、以後、形状検出装置
からの実績値である実際の金属帯形状が目標形状になる
ように圧延機を制御することができる。
【0074】また本発明によれば、形状制御は、タンデ
ム方式では少なくとも最終スタンドの圧延機で、レバー
ス方式では少なくとも最終仕上げパスなど、最終段階で
効率よく行うことができる。
【0075】本発明によれば、メモリには、次工程で要
求される金属帯の各形状に対応して、圧延機のロールベ
ンド量とロールシフト量とに関連する値を設定して記憶
しておき、次工程で要求される形状を指定し、またはそ
の次工程の種類を指定することによって前記形状を指定
することができ、こうして圧延機で圧延される金属帯の
形状を、容易に、次工程で要求される形状に合致させる
ことができる。
【0076】また本発明によれば、形状制御を行う圧延
機は、単基のレバース方式または複数基のタンデム方式
であるので、複数回の圧延が行われ、その一部で形状制
御を行うことができる。
【0077】また本発明によれば、形状制御は、単基の
レバース方式では少なくとも最終パスにおいて、また
は、複数基のタンデム方式では少なくとも最終スタンド
で行うので、金属帯の最終形状を次工程の要求に効率的
に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の一部の構成を示すブロック
図である。
【図2】圧延機15の簡略化した正面図である。
【図3】図1に示される構成を含むステンレス鋼帯用の
一連の連続焼鈍および脱スケール装置に後続配置される
冷間圧延設備の構成全体を簡略化して示す系統図であ
る。
【図4】圧延後のステンレス鋼帯1の各種の形状を示す
図である。
【図5】圧延機1の形状制御特性を示す図である。
【図6】圧延機1の各ベンダ21,22の働きを説明す
るための図である。
【図7】図1の実施例の全体的な動作を示すフローチャ
ートである。
【図8】図1の実施例のトラッキングコンピュータ66
の動作を示すフローチャートである。
【図9】図1の実施例のトラッキングコンピュータ66
の動作を示すフローチャートである。
【図10】図1の実施例のトラッキングコンピュータ6
6の動作を示すフローチャートである。
【図11】図1の実施例のトラッキングコンピュータ6
6の動作を示すフローチャートである。
【図12】図1の実施例のセットアップコンピュータ6
5の動作を示すフローチャートである。
【図13】図1の実施例の形状制御装置64の動作を示
すフローチャートである。
【図14】図1の実施例の形状制御装置64の動作を示
すフローチャートである。
【図15】図1の実施例の形状制御装置64の動作を示
すフローチャートである。
【図16】図1の実施例の形状制御装置64の動作を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ステンレス鋼帯 2 圧延機 5 ペイオフリール 6 前処理装置 7 入側ルーパ 8 焼鈍装置 9 脱スケール装置 10 出側ルーパ 11 ブライドルロール 12 上流側の1基目の圧延機 13 走間剪断機 14 前面テンションリール 15 圧延機 16 張力付与装置 17 走間剪断機 18 後面テンションリール 20 油圧圧下シリンダ 21 ワークロール用ベンダ 22 中間ロール用ベンダ 23 中間ロールシフトシリンダ 27 目視表示手段 28 形状信号処理回路 29 形状測定回路 30 形状信号処理回路 32 影響ケースAiの設定回路 33 コントローラ 34 プリセット回路 63 形状検出手段 64 形状制御装置 65 セットアップコンピュータ 66 トラッキングコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21B 37/42 8315−4E B21B 37/00 113 Z 8315−4E 116 F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延機の出側の金属帯の形状を検出し、 その圧延形状が次工程で要求される形状に合致するよう
    に前記圧延機を自動的に制御することを特徴とする金属
    帯の圧延形状の自動制御方法。
  2. 【請求項2】 前記圧延機は、ロールベンダおよびロー
    ルシフタを備えてロールベンドおよびロールシフトが可
    能な圧延機であって、当該圧延機が単基のレバース方式
    のものまたは複数基を備えたタンデム方式のものである
    ことを特徴とする請求項1記載の金属帯の圧延形状の自
    動制御方法。
  3. 【請求項3】 圧延すべき金属帯毎に、セットアップコ
    ンピュータによって選定された目標形状と形状制御に係
    る制御用係数と形状制御開始点における圧延機のロール
    ベンダ圧力とロールシフト位置を決めるプリセット値と
    を、事前に形状制御装置に設定記憶させておき、 該形状制御装置は、次なる金属帯の形状制御開始点で設
    定記憶内容を自動的に切り替え、その金属帯について設
    定記憶された内容を設定値として読みだし、 設定値のうちのプリセット値で該圧延機のロールベンダ
    圧力とロールシフト位置とを初期設定し、 以後、実際に圧延された金属帯の形状を、予め定めるサ
    ンプリング周期毎に検出して、目標形状と連続して比較
    しながらその誤差を検出し、 前記誤差と制御用係数とから前記圧延機のロールベンダ
    圧力とロールシフト位置とについての操作量を決定し、 決定された操作量に従ってロールベンダ圧力とロールシ
    フト位置とを操作し、金属帯の実際の形状が前記目標形
    状に合致するように圧延機を制御することを特徴とする
    請求項2記載の金属帯の圧延形状の自動制御方法。
  4. 【請求項4】 金属帯の繋ぎ目である溶接点を金属帯の
    通板ライン前面から追尾し、 圧延機の前方で実際に溶接点を検出したら、その検出信
    号が真の溶接点検出信号であることを自動的に確認し、 同時に追尾誤差を修正し、 該検出信号をもって次なる金属帯の目標形状と形状制御
    に係る制御用係数と形状制御開始点における圧延機のロ
    ールベンダ圧力とロールシフト位置とを決めるプリセッ
    ト値を形状制御装置に設定し、 さらに前記溶接点検出位置からの金属帯の通板長を計測
    し、 圧延形状制御装置は、通板長に基づいて判断される溶接
    点が該圧延機に到達した時点で前記設定値のプリセット
    値で該圧延機のロールベンダ圧力とロールシフト位置と
    を初期設定し、 さらに通板長に基づいて判断される溶接点が形状検出装
    置の設置位置まで到達した時点で前記設定値の目標形状
    と制御用係数との設定記憶内容を切り替え、 以後、該形状検出装置からの実績値である実際の金属帯
    形状が前記目標形状になるように圧延機を制御すること
    を特徴とする請求項3記載の金属帯の圧延形状の自動制
    御方法。
  5. 【請求項5】 前記形状制御は、タンデム方式では少な
    くとも最終スタンドの圧延機で、レバース方式では少な
    くとも最終仕上げパスにおいて行うことを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の金属帯の圧延形状の自動
    制御方法。
  6. 【請求項6】 ロールベンドとロールシフトとが可能な
    圧延機と、 圧延機の出側で金属帯の形状を検出する形状検出手段
    と、 金属帯の前記圧延機による圧延後における複数の次工程
    でそれぞれ要求される各形状に対応して、圧延機のロー
    ルベンド圧力およびロールシフト位置とを含む関連する
    値を設定して記憶するメモリと、 次工程で要求される目標形状を選定するセットアップコ
    ンピュータと、 形状検出手段および形状指定手段の出力に応答し、指定
    された形状に対応してメモリに記憶されている前記値を
    読出し、検出形状が前記値に対応した目標形状になるよ
    うに圧延機を制御する制御手段とを含むことを特徴とす
    る金属帯の圧延形状の自動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記形状制御を行う圧延機は、単基のレ
    バース方式または複数基のタンデム方式であることを特
    徴とする請求項6に記載の金属帯の圧延形状の自動制御
    装置。
  8. 【請求項8】 前記形状制御は、単基のレバース方式で
    は少なくとも最終パスにおいて、または、複数基のタン
    デム方式では少なくとも最終スタンドで行うことを特徴
    とする請求項7に記載の金属帯の圧延形状の自動制御装
    置。
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