JPH08248203A - 部材表面を超撥水性にする方法および超撥水性透明板 - Google Patents

部材表面を超撥水性にする方法および超撥水性透明板

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JPH08248203A
JPH08248203A JP7072422A JP7242295A JPH08248203A JP H08248203 A JPH08248203 A JP H08248203A JP 7072422 A JP7072422 A JP 7072422A JP 7242295 A JP7242295 A JP 7242295A JP H08248203 A JPH08248203 A JP H08248203A
Authority
JP
Japan
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repellent
super water
carbon fluoride
glass
fine particles
Prior art date
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Pending
Application number
JP7072422A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadao Katsuragawa
忠雄 桂川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP7072422A priority Critical patent/JPH08248203A/ja
Publication of JPH08248203A publication Critical patent/JPH08248203A/ja
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  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス板等の部材の表面を超撥水性にする。 【構成】 ガラス、プラスチック、金属等の部材11の
表面に、直径1000Å以下のフッ化カーボン1〔(C
F)n〕を微粒子状に付着させる。部材の表面形状や、
透明性を損なうことなく、その撥水性を著しく向上させ
ることができる。この方法により得られた超撥水性ガラ
スは、自動車の窓ガラス、車外ミラー等として極めて有
効に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のサイドミラー
や、風呂場に用いられる鏡など、水滴が付着しないこと
が望ましい各種部材の表面を超撥水性表面に改質する方
法およびこの方法により得られた超撥水性透明板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、部材の疎水化方法すなわち、ガラ
ス等の表面を濡れにくくする方法として、(1)ガラス
中に酸化物等を添加するもの(例えば、朝倉書店発行
「ガラスハンドブック」p.771〜)や、(2)表面
に濡れにくい材料、例えばフッ素化合物を付着させる
か、あるいはシランカップリング剤のような疎水基を有
する化合物をガラス表面と反応させて疎水化するものが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
「ガラスハンドブック」に記載されているように、上記
(1)の方法では疎水性は10%位しか向上せず、その
効果は不充分であった。鉛イオン(Pb+2)等のイオン
を加え、その分極性によって濡れにくくする方法もある
が、この方法も効果は少ない。
【0004】また、上記(2)の方法は、フッ素化合物
自体の濡れにくさを応用するものであるが、この化合物
は部材表面から剥がれやすいうえに、付着膜厚を厚くし
ないと疎水性付与効果があがらず、付着膜厚を厚くする
と部材の透明性が損なわれるという問題があった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決しようとする
もので、その目的は、板体等の部材の表面形状、透明性
等を損なうことなく、その撥水性を著しく向上させるこ
とが可能な部材表面を超撥水性にする方法および、この
方法による超撥水性透明板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の部材表
面を超撥水性にする方法は、ガラス、プラスチック、金
属等の部材表面にフッ化カーボンを微粒子状に付着させ
ることを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の部材表面を超撥水性にす
る方法は、請求項1において、フッ化カーボンの直径を
1000Å以下とすることを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の超撥水性透明板は、透明
板の表面に、直径1000Å以下のフッ化カーボンを微
粒子状に付着させたことを特徴とする。
【0009】本発明はガラス、プラスチックのような透
明体に限らず金属、セラミックスなどあらゆる部材の表
面の撥水性を向上させることができるうえ、表面が平面
状のものに限らず複雑な形状のものにも適用できる。
【0010】部材表面にフッ化カーボンを微粒子状に付
着させるには、例えばフッ化カーボンを400℃以上に
加熱して蒸発させ、部材表面に蒸着する。この蒸着は真
空下で行うのが好ましく、フッ化カーボンの付着力が高
まる。この場合、蒸着時間が長すぎるとフッ化カーボン
が膜状に付着するため120°以上の接触角が得られな
いので、撥水性向上効果は不充分となる。前記蒸着法に
代えてPVD法(Physical Vapor Deposition )、CV
D法(Chemical Vapor Deposition )等が適用できる
が、真空蒸着法が簡便で好ましい。付着前に部材表面を
充分に清浄化し、真空蒸着法で付着させることにより、
付着強度が著しく向上する。
【0011】このようにして加工したガラス板やプラス
チック板は、自動車のサイドミラーや風呂場の鏡など、
水滴が付着しないと好都合な用途に供することができ、
サイドミラーなどに付着した水滴をワイパーや布で拭く
手間が不要となる。
【0012】
【作用】本発明方法は、部材表面にフッ素化合物を付着
させる上記(2)の従来方法とは著しく相違している。
この従来方法では、撥水性の向上効果はあるものの、フ
ッ素化合物を膜状に付着させるため部材表面が不透明に
なるので、ユーザーは、フッ素化合物コーティング前の
部材の正体を知ることが難しくなる。これに対して、本
発明方法は部材表面にフッ化カーボンを微粒子状に付着
させるものである(従来方法と違って、膜状に付着させ
ない)ため、部材表面が完全に皮膜で覆われることはな
いので、フッ化カーボン付着前の部材表面の微小な凹凸
や表面性(色等)を損なうことがなく、しかも従来方法
では得られなかった超撥水性を得ることができる。
【0013】フッ化カーボン〔(CF)n〕は、炭素を
フッ素化して得られる灰白色の粉末で、カーボン(黒
鉛)の潤滑性とフッ素の低表面エネルギー性とを併せも
つ化合物であり、現在知られている化合物の中では最高
度の撥水性と、優れた耐薬品性を有するものである。ま
た、フッ化カーボンの接触角は約120°である。な
お、物質の接触角が約140°であれば、水がその表面
に付着することはできないと言われている。
【0014】本発明では、図1に示すように、部材11
の表面にフッ化カーボン1を微粒子状に付着させるの
で、見掛け上の接触角は120°以上になる。本発明で
は、フッ化カーボンの付着により部材の表面積を増加さ
せるとともに、部材の表面形状を図1のように凸状にす
る。そのためには、フッ化カーボン微粒子によって部材
表面の透明性が損なわれることがない程度に、この微粒
子の粒径を小さくすることが好ましい。そのため前記粒
径を10〜3000Åの範囲にすることが望ましく、1
0〜1000Åの範囲が特に望ましい。これは、粒径が
光の波長に比べて充分に小さいときには、光がフッ化カ
ーボン微粒子を透過するからである。
【0015】また、本発明では、フッ化カーボン微粒子
で覆われない部材表面部分の表面張力は、覆われた部分
に比べて小さいため、部材表面に表面張力の大きい部分
と小さい部分が交互に存在する(このような表面を有す
るものとして、例えばサトイモの葉がある)ので、部材
表面全体の撥水性が向上する(小野 周著「表面張力」
共立出版)。
【0016】さらに、フッ化カーボン微粒子は屈折率が
低いため、本発明では部材表面に反射防止膜が形成され
る。基板がガラスやプラスチックのように透明なもので
ある場合においても、フッ化カーボン微粒子の反射防止
効果によって、光の透過性は数%ではあるが向上する。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 実施例1 スライドガラスの表面を、有機溶媒を用いる超音波洗浄
により洗浄した後、真空蒸着法によりフッ化カーボンを
蒸着した。このときのベースプレッシャーは7×10-7
Torrであった。蒸着のためのシャッター(開)は3
秒間とした。
【0018】真空蒸着後のガラス表面を顕微鏡観察した
結果、直径300〜800Åの微粒子が付着しているこ
とが確認された。分光分析により、この微粒子は(C
F)nであることがわかった。前記スライドガラス表面
の接触角を、接触角測定器を用いて液滴法により測定し
たところ、前記表面洗浄後では14°、真空蒸着後では
136°であった。また、フッ化カーボンの付着処理を
施していないスライドガラスと、上記真空蒸着後のス
ライドガラスを一緒に、飽和蒸気圧のベルジャー中に
立てて放置したところ、水滴は、では付着していたの
に対して、では付着していなかった。
【0019】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る部材表面を超撥水性にする方法、および超撥水性透
明板では、部材表面にフッ化カーボンを微粒子状に付着
させることにより部材表面を超撥水性にすることがで
き、特別な処理・操作を加えなくても水滴が付くことは
なくなり、しかも部材自体の形状性・表面性(透明性な
ど)が損なわれることもない。例えば雨の日に自動車の
窓に水滴が付着して外が見にくくなるようなことはな
く、また車外ミラーにも水滴が付つかないので、布など
で拭かなくても前後左右が見やすくなる。さらに、フッ
化カーボンは部材表面に強力に付着しているので、通常
の使用条件では剥離することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 フッ化カーボン 11 部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス、プラスチック、金属等の部材表
    面にフッ化カーボンを微粒子状に付着させることを特徴
    とする、部材表面を超撥水性にする方法。
  2. 【請求項2】 前記フッ化カーボンは直径が1000Å
    以下であることを特徴とする、請求項1に記載の部材表
    面を超撥水性にする方法。
  3. 【請求項3】 透明板の表面に、直径1000Å以下の
    フッ化カーボンを微粒子状に付着させたことを特徴とす
    る超撥水性透明板。
JP7072422A 1995-03-06 1995-03-06 部材表面を超撥水性にする方法および超撥水性透明板 Pending JPH08248203A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100612776B1 (ko) * 2005-12-05 2006-08-22 (주)준옵티칼 차량용 백미러 및 이 차량용 백미러 제조 방법
JP2008081831A (ja) * 2006-09-29 2008-04-10 Mitsubishi Chemicals Corp 基体表面処理方法、固形物、蛍光体含有組成物、発光装置、画像表示装置、および照明装置
JP2009206164A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Hitachi High-Technologies Corp 真空処理装置の調整方法および真空処理装置の内壁部材
JP2013100601A (ja) * 2011-10-14 2013-05-23 I'msep Co Ltd フッ化処理による表面改質方法

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