JPH0869291A - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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JPH0869291A
JPH0869291A JP6225933A JP22593394A JPH0869291A JP H0869291 A JPH0869291 A JP H0869291A JP 6225933 A JP6225933 A JP 6225933A JP 22593394 A JP22593394 A JP 22593394A JP H0869291 A JPH0869291 A JP H0869291A
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JP
Japan
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signal detecting
acoustic sensor
reference signal
detecting acoustic
secondary sound
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JP6225933A
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Masanobu Tsukuda
昌宣 佃
Masao Taki
昌生 多氣
Takashi Mori
卓支 森
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L55/00Devices or appurtenances for use in, or in connection with, pipes or pipe systems
    • F16L55/02Energy absorbers; Noise absorbers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pipe Accessories (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 短い管路に適用でき、かつ騒音の性質に適応
的に追随できるデジタル信号処理を使用した能動型の消
音装置を得る。 【構成】 消音装置の主たる構成は、制御対象音が伝搬
する管路1と、その管路1に配置される能動消音用の2
次音源2,3と、その2次音源2,3の管路軸方向両側
に離れた管路1内にそれぞれ配置される二つの参照信号
検出用音響センサ4,5と、管路1内の適当な位置に配
置される誤差信号検出用音響センサ6と、2次音源2,
3の下流側に置いた参照信号検出用音響センサ5より更
に下流側に配置される音響反射面7と、二つの参照信号
検出用音響センサ4,5の信号と誤差信号検出用音響セ
ンサ6の信号とを入力しデジタル信号処理し2次音源
2,3に制御対象音と逆位相の音波信号を与える制御部
8とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消音システムに関す
る。更に詳述すると、本発明は、管路系騒音を制御対象
とする消音装置、あるいは制御対象騒音を発する制御対
象の開口部に設置するための管路形状を有する消音装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】管路系騒音の騒音制御には、これまで干
渉型、共鳴型、吸音型などに分類される受動型消音器が
主に用いられてきた。しかし、これらの受動型消音器
は、低周波領域で十分な性能が得にくい等の問題点が指
摘されてきた。この問題を解決し、一層すぐれた消音性
能を実現するための新しい技術として、能動騒音制御技
術が近年注目され、多くの研究開発が行われている。能
動騒音制御技術とは、騒音(1次音)と逆位相・同振幅
の音波を2次音源と呼ばれる人為的に付加した音源によ
って生成し、これを騒音(1次音)と重畳して打ち消し
て騒音を低減する技術である。なお、この技術の基本的
なアイデアは1934年に P. Luegによって特許が取ら
れている( U.S.P. No.2043416)。そして、装置として
実現するための技術的背景が確立した1970年以降に
急速に研究・開発が進んできている。
【0003】この結果、管路系騒音の制御に、この技術
を適用したこれまでの例は数多く、しかもその代表的な
方式は、フィードフォワード方式と呼ばれるものであ
る。この方法の一例が、図5に示すもので、昭和63年
2月22日に発行された日経メカニカルno.265の
40頁から42頁にその詳細が記載されている。これ
は、管路51の上流に設けたマイクロフォン52で騒音
を測定し、得られた信号を逆位相の信号に制御回路53
で変換し、管路51内にあるスピーカ54に流し2次音
を発生させている。上流のマイクロフォン52とスピー
カ54は約1.5m離れており、騒音がマイクロフォン
52を設置した位置からスピーカ54を設置した位置へ
伝わるのに約4msの時間がある。この時間を利用して
信号処理を行っている。なお、正確な逆位相の2次音を
出すには、制御回路53中のデジタルフイルタの位相や
振幅などのパラメータを精度良く設定する必要がある。
このため、管路51の下流側に誤差信号検出用のマイク
ロフォン55を設置している。そして、まず、スピーカ
54から参照音を出し、両方のマイクロフォン52,5
5に入る波形を測定することによって、管路51の伝達
特性を制御回路53のマイコンに取り込むようにしてい
る。その後、騒音が発生するとこの消音システムが作動
する。この時、下流側のマイクロフォン55で検知する
騒音が小さくなるように、制御回路53のデジタルフイ
ルタのパラメータをシステムが自動的に補正する。
【0004】このような方式では、2次音源であるスピ
ーカ54の十分上流側に参照信号検出用音響センサとな
るマイクロフォン52を置くことにより、マイクロフォ
ン52の位置からスピーカ54の位置まで騒音が伝わる
時間を、電気的信号処理に必要な時間より大とすること
ができ、騒音に先行して望ましい2次音を生成すること
ができるため、適切に信号処理を行えば、原理的には完
全に消音を行うことが可能となるものである。なお、こ
の方式では、デジタル信号処理を用いた適応信号処理を
行うことにより、優れた消音効果が得られている。
【0005】また、参照信号検出用音響センサと2次音
源との距離を短くしたい場合には、フィードフォワード
方式とは別の方式である予測型方式と呼ばれるものがあ
る。即ち、騒音信号変動の統計的性質に基づき、騒音の
波形を予測することによって必要な2次音の波形を推定
し、能動消音を行なうものである。この方式の場合、騒
音信号が周期的であれば、予測を容易に行うことが可能
なため、十分な消音効果を得ることができる。また、信
号処理の遅延時間に比べて時間的変化の緩やかな騒音の
低周波成分に対しては、ある程度の効果が得られる。し
かし、比較的高い周波数成分を含む非周期的な広帯域騒
音に対しては、予測可能な時間(相関時間と呼ばれる)
に比べてデジタル信号処理の遅延が大きいため、予測型
の方式では十分な効果が得られない。
【0006】ところで、アナログ信号処理では、その遅
延時間は、主にスピーカの機械的インピーダンスに起因
し、マイクロフォンで検出してから音波を生成するまで
の遅延時間は約0.3msecとなり、デジタル信号処
理の場合に必要とする遅延時間に比べてはるかに小さ
い。そこでアナログ信号処理を用いれば、必要な予測時
間が短くて良いため、500Hz程度までに帯域の制限
された騒音に対しては、予測型であっても実用的にはか
なり満足できる消音効果を得ることが期待できる。その
一例としてアナログ信号処理を用いて、2次音源に近接
したセンサからの負帰還によって2次音源の位置の音圧
を低減する方式が提案されており、密結合モノポール
(Tight-Coupled Monople 以下TCMと略記)と呼ばれ
る。この方法は、センサと2次音源が近接して設置され
るので、短い管路にも適用できる。この時のアナログ信
号処理によるフィードバック経路の最適な特性は騒音の
統計的な性質に依存する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィー
ドフォワード方式の制御を行う場合、上流のマイクロフ
ォンと2次音源との間に、信号処理に要する時間の間に
騒音が伝わる距離分だけの間隔を必要とする。例えば、
図5の例ではデジタル信号処理の遅延時間は約4mse
c程度であり、この時間と同程度の音響的な遅延時間を
生じさせる必要がある。このため、参照信号検出用音響
センサと2次音源の距離は少なくとも1.5m以上必要
となる。また、フィードフォワード方式においては、上
流側から下流側に伝わる騒音に対してのみ効果を持つこ
とから、2次音源のすぐ近くの下流側に管路の終端部が
あると強い反射波が発生して消音を妨げるため2次音源
の下流側にも十分な長さの管路・尾管を必要とする。こ
のため、一般には消音装置の管路の全長は数mの長さを
必要としている。もっとも、処理速度の速いデジタル信
号処理回路の採用によって短縮は可能となるが、それで
も少なくとも60cm程度の管路長を持つ対象でなけれ
ば適用できないとされている。
【0008】斯様に従来はデジタル信号処理の計算時間
を高速化することによる対策がなされてきたが、小型化
の要請に対して、本質的な回答をあたえるものではな
い。なお、フィードフォワード方式の構成で、参照信号
検出用音響センサを2次音源に近づけると、そのセンサ
で得た信号から2次音源を生成するまでの遅延時間が騒
音の伝搬時間に比べて大きくなるため、情報の先回りが
できないので、物理的に実現可能な因果的信号処理で
は、完全な消音を行うことが原理的にも不可能となる。
【0009】一方、このような場合にも能動消音を行お
うとすると、信号の変動の統計的性質に基づき、騒音の
波形を予測することによって必要な2次音の波形を推定
する予測型の方式が考えられるが、騒音の低周波成分に
対してはある程度の効果が得られるが、比較的高い周波
数成分を含む非周期的な広帯域騒音に対しては、予測可
能な時間(相関時間と呼ばれる)に比べてデジタル信号
処理の遅延が大きいため、予測型の方式では十分な効果
が得られない。このため、アナログ信号処理を使う場合
があるが、因果的な信号処理の制約の中で、騒音の統計
的性質の依存する最適な信号処理特性を求めることは困
難である。また、多くの場合、騒音の性質は時間ととも
に変化する。特性が変化した時にこれに追随して特性を
調整する適応信号処理をアナログ信号処理で実現するこ
とは極めて困難である。デジタル信号処理を用いれば、
適応信号処理は容易に行えるが、前述のように遅延時間
が大きいため、密結合モノポールにデジタル信号処理を
そのまま適用してもほとんど消音効果は得られない。
【0010】本発明は、上述の問題点、即ち、(1)フ
ィードフォワード方式の能動消音システムが長い管路を
必要とするため、制御対象が長い管路を有するものに限
定されるという問題と、そして(2)従来のTCMが信
号処理の遅延時間の小さなアナログ信号処理を用いる必
要があるために、信号の性質に応じた適応的な動作がで
きないという問題との二つの問題を解決し、短い管路に
適用でき、かつ騒音の性質に適応的に追随できるデジタ
ル信号処理を使用した能動消音装置を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の消音装置は、制御対象音が伝搬する
管路と、その管路に配置される能動消音用の2次音源
と、管路の管軸方向に上流側と下流側に離してそれぞれ
配置される少なくとも二つの参照信号検出用音響センサ
と、管路内の適当な位置に配置される誤差信号検出用音
響センサと、2次音源並びに両参照信号検出用音響セン
サの下流側でかつ2次音源に比較的近く形成される音響
反射面と、二つの参照信号検出用音響センサの信号と誤
差信号検出用音響センサの信号とを入力し音響反射面で
反射され上流側に伝搬する音波と下流側に伝搬する音波
とを識別処理し誤差信号検出用音響センサの信号を最小
とする2次音を放射するための2次音源駆動信号をデジ
タル適応信号処理によって生成する制御部とを有してい
る。
【0012】また、本発明の消音装置の上流側の参照信
号検出用音響センサと下流側の参照信号検出用音響セン
サとは、2次音源を挟んで上流側と下流側とにそれぞれ
配置されている。
【0013】また、本発明の消音装置の下流側の参照信
号検出用音響センサは、誤差信号検出用音響センサをも
兼ねている。
【0014】更に、本発明の消音装置は、2次音源の上
流側でかつ上流側の参照信号検出用音響センサより上流
側に音響反射面を形成している。
【0015】また、本発明の消音装置は、管路を拡張室
とし、その中に2つの参照信号検出用音響センサと誤差
信号検出用音響センサ及び2次音源を配置している。
【0016】
【作用】従来のフィードフォワード方式の能動消音シス
テムでは、騒音は上流側から下流側に一方向に伝わるこ
とを前提としていた。しかし実際の管路では、管路の終
端等の反射面による反射波が存在し、音波は管路内を双
方向に伝搬している。この場合、管路内の騒音は反射面
まで達してから再び戻ってくるため、騒音の管路内での
相関時間が長くなる。そこで、管路内に反射波の存在す
る場合、すなわち、定在波の存在する場合、相関時間が
長くなり騒音を打ち消すために必要な2次音源の駆動信
号の予測精度が高くなることが期待できる。
【0017】そこで、本発明では、反射波を積極的に活
用することによって、即ち管路内に定在波の存在する状
況を作ることによって相関時間を長くし、参照信号検出
用音響センサと2次音源が近接する場合でも遅延時間の
大きなデジタル信号処理による適応処理を行うことがで
きるようにしている。例えば実際に用いられる管路系
は、無限長ではなく、有限の長さを持つ。管路長が有限
であれば、その終端で音波の反射が生じる。従って2次
音源から管路終端までの長さを短くすれば反射面を存在
させることができる。或いは、音響反射面として意図的
に管路断面積の変化を作ることもできる。
【0018】また、上流側に伝搬する音波と下流側に伝
搬する音波の区別をするために、管路軸方向の異なる二
つ以上の断面内に参照信号検出用音響センサを配置し、
2以上の自由度をもつ信号検出を行わせる。即ち、管路
の一つの断面内に参照信号検出用音響センサを設置した
だけでは上流側に伝搬する音波と下流側に伝搬する音波
の区別がつかないためである。また、1つの断面で信号
を検出しようとすると、その面が管路軸方向の定在波の
節となる状況が生じ、音圧の検出が不可能となることが
ある。この場合、適応信号処理の収束すべき解が発散し
てしまうため装置は十分に機能しない。2つ以上の断面
で参照信号を検出すれば、そのいずれもが同時に定在波
の節にあたることがないようにできる。よって、この点
を考慮しなければ、消音効果が期待できない。
【0019】このように構成された消音装置に、騒音が
管路の上流から下流に向け伝搬すると、管路を伝搬した
騒音は、下流側の音響反射面で反射する。反射した音波
は上流側に伝搬し、音響反射面の上流側で上流側から下
流側へ伝搬する騒音と重畳して定在波を形成する。この
定在波の音圧は管路内に設けた2つの参照信号検出用音
響センサによって検知される。この2つの信号は、管路
内の異なる断面で検出されることからそれぞれの位相が
異なるため、管路上流側から下流側へ伝搬する音波と管
路下流側から上流側に伝搬する音波を識別できる情報を
含んでいる。これらの信号が制御部に入力される。制御
部では、両参照信号検出用音響センサから入力された信
号をデジタル適応信号処理し、音響反射面で反射され上
流側に伝搬する音波と下流側に伝搬する音波とを識別処
理され、その出力として管路内の騒音の音波と逆位相で
かつ適切な振幅を持った音波信号が2次音源に与えられ
る。一方、誤差信号検出用音響センサで拾われた音も、
信号として制御部に入力し、その誤差信号検出用音響セ
ンサで拾う騒音が最小になるように、制御部は信号処理
の係数を適応的に調整する。
【0020】更に、請求項4および5の場合、上流側に
も音響反射面を形成しているため、2つの音響反射面の
間で音波が往復するため、相関時間がさらに長くなる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0022】図1に本発明の一実施例を示す。この実施
例の基本構成は、制御対象音が上流から下流に伝搬(図
の矢印参照)する管路1と、その管路1に面して対向配
置される二つの能動消音用の2次音源2,3と、その2
次音源2,3を挟んで管軸方向に離れて即ち上流側と下
流側とに分かれて管路内にそれぞれ配置される二つの参
照信号検出用音響センサ4,5と、管路1内の2次音源
2,3の中心を結ぶ線上に配置される誤差信号検出用音
響センサ6と、2次音源2,3の下流側に置いた参照信
号検出用音響センサ5より更に下流側に形成される音響
反射面7と、二つの参照信号検出用音響センサ4,5の
信号と誤差信号検出用音響センサ6の信号とを入力し適
応デジタル信号処理し2次音源2,3に制御対象音と逆
位相の音波信号を与える制御部8とから構成されてい
る。ここで、管路1の形状は特に限定されないが、説明
の便宜上横断面矩形状のダクトが表されている。なお、
音響反射面7は、管路1の終端開口で形成される。音の
性質上、このような開口部でも音は反射する。尚、本実
施例では、説明の便宜上、消音装置を構成する最小単位
としての管路が示されている。この管路1は、消音装置
を騒音が導入される主管路9とは切り離された独立した
ものとして構成する場合には、通常主管路9と容易に接
続し得るように同一形状とされている。また、主管路9
に直接各センサ4,5,6及び2次音源2,3等を組み
込んで、主管路9の一部を利用して消音装置を構成する
こともあり、この場合には、主管路9と管路1とは同一
部材となる。
【0023】この実施例では、管路1は、10cmの断
面方形のダクトが使用され、また上流側の参照信号検出
用音響センサ4と2次音源2,3の中心を結ぶ線との距
離L1は10cmとし、2次音源2,3の中心を結ぶ線
と参照信号検出用音響センサ5との距離L2も10cm
とし、下流側の参照信号検出用音響センサ5と音響反射
面7との距離L3を5cmとし、消音装置しての管路1
の全体長L4を約30cmと非常にコンパクトな構成と
している。
【0024】このように構成された消音装置に、騒音
(消音しようとする不要な音なども含む)が管路1の上
流から下流(図の矢印参照)に向け伝搬すると、管路1
を伝搬した騒音は、下流側の音響反射面7で反射する。
反射した音波は上流側に伝搬し、音響反射面7の上流側
で上流側から下流側へ伝搬する騒音と重畳して定在波を
形成する。この定在波の音圧は管路1内に設けた2つの
参照信号検出用音響センサ4,5によって検知される。
この2つの信号は、管路1内の異なる断面で検出される
ことからそれぞれの位相が異なるため、管路上流側から
下流側へ伝搬する音波と管路下流側から上流側に伝搬す
る音波を識別できる情報を含んでいる。これらの信号が
制御部8に入力される。制御部8では、両参照信号検出
用音響センサ4,5から入力された信号に対し、音響反
射面7で反射され上流側に伝搬する音波と下流側に伝搬
する音波とをデジタル信号処理により識別処理し、その
出力として管路内の騒音の音波と逆位相でかつ適切な振
幅を持った音波信号が2次音源2,3に与えられる。一
方、誤差信号検出用音響センサ6で拾われた音も、信号
として制御部8に入力し、その誤差信号検出用音響セン
サ6で拾う騒音が最小になるように、制御部8は前述の
デジタル信号処理の係数を適応的に調整する。
【0025】このように、この消音システム・消音装置
は、制御対象音である騒音の伝搬する管路1に、2次音
源2,3を配置し、騒音を打ち消すための2次音を生成
して騒音制御を行うものである。ここで、二つの2次音
源2,3を対向させて設けているのは、非伝搬モードを
抑制する効果のためであり、本発明の必須要件ではな
い。2次音源は単一あるいは3個以上であっても良い。
本実施例は、2次音源2,3付近で取得した信号を用い
て、管路1内での反射により騒音が比較的長時間管路1
内を行き交う間に、制御部8の適応信号処理により2次
音源2,3付近の音圧を最適に低下させるのに必要な信
号を計算し、効果的に消音を行う消音装置が実現でき
る。
【0026】なお、2次音は、両参照信号検出用音響セ
ンサ4,5で検出した信号をもとに、制御部8で信号処
理を行い、2次音源2,3を駆動して生成する。ここで
制御部8は、誤差信号検出用音響センサ6で検出される
音圧の2乗平均値が最小になるように適応的に動作する
アルゴリズムを備えたデジタル適応信号処理装置で構成
される。例えば、図3に示されるように構成される。両
参照信号検出用音響センサ4,5で検出された信号は、
アンチエリアジングフイルタを含むA/D変換器81
a,81bに入りアナログ信号がデジタル信号に変換さ
れる。これらのデジタル信号は64タップのトランスバ
ーサルアダプテブフイルタ( 64-tap transversal adap
tive filter)である適応フイルタ84a,84bに入
ると共にフイルタードX−LMS(Filtered-X LMS)ア
ルゴリズムを用いたフィルタ係数修正部85a,85b
に入力される。一方、誤差信号検出用音響センサ6で検
出される信号も、アンチエリアジングフイルタを含むA
/D変換器81cに入りアナログ信号がデジタル信号に
変換された後、フィルタ係数修正部85a,85bに入
る。そして、誤差信号検出用音響センサ6で検出される
音圧の2乗平均値が最小になるように適応アルゴリズム
が動作し、適応フイルタ84a,84bのパラメータを
適応的に修正する。その適応的に修正されたパラメータ
でデジタル信号処理を行う適応フィルタ84a,84b
の出力を加算して2次音源駆動用信号とし、これをスム
ージングフィルタを含むD/A変換器86でアナログ信
号に変換し、2次音源2,3を駆動する。また2次音源
駆動用出力信号をあらかじめ同定したフィードバック除
去用デジタルフィルタ82a,82bに入力して得た出
力信号を、参照信号検出用音響センサ4,5により検出
された信号からそれぞれ減算し、2次音源の放射する音
波が直接参照用信号検出用音響センサに混入しないよう
にする。
【0027】この実施例では、管路終端が音響反射面7
となり、反射波が生じる。このため、2次音源2,3付
近には、上流から下流へ向かう音波と、下流から上流へ
向かう音波がそれぞれ存在する。参照信号検出用音響セ
ンサ4,5が、二つの異なる管路断面にそれぞれ設置さ
れていることから、2自由度で信号が検出されることに
なり、信号処理装置である制御部8は、この双方向の音
波を識別できる情報を得ることができる。
【0028】この実施例の消音効果は、図4に示すとお
りである。なお、この実施例の消音効果を実際に確認す
るため、図1の下流側の参照信号検出用音響センサ5の
位置の断面線上に測定センサを配置し、その測定信号を
FFTアナライザへ入力させた。また、制御部8の構成
を、二つの参照信号検出用音響センサ4,5からの信号
を、適応フィルタ84a,84bおよびフイルタードX
−LMSアルゴリズムを用いたフィルタ係数修正部85
a,85bにサンプリング周波数を5KHzとして入力
している。なお、図4中の実線は、測定用センサで検出
した能動制御を行わない場合の音圧レベルの周波数スペ
クトルである。これに対して、本発明による方法で消音
動作を行った場合の音圧レベルは2点鎖線で表したグラ
フで、広い周波数範囲にわたり、10dBから20dB
の消音効果が得られている。なお、この消音効果は、従
来のフィードフォワード方式でスピーカと上流側の参照
信号検出用音響センサとの距離をこの間の音波伝搬時間
が信号処理の遅延時間を上回るよう十分に離した場合の
効果に匹敵している。
【0029】この本発明の装置の有効性を示すために、
単に従来のフィードフォワード方式(下流側の参照信号
検出用音響センサ5およびその信号処理系がない場合)
で参照信号検出用音響センサ4を2次音源2,3の上流
10cmの位置においた場合(破線で示されている)
と、同じ位置に上流から下流に伝搬する騒音の信号のみ
を検出する一方向性マイクロフォンを使用した場合(1
点鎖線で示されている)のそれぞれの音圧レベルを示
す。これらの方法では、予測が適切に行えないので、消
音効果は十分でない。
【0030】このようにこの実施例では、音響反射面7
を積極的に利用しているので、マイクロフォン4の位置
から音響反射面7で反射してスピーカ2,3の位置まで
騒音が伝わる時間を、十分に設定することができ、最適
な2次音源駆動信号の予測が十分に行えるかあるいは騒
音に先行して望ましい2次音を生成することができる。
なお、この方式では、デジタル信号処理を用いた適応信
号処理を行うことにより、優れた消音効果が得られてい
る。
【0031】次に、図2に基づき本発明の他の実施例を
示す。この実施例は上流側にも積極的に音響反射面を形
成したもので、その基本構成は管路形状を拡張室とした
点を除いて第一の実施例と同様である。ここでは、双方
向の音場を作るのに、主管路9より断面積の大きい拡張
室1aに2次音源2,3を設置する方法を採用してい
る。拡張室1aは、定在波を生じさせる。定在波の発生
により、拡張室1aの長さが波長の4分の1の奇数倍と
なる周波数を中心に、拡張室1a自体が受動型の干渉型
消音器の効果を持つ。一方、拡張室1aで共振が生じる
周波数、即ち、拡張室1aの長さが4分の1波長の偶数
倍となる共振周波数では、受動的な干渉による消音効果
は得られない。能動制御による2次音源2,3はこの共
振周波数付近の消音を受け持つと共に、すべての周波数
領域で消音効果を増す働きをする。この例も、第1の実
施例の場合と同様に、定在波の存在する条件で、制御部
8は騒音を相殺するための2次音を生成する信号を効果
的に推定することができる。また第1の実施例と同様
に、参照信号検出用音響センサ4,5は管軸方向に離し
て2つ設置されているため、一方のセンサが定在波の節
となる状況が生じても、他方のセンサが節からずれるよ
うにできるので適応信号処理の収束すべき解が発散して
しまうことはない。なお、この例では、拡張室1aの入
り口部分が上流側の音響反射面7aを構成し、拡張室1
a出口側が下流側反射面7bを構成する。この拡張室1
aには、通常、主管路9と接続のための小径管部1b,
1bが出入口に設けられている。
【0032】尚、上述の各実施例は本発明の好適な実施
の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、参照信号検出用音響センサ4,5は、マイ
クロフォンに限定されず、圧力センサ等を利用しても良
い。また、誤差信号検出用音響センサ6の配置箇所は、
2次音源2,3の近傍にすることが管路全体の消音を行
う上では望ましいが、管路1の出口開口端付近での音を
消そうとする場合は、管路1の出口開口端近傍に配置し
てもよい。また、下流側の参照信号検出用音響センサ5
に誤差信号検出用音響センサとしての機能を兼ねさせる
ようにしても良い。この場合にはセンサ数を減らすこと
ができる。更に、本実施例のように上流側の参照信号検
出用音響センサ4と下流側の参照信号検出用音響センサ
5とは2次音源2,3を挟んで管軸方向に配置する場合
には最も消音装置としての管路1の長さを短くできる
が、これに特に限定されず、上流用と下流用の2つの参
照信号検出用音響センサ4,5の双方を2次音源2,3
の上流側あるいは下流側に前後に並べて配置することも
可能である。
【0033】また、音響反射面7は、図1のような管路
1の開口端によって形成される場合に限られず、図2の
拡張室を構成する場合のように、管路1を収縮させた
り、あるいは逆に拡張させたり、更には急激に曲げるこ
となどによっても形成できる。即ち、管路の終端開口を
2次音源2,3から比較的近い位置としたり、管路断面
積の拡張部または収縮部を2次音源2,3の近くに配置
するなどの手段により、管路1内の音波が上流から下流
に一方向に伝搬するのでなく、上流から下流へ伝搬する
音波と下流から上流へ伝搬する音波の双方が存在する条
件をつくるものであればどのような面、形にしても良
い。更に、2次音源は、本実施例では2個設置した場合
について主に説明しているが、1個あるいは3個以上の
複数でも良い。また、管路1の形状も断面四角形の他、
円筒や断面三角等各種の形状とできる。
【0034】更に適応信号処理のアルゴリズムとして
は、フィルタード−X LMSアルゴリズムを採用した
場合について主に説明しているが、これに特に限定され
るものではなく、その他のアルゴリズム、例えばRLS
アルゴリズム、フィルタバンクを用いたLMSアルゴリ
ズムなど、誤差検出信号を最小化するための任意のアル
ゴリズムを用いることができる。更にデジタル信号処理
にはトランスバーサルフィルタを採用した場合について
主に説明しているが、これに特に限定されるものではな
く、適切な適応アルゴリズムを用いたリカーシブ型のデ
ジタルフィルタを用いることもできる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1の消音装置によると、2次音源の直近の下流に音響反
射面を形成して上流から下流へ向かう騒音の反射波を積
極的に生じさせ、管路内に定在波の存在する状況を作り
出すようにしているので、参照信号検出用音響センサの
位置から下流の音響反射面で反射して2次音源の位置ま
で騒音が伝わる時間を十分に設定することができ、最適
な2次音源駆動信号の予測が十分に行えるかあるいは騒
音に先行して望ましい2次音を生成することができて従
来のフィードフォワード型に比べて管路の長さをはるか
に短くできる。即ち、消音装置として短く形成できる。
また、短い管路に適用できることに伴い、管路系用の消
音器としてユニット化することが極めて容易となる。特
に、請求項2の発明の場合、管路の長さをさらに短くで
きる。例えば、従来のフィードフォワード型の最もコン
パクトなものが尾管を含まず音響センサから2次音源ま
でが60cm程度以上の管路長のものであったのに対
し、本発明では尾管を含めて30cm程度の短い管路に
できる。
【0036】また、請求項3の消音装置では、下流側の
参照信号検出用音響センサが誤差信号検出用音響センサ
をも兼ねているので、センサ数を減らし構成を簡単化で
きる。
【0037】また、請求項4の発明の場合、上流側の反
射面の存在により定在波の干渉がより顕著になり相関時
間がさらに長くなるので、必要な2次音源駆動信号の予
測の精度が高くなる。
【0038】更に、請求項5の発明の場合、拡張型の受
動型消音器としての透過損失の特性を合わせ持ち、能動
消音により受動型拡張型消音器の透過損失の得られない
周波数でも高い消音性能が得られると共に、その他の周
波数でも消音性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消音装置の一実施例を示す原理図であ
る。
【図2】本発明の消音装置の他の実施例を示す原理図で
ある。
【図3】本発明の消音装置の制御部の機能の一例を説明
するための図である。
【図4】本発明の効果を示すグラフで、X軸は管路内を
伝搬する音の周波数を、Y軸は管路内を伝搬する音の大
きさの相対レベルをそれぞれ示している。
【図5】従来の消音装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 管路 2,3 2次音源 4,5 参照信号検出用音響センサ 6 誤差信号検出用音響センサ 7,7b 下流側の音響反射面 7a 上流側の音響反射面 8 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多氣 昌生 東京都港区白金2−4−3−227 (72)発明者 森 卓支 埼玉県所沢市大字北野3196−4

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象音が伝搬する管路と、その管路
    に配置される能動消音用の2次音源と、前記管路の管軸
    方向に上流側と下流側に離してそれぞれ配置される少な
    くとも二つの参照信号検出用音響センサと、前記管路内
    の適当な位置に配置される誤差信号検出用音響センサ
    と、前記2次音源並びに両参照信号検出用音響センサの
    下流側でかつ前記2次音源に比較的近く形成される音響
    反射面と、前記二つの参照信号検出用音響センサの信号
    と前記誤差信号検出用音響センサの信号とを入力し前記
    音響反射面で反射され上流側に伝搬する音波と下流側に
    伝搬する音波とを識別処理し前記誤差信号検出用音響セ
    ンサの信号を最小とする駆動信号をデジタル適応信号処
    理によって生成し前記2次音源に与える制御部とを有し
    ていることを特徴とする消音装置。
  2. 【請求項2】 前記上流側の参照信号検出用音響センサ
    と前記下流側の参照信号検出用音響センサとは2次音源
    を挟んで上流側と下流側とにそれぞれ配置されたことを
    特徴とする請求項1記載の消音装置。
  3. 【請求項3】 下流側の前記参照信号検出用音響センサ
    が前記誤差信号検出用音響センサをも兼ねることを特徴
    とする請求項1記載の消音装置。
  4. 【請求項4】 前記2次音源の上流側でかつ上流側の参
    照信号検出用音響センサより更に上流側に音響反射面を
    形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに
    記載の消音装置。
  5. 【請求項5】 前記管路を拡張室とし、その中に2つの
    参照信号検出用音響センサと誤差信号検出用音響センサ
    及び2次音源を配置したことを特徴とする請求項1から
    4のいずれかに記載の消音装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105244014A (zh) * 2015-10-13 2016-01-13 哈尔滨工程大学 充液管道主被动一体化复合消声装置
CN109658915A (zh) * 2019-03-08 2019-04-19 深兰人工智能芯片研究院(江苏)有限公司 一种中央空调的降噪方法、降噪装置及中央空调

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