JPH08247244A - 回転運動伝達機構 - Google Patents

回転運動伝達機構

Info

Publication number
JPH08247244A
JPH08247244A JP8193495A JP8193495A JPH08247244A JP H08247244 A JPH08247244 A JP H08247244A JP 8193495 A JP8193495 A JP 8193495A JP 8193495 A JP8193495 A JP 8193495A JP H08247244 A JPH08247244 A JP H08247244A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotary
rotating
bodies
rotating body
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8193495A
Other languages
English (en)
Inventor
Shizuo Mishima
静雄 三島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP8193495A priority Critical patent/JPH08247244A/ja
Publication of JPH08247244A publication Critical patent/JPH08247244A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 極めて効率良く回転運動の伝達や変速(無段
変速)ができる回転運動伝達機構を提供すること。 【構成】 球面を有する回転体1と他の2つの回転体3
−1,3−2とを具備する。球面を有する回転体1の球
面を他の2つの回転体3−1,3−2間で回転伝達可能
に挟持する。球面を有する回転体1の回転軸11を揺動
又は回転体1の周囲に回動することによって、球面を有
する回転体1の回転軸11と前記他の2つの回転体3−
1,3−2の回転軸31−1,31−2間の相対的位置
を変更し、これによって球面を有する回転体1と他の2
つの回転体3−1,3−2間の回転比を変更せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転運動伝達機構に関
し、特にエネルギー損失をほとんど生じることなく無段
変速をスムーズに行なうことのできる回転運動伝達機構
に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来、回
転運動の方向を変換して伝達したり、また回転運動の速
度を変更して伝達したりする回転運動伝達機構として
は、例えば歯車を組み合わせたものや、摩擦車を組み合
わせたものや、ベルトとプーリーを組み合わせたものな
どがある。
【0003】しかしながらこれらの回転伝達機構にあっ
ては、いずれも該機構内における抵抗によるエネルギー
損失が大きく、あまり効率的なエネルギー伝達は行なえ
なかった。
【0004】例えば歯車を組み合わせたものは、噛み合
う歯面と歯面間でスリップが生じており、その分エネル
ギー損失が大きくなってしまう。
【0005】また摩擦車を組み合わせたもの、例えばト
ロイダル型,ハーフトロイダル型の摩擦車は、2つの摩
擦車の接触する面は異なる形状の湾曲面であり、両者の
接触点において変速を行なう場合、摩擦抵抗が大きく、
その分エネルギー損失が大きくなってしまう。
【0006】またベルトとプーリーを組み合わせたもの
も、ベルトとプーリーの接触部がプーリーの半径方向に
向けて面又は線接触となるため、プーリーの半径方向内
側と外側でいずれでも両者間に回転速度差が生じてスリ
ップを生じてしまい、その分エネルギー損失が大きくな
ってしまう。
【0007】また上記各機構を用いて変速する場合は、
歯車の組合せの場合は無段変速はできず、段付きの変速
になるばかりか、変速時のエネルギー損失は大きい。
【0008】また摩擦車やベルト・プーリー機構の場合
は、変速時に摩擦接触している部分の位置を変えなけれ
ばならないので抵抗が大きく、前述のように接触する部
分の内外周においてスリップを生じるためスムーズな無
段変速はできず、やはりエネルギー損失が大きい。また
回転比もそれほど大きくすることはできず、従って伝達
できるトルクもそれほど大きくできない。
【0009】また上記各機構においては、これを停止し
ようとする場合、別にブレーキ機構を設けて、回転トル
クに対向して抵抗トルクを生じさせて回転エネルギーを
熱エネルギーなどに変換しなければならず、これによっ
てエネルギー資源の浪費や、公害等による環境の悪化を
もたらしていた。
【0010】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
ありその目的は、上記各問題点を限りなく少なくして、
無限に近い回転比・トルクが得られ、また極めて効率良
く回転運動の伝達や変速(無段変速)ができるばかり
か、その回転を無段階に効率良くスムーズに減速・停止
又は始動・加速させることができたり、またクラッチ等
を設けることなく入力軸を回転させた状態で出力軸を回
転不能にさせることができる回転運動伝達機構を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】ここで図1は本願発明に
かかる回転運動伝達機構の基本構成例を示す概略側面図
である。同図に示すようにこの回転運動伝達機構は、2
つの回転体1,3を具備している。
【0012】ここで一方の回転体1は球である。この回
転体1はその中心を通る回転軸11を中心に回転する。
回転軸11は図示しない回転軸移動手段(回転軸位置操
作手段)によって揺動自在に軸支されている。
【0013】一方回転体3は円板状に形成されており、
回転軸31を中心に回転自在に軸支されている。
【0014】そして回転体1の球面に回転体3の表面を
圧接している。ここでこの圧接点pは、回転体3の回転
軸31の中心が交わらない位置になるようにしている。
【0015】そして例えば回転体1を原動側、回転体3
を従動側として、回転体1の回転軸11を駆動すれば、
回転体3も回転する。
【0016】上記基本構成例では、2つの回転体1,3
のみを用いたが、図2に示すように、回転体1を回転体
3−1,3−2によって挟持する構成としても良い。こ
のように構成すれば、回転体1をその左右から圧接する
こととなるので力のバランスが取れ、力学的に安定す
る。即ち常に各回転体間で圧接圧力の変化や損失がな
く、一定の圧接圧力を保ち、回転体1はその中心と両圧
接点とを結ぶ線上で圧力を吸収し、トルクの伝達力を常
に高度に保つことができる。
【0017】この場合は、一方の回転体3−1は他方の
回転体3−2の回転方向とは逆方向に回転する。
【0018】本発明を用いれば回転軸11,31(31
−1,31−2)間の無段変速動作や停止動作や加速動
作や回転軸の方向変更動作が行なえる。以下各々の動作
について説明する。
【0019】〔無段変速動作〕図1に示すように回転軸
11から圧接点pに垂直に延ばした線分の長さをa1と
し、回転軸31から圧接点pに垂直に延ばした線分の長
さをbとすれば、その回転比はa1/bとなる。
【0020】ここで回転体1の回転軸11を図1に示す
ように所定角度θ1だけ揺動させる。このとき圧接点p
においては、回転体1の表面が回転体3に対して滑って
いく。
【0021】これによって回転軸11′から圧接点pに
垂直に延ばした線分の長さはa2に変化し、従って両者
の回転比はa2/bになって変化する。
【0022】このように回転軸11を揺動して行けば、
回転軸11から圧接点pに垂直に降ろした線分の長さは
無段階に変化していくため、両者間の変速は無段変速に
なる。
【0023】ここで回転体1と回転体3の圧接点pは点
接触なので、回転伝達時に該圧接点pにおけるスリップ
はなく、従ってエネルギーの損失は殆ど生じない。
【0024】なお回転体1の回転軸11を回転軸31と
平行にすると(回転軸11″)、回転体1から回転体3
への回転伝達はできなくなり、回転軸31は停止する。
さらに回転軸11を回転していくと(回転軸11−
2)、回転体3は逆回りを始める。つまり何らクラッチ
手段などを用いなくても、停止状態から無段変速によっ
て動力が伝達でき、また他の変速手段を設けなくても逆
方向への回転の切り替えが容易に行なえる。
【0025】また回転体1の停止位置(回転軸11″)
から少しだけずれた位置に回転軸11があるときは、圧
接点pから回転軸11に降ろした垂線の長さが極めて短
い。このため回転体3を非常に大きいトルクで回転する
ことができる。
【0026】上記図1,図2に示す機構の動作は、回転
体1の回転軸11を、回転軸11と回転軸31の形成す
る面内において揺動する動作であるが、該回転軸11の
揺動方向は、図3に点線矢印で示すように、他の種々の
方向に行なうことができる。またこの回転軸11は、回
転体1の周囲を回るようにしてもよい。このように揺動
又は回動することによって各種の回転比の変更過程が取
れ、単なる無段変速だけでなく、所望の変速動作が容易
に達成できる。この揺動又は回動動作中は圧接点pにお
いて場合によって滑り接触となったり転がり接触となっ
たりする。
【0027】次に上記動作説明においては回転軸11を
揺動させた場合を示したが、逆に図4に示すように、回
転体1の回転軸11を固定し、該回転体1に圧接する回
転体3−1,3−2の位置を移動しても良い。このよう
に構成しても圧接点pが移動するため、変速が可能にな
る。
【0028】また回転軸11の揺動(又は回転体1回り
の回動)と、回転体3(3−1,3−2)の位置の移動
は同時に行なっても良い。即ち前記図3に示す動作と、
図4に示す動作を同時に行なっても良い。このように操
作すれば、さらに複雑な変速動作が行なえる。要は両回
転体1,3の圧接点pの位置を変更せしめるものであれ
ば良い。
【0029】〔回転軸の位置変更動作〕図5の矢印aに
示すように、回転体3−1を回転軸11中心に回転体1
の周囲を回転移動させることによって両者の回転比を変
えずに、回転軸31−1と回転軸11の相対位置を変更
することができる。
【0030】また両回転体1,3−1の圧接点pにおけ
る面に垂直な軸p1を中心に回転軸31−1を矢印bに
示すように回動しても、両者の回転比を変えずに、回転
軸31−1と回転軸11の相対位置を変更することがで
きる。
【0031】〔停止動作〕図6の矢印cに示すように、
回転体1の回転軸11を中心Oを中心にして手前側に揺
動して、回転体1の圧接点pにおける回転方向が他の回
転体3−1,3−2の回転軸31−1,31−2に交差
する方向を向くように、該回転軸11を揺動せしめ、即
ち回転軸11を紙面に垂直な位置に揺動せしめれば(回
転軸11′)、回転体3−1,3−2を回転しようとし
ても、該トルクは回転軸11′を揺動させようとする力
としてのみ作用するので回転できず、従って両回転体
1,3(3−1,3−2)間の動力伝達は停止される。
なお回転軸11を回転軸11′方向に揺動させている途
中においては、その揺動角度に応じて抵抗トルクが無段
階に増加する。回転軸11を逆方向に揺動させていけば
該抵抗トルクは無段階に減少していく。つまり何ら特別
の停止手段を設けなくても、容易に回転の停止や、抵抗
トルクの無段増減が図れる。
【0032】この図においては回転軸11を手前側に直
線的に揺動したが、それ以外の所望の軌跡によって回転
軸11を揺動してもよい。即ち最終的に停止位置(回転
軸11′)まで揺動させればよい。
【0033】なお回転体1の代わりに回転体3(3−
1,3−2)を同様の動作となるように移動してもその
停止動作が図れることは言うまでもない。
【0034】〔始動動作〕本発明を用いれば、停止して
いる回転体の回転を始動させることができる。即ち図7
はその1動作例を示す図である。
【0035】同図(a)に示すようにまず回転体1,3
−1,3−2は図6で説明したように停止位置にある。
この状態から回転体1の回転軸11を中心Oを中心とし
て同図に示す矢印c方向に移動させていくと、即ち回転
軸11を他の回転体3−1,3−2の回転軸31−1,
31−2に垂直な面方向以外の方向に連続して移動して
いくと、該回転軸11の移動に伴って同図(b)に示す
ように回転体1と回転体3−1,3−2がそれぞれ回転
軸11,31−1,31−2を中心に回動を始める。
【0036】そしてさらに同図(c),(d)に示すよ
うに回転軸11を矢印c方向に移動していけば、移動し
ている間中、回転軸11,31−1,31−2は加速し
ながら回転を続ける。
【0037】揺動方向を矢印c方向としたのは以下の理
由による。即ち回転軸11の揺動開始時はいずれの回転
体1,3−1,3−2も回転していないので、これを回
転させるには強い力が必要である。従って揺動開始時は
回転軸11をまず略真上方向に揺動させることによっ
て、回転軸31−1,31−2,11の回転量は少ない
がその回転トルクを大きくする。そして徐々に斜め右側
に略円弧状に大きく傾けるように揺動していくことによ
って回転軸31−1,31−2,11の回転速度を無段
階に加速していくこととしたのである。
【0038】但し他の軌跡によって回転体31−1,3
1−2,11の始動を行なっても良く、また回転軸11
を揺動する代わりに回転体3−1,3−2を相対的に同
様の同様の動作となるように移動することによって、ま
たは回転軸11,3−1,3−2を相対的に同時に揺動
させることによって該始動を行なっても良いことは言う
までもない。
【0039】なお同図(a)に示す位置から始動を開始
する必要はなく、他の位置から始動を開始しても良い。
【0040】なお回転軸11を、矢印cの軌跡の逆方
向、即ち同図(d)から逆に同図(a)に向けて揺動さ
せることによって、スムーズな減速・停止動作が達成で
きる。
【0041】また回転軸11を回転体1の周囲を回るよ
うに継続的に回動させれば、加速・減速停止の繰返し動
作が可能となる。
【0042】〔回転体の軸支手段〕次に回転体を揺動
(又は回転体の回りに回動)自在に軸支する軸支手段に
ついて説明する。図8は該軸支手段の1例を示す概略図
である。同図においては、回転体1を2つの球面体1
3,13間を軸17によって連結することによって構成
している。そして軸17はベアリング手段などからなる
支持手段19に回転自在に取り付けられている。このと
き回転軸11は軸17の中心軸と一致する。
【0043】そして例えば回転体3−1,3−2が矢印
方向に回転すると、回転体1は回転軸11を中心に所定
の回転比で矢印方向に回転する。
【0044】そして支持手段19を図示しない機構を用
いて矢印d方向に回動すると、回転軸11が揺動するた
め、その分だけ回転体1と回転体3−1,3−2の間の
回転比が変化し、無段変速等の操作が行なえる。
【0045】次に図9は軸支手段の他の例を示す図であ
り、同図(a)は正面図、同図(b)は右側面図であ
る。同図においては、回転体1の周囲に円板状の回転体
3−1,3−2の他に、該回転体3−1,3−2に直交
する方向に2組ずつの回転体3−3,3−4,3−5,
3−6を回転体1に圧接して構成されている。
【0046】ここでいずれの回転体3−1〜3−6も、
回転体1に圧接する圧接点pが、それぞれの回転軸31
−1〜31−6から所定距離ずつずれている。
【0047】そして例えば回転体3−1,3−2の軸3
1−1,31−2を入力軸とし、回転体3−3,3−4
の回転軸31−3,31−4を出力軸とし、同図に示す
位置関係で回転体3−1,3−2を矢印方向に回転する
と、回転体1は回転体3−3,3−4の圧接点pを回転
中心軸11として回転する。何故なら回転体1がこの方
向に回転すると、回転体3−5,3−6が最も抵抗なく
回転する方向であり、全体として回転体1の回転にとっ
て最も抵抗の少ない方向だからである。
【0048】このとき出力軸となる回転体3−3,3−
4の回転軸31−3,31−4は回転しない。
【0049】次に図9(a)に矢印で示すように、回転
体3−5,3−6の回転軸31−5,31−6を回転体
1への圧接点pを中心にして回動していくと、回転体1
を前記回転軸11で回転することに対して抵抗が増し、
このため該回転体1の最も抵抗の少ない回転方向となる
ようにその回転軸11が移動していく。具体的には同図
(a)に示す矢印n方向に移動していく。
【0050】このため、移動した回転軸11′が回転体
3−3,3−4の圧接点pと一致しなくなるので、回転
体3−3,3−4は回転を始める。回転体3−5,3−
6の回動量を増やせば増やすほど回転軸11′の回動量
も増え、これによって回転体3−1,3−2と回転体3
−3,3−4と回転体3−5,3−6の間の回転比が変
化していく。
【0051】次に図10は軸支手段の他の例を示す図で
ある。同図の構成は前記図9の構成と同一であり、異な
るのは回転体の移動方法である。
【0052】即ちこの例の場合は、回転体3−1,3−
2,3−5,3−6(回転体3−6は図示せず)の位置
を固定しておき、これらを入出力軸としておく。そして
回転体3−3,3−4を矢印q方向に移動すると、回転
体1もその回転抵抗が最も少なくなる回転方向となるよ
うにその回転軸11が移動していく。具体的には同図に
示す矢印s方向に移動していく。これによって回転体3
−1,3−2と回転体3−5,3−6と回転体3−3,
3−4の間の回転比が変化していく。
【0053】〔回転体動力の定位置取出手段〕球面を有
する回転体からの動力を取り出すには、例えば図11に
示すようにする。即ち、図8に示すと同様に、2つの球
面体13,13間を軸17によって連結することによっ
て回転体1を構成し、一方の球面体13にかさ歯車21
を設け、これにかさ歯車23を噛み合わせる。回転体1
の軸17には例えば図8に示す支持手段19が取り付け
られ、これによって回転体1の回転軸11が揺動され
る。このように構成すれば、入出力軸となる回転体3−
1,3−2とかさ歯車23をいずれも定位置のままにし
た状態で両者間で動力の伝達ができる。
【0054】また図12は球面を有する回転体からの他
の動力取り出し手段を示す図である。即ち図8に示すと
同様に、2つの球面体13,13間を軸17によって連
結することによって回転体1を構成し、該軸17中にユ
ニバーサルジョイント27を介して歯車29を取り付
け、該歯車29によって回転体1の動力を供給又は取り
出す。このように構成しても、入出力軸となる回転体3
−1,3−2と歯車29をいずれも定位置に支持してお
くことができる。なお28は軸17を揺動させる支持手
段である。
【0055】図13は上記図11,図12に示す機構を
同時に用いた回転体動力の定位置取出手段を示す図であ
る。この機構においては、回転体3−1,3−2にそれ
ぞれ前記図11,12に示す2種類の回転体1−1,1
−2を同時に取り付けている。
【0056】このように構成すれば、回転体1−1と回
転体1−2と回転体3−1,3−2の全て、またはこれ
らの内のいずれか2つの回転体を入出力軸にすること
で、相互に回転速度の変更ができ、また回転方向の変更
ができる。
【0057】〔回転体間の圧接手段〕各回転体間は、弾
発手段等を用いて圧接状態にするのが好適である。各回
転体の圧接点においては、その圧接力が圧接点の面に対
して垂直な方向となるようにするのが好適である。
【0058】図14は各回転体間を圧接する圧接手段の
1例を示す図である。同図に示す圧接手段としてはコイ
ルバネ33を用いている。2個1組の球状の回転体1−
1,1−2,1−3,1−4を3枚の円板状の回転体3
−1,3−2,3−3で挟持し、且つ一方の回転体3−
1と板体14−1間にコイルバネ33を収納する。各回
転体3−1,3−2,3−3は回転軸31に軸支され、
回転体3−3と板体14−1は回転軸31に固定され、
回転体3−1,3−2は回転軸31に回転自在とされて
いる。これによって各回転体1−1〜1−4は、回転体
3−1〜1−3によって強固に圧接される。
【0059】そして例えば板体14−1、即ち回転軸3
1を矢印方向に回転すれば、各回転体3−1,3−2,
3−3がそれぞれ矢印方向に前記板体14−1と同一角
速度で回転し、同時に回転体1−1,1−2,1−3,
1−4もそれぞれ図示の方向に回転する。
【0060】この実施例の場合、回転軸31を回転自在
に支える図示しない軸支手段や他の各回転体の軸支手段
に対して圧接圧力がかからず、また圧力は全て各回転体
の圧接によるトルク伝達部に集中できる為、トルク伝達
効率が向上できる。
【0061】各回転体1−1,1−2,1−3,1−4
の回転軸11−1,11−2,11−3,11−4の揺
動角度を変更すれば、板体14−1の回転速度に対して
各回転軸11−1,11−2,11−3,11−4から
所望の回転比の回転速度が取り出せる。
【0062】〔回転体間の圧接力の作用の方向につい
て〕球面を設けた回転体に他の回転体(球面を設けてい
ても設けていなくても良い)を圧接する際、両回転体の
圧接方向が球面を設けた回転体の球中心を通るようにす
る。このように構成すれば、該圧接力が圧接点において
両回転体が滑る方向に作用せず、押圧方向のみに作用す
るため、圧接点においてスリップしにくくなり、安全に
トルク伝達ができる。
【0063】また図15に示すように、円板状の回転体
3−1,3−2に対して2つの球状の回転体1−1,1
−2を圧接させることにより、圧接点の数を増やしてそ
の摩擦力を増大し、より大きなトルク伝達が可能となる
ようにしても良い。
【0064】この図の場合、2つの回転体1−1,1−
2の回転軸11−1,11−2を図示するように回転す
ることによって、両回転体3−1,3−2を逆方向に回
転させ、これらの回転力を軸31から取り出している
(回転体3−1の回転力は3つのかさ歯車を介して軸3
1に取り出している)。
【0065】圧接する円板状の回転体3−1,3−2の
圧接面を、図16に示すように球状の回転体1−1,1
−2の曲率半径より大きい曲率半径の凹部としてもよ
い。このように構成すると、さらにスリップしにくくな
り、また回転体1−1,1−2が外れにくくなって精密
な軌道をころがり移動できる。ここで回転体1−1,1
−2と回転体3−1,3−2の間に油膜を介在させた場
合は、摩擦力がさらに高まり、さらに大トルクの伝達が
可能となる。
【0066】なお図13及び以下の図面において、回転
体の球面に他の回転体が接触する部分に図16に示すと
同様の凹部を設けたものが多数開示されているが、説明
の都合上、図16に示すような断面を示す斜線は省略し
ている。
【0067】
【実施例】以下、本発明を用いた具体的実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。 〔始動、減速停止装置と無段変速機を組み合わせた装
置〕図17は始動、減速停止装置と無段変速機を組み合
わせた装置を示す図である。同図において、始動、減速
停止装置17−1と無段変速機17−2が駆動軸17−
3によって連結されている。
【0068】ここで始動、減速停止装置17−1は、2
つの球状の回転体1−1,1−2を2枚の回転体3−
1,3−2で圧接挟持して構成されている。そして回転
体1−1,1−2の回転軸となるレバー11−1,11
−2はそれぞれガイド部材17−4,17−5のガイド
溝17−6,17−7にガイドされている。ガイド溝1
7−6,17−7の形状は、前記図7で説明した矢印c
と同様の軌跡、即ちレバー11−1,11−2が回転体
3−1,3−2に対して停止する位置(紙面に垂直な位
置)から、略真上と真下に向き、徐々に斜め右側に略円
弧を描くような形状としている。
【0069】また一方の回転体3−1に回転軸31を固
定し、他方の回転体3−2は該回転軸31に回動自在に
取り付けられている。回転軸31の一端には、板17−
8が固定され、コイルバネ17−9と板17−10とボ
ール17−11によって両回転体3−1,3−2が回転
体1−1,1−2を強い力で圧接挟持している。回転軸
31の他端にはエンジン,タービン,モータ等の原動機
17−13が接続されている。
【0070】そしてレバー11−1,11−2をガイド
溝17−6,17−7に沿って矢印方向に移動すれば、
前記図7で説明したように、回転体1−1,1−2と回
転体3−1,3−2がそれぞれ回動、加速を始める。そ
のトルクはレバー11−1,11−2の移動開始当初は
極めて大きく、徐々にトルクは小さくなる代りに回転体
3−1,3−2の回転速度が大きくなっていく。
【0071】従って、レバー11−1,11−2を手動
によって動作しても、停止した回転軸31を容易に回転
始動させることができ、大きな負荷トルクを有する原動
機17−13が容易に始動できる。
【0072】一方レバー11−1,11−2を逆方向に
動作させて図示の位置に戻せば、回転している回転軸3
1を無段階に減速し停止することができる。
【0073】一方原動機17−13の駆動軸17−3は
無段変速機17−2の回転体1′−1,1′−2,1′
−3,1′−4のかさ歯車17−14に連結されてい
る。
【0074】ここで無段変速機17−2は、4つの回転
体1′−1,1′−2,1′−3,1′−4を、3つの
回転体3′−1,3′−2,3′−3で圧接挟持して構
成されている。
【0075】各回転体1′−1,1′−2,1′−3,
1′−4は、前記図11に示す構造の回転体1と同様の
構造である。また各回転体3′−1,3′−2,3′−
3による各回転体1′−1,1′−2,1′−3,1′
−4の圧接挟持構造は、前記図14に示す構造と略同様
である。
【0076】なおこの実施例においては、回転体3′−
1は回転軸31′に対して回転方向に一体に回転し且つ
軸方向にはスライド可能にスプライン嵌合されている。
また回転体3′−2は回転軸31′に固定したかさ歯車
17−15にかさ歯車17−16(その軸は回転自在に
固定されている)を噛み合わせ、さらに該かさ歯車17
−16を回転体3′−2に固定されたかさ歯車17−1
7に噛み合わせており、これによって回転体3′−2を
回転軸31′と同一速度で逆回転するように構成し、回
転体3′−1と3′−2と3′−3の回転トルクを回転
軸31′に伝達している。また回転体3′−3は回転軸
31′に固定されている。
【0077】また各回転体1′−1,1′−2,1′−
3,1′−4の軸17−17には支持手段17−18が
回動自在に取り付けられており、これら4つの支持手段
17−18によって4つの軸17−17の方向が全て一
致するようにしている。
【0078】そして原動機17−13の駆動力が回転体
1′−1のかさ歯車17−14に導入されれば、各回転
体1′−1,1′−2,1′−3,1′−4と各回転体
3′−1,3′−2,3′−3が図示の矢印方向に回転
する。これによって出力軸となる回転軸31′は所定の
回転比(減速比)で回転駆動される。
【0079】〔無段変速機とブレーキ装置を組み合わせ
た装置〕図18は無段変速機とブレーキ装置を組み合わ
せた装置を示す図である。同図においては、1本の回転
軸31に無段変速機18−1とブレーキ装置18−2が
取り付けられている。
【0080】ここでまず無段変速機18−1は、前記図
17と同様に、4つの回転体1−1,1−2,1−3,
1−4と、3つの回転体3−1,3−2,3−3によっ
て構成されている。前記図17と相違する点は、回転体
1−1,1−2,1−3,1−4として前記図12に示
す構造のものを用いたことと、該回転体1−1,1−
2,1−3,1−4にユニバーサルジョイントを介して
取り付けられた歯車18−5に、原動機18−3の駆動
軸18−6に固定した歯車18−7と、回転軸31に回
動自在に取り付けた歯車18−8を噛み合わせた点であ
る。
【0081】なお各回転体1−1,1−2,1−3,1
−4には図12に示す支持手段28が取り付けられてい
るが、同図では省略している。また下側の2つの歯車1
8−5にもシャフト18−9に固定した2つの歯車18
−10が噛み合わされている。
【0082】一方ブレーキ装置18−2は、2つの回転
体1′−1,1′−2を2枚の回転体3−3,3−4で
圧接挟持して構成されている。圧接挟持のために回転軸
31に固定された円板18−12と、コイルバネ18−
13と、回転軸31に回動自在に取り付けられた円板1
8−14と、ベアリング18−15が設けられている。
【0083】また2つの回転体1′−1,1′−2には
それぞれ回転軸11′−1,11′−2が取り付けられ
ており、これら回転軸11′−1,11′−2は、ガイ
ド部材18−16のガイド溝18−17に案内されるよ
うに構成されている。ここでガイド溝18−17は、両
回転軸11′−1,11′−2が真上(又は真下)の位
置から紙面手前側垂直に向くように移動するように形成
されている。
【0084】そして図示の状態で原動機18−3を駆動
すると、駆動軸18−6の駆動力が歯車18−5に伝達
され、各回転体1−1,1−2,1−3,1−4は、そ
れぞれ図示の矢印方向に回転する。
【0085】これによって前記図17の場合と同様に回
転体3−1,3−2,3−3が矢印方向に回転し、回転
軸31が出力軸として回転駆動される。
【0086】一方回転軸31の回転を停止するには、回
転軸11′−1,11′−2を図示の位置から紙面手前
側垂直になる位置まで回動する。これによって回転体
1′−1,1′−2と回転体3−3の間で抵抗トルクが
無段階に増加され、相対的に転がり回転しながら無段階
に減速されて行き、最終的には回転伝達不可能となり
(前記図6の説明参照)、回転軸31は停止する。
【0087】〔ブレーキ装置の抵抗力の増減を利用した
無段変速機〕図19はブレーキ装置19−1の回転軸3
1を直接原動機19−2に接続して構成した無段変速機
を示す図である。同図に示すブレーキ装置19−1は、
2つの回転体1−1,1−2を回転体3−1,3−2で
圧接挟持して構成されている。ここで回転体1−2は回
転体1−1と同様の構造なのでその詳細な記載は省略し
ている。
【0088】回転体1−1にはその上下にそれぞれ回転
軸11−1,11−2を設けており、これらはガイド部
材19−3のガイド溝19−4,19−5に係合してい
る。ガイド溝19−4,19−5は、回転軸11−1,
11−2が真上と真下の位置から紙面手前側垂直と紙面
奥側垂直に向くように形成されている。
【0089】そして回転軸11−1,11−2を紙面手
前側と紙面奥側に向けて揺動させれば、前述のように回
転体1−1,1−2と回転体3−1,3−2間で抵抗ト
ルクが無段階に増加し、原動機19−2の回転駆動を制
動し、これによって回転軸31の回転速度を無段階に変
速することができる。
【0090】次に図20は無段変速機に利用する他の構
造のブレーキ装置20−1を示す図であり、同図(a)
は正面図、同図(b)は右側面図である。
【0091】同図に示すようにこのブレーキ装置20−
1は、回転体1を回転体3−1,3−2によって圧接挟
持している。そして回転体1の中央にはリング状支持部
材20−2に取り付けた圧接部材20−3,20−4が
この回転体1を圧接挟持している。
【0092】この実施例において回転体1の回転軸11
は、圧接部材20−3,20−4の圧接点p,pと、回
転体1の中心を結ぶ線上にある。
【0093】つまり図示の状態においては、回転体1と
回転体3−1,3−2間でのトルク伝達は行なわれな
い。
【0094】一方リング状支持部材20−2を矢印t方
向に回転していくと、回転軸11もそれに伴って回転す
るため、回転体1と回転体3−1,3−2の間の抵抗は
減少して両者間で回転伝達が始まり、圧接部材20−
3,20−4の圧接点p,pが真上と真下方向に位置す
れば、全く抵抗無くなる両者間で回転伝達される。この
ように回転体1と回転体3−1,3−2の間の抵抗トル
クを増減することによって原動機の回転速度・回転トル
クを無段階に変更できる。
【0095】次に図21はさらに他の構造のブレーキ装
置21−1を示す図であり、同図(a)は正面図、同図
(b)は同図(a)のD−D断面矢視図(但しリング状
支持部材21−4のみを断面としている)である。
【0096】このブレーキ装置21−1においても回転
体1を2つの回転体3−1,3−2で圧接挟持してい
る。そしてこの実施例の場合、紙面手前側と奥側にそれ
ぞれ4つずつの圧接部材21−2,21−3を回転体1
に圧接している。各圧接部材21−2,21−3はリン
グ状支持部材21−4に回動自在に取り付けられてい
る。
【0097】4つ1組の圧接部材21−2の回転体1へ
の圧接点pは、各圧接部材21−2の回転中心軸よりも
所定距離ずつ離れている。反対側の圧接部材21−3に
ついても同様である。
【0098】そして回転体1の回転軸11は、4つ1組
の圧接部材21−2の中心と、4つ1組の圧接部材21
−3の中心を結ぶ線と一致する。従って、図示の状態で
は回転体1と回転体3−1,3−2の間で回転伝達は行
なわれない。リング状支持部材21−4を矢印方向に回
転していくと、回転体1と回転体3−1,3−2の間の
抵抗トルクが徐々に無段階に減少して行き、従って両者
間で回転伝達が始まり、図示の状態からリング状支持部
材21−4を90度回動すると全く抵抗なく両者間で回
転伝達される。
【0099】なお前述のように圧接部材21−2の回転
体1への圧接点pはその回転中心軸よりも所定距離ずつ
離れているので、回転体1が回転軸11を中心に回転し
た際に回転し、回転体1の回転がスムーズに行なえる。
【0100】図22はさらに他の構造のブレーキ装置2
2−1を示す図であり、同図(a)は正面図、同図
(b)は右側面図である。
【0101】このブレーキ装置22−1においては、リ
ング状支持部材22−4に取り付ける圧接部材22−
2,22−3の数をそれぞれ2つ1組としている。なお
このリング状支持部材22−4は、同図に示す矢印E方
向とF方向の何れにも揺動自在に取り付けられている。
【0102】またこの実施例における圧接部材22−
2,22−3は回転体1に圧接する面を円錐状に形成
し、これによって各圧接部材22−2,22−3の回転
軸の方向が平行になるようにしている。
【0103】そして回転体1の回転軸11は2つ1組の
圧接部材22−2と2つ1組の圧接部材22−3と回転
体3−1,3−2の最も抵抗の少ない位置、即ち紙面に
おいては垂直上下方向に存在する。従って回転体1が回
転すると、圧接部材22−2,22−3も回転伝達を受
けて回転する。
【0104】そしてリング状支持部材22−4を矢印E
方向に回動すると、回転体1の回転軸11は一時的に圧
接部材22−2,22−3に従って矢印E方向に回動さ
れ、回転体3−1,3−2と回転体1の回転比は一時的
に無段階に変化する。しかし、矢印E方向への回動を停
止すると、再び回転軸11は無段階に元の垂直上下方向
に戻って行き、回転体1と回転体3−1,3−2の回転
比は元に戻る。この実施例は一時的な減速に効果があ
り、その後再び減速前の回転比に戻すことができる構成
である。
【0105】一方リング状支持部材22−4を図示の状
態から矢印F方向に90度回動すると、図23に示す状
態となる。この状態においては回転体1の回転軸11は
2つ1組の圧接部材22−2の中心と2つ1組の圧接部
材22−3の中心とを結ぶ線に一致するので、回転体1
と回転体3−1,3−2間で回転伝達はされない。そし
てこの状態からリング状支持部材22−4を矢印G方向
に回動していくと、回転体1の回転軸11が上方向に移
動していくため、抵抗トルクが徐々に減少して行き、回
転体1と回転体3−1,3−2間で回転伝達が始まり、
圧接部材22−2,22−3も回転体1の伝達を受けて
回転伝達が始まる。
【0106】図24はさらに他の構造のブレーキ装置2
4−1を示す正面図である。このブレーキ装置24−1
において、前記図20に示す実施例と相違する点は、圧
接部材24−2(裏面側にも図示しない圧接部材24−
3がある)とリング状支持部材24−4の配置位置を所
定距離左側に平行移動した点のみである。そして圧接部
材24−2(24−3)と回転体1の圧接点pの位置と
圧接部材24−2(24−3)の回転軸の位置をずらせ
ておく。
【0107】この回転体1の場合はその回転軸は圧接点
p又は回転体3−1,3−2の圧接点に一致する。従っ
て図示の状態の場合は回転体1と回転体3−1,3−2
の間で回転伝達は行なわれない。そしてリング状支持部
材24−4を矢印方向に移動していくと、上記各実施例
と同様に回転体1と回転体3−1,3−2間で回転伝達
が始まり、回転体24−2,24−3も回転伝達が始ま
る。
【0108】この実施例の場合、リング状支持部材24
−4を矢印方向に移動していく際、圧接部材24−2
(24−3)は回転体1に対して転がり回転していく。
従って図20に示す実施例と比較して、圧接部材24−
2(24−3)の移動がより滑らかに行なえる。
【0109】〔始動装置の抵抗力の増減を利用した無段
変速機〕図25は前記図7に示す始動動作のみを利用し
た始動及び無段変速機を示す図である。
【0110】この実施例においては、回転体1の回転軸
11をガイド部材25−1のガイド溝25−2に支持せ
しめている。ガイド溝25−2は前記図7に示す矢印c
と同じ略円弧状の軌跡となっている。
【0111】またガイド溝25−2は図示においては途
中までとなっているが、回転軸11を略円弧状の軌跡を
作りながら一周にわたって回転自在にガイド溝を設けて
回転軸11をガイドにそって回動させることもできる。
【0112】そして原動機25−3を停止した状態で、
回転軸11を図示の位置から矢印方向に移動していけ
ば、前記図7で説明したように、回転体1と回転体3−
1,3−2が回動し、原動機25−3が始動される。
【0113】原動機25−3が始動されれば、逆に回転
軸31が駆動されるが、このとき回転軸11によって所
定の抵抗トルクが生じる。なお回転軸11の位置が上方
向に行けば抵抗トルクは減少していくので、回転軸31
の回転数は増し、回転体1も回転軸11を中心に加速さ
れる。逆に回転軸11が図示の位置に近づけば近づくほ
ど、抵抗トルクは増大して回転軸31の回転数は減少
し、回転体1も回転数が減少し、最終的には停止する。
【0114】〔始動、減速停止装置と無段変速機を組み
合わせた他の装置〕図26は始動、減速停止装置と無段
変速機を組み合わせた装置を示す図である。同図におい
て、回転体3−1,3−2の間に前記図25に示すと同
様の始動停止装置26−1を取り付け、また該回転体3
−1,3−2の間に変速用の回転体1′を圧接挟持せし
めている。
【0115】回転体1′はその上下から回転体5−1,
5−2で挟持され、また紙面手前奥側には回転軸揺動用
の圧接部材26−2,26−3(26−3は図示せず)
が圧接されている。回転体5−2には出力軸26−8が
接続されている。
【0116】回転体3−2は回転軸31とは逆向きに回
転するが、歯車機構26−5(3つのかさ歯車26−1
0,26−11,26−6)によって回転体3−2の回
転方向をかさ歯車26−6に逆方向に取り出し、これを
回転軸31に伝達している。なお回転軸31とかさ歯車
26−6の間は回転方向には固定され、軸方向にはスラ
イド自在にスプライン嵌合となっている。
【0117】そして始動停止装置26−1のレバー26
−7を紙面に垂直な位置から図示の位置まで移動する
と、前述のように回転体1と回転体3−1,3−2が回
動し、回転軸31が回動する。回転軸31に原動機を取
り付けておけばその始動が可能になる。
【0118】一方回転している回転軸31の動力は、回
転体3−1,3−2から回転体1′に伝達される。図示
の状態のとき回転体1′の回転軸11′は、2つの回転
体5−1,5−2の回転体1′に圧接している点p,p
を結ぶ線と一致しているので、回転体1′と圧接部材2
6−2,26−3は抵抗なく回転されるが、回転体5−
2への動力の伝達は行なわれない。即ちニュートラルの
状態となる。
【0119】次に圧接部材26−2,26−3を支持す
る支持部材26−9を矢印方向に回動すると、圧接部材
26−2,26−3による回転体1′への圧接点pが移
動し、回転体1′と回転体3−1,3−2と圧接部材2
6−2,26−3間における抵抗の加わり方(抵抗方
向)が変化する。従って、回転体1′は抵抗の最も少な
い回転方向となるようにその回転軸11′が図示の方向
から他の方向に変化する。従って回転体1′の回転軸1
1′が回転体5−1,5−2の圧接点p,pと一致しな
くなり、回転体3−1,3−2の回転が回転体5−2に
伝達され、所定の回転比で出力軸26−8に取り出せ
る。つまり圧接部材26−2,26−3の位置を変更す
ることによって、無段変速が可能となる。
【0120】〔無段揺動変速機〕図27は本発明を無段
揺動変速機に応用した例を示す図である。この実施例に
おいては、フレーム27−1の上端部に入力軸27−
2、下端部に出力軸27−3を設けている。フレーム2
7−1内部においては2枚の回転体3−1,3−2の間
に揺動用の回転体1と、変速用の回転体1′が圧接挟持
されている。回転体3−1の回転軸31はフレーム27
−1に回転自在に軸支されている。
【0121】また上側の回転体1の周囲を囲むように円
筒状のガイド部材27−4が配置されており、該ガイド
部材27−4の一端面には平歯車27−5が取り付けら
れている。該平歯車27−5は前記入力軸27−2に固
定した平歯車27−6に螺合している。またこのガイド
部材27−4の内周面には、斜めに傾く第1ガイド溝2
7−7が設けられている。
【0122】一方フレーム27−1には前記ガイド部材
27−4の両側面を支持するための2つのアーム27−
8,27−9が設けられている。このアーム27−8,
27−9には回転体1の手前側と奥側に2本の横アーム
27−10(奥側は示さず)が取り付けられており、該
横アーム27−10の内側には第2ガイド溝27−11
が設けられている。これら第1,第2ガイド溝27−
7,27−11には同時に回転体1の回転軸11が係合
している。
【0123】一方変速用の回転体1′の構造は前記図2
6に示す変速用の回転体1′の構造と略同一なので、そ
の詳細な説明は省略する。なお27−12は回転体5−
13の回転軸を所定の定位置に支持する支持部材であ
る。
【0124】そして入力軸27−2を回転すると、ガイ
ド部材27−4が回転する。このとき回転体1の回転軸
11は第1,第2ガイド溝27−7,27−11に係合
しているので、該回転軸11は結局同図に示す矢印方
向、即ち左右方向に揺動する。
【0125】これによってこの回転体1に圧接している
回転体3−1,3−2も回転軸31を中心にして回転方
向に揺動する。
【0126】ここで回転体1′が図示の位置にあるとき
は、前記図26で説明したように、回転体1′が揺動す
るだけで、回転体3−1,3−2の回転は出力軸27−
3に伝達されない。
【0127】そして圧接部材27−14を支持する支持
部材27−15を矢印方向に回動すると、前記図26で
説明したように回転体1′の回転軸が上下垂直方向から
他の方向に変化するので、該回転体1′の回転軸と回転
体5−16の圧接点pと一致しなくなり、所定の回転比
で出力軸27−3が揺動する。支持部材27−15の回
動量に応じて、出力軸27−3の揺動量が無段階に変化
する。
【0128】〔他の始動及び無段変速装置〕図28は他
の構造の始動及び無段変速装置を示す図である。この実
施例においても2つの回転体1−1,1−2を2つの回
転体3−1,3−2で圧接挟持している。回転体1−1
と回転体1−2は同一構造なので、上側の回転体1−1
について説明すると、回転体1−1の外周にはリング状
の回転体28−1が配置され、該回転体28−1に回動
自在に取り付けた4つの圧接部材28−2を回転体1−
1に圧接している。各圧接部材28−2の回転軸と圧接
点pは一致していない。
【0129】回転体28−1は3次元的に回動自在とな
るように図示しない支持部材に支持されている。そして
圧接点pが図に示す矢印s方向に移動するように回転体
28−1を回動すると、前記図7で説明したように、回
転体1−1と回転体3−1,3−2がスムーズに始動す
る。従って回転軸31に接続した原動機の始動が可能と
なる。
【0130】一方図示の状態において回転体3−1が回
転駆動しているとすると、回転体1−1は真上から真下
に向かう回転軸を中心にして回転する。従って回転体3
−1の回転速度に対して回転体1−1は所定の回転速度
比で回転する。従って図示しない回転体1−1からの出
力取り出し手段(例えば図9に示すように回転体1−1
に別の回転体を圧接することによって取り出す)によっ
て該回転体1−1からその出力を取り出せば、所定の回
転比の出力が得られる。なお圧接部材28−2から出力
を取り出しても良い。
【0131】次に回転体28−1を矢印r方向等に回動
すると、回転体1−1の回転軸が揺動し、回転体3−1
と回転体1−1間の回転比が変わるので、その回転比を
無段階に変えることができる。
【0132】〔無段変速装置〕図29は本発明を用いた
無段変速機を示す図である。同図に示すようにこの無段
変速機は、回転体1を2つの回転体3−1,3−2で圧
接挟持している。回転体1には入力軸となる回転軸11
が固定されており、該回転軸11は軸受29−1に回動
自在に軸支されている。なお軸受29−1はこの位置に
固定されている。
【0133】回転体3−1,3−2はいずれもフレーム
29−2に回動自在に取り付けられており、また該回転
体3−1,3−2にはかさ歯車29−3,29−4が固
定されている。両かさ歯車29−3,29−4はかさ歯
車29−5に噛み合わされており、該かさ歯車29−5
の回転軸29−6が出力軸となっている。
【0134】そして回転軸11を回転駆動すれば、所定
の回転比で回転体3−1,3−2が回動し、さらに所定
の回転比で回転軸29−6が回転する。
【0135】次にフレーム29−2を矢印q方向に回動
すると、回転体1と回転体3−1,3−2の圧接点p,
pの位置が変化し、両者の回転比が変化する。これによ
って回転軸11と回転軸29−6間の回転比が無段階に
変化される。
【0136】図30は本発明の他の無段変速機を示す図
である。同図に示す無段変速機は、2つの回転体1−
1,1−2を回転体3−1,3−2で圧接挟持して構成
されている。
【0137】ここで回転体1−1,1−2は前記図17
に示す回転体1′−1〜1′−4と同一構造である。
【0138】また回転体3−1,3−2はそれぞれフレ
ーム30−1に回動自在に取り付けられており、回転体
3−1,3−2に固定したかさ歯車30−2,30−3
をかさ歯車30−4に噛み合わせ、その回転軸30−5
を出力軸としている。
【0139】そして回転体1−1,1−2のかさ歯車3
0−6を入力軸として回動すれば、所定の回転比で回転
体1−1,1−2と回転体3−1,3−2がそれぞれ回
動され、回転軸30−5に出力される。
【0140】ここで回転体1−1,1−2の支持手段3
0−7を揺動するか、或いはフレーム30−1を矢印r
方向に回動するか、或いはこれら揺動と回動を同時に行
なうことによって、かさ歯車30−6と回転軸30−5
間の回転比が無段で変更される。
【0141】入力軸となるかさ歯車30−6と出力軸と
なる回転軸30−5は、定位置に設けられる。ここで回
転体1−1,1−2に設けたかさ歯車とかさ歯車30−
6の間の歯数比と、かさ歯車30−2,30−3とかさ
歯車30−4の間の歯数比を所定の比に設定すれば、フ
レーム30−1を回動した際に回転体1−1,1−2と
回転体3−1,3−2がそれぞれ回転しても、静止した
かさ歯車30−6とかさ歯車30−4上を回転体1−
1,1−2に取り付けたかさ歯車とかさ歯車30−2,
30−3がそれぞれ噛み合いながらその周囲を回動する
だけとすることができる。つまり入出力軸を停止した状
態のままでその回転比を変更することができる。
【0142】図31は本発明の他の無段変速機を示す図
である。この実施例においては2つの回転体1−1,1
−2を回転体3−1,3−2で圧接挟持している。この
圧接挟持のために回転軸31に設けたねじ部31−3に
ナット31−1を螺合し、ボールベアリング31−2を
介して回転体3−2を回転体3−1に向けて押し付けて
いる。
【0143】図示の状態で回転体1−1の回転軸11−
1を駆動すれば、回転体3−1,3−2を介して回転体
1−2にその回転が伝わり、回転体1−2の回転軸11
−2が回転軸11−1と同一速度で回転する。
【0144】そしてこの状態から回転体1−1の回転軸
11−1を揺動(又は回転体1−1の回りを回動)すれ
ば、回転軸11−1の回転速度に比べて回転軸11−2
の回転速度の方が増加し、無段変速が行なえる。
【0145】なおこの機構は例えば自動車の左右の車輪
への動力伝達に利用できる。即ち自動車がカーブする
際、内輪と外輪の間に回転半径の相違による回転速度差
を生じる。
【0146】そこで図31において回転軸31を入力軸
とし、回転軸11−1,11−2を左右の車輪への出力
軸としておく。そして自動車が直進する際は回転軸11
−1,11−2を図示の状態のままとしておく。これに
よって両車輪は同一回転数で駆動される。次に自動車が
カーブする際は内輪になる側の回転軸11−1を所定角
度図示の位置から傾ける。これによって傾けた回転軸1
1−1の回転数は傾けない回転軸11−2の回転数より
も小さくなる。従ってカーブをスムーズに曲がりながら
同時に車輪への動力伝達ができる。
【0147】反対側にカーブする際は回転軸11−2を
揺動させれば良い。またカーブの半径が小さくなるほど
揺動角度を大きくする。
【0148】図32は本発明の他の無段変速機を示す図
である。同図に示す無段変速機は、回転体1を2つの回
転体3−1,3−2で圧接挟持している。回転体1の回
転軸11には歯車32−1が固定されており、該歯車3
2−1には原動機32−2の駆動歯車32−3が噛み合
っている。
【0149】一方回転体3−1,3−2の回転軸31−
1,31−2はフレーム32−4に回転自在に取り付け
られており、両回転体3−1,3−2はコイルバネ32
−7などによって回転体1に圧接されている。なお回転
軸31−1,31−2と圧接点pは一致させていない。
また該フレーム32−4には前記回転体1の中心と前記
圧接点pを通る軸と同一軸中心の軸32−5が取り付け
られている。この軸32−5には歯車32−6が固定さ
れており、該歯車32−6はウォーム歯車32−7が噛
み合っている。ここで回転軸11は入力軸であり同時に
出力軸となっている。
【0150】そして図示の状態で原動機32−2を駆動
し、回転軸11を回転駆動すると、回転体3−1,3−
2も抵抗なく回転し、回転軸11を出力軸としてそのま
ま出力が取り出せる。
【0151】次にウォーム歯車32−7を回転して回転
軸32−5を回動すると、フレーム32−4全体が該回
転軸32−5を中心に回動し、これによって回転体1と
回転体3−1,3−2の圧接点pの位置が変化する。こ
れによって回転体1の回転に所定の抵抗が生じ、該抵抗
力に応じて回転軸11の回転が制動されその回転数が変
更される。
【0152】なおフレーム32−4を図示の状態から9
0度揺動すれば、回転体1は回転不能となり、回転軸1
1の回転は停止される。
【0153】図33は本発明の他の無段変速機を示す図
であり、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図であ
る。但し同図(a)においては上側の回転体3−1及び
それを支持するフレーム33−1部分の記載を省略し、
同図(b)においては手前側の回転体3−3及びそれを
支持するフレーム33−1部分の記載を省略している。
【0154】同図に示すようにこの無段変速機は、回転
体1に2つ1組(全部で4個)の回転体3−1,3−
2,3−3,3−4と圧接部材3−5,3−6をそれぞ
れ圧接せしめて構成されている。何れの回転体3−1〜
3−4と圧接部材3−5,3−6の回転軸も、回転体1
への圧接点pからずれるように配置されている。
【0155】ここで正面図の上下の回転体3−1,3−
2の回転軸31−1,31−2を入力軸とし、紙面手前
側と奥側の回転体3−3,3−4の回転軸31−3,3
1−4を出力軸としている。
【0156】回転体3−1〜3−4はフレーム33−1
に直接軸支されており、また圧接部材3−5,3−6の
回転軸31−5,31−6は支持部材33−2,33−
3に回転自在に支持された上で、該支持部材33−2,
33−3の回転軸33−4,33−5がフレーム33−
1に回動自在に支持されている。回転軸31−5,31
−6の中心軸と回転軸33−4,33−5の中心軸は所
定距離ずれている。
【0157】また支持部材33−2,33−3の外周に
は歯車が設けられており、この歯車は歯車33−6,3
3−7に噛み合っている。歯車33−6,33−7は駆
動軸33−8に固定されている。
【0158】そして回転軸31−1,31−2を入力軸
として回転駆動すると、回転体3−3,3−4は所定の
回転比で回転するが、このとき駆動軸33−8を回転し
て支持部材33−2,33−3を回転すると、回転体1
と圧接部材3−5,3−6の圧接点pの位置において圧
接部材3−5,3−6の回転軸の位置が移動し、回転体
1の回転軸が変化して前記回転比が変化する。
【0159】ここで図34は上記無段変速機の動作を説
明するための図である。同図は図33(b)を右側から
見た状態を示している。同図(a)に示すようにまず圧
接部材3−6(3−5)の軸中心がその圧接点pに対し
て左側にあったとすると、回転体1の回転軸11は図示
の通り横方向を向く。従って回転体3−1,3−2の入
力は回転体3−3,3−4には伝達されない。
【0160】次に圧接部材3−6(3−5)を移動して
同図(b)に示す位置にきたとすると、回転軸11もそ
れに伴って同図に示す位置に移動する。従って回転体3
−1,3−2から回転体3−3,3−4に所定の回転比
でその回転が伝達できる。また圧接部材3−5,3−6
も変速される。つまり圧接部材3−6(3−5)の移動
位置に応じて入出力軸間の回転比と圧接部材3−5,3
−6の回転比が無段階に変化する。
【0161】一方同図(c)に示すように圧接部材3−
6(3−5)の揺動方向を逆方向にすると、回転体3−
1,3−2から回転体3−3,3−4への回転伝達方向
が逆になる。
【0162】ところでもし圧接部材3−6(3−5)
が、同図(b)に示す位置にあり、且つ全ての回転体3
−1〜3−4と圧接部材3−5,3−6が停止している
状態にあったとする。そしてこの状態で回転体3−1,
3−2の回転を始めると、図35に示すように、回転体
1は当初は同図に示す回転軸11−1の位置にあるが、
次第に回転軸11−2→11−3と移動して行き、最後
は回転軸11−4の位置に落ち着く。
【0163】つまり圧接部材3−6(3−5)の位置を
予め傾けておいても、無段階にスムーズに変速されるの
である。従って圧接部材3−6の角度に従って回転比の
上限を一定に設けることもでき、またその範囲でゼロか
ら上限の間で無段変速が可能となる。
【0164】図36は本発明の他の無段変速機を示す図
である。この無段変速機は、回転軸31に入力された駆
動力を、回転体3−1,3−2,3−3を介して4つの
回転体1−1,1−2,1−3,1−4に伝達し、さら
に別の回転体3−4,3−5,3−6,3−7の回転軸
36−5,36−6,36−7,36−8から取り出す
構造のものである。つまり1つの入力軸を4つの出力軸
に分配して出力するものである。
【0165】各回転体1−1,1−2,1−3,1−4
には別に2つ1組の圧接部材36−1,36−2,36
−3,36−4(裏面側のものは示さず)が圧接されて
いる。圧接部材36−1,36−2,36−3,36−
4は前記図33の圧接部材3−5,3−6と同じ状態で
それぞれ回転体1−1〜1−4に圧接されている。
【0166】そして図34で説明したと同様に、各圧接
部材36−1,36−2,36−3,36−4の位置に
応じて回転軸31と各回転軸36−5,36−6,36
−7,36−8の回転比が変化する。
【0167】そして例えば何れか1つの回転軸36−5
の出力側のみに大きな負荷がかかったような場合(例え
ば自動車がカーブしたり、凹凸路面にあった場合等)、
回転体1−1の回転軸11−1は図示の位置から所定角
度ずれ、その分他の回転体1−2〜1−4に比べて回転
数が減少するが、逆にトルクは増大する。
【0168】つまりこの機構を例えば自動車の4輪駆動
に用いたりすれば、自在に路面に最適な回転比・トルク
とすることができ、好適である。もちろんそれ以外の各
種装置(工作機械など)に利用できることは言うまでも
ない。
【0169】図37は本発明の他の無段変速機を示す図
である。同図に示す無段変速機は、4つの回転体1−
1,1−2,1−3,1−4を5つの回転体3−1,3
−2,3−3,3−4,3−5と2つのプーリー体3−
6,3−7によって囲むように圧接挟持し、さらに各回
転体1−1〜1−4の手前側と奥側もそれぞれ圧接部材
37−1,37−2,37−3,37−4(裏面側は図
示していない)によって圧接挟持して構成されている。
圧接部材37−1,37−2,37−3,37−4は前
記図33の圧接部材3−6,3−7と同じ状態でそれぞ
れ回転体1−1〜1−4に圧接している。
【0170】そして回転体3−1,3−2の回転軸31
−1,31−2を入力軸として回転駆動すれば、各回転
体1−1,1−2,1−3,1−4が回転駆動され、こ
れによってプーリー体3−6,3−7と回転体3−3,
3−4,3−5が回転駆動され、回転体3−3の回転軸
31−5が出力として取り出せる。
【0171】このとき各回転体1−1,1−2,1−
3,1−4は圧接部材37−1,37−2,37−3,
37−4によってその回転軸11−1,11−2,11
−3,11−4の位置が制御され、各回転体1−1,1
−2,1−3,1−4の回転速度が制御される。
【0172】この実施例においては回転体1−1,1−
2,1−3,1−4が4つあり、回転軸31−1,31
−2からの入力トルクを4つに分散できるので、各圧接
点において伝達する力が小さくなり、無理なく変速して
出力できる。
【0173】図38は本発明の他の無段変速機を示す図
である。この無段変速機は図37に示す無段変速機全体
を45度傾けたものである。それ以外の構成は前記図3
7の構成とほとんど同一なのでその説明は省略する。
【0174】このように構成すれば、各回転体間が、各
回転体自体の重量によって相互に圧接される。したがっ
て圧接挟持のためのコイルスプリング等を省略でき、又
はコイルスプリング等を弾発力の小さい小型の物に変更
でき、無段変速機の構造の簡略化が図れる。
【0175】〔回転軸方向変換装置〕図39は本発明を
回転軸方向変換装置に利用した例を示す図である。この
回転軸方向変換装置は、2つの回転体1−1,1−2を
2つの回転体3−1,3−2で圧接挟持するように構成
されている。
【0176】3つの回転体1−1,3−1,3−2の回
転軸11−1,31−1,31−2は、いずれもフレー
ム39−1に回転自在に軸支されている。フレーム39
−1には歯車39−2が固定されており、該歯車39−
2にはウォーム歯車39−3が螺合している。
【0177】一方回転体1−2はその回転軸11−2が
固定部材39−7に回動自在に軸支されている。
【0178】そして回転軸11−2を入力軸とし、回転
軸31−1,31−2を出力軸として回転軸11−2を
回転駆動すれば、所定の回転比で回転軸31−1,31
−2が回転される。そしてウォーム歯車39−3を回動
してフレーム39−1全体を矢印t方向に回転すれば回
転軸31−1,31−2の方向が変換できる。方向変換
前と方向変換後の回転軸11−2と回転軸31−1,3
1−2間の回転比は同一である。
【0179】〔ブレーキ手段〕図40は他のブレーキ手
段の基本構成を示す図である。このブレーキ手段は、2
つの回転体1−1,1−2を2つの回転体3−1,3−
2で圧接挟持して構成されている。
【0180】両者の圧接部はゴムなどの弾性材料で構成
されており、且つ一方の回転体3−1の位置を固定した
状態で他方の回転体3−2を矢印方向に押圧可能に構成
して構成されている。
【0181】そして通常は回転体1−1,1−2と回転
体3−1,3−2は点接触状態となるように、所定の圧
接力で圧接されている。
【0182】ここで回転体3−2をさらに強い力で矢印
方向に押し付けると、両者の圧接部分は弾性部材で構成
されているので、圧接部が面接触となり、これによって
抵抗が生じ、ブレーキ作用が生じる。この圧接力を調整
することによって抵抗トルクが加減できる。
【0183】以上本発明の実施例を詳細に説明したが、
本発明は例えば以下のような各種装置に利用可能であ
る。 本発明を往復運動機構に応用して、エレベータ、プレ
ス機、ネジ切りタッピングマシーン、クレーン、コンベ
ア等に用いる。
【0184】本発明を回転運動機構に応用して、旋
盤、ドリル、マシニング等の加工機械や、自動車、船、
航空機等の変速機や、クイ打ち機、クイ抜き機、ジャッ
キ等の各種装置に用いる。
【0185】本発明を回転伝達方向変更機構に応用し
て、操舵を必要とする装置等に用いる。
【0186】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、以下のような優れた効果を有する。 少なくとも2つの回転体を点接触によって圧接して動
力を伝達するので、滑りが少なくエネルギー損失が少な
い。
【0187】圧接する2つの回転体の圧接点を、一方
の回転体に設けた球面上を移動するように変更せしめて
両回転体間の回転比を変更するので、一方の回転体の回
転に対して他方の回転体の回転を無段階に変更したり、
停止したり、逆回転したりすることが容易に行なえる。
また圧接点の変更軌跡の取り方によっては両回転体の始
動動作や停止動作や回転軸の方向変換動作もスムーズに
行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる回転運動伝達機構の基本構成
例を示す概略側面図である。
【図2】回転運動伝達機構の動作説明図である。
【図3】回転運動伝達機構の動作説明図である。
【図4】回転運動伝達機構の動作説明図である。
【図5】回転運動伝達機構の動作説明図である。
【図6】回転運動伝達機構の動作説明図である。
【図7】回転運動伝達機構の動作説明図である。
【図8】軸支手段の1例を示す概略図である。
【図9】軸支手段の他の例を示す図であり、同図(a)
は正面図、同図(b)は右側面図である。
【図10】軸支手段の他の例を示す図である。
【図11】球面を有する回転体からの動力取り出し手段
を示す図である。
【図12】球面を有する回転体からの他の動力取り出し
手段を示す図である。
【図13】球面を有する回転体からの他の動力取り出し
手段を示す図である。
【図14】各回転体間を圧接する圧接手段の1例を示す
図である。
【図15】圧接点において摩擦力を増大する手段を示す
図である。
【図16】圧接点において摩擦力を増大する他の手段を
示す図である。
【図17】始動、減速停止装置と無段変速機を組み合わ
せた装置を示す図である。
【図18】無段変速機とブレーキ装置を組み合わせた装
置を示す図である。
【図19】ブレーキ装置19−1の回転軸31を直接原
動機19−2に接続して構成した無段変速機を示す図で
ある。
【図20】無段変速機に利用する他の構造のブレーキ装
置20−1を示す図であり、同図(a)は正面図、同図
(b)は右側面図である。
【図21】さらに他の構造のブレーキ装置21−1を示
す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は同図
(a)のD−D断面矢視図(但しリング状支持部材21
−4のみを断面としている)である。
【図22】さらに他の構造のブレーキ装置22−1を示
す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図
である。
【図23】ブレーキ装置22−1の動作の1つを示す図
である。
【図24】さらに他の構造のブレーキ装置24−1を示
す正面図である。
【図25】図7に示す始動動作のみを利用した始動及び
無段変速機を示す図である。
【図26】始動、減速停止装置と無段変速機を組み合わ
せた装置を示す図である。
【図27】本発明を無段揺動変速機に応用した例を示す
図である。
【図28】他の構造の始動及び無段変速装置を示す図で
ある。
【図29】本発明を用いた無段変速機を示す図である。
【図30】本発明の他の無段変速機を示す図である。
【図31】本発明の他の無段変速機を示す図である。
【図32】本発明の他の無段変速機を示す図である。
【図33】本発明の他の無段変速機を示す図であり、同
図(a)は平面図、同図(b)は正面図である。
【図34】上記無段変速機の動作を説明するための図で
ある。
【図35】回転体1の動作説明図である。
【図36】本発明の他の無段変速機を示す図である。
【図37】本発明の他の無段変速機を示す図である。
【図38】本発明の他の無段変速機を示す図である。
【図39】本発明を回転軸方向変換装置に利用した例を
示す図である。
【図40】他のブレーキ手段の基本構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,3 回転体 11,31 回転体の回転軸 p 圧接点

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球面を有する回転体と他の2つの回転体
    とを具備し、該球面を有する回転体の球面を他の2つの
    回転体間で回転伝達可能に挟持して接続し、且つ前記球
    面を設けた回転体の回転軸を揺動又は回転体の周囲に回
    動せしめる回転軸移動手段を設け、 前記回転軸移動手段によって前記球面を有する回転体の
    回転軸と前記他の2つの回転体の回転軸間の相対的位置
    を変更することによって前記球面を有する回転体と前記
    他の2つの回転体間の回転比を変更せしめ、 さらに前記球面を有する回転体の回転軸と前記他の2つ
    の回転体の回転軸の内のいずれかを動力の入力軸又は出
    力軸にすることを特徴とする回転運動伝達機構。
  2. 【請求項2】 球面を有する回転体と他の3つの回転体
    とを具備し、前記他の3つの回転体はそれぞれの回転軸
    が同一方向を向かない状態で前記球面を有する回転体の
    球面にそれぞれ回転伝達可能に接続され、 且つ前記球面を有する回転体と他の3つの回転体の内の
    少なくともいずれか1つには、前記球面を有する回転体
    の回転軸と前記他の3つの回転体の回転軸間の相対的位
    置を変更せしめる回転軸位置操作手段を設け、該回転軸
    位置操作手段で前記各回転軸間の相対的位置を変更する
    ことによって各回転体間の回転比を変更せしめることを
    特徴とする回転運動伝達機構。
  3. 【請求項3】 前記回転運動伝達機構の外部の回転伝達
    経路に、始動装置又は変速装置又は加工装置又は駆動装
    置又は発電装置等の回転伝達装置を取り付けたことを特
    徴とする請求項1又は2記載の回転運動伝達機構。
  4. 【請求項4】 球面を有する回転体と他の回転体とを具
    備し、該球面を有する回転体の球面と他の回転体とを回
    転伝達可能に接続し、且つ前記球面を有する回転体と他
    の回転体の少なくともいずれかには、前記球面を有する
    回転体の回転軸と他の回転体の回転軸間の相対的位置を
    変更せしめて両回転体の回転比を変更せしめる回転軸位
    置操作手段を設けた回転運動伝達機構であって、 前記回転軸位置操作手段は、両回転体の回転軸の相対的
    位置を変更して行き、最終的には前記球面を有する回転
    体の他の回転体との接続点における回転方向を該他の回
    転体の回転軸に交差する方向に向けることによって両回
    転体間の回転伝達を不能とせしめるように前記両回転体
    の回転軸の相対的位置を操作することを特徴とする回転
    運動伝達機構のブレーキ操作方法。
  5. 【請求項5】 球面を有する回転体と他の回転体とを具
    備し、該球面を有する回転体の球面と他の回転体とを回
    転伝達可能に接続し、且つ前記球面を有する回転体と他
    の回転体の少なくともいずれかには、前記球面を有する
    回転体の回転軸と他の回転体の回転軸間の相対的位置を
    変更せしめて両回転体の回転比を変更せしめる回転軸位
    置操作手段を設けた回転運動伝達機構であって、 前記回転軸位置操作手段は、前記球面を有する回転体の
    回転軸を、前記他の回転体の回転軸に垂直な面方向以外
    の方向に連続して移動することによって両回転体の回転
    軸の回転を始動せしめるように前記両回転体の回転軸の
    相対的位置を操作することを特徴とする回転運動伝達機
    構の始動操作方法。
  6. 【請求項6】 リング状の回転体の内部に他の回転体を
    貫通し、両回転体間は、十字状の継ぎ手の2本の腕の両
    端をそれぞれ回動自在に取り付けることによって連結さ
    れることを特徴とする自在継手。
JP8193495A 1995-03-13 1995-03-13 回転運動伝達機構 Pending JPH08247244A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8193495A JPH08247244A (ja) 1995-03-13 1995-03-13 回転運動伝達機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8193495A JPH08247244A (ja) 1995-03-13 1995-03-13 回転運動伝達機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08247244A true JPH08247244A (ja) 1996-09-24

Family

ID=13760320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8193495A Pending JPH08247244A (ja) 1995-03-13 1995-03-13 回転運動伝達機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08247244A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003097657A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Shizuo Mishima 回転動力伝達構造
KR100389373B1 (ko) * 2000-09-16 2003-06-25 서울대학교 공과대학 교육연구재단 다중모드 무단변속기
KR100398320B1 (ko) * 2000-07-28 2003-09-19 박종우 무단변속기의 출력위치 전환기구

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100398320B1 (ko) * 2000-07-28 2003-09-19 박종우 무단변속기의 출력위치 전환기구
KR100389373B1 (ko) * 2000-09-16 2003-06-25 서울대학교 공과대학 교육연구재단 다중모드 무단변속기
JP2003097657A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Shizuo Mishima 回転動力伝達構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1846673B1 (en) Continously variable toroidal transmission
US4487085A (en) Infinitely variable gear ratio transmission
US5645507A (en) Continuously variable transmission system
KR20070035557A (ko) 배리에이터
US5303796A (en) Toroidal type continuously variable transmission
KR101433904B1 (ko) 가변기
JP3210020B2 (ja) 機械的伝動装置
JPH08247244A (ja) 回転運動伝達機構
JP2003214516A (ja) トロイダル変速機構
JP3430530B2 (ja) 動力伝達装置
JPH039153A (ja) 摩擦転動式無段変速装置
JPH06174034A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3000820B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2003161356A (ja) トロイダル無段変速機
RU2263240C2 (ru) Колебательный механизм для высокомоментного вариатора
JP2002031206A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JPS6199760A (ja) 車両用トロイダル形無段変速機
JPH01193435A (ja) 無段変速機
RU1785918C (ru) Устройство бесступенчатого фрикционного механизма передачи
JP2798607B2 (ja) 変速機
JP2003042254A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JPH06174035A (ja) トロイダル型無段変速機
JPS61124761A (ja) 遊星歯車機構
JPH0627535B2 (ja) 無段変速機
JP2002021969A (ja) 無段変速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050118

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050628