JPH08248964A - アクティブ型騒音低減装置 - Google Patents

アクティブ型騒音低減装置

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JPH08248964A
JPH08248964A JP7052889A JP5288995A JPH08248964A JP H08248964 A JPH08248964 A JP H08248964A JP 7052889 A JP7052889 A JP 7052889A JP 5288995 A JP5288995 A JP 5288995A JP H08248964 A JPH08248964 A JP H08248964A
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Osamu Kato
修 加藤
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政樹 長谷
Mitsutaka Gotou
三貴 五藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 騒音状態や温度・湿度等の環境状態に影響さ
れることなく、被消音空間内の騒音を速やかに且つ確実
に低減できる騒音低減装置を提供する。 【構成】 マイク10にて検出した騒音信号Xと逆位相
で同振幅の制御音信号YをADF32にて生成し、スピ
ーカ14から制御音を発生させると共に、マイク12に
て検出した残留騒音信号eが最小となるように演算部4
0にてADF32のフィルタ係数Wを逐次更新する装置
において、フィルタ係数更新用の収束係数μを全騒音信
号の自乗総和ΣX2 に基づき逐次算出する収束係数演算
部46を設ける。また騒音信号Xの補正値Hを演算する
DF34,フィルタ係数算出用のリファレンス信号Rを
演算するDF38のフィルタ係数(伝達関数Gs,Ge)
等は、予めダクト2の環境状態を区分した各環境状態毎
に伝達関数記憶部56,58内に記憶され、環境判定部
54が実際の環境状態に応じた値を選択・設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、騒音と制御音との音波
干渉によって被消音空間(例えば送風路)の騒音を低減
するアクティブ型騒音低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば送風路内の騒音を低減
して吹出口から室内に騒音が漏れ出すのを防止する騒音
低減方法として、送風路の内壁に吸音材を貼り付ける方
法が知られている。この方法は、高周波域の騒音に対し
ては有効であるが、低周波域の騒音に対しては良好な騒
音低減効果は得られない。
【0003】そこで、近年では、低周波域の騒音を低減
するために、騒音と同振幅で逆位相の制御音を能動的に
加えて騒音と制御音とを干渉させることにより騒音を低
減するアクティブ型の騒音低減装置が提案され、実用化
されつつある。また、最近では、ディジタルシグナルプ
ロセッサ(DSP)の発達に伴い、騒音と同振幅・逆位
相の制御音を生成するためのフィルタとして、適応デジ
タルフィルタを利用できるようになり、アクティブ型騒
音低減装置においては、こうした適応デジタルフィルタ
を用いた適応制御によって制御音を生成するシステムが
主流になりつつある(例えば、特開平5−333877
号等)。
【0004】以下、このように適応デジタルフィルタを
用いた適応制御によって騒音を低減する従来のアクティ
ブ型騒音低減装置の一例を、図3を用いて説明する。
尚、図3は、送風器(図示せず)から送風されてきた空
調空気を室内に開口した吹出口(図示せず)に導くダク
ト60に設けられ、ダクト60内にて騒音(特に低周波
の騒音)を低減する従来のアクティブ型騒音低減装置の
構成を表わしている。
【0005】図3に示す如く、ダクト60には、空調空
気が流れる上流側から順に、ダクト60内の騒音を検出
するための騒音検出用マイクロホン(以下、騒音検出マ
イクという)64,ダクト60内に騒音と干渉させる制
御音を発生するためのスピーカ68,及び,制御音と騒
音との干渉後の残留騒音を検出するための残留騒音検出
用マイクロホン(以下、残留騒音検出マイクという)6
6が設けられている。
【0006】また、ダクト60の内壁には、騒音(特に
高周波の騒音)を低減するための吸音材62が貼り付け
られており、各マイク64,66は、空調空気の流れに
よる影響を避けるために、吸音材62により覆われてい
る。一方、吸音材62は、ダクト60のスピーカ68の
取付位置には配設されず、スピーカ68から、コントロ
ーラ70から出力される制御音信号に応じた制御音を、
ダクト60内部に直接放射できるようにされている。
【0007】次に、コントローラ70は、上記各マイク
64,66から出力される騒音信号及び残留騒音信号に
基づき、スピーカ68から制御音を発生させるための制
御音信号を生成するものであり、各マイク64,66か
らの騒音信号及び残留騒音信号を夫々増幅する増幅器7
1,72と、これら各増幅器71,72にて増幅された
騒音信号及び残留騒音信号から夫々ノイズ成分を除去す
るアナログフィルタ73,74と、これら各アナログフ
ィルタ73,74を通過した騒音信号及び残留騒音信号
を夫々デジタル信号に変換するA/D変換器75,76
と、これら各A/D変換器75,76にてデジタル信号
に変換された騒音信号及び残留騒音信号に基づき、騒音
低減のための制御音信号(デジタル信号)を生成するデ
ジタル信号処理部80と、このデジタル信号処理部80
にて生成された制御音信号をアナログ信号に変換するD
/A変換器91と、D/A変換器91にてアナログ信号
に変換された制御音信号からノイズ成分を除去するアナ
ログフィルタ92と、アナログフィルタ92を通過した
制御音信号を増幅してスピーカ68に出力し、スピーカ
68から制御音を発生させる増幅器93と、から構成さ
れている。
【0008】また、デジタル信号処理部80は、制御音
信号Yを生成する適応デジタルフィルタ(以下、単にA
DFともいう)82を中心に構成されており、このAD
F82にて生成された制御音信号Yに基づき、A/D変
換器75から入力される騒音信号を補正するための補正
値Hを生成するデジタルフィルタ(以下、単にDFとも
いう)86と、A/D変換器75から入力された騒音信
号からDF86にて生成された補正値Hを減じることに
より騒音信号を補正し、補正後の騒音信号XをADF8
2に基準信号として出力する加算部86と、加算部86
にて補正された騒音信号に基づき、ADF82のフィル
タ係数更新用のリファレンス信号Rを生成するDF88
と、DF88にて生成されたリファレンス信号Rと、A
/D変換器76から入力される残留騒音信号eとに基づ
きADF82のフィルタ係数Wを逐次更新するフィルタ
係数演算部90と、を備えている。
【0009】ここで、DF84及び加算部86は、スピ
ーカ68が発生した制御音によって騒音検出マイク64
に影響するハウリングを防止するためのものであり、D
F84は、デジタル信号処理部80から出力された制御
音信号Yがスピーカ68に伝達されて制御音に変換さ
れ、その制御音が騒音検出マイク64に入力されてデジ
タル信号処理部80に戻ってくるまでの系の伝達関数G
s (インパルス応答)に基づき、制御音信号Yをフィル
タ処理することにより、A/D変換器75から入力され
る騒音信号に含まれる制御音成分を補正値Hとして求
め、加算部86は、A/D変換器75から入力された騒
音信号からこの補正値Hを減じることにより、ダクト6
0内の騒音に対応した真の騒音信号Xを求めるのであ
る。
【0010】尚、この補正値Hの算出は、次式(0) に従
い実行される。 H(n) =GsT・Y(n) …(0) 但し、Y(n) =[Y(n),Y(n-1),Y(n-2),…,Y(nーj)]T …(0-1) Gs =[Gs0,Gs1,Gs2,…,Gsj]T …(0-2) であり、添え字(n) は現在の値を表す。また(0-1)式及
び(0-2)式において、左辺Y(n) ,Gs はベクトルを表
す。
【0011】次に、DF88及びフィルタ係数演算部9
0は、A/D変換器76を介して入力される残留騒音信
号eが最小となるように、ADF82のフィルタ係数W
を逐次更新するためのものである。即ち、まず、残留騒
音信号eは、騒音がダクト60内を伝搬して残留騒音検
出マイク66に達した際の残留騒音検出マイク66位置
における騒音信号をd、スピーカ68から制御音を発生
させた制御音信号をY、デジタル信号処理部80からス
ピーカ68を経て残留騒音検出マイク66からデジタル
信号処理部80に至るまでの系の伝達関数をGe とする
と、次式(1) の如く記述できる。
【0012】 e(n) =d(n) +GeT・Y(n) …(1) 但し、Y(n) =[Y(n),Y(n-1),Y(n-2),…,Y(nーj)]T …(1-1) Ge =[Ge0,Ge1,Ge2,…Gej]T …(1-2) である。また(1-1)式及び(1-2)式において、左辺Y(n)
,Ge はベクトルを表す。
【0013】一方、ADF82は、更新可能なフィルタ
係数Wを有するFIRフィルタにて入力信号(つまり騒
音信号X)をフィルタ処理することにより、出力信号
(つまり制御音信号Y)を生成するものであり、その演
算処理は、次式(2) に則って実行される。
【0014】 Y(n) =W・X(n)T …(2) 但し、X(n) =[X(n),X(n-1),X(n-2),…,X(n-i)]T …(2-1) W =[W0 ,W1 ,W2 ,…,Wi ]T …(2-2) である。また(2-1)式及び(2-2)式において、左辺X(n)
,Wはベクトルを表す。
【0015】ここで、フィルタ係数Wは、適応制御アル
ゴリズムに則って制御誤差(つまり残留騒音信号e)が
最小となるように逐次更新すればよく、この適応制御ア
ルゴリズムとしては、最急降下法としてよく知られてい
る、以下に説明するFiltered-X LMSアルゴリズムを利用
することができる。
【0016】つまり、残留騒音信号e(n) は、上記(1)
式に(2) 式を代入することにより、次式(3) の如く記述
できる。 e(n) =d(n) +GeT・{W・X(n)T} =d(n) +WT ・{Ge ・X(n)T} =d(n) +WT ・R(n) …(3) 但し、R(n) はリファレンス信号であり、次式(4) の如
く記述できる。
【0017】R(n) =Ge ・X(n)T …(4) 次に、残留騒音信号e(n) を最小にするために、評価関
数J=[e(n) ]2 とおき、Jを最小にすることを考え
ると、 J=[e(n) ]2 =[d(n) +WT ・R(n) ]2 …(5) となり、評価関数Jはフィルタ係数Wについての2次関
数であるため、Jが最小となるときは、その導関数∇
(n) =∂J/∂Wが零になるときである。
【0018】また導関数∇(n) は、次式(6) の如く求め
ることができる。 ∇(n) =∂J/∂W=2e(n)・∂e(n)/∂W=2e(n)・R(n) …(6) 従って、制御対象の状態は時間と共に刻々変動するの
で、その状態に対応し、評価関数Jが最小となるように
最適化するには、「最急降下法」の手法にて次式(7) を
用いて、ADF82のフィルタ係数Wを逐次更新すれば
よい。
【0019】 W(n+1) =W(n) −μ・∇(n) =W(n) −2μ・e(n) ・R(n) …(7) 但し、μは収束係数(ステッフ゜サイス゛ハ゜ラメータともいわれる)
である。そこで、上記DF88は、上記(4) 式に則っ
て、加算部86による補正後の騒音信号Xと、予め設定
された伝達関数Ge とに基づき、上記(7) 式におけるフ
ィルタ係数更新用のリファレンス信号Rを求め、フィル
タ係数演算部90では、上記(7) 式に則って、その演算
結果(リファレンス信号R)と、A/D変換器76から
入力される残留騒音信号eと、収束係数μとに基づき、
フィルタ係数Wを逐次更新するようにされているのであ
る。
【0020】このように適応デジタルフィルタを利用し
た従来のアクティブ型騒音低減装置によれば、被消音空
間であるダクト内の残留騒音が最小になるように適応デ
ジタルフィルタのフィルタ係数が逐次更新されるため、
適応デジタルフィルタから出力される制御音信号は騒音
を充分低減可能な信号に収束して行き、理論的には残留
騒音を零にすることができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうしたアク
ティブ型騒音低減装置において、デジタル信号処理部8
0を構成するDF84,DF88,フィルタ係数演算部
90等で使用される伝達関数Gs ,Ge や、収束係数μ
等の演算パラメータは、制御対象をシミュレーション等
によって同定した同定結果等に基づき設定されているた
め、当該装置をダクト等の制御対象に実際に装着して制
御を行なった場合には、使用環境の変化や想定していな
い騒音の入力等によって、演算パラメータが実際の制御
系とは適合しなくなって、残留騒音を良好に抑制できな
きなくなることがあった。
【0022】例えば、フィルタ係数Wの更新に使用され
る収束係数μは、フィルタ係数Wの逐次演算における自
乗誤差の収束速度と残留誤差を決定する係数であり、そ
の値が小さければ、残留騒音信号eは目標レベルに収束
させることができるものの、その収束速度が遅くなり、
逆にその値が大きければ、収束速度は速くなるものの、
残留騒音信号eが大きくなり、また、その値が大き過ぎ
ると、残留騒音信号eを目標レベルに収束させることが
できずに発散してしまう。そして、この収束係数μとし
ては、騒音信号Xが定常性をもち、その自己相関関数が
予めわかっていれば、全騒音信号Xの自乗値の総和(自
乗総和)の平均を求めることにより、最適値を設定する
ことができる。
【0023】しかし、収束係数μを設定するために、予
め全騒音信号Xの自乗総和の平均を求めることは困難で
あるため、従来では、制御対象において実際に生じるで
あろう騒音状態を想定して、収束係数μの値を思考錯誤
的に決定している。従って、収束係数μは、実際に制御
を行なった場合の騒音状態によっては、必ずしも最適値
とはならず、残留騒音信号eの目標レベルへの収束速度
が遅くなったり、残留騒音信号eを充分小さくできなく
なる、といった問題がある。
【0024】また例えば、ハウリング防止のための補正
値Hを演算するDF84や、フィルタ係数演算用のリフ
ァレンス信号Rを演算するDF88では、その演算に、
制御系の伝達関数Gs ,Ge がフィルタ係数として使用
されるが、こうした伝達関数Gs ,Ge は、温度や湿度
等の環境変化に影響される。そして、使用環境が設計時
に想定したものから変化すると、DF84やDF88の
フィルタ係数がそのときの環境状態に適合しなくなり、
補正値H,リファレンス信号R等に誤差が生じる。
【0025】つまり、制御系の環境変化によって、デジ
タル信号処理部80からスピーカ68を経て騒音検出マ
イク64からデジタル信号処理部80に至る系の伝達関
数Gs が変化すると、スピーカ68から放射される制御
音によるハウリングが発生し易くなり、またデジタル信
号処理部80からスピーカ68を経て残留騒音検出マイ
ク66からデジタル信号処理部80に至る系の伝達関数
が変化すると、リファレンス信号Rが最適値からずれ
て、ADF82のフィルタ係数Wが最適値に達するまで
の時間が長く制御の収束速度が遅くなったり、逆に発散
して騒音低減効果が低下する、といった問題が生じる。
【0026】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、騒音状態や環境状態等の変化に影響されることな
く、被消音空間内の騒音を速やかに且つ確実に低減でき
るアクティブ型騒音低減装置を提供することを目的とす
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、被消音空間内に
制御音を放射して騒音と干渉させ、該空間内の騒音を低
減するアクティブ型騒音低減装置であって、騒音源から
被消音空間に至る騒音の侵入経路に設けられた騒音検出
用マイクロホンと、制御音信号を受けて被消音空間内に
制御音を放射するスピーカと、該スピーカからの制御音
と騒音との干渉後の残留騒音を検出する残留騒音検出用
マイクロホンと、前記スピーカから制御音を発生させた
制御音信号と、前記スピーカから前記騒音検出用マイク
ロホンに至る系の伝達関数に対応した演算パラメータと
に基づき、前記騒音検出用マイクロホンを介して入力さ
れる騒音信号中の制御音成分を演算し、該演算結果に応
じて該騒音信号を補正することにより、被消音空間内の
騒音に対応した真の騒音信号を算出する騒音信号補正手
段と、該騒音信号補正手段にて得られた騒音信号をフィ
ルタ処理して、前記制御音信号を生成する、フィルタ係
数を更新可能なFIRフィルタからなる適応デジタルフ
ィルタと、前記騒音信号補正手段にて得られた騒音信号
と、前記残留騒音検出用マイクロホンを介して入力され
る残留騒音信号と、予め設定された収束係数と、前記ス
ピーカから前記残留騒音検出用マイクロホンに至る系の
伝達関数に対応した演算パラメータとに基づき、残留騒
音信号が最小となるように前記適応デジタルフィルタの
フィルタ係数を逐次更新するフィルタ係数更新手段と、
前記騒音信号補正手段にて得られた全騒音信号の自乗総
和を刻々求め、該自乗総和をパラメータとする所定の演
算式を用いて、前記フィルタ係数更新手段にてフィルタ
係数の更新に用いられる収束係数を逐次算出する収束係
数演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0028】また請求項2に記載の発明は、被消音空間
内に制御音を放射して騒音と干渉させ、該空間内の騒音
を低減するアクティブ型騒音低減装置であって、前記請
求項1に記載の発明と同様に、騒音検出用マイクロホ
ン、スピーカ、残留騒音検出用マイクロホン、騒音信号
補正手段、適応デジタルフィルタ、及びフィルタ係数更
新手段を備え、更に、前記騒音信号補正手段及びフィル
タ係数更新手段にて使用される前記各演算パラメータの
うちの少なくとも一つを、被消音空間内の温度・湿度等
の環境状態を区分した各環境状態毎に各々設定してなる
演算データを記憶する演算データ記憶手段と、前記被消
音空間内の温度・湿度等の環境状態を検出する環境状態
検出手段と、該環境状態検出手段にて検出された環境状
態に基づき、上記演算データ記憶手段に記憶された演算
データの中から現在の環境状態に適合する演算パラメー
タを選択し、前記騒音信号補正手段及びフィルタ係数更
新手段にて使用される演算パラメータのうちの少なくと
も一つを、該選択した演算パラメータに変更する演算パ
ラメータ変更手段と、を備えたことを特徴とする。
【0029】また次に、請求項3に記載の発明は、被消
音空間内に制御音を放射して騒音と干渉させ、該空間内
の騒音を低減するアクティブ型騒音低減装置であって、
前記請求項1或は請求項2に記載の発明と同様に、騒音
検出用マイクロホン、スピーカ、残留騒音検出用マイク
ロホン、騒音信号補正手段、適応デジタルフィルタ、及
びフィルタ係数更新手段を備え、更に、前記残留騒音検
出用マイクロホンを介して入力される残留騒音信号が予
め設定された目標レベル以下に達したか否かを判定する
残留騒音判定手段と、該残留騒音判定手段にて残留騒音
信号が目標レベル以下に達したと判定されると、その
後、前記残留騒音判定手段にて残留騒音信号が目標レベ
ルを越えたと判定されるまでの間、前記フィルタ係数更
新手段によるフィルタ係数の更新を禁止する更新禁止手
段と、を備えたことを特徴とする。
【0030】また請求項4に記載の発明は、前記請求項
3に記載のアクティブ型騒音低減装置において、被消音
空間内の温度・湿度等の環境状態を検出する環境状態検
出手段と、該環境状態検出手段にて検出された被消音空
間内の環境状態が変化したか否かを判定する環境変化判
定手段と、を備え、前記更新禁止手段は、前記フィルタ
係数更新手段によるフィルタ係数の更新を禁止している
ときに、前記環境変化判定手段にて被消音空間内の環境
状態が変化したと判断されると、前記フィルタ係数更新
手段によるフィルタ係数の更新を再開させることを特徴
とする。
【0031】一方、請求項5に記載の発明は、被消音空
間内に制御音を放射して騒音と干渉させ、該空間内の騒
音を低減するアクティブ型騒音低減装置であって、前記
各請求項1〜4に記載の発明と同様に、騒音検出用マイ
クロホン、スピーカ、残留騒音検出用マイクロホン、騒
音信号補正手段、適応デジタルフィルタ、及びフィルタ
係数更新手段を備え、更に、前記適応デジタルフィルタ
にて生成された制御音信号が予め設定された上限値を越
えたか否かを判定する制御音信号判定手段と、該制御音
信号判定手段にて制御音信号が上限値を越えたと判断さ
れると、その後、該制御音信号が上限値以下になるま
で、上記フィルタ係数更新手段による演算結果に1より
小さい補正係数を乗じて、前記適応デジタルフィルタの
フィルタ係数を通常より小さい値に補正するフィルタ係
数補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0032】次に、請求項6に記載の発明は、前記請求
項1〜請求項5のいずれかに記載のアクティブ型騒音低
減装置において、騒音検出用マイクロホン,スピーカ,
及び残留騒音検出用マイクロホンは、空気が流れる送風
路の送風器から吹出口までの間の経路に、空気の流れに
沿って上流側から順に設けられ、しかも各マイクロホン
は、該送風路の側面に形成された防風板の陰に取り付け
られていることを特徴とする。
【0033】また、請求項7に記載の発明は、請求項6
に記載のアクティブ型騒音低減装置において、送風路の
各マイクロホンの取付位置近傍の上流側には、空気の流
れを層流状態に整流する整流部品を設けたことを特徴と
する。
【0034】
【作用及び発明の効果】上記のように構成された請求項
1に記載のアクティブ型騒音低減装置においては、ま
ず、騒音検出用マイクロホンにて騒音源から被消音空間
内に侵入してくる騒音が検出される。そして、この騒音
検出用マイクロホンからの騒音信号は、騒音信号補正手
段にて補正され、その補正後の騒音信号が、適応デジタ
ルフィルタに入力される。
【0035】つまり、騒音検出用マイクロホンには、騒
音源からの騒音に加えて、スピーカから放射した制御音
も入力されることから、騒音検出用マイクロホンからの
騒音信号をそのまま適応デジタルフィルタに入力する
と、適応デジタルフィルタにおいて、騒音と同振幅で逆
位相の騒音低減用の信号成分だけでなく、前回スピーカ
から発生させた制御音を打ち消すための信号成分を含む
制御音信号が生成されることになり、その制御音信号に
てスピーカから制御音を発生させると、被消音空間内に
て制御音のハウリングが生じるようになる。そこで、こ
うしたハウリングを防止するために、騒音信号補正手段
において、スピーカから制御音を発生させた制御音信号
と、スピーカから騒音検出用マイクロホンに至る系の伝
達関数に対応した演算パラメータとに基づき、騒音検出
用マイクロホンを介して入力される騒音信号中の制御音
成分を演算し、騒音信号からこの制御音成分を除去する
ことにより、被消音空間内の騒音に対応した真の騒音信
号を算出して、これを適応デジタルフィルタに入力する
のである。
【0036】また、適応デジタルフィルタのフィルタ係
数は、フィルタ係数更新手段において、騒音信号補正手
段にて得られた騒音信号と、残留騒音検出用マイクロホ
ンを介して入力される残留騒音信号と、予め設定された
収束係数と、スピーカから残留騒音検出用マイクロホン
に至る系の伝達関数に対応した演算パラメータとに基づ
き、残留騒音信号が最小になるように逐次更新される。
つまり、フィルタ係数は、前述した(4) 式及び(7) 式に
従い、Filtered-X LMSアルゴリズムに則って、逐次更新
される。
【0037】また、このフィルタ係数の更新に使用され
る収束係数は、収束係数演算手段において、騒音信号補
正手段にて得られた全騒音信号の自乗総和を刻々求め、
該自乗総和をパラメータとする所定の演算式を用いるこ
とにより逐次算出される。つまり、既述したように、収
束係数は、騒音信号が定常性をもち、その自己相関関数
が予めわかっていれば、全騒音信号の自乗総和の平均を
求めることにより最適値を設定することができることか
ら、本発明では、フィルタ係数の更新時に予め固定値と
して設定された収束係数を用いるのではなく、収束係数
を騒音信号に基づき逐次算出することにより、騒音信号
に応じて逐次変化する収束係数を設定し、これを用いて
フィルタ係数を更新するようにしているのである。
【0038】このように、本発明においては、フィルタ
係数の更新に使用される収束係数を、騒音信号補正手段
にて得られた被消音空間内の真の騒音に対応した騒音信
号に基づき逐次更新するようにしているので、収束係数
を、常時、実際の騒音状態に応じた最適値に設定するこ
とができ、騒音状態が変化しても、スピーカから放射す
る制御音を実際の騒音に速やかに対応させて、残留騒音
を速やかに且つ確実に目標レベル以下に収束させること
が可能になる。
【0039】次に、請求項2に記載のアクティブ型騒音
低減装置においては、請求項1に記載の収束係数演算手
段に代えて、演算データ記憶手段、環境状態検出手段及
び演算パラメータ変更手段を備えている。そして、演算
パラメータ変更手段が、環境状態検出手段にて検出され
た被騒音空間内の温度・湿度等の環境状態に基づき、演
算データ記憶手段に記憶された演算データの中から現在
の環境状態に適合する演算パラメータを選択して、騒音
信号補正手段及びフィルタ係数更新手段にて使用される
演算パラメータのうちの少なくとも一つを、その選択し
た演算パラメータに変更する。
【0040】即ち、騒音信号補正手段は、騒音信号を補
正するに当たって、スピーカから騒音検出用マイクロホ
ンに至る系の伝達関数に対応した演算パラメータを用
い、またフィルタ係数更新手段は、フィルタ係数を更新
するに当たって、スピーカから残留騒音検出用マイクロ
ホンに至る系の伝達関数に対応した演算パラメータを用
いるが、制御系の伝達関数は被消音空間内の温度・湿度
等の環境状態によって変化することから、これら各演算
パラメータを固定していると、その演算パラメータを設
定した際の環境状態では、騒音信号補正手段及びフィル
タ係数更新手段において良好な演算動作を実行できるも
のの、環境状態が演算パラメータ設定時の環境状態から
変化すると、演算パラメータが実際の環境状態に適合せ
ず、これら各手段において演算誤差が生じる。
【0041】そこで、本発明では、環境状態を区分し
て、各環境状態毎に最適な演算パラメータを設定してお
き、騒音信号補正手段或はフィルタ係数更新手段にて演
算動作を行なう際には、そのときの環境状態に応じた演
算パラメータを使用することができるようにしているの
である。
【0042】このため、本発明によれば、被消音空間の
温度・湿度等の環境状態が変化しても、騒音信号補正手
段或はフィルタ係数更新手段にて使用される演算パラメ
ータが実際の環境状態に適合しなくなって、これら各手
段において演算誤差を生じるようなことはなく、騒音信
号の補正、或はフィルタ係数の更新を、環境状態に影響
されることなく、正確に実行することが可能になる。従
って、本発明においても、残留騒音を速やかに且つ確実
に目標レベル以下に収束させることが可能になる。
【0043】また次に、請求項3に記載のアクティブ型
騒音低減装置においては、請求項1に記載の収束係数演
算手段、或は請求項2に記載の演算データ記憶手段,環
境状態検出手段及び演算パラメータ変更手段に代えて、
残留騒音判定手段及び更新禁止手段を備えている。
【0044】そして、残留騒音判定手段が、残留騒音検
出用マイクロホンを介して入力される残留騒音信号が予
め設定された目標レベル以下に達したか否かを判定し、
この残留騒音判定手段にて残留騒音信号が目標レベル以
下に達したと判定されると、更新禁止手段が、その後、
残留騒音判定手段にて残留騒音信号が目標レベルを越え
たと判定されるまでの間、フィルタ係数更新手段による
フィルタ係数の更新を禁止する。
【0045】即ち、フィルタ係数更新手段は、予め設定
された適応制御アルゴリズム(つまり、Filtered-X LMS
アルゴリズム)に則って、適応デジタルフィルタのフィ
ルタ係数を残留騒音信号が最小となるように逐次更新す
るものであるが、残留騒音信号が目標レベル以下に達し
て、残留騒音を充分抑制できているときにも、フィルタ
係数の更新を継続していると、フィルタ係数の更新に使
用される各種パラメータの設定誤差や更新時の演算誤差
等によって、フィルタ係数を最適値から外れる方向に更
新してしまい、制御を却って悪化させてしまうことが考
えられる。
【0046】そこで、本発明では、残留騒音信号が目標
レベル以下に達している状態では、フィルタ係数の更新
を禁止することにより、フィルタ係数が現在の最適値か
ら外れる方向に更新されるのを防止するようにしている
のである。この結果、本発明によれば、一旦制御目標を
達成したにもかかわらず、フィルタ係数の誤った更新に
より、残留騒音が増加して、制御目標から外れてしまう
ようなことはなく、制御の安定性を向上できる。
【0047】また、フィルタ係数の更新を禁止している
状態で、騒音状態や環境状態が変化すると、フィルタ係
数がその状態に適合しなくなって、残留騒音が目標レベ
ルを越えることになるが、この場合には、今まで最適値
であったフィルタ係数を基準として(換言すれば、フィ
ルタ係数の最適値からのずれが最も小さい状態で)、フ
ィルタ係数の更新が再開されるので、この更新再開によ
りフィルタ係数を速やかに最適値に収束させることがで
きる。従って、本発明においても、残留騒音を速やかに
且つ確実に目標レベル以下に収束させることが可能にな
る。
【0048】また次に、請求項4に記載のアクティブ型
騒音低減装置においては、請求項3に記載の装置に、更
に、被消音空間の温度・湿度等の環境状態を検出する環
境状態検出手段、及びその検出された環境状態の変化を
判定する環境変化判定手段が設けられている。そして、
更新禁止手段が、残留騒音信号が目標レベル以下の状態
にあり、フィルタ係数更新手段によるフィルタ係数の更
新を禁止しているときに、環境変化判定手段にて被消音
空間内の環境状態が変化したと判断されると、フィルタ
係数更新手段によるフィルタ係数の更新を再開させる。
【0049】即ち、フィルタ係数の更新を禁止している
ときに被消音空間の環境状態が変化した場合には、フィ
ルタ係数は最適値から外れることになるので、本発明で
は、環境状態が変化した場合には、たとえ残留騒音信号
が目標レベル以下になっていても、フィルタ係数の更新
を再開させることにより、フィルタ係数を、変化する環
境状態に速やかに追従させるようにしているのである。
【0050】このため、本発明によれば、請求項3に記
載の装置に比べて、被消音空間の環境変化が変化した際
にフィルタ係数をより速やかに最適値に近付けることが
でき、制御の収束性をより向上することが可能になる。
一方、請求項5に記載のアクティブ型騒音低減装置にお
いては、請求項1〜4に記載の発明と同様に、騒音検出
用マイクロホン、スピーカ、残留騒音検出用マイクロホ
ン、騒音信号補正手段、適応デジタルフィルタ、及びフ
ィルタ係数更新手段を備える他、制御音信号判定手段及
びフィルタ係数補正手段を備えている。
【0051】そして、制御音信号判定手段が、適応デジ
タルフィルタにて生成された制御音信号が予め設定され
た上限値を越えたか否かを判定し、この制御音信号判定
手段にて制御音信号が上限値を越えたと判断されると、
その後、制御音信号が上限値以下になるまで、フィルタ
係数補正手段が、フィルタ係数更新手段による演算結果
に1より小さい補正係数を乗じて、適応デジタルフィル
タのフィルタ係数を通常より小さい値に補正する。
【0052】つまり、例えば、騒音状態の変化によっ
て、フィルタ係数更新用の収束係数がそのときの騒音状
態に適合しなくなり、その値が最適値に比べて大きい場
合には、フィルタ係数更新手段にて更新されるフィルタ
係数,延いては適応デジタルフィルタにて生成される制
御音信号も大きくなり、制御が不安定となって、残留騒
音を目標レベル以下に収束させることができなくなる。
【0053】そこで、本発明では、こうした状態を、適
応デジタルフィルタにて生成された制御音信号が上限値
を越えたか否かによって判定し、制御信号が上限値を越
えて制御が不安定になるような場合には、フィルタ係数
を通常より小さい値に補正することにより、適応デジタ
ルフィルタにて生成される制御音信号を抑制するのであ
る。この結果、本発明によれば、収束係数が大き過ぎる
場合に生じる発散を未然に防止して、制御を安定させ、
残留騒音を目標レベル以下に速やかに収束させることが
可能になる。
【0054】なお、上記のように、騒音検出用マイクロ
ホン、スピーカ、残留騒音検出用マイクロホン、騒音信
号補正手段、適応デジタルフィルタ、及びフィルタ係数
更新手段を備えた一般的なアクティブ型騒音低減装置に
対して、請求項1に記載の装置においては収束係数演算
手段を、請求項2に記載の装置においては演算データ記
憶手段,環境状態検出手段及び演算パラメータ変更手段
を、請求項3に記載の装置においては残留騒音判定手段
及び更新禁止手段を、請求項4に記載の装置においては
残留騒音判定手段,環境状態検出手段,環境変化判定手
段及び更新禁止手段を、請求項5に記載の装置において
は、制御音信号判定手段及びフィルタ係数補正手段を、
夫々設けることにより、制御の安定性及び収束性を向上
して、被消音空間内の騒音を確実且つ速やかに低減でき
るようにしているのであるが、これら各請求項1〜5に
記載の構成(手段)の一部または全てを組み合せれば、
これら各手段による相乗作用によって、より大きな騒音
低減効果を実現できのはいうまでもない。
【0055】また次に、請求項6に記載のアクティブ型
騒音低減装置は、騒音検出用マイクロホン,スピーカ,
及び残留騒音検出用マイクロホンが、空気が流れる送風
路の送風器から吹出口までの間の経路に、空気の流れに
沿って上流側から順に設けられた、送風路(ダクト)用
の騒音低減装置である。そして、各マイクロホンは、送
風路の側面に形成された防風板の陰に取り付けられてい
る。
【0056】これは、図3に示した従来装置のように、
各マイクロホンを吸音材にて覆ってしまうと、各マイク
ロホンにて検出される騒音及び残留騒音の周波数特性が
実際のものから変化してしまい、装置内に騒音及び残留
騒音に対応した正確な騒音信号及び残留騒音信号を取り
込むことが難くなるためである。
【0057】即ち、信号処理技術の分野では、コヒーレ
ンスという2つの信号間の相関性を表す指標が定義され
ている。コヒーレンスは0〜1の値で表され、その値が
1に近いほど相関性があって、コヒーレンスが高いと表
現される。そして、適応制御アルゴリズムに則った騒音
低減装置においては、騒音検出用マイクロホンにて検出
される騒音信号と残留騒音検出用マイクロホンにて検出
される残留騒音信号との間のコヒーレンスが高い程、騒
音低減が大きいことが知られている。このため、従来で
は、空気が流れる送風路内の騒音を低減する装置では、
各マイクロホンに送風路内の空気が直接当たることのな
いように、送風路に設けた吸音材にて各マイクロホンを
覆うようにしていたのであるが、これでは、吸音材によ
り各騒音検出信号の周波数特性が実際の騒音からずれて
しまい、騒音低減効果を良好に発揮できないことがあ
る。
【0058】そこで本発明では、送風路の側面に防風板
を取り付け、その陰に各マイクロホンを配設することに
より、各マイクロホンからの騒音信号のコヒーレンスを
確保しつつ、各マイクロホンにて得られる騒音信号の周
波数特性が実際の騒音からずれるのを防止しているので
ある。このため、本発明によれば、送風路内の実際の騒
音状態に応じて、スピーカから放射する制御音を制御す
ることができ、上記各請求項1〜5に記載の装置におい
て、送風路内の騒音をより良好に低減することが可能に
なる。
【0059】次に、請求項7に記載のアクティブ型騒音
低減装置においては、請求項6に記載の装置において、
更に、送風路の各マイクロホンの取付位置近傍の上流側
に空気の流れを層流状態に整流する整流部品を設けてい
る。これは、送風路を流れる空気が、防風板の陰に設け
た各マイクロホン側に回り込んで、各マイクロホンにて
得られる騒音信号のコヒーレンスが小さくなるのを防止
するためである。
【0060】つまり、例えば送風路が直線状に形成さ
れ、空気が送風路に沿って真っ直ぐ流れるような場合に
は、その側面に設けた防風板の外側に空気が大量に流れ
込むことはなく、各マイクロホンがその回り込んだ空気
の影響を受けることは少ないが、送風路が曲っていた
り、或は送風路が直線状であっても送風路に空気を送り
込む送風器の特性等によって送風路内にて空気の流れが
乱れるような場合には、防風板の外側に空気が大量に流
れ込んで、その陰に設けたマイクロホンに大きな影響を
与えることがある。
【0061】そこで、本発明では、各マイクロホンが設
けられた送風路の上流側に、空気の流れを層流状態に整
流する整流部品を設けることにより、各マイクロホン側
に空気が回り込むのを防止しているのである。この結
果、本発明によれば、各マイクロホンにて得られる騒音
信号のコヒーレンスを1に近い大きな値に保持すること
ができ、送風路内の騒音をより良好に低減することが可
能になる。
【0062】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面と共に説明す
る。図1は、請求項1〜請求項7に記載の発明を全て適
用した実施例のアクティブ型騒音低減装置の構成を表わ
すブロック図である。尚、本実施例のアクティブ型騒音
低減装置は、図3に示した従来装置と同様、空調ユニッ
トの送風器6から送風されてきた空調空気を自動車や列
車等の室内に開口した吹出口(図示せず)に導くダクト
2に設けられ、ダクト2内にて騒音を低減することによ
り、吹出口から室内に騒音が漏れ出すのを防止するため
のものである。
【0063】図1に示す如く、本実施例のアクティブ型
騒音低減装置は、図3に示した従来装置と同様、騒音源
である空調ユニットの送風器6にできる限り近い位置に
配設された騒音検出用マイクロホン(騒音検出マイク)
10と、騒音検出マイク10から騒音を低減可能な最短
距離を隔てた下流側に配設された制御音発生用のスピー
カ14と、スピーカ14より更に下流に配設されて騒音
と制御音との干渉後の残留騒音を検出する残留騒音検出
用マイクロホン(残留騒音検出マイク)12と、スピー
カ14からダクト2内に放射させる制御音を制御するコ
ントローラ20とを備えている。
【0064】ダクト2の内壁には、従来装置と同様、騒
音(特に高周波の騒音)を低減するための吸音材4が貼
り付けられているが、図1におけるダクト断面図から明
らかなように、上記各マイク10,12は、吸音材4に
て覆われておらず、ダクト2の側面に防風板9を設ける
ことによって、空調空気の流路の外側(つまり防風板9
の陰)に形成された、マイク設置用のスペースに固定さ
れている。
【0065】また、ダクト2の各マイク10,12の固
定位置近傍の上流側には、ダクト2内の空調空気の流れ
を層流状態に整流する、断面がハニカム格子状に形成さ
れた整流部品8a,8bが夫々設けられている。つま
り、この整流部品8a,8bにより空調空気の流れを層
流状態にして、空調空気が防風板9の外側に回り込ん
で、各マイク10,12にて得られる騒音信号及び残留
騒音信号のコヒーレンスが低下するのを防止している。
【0066】また更に、騒音検出マイク10とスピーカ
14との間のダクト2の壁面には、ダクト2内の環境状
態として温度及び湿度を夫々検出する、環境状態検出手
段としての温度センサ16及び湿度センサ18が設けら
れており、コントローラ20には、上記各マイク10,
12からの騒音信号及び残留騒音信号に加えて、これら
各センサ16,18による検出信号も入力される。
【0067】なお、従来装置と同様、スピーカ14のダ
クト2内部側には、吸音材4や防風板9は設けられてお
らず、スピーカ14からダクト2内に制御音を直接放射
できるようにされている。次に、コントローラ20は、
従来装置と同様、上記各マイク10,12から出力され
る騒音信号及び残留騒音信号を夫々増幅して、ノイズ成
分を除去し、デジタル信号に変換する、増幅器21,2
2、アナログフィルタ23,24、及びA/D変換器2
5,26を備えている。そして、各A/D変換器25,
26にてデジタル信号に変換された騒音信号及び残留騒
音信号は、制御音信号(デジタル信号)を生成するデジ
タル信号処理部30に入力され、このデジタル信号処理
部80にて生成された制御音信号は、D/A変換器4
1、アナログフィルタ42及び増幅器43を介して、ス
ピーカ14に出力される。
【0068】また、コントローラ20には、従来装置と
同様の上記各部以外に、温度センサ16及び湿度センサ
18からの検出信号を増幅して、デジタル信号に変換す
る増幅器52及びA/D変換器53が備えられ、A/D
変換器53にてデジタル信号に変換された検出信号も、
デジタル信号処理部30に入力される。
【0069】次に、デジタル信号処理部30は、従来装
置と同様、前記(2) 式に則って制御音信号Yを生成する
適応デジタルフィルタ(ADF)32を中心に構成され
ており、A/D変換器25から入力される騒音信号に対
する補正値Hを前記(0) 式に則って演算して騒音信号を
補正する、騒音信号補正手段としてのデジタルフィルタ
(DF)34及び加算部36と、加算部36から出力さ
れる補正後の騒音信号Xに基づき前記(4) 式に則ってリ
ファレンス信号Rを生成し、このリファレンス信号Rと
A/D変換器26から入力される残留騒音信号eとに基
づき、前記(7)式に則って、残留騒音信号eが最小とな
るようにフィルタ係数Wを逐次演算する、フィルタ係数
更新手段としてのデジタルフィルタ(DF)38及びフ
ィルタ係数演算部40と、を備えている。
【0070】またデジタル信号処理部30には、従来装
置と同様の上記各部以外に、収束係数演算部46、出力
レベル判定部48、騒音レベル判定部50、環境判定部
54、及び伝達関数記憶部56,58が備えられてい
る。ここで、収束係数演算部46は、本発明の収束係数
演算手段に相当し、加算部36から出力される補正後の
騒音信号Xに基づき、時刻(n) における全騒音信号X
(n) の自乗総和ΣX(n)2を刻々求め、更に、その自乗総
和ΣX(n)2と、予め設定された定数α(但し、0<α<
2であり、実施結果では、0.01程度が望ましい)
と、制御系の同定時に決定されるDF38のフィルタ係
数(換言すれば(4) 式に示す伝達関数Ge )のタップ長
Lと、をパラメータとする次式(8) μ=α/{ΣX(n)2/L} …(8) を用いて、収束係数μの取り得る最大値を逐次算出し
て、フィルタ係数演算部40がフィルタ係数Wの更新に
用いる収束係数μを設定する。
【0071】また、伝達関数記憶部56,58は、本発
明の演算データ記憶手段に相当するものであり、伝達関
数記憶部56には、DF38及び収束係数演算部46に
てリファレンス信号R及び収束係数μを演算するのに使
用される伝達関数Ge 及びこの伝達関数Ge に対応した
タップ長Lを表わす演算パラメータが、ダクト2の温度
及び湿度に応じて複数に区分された各環境状態毎に記憶
され、伝達関数記憶部58には、DF34にて騒音信号
に対する補正値Hを生成するのに使用される伝達関数G
s を表わす演算パラメータが、ダクト2の温度及び湿度
に応じて複数に区分された各環境状態毎に記憶されてい
る。
【0072】また次に、環境判定部54は、本発明の演
算パラメータ変更手段及び環境変化判定手段に相当す
る。即ち、環境判定部54は、A/D変換器53から入
力されるダクト2の温度及び湿度を表わす検出信号に基
づき、ダクト2の環境状態が変化したか否かを判定し、
環境状態が変化していれば、現在の環境状態が予め区分
された環境状態のいずれに相当するか否かを判断して、
その判断結果に応じた演算パラメータ(つまりGe ,
L,Gs )を、各伝達関数記憶部56,58から、DF
38,収束係数演算部46,及びDF34に夫々出力さ
せる。
【0073】一方、騒音レベル判定部50は、本発明の
残留騒音判定手段及び更新禁止手段に相当するものであ
り、A/D変換器26から入力される残留騒音信号eが
所定の目標レベル以下であるか否かを判定して、残留騒
音信号eが目標レベル以下であれば、その後残留騒音信
号eが目標レベルを越えるか、環境判定部54にてダク
ト2の環境状態が変化したと判断されるまで、フィルタ
係数演算部40によるフィルタ係数の更新を禁止させ
る。
【0074】また、出力レベル判定部48は、本発明の
制御音信号判定手段及びフィルタ係数補正手段に相当す
るものであり、ADF32にて生成された制御音信号Y
が予め設定された上限値を越えたか否かを判定し、制御
音信号Yが上限値を越えている場合には、フィルタ係数
演算部40に対してフィルタ係数Wに1より小さい補正
係数β(実施結果では、βは0.95〜0.99程度が
望ましい)にて通常より小さい値に補正させる。
【0075】このようにデジタル信号処理部30におい
ては、スピーカ14からダクト2内に放射させる制御音
を制御するための各種演算処理が実行されるが、各演算
処理を実行する上記各部は、予め設定された手順に従い
各演算処理を繰返し実行する。そこで次に、上記のよう
にデジタル信号処理部30において繰返し実行される上
記各演算処理の実行手順を図2に示すフローチャートに
沿って説明する。
【0076】図2に示す如く、デジタル信号処理部30
が起動されると、まずS100(Sはステップを表わ
す)にて、以降の処理で使用されるフラグFa,Fbを
リセット(0)したり、各種パラメータに初期値を設定
する初期設定処理を実行する。そして、続くS110に
て、温度センサ16及び湿度センサ18からの検出信号
をA/D変換器53を介して読込み、S120にて、そ
の読み込んだ検出信号(つまりダクト2の現在の環境状
態)に応じた伝達関数Gs ,Ge 及びタップ長Lを、伝
達関数記憶部56,58としてのメモリから読出し、こ
れら各値を以降の演算処理にて使用する演算パラメータ
として設定する。
【0077】このようにS120にて、伝達関数Gs ,
Ge 等の演算パラメータが設定されると、S130に移
行し、騒音検出マイク10からA/D変換器25を介し
て入力される騒音信号から、後述のS220にて算出さ
れた最新の補正値H(n) を減じることにより、ダクト2
内の真の騒音信号X(n) を算出する、加算部36として
の演算処理を実行する。尚、デジタル信号処理部30が
起動された直後には、補正値H(n) が未だ演算されてい
ないことから、この場合には、補正値H(n) として、S
100にて初期設定した初期値が使用される。
【0078】そして、続くS140では、S130にて
算出した騒音信号X(n) とS120にて設定した最新の
伝達関数Ge とに基づき、前記(4) 式を用いて、フィル
タ係数W更新のためのリファレンス信号R(n) を算出す
る、DF38としての演算処理を実行する。
【0079】次にS150では、前記(8) 式を用いて収
束係数μを算出するのに必要なパラメータである、現時
刻(n) の騒音信号X(n) の自乗総和ΣX(n)2を、S13
0にて算出した騒音信号X(n) に基づき算出し、続くS
160にて、この算出した自乗総和ΣX(n)2と、S12
0にて設定したタップ長Lと、定数αとに基づき、前記
(8) 式を用いて収束係数μを算出する、収束係数演算部
46としての演算処理を実行する。
【0080】こうして収束係数μが算出されると、今度
はS170にて、フラグFbがリセット(0)されてい
るか否かを判断し、フラグFbがリセットされていれ
ば、S180に移行し、フラグFbがセット(1)され
ていれば、S210に移行する。尚、このフラグFb
は、後述の処理により、残留騒音信号eの信号レベルが
目標レベルeo 以下であると判断されたときにセットさ
れ、残留騒音信号eの信号レベルが目標レベルeo を越
えるか、環境状態が変化したときにリセットされるフラ
グFbである。つまり、S170では、フラグFbの状
態から、フィルタ係数Wの更新を行なうか否かを判定す
る。
【0081】次に、フラグFbがリセットされており、
S170にてフィルタ係数Wの更新を行なうと判定され
た場合に実行されるS180では、フラグFaがリセッ
トされているか否かを判断し、フラグFaがリセットさ
れていればS190に移行し、逆にフラグFaがセット
されていれば、S200に移行する。尚、このフラグF
aは、以降の処理で、制御音信号Yが予め設定された上
限値Ymax を越えたと判断されたときにセットされ、逆
に制御音信号Yが上限値Ymax 以下であるときにリセッ
トされるフラグである。つまり、S180では、このフ
ラグFaの状態から制御音信号Yが上限値Ymax を越え
たか否かを判断する。
【0082】次に、フラグFaがリセットされており、
制御音信号Yが上限値Ymax 以下であるときに実行され
るS190では、現在のフィルタ係数W(n) と、S14
0にて算出されたリファレンス信号R(n) と、S160
にて算出された収束係数μと、残留騒音検出マイク12
からA/D変換器26を介して入力される残留騒音信号
e(n) とに基づき、前記(7) 式をそのまま用いてフィル
タ係数W(n+1) を算出(更新)する。
【0083】また逆に、フラグFaがセットされてお
り、制御音信号Yが上限値Ymax を越えているときに実
行されるS200では、現在のフィルタ係数W(n) と、
S140にて算出されたリファレンス信号R(n) と、S
160にて算出された収束係数μと、残留騒音検出マイ
ク12からA/D変換器26を介して入力される残留騒
音信号e(n) とに基づき、前記(7) 式に補正係数β(β
<1)を乗じた次式(9) W(n+1) =β{W(n) −2μ・e(n) ・R(n) } …(9) を用いてフィルタ係数W(n+1) を算出(更新)する。つ
まり、制御音信号Yが上限値Ymax を越えている場合に
は、通常用いられるフィルタ係数Wの演算式(7)式に補
正係数βを乗じた演算式(9) を用いることにより、フィ
ルタ係数Wを通常より小さい値に補正するのである。
【0084】このように、フィルタ係数演算部40とし
てのS190又はS200にてフィルタ係数Wが更新さ
れるか、S170にてフィルタ係数Wの更新を実行しな
いと判断されると、S210に移行して、現在設定され
ている最新のフィルタ係数Wと、S130にて算出され
た補正後の騒音信号X(n) とに基づき、前記(2) 式を用
いて制御出力(つまり制御音信号)Y(n) を算出する、
ADF32としての演算処理を実行する。
【0085】そして続くS220では、S210にて算
出した制御音信号Y(n) と、S120にて設定された最
新の伝達関数Gs とに基づき、前記(0) 式を用いて、次
回にS130にて騒音信号X(n) を算出するのに使用さ
れる補正値H(n) を算出する、DF34としての演算処
理を実行する。
【0086】次に、S230では、S210にて算出し
た制御音信号Yが予め設定された上限値Ymax 以下であ
るか否かを判断する、出力レベル判定部48としての判
定処理を実行する。そして、制御音信号Yが上限値を越
えている場合には、上記S200にてフィルタ係数Wを
更新させるために、S240にてフラグFaをセットし
た後、上記S130に移行し、逆に、制御音信号Yが上
限値Ymax 以下であれば、上記S190にてフィルタ係
数Wを更新させるために、S250にてフラグFaをリ
セットし、S260に移行する。
【0087】S260では、残留騒音検出マイク12か
らA/D変換器26を介して入力される残留騒音信号e
の信号レベルを検出し、続くS270にて、その検出し
た残留騒音信号eの信号レベルが予め設定された目標レ
ベルeo 以下であるか否かを判断する、騒音レベル判定
部50としての判定処理を実行する。そして、残留騒音
信号eの信号レベルが目標レベルeo を越えていれば、
フィルタ係数Wの更新を実行させるために、S280に
てフラグFbをリセットした後、上記S130に移行
し、逆に残留騒音信号eの信号レベルが目標レベルeo
以下であれば、フィルタ係数Wの更新を禁止するため
に、S290にてフラグFbをセットし、S300に移
行する。
【0088】次にS300では、温度センサ16及び湿
度センサ18からの検出信号をA/D変換器53を介し
て読込み、S310にて、その読み込んだ温度センサ1
6及び湿度センサ18からの検出信号(つまりダクト2
の現在の環境状態)が、伝達関数Gs ,Ge 及びタップ
長L等の演算パラメータを変更すべき状態まで変化した
か否かを判断する、環境判定部54としての判定処理を
実行する。そして、S310にて、環境状態が変化して
いないと判断された場合には、そのまま上記S130に
移行し、逆に環境状態が変化したと判断されると、フィ
ルタ係数Wの更新を通常通り実行させるために、S32
0にてフラグFbをリセットする。そして、S320に
てフラグFbをリセットした後は、変化した環境状態に
対応した演算パラメータを再設定するために、上記S1
20に移行する。
【0089】以上説明したように、本実施例のアクティ
ブ型騒音低減装置においては、ADF32のフィルタ係
数Wを更新するに当たって使用される収束係数μを、全
騒音信号の自乗総和に基づき、前記(8) 式を用いて逐次
算出するようにしているため、ダクト2の実際の騒音状
態に応じて常に最適な収束係数μを設定することがで
き、残留騒音を速やかに且つ確実に目標レベル以下に収
束させることができる。
【0090】また、DF38,DF34のフィルタ係数
(つまり伝達関数Ge ,Gs )や、収束係数μを演算す
るのに使用されるDF38のフィルタ係数のタップ長L
は、ダクト2の環境状態(温度・湿度)に応じて変化す
るが、本実施例では、予め、複数に区分した各環境状態
毎に、各環境状態に適合したフィルタ係数及びタップ長
Lを設定・記憶しておき、これら複数のフィルタ係数及
びタップ長Lの中から現在の環境状態に対応したフィル
タ係数及びタップ長Lを選択して、DF34,DF3
8,収束係数演算部46による演算処理を実行させる。
従って、本実施例によれば、DF34,DF38,収束
係数演算部46において、ダクト2の環境状態の影響さ
れることなく、現在の環境状態に対応した正確な演算結
果を得ることができ、これによっても、残留騒音を速や
かに且つ確実に目標レベル以下に収束させることができ
る。
【0091】また更に、本実施例では、残留騒音の信号
レベルが予め設定された目標レベル以下に達した場合に
は、その後、残留騒音の信号レベルが目標レベルを越え
るか、ダクト2の環境状態が変化するまでの間、フィル
タ係数演算部40によるフィルタ係数Wの更新を禁止す
る。このため、残留騒音を目標レベル以下に低減できて
いるときに、フィルタ係数の更新を継続することによっ
て、フィルタ係数を最適値から外れる方向に更新してし
まい、制御を却って悪化させてしまうといったことはな
く、制御の安定性を向上できる。
【0092】また、本実施例では、ADF32により生
成した制御音信号が予め設定された上限値を越えた場合
には、その後、制御音信号が上限値以下になるまで、フ
ィルタ係数Wを前記(9) 式を用いて更新することによ
り、フィルタ係数Wを補正係数βにて通常より小さい値
に補正する。このため、本発明によれば、収束係数μの
誤演算等によって生じる制御の発散を未然に防止して、
制御を安定性を向上することができる。
【0093】そしてこのように、本実施例では、デジタ
ル信号処理部30において各種演算処理を実行するのに
使用される各パラメータを、ダクト2内の騒音状態,環
境状態に対応した最適値になるように設定し、またその
制御結果(残留騒音,制御音)を監視しながら、ADF
32のフィルタ係数Wの更新を禁止したり、フィルタ係
数Wを補正するようにしているので、これら各対策の相
乗作用によって、ダクト2内,延いてはダクト2の吹出
口から空調空気を受ける室内の騒音を、騒音状態,環境
状態に影響されることなく、常に良好に低減することが
可能になる。
【0094】また更に、本実施例では、こうしたデジタ
ル信号処理部30における演算処理の改善に加えて、騒
音検出マイク10及び残留騒音検出マイク12をダクト
2の側面に設けた防風板9の陰に固定し、しかもその上
流側に空気の流れを層流状態に整流する断面ハニカム格
子状の整流部品8a,8bを設けることにより、ダクト
2内の騒音及び残留騒音を、その周波数特性を変化させ
ることなく、各マイク10,12にて正確に検出できる
ようにしている。従って、本実施例によれば、デジタル
信号処理部30に入力される騒音信号及び残留騒音信号
のコヒーレンスを高めることができ、これによっても、
制御精度を向上して、ダクト2内の騒音低減効果を高め
ることができる。
【0095】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明はこうした実施例に限定されることはなく、
種々の態様をとることができる。例えば、本実施例で
は、送風器6からの空調空気を車室内に送風するダクト
2内の騒音を低減する装置について説明したが、室内の
複数箇所の騒音を検出して、複数のスピーカから室内に
向けて制御音を放射することにより、室内の騒音を直接
低減する装置であっても、本発明を適用して、上記と同
様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のアクティブ型騒音低減装置の構成を
表わすブロック図である。
【図2】 実施例のデジタル信号処理部における演算処
理の実行手順を表わすフローチャートである。
【図3】 従来のアクティブ型騒音低減装置の構成を表
わすブロック図である。
【符号の説明】
2…ダクト 4…吸音材 6…送風器 8a,8
b…整流部品 9…防風板 10…騒音検出マイク 12…残留騒
音検出マイク 14…スピーカ 16…温度センサ 18…湿度セ
ンサ 20…コントローラ 21,22,43,52…増幅
器 23,24,42…アナログフィルタ 25,25,
53…A/D変換器 41…D/A変換器 30…デジタル信号処理部 32…ADF(適応デジタルフィルタ) 40…フィ
ルタ係数演算部 34,38…DF(デジタルフィルタ) 36…加算
部 46…収束係数演算部 48…出力レベル判定部
54…環境判定部 50…騒音レベル判定部 56,58…伝達関数記憶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04R 3/02 G10K 11/16 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被消音空間内に制御音を放射して騒音と
    干渉させ、該空間内の騒音を低減するアクティブ型騒音
    低減装置であって、 騒音源から被消音空間に至る騒音の侵入経路に設けられ
    た騒音検出用マイクロホンと、 制御音信号を受けて被消音空間内に制御音を放射するス
    ピーカと、 該スピーカからの制御音と騒音との干渉後の残留騒音を
    検出する残留騒音検出用マイクロホンと、 前記スピーカから制御音を発生させた制御音信号と、前
    記スピーカから前記騒音検出用マイクロホンに至る系の
    伝達関数に対応した演算パラメータとに基づき、前記騒
    音検出用マイクロホンを介して入力される騒音信号中の
    制御音成分を演算し、該演算結果に応じて該騒音信号を
    補正することにより、被消音空間内の騒音に対応した真
    の騒音信号を算出する騒音信号補正手段と、 該騒音信号補正手段にて得られた騒音信号をフィルタ処
    理して、前記制御音信号を生成する、フィルタ係数を更
    新可能なFIRフィルタからなる適応デジタルフィルタ
    と、 前記騒音信号補正手段にて得られた騒音信号と、前記残
    留騒音検出用マイクロホンを介して入力される残留騒音
    信号と、予め設定された収束係数と、前記スピーカから
    前記残留騒音検出用マイクロホンに至る系の伝達関数に
    対応した演算パラメータとに基づき、残留騒音信号が最
    小となるように前記適応デジタルフィルタのフィルタ係
    数を逐次更新するフィルタ係数更新手段と、 前記騒音信号補正手段にて得られた全騒音信号の自乗総
    和を刻々求め、該自乗総和をパラメータとする所定の演
    算式を用いて、前記フィルタ係数更新手段にてフィルタ
    係数の更新に用いられる収束係数を逐次算出する収束係
    数演算手段と、 を備えたことを特徴とするアクティブ型騒音低減装置。
  2. 【請求項2】 被消音空間内に制御音を放射して騒音と
    干渉させ、該空間内の騒音を低減するアクティブ型騒音
    低減装置であって、 騒音源から被消音空間に至る騒音の侵入経路に設けられ
    た騒音検出用マイクロホンと、 制御音信号を受けて被消音空間内に制御音を放射するス
    ピーカと、 該スピーカからの制御音と騒音との干渉後の残留騒音を
    検出する残留騒音検出用マイクロホンと、 前記スピーカから制御音を発生させた制御音信号と、前
    記スピーカから前記騒音検出用マイクロホンに至る系の
    伝達関数に対応した演算パラメータとに基づき、前記騒
    音検出用マイクロホンを介して入力される騒音信号中の
    制御音成分を演算し、該演算結果に応じて該騒音信号を
    補正することにより、被消音空間内の騒音に対応した真
    の騒音信号を算出する騒音信号補正手段と、 該騒音信号補正手段にて得られた騒音信号をフィルタ処
    理して、前記制御音信号を生成する、フィルタ係数を更
    新可能なFIRフィルタからなる適応デジタルフィルタ
    と、 前記騒音信号補正手段にて得られた騒音信号と、前記残
    留騒音検出用マイクロホンを介して入力される残留騒音
    信号と、予め設定された収束係数と、前記スピーカから
    前記残留騒音検出用マイクロホンに至る系の伝達関数に
    対応した演算パラメータとに基づき、残留騒音信号が最
    小となるように前記適応デジタルフィルタのフィルタ係
    数を逐次更新するフィルタ係数更新手段と、 前記騒音信号補正手段及びフィルタ係数更新手段にて使
    用される前記各演算パラメータのうちの少なくとも一つ
    を、被消音空間内の温度・湿度等の環境状態を区分した
    各環境状態毎に各々設定してなる演算データを記憶する
    演算データ記憶手段と、 前記被消音空間内の温度・湿度等の環境状態を検出する
    環境状態検出手段と、 該環境状態検出手段にて検出された環境状態に基づき、
    上記演算データ記憶手段に記憶された演算データの中か
    ら現在の環境状態に適合する演算パラメータを選択し、
    前記騒音信号補正手段及びフィルタ係数更新手段にて使
    用される演算パラメータのうちの少なくとも一つを、該
    選択した演算パラメータに変更する演算パラメータ変更
    手段と、 を備えたことを特徴とするアクティブ型騒音低減装置。
  3. 【請求項3】 被消音空間内に制御音を放射して騒音と
    干渉させ、該空間内の騒音を低減するアクティブ型騒音
    低減装置であって、 騒音源から被消音空間に至る騒音の侵入経路に設けられ
    た騒音検出用マイクロホンと、 制御音信号を受けて被消音空間内に制御音を放射するス
    ピーカと、 該スピーカからの制御音と騒音との干渉後の残留騒音を
    検出する残留騒音検出用マイクロホンと、 前記スピーカから制御音を発生させた制御音信号と、前
    記スピーカから前記騒音検出用マイクロホンに至る系の
    伝達関数に対応した演算パラメータとに基づき、前記騒
    音検出用マイクロホンを介して入力される騒音信号中の
    制御音成分を演算し、該演算結果に応じて該騒音信号を
    補正することにより、被消音空間内の騒音に対応した真
    の騒音信号を算出する騒音信号補正手段と、 該騒音信号補正手段にて得られた騒音信号をフィルタ処
    理して、前記制御音信号を生成する、フィルタ係数を更
    新可能なFIRフィルタからなる適応デジタルフィルタ
    と、 前記騒音信号補正手段にて得られた騒音信号と、前記残
    留騒音検出用マイクロホンを介して入力される残留騒音
    信号と、予め設定された収束係数と、前記スピーカから
    前記残留騒音検出用マイクロホンに至る系の伝達関数に
    対応した演算パラメータとに基づき、残留騒音信号が最
    小となるように前記適応デジタルフィルタのフィルタ係
    数を逐次更新するフィルタ係数更新手段と、 前記残留騒音検出用マイクロホンを介して入力される残
    留騒音信号が予め設定された目標レベル以下に達したか
    否かを判定する残留騒音判定手段と、 該残留騒音判定手段にて残留騒音信号が目標レベル以下
    に達したと判定されると、その後、前記残留騒音判定手
    段にて残留騒音信号が目標レベルを越えたと判定される
    までの間、前記フィルタ係数更新手段によるフィルタ係
    数の更新を禁止する更新禁止手段と、 を備えたことを特徴とするアクティブ型騒音低減装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のアクティブ型騒音低減
    装置において、 被消音空間内の温度・湿度等の環境状態を検出する環境
    状態検出手段と、 該環境状態検出手段にて検出された被消音空間内の環境
    状態が変化したか否かを判定する環境変化判定手段と、 を備え、前記更新禁止手段は、前記フィルタ係数更新手
    段によるフィルタ係数の更新を禁止しているときに、前
    記環境変化判定手段にて被消音空間内の環境状態が変化
    したと判断されると、前記フィルタ係数更新手段による
    フィルタ係数の更新を再開させることを特徴とするアク
    ティブ型騒音低減装置。
  5. 【請求項5】 被消音空間内に制御音を放射して騒音と
    干渉させ、該空間内の騒音を低減するアクティブ型騒音
    低減装置であって、 騒音源から被消音空間に至る騒音の侵入経路に設けられ
    た騒音検出用マイクロホンと、 制御音信号を受けて被消音空間内に制御音を放射するス
    ピーカと、 該スピーカからの制御音と騒音との干渉後の残留騒音を
    検出する残留騒音検出用マイクロホンと、 前記スピーカから制御音を発生させた制御音信号と、前
    記スピーカから前記騒音検出用マイクロホンに至る系の
    伝達関数に対応した演算パラメータとに基づき、前記騒
    音検出用マイクロホンを介して入力される騒音信号中の
    制御音成分を演算し、該演算結果に応じて該騒音信号を
    補正することにより、被消音空間内の騒音に対応した真
    の騒音信号を算出する騒音信号補正手段と、 該騒音信号補正手段にて得られた騒音信号をフィルタ処
    理して、前記制御音信号を生成する、フィルタ係数を更
    新可能なFIRフィルタからなる適応デジタルフィルタ
    と、 前記騒音信号補正手段にて得られた騒音信号と、前記残
    留騒音検出用マイクロホンを介して入力される残留騒音
    信号と、予め設定された収束係数と、前記スピーカから
    前記残留騒音検出用マイクロホンに至る系の伝達関数に
    対応した演算パラメータとに基づき、残留騒音信号が最
    小となるように前記適応デジタルフィルタのフィルタ係
    数を逐次更新するフィルタ係数更新手段と、 前記適応デジタルフィルタにて生成された制御音信号が
    予め設定された上限値を越えたか否かを判定する制御音
    信号判定手段と、 該制御音信号判定手段にて制御音信号が上限値を越えた
    と判断されると、その後、該制御音信号が上限値以下に
    なるまで、上記フィルタ係数更新手段による演算結果に
    1より小さい補正係数を乗じて、前記適応デジタルフィ
    ルタのフィルタ係数を通常より小さい値に補正するフィ
    ルタ係数補正手段と、 を備えたことを特徴とするアクティブ型騒音低減装置。
  6. 【請求項6】 騒音検出用マイクロホン,スピーカ,及
    び残留騒音検出用マイクロホンは、空気が流れる送風路
    の送風器から吹出口までの間の経路に、空気の流れに沿
    って上流側から順に設けられ、しかも各マイクロホン
    は、該送風路の側面に形成された防風板の陰に取り付け
    られていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいず
    れかに記載のアクティブ型騒音低減装置。
  7. 【請求項7】 送風路の各マイクロホンの取付位置近傍
    の上流側には、空気の流れを層流状態に整流する整流部
    品を設けたことを特徴とする請求項6に記載のアクティ
    ブ型騒音低減装置。
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