JPH07210175A - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置

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JPH07210175A
JPH07210175A JP6003426A JP342694A JPH07210175A JP H07210175 A JPH07210175 A JP H07210175A JP 6003426 A JP6003426 A JP 6003426A JP 342694 A JP342694 A JP 342694A JP H07210175 A JPH07210175 A JP H07210175A
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JP
Japan
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control
adaptive filter
sound
sound pressure
signal
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Application number
JP6003426A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Nakamura
満 中村
Mitsuhide Sasaki
光秀 佐々木
Koji Abe
孝治 阿部
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】対象システムが増音状態か否かを判定し、消音
制御を継続するまたは増音状態の進行を抑えるなどのフ
ェールセーフ制御を実行し、安定した適応フィルタ制御
を行う能動型騒音制御装置を提供する。 【構成】予想される環境に対する適応フィルタの最適解
を予め用意し、騒音制御を行っている対象システム10
の環境を判断 301し、予想環境に当て嵌めて最適解 401
を設定する。そして、制御中の適応フィルタw(i)と最
適解wopt(i)との差δw(i) 402を用いて、例えば、絶
対値の和Sδw=Σi|δw(i)| 403を求める。その和S
δwと所定の閾値 Sth 404との差を、設定したルールと
照合し、増音状態か否かを判定 405する。消音状態 406
であれば、制御を継続し、増音状態 407であれば、制御
を一時停止 408し増音状態の進行を抑え、適応フィルタ
制御103をフェールセーフ制御108する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工的に生成した逆位
相波を用いて能動的に不快な騒音を消す能動型騒音制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術について、車両の場合を例に取
って説明する。車両が発生する騒音は、エンジン音、風
切音、ロ−ドノイズなど様々である。この内、粗い凹凸
路面を走行中のタイヤ及びサスペンションの振動が車室
内に伝搬され発生する騒音が、一般にロ−ドノイズと呼
ばれ、通常30〜300Hzのブロ−ドバンドスペクトル
を持っている乗員にとって不快な音である。これを低減
するため、発生している騒音源である1次音に対し、人
工的に作り出した逆位相の2次音で、「積極的」に音を
消す能動型騒音制御技術がある。この能動型騒音制御技
術に関しては、特表平1-501344号公報などがある。
【0003】これは、車室内の所定位置の音圧を測定す
るマイクロフォンと、騒音源の1次音と干渉し合って騒
音を低減する2次音を出力するスピーカと、1次音の参
照信号に同期した基準信号を発生する基準信号発生器
と、基準信号を位相振幅変調して制御信号を出力し適応
フィルタを介してスピーカを制御する制御回路とで構成
されているものである。基準信号発生器は、参照信号と
して、点火タイミング信号などのエンジン回転信号を受
信し、時々刻々のエンジン回転周期の整数倍に比例した
正弦波信号である基準信号を発信している。
【0004】そして、制御回路は、1次音に対して充分
相関性が高い成分が含まれているこの基準信号を用い
て、1次音と2次音を干渉させ、該所定位置での車室内
の音圧が最小になるように、該適応フィルタを時々刻々
更新しているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような適応フィ
ルタを用いて、制御対象となる騒音を発しているシステ
ム(以下、対象システムと言う。)を消音する適応フィ
ルタ制御において、1次音と2次音の干渉が適切に行わ
れなかった場合、消音されるべき対象システム(この場
合、車室内)は、逆に増音状態となる。
【0006】増音状態の検出は、エンジン音のような単
一周波数の周期音からなる対象システムでは比較的容易
である。例えば、エンジン回転数に同期したトラッキン
グフィルタを用いて当該騒音の周波数を抽出し、その音
圧レベルの変動を掴めば、対象システムの増音状態が検
出できる。
【0007】しかし、ロードノイズのようなランダム騒
音の対象システムは、30〜300Hzのブロードバンド
スペクトルであり、ロードノイズ以外にも種々の騒音成
分を含んでおり、そして、時々刻々変動している。この
ような対象システムにおける増音状態の検出は、極端に
増音しているような完全な発散状態である場合を除いて
困難である。
【0008】従って、ランダム騒音のような場合、適応
フィルタ制御の消音制御が、適切に行われず、増音状態
になっても適応フィルタ制御自体を加減したり停止した
りする、所謂フェールセーフすることが行われていなか
った。即ち、増音状態の判定に応じて適応フィルタ制御
自体を制御するフェールセーフ機能を有するものではな
かった。
【0009】フェールセーフの対応が行われなければ、
増音状態は徐々に大きくなり、最終的には発散状態に至
り、制御不能となる危険性がある。車室内の場合であれ
ば、騒音がうるさく安全運転の妨げとなる。従って、消
音制御が制御し切れずに逆に増音状態へ移行し始めたと
判断されたら、その状態に応じて適応フィルタ制御をフ
ェールセーフする必要がある。
【0010】本発明の目的は、ロードノイズなどのラン
ダム騒音に対する消音制御において、騒音制御の対象シ
ステムが増音状態か否かを判定し、消音制御を継続する
または増音状態の進行を抑制するなどのフェールセーフ
制御を実行し、安定した適応フィルタ制御を行う能動型
騒音制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、所定の制
御位置における音圧信号を検出する音圧検出手段と、騒
音源から伝達される騒音に対して能動的に干渉させるた
めの2次音の制御信号を出力する2次音出力手段と、騒
音源と相関性のある参照信号を検出する参照信号検出手
段と、参照信号と音圧信号とに基づいて制御位置におけ
る音圧信号が最小となるように制御信号を制御する適応
フィルタを更新する適応フィルタ制御手段とを備える能
動型騒音制御装置において、参照信号を検出する位置か
ら音圧信号を検出する位置までの伝達系と制御信号を出
力する位置から音圧信号を検出する位置までの伝達系と
を含む音伝達系の特性を定めることのできる少なくとも
1つの環境情報を検出する手段と、検出された環境情報
に基づき定められた音伝達系の特性を用いて適応フィル
タの設定最適解を設定する手段と、設定最適解と更新さ
れる適応フィルタとの偏差から制御位置における音圧信
号の増音状態を判定する手段とを設け、適応フィルタ制
御手段が、増音状態の判定に応じて適応フィルタ制御手
段自体を制御するフェールセーフ機能を有することによ
り達成される。
【0012】あるいはまた、制御信号を出力する位置か
ら音圧信号を検出する位置までの伝達系を含む音伝達系
の特性を定めることのできる少なくとも1つの環境情報
を検出する手段と、検出された環境情報に基づき定めら
れた音伝達系の特性と音圧信号と制御信号とを用いて騒
音源から伝達される騒音の推定騒音を推定する手段と、
推定騒音と音圧信号との偏差から制御位置における音圧
信号の増音状態を判定する手段とを設けて、適応フィル
タ制御手段が、増音状態の判定に応じて適応フィルタ制
御手段自体を制御するフェールセーフ機能を有すること
によっても達成される。
【0013】
【作用】適応フィルタ制御において、1次音と2次音を
干渉させ車室内の音圧を最小にする適応フィルタの最適
解は、参照信号検出位置からマイクロフォン位置までの
伝達関数Hと、スピーカ位置からマイクロフォン位置ま
での音響伝達関数Cとから求められるものである。そし
て、伝達関数Hや音響伝達関数Cは、対象システムの環
境により決まるものである。
【0014】即ち、車両の場合であれば、伝達関数H
は、車室内温度、車両の荷重分布、車両速度などの環境
因子により、また、音響伝達関数Cは、車室内温度、湿
度、遮蔽物の有無などの環境因子により定められる環境
毎に決まるものである。問題は、この対象システムの環
境が変動し、伝達関数も変動することである。
【0015】しかし、環境は変動するが、極端な場合を
除き、変動範囲内の在り得る環境を予想することは可能
である。従って、この予想環境を予め仮定すれば、予想
環境の伝達関数は決まり、予想環境の適応フィルタの最
適解(以下、設定最適解と言う。)を設定して置くこと
ができる。
【0016】そこで、一定期間毎に、対象システムの実
際の環境(以下、実環境と言う。)を検出し、予想環境
に当て嵌めて一時的に環境を特定し、該実環境に対する
該設定最適解を設定する。
【0017】該一定期間の間、実環境が一時的に不変で
あり、実環境が当て嵌めた予想環境に該当していれば、
実際の適応フィルタ制御の更新は、該設定最適解に近似
する筈であり、適応フィルタ制御の消音制御は、安定し
て行われると考えられる。
【0018】しかし、逆に、実環境が予想環境と外れる
と、消音制御は不安定になり、消音状態から増音状態に
なると考えられる。従って、実環境と予想環境の偏差を
チェックし、消音状態か増音状態かを判定することがで
きる。
【0019】実環境と予想環境の偏差は、実環境の制御
に対し実際に用いられている適応フィルタと、該設定最
適解との偏差から求める。そして、消音/増音状態の判
定は、該偏差と閾値との比較から行うものである。閾値
は、予め実験により決めた所定の値で、例えば、偏差が
この値を越えたら増音状態であると判定できる限界値で
ある。
【0020】一方、1次音と2次音を干渉させ車室内の
音圧を最小にする制御では、車室内の音圧 e=1次音
d1+2次音d2 の関係にあり、これを書き替え
れば、 d1=e−d2である。干渉が適切に行わ
れ、消音状態にあれば、1次音と2次音は逆位相である
ので、数学的に表わせば、d1とd2は、正と負の関係
にある。従って、消音状態にあれば、e=d1+(−d
2)≦d1 の関係となる。逆に増音状態であれば、
正と正となり、e=d1+d2>d1の関係である。
【0021】また、車室内の音圧 eは、マイクロフォ
ンで検出されている。2次音d2は、音響伝達モデル関
数C^と適応フィルタの制御信号yから求められる。
【0022】即ち、一定期間毎に実環境を検出し、予想
環境に当て嵌め、一時的に環境を特定し、音響伝達モデ
ル関数C^を決め、d2を求める。これより、d1=e
−d2の関係から、d1を推定する。そして、音圧 e
と1次音d1を比べ、上記の関係より、消音/増音状態
の判定を行うものである。
【0023】
【実施例】以下、本発明の内容を図面に基づいて詳細に
説明する。
【0024】図1は、本発明による一実施例の適応フィ
ルタによる騒音制御を用いた能動型騒音制御装置の全体
構成を示している図である。
【0025】車両に適用した例を示して説明する。各サ
スペンションに取り付けられて参照信号を検出する加速
度センサ1、1次音を含む車室内10の騒音を検出する
マイクロフォン2、消音のための2次音を出力するスピ
ーカ3、適応フィルタ制御用のコントローラ4などから
構成され、センサ、マイクロフォン、スピーカは複数個
使用されている。
【0026】走行中に路面の凹凸によりタイヤが加振さ
れ各サスペンションが振動すると、4個の加速度センサ
1は、振動加速度を検出し、センサ信号101をコント
ローラ4に入力する。センサ信号101は、騒音源であ
る1次音の参照信号であり、アナログローパスフィルタ
41、A/D変換器42を介してディジタル信号102
に変換される。
【0027】コントローラ4内のマイクロプロセッサ4
3は、適応フィルタによる騒音制御である適応フィルタ
制御103と本発明によるフェールセーフ制御108と
を含んでいる。マイクロプロセッサ43は、参照信号と
適応フィルタとで畳み込み演算し、2次音の制御信号1
04を生成する。該制御信号104は、D/A変換器4
4及びアナログローパスフィルタ45を介してアンプ5
により増幅され、2個のスピーカ3より2次音105と
なって出力される。
【0028】一方、4個のマイクロフォン2から得られ
た車室内10の音圧信号106は、アナログローパスフ
ィルタ41、A/D変換器42を介してディジタル信号
107に変換されてマイクロプロセッサ43に入力され
る。
【0029】そして、騒音源である1次音とスピーカ3
からの2次音とを干渉させることにより、マイクロフォ
ン位置での音圧信号106が最小になるように、適応フ
ィルタのフィルタ係数を、ある一定のサンプリング間隔
(約1/1000 sec)で、時々刻々更新する点までは、従
来技術と同じであるが、本発明の特徴は、適応フィルタ
制御が為されている対象システムの状態に応じて、フェ
ールセーフ制御を実行する点にある。
【0030】尚、適応フィルタのフィルタ係数を更新す
る適応フィルタ制御は、従来技術のMultiple Error
Filtered-X LMS アルゴリズムと基本的に同じもの
を用いている。このMEFX−LMSアルゴリズムにつ
いては、例えば”Signal Processing for Active Contr
ol -Adaptive Signal Processing-",H.HAMADA,Inter
national Symposium on Active Control of Sound and
Vibration,ASJ Proc.'91,Tokyo.April 9-11,1991.pp.
33-44 に解説されている。
【0031】図2は、本発明による一実施例の能動型騒
音制御装置の制御アリゴリズムの概略ブロック線図であ
る。K個のセンサ(1次音d1l209の参照信号xk20
8)、M個のスピーカ(2次音d2l210の制御信号ym21
1)、L個のマイクロフォン(車室内の音圧信号el)が
用いられている。
【0032】図より、n番目サンプル時の2次音の元に
なる制御信号ym(n)は、次式で示されるような、参照
信号xk(n)と適応フィルタwmk(i)202(i=0〜I
−1)の畳み込み演算式から求められる。
【0033】 ym(n)=Σimk(i)xk(n-i) (数1) 但し、 m=0〜(M-1)、k=0〜(K-1)、i=0〜(I
-1) M:スピーカ個数、K:センサ個数、I:適応フィルタ
タップ数。
【0034】 wmk(i)(n+1)=λmk・wmk(i)(n)+αmk・Σll(n)rlmk(n-i) (数2) ここで、el(n)212は車室内の音圧信号である。:l
(エル)=0〜(L-1) L:マイクロフォン個数。
【0035】 rlmk(n)=ΣjC^1m(j)x(n-j) (数3) ここで、rlmk(n)は基準信号である。
【0036】また、C^lm(j)は、m番目スピーカとl
(エル)番目マイクロフォンの間の音響伝達系のモデル
関数203で、係数J個のディジタルFIRフィルタで表
現される与値である。また、適応フィルタwmk(i)の数
は、通常、『スピーカ数M×センサ数K=MK個』ある。
図1の例では、2×4=8個である。(数2)式の適応
フィルタ更新式の中の係数αmk、λmkは、各々、収束係
数及びリーキーパラメータと呼ばれているものである。
【0037】収束係数αmkが大きいと、1回ごとの適応
フィルタwmkの更新量は大きくなる。即ち、適応フィル
タwmkの成長が大きくなり、最適値に収束するまでの時
間は短くなる。しかし、大きすぎると消音制御が不安定
になり、逆に増音状態などを引き起こし易くなる。従っ
て、収束係数αmkによって、適応フィルタの成長を遅く
する、あるいは、成長を止める(αmk=0、λmk=1)
ことができる。
【0038】また、リーキーパラメータλmkの値は、0
≦λmk≦1の値である。この値を、λmk<1 にすれ
ば、適応フィルタの絶対値を更新毎に小さくすることが
できる。即ち、リーキーパラメータにより、適応フィル
タを徐々に小さくする、即ち逆成長させることができ
る。しかし、収束係数に比して、リーキーパラメータを
小さくし過ぎると、適応フィルタの成長が適切でなく、
充分な消音効果が得られない場合がある。
【0039】そして、本発明は、適応フィルタ制御が為
されている対象システムの状態に応じて、これらの係数
αmk、λmkを予め用意した係数テーブル205を用いて変
化させ、フェールセーフ制御を実行するものである。
【0040】一方、前述したようにマイクロフォン位置
での車室内の音圧信号を最小にする適応フィルタの最適
解は、K個のセンサ位置とL個のマイクロフォン位置の
間の信号伝達関数スペクトル行列 H 201、L個のマイ
クロフォン位置とM個のスピーカ位置の間の音響伝達関
数スペクトル行列 C 206から求められる。
【0041】即ち、適応フィルタの最適解woptmk(i)
は、次式に示すようなフーリエスペクトル(Wopt)mk
フーリエ変換して求める。フーリエスペクトル(Wopt)
mkは、参照信号数をK個、車室内の音圧信号数をL個、
2次音の制御信号数をM個として、(数4)式から求め
られる。
【0042】 (Wopt)mk={(H)(C~1)}mk ={(SXX~1)(SXD)(C~1)}mk (数4) 但し、 (H)1k =(SXX~1)kk(SDX)1k (SXX)kk=<Xkk> (SDX)1k=<D11k> である。
【0043】ここで、Xk(k=0…K-1)は参照信号のスペ
クトル行列、D11(l=0…L-1)は1次音の音圧信号のスペ
クトル行列、SXXは参照信号のパワースペクトル行列、
XDは、参照信号と1次音の音圧信号とのクロススペク
トル行列を表している。また、添字mkは、行列のm行k
列成分、<>は、サンプル平均、 ~1は、一般化逆行列
を表している。
【0044】ところで、音の伝達系が時不変な伝達関数
であれば、適応フィルタの最適解woptmk(i)は、時間的
に一定である。しかし、車室内温度、車両総重量、車両
走行速度などの環境因子の影響で伝達関数は変化するの
で、最適解woptmk(i)は、実際には、一定ではない。
【0045】図3は、本発明による一実施例の適応フィ
ルタの設定最適解を設定する概略フローチャートであ
る。
【0046】予めP個の予想環境303を仮定する。そし
て、これを基に、最適解woptmkp(i)(mk=1〜MK ,p=1
〜P)からなる最適解テーブル302を用意する。そして、
適応フィルタ制御のフェールセーフ制御108が行われ
る対象システム10(この場合は、車室内10に相当す
る。)の環境因子を一定時間毎に測定し、実際の実環境
を検出する。そして、その実環境がどの予想環境に該当
するか環境の判断301を行い、該当する予想環境を一つ
選択する。当該選択された予想環境に対し用意された最
適解を、前述の最適解テーブルから当該実環境に対応す
る最適解woptmk(i)304として設定する。そして、フェ
ールセーフ305する場合を示している。
【0047】例えば、P=4個とすれば、図1の例で
は、MK=8個であるから、32個の最適解からなる最適
解テーブルを用意することになる。
【0048】尚、最適解woptmk(i)を設定する方法は、
最適解テーブルを用いないで、測定された環境因子か
ら、その都度演算し設定する方法でも良い。但し、この
場合、環境変動周期と最適解演算時間と因子測定一定時
間などを考慮する必要がある。
【0049】ここで、適応フィルタwmk(i)の数は、前
述のように通常、MK個あるが、以下、理解を簡単にする
ため適応フィルタ1個の場合に限定し説明する。また、
適応フィルタwmk(i)の添字mkを省くことにする。従っ
て、P個の予想環境から一つの環境が選択された場合、
適応フィルタ1個に対し、一つの最適解wopt(i)が設定
される。
【0050】騒音環境を定める条件の因子としては、車
室内温度、車両走行速度、車両総重量、車両の荷重分布
などが考えられる。この他にも、車室内の音圧信号10
6、センサ信号101、2次音の制御信号104、およ
び、時々刻々更新される適応フィルタw(i)なども環境
因子とすることができる。この内、一つの因子で環境を
定めることができる場合もある。
【0051】具体的には、図1の例の車室内騒音のよう
な場合であり、車室内温度のみの因子で、環境を定める
ことができる。他の因子の影響が無視できる環境である
からである。
【0052】そして、例えば、P1環境; Ta<
0、 P2環境;0≦Ta<20、P3環境;20≦
Ta<40、 P4環境;40<Ta、Ta;車室内温度
(℃) 以上の4つの環境とすることができる。
【0053】さらに、これらの環境因子を基に定義した
代替因子を用いることもできる。例えば、ある一定時間
毎に騒音の音圧信号eの平均パワー<e2>とセンサ信
号xの平均パワー<x2>との比率を求め、ある測定時
点の該比率が明らかに異なっている場合、騒音環境が変
化したと見做す。そして、このような場合、その比率に
応じて予め用意された複数の最適解から、その測定時点
での実環境の最適解を選択する方法である。要は、騒音
環境を特定することができる因子であれば、何を用いて
も良い。
【0054】次に、図4は、設定された最適解を用い
て、対象システムの消音/増音状態を判定し、適応フィ
ルタ制御におけるフェールセーフ制御を実行する、即
ち、本発明による一実施例の最適解設定法によるフェー
ルセーフ制御の概略フローチャートである。
【0055】適応フィルタ制御103が為されている対
象システム10の環境の判断301を行い、最適解wopt
(i)401を設定する。そして、対象システムの時々刻々の
適応フィルタw(i)との間の差δw(i)=wopt(i)−w
(i) 402を、適応フィルタタップ数I個のフィルタ係数
について求める。一例を挙げれば、I=128個であ
る。
【0056】この差δw(i)を基に、対象システムの状
態を判定する「偏差」として、例えば、差δw(i)の絶
対値の和Sδw=Σi|δw(i)|(i=0…I-1) 403を求め
る。
【0057】この「偏差」としては、他にも差δw(i)
の単純和Σiδw(i)、二乗和Σiδw(i)2、差δw(i)の
最大値max(δw(i);i=0…I-1)、もしくは最適解と適応
フィルタ間のフィルタパワーの差ΔW=Σiwopt(i)2
Σiw(i)2などが考えられる。
【0058】次に、この「偏差」である Sδw と閾値
th 404(状態を判定する所定の基準値)とを比較す
る。そして、次のように決めた基準(ルール)によっ
て、消音/増音状態を判定405 する。
【0059】(1)Sδw≦Sthの時は、消音状態(正
常なる制御状態) (2)Sδw>Sthの時は、増音状態 ここにおいて、消音か増音かの状態を判定するルール
「偏差の求め方と閾値の設定」は、予め実験などから決
めるものである。いろいろ実験して、騒音制御をする対
象システムに適する偏差の求め方を決める。そして、当
該対象システムの状態を判定するに適した閾値を設定す
るものである。
【0060】例えば、耳ざわりな騒音と言うのは、1000
Hz近辺とされている。従って、いろいろ実験して、この
近辺の周波数域の増音状態をより良く現す「偏差」であ
るように求め、そして増音状態であると判定され得る閾
値であるように設定した、判定ルールを決定するもので
ある。そして、上記により判定した消音や増音の状態に
より、例えば、次のようなフェールセーフ制御108を
行うものである。
【0061】消音状態406 にある時は、そのまま適応フ
ィルタ制御を継続する。また、増音状態407 にある時
は、適応フィルタ制御を一時停止408 し増音状態の進行
を抑える。該制御の再開は、制御装置の再始動時、ある
いは車両においては一度エンジンを切って停車した後の
エンジン再始動時に行うものとする。上記の方法を「最
適解設定法」と言うことにする。
【0062】図5は、閾値を3段階(Sth(1)<Sth(2)
<Sth(3))に設定した場合のフェールセーフ制御の概略
フローチャートである。
【0063】偏差 Sδw 501 と閾値Sth 502 の関係を
次のように決め、判定(503〜505)する。
【0064】(1)Sδw<Sth(1) :消音状
態 506(正常なる制御状態) (2)Sth(1)<Sδw<Sth(2):増音気味の状態 510 (3)Sth(2)<Sδw<Sth(3):増音状態 508 (4)Sth(3)<Sδw :発散状態 507 そして、各々の状態に応じて、次のフェールセーフ制御
108を実行する。
【0065】(1)の場合:消音状態であり、そのまま
制御を続行する。 (2)の場合:増音気味の状態であるので、適応フィル
タの成長を遅くするか、または成長を止める。これによ
り、増音状態の様子を窺う。(具体的には収束係数αを
小さくするか、またはα=0とする。) (3)の場合:増音状態であり、適応フィルタを徐々に
小さくするか、または一旦適応フィルタを零とし、そし
て再成長させる(509)。これにより、増音状態の進行
を抑える。(具体的には収束係数αを小さくするか、ま
たはα=0とすると共に、リーキーパラメータをλ<1
として作用させる。そして、適応フィルタの成長が充分
小さくなったか、または一旦2次音の出力を完全に止
め、その後、α やλ を元に戻し、再成長させる。) (4)の場合:発散状態であり、適応フィルタ制御自体
を一時停止する。(具体的には制御装置の作動を停止す
る。実際は、この状態に至る前に、適切にフェールセー
フ制御を行うので、例外的な処置である)。
【0066】この実施例の場合、「増音気味の状態」と
言う判定ルールを採用した点に特長がある。増音状態に
移行する気配を掴み、明らかな増音状態に至る前に先手
を打つ対応ができる。また、閾値を3段階以上の複数段
階に設定し、更に木目の細かいフェールセーフ制御を行
い、安定した適応フィルタ制御が行える。
【0067】尚、適応フィルタ制御が過渡状態の場合、
例えば適応フィルタが成長途中の場合などは、最適解に
対して適応フィルタが未だ小さいため、その偏差が大き
い場合がある。このように適応フィルタがある一定の大
きさに達しない状態の時は、上記フェールセーフ制御の
範囲外とし、本発明をより実用的なものとする。
【0068】図6は、他の実施例の設定最適解によるフ
ェールセーフ制御の概略フローチャートである。
【0069】図3〜図5の実施例では、最適解テーブル
から最適解を設定するものであり、そして、予め環境を
予想し用意された複数個の最適解が、制御する実環境の
範囲を概ねカバーしていれば、その設定された最適解
は、該実環境に適した値になっている筈であり、安定し
た制御状態が得られると考えられる。
【0070】万一、予想してない環境となり、設定最適
解が実環境に適した値でないならば、次のような偏差が
大きく変化するので、増音状態にあると判断できる。
【0071】ある時点で測定された適応フィルタw(i)
(i=0,…,I-1)と、設定されたP個の最適解woptp(i)(p=
1〜P) 601との各偏差δwp(i)=woptp(i)−w(i) 602
を、タップ数I個のフィルタ係数について求める。そし
て、この各偏差δwp(i)を基に、その絶対値の和S
δw(p)=Σi|δwp(i)| 603を求め、そのなかの最大値
であるSmax=max(Sδw(p)) 604を求める。これが、本
実施例での偏差である。
【0072】これに対して、前述の実施例と同様、S
maxに対するQ個の閾値Sth(q)(Sth(1)<…<S
th(Q))を設定する。そして、Q個の閾値Sth(q)に対し
てSmaxの大きさがどの程度であるかによって、システ
ムが消音状態〜増音状態〜発散状態の間のどのレベルに
あるかを判定する(605)。そして、判定結果に応じた
フェールセーフ 606を実行する。
【0073】図7は、本発明によるもう一つ他の実施例
の1次音推定法によるフェールセーフ制御の概略フロー
チャートである。もう一つ他の実施例の消音/増音状態
の判定方法によるフェールセーフ制御について示した図
である。
【0074】マイクロフォン2で検出された車室内の音
圧信号eには、元々の騒音源である1次音d1とスピー
カ3からの出力音である2次音d2が混在している。そ
こで、1次音と2次音を推定し、時々刻々の音圧信号と
比較して、消音/増音状態を判定する方法である。
【0075】まず、マイクロフォン位置での音圧信号e
(n)と、2次音制御信号y(n)と、スピーカ位置とマイク
ロフォン位置の間の音響伝達系のモデル関数C^(j)とを
入力する。(ステップ701)これらを用いて、(数5)
式より2次音d2(n)を求める。(ステップ702)。
【0076】 d2(n)=ΣjC^(j)y(n-j) (数5) 次に、このd2(n)と車室内の音圧信号e(n)を用いて、
(数6)式より、1次音d1(n)を推定する。(ステッ
プ702)。
【0077】 d1(n)=e(n)−d2(n) (数6) 次に、音圧信号e(n)および推定した1次音d1(n)の値
を、またはある一定期間加算した音圧の平均音圧値e
AVEおよびd1AVEを求める(ステップ703)。
【0078】そして両者の値を比較し、(ステップ70
4) e(n)≦d1(n)、または eAVE≦d1AVEのとき消音状
態 705、e(n)>d1(n)、または eAVE>d1AVEのと
き増音状態 706、と判定する。
【0079】即ち、1次音d1と2次音d2の和である
音圧eが、元の1次音d1より小さければ、消音である
と判定するものである。尚、これらのeやd1は、一般
的に変動が激しいので、ある一定期間の平均値を取るこ
とが望ましい。
【0080】そして、増音状態にある場合には、その偏
差(eとd1の差)の大きさに応じて、 (1)適応フィルタの成長を遅くするか、または成長を
止める。 (2)適応フィルタを徐々に小さくするか、または一旦
適応フィルタを零とし、そして再成長させる。 (3)適応フィルタ制御自体を一時停止する。 などのフェールセーフ 707を実行する。
【0081】図8は、本発明による一実施例の分割制御
系におけるフェールセーフ制御の概略ブロック線図であ
る。
【0082】ロードノイズのようなブロードバンドスペ
クトルの騒音に対し制御を行っている場合、全ての周波
数域で増音状態になることは稀である。大抵の場合は特
定周波数域のみが増音状態になり、例えば、低周波数域
では消音しているが高周波数域では増音状態になる、と
いったことがしばしば起こる。このような場合に対し
て、一つの適応フィルタで全周波数域をカバーするので
はなく、低周波域用と高周波域用に制御系を分割し、各
制御系の適応フィルタに対して最適解テーブルを用意し
て、上述したようなフェールセーフ制御を実行すること
が考えられる。
【0083】図では、検出したセンサ信号101の参照
信号と車室内の音圧信号106とをそれぞれ高低の2系
統に分割し、各々低周波域用及び高周波域用に構成され
た制御系(サンプリング周波数、アナログフィルタのカ
ットオフ周波数等がそれぞれ各周波数域用に設定されて
いるもの)に各々の信号を入力される。そして、低周波
域用の適応フィルタWL 801、LMS(L)アリゴリズム80
3、モデル関数C^L805、高周波域用の適応フィルタWH
802、LMS(H)アリゴリズム804、モデル関数C^H806
などを用いて、対象とする周波数域の1次音を消音する
ように制御するものである。
【0084】図9は、分割制御系における最適解設定法
によるフェールセーフ制御の概略フローチャートであ
る。
【0085】各制御系毎に環境の判断 301が行われる。
適応フィルタの最適解テーブル(ステップ901、902)が
用意されており、その時点での実環境に応じて、最適解
が設定される。
【0086】そして、各制御系毎に適応フィルタと最適
解との偏差(ステップ903、904)を求め、その大きさを
閾値(ステップ905、906)と比較判断(ステップ907、9
08)され、各制御系毎にフェールセーフ 909が行われ
る。
【0087】例えば、低周波域は消音状態であるが、高
周波域は増音状態にあると判定された場合は、低周波制
御系の消音制御は継続され、高周波制御系のみ2次音出
力を一時停止させるなどのフェールセーフ制御が行われ
る。
【0088】問題のある周波数のみ選択的に制御するこ
とが可能な本実施例の騒音制御によって、特に、耳ざわ
りな騒音である 1000Hz 近辺の分割制御系を設ければ、
本発明の効果が遺憾なく発揮される。
【0089】図10は、分割制御系における1次音推定
法によるフェールセーフ制御の概略フローチャートであ
る。
【0090】制御系を高周波域と低周波域の2系統に分
割し、音圧信号eH、eLと2次音制御信号yH、yL、お
よびモデル関数C^H、C^Lが制御系に入力される。
(ステップ1001、1002) そして、各制御系毎に2次音d2H、d2Lと1次音d1
H、d1L、を求め、音圧信号の平均値(eH)AVE、(eL)
AVE、1次音の平均値(d1H)AVE、(d1L)AVEを求め
る。(ステップ1003、1004) 大小が比較され、判定される。(ステップ1005、1006)
そして、増音状態にある場合には、その程度に応じて、
前述の(1)〜(3)と同じようなフェールセーフ 100
7、1008を行うものである。
【0091】以上の説明は、適応フィルタの最適解を設
定し、車室内の増音状態を判定し、フェールセーフ制御
を行うものであるが、従来の消音制御に、この「最適解
設定法」を用いることができる。
【0092】図11は、本発明による一実施例の適応フ
ィルタ制御の概略フローチャートである。
【0093】まず、エンジンがスタートされ、適応フィ
ルタ制御が開始される。(ステップ1101)そして、環境
が判断される。(ステップ301)そして、マイクロプロ
セッサ43のROM内にメモリされているP個の適応フ
ィルタの最適解woptp(i)のうちから、一つの最適解wo
pt(i)が設定される。(ステップ304) そして、適応フィルタ更新式および2次音制御信号の出
力式の初期値に、この最適解wopt(i)が入力される。
(ステップ1102)そして、次の(数7)〜(数9)式か
ら適応フィルタ制御103が開始される。
【0094】 w(i)=λ・wopt(i)+α・Σll(n)rl(n-i) (数7) rl(n)=ΣjC^1(j)x(n-j) (数8) y(n)=Σiwopt(i)x(n-i) (数9) このように、設定された最適解wopt(i)を初期値として
与えることにより、最初から適応フィルタの最適解を求
めながら制御するよりも、いち早く短時間に消音制御に
入ることができる。また、その後の制御も、この与えた
最適解からの微更新に留めることができるので、安定し
た適応フィルタ制御が行える。
【0095】尚、本発明は、騒音制御以外に振動低減制
御にも適用することができる。
【0096】
【発明の効果】増音状態の検出が困難なロードノイズな
どのランダム騒音に対し、対象システムが増音状態か否
かを判定し、消音制御を継続するまたは増音状態の進行
を抑制するなどのフェールセーフ制御を実行し、安定し
た適応フィルタ制御を行う能動型騒音制御装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の適応フィルタ制御によ
る能動型騒音制御装置の全体構成を示している図であ
る。
【図2】本発明による一実施例の能動型騒音制御装置の
制御アリゴリズムの概略ブロック線図である。
【図3】本発明による一実施例の適応フィルタの設定最
適解を設定する概略フローチャートである。
【図4】本発明による一実施例の設定最適解によるフェ
ールセーフ制御の概略フローチャートである。
【図5】閾値を3段階(Sth(1)<Sth(2)<Sth(3))に
設定した場合のフェールセーフ制御の概略フローチャー
トである。
【図6】他の実施例の設定最適解によるフェールセーフ
制御の概略フローチャートである。
【図7】もう一つ他の実施例の1次音推定法によるフェ
ールセーフ制御の概略フローチャートである。
【図8】本発明による一実施例の分割制御系におけるフ
ェールセーフ制御の概略ブロック線図である。
【図9】分割制御系における最適解設定法によるフェー
ルセーフ制御の概略フローチャートである。
【図10】分割制御系における1次音推定法によるフェ
ールセーフ制御の概略フローチャートである。
【図11】本発明による他の実施例の適応フィルタ制御
の概略フローチャートである。
【符号の説明】
1.加速度センサ、2.マイクロフォン、3.スピー
カ、4.コントローラ、5.アンプ、10.車室内、4
1、45.アナログローパスフィルタ、42.A/D変
換器、43.マイクロプロセッサ、44.D/A変換
器、46.アナログハイパスフィルタ、101.センサ
信号、102、107.ディジタル信号、103.適応
フィルタ制御、104.制御信号、105.2次音、1
06.音圧信号、108.フェールセーフ制御

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の制御位置における音圧信号を検出す
    る音圧検出手段と、騒音源から伝達される騒音に対して
    能動的に干渉させるための2次音の制御信号を出力する
    2次音出力手段と、前記騒音源と相関性のある参照信号
    を検出する参照信号検出手段と、前記参照信号と前記音
    圧信号とに基づいて前記制御位置における前記音圧信号
    が最小となるように前記制御信号を制御する適応フィル
    タを更新する適応フィルタ制御手段とを備える能動型騒
    音制御装置において、 前記参照信号を検出する位置から前記音圧信号を検出す
    る位置までの伝達系と前記制御信号を出力する位置から
    前記音圧信号を検出する位置までの伝達系とを含む音伝
    達系の特性を定めることのできる少なくとも1つの環境
    情報を検出する手段と、検出された前記環境情報に基づ
    き定められた前記音伝達系の特性を用いて前記適応フィ
    ルタの設定最適解を設定する手段と、前記設定最適解と
    更新される前記適応フィルタとの偏差から前記制御位置
    における前記音圧信号の増音状態を判定する手段とを設
    け、 前記適応フィルタ制御手段が、前記増音状態の判定に応
    じて前記適応フィルタ制御手段自体を制御するフェール
    セーフ機能を有することを特徴とする能動型騒音制御装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記適応フィルタの設
    定最適解を設定する手段は、予め用意した最適解テーブ
    ルより設定最適解を選択し設定するものであることを特
    徴とする能動型騒音制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記設定最適解を設定
    する手段によって設定された前記設定最適解wopt(i)と
    時々刻々更新される前記適応フィルタw(i)(i=0,…I-1)
    との前記偏差は、差δw(i)=wopt(i)−w(i) の和Σi
    δw(i)、または差δw(i)の絶対値の和Σi|δw(i)|、
    または差δw(i)の二乗和Σiδw(i)2、または差δw
    (i)の最大値max(δw(i))、またはフィルタパワ−の差
    ΔW=Σiwopt(i)2−Σiw(i)2のうち少なくとも1つ
    であることを特徴とする能動型騒音制御装置。
  4. 【請求項4】所定の制御位置における音圧信号を検出す
    る音圧検出手段と、騒音源から伝達される騒音に対して
    能動的に干渉させるための2次音の制御信号を出力する
    2次音出力手段と、前記騒音源と相関性のある参照信号
    を検出する参照信号検出手段と、前記参照信号と前記音
    圧信号とに基づいて前記制御位置における前記音圧信号
    が最小となるように前記制御信号を制御する適応フィル
    タを更新する適応フィルタ制御手段とを備える能動型騒
    音制御装置において、 前記制御信号を出力する位置から前記音圧信号を検出す
    る位置までの伝達系を含む音伝達系の特性を定めること
    のできる少なくとも1つの環境情報を検出する手段と、
    検出された前記環境情報に基づき定められた前記音伝達
    系の特性と前記音圧信号と前記制御信号とを用いて前記
    騒音源から伝達される前記騒音の推定騒音を推定する手
    段と、前記推定騒音と前記音圧信号との偏差から前記制
    御位置における前記音圧信号の増音状態を判定する手段
    とを設け、 前記適応フィルタ制御手段が、前記増音状態の判定に応
    じて前記適応フィルタ制御手段自体を制御するフェール
    セーフ機能を有することを特徴とする能動型騒音制御装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項4において、前記適
    応フィルタ制御手段の制御自体をフェールセーフするこ
    とは、適応フィルタの更新による適応フィルタの成長を
    遅くする、または適応フィルタの成長を止める、または
    適応フィルタを逆成長させる、または一旦適応フィルタ
    を零にして再度成長させる、または制御自体を一時停止
    するのうち少なくとも1つを行うものであることを特徴
    とする能動型騒音制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1または請求項4において、検出さ
    れる前記音圧信号の周波数範囲を複数の周波数域に分割
    し、分割した前記周波数域別に前記適応フィルタ制御手
    段を設け、前記周波数域別の前記適応フィルタ制御手段
    毎にフェールセーフすることを特徴とする能動型騒音制
    御装置。
  7. 【請求項7】請求項1または請求項4において、騒音制
    御の対象が車両の車室内である場合にあっては、前記環
    境情報は、車室内温度、または車両走行速度、または車
    両総重量のうち少なくとも一つであることを特徴とする
    能動型騒音制御装置。
  8. 【請求項8】所定の制御位置における音圧信号を検出す
    る音圧検出手段と、騒音源から伝達される騒音に対して
    能動的に干渉させるための2次音の制御信号を出力する
    2次音出力手段と、前記騒音源と相関性のある参照信号
    を検出する参照信号検出手段と、前記参照信号と前記音
    圧信号とに基づいて前記制御位置における前記音圧信号
    が最小となるように前記制御信号を制御する適応フィル
    タを更新する適応フィルタ制御手段とを備える能動型騒
    音制御装置において、 前記参照信号を検出する位置から前記音圧信号を検出す
    る位置までの伝達系と前記制御信号を出力する位置から
    前記音圧信号を検出する位置までの伝達系とを含む音伝
    達系の特性を定めることのできる少なくとも1つの環境
    情報を検出する手段と、検出された前記環境情報に基づ
    き定められた前記音伝達系の特性を用いて前記適応フィ
    ルタの設定最適解を設定する手段とを設け、 前記適応フィルタ制御手段が、前記設定最適解を初期値
    として用いて前記適応フィルタの更新を開始することを
    特徴とする能動型騒音制御装置。
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