JP2002328681A - 能動的騒音制御装置 - Google Patents

能動的騒音制御装置

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JP2002328681A
JP2002328681A JP2001131786A JP2001131786A JP2002328681A JP 2002328681 A JP2002328681 A JP 2002328681A JP 2001131786 A JP2001131786 A JP 2001131786A JP 2001131786 A JP2001131786 A JP 2001131786A JP 2002328681 A JP2002328681 A JP 2002328681A
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noise
primary
signal
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JP2001131786A
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Minoru Kasama
稔 笠間
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音検知手段における騒音と反射波の打ち消
しあいによる見かけ上のピークによらず、本来の伝達特
性に基づいて適切に消音を行うことができる能動騒音制
御装置を提供する。 【解決手段】 開口端20を備え内部の音源からの一次
音が当該開口端側へ伝播するダクト構造2と、当該ダク
ト構造2内に設けられ当該一次音を計測し一次音信号を
得る一次音センサ3と、当該一次音信号と所定演算係数
とに基づいて当該一次音を打ち消すような制御信号を出
力する信号処理手段4と、当該一次音センサよりも開口
端20側に設けられ当該制御信号に基づいて二次音を当
該ダクト構造内へ放射するアクチュエータ5と、当該ア
クチュエータ5よりも開口端20側に設けられ当該一次
音と二次音との干渉音を検知する干渉音センサ6と、当
該干渉音がより小さくなるように当該信号処理手段4の
所定演算係数を変更する適応推定手段8とを備える能動
的騒音制御装置において、当該一次音センサ3は、一次
音の伝搬方向に複数設けられるサブ一次音センサ31〜
34を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、騒音と同振幅・逆
位相の二次音を生成、放射して騒音を能動的に打ち消す
能動的騒音制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】能動的騒音制御装置の分野における従来
技術としては、騒音源をダクトと呼ばれる長筒型の箱で
覆って、このダクト内部を伝搬する騒音を一次元平面波
とみなし、この平面波と同振幅かつ逆位相の二次音をダ
クト壁面に取り付けられた音響スピーカから放射して両
者の干渉によって積極的に騒音を低減する能動騒音制御
装置が知られている。例えば、特開平4−34598号
公報の家庭用冷蔵庫のコンプレッサ音に適用した事例
や、特開平7−219558号公報の空調用ダクトに適
用した事例などが挙げられる。この種の能動型消音装置
においては、ダクト内部の温度変化や制御スピーカの特
性変動に対しても消音低減効果を最適に維持するという
目的で、この変動に追従させて信号処理装置の演算係数
を調整する適応演算手段が設けられている。
【0003】図7は従来の能動騒音制御装置の一例を示
す図である。図7において、騒音源100を囲うように
一端が開放されているダクト200が設けられている。
このダクト200は、騒音源100から発生する音波の
発生を一次元方向(ダクト開放端方向)へと制限するこ
とで、ダクト200内部を伝搬する騒音を一次平面波と
みなすようにするためのものである。そして、ダクト2
00内部の騒音源100の近傍には、騒音源100から
発生する騒音を検知し、電気信号へと変換する騒音検知
手段300が設置されている。騒音検知手段300で得
られた騒音信号は、信号処理部400へ送られ、信号処
理部400内に予め設定された演算係数に従って、制御
用信号が算出される。算出された制御用信号は、二次音
放射スピーカ500から二次音としてダクト200内部
に放射され、騒音源100から伝搬してくる騒音と干渉
する。
【0004】このとき、二次音と騒音とが完全に同振幅
かつ逆位相の関係にあった場合には、両者は互いに打ち
消し合い、干渉後の音圧は0となるが、実際には両者の
間には多少の誤差が存在するので、干渉後も音圧は0と
はならない。そこで、誤差として残された音圧を検知す
る誤差検知手段600を二次音放射スピーカ500より
もダクト200の開口端側に設けておく。この誤差信号
と騒音検知手段300からの信号に固定的処理を行うフ
ィルタ処理部700の出力とから、誤差検知マイク60
0が検出する誤差を最小化するような新たな演算係数を
適応推定部800で計算し、その計算結果によって信号
処理部400内の演算係数を更新する。このような信号
処理を継続していくことにより、誤差検知マイク600
により検知される誤差は最小化され、十分な消音効果が
得られるようになる。また誤差を最小化する適応推定ア
ルゴリズムとしてはFiltered-X LMSアルゴリズム等が知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、騒音源から
放射された騒音Nはダクト200内部を伝播してダクト
200の開口部へと至った際に、そのままダクト200
出口から放射される成分N1とダクト200の開口端付
近において反射される成分N2とに分けられる。図8
は、ダクト200の開口端からそのまま放射される騒音
成分N1と、反射される騒音成分N2とを説明するもの
である。そして反射された成分N2は再びダクト200
内部を伝播し、騒音源100から放射されている騒音N
と干渉を起こす。この干渉によってダクト200内部に
おいて特定の周波数の騒音Nと反射波N2が打ち消しあ
う現象が起こる。この特定の周波数fzはダクト200
における一次元波動方程式より規定され、次式であらわ
すことができる。
【0006】 fz=nc/2(l−x)〔Hz〕…式(1)
【0007】なお、nは自然数(1、2、…)であり、
cは音速〔m/sec〕、lは騒音源からのダクト長さ
を、xはダクト内の騒音源からの距離をそれぞれ示して
いる。この式(1)から距離xの値が小さい(騒音源1
00に近い位置)ほど、特定の周波数fzが最初に現れ
る周波数(n=1)が低くなり、距離xの値が大きくな
るほど、特定の周波数fzが最初に現れる周波数(n=
1)が高くなることを示している。例えば、全長が500m
mで断面寸法が100mm×100mmであるようなダクトを想定
してみると、ダクトの最も奥(x≒0)では290Hz前後
に最初(n=1)の打ち消しあう周波数fzが現れるの
に対して、ダクト出口近傍(x≒l)においては打ち消
しあう周波数fzが最初(n=1)に現れるのは数kHz以
上となる。
【0008】一方、従来の一般的な能動騒音制御装置に
おいては、騒音検知手段300を騒音源1近傍(x≒
0)に設置し、誤差検知手段6を開口端近傍(x≒l)
に設置する。そして、騒音検知手段300と誤差検知手
段600の間の伝達特性を元に適応推定が行われ、信号
処理部400が最適化される。
【0009】しかしながら、前述したようにダクトの奥
(x≒0)とダクト開口端(x≒l)においては騒音と
反射波が打ち消しあう周波数fzが異なる。特にこの種
の能動騒音制御装置が対象としている低い周波数の領域
(周波数1kHzから500Hz未満)においては、ダクト開口
端(x≒l)においてはこの打ち消しあう周波数が現れ
ないのに対し、ダクト奥(x≒0)の騒音検知手段では
この対象周波数範囲の中に打ち消しあいの周波数fz
現れてしまう。
【0010】このような場合に騒音検知手段300と誤
差検知手段600との間の伝達特性を求めると、騒音検
知手段300の信号振幅が小さくなる打ち消しあいの周
波数fzにおいてピークを持ってしまう。図9は、騒音
検知手段300の出力値In〔dB〕、誤差検知手段6
の出力値Out〔dB〕、騒音検知手段300と誤差検
知手段600との間の周波数伝達特性FRFのゲイン
〔dB〕の関係を示すものである。ここで、騒音検知手
段300の出力値Inは、反射波が打ち消しあう周波数
z(1)〜(3)において大きく落ち込んでいる。一
方、誤差検知手段600の出力値Outは、反射波が打
ち消しあう周波数fz(1)〜(3)において特に影響
を受けない。その結果、周波数伝達特性FRF=Out
/Inの値は、各周波数fz(1)〜(3)においてピ
ークを有する。これは、実際のダクト200における騒
音増幅現象である共鳴周波数fs(1)〜(3)とは異
なる、「見かけ上の」ピークでしかない。
【0011】適応推定部800による信号処理部400
の最適化は基本的にこの周波数伝達特性FRF1のピー
クを重視した結果に収束することを考えると、この「見
かけ上の」ピークに対して信号処理部400の最適化が
行われるのは騒音軽減効果が低下してしまう。また、信
号処理部400側から見れば、この見かけ上のピークに
対応するために、本来騒音低減とは無関係な、騒音検知
手段300における騒音と反射波の打ち消しあいによる
ゲイン不足を補う制御を行っているとも考えられ、余計
な二次放射音をダクト200内部に放射することとな
る。これはハウリング抑制の点からも改善されなければ
ならない。
【0012】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、騒音検知手段における騒音
と反射波の打ち消しあいによる見かけ上のピークによら
ず、本来の伝達特性に基づいて適切に消音を行うことが
できる能動騒音制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、開口
端を備え内部の音源からの一次音が当該開口端側へ伝播
するダクト構造と、当該ダクト構造内に設けられ当該一
次音を計測し一次音信号を得る一次音センサと、当該一
次音信号と所定演算係数とに基づいて当該一次音を打ち
消すような制御信号を出力する信号処理手段と、当該一
次音センサよりも開口端側に設けられ当該制御信号に基
づいて二次音を当該ダクト構造内へ放射するアクチュエ
ータと、当該アクチュエータよりも開口端側に設けられ
当該一次音と二次音との干渉音を検知する干渉音センサ
と、当該干渉音がより小さくなるように当該信号処理手
段の所定演算係数を変更する適応推定手段とを備える能
動的騒音制御装置において、当該一次音センサは、一次
音の伝搬方向に複数設けられるサブ一次音センサを有す
るものである。
【0014】そして、前記一次音センサは、各サブ一次
音センサからのサブ一次音出力の総和又は平均を前記一
次音信号として前記信号処理手段へ出力することができ
る。また、前記各サブ一次センサは、前記一次音の消音
対象周波数内の各共鳴モードの位相が一致している領域
内にすべて設けることができる。さらに、前記各サブ一
次音センサは、前記一次音の消音対象周波数に含まれる
最も周波数の高い共鳴モードにおいて音源から最も近い
節位置と音源位置との間にすべて設けることができる。
なお、前記消音対象周波数としては、例えば1〔kH
z〕以下、又は500〔Hz〕以下とすることができ
る。
【0015】能動的騒音制御装置をこのように構成する
ことにより、次のような作用効果を奏する。
【0016】第一に、サブ一次音センサが検知する音響
は、先に述べた音源から直接サブ一次音センサに伝搬す
る騒音Nと、開口端から反射してサブ一次音センサに伝
搬する反射音N2とであるが、各サブ一次音センサが設
けられる位置が一次音の伝搬方向にそれぞれ異なるた
め、騒音Nと反射音N2とが打ち消し合う周波数が各サ
ブ一次音センサにより相違する(例えば、図9のf
z(1)の値は、各サブ一次音センサ(の位置)により
異なる)。したがって、各サブ一次音出力の総和や平均
値をとることにより、打ち消し合う周波数(図9のfz
(1)〜(3)参照)における伝達特性のゲインの低下
を各一次音出力が互いに補い合い、本来の伝達特性によ
り近い伝達特性に基づいて騒音制御を行うことができ
る。
【0017】第二に、各サブ一次音センサは、一次音の
消音対象周波数内の各共鳴モードの位相が一致している
領域内にすべて設けられるため、各サブ一次音出力の総
和や平均値をとっても、共鳴モード成分の打ち消し合い
(例えば、一のサブ一次音センサと他の一次音センサと
が共鳴モードの節を挟んで存在する場合に生じ得る)を
回避することができ、本来の伝達特性により近い伝達特
性(FRF)に基づいて騒音制御を行うことができる。
【0018】
【発明の実施による形態】以下、実施例に基づいて本発
明の実施による形態を説明する。
【0019】実施例 図1は、本発明の実施例に係る能動的騒音制御装置の構
成を説明するものである。同図に示すように、この能動
的騒音制御装置は、開口端20を備え内部の騒音源(音
源)1からの騒音(一次音)が当該開口端20側へ伝播
するダクト(ダクト構造)2と、当該ダクト2内の騒音
源1近傍に設けられ当該騒音を計測し騒音信号(一次音
信号)を得る騒音センサ(一次音センサ)3と、当該騒
音信号と適応FIRフィルタ(所定演算係数)とに基づ
いて当該騒音を打ち消すような制御信号を出力する信号
処理部(信号処理手段)4と、当該騒音センサ3よりも
開口端20側に設けられ当該制御信号に基づいて制御音
(二次音)を当該ダクト20内へ放射する制御音放射ス
ピーカ(アクチュエータ)5と、当該制御音放射スピー
カ5よりも開口端20側に設けられ当該騒音と制御音と
の干渉音を検知する誤差センサ(干渉音センサ)6と、
信号処理部4から誤差センサ6までの伝達特性と同じ周
波数特性を持つフィルタ処理部7と、当該干渉音がより
小さくなるように当該信号処理部4の適応FIRフィル
タを変更する適応推定部(適応推定手段)8とを備えて
いる。
【0020】ダクト2は、その断面形状を、騒音源1か
ら放射される音波を平面波と見なせる程度に、消音すべ
き騒音の波長に比べて十分小さくしてある。なお、本実
施例では、ダクト2の中空部断面は100〔mm〕×1
00〔mm〕の正方形であり、その長さは500〔m
m〕である。また、このダクト2の一端は開口端20で
あり、他端は閉口端21である。さらに、開口端20に
誤差センサ6が、閉口端21に騒音源1が設けられてい
る。
【0021】騒音センサ3は、騒音の伝搬方向に4つ
(複数)設けられるサブ騒音センサ31〜34と、それ
ら4つのサブ騒音センサ31〜34の出力x1〜x4をそ
れぞれ足し合わせて総和値x(=x1+x2+x3+x4
を出力する加算部30aとから構成されている。なお、
加算部30aの代わりに、4つのサブ騒音センサ31〜
34の出力x1〜x4の平均値x'(=(x1+x2+x3
4)/4)を出力する平均化部30bを備えるもので
もよい。
【0022】これらのサブ騒音センサ31〜34は、ダ
クト2内の次のような範囲内の各位置にそれぞれ設けら
れている。
【0023】図2は、ダクト2に生じる共鳴モードの音
圧分布を示す。一次モード〜三次モード(137〔H
z〕、410〔Hz〕、682.8〔Hz〕)の各共鳴
モードにおいて、閉口端21は各共鳴モードにおいて常
に「腹」となり、開口端20から開口端補正値分離れた
位置Jは各共鳴モードにおいて常に「節」となる。ここ
で、本実施例に係る能動的騒音制御装置において消音対
象周波数を500〔Hz〕以下とすると、消音対象周波
数範囲内の共鳴モードは一次モードと二次モードとな
る。そして、これらのうち最も周波数の高い二次モード
の「節」の位置に着目し、閉口端21から最も近い
「節」J1(2)を選択する。
【0024】そして、閉口端21から当該「節」J
1(2)までの範囲(本実施例では210〔mm〕)
に、サブ騒音センサ31〜34はすべて設けられてい
る。より詳細には、サブ騒音センサ31は閉口端21
に、サブ騒音センサ32は閉口端21から5〔mm〕開
口端20側に、サブ騒音センサ33は閉口端21から1
0〔mm〕開口端20側に、サブ騒音センサ34は閉口
端21から15〔mm〕開口端20側に、それぞれ設け
られている。
【0025】この節J1(2)の位置よりも閉口端20
(騒音源1)側の範囲では、消音対象周波数範囲内の全
ての共鳴モード(本実施例では一次モードと二次モー
ド)の位相が揃っているので、この範囲に複数のサブ騒
音センサ31〜34を設け、その出力x1〜x4を加算し
ても、各出力x1〜x4に含まれる共鳴モードの成分は打
ち消しあうことがない。
【0026】図3は、各サブ騒音センサ31〜34の出
力の周波数特性を説明するグラフである。このグラフの
縦軸は各サブ騒音センサ31〜34の出力を等価騒音レ
ベル〔dB〕で示し、横軸は周波数を〔Hz〕で示して
いる。このグラフにおいて、各出力x1〜x4の共通峰の
周波数がダクト2の共鳴周波数fS(1)、fS(2)に
相当し、谷の周波数が騒音Nと反射波N2の打ち消しあ
いの周波数fZ(1)に相当する(図8、図9参照)。
共鳴周波数fS(1)、fS(2)がサブ騒音センサ31
〜34によらず(サブ騒音センサの位置によらず)一定
なのに対して、打ち消しあいの周波数fz(1)はサブ
騒音センサ31〜34により(サブ騒音センサの位置に
より)それぞれ異なる。つまり、各サブ騒音センサ31
〜34の打ち消しあいの周波数をfZ1(1)〜f
Z4(1)とすると、fZ1(1)<fZ2(1)<f
Z3(1)<fZ4(1)の関係が存在する。
【0027】図4は、サブ騒音センサ31の出力と加算
部30aの出力との周波数特性を説明するグラフであ
る。このグラフの縦軸はサブ騒音センサ31の出力x1
と加算部30aの出力xとを等価騒音レベル〔dBA〕
で示し、横軸は周波数を〔Hz〕で示している。なお、
サブ騒音センサ31の出力x1は、図7に示した従来の
能動的騒音制御装置の騒音検知手段300の出力と同様
となる。加算部30aの出力xのグラフは、各サブ騒音
センサ31〜34の出力x1〜x4の谷の部分(周波数f
Z1(1)〜fZ4(1)、図3参照)が互いに補い合うこ
とで騒音Nと反射音N2との打ち消しあいによる影響を
排除し、共鳴モードの峰(周波数fS(1)、f
S(2)、図3参照)のみが表れている。
【0028】次に、この能動的騒音制御装置の制御方法
について説明する。
【0029】図5は、本実施例に係る能動的騒音制御装
置の信号の流れを示すブロック図である。ここで信号x
kは騒音センサ3により計測される騒音信号を、信号dk
は制御音放射スピーカ5位置における騒音信号を、信号
kは信号処理部から出力される制御信号を、信号ek
誤差センサ6が検知する干渉音信号である。また、未知
システムWは騒音源1から制御音放射スピーカ5までの
騒音の伝達特性を、誤差経路Gは制御音スピーカ5から
誤差センサ6までの干渉音の伝達特性を、適応FIRフ
ィルタは騒音信号xkに対する制御信号ykの伝達特性を
それぞれ示している。
【0030】ここでたたみ込み演算子を(*)として表
し、誤差経路Gをフィルタ長M+1のFIRフィルタ
(フィルタ係数をgとする)で表すと、干渉音信号ek
は、次の式(2)のように表現することができる。
【0031】 ek=g*(dk+yk) =g*(dk+h*xk) =g*dk+g*h*xk =g*dk+h*g*xk…式(2)
【0032】また勾配ベクトルの推定値∇kは、次の式
(3)のように表現することができる。
【0033】 ∇k=∂ek/∂hk =2ek(∂ek/∂hk) =2ekg*xk…式(3)
【0034】したがって、フィルタ係数ベクトルの更新
式は、次の式(4)のように表現することができる。
【0035】hk+1=hk−2μekg*xk…式(4)
【0036】つまり、適応推定部8は、時刻kでの適応
FIRフィルタのフィルタ係数hk、予め設定されるス
テップサイズパラメータμ、時刻kでの瞬時干渉音信号
k、時刻kでの瞬時騒音信号xk、誤差経路Gのフィル
タ係数gに基づき、時刻k+1での適応FIRフィルタ
のフィルタ係数hk+1を求め、信号処理部4の適応FI
Rフィルタを更新している。
【0037】ここで、誤差経路Gの特性は次のように予
め求めておく。すなわち、予めFFT(高速フーリエ変
換)解析装置などを用いて測定した周波数応答関数(F
RF)を、フーリエ逆変換することによってインパルス
応答を求め、それをそのままFIRフィルタの係数gと
することができる。
【0038】本実施例に係る能動的騒音制御装置では、
第一にサブ騒音センサ31〜34の出力の総和を取り、
反射音N2の打ち消しあう周波数の影響を相殺するた
め、第二にサブ騒音センサ31〜34はいずれも騒音の
消音対象周波数内の各共鳴モードの位相が一致している
領域内に設けられ、共鳴モード成分の打ち消し合いの影
響を回避することができ、より本来の周波数応答関数に
近い周波数応答関数FRFを得ることができる。その結
果、共鳴音の制御に関係のない音の放射を抑制し、低減
効果の向上やハウリングの抑制に効果を発揮する。
【0039】図6は、本実施例に係る能動的騒音制御装
置により得られる周波数応答関数FRFと、従来の能動
的騒音制御装置により得られる周波数応答関数FRFと
を比較するものである。このグラフの縦軸はFRFのゲ
インを〔Mag(Magnitude)〕で、横軸は周波数を
〔Hz〕で示す。このグラフに示すように、本実施例に
係る能動的騒音制御装置では、ダクト2の共鳴周波数f
S(1)、fS(2)におけるFRFのゲインにピークが
あるのみだが、従来の能動的騒音制御装置(図7参照)
では、ダクト2の共鳴周波数fS(1)、fS(2)にお
けるFRFのゲインのピークも、反射波N2による打ち
消しあいの周波数fZ(1)におけるFRFのゲインの
ピークが大きくなっている。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る能
動騒音制御装置によれば、適応推定部による信号処理部
を最適化する際の情報として、ダクトの共鳴周波数に一
致したダクト内部の伝達特性の情報を使うことができる
ようになり、共鳴音の制御に関係のない音の放射を抑制
し、低減効果の向上やハウリングの抑制に効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例に係る能動的騒音制御装置の構
成を説明するものである。
【図2】図2は、ダクトの共鳴モードを説明するもので
ある。
【図3】図3は、各サブ騒音センサによる出力の周波数
特性を説明するグラフである。
【図4】図4は、一のサブ騒音センサによる出力とすべ
てのサブ騒音センサの合計出力との周波数特性を説明す
るグラフである。
【図5】図5は、図1に示した能動的騒音制御装置のブ
ロック図である。
【図6】図6は、図1に示した能動的騒音制御装置の効
果を説明するグラフである。
【図7】図7は、従来の能動的騒音制御装置を説明する
ものである。
【図8】図8は、ダクト内の騒音の伝搬を説明するもの
である。
【図9】図9は、従来の能動的騒音制御装置の問題点を
説明するものである。
【符号の説明】
1…騒音源(音源)、2…ダクト(ダクト構造)、20
…開口端、21…閉口端、3…騒音センサ(一次音セン
サ)3と、30a…加算部、30b…平均化部、31〜
34…サブ騒音センサ、4…信号処理部(信号処理手
段)4と、5…制御音放射スピーカ5と、6…誤差セン
サ(干渉音センサ)、7…フィルタ処理部、8…適応推
定部(適応推定手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口端を備え内部の音源からの一次音が
    当該開口端側へ伝播するダクト構造と、当該ダクト構造
    内に設けられ当該一次音を計測し一次音信号を得る一次
    音センサと、当該一次音信号と所定演算係数とに基づい
    て当該一次音を打ち消すような制御信号を出力する信号
    処理手段と、当該一次音センサよりも開口端側に設けら
    れ当該制御信号に基づいて二次音を当該ダクト構造内へ
    放射するアクチュエータと、当該アクチュエータよりも
    開口端側に設けられ当該一次音と二次音との干渉音を検
    知する干渉音センサと、当該干渉音がより小さくなるよ
    うに当該信号処理手段の所定演算係数を変更する適応推
    定手段とを備える能動的騒音制御装置において、 当該一次音センサは、一次音の伝搬方向に複数設けられ
    るサブ一次音センサを有することを特徴とする能動的騒
    音制御装置。
  2. 【請求項2】 前記一次音センサは、各サブ一次音セン
    サからのサブ一次音出力の総和又は平均を前記一次音信
    号として前記信号処理手段へ出力する請求項1に記載の
    能動的騒音制御装置。
  3. 【請求項3】 前記各サブ一次センサは、前記一次音の
    消音対象周波数内の各共鳴モードの位相が一致している
    領域内にすべて設けられる請求項1又は2に記載の能動
    的騒音制御装置。
  4. 【請求項4】 前記各サブ一次音センサは、前記一次音
    の消音対象周波数に含まれる最も周波数の高い共鳴モー
    ドにおいて音源から最も近い節位置と音源位置との間に
    すべて設けられる請求項1〜3のいずれかに記載の能動
    的騒音制御装置。
  5. 【請求項5】 前記消音対象周波数が500〔Hz〕以
    下である請求項1〜4のいずれかに記載の能動的騒音制
    御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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