JPH08248871A - 自動車模擬運転装置 - Google Patents

自動車模擬運転装置

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JPH08248871A
JPH08248871A JP7048199A JP4819995A JPH08248871A JP H08248871 A JPH08248871 A JP H08248871A JP 7048199 A JP7048199 A JP 7048199A JP 4819995 A JP4819995 A JP 4819995A JP H08248871 A JPH08248871 A JP H08248871A
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JP
Japan
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vehicle
simulated
moving body
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control
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Application number
JP7048199A
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English (en)
Inventor
Masafumi Yamane
雅史 山根
Masaaki Nishiwaki
正明 西脇
Akihiko Yokota
明彦 横田
Takafumi Kijima
啓文 貴島
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Fujitsu Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転者による運転操作の内容に拘わらず、所
望の状況を正確に再現できるようにする。 【構成】 模擬走行路を直進する自車両の走行路を横切
るように対向車(他車両)が強引に右折してくる状況の
再現において、自車両が模擬走行路上の通過確認ライン
RPn 、RPn+1 、RPn+2 を順次通過するのに同期して他車
両が前記通過確認ラインに対応する経路制御点APn 、AP
n+1 、APn+2 を順次通過し、他車両の移動距離が自車両
の移動距離に比例するように他車両の移動を制御する。
これにより自車両の車速に拘わらず自車両が通過確認ラ
インRPn+2 を通過するときには他車両Nは必ず経路制御
点APn+2 に到達する。また他車両が経路制御点APn+2
到達した後は経路制御点APn+2 からAPn+3 、APn+4 、AP
n+5 、…と続く走行経路を予め定められた速度、加速度
で移動し右折動作を行うように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車模擬運転装置に係
り、特に運転者の運転操作に応じた模擬視界画像を生成
し表示する自動車模擬運転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、運転者の訓練や自動車の研究
開発等を支援するための装置としてドライビングシミュ
レータが知られている。ドライビングシミュレータは、
運転者が着座する模擬運転席、模擬運転席が設置された
揺動台を揺動させる揺動装置、映像を表示する表示装
置、音を発生する音響装置等を備えており、模擬運転席
に着座した運転者の運転操作に基づいて該運転操作に従
って走行する仮想的な自車両の状態(自車両に加わる加
速度、運転者の視界、運転者に聴取される音等)を判断
し、揺動装置により揺動台を揺動させることによって車
両に加わる加速度等を模擬させ、表示装置により運転者
の視界に相当する模擬視界映像を表示させ、音響装置よ
り運転者に聴取される走行音等を模擬した音を発生させ
る等によって、実際の車両を運転している感覚に近い感
覚を運転者に与えるものである。
【0003】ドライビングシミュレータでは自車両が予
め設定された模擬走行路を走行しているものとして模擬
視界映像を生成するが、任意の状況の模擬走行路を予め
設定しておき、自車両がこの模擬走行路を走行している
ものとして模擬視界映像を生成、表示することにより、
例えば交差点の通過、高速道路の走行等の任意の状況に
おける運転操作を模擬することができ、特に実際には行
うことが困難な、危険を伴う状況(例えば他車両や歩行
者との接触の危険がある状況)での試験や訓練を安全に
かつ繰り返し行うことが可能となる。
【0004】ところで、ドライビングシミュレータにお
いて訓練や試験の精度を向上させるには、運転者に与え
る感覚を実際の車両を運転している感覚により近づける
ことが重要であり、従来より種々の技術が提案されてい
る。例えば特開平4-243291号公報には、模擬視界映像中
の先行車や対向車等の他車両の走行状態を実際の走行状
態に近似させるために、他車両の位置情報にランダムな
変動成分を付加し他車両の振動を表現することが記載さ
れている。
【0005】また特開平 3-31887号公報には、表示装置
における模擬視界映像の生成、表示に時間がかかること
に起因する遅れを解消するために、自車両の現在の位置
状態より自車両の将来の位置状態を予測して模擬視界映
像を生成することが提案されている。更に特開平 3-352
82号公報には、自動車の複数種類の走行状態に対応する
複数種類の画像データを予め記憶しておき、運転者の運
転操作の内容に応じて画像データを選択することが記載
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】また訓練や試験の精度
を向上させるには、危険を伴う他車両等が絡む状況を正
確に再現することも重要であるが、従来のドライビング
シミュレータでは、自車両の位置が模擬走行路上の予め
定められた所定位置に到達したときに他車両を出現さ
せ、以後はこの他車両が予め定められた経路を予め定め
られた速度で移動するように模擬視界映像を生成してい
る。これに対し自車両の速度は運転者の運転操作に応じ
て定まるため、運転者の運転操作の内容によっては所望
の状況を再現できないことがある、という問題があっ
た。
【0007】例えば衝突を回避するための運転操作の試
験、訓練では、交差点等において右折する対向車両と異
常接近する等の状況が多用される。従来は、運転者の運
転操作による自車両の速度を予め想定し、想定した自車
両の速度に応じて異常接近する状況が生ずるように他車
両の移動速度を定めているが、前記想定した自車両の速
度と、運転者の運転操作による自車両の速度と、の差が
大きくなると、自車両が交差点に進入するタイミングに
対して他車両が交差点に進入するタイミングが速過ぎた
り遅過ぎたりすることになり、異常接近するという状況
を正確に再現できない。
【0008】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、運転者による運転操作の内容に拘わらず、所望の状
況を正確に再現することができる自動車模擬運転装置を
得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、模擬運転席に着座する運転者
に対して模擬視界画像を表示するための表示手段と、前
記運転者の運転操作に基づいて、該運転操作に応じて模
擬走行路上を走行する仮想的な自車両の模擬走行路座標
上における位置を表す第1の位置情報を順次更新する自
車両情報更新手段と、前記順次更新される第1の位置情
報に基づいて、模擬走行路上又はその近傍に存在する移
動体の移動が自車両の移動に同期するように、模擬走行
路座標上の移動体の位置を表す第2の位置情報を順次更
新する移動体情報更新手段と、前記第1の位置情報が表
す自車両の位置と前記第2の位置情報が表す移動体の位
置とに基づいて、自車両の運転席からの視界を模擬した
模擬視界画像を表す情報を順次生成し、前記模擬視界画
像を前記表示手段に表示させる模擬視界生成手段と、を
含んで構成している。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、模擬走行路に沿って自車両の通過確認箇所
が予め複数設定されていると共に、模擬走行路上又はそ
の近傍に前記複数の通過確認箇所に対応して移動体の経
路制御点が予め複数設定されており、移動体情報更新手
段は、前記順次更新される第1の位置情報より自車両が
既に通過した通過確認箇所からの自車両の移動距離を順
次演算し、移動体が前記複数の経路制御点を結ぶ経路に
沿って移動し、かつ移動体が既に通過した経路制御点か
らの移動体の移動距離が前記演算した自車両の移動距離
に比例するように第2の位置情報を順次更新することを
特徴としている。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、移動体情報更新手段は、前記順次更新され
る第1の位置情報に基づいて、自車両と移動体との相対
速度が所定値となるように第2の位置情報を更新すると
共に、自車両と移動体との相対距離に応じて前記所定値
を変更することを特徴としている。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項2記載の発
明において、移動体情報更新手段は、自車両及び移動体
が模擬走行路上で交差する状況を再現する場合に、移動
体が前記経路に沿って移動する途中で、移動体が自車両
の移動と非同期に移動するように第2の位置情報を順次
更新する制御に切り換えることを特徴としている。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第2の位置情報には模擬走行路座標上にお
ける移動体の向きを表す情報が含まれており、移動体情
報更新手段は、移動体としての他車両に進路変更を行わ
せる際に、実際の車両の車線変更時の向きの変化が模擬
されるように、前記向きを表す情報を進路変更の途中で
順次変更し、模擬視界生成手段は、前記情報が表す移動
体の向きに応じて模擬視界画像を生成することを特徴と
している。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明では、自車両情報更新手段
により、模擬運転席に着座する運転者の運転操作に基づ
いて、該運転操作に応じて模擬走行路上を走行する仮想
的な自車両の模擬走行路座標上における位置を表す第1
の位置情報を順次更新し、移動体情報更新手段では、前
記順次更新される第1の位置情報に基づいて、模擬走行
路上又はその近傍に存在する移動体の移動が自車両の移
動に同期するように、模擬走行路座標上の移動体の位置
を表す第2の位置情報を順次更新する。そして模擬視界
生成手段では、第1の位置情報が表す自車両の位置と第
2の位置情報が表す移動体の位置とに基づいて、自車両
の運転席からの視界を模擬した模擬視界画像を表す情報
を順次生成し、生成した模擬視界画像を表示させる。
【0015】上記により、模擬視界画像において運転者
の運転操作に応じて定まる自車両の移動に同期して他車
両、歩行者、自転車等の移動体が移動することになるの
で、例えば交差点において他車両と異常接近する、高速
道路において他車両に追い越される、或いは歩行者が飛
び出す等の状況を再現して運転操作の訓練、試験を行う
場合に運転者の運転操作に応じて自車両の移動速度が変
化したとしても、上記異常接近や飛び出し等の状況が正
確に再現される。従って、運転者による運転操作の内容
に拘わらず、所望の状況を正確に再現することができ
る。
【0016】なお、上記第2の位置情報の更新は、具体
的には請求項2に記載したように、模擬走行路に沿って
自車両の通過確認箇所を予め複数設定すると共に、模擬
走行路上又はその近傍に前記複数の通過確認箇所に対応
して移動体の経路制御点を予め複数設定しておき、移動
体情報更新手段では、順次更新される第1の位置情報よ
り自車両が既に通過した通過確認箇所からの自車両の移
動距離を順次演算し、移動体が複数の経路制御点を結ぶ
経路に沿って移動し、かつ移動体が既に通過した経路制
御点からの移動体の移動距離が前記演算した自車両の移
動距離に比例するように第2の位置情報を順次更新する
ことで、移動体の移動が自車両の移動に同期するように
第2の位置情報を更新することができる。
【0017】請求項2によれば、自車両の移動距離に対
する移動体の移動距離の比率を、前記通過確認箇所の間
隔に対する経路制御点の間隔の比率に一致させることに
より、移動体を、自車両が模擬走行路上の通過確認箇所
を通過したときに前記通過確認箇所に対応する経路制御
点を通過し、かつ経路制御点の間においても移動距離が
自車両の移動距離に比例するように移動させることがで
きる。従って、自車両の移動の速度に拘わらず、模擬走
行路上における自車両の位置と移動体の位置との関係は
一定となるので、交差点の通過等を含む種々の状況にお
いて自車両の位置に対し一定の位置関係となるように移
動体を移動させることができると共に、模擬視界画像上
において移動体が滑らかに相対移動するように表示させ
ることができる。
【0018】ところで、請求項2の発明では模擬走行路
上に通過確認箇所及び経路制御点を設定する必要がある
が、例えば自車両が、模擬走行路としての高速道路を長
距離に亘って走行する等の状況では、非常に多数の通過
確認箇所及び経路制御点を設定する必要が生じるので設
定に時間がかかると共に、通過確認箇所及び経路制御点
の情報を含む模擬走行路に関する情報量が膨大なものと
なる。
【0019】このような場合は、第2の位置情報の更新
を、請求項3に記載したように、順次更新される第1の
位置情報に基づいて自車両と移動体との相対速度が所定
値となるように行うと共に、自車両と移動体との相対距
離に応じて前記所定値を変更することが好ましい。これ
により、多数の通過確認箇所及び経路制御点を設定する
必要がなくなり、模擬走行路に関する情報の情報量を小
さくすることができ、前記情報を記憶する記憶媒体の記
憶容量等を小さく抑えることが可能となる。
【0020】請求項3では移動体の移動が自車両の移動
に同期するものの、模擬走行路上における自車両の位置
と移動体の位置との関係が一定とは限らず、前記関係が
自車両の移動の速度に応じて変化するので、例えば自車
両と移動体としての他車両とが異なる方向から交差点に
進入する等の状況の再現には適していないが、自車両と
移動体とが略同じ方向へ移動する状況、例えば自車両が
模擬走行路としての高速道路を長距離に亘って走行して
いる途中で移動体としての他車両が自車両を追い越して
いく等の状況を、自車両の移動速度に拘わらず正確に再
現することができる。
【0021】また、移動体との接触等の危険を伴う状況
を正確に再現するためには、請求項1にも記載したよう
に移動体の移動を自車両の移動に同期させる必要がある
が、実際には他車両、歩行者、自転車等の移動体の動き
は自車両の動きと無関係であり、移動体の移動を常に自
車両の移動に常に同期させると移動体の移動が不自然と
なることが考えられる。特に前述の請求項2では、移動
体の移動距離を自車両の移動距離に比例させるので、自
車両が停止(移動距離の変化が0となる)すると移動体
の移動も停止し、交差点等において移動体の移動経路が
自車両の走行経路と交差するように移動体を移動させて
移動体との異常接近等の状況を再現する際の移動体の挙
動が不自然となる。
【0022】このため請求項4にも記載したように、自
車両及び移動体が模擬走行路上で交差する状況を再現す
る場合に、移動体情報更新手段は、移動体が経路に沿っ
て移動する途中で、移動体が自車両の移動と非同期に移
動するように第2の位置情報を順次更新する制御に切り
換えることが好ましい。なお、自車両及び移動体が模擬
走行路上で交差する状況としては、前述した模擬走行路
の交差点において自車両及び移動体の走行経路が交差す
る状況以外に、例えば模擬走行路(例えば直線路部分)
を直進する自車両に対し、移動体としての他車両(対向
車)が右折して自車両の走行路を横切って模擬走行路外
へ移動する状況や、模擬走行路を直進する自車両に対し
移動体としての他車両が模擬走行路外から自車両の走行
路を横切って模擬走行路内へ進入する状況等が挙げられ
る。
【0023】上記によれば、自車両及び移動体が模擬走
行路上で交差する状況の再現において、運転者が移動体
との異常接近や接触等の危険が生ずる可能性に気付いて
自車両を停止させる運転操作を行い、自車両が停止した
としても、移動体はこの自車両の停止と無関係に移動す
ることになるので、現実に則した違和感のない移動体の
動きが得られ、自車両及び移動体が模擬走行路の交差点
を通過する状況を良好に再現することができる。
【0024】また、請求項5にも記載したように、第2
の位置情報に模擬走行路座標上における移動体の向きを
表す情報を含め、移動体情報更新手段は、移動体として
の他車両に車線変更を行わせる際に、実際の車両の車線
変更時の向きの変化が模擬されるように、前記向きを表
す情報を進路変更の途中で順次変更し、模擬視界生成手
段は、前記情報が表す移動体の向きに応じて模擬視界画
像を生成することが好ましい。移動体としての他車両を
車線変更(レーンチェンジ)させる場合、従来の自動車
模擬運転装置では他車両の車体の向きが車線の延長方向
に一致した状態を維持したまま横滑りしたかのように横
に移動する模擬視界画像を表示していたが、請求項5に
よれば、車線変更時の他車両の動きが現実に則した違和
感のない動きとなるので、運転者に対して違和感を与え
ることを防止することができる。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1には、本実施例に係る自動車模擬運転
装置10が示されている。
【0026】自動車模擬運転装置10は、模擬運転席
(後述)に着座した運転者によって操作されるシフトレ
バー、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレー
キペダルを含んで構成された操作部12を備えている。
操作部12の出力端には車両運動演算コンピュータ14
及びメータ16が接続されている。操作部12は、シフ
トレバーの位置(シフトポジション)、前記運転者によ
るステアリングホイール、アクセルペダル及びブレーキ
ペダルの操作量を各々検出する複数のセンサを備えてお
り、各センサによる検出結果を運転操作情報として車両
運動演算コンピュータ14に出力する。なお、シフトポ
ジションの検出結果を表す情報についてはメータ16に
も出力される。
【0027】車両運動演算コンピュータ14では、操作
部12より入力された運転操作情報及び後述する画像コ
ンピュータ20から入力される模擬走行路情報(路面勾
配、路面の凹凸、路面摩擦係数等)に基づいて、運転者
の運転操作により模擬走行路を走行する仮想的な車両の
運動状態(車両に加わる前後加速度、横加速度、ピッチ
角、ロール角、ヨー角、車速、エンジン回転数等)を演
算する。車両運動演算コンピュータ14にはメータ16
が接続されており、メータ16には前記車両運動情報の
うち車速とエンジン回転数が出力される。メータ16で
は、入力された車速、エンジン回転数に応じてスピード
メータ、タコメータを駆動すると共に、操作部12から
入力されたシフトポジションに従ってシフトポジション
インジケータに現在のシフトポジションを表示する。
【0028】また車両運動演算コンピュータ14は、前
記演算した仮想的な車両の状態を表す各種情報(以下、
これらを車両運動情報と総称する)に基づき、前記仮想
的な車両においてシフトレバー、ステアリングホイー
ル、アクセルペダル及びブレーキペダルを介して運転者
が体感する操作反力を推定演算する。そして、演算した
操作反力を反力制御情報として操作反力制御部18に出
力する。操作部12には実際の車両においてシフトレバ
ー、ステアリングホイール、アクセルペダル及びブレー
キペダルを介して運転者が体感する操作反力を模擬する
ための反力発生装置(図示省略)が設けられており、操
作反力制御部18は、入力された反力制御情報に基づい
て、反力発生装置で発生される操作反力の大きさを制御
する。
【0029】車両運動演算コンピュータ14には画像コ
ンピュータ20が接続されており、この画像コンピュー
タ20には前記車両運動情報が入力される。また画像コ
ンピュータ20には、前記仮想的な車両が走行する模擬
走行路に関する模擬走行路情報を記憶したデータベース
22が接続されている。画像コンピュータ20では、後
に詳述するが、入力された車両運動情報に基づいて模擬
走行路上における前記仮想的な車両の位置を演算する。
また画像コンピュータ20は、模擬走行路上に他車両を
表示させる必要が有るか否かを予め設定された他車両制
御情報に基づいて判断し、他車両を表示させる必要が有
れば該他車両の位置を演算する。
【0030】画像コンピュータ20は、前記演算した模
擬走行路上における前記仮想的な車両(及び他車両)の
位置及び模擬走行路情報を、画像コンピュータ20に接
続された模擬視界画像ジェネレータ24に出力する。模
擬視界画像ジェネレータ24は本発明の模擬視界生成手
段に対応しており、前記入力された情報に基づいて、前
記仮想的な車両の運転席に着座した運転者の視界を模擬
した模擬視界画像を表す画像データを生成し、模擬視界
画像ジェネレータ24に接続されたプロジェクタ26に
出力する。プロジェクタ26は本発明の表示手段に対応
しており、前記入力された画像データが表す模擬視界画
像(動画像)をスクリーン(後述)に投影表示する。
【0031】また画像コンピュータ20は、データベー
ス22に記憶されている模擬走行路情報のうち模擬走行
路上において前記仮想的な車両が位置している部分につ
いての模擬走行路情報を、前述したように車両運動情報
コンピュータ14に出力するが、この模擬走行路情報は
画像コンピュータ20に接続されたサウンドコンピュー
タ28にも出力される。サウンドコンピュータ28は車
両運動演算コンピュータ14にも接続されており、車両
運動演算コンピュータ14からは前記仮想的な車両の車
速Vが入力される。サウンドコンピュータ28では入力
された情報に基づいて、実際の車両の運転席に着座した
運転者に聴取される音(排気音、エンジン音、風切音、
ロードノイズ等)を推定演算し、演算した音を合成生成
する。サウンドコンピュータ28にはスピーカ30が接
続されており、前記合成生成された音はスピーカ30か
ら出力される。
【0032】また、車両運動演算コンピュータ14には
モーションコンピュータ32も接続されており、このモ
ーションコンピュータ32にも車両運動情報が出力され
る。モーションコンピュータ32の詳細な構成について
は後述するが、入力された車両運動情報に基づいて、前
記模擬運転席、操作部12、スクリーン等が設けられた
揺動台(後述)を揺動させるための油圧シリンダの目標
シリンダ長さを演算し、油圧制御部34へ出力する。油
圧制御部34では入力された目標シリンダ長さに基づい
て油圧シリンダ36に供給する作動油の油圧を制御す
る。これにより、油圧シリンダ36は前記目標シリンダ
長さに一致するように伸縮される。
【0033】図2及び図3に示すように、揺動台40の
上部にはドーム42が取付けられている。ドーム42の
内部には車両モデル(カットモデル)44が設置されて
おり、運転者が着座する模擬運転席、操作部12の一部
を構成するシフトレバー、ステアリングホイール、アク
セルペダル及びブレーキペダルは車両モデル44の内部
に各々配設されている。またドーム42内部の上方側に
は、前述したプロジェクタ26が複数台設けられてい
る。プロジェクタ26は、ドーム42の内壁をスクリー
ンとして前述の模擬視界画像を投影表示する。
【0034】揺動台40の下面には、6本の油圧シリン
ダ36の上端部が各々ユニバーサルジョイント56を介
して取付けられている。図示は省略するが、各油圧シリ
ンダ36の下端部はユニバーサルジョイントを介して基
盤台に取付けられている。従って、前述したように6本
の油圧シリンダ36の各々が目標シリンダ長さに一致す
るように伸縮されることにより揺動台40は揺動され、
車両運動演算コンピュータ14で演算された仮想的な車
両の状態が模擬される。
【0035】次に本実施例の作用を説明する。本実施例
では、運転者の運転操作により仮想的な自車両が走行す
る走行路(模擬走行路)として、複数種類の模擬走行路
(例えば市街地路、高速道路等)が予め定められてお
り、データベース22には、前記複数種類の模擬走行路
に対応して各模擬走行路を規定する複数の模擬走行路情
報が予め記憶されている。
【0036】この模擬走行路情報は、模擬走行路の全
長、模擬走行路上における自車両の走行開始点及び走行
終了点の位置、模擬走行路に沿った各点における、走行
路の進行方向、車線数、車線の幅、路面勾配、路面摩擦
係数、横風の有無及び大きさ、模擬走行路近傍に設置さ
れた施設の位置及び外観等の情報を含んで構成されてお
り、前記模擬走行路に沿った各点における各情報は、よ
り詳しくは、予め設定された模擬走行路座標(平面座
標)上における位置と対応されて記憶されている。また
走行開始点及び走行終了点の位置についても、模擬走行
路座標の座標値として記憶されている。
【0037】またデータベース22には、前記複数の模
擬走行路に対応して、各模擬走行路の走行中に表示する
模擬視界画像において、他車両をどのように移動させる
かを規定した他車両制御情報も複数記憶されている。単
一の模擬走行路に対応する他車両制御情報は、次の表1
に示すような各種情報により構成されている。
【0038】
【表1】
【0039】なお他車両総数Nmax は、運転者の運転操
作により走行する仮想的な車両(以下、自車両と称す
る)が模擬走行路上の走行開始点から走行終了点まで走
行する間に模擬視界画像に表示させる他車両の総数を表
している。表1に示すように他車両制御情報は、他車両
総数Nmax と、他車両1〜他車両Nmax の各々の車両制
御情報で構成されている。各車両制御情報は、更に他車
両の種類(他車両が乗用車かトラックかバスか)及びサ
イズ、表示開始点の位置(他車両の表示を開始するとき
の自車両の位置を表す座標)、他車両の初期位置(他車
両の表示を開始するときの位置、但し相対距離制御では
自車両との距離L0及び模擬走行路上の基準位置に対す
る走行路の幅方向に沿った偏差D0)、表示終了タイミ
ング(他車両の表示を終了するときの自車両及び他車両
の位置を表す座標、但し相対距離制御では距離)、制御
点0〜制御点mの制御点情報で構成されている。
【0040】本実施例では他車両の移動を絶対経路指定
制御、又は位置比例運動制御、又は相対距離制御により
制御する。絶対経路指定制御は、一例として図4に示す
ように、他車両が、模擬走行路上に予め位置が設定され
た複数の経路制御点AP0 〜AP m の間を直線又は円弧で結
んだ経路を、予め設定された速度、加速度で走行するよ
うに他車両の移動を制御するものである。
【0041】また位置比例運動制御は、一例として図5
に示すように模擬走行路上の複数の経路制御点AP0 〜AP
m の間を直線又は円弧で結んだ経路を走行するように制
御する点は絶対経路指定制御と同じであるが、位置比例
運動制御では模擬走行路上に自車両の通過を確認するた
めの通過確認ラインRP0 〜RPm が設定されており、経路
制御点AP0 〜APm は通過確認ラインRP0 〜RPm と各々対
応している。そして、自車両が所定の通過確認ラインRP
n を通過したときに他車両が対応する経路制御点APn
通過し、かつ他車両の移動距離が、通過確認ラインRP0
を通過してからの自車両の移動距離に比例するように他
車両の移動を制御するものである。
【0042】また相対距離制御は、一例として図6に示
すように、他車両の移動速度と自車両の移動速度との速
度差(図6に示すΔV)が定められており、他車両の移
動速度は自車両の移動速度に応じて制御される。また相
対距離制御では、模擬走行路の幅方向に沿った所定位置
(例えば幅方向中央)が基準位置とされ、他車両が走行
する経路の前記基準位置からの偏差が予め設定されてい
る(指定偏差)。更に相対距離制御では、自車両と他車
両との距離(図6には「L」で示す)が予め定められた
制御距離LP0 〜LPm となったときに速度差ΔV及び指定
偏差を変更し、移動を制御する。
【0043】上述した各移動制御のうち、絶対経路指定
制御及び位置比例運動制御では経路制御点AP0 〜APm
各々境として他車両の移動を制御するための各種パラメ
ータが変更され、相対距離制御では制御距離LP0 〜LPm
を各々境として各種パラメータが変更される。本実施例
では上記経路制御点及び制御距離を「制御点」と総称し
ており、前述の制御点情報は、各制御点において他車両
の移動を制御するための各種情報(移動制御の内容、制
御点規定情報、円弧指定の有無、オプション、速度、加
速度、通過確認ライン、指定偏差、相対速度等)で構成
されている。
【0044】例えば制御点nの制御点情報では、「移動
制御の内容」には他車両の現在位置から制御点nまでの
移動を絶対経路指定制御で行うか、位置比例運動制御で
行うか、相対距離制御で行うかが設定される。また「制
御点規定情報」には、「移動制御の内容」が絶対経路指
定制御又は位置比例運動制御であれば、制御点n(すな
わち経路制御点APn )の位置を表す座標及び前の制御点
(経路制御点APn-1)との距離又は角度差が設定され、
「移動制御の内容」が相対距離制御であれば、制御点n
を規定する制御距離LPn が設定される。更に「円弧指定
の有無」は、経路制御点nまでの経路が円弧か直線かに
応じて設定される。
【0045】また「オプション」は他車両に対しウイン
カの点滅、ホーンの鳴動、ライトの点灯又は点滅(所謂
パッシング)を行わせたり、経路制御点で所定時間停止
させる場合に設定される(絶対経路指定制御の場合の
み)。更に「速度、加速度」は経路制御点nまでの他車
両の速度及び加速度であり、絶対経路指定制御の場合に
のみ設定される。なお、円弧指定の場合には「速度、加
速度」に代えて角速度、角加速度が設定される。更に
「通過確認ライン」は経路制御点nに対応する通過確認
ラインnの位置及び通過確認ラインn−1との距離又は
角度差である。また「指定偏差」は基準位置としての模
擬走行路の幅方向中央に対する他車両位置の偏差の指定
値、「相対速度」は自車両速度に対する相対速度であ
り、相対距離制御の場合にのみ各々設定される。
【0046】次に、上述した模擬走行路情報及び他車両
制御情報を用いて画像コンピュータ20で実行される模
擬視界画像を生成するための演算処理について、図7の
フローチャートを参照して、説明する。自動車模擬運転
装置10で自動車の運転のシミュレーションを行う場合
には、前記複数の模擬走行路のうち何れの模擬走行路を
走行するシミュレーションを行うかが予め指定される。
ステップ100では、予め指定された模擬走行路の模擬
走行路情報及び他車両制御情報の読み込みを行う。
【0047】次のステップ102では、前記読み込んだ
模擬走行路情報に含まれている自車両の走行開始点の位
置を表す座標値を、自車両の初期位置として設定する。
次のステップ104では、模擬運転席に着座した運転者
の運転操作に従って車両運動演算コンピュータ14で演
算された車両運動情報の取込みを行う。ステップ106
では前記取り込んだ車両運動情報と前記設定した自車両
の初期位置とに基づいて、模擬走行路座標上における自
車両の位置(第1の位置情報)を演算する。このステッ
プ106の処理は本発明の自車両情報更新手段に対応し
ている。ステップ108では前記演算した自車両位置に
対応する模擬走行路情報を取り出し、模擬視界画像ジェ
ネレータ24へデータを転送するための転送領域に、前
記演算した自車両位置と共に書き込む。
【0048】ステップ110では他車両の数を計数する
ためのカウンタNに1を代入し、ステップ112では、
カウンタNの値が他車両総数Nmax に等しくなったか否
か判定する。前記判定が否定された場合にはステップ1
14へ移行し、他車両Nの車両制御情報に基づいて他車
両Nの移動制御を絶対経路指定で行うか、位置比例運動
制御で行うか、相対距離制御で行うかを判定する。そし
て判定結果に従って、ステップ116の絶対経路指定制
御、又はステップ118の位置比例運動制御、又はステ
ップ120の相対距離制御を行う。
【0049】これらの制御の具体的な内容については後
に述べるが、上記各制御では、現時点で模擬視界画像に
他車両Nを表示するか否か判定し、表示する場合には模
擬走行路座標上における他車両Nの位置を演算し(第2
の位置情報)、演算した他車両Nの位置を含む他車両N
に関する情報を前記転送領域に書き込む。なお、位置比
例運動制御及び相対距離制御による処理は、本発明の移
動体情報更新手段に対応している。次にステップ122
でカウンタNに1を加算し、ステップ112に戻る。従
って、自車両が模擬走行路上の走行開始点から走行終了
点まで走行する間に模擬視界画像に表示させる全ての他
車両(他車両1〜他車両Nmax )に対して、ステップ1
12〜ステップ122の処理が各々行われる。
【0050】ステップ112の判定が肯定された場合に
はステップ124へ移行し、上記で演算された自車両及
び他車両の位置、及び自車両のサイズ(予め設定され
る)及び他車両のサイズに基づいて、自車両と他車両と
の衝突が発生したか否か判定する。判定が否定された場
合には、ステップ126で前記転送領域に書き込まれた
情報を模擬視界画像ジェネレータ24に転送する。次の
ステップ128では自車両が予め定められた模擬走行路
上の走行終了点に到達したか否か判定する。判定が否定
された場合にはステップ104に戻り、自車両が模擬走
行路上の走行終了点に到達するまでステップ104〜1
28の処理が繰り返される。そして、ステップ128の
判定が肯定されると、処理を終了する。
【0051】このように、画像コンピュータ20は、運
転者の運転操作に応じて車両運動演算コンピュータ14
で演算された自車両の状態が順次入力され、自車両が走
行終了点に到達するまでの間、入力された自車両の状態
に基づいて模擬走行路上における自車両位置の演算、他
車両1〜Nmax のうち表示させる他車両の判定、表示さ
せる他車両の位置等の演算を繰り返し行い、演算結果を
模擬走行路情報と共に模擬視界画像ジェネレータ24に
転送する。模擬視界画像ジェネレータ24では、転送さ
れた情報に基づいて実際の車両における運転者の視界に
相当する模擬視界画像を表す画像データを生成し、プロ
ジェクタ26へ出力する。これにより、ドーム42の内
壁に前述の模擬視界画像が表示される。
【0052】一方、自車両が走行終了点に到達する前に
ステップ124の判定が肯定された場合には、ステップ
130で予め定められた衝突時に表示すべき画像(例え
ばブラックアウト画像)を表示するよう模擬視界画像ジ
ェネレータ24に対して指示し、ステップ132で車両
運動演算コンピュータ14及びサウンドコンピュータ2
8に対し、衝突が発生したことを通知すると共に発生し
た衝突の内容等を表す情報を転送し(これにより、衝突
が模擬されるように揺動台の揺動、音の発生が行われ
る)、処理を終了する。
【0053】次に、図7のステップ116で行われる絶
対経路指定制御の詳細について、図8のフローチャート
を参照して説明する。ステップ150では、自車両が模
擬走行路上に予め設定された他車両Nの表示終了点を通
過したか否か判定する。判定が否定された場合には、ス
テップ152へ移行し、自車両が模擬走行路上に予め定
められた他車両Nの表示開始点を通過したか否か判定す
る。ステップ150の判定が肯定されるか、又はステッ
プ152の判定が否定された場合には処理を終了する
(この場合は他車両Nは模擬視界画像上に表示されな
い)。
【0054】一方、ステップ152の判定が肯定された
場合には、ステップ154で前回の制御周期で演算した
他車両Nの位置を読み込む(但し自車両が表示開始点を
通過した際には、他車両Nの位置として他車両Nの車両
制御情報に設定された初期位置を読み込む)。ステップ
156では他車両Nが経路制御点APn を通過したか否か
判定する。なお、この判定の初回のみは無条件で肯定と
判定される。判定が肯定された場合はステップ158で
経路制御点を識別するためのカウンタn(初期値は0)
に1を加算する。次のステップ160では、他車両Nの
経路制御点APnの制御点情報を取込む。ステップ162
では現在時刻をメモリに記憶し、ステップ164へ移行
する。
【0055】ステップ164では、前記取り込んだ制御
点情報の「オプション」に何らかの設定がされているか
否か判定する。判定が肯定された場合にはステップ16
6へ移行し、「オプション」に設定された情報に応じ
て、模擬視界画像ジェネレータ24に対し、模擬視界画
像上において他車両Nのウインカを点滅、又はホーンを
鳴動、又はライトを点灯或いは点滅させるための指示情
報を設定し、ステップ168では「オプション」に設定
された待ち時間を初期値とし、待ち時間が0か否か判定
する。初期値が0であれば判定は肯定されるが、初期値
が0以外の場合には判定は否定され、ステップ170で
待ち時間のカウントダウン(待ち時間からの一定値の減
算)を行った後にステップ188へ移行する。これによ
り、他車両Nは経路制御点APn 上に前記設定された待ち
時間だけ停止することになる。
【0056】一方、ステップ164の判定が否定又はス
テップ168の判定が肯定された場合にはステップ17
2へ移行し、制御点情報の「円弧指定の有無」が有とな
っているか否か判定する。判定が否定された場合には、
経路制御点APn までの他車両Nの走行経路は直線であ
り、ステップ174へ移行して経路制御点APn-1 と経路
制御点APn との間の距離を取り込む。次のステップ17
6では、上記で取り込んだ距離、及び経路制御点APn
制御点情報に設定されている速度、加速度に基づいて、
模擬走行路座標における他車両Nの位置を演算する。ま
た、ステップ178では他車両Nのヨー角を演算し、ス
テップ186へ移行する。なお、このヨー角は模擬走行
路座標における他車両Nの向きを表している。
【0057】また、ステップ172の判定が肯定された
場合は経路制御点APn までの他車両Nの走行経路は円弧
であり、ステップ180へ移行して経路制御点APn-1
経路制御点APn との間の角度差を取り込み、ステップ1
82では上記で取り込んだ角度差、及び経路制御点APn
の制御点情報に設定されている角速度、角加速度に基づ
いて、模擬走行路座標における他車両Nの位置を演算
し、次のステップ184で他車両Nのヨー角を演算した
後に、ステップ186へ移行する。ステップ186では
他車両Nのロール、ピッチを演算し、次のステップ18
8では、上記で演算した他車両Nの位置等の情報を模擬
視界画像ジェネレータ24へのデータの転送領域に書き
込み、処理を終了する。
【0058】図8の処理は絶対経路指定制御で移動が制
御される他車両Nに対し繰り返し実行され、他車両Nが
次の経路制御点APn を通過するまでの間はステップ15
6の判定が否定され、既に取り込んだ経路制御点APn
制御点情報に基づき他車両Nの移動制御を継続する。ま
た、他車両Nが次の経路制御点APn を通過するとステッ
プ156の判定が肯定されてステップ158に移行し、
カウンタnをカウントアップし(ステップ158)、次
の経路制御点APn の制御点情報を取込み(ステップ16
0)、新たな制御点情報に基づいて他車両Nの移動を制
御する。
【0059】上記処理により、絶対経路指定制御により
移動が制御される他車両Nは、自車両が表示開始点を通
過したときに予め定められた初期位置に表示が開始さ
れ、続いて、予め定められた走行経路に沿って予め定め
られた速度、加速度(又は角速度、角加速度)で、すな
わち自車両と非同期に走行するように表示された後に、
自車両が表示終了点を通過したときに表示が消去される
ことになる。
【0060】次に、図7のステップ118で行われる位
置比例運動制御の詳細について、図9のフローチャート
を参照して説明する。ステップ200では、自車両が模
擬走行路上に予め設定された他車両Nの表示終了点を通
過したか否か判定し、判定が否定された場合にはステッ
プ202へ移行して、自車両が模擬走行路上に予め定め
られた他車両Nの表示開始点を通過したか否か判定す
る。ステップ200の判定が肯定されるか、又はステッ
プ202の判定が否定された場合には処理を終了する
(この場合は他車両Nは模擬視界画像上に表示されな
い)。
【0061】一方、ステップ204の判定が肯定された
場合には、ステップ206で前回の制御周期で演算した
他車両Nの位置を読み込む(但し自車両が表示開始点を
通過した際には、他車両Nの位置として他車両Nの車両
制御情報に設定された初期位置を読み込む)。ステップ
206では自車両が通過確認ラインRPn を通過したか否
か判定する。なお、この判定の初回のみは無条件で肯定
と判定される。判定が肯定された場合はステップ208
で経路制御点及び通過確認ラインを識別するためのカウ
ンタn(初期値は0)に1を加算する。
【0062】ステップ210では他車両Nの経路制御点
APn の制御点情報を取込む。なお、先にも述べたよう
に、経路制御点APn までの移動制御が位置比例制御であ
れば、経路制御点APn の制御点情報には通過確認ライン
RPn に関する情報も設定されているので、この通過確認
ラインRPn に関する情報も同時に取り込まれることにな
る。次のステップ212では、上記で取り込んだ制御点
情報に、「移動制御の内容」として絶対経路指定制御が
設定されているか、すなわち絶対経路指定制御への移行
が設定されているか否か判定する。
【0063】ステップ212の判定が否定された場合に
はステップ214へ移行し、制御点情報の「円弧指定の
有無」が円弧指定有か否か判定する。判定が否定された
場合は経路制御点APn までの他車両Nの走行経路は直線
であり、ステップ216へ移行して自車両の現在位置と
通過確認ラインRPn との距離LD を取込み(図5の拡大
図参照)、ステップ218では通過確認ラインRPn-1
通過確認ラインRPn との距離L0 を取込む。また、ステ
ップ220では経路制御点APn-1 と経路制御点APn との
距離L1 を取り込み、ステップ222で通過確認ライン
RPn-1 と通過確認ラインRPn との距離と、経路制御点AP
n-1 と経路制御点APn との距離と、の比率α(=L1 ÷
0 )を演算する。
【0064】次のステップ224では他車両Nの現在位
置と経路制御点APn との距離LA を次の(1)式に従っ
て演算する。
【0065】 LA =α・LD =(L1 ÷L0)×LD …(1) 上記により他車両Nの移動距離が自車両Nの移動距離に
比例し、かつその比率が通過確認ラインRPn-1 とRPn
の距離と、経路制御点APn-1 とAPn との距離と、の比率
に等しくなるように、他車両Nと経路制御点APn との距
離LA が演算されることになる。ステップ226では模
擬走行路座標における他車両Nの向きを表す他車両Nの
ヨー角を演算し、ステップ228では上記で演算した距
離LA 及びヨー角に基づいて、模擬走行路座標における
他車両Nの位置を演算してステップ242へ移行する。
【0066】またステップ214の判定が肯定された場
合は、経路制御点APn までの他車両Nの走行経路は円弧
であり、ステップ230へ移行して自車両の現在位置と
通過確認ラインRPn との角度差を取込み、ステップ23
2では通過確認ラインRPn-1と通過確認ラインRPn との
角度差を取込む。また、ステップ234では経路制御点
APn-1 と経路制御点APn との角度差を取り込み、ステッ
プ236で通過確認ラインRPn-1 と通過確認ラインRPn
との角度差と、経路制御点APn-1 と経路制御点APn との
角度差と、の比率を前記と同様にして演算する。更にス
テップ238では他車両Nのヨー角を演算し、ステップ
240では前記演算した比率及びヨー角に基づいて模擬
走行路座標における他車両Nの位置を演算し、ステップ
242へ移行する。
【0067】ステップ242では他車両Nのロール、ピ
ッチを演算し、ステップ244では上記で演算した他車
両Nの位置等の情報を模擬視界画像ジェネレータ24へ
のデータの転送領域に書き込み、処理を終了する。図9
の処理は位置比例運動制御で移動が制御される他車両N
に対し繰り返し実行され、自車両が次の通過確認ライン
RPn を通過するまでの間はステップ206の判定が否定
され、既に取り込んだ経路制御点APn に対応する制御点
情報に基づき他車両Nの移動制御を継続する。また、自
車両が次の通過確認ラインRPn を通過するとステップ2
06の判定が肯定されてステップ208に移行し、カウ
ンタnをカウントアップし(ステップ208)、次の経
路制御点APn に対応する制御点情報を取込み(ステップ
210)、新たな制御点情報に基づいて他車両の移動を
制御する。
【0068】上記処理により、位置比例運動制御により
移動が制御される他車両Nは、自車両が表示開始点を通
過したときに予め定められた初期位置に表示が開始さ
れ、続いて、予め定められた走行経路に沿って自車両の
移動と同期して、より詳しくは移動距離が自車両の移動
距離に比例するように走行するよう表示された後に、自
車両が表示終了点を通過したときに表示が消去されるこ
とになる。このように、位置比例運動制御による他車両
の移動は、請求項2に記載した移動体制御情報更新手段
に対応している。
【0069】一方、ステップ210で取り込んだ制御点
情報の「移動制御の内容」に絶対経路指定制御を表す情
報が設定されていた場合には、次のステップ212の判
定が肯定されてステップ246へ移行し、先に説明した
図8の絶対経路指定制御が行われ、以降の処理では他車
両の移動制御が絶対経路指定制御に切り換わることにな
る。この制御の切換えは請求項4の発明に対応してい
る。このような位置比例運動制御から絶対経路指定制御
への切換えは、模擬走行路上の例えば交差点等で自車両
と他車両とが交差する状況を再現する場合に行われる。
【0070】一例として図11に示すように、自車両が
交差点を直進する際に、対向車両が自車両の走行路を横
切って強引に右折してくる状況を再現する場合、模擬走
行路上に通過確認ラインRPn 、RPn+1 、RPn+2 を設定す
ると共に、この通過確認ラインに対応して経路制御点AP
n 、APn+1 、APn+2 を設定し、上述した位置比例運動制
御により他車両Nの移動を制御したとすると、自車両の
車速に拘わらず自車両が通過確認ラインRPn+2 を通過す
るときには他車両Nは必ず経路制御点APn+2 に到達して
いるので、運転者の運転操作に拘わらず他車両Nを自車
両と異常接近させることができる。しかし、運転者が他
車両Nとの異常接近という状況に対し自車両が通過確認
ラインRPn+2 を通過した付近で急制動をかける運転操作
により対応し、これに伴って自車両が急減速したとする
と、位置比例運動制御では他車両Nの移動速度も急に低
下するので、対向車両が強引に右折してくる状況は再現
できない。
【0071】このような場合であっても、経路制御点AP
n+2 の制御点情報の「移動制御の内容」に絶対経路指定
制御を表す情報を予め設定しておけば、経路制御点AP
n+2 を通過した他車両Nの移動制御が絶対経路指定制御
に切り換わり、他車両Nが、自車両の移動と無関係に経
路制御点APn+2 からAPn+3 、APn+4 、APn+5 、…と続く
走行経路を予め定められた速度、加速度で移動する右折
動作を行うことになるので、他車両Nの動きが現実に則
した違和感のない動きとなり、対向車両が強引に右折し
てくる等の状況を良好に再現することができる。
【0072】次に、図7のステップ120で行われる相
対距離制御の詳細について、図10のフローチャートを
参照して説明する。ステップ250ではフラグ(初期値
は0)が1か否か判定する。なお、このフラグは他車両
1〜Nmax の各々に対して設けられており、上記では他
車両Nに対応するフラグの値を判定する。このフラグ
は、後述するように対応する他車両Nの表示が終了する
と1が設定される。次のステップ252では模擬視界画
像に他車両Nを現在表示しているか否か判定する。判定
が否定された場合にはステップ254へ移行し、自車両
が他車両Nの表示開始点を通過したか否か判定し、判定
が否定された場合には処理を終了する(この場合は他車
両Nは模擬視界画像上に表示されない)。
【0073】一方、ステップ254の判定が肯定された
場合には、ステップ256で他車両Nの初期位置とし
て、図12にも示すように、自車両の進行方向を前方と
して自車両から距離L0だけ後方でかつ基準位置から偏
差D0だけ偏倚した位置を設定する。ステップ258で
は制御距離LP0 〜LPm を識別するためのカウンタn(初
期値は0)に1を加算し、次のステップ260では制御
距離LPn に対応する制御点情報を取り込む。
【0074】なお、取り込んだ制御点情報に設定されて
いる「相対速度」は、自車両と他車両Nとの距離が前記
制御点情報に「制御点規定情報」として設定されている
制御距離LPn となるまでの間の自車両との相対速度を表
しており、制御点情報に設定されている「指定偏差」
は、自車両と他車両Nとの距離が制御距離LPn となるま
での間に他車両Nが模擬走行路の幅方向に沿って移動す
べき目標位置を表している。また基準位置からの偏差に
は、該偏差が表す他車両Nの位置が基準位置に対して右
側か左側かに応じて正又は負の符号が付されている。
【0075】次のステップ262では他車両Nの基準偏
差として、基準車線からの他車両Nの現在位置の偏差を
記憶し、ステップ272へ移行する。ステップ272で
は、車両運動演算コンピュータ14から入力された車両
運動情報に基づいて自車両の車速を演算する。ステップ
274では基準車線からの他車両Nの現在の偏差を演算
し、次のステップ276では演算した現在の偏差と前記
取り込んだ制御点情報に設定されている指定偏差とを比
較する。演算した偏差と指定偏差とが等しければ他車両
Nは目標位置に位置しているので、ステップ278でヨ
ーレートとして0を設定し、ステップ284へ移行す
る。
【0076】ステップ284では他車両Nの横速度Vy
(他車両が模擬走行路の幅方向に移動する速度:図12
参照)及びヨー角を演算するが、ヨーレートが0であれ
ば横速度として0、ヨー角としては模擬走行路の進行方
向に一致する値が設定される。次のステップ286で
は、上記で演算された横速度Vy、ヨー角、自車両の車
速V、制御点情報に設定されている相対速度ΔVに基づ
いて、他車両Nがヨー角で表される方向を向き、模擬走
行路の進行方向に沿って速度V+ΔVで移動し、かつ模
擬走行路の幅方向に沿って速度Vyで移動しているもの
として模擬走行路座標における他車両Nの位置を演算す
る。ステップ288では他車両Nのロール、ピッチを演
算し、ステップ290では上記で演算した他車両Nの位
置等の情報を模擬視界画像ジェネレータ24へのデータ
の転送領域に書き込み、処理を終了する。
【0077】図10の処理についても、相対距離制御で
移動が制御される他車両Nに対し繰り返し実行される
が、ステップ254の判定が一旦肯定された後はステッ
プ252の判定が肯定され、ステップ264で他車両N
の現在位置を取込み、次のステップ266では自車両と
他車両との距離Lを演算する。ステップ268では演算
した距離Lが表示終了距離Leになったか否か判定す
る。判定が否定された場合には、次のステップ270で
距離Lが制御距離LPn になったか否か判定する。判定が
肯定された場合にはステップ272に移行し、既に取り
込んだ制御距離LPnに対応する制御点情報に基づく他車
両Nの移動制御を継続する。また、ステップ270の判
定が肯定された場合にはステップ258に移行し、カウ
ンタnをカウントアップし(ステップ258)、次の制
御距離LPn に対応する制御点情報を取込み(ステップ2
60)、新たな制御点情報に基づいて他車両の移動を制
御する。このように、相対距離制御による他車両の移動
は、請求項3に記載した移動体情報更新手段に対応して
いる。
【0078】ところで、他車両Nに車線変更を行わせる
場合には、所定の制御点を境として制御点情報の「指定
偏差」が変更される。相対距離制御では、前回取り込ん
だ制御点情報に設定されている指定偏差と、今回取り込
んだ制御点情報に設定されている指定偏差と、が異なっ
ていた場合には、ステップ276において、他車両Nの
現在の偏差と指定偏差とが等しくないと判定され、ステ
ップ280へ移行する。
【0079】ステップ280では、まず制御点情報に設
定されている相対速度ΔV及び制御距離LPn に基づい
て、他車両Nと自車両との距離が制御距離LPn に等しく
なるまでの時間を演算する。次に、制御点情報に設定さ
れている指定偏差とステップ262で記憶した初期偏差
との差の絶対値(模擬走行路の幅方向に沿って他車両N
が移動すべき目標移動量に相当)、前記演算した時間、
及び他車両Nが移動すべき方向(模擬走行路の進行方向
に対し右か左か)に基づいて、他車両Nと自車両との距
離が制御距離LPn に等しくなるまでの間に、他車両Nを
前記目標移動量だけ模擬走行路の幅方向に沿って移動さ
せるためのヨーレートを設定する。
【0080】次のステップ284では上記で設定したヨ
ーレートに従って他車両の横速度、ヨー角が演算され
る。これにより、一例として図13に示すように、自車
両と他車両Nとの距離が制御距離LPn-1 に等しくなるこ
とにより取り込んだ次の制御距離LPn に対応する制御点
情報において、指定偏差として、他車両Nが現在走行し
ている車線の左隣の車線の中央と基準位置との偏差が設
定されていた場合、他車両Nに対して左向きのヨーレー
トが設定され、他車両Nのヨー角は一定の角速度で徐々
に左を向くように変更される。
【0081】また、基準位置に対する他車両Nの位置の
偏差が、指定偏差と初期偏差との差の絶対値を2で除し
た値以下になると(他車両Nが目標移動量の1/2以上
移動すると)、ステップ276からステップ282へ分
岐し、他車両Nに対して右向きのヨーレートが設定さ
れ、他車両Nのヨー角は一定の角速度で徐々に右を向く
ように(直進に戻るように)変更される。
【0082】そして偏差が指定偏差に等しくなると(車
線変更の完了)、ステップ278でヨーレートが0にさ
れ、他車両Nのヨー角は模擬走行路の進行方向に一致す
るように設定される。上述した車線変更における他車両
Nのヨー角(向き)の変更は請求項5の発明に対応して
いる。これにより、模擬視界画像における他車両の車線
変更時の動きが現実に則した違和感のない動きとなるの
で、運転者に対して違和感を与えることを防止できる。
【0083】なお、他車両の車線変更時における自車両
と他車両との距離及び横速度は、車線変更開始時及び終
了時の制御距離LP及び自車両との相対速度ΔVの大きさ
に応じて変化する。このため、制御点情報として設定す
る制御距離及び相対速度の値を調整することにより、他
車両に強引な割込みを行わせたり、緩やかな車線変更を
行わせたりすることができる。
【0084】一方、他車両Nと自車両との距離Lが表示
終了距離Leに等しくなると、ステップ268の判定が
肯定され、ステップ292でフラグを1にして処理を終
了する。これにより模擬視界画像上での他車両Nの表示
が消去される。
【0085】なお、相対距離制御において、自車両の前
方に、自車両との相対速度ΔV=0に設定した他車両を
走行させておき、相対速度ΔVを、符号が負で絶対値が
比較的大きな所定値に急に変更することにより、先行車
両が急制動をかけた状況を模擬することも可能である。
【0086】また、上記では位置比例運動制御から絶対
経路指定制御へ切換えを行なうべき状況の一例として、
自車両が交差点を直進する際に他車両(対向車両)が自
車両の走行路を横切って強引に右折してくる状況を説明
したが、これに限定されるものではなく、模擬走行路を
直進する自車両に対し他車両(対向車)が右折し自車両
の走行路を横切って模擬走行路外へ移動する状況や、模
擬走行路を直進する自車両に対し他車両が模擬走行路外
から自車両の走行路を横切って模擬走行路内へ進入する
状況の再現において、他車両が所定の経路制御点に到達
した時点で位置比例運動制御から絶対経路指定制御へ切
換えを行なうようにしてもよい。
【0087】また、位置比例運動制御から絶対経路指定
制御へ制御を切換える移動体は、自車両の経路と交差す
る経路に沿って移動する移動体のみに限定されるもので
はなく、前記交差する経路に沿って移動する移動体以外
の他の移動体(例えば前記交差する経路に沿って移動す
る移動体の前後を移動し、かつ移動経路が自車両の走行
経路と交差することなく模擬走行路に沿って移動する移
動体等)についても、自車両に接近したら絶対経路指定
制御へ切換えて自車両の移動と非同期に移動させるよう
にしてもよい。これにより、より現実に則した違和感の
ない移動体の動きが得られ、シミュレーションの精度を
向上させることができる。
【0088】更に、上記では自車両の移動に同期するよ
うに移動体を移動させる制御の一例として、移動体の移
動距離が自車両の移動距離に比例するように移動体を移
動させる制御(位置比例運動制御)、及び自車両と移動
体との相対速度が所定値となるように移動体を移動させ
る制御(相対距離制御)を例に説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、自車両の移動に同期(例
えば自車両の移動速度に同期)して移動体の出現タイミ
ングのみを変更し、移動体を出現させた後の移動体の移
動を、自車両の移動と非同期に予め定められた経路に沿
って移動するように移動体の移動を制御(絶対経路指定
制御)してもよい。
【0089】一例として、模擬走行路を直進する自車両
に対し自車両の走行路を横切るように移動体としての歩
行者が飛び出してくる状況を再現する場合において、前
記歩行者の移動に位置比例運動制御を適用したとする
と、歩行者の移動速度が自車両の移動速度に比例するこ
とになるので、自車両の速度が極端に速い又は遅い場合
には、運転者が歩行者の移動を不自然に感ずることが考
えられる。また、自車両の速度が極端に遅い場合には自
車両と歩行者との衝突を回避するための運転操作が極め
て容易になるのに対し、自車両の速度が極端に速い場合
には自車両と歩行者との衝突を回避することが殆ど困難
になることも考えられ、シミュレーションが運転者の運
転操作の訓練等を目的としている場合には、上述したよ
うな歩行者の移動ではシミュレーションの目的を達成で
きないこともある。
【0090】これに対し、前述したように自車両の移動
に同期して移動体の出現タイミングのみを変更する、よ
り詳しくは自車両の移動速度が速くなるに従って移動体
の出現タイミングのみを速くし、移動体を出現させた後
の移動体の移動を絶対経路指定制御で行なうようにすれ
ば、運転者が歩行者の飛び出しを視認してから、衝突を
回避する運転操作を行なわなければ自車両と歩行者とが
衝突する状況となるまでの時間を一定又は略一定とする
ことも可能になり、運転者の運転操作の訓練等の目的に
合ったシミュレーションを行なうことができる。
【0091】また、上記では、移動体として車両を適用
した場合を例に説明したが、これに限定されるものでは
なく、歩行者、自転車、自動二輪車等を適用することが
できる。また、例えば踏切の通過を模擬するシーンにお
いて、模擬視界内に現れる列車等も本発明の移動体に含
めることが可能である。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、運転者による運転操作の内容に拘わらず、所望の状
況を正確に再現することができる、という優れた効果を
有する。
【0093】また請求項2記載の発明は、上記効果に加
え、交差点の通過等を含む種々の状況において自車両の
位置に対し一定の位置関係となるように移動体を移動さ
せることができると共に、模擬視界画像上において移動
体が滑らかに相対移動するように表示させることができ
る、という効果を有する。
【0094】また請求項3記載の発明は、上記効果に加
え、多数の通過確認箇所及び経路制御点を設定する必要
がなくなり、模擬走行路に関する情報の情報量を小さく
することができる、という効果を有する。
【0095】また請求項4記載の発明は、上記効果に加
え、現実に則した違和感のない移動体の動きが得られ、
自車両及び移動体が交差する状況を良好に再現すること
ができる、という効果を有する。
【0096】また請求項5記載の発明は、上記効果に加
え、車線変更時の他車両の動きが現実に則した違和感の
ない動きとなり、運転者に対して違和感を与えることを
防止することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る自動車模擬運転装置の構成を示
す概略ブロック図である。
【図2】揺動台上に取付けられたドームの内部を示す正
面図である。
【図3】ドームの内部を示す側面図である。
【図4】絶対経路指定制御の概略を説明するための模擬
走行路の概念図である。
【図5】位置比例運動制御の概略を説明するための模擬
走行路の概念図である。
【図6】相対距離制御の概略を説明するための模擬走行
路の概念図である。
【図7】画像コンピュータで実行される模擬視界画像を
生成するための演算処理の内容を示すフローチャートで
ある。
【図8】絶対経路指定制御の内容を示すフローチャート
である。
【図9】位置比例運動制御の内容を示すフローチャート
である。
【図10】相対距離制御の内容を示すフローチャートで
ある。
【図11】位置比例運動制御から絶対経路指定制御への
切換えを説明するための模擬走行路の概念図である。
【図12】相対距離制御において他車両を車線変更させ
る場合を説明するための模擬走行路の概念図である。
【図13】相対距離制御において他車両を車線変更させ
る場合のヨーレートの変更を説明するための模擬走行路
の概念図である。
【符号の説明】
10 自動車模擬運転装置 20 画像コンピュータ 24 模擬視界画像ジェネレータ 26 プロジェクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西脇 正明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 横田 明彦 東京都渋谷区代々木4丁目30−3 富士フ ァコム制御株式会社内 (72)発明者 貴島 啓文 東京都渋谷区代々木4丁目30−3 富士フ ァコム制御株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 模擬運転席に着座する運転者に対して模
    擬視界画像を表示するための表示手段と、 前記運転者の運転操作に基づいて、該運転操作に応じて
    模擬走行路上を走行する仮想的な自車両の模擬走行路座
    標上における位置を表す第1の位置情報を順次更新する
    自車両情報更新手段と、 前記順次更新される第1の位置情報に基づいて、模擬走
    行路上又はその近傍に存在する移動体の移動が自車両の
    移動に同期するように、模擬走行路座標上の移動体の位
    置を表す第2の位置情報を順次更新する移動体情報更新
    手段と、 前記第1の位置情報が表す自車両の位置と前記第2の位
    置情報が表す移動体の位置とに基づいて、自車両の運転
    席からの視界を模擬した模擬視界画像を表す情報を順次
    生成し、前記模擬視界画像を前記表示手段に表示させる
    模擬視界生成手段と、 を含む自動車模擬運転装置。
  2. 【請求項2】 前記模擬走行路に沿って自車両の通過確
    認箇所が予め複数設定されていると共に、模擬走行路上
    又はその近傍に前記複数の通過確認箇所に対応して移動
    体の経路制御点が予め複数設定されており、 前記移動体情報更新手段は、前記順次更新される第1の
    位置情報より自車両が既に通過した通過確認箇所からの
    自車両の移動距離を順次演算し、移動体が前記複数の経
    路制御点を結ぶ経路に沿って移動し、かつ移動体が既に
    通過した経路制御点からの移動体の移動距離が前記演算
    した自車両の移動距離に比例するように第2の位置情報
    を順次更新する、 ことを特徴とする請求項1記載の自動車模擬運転装置。
  3. 【請求項3】 前記移動体情報更新手段は、前記順次更
    新される第1の位置情報に基づいて、自車両と移動体と
    の相対速度が所定値となるように第2の位置情報を更新
    すると共に、自車両と移動体との相対距離に応じて前記
    所定値を変更する、 ことを特徴とする請求項1記載の自動車模擬運転装置。
  4. 【請求項4】 前記移動体情報更新手段は、自車両及び
    移動体が模擬走行路上で交差する状況を再現する場合
    に、移動体が前記経路に沿って移動する途中で、移動体
    が自車両の移動と非同期に移動するように第2の位置情
    報を順次更新する制御に切り換える、 ことを特徴とする請求項2記載の自動車模擬運転装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の位置情報には模擬走行路座標
    上における移動体の向きを表す情報が含まれており、 前記移動体情報更新手段は、移動体としての他車両に進
    路変更を行わせる際に、実際の車両の車線変更時の向き
    の変化が模擬されるように、前記向きを表す情報を進路
    変更の途中で順次変更し、 前記模擬視界生成手段は、前記情報が表す移動体の向き
    に応じて模擬視界画像を生成する、 ことを特徴とする請求項1記載の自動車模擬運転装置。
JP7048199A 1995-03-08 1995-03-08 自動車模擬運転装置 Withdrawn JPH08248871A (ja)

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