JPH08247213A - ダイナミックダンパ - Google Patents
ダイナミックダンパInfo
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- JPH08247213A JPH08247213A JP7963395A JP7963395A JPH08247213A JP H08247213 A JPH08247213 A JP H08247213A JP 7963395 A JP7963395 A JP 7963395A JP 7963395 A JP7963395 A JP 7963395A JP H08247213 A JPH08247213 A JP H08247213A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ダイナミックダンパとして高い性能を保持し
つつ、接着工程の省略により製作工程を簡略化して低コ
スト化を図る。 【構成】 基板1上に熱可塑性エラストマーよりなる本
体部2を介して質量体3を弾性支持する。本体部2を構
成する熱可塑性エラストマーにて、さらに質量体3およ
び基板1の周囲を覆う第1、第2の保持層4、5と、質
量体3および基板1を貫通してこれら第1、第2の保持
層4、5と本体部2を連結する第1、第2の連結部6、
7を形成して、接着剤を用いずに質量体3および基板1
と本体部2を一体とする。
つつ、接着工程の省略により製作工程を簡略化して低コ
スト化を図る。 【構成】 基板1上に熱可塑性エラストマーよりなる本
体部2を介して質量体3を弾性支持する。本体部2を構
成する熱可塑性エラストマーにて、さらに質量体3およ
び基板1の周囲を覆う第1、第2の保持層4、5と、質
量体3および基板1を貫通してこれら第1、第2の保持
層4、5と本体部2を連結する第1、第2の連結部6、
7を形成して、接着剤を用いずに質量体3および基板1
と本体部2を一体とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両等に搭載されて振
動を抑制するダイナミックダンパに関する。
動を抑制するダイナミックダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】車両各部の振動や歪を低減するために、
ダイナミックダンパが広く用いられている。図5に従来
のダイナミックダンパの一例を示すと、左右両端部に取
付孔11を有する金属製基板1上には、ゴムブロックよ
りなるばね部8を介して金属製の質量体3が支持せしめ
てある。上記基板1は、例えば車両のサスペンション上
に固定され、ばね部8のばね定数(k)と質量体3の質
量(M)で決まる固有振動数(fn )で共振振動してサ
スペンション振動を効果的に抑制することができる。こ
のダイナミックダンパの固有振動数(fn )は下記の式
(1)で示される。 fn =1/2π √(K/M)・・・(1)
ダイナミックダンパが広く用いられている。図5に従来
のダイナミックダンパの一例を示すと、左右両端部に取
付孔11を有する金属製基板1上には、ゴムブロックよ
りなるばね部8を介して金属製の質量体3が支持せしめ
てある。上記基板1は、例えば車両のサスペンション上
に固定され、ばね部8のばね定数(k)と質量体3の質
量(M)で決まる固有振動数(fn )で共振振動してサ
スペンション振動を効果的に抑制することができる。こ
のダイナミックダンパの固有振動数(fn )は下記の式
(1)で示される。 fn =1/2π √(K/M)・・・(1)
【0003】上記構成のダイナミックダンパを製作する
場合には、まず上記基板1と質量体3の接合面を表面処
理した後、下塗り、上塗り接着剤をそれぞれ塗布、乾燥
する。そしてこれらの間にばね部8となる未加硫のゴム
ブロックを配し、加硫接着することにより一体となして
いる。
場合には、まず上記基板1と質量体3の接合面を表面処
理した後、下塗り、上塗り接着剤をそれぞれ塗布、乾燥
する。そしてこれらの間にばね部8となる未加硫のゴム
ブロックを配し、加硫接着することにより一体となして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなゴム材と金属の加硫接着では、金属面の表面処理
や、接着剤の塗布、乾燥など工程数が多い。また、ゴム
材の加硫が完了するまで一定時間、所定の加硫温度(通
常、160℃、10分間程度)に保持する必要があり、
さらに金属部材に予めメッキ等の防錆処理を施すことが
できないため、加硫成形後に手間のかかる防錆塗装を行
っているなど、コスト高となる要素が多かった。
うなゴム材と金属の加硫接着では、金属面の表面処理
や、接着剤の塗布、乾燥など工程数が多い。また、ゴム
材の加硫が完了するまで一定時間、所定の加硫温度(通
常、160℃、10分間程度)に保持する必要があり、
さらに金属部材に予めメッキ等の防錆処理を施すことが
できないため、加硫成形後に手間のかかる防錆塗装を行
っているなど、コスト高となる要素が多かった。
【0005】このため、高コストな接着工程を省略可能
な構成として、例えば実開昭63−115945号公報
に開示されるように、質量体の中央にゴム層の一部を貫
通させて反対側に膨出させることにより、接着剤を用い
ずにゴム層と質量体を一体となしたダイナミックダンパ
が提案されている。しかしながら、このような構成では
ゴム層と質量体の密着性が不十分であり、振動入力時に
ゴム層が動いてばね特性にばらつきが生じるおそれがあ
った。
な構成として、例えば実開昭63−115945号公報
に開示されるように、質量体の中央にゴム層の一部を貫
通させて反対側に膨出させることにより、接着剤を用い
ずにゴム層と質量体を一体となしたダイナミックダンパ
が提案されている。しかしながら、このような構成では
ゴム層と質量体の密着性が不十分であり、振動入力時に
ゴム層が動いてばね特性にばらつきが生じるおそれがあ
った。
【0006】一方、高コストな加硫接着が不要で、製作
時間の短縮によるコスト低減が可能な樹脂材で、上記本
体部を構成することが検討されている。上記(1)式か
ら明らかなように、質量体3の質量(M)が一定であれ
ば、ばね部8の形状を工夫することでばね定数(k)を
適宜変更し、ダイナミックダンパの固有振動数(fn)
を所望の値とすることが理論的には可能である。しかし
ながら、一般に知られる樹脂材では弾性率の一種である
ヤング率が高く、固有振動数(fn )を所望の値とする
ためには、例えばばね部8を極端に細くしなければなら
ない。このため耐久性不足となるなど制約が多く、現実
的ではなかった。
時間の短縮によるコスト低減が可能な樹脂材で、上記本
体部を構成することが検討されている。上記(1)式か
ら明らかなように、質量体3の質量(M)が一定であれ
ば、ばね部8の形状を工夫することでばね定数(k)を
適宜変更し、ダイナミックダンパの固有振動数(fn)
を所望の値とすることが理論的には可能である。しかし
ながら、一般に知られる樹脂材では弾性率の一種である
ヤング率が高く、固有振動数(fn )を所望の値とする
ためには、例えばばね部8を極端に細くしなければなら
ない。このため耐久性不足となるなど制約が多く、現実
的ではなかった。
【0007】しかして、本発明の目的は、ダイナミック
ダンパとして高い性能を有し、しかも製作工程の簡略化
によるコスト低減が可能なダイナミックダンパを実現す
ることにある。
ダンパとして高い性能を有し、しかも製作工程の簡略化
によるコスト低減が可能なダイナミックダンパを実現す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の構成を図1によ
って説明すると、基板1上に弾性体を介して質量体3を
支持せしめたダイナミックダンパであって、上記弾性体
は、上記質量体3を弾性支持する本体部2と、該本体部
2より延びて上記質量体3の周囲を覆いこれを保持する
第1の保持層4と、上記本体部2より延びて上記基板1
の周囲を覆いこれを保持する第2の保持層5と、上記質
量体3を貫通して上記本体部2と上記第1の保持層4を
連結する第1の連結部6と、上記基板1を貫通して上記
本体部2と上記第2の保持層5を連結する第2の連結部
7とを備えている(請求項1)。
って説明すると、基板1上に弾性体を介して質量体3を
支持せしめたダイナミックダンパであって、上記弾性体
は、上記質量体3を弾性支持する本体部2と、該本体部
2より延びて上記質量体3の周囲を覆いこれを保持する
第1の保持層4と、上記本体部2より延びて上記基板1
の周囲を覆いこれを保持する第2の保持層5と、上記質
量体3を貫通して上記本体部2と上記第1の保持層4を
連結する第1の連結部6と、上記基板1を貫通して上記
本体部2と上記第2の保持層5を連結する第2の連結部
7とを備えている(請求項1)。
【0009】上記弾性体としては、具体的にはオレフィ
ン系、スチレン系、またはウレタン系の熱可塑性エラス
トマーが好適に使用される(請求項2)。上記第1の連
結部6または第2の連結部7を複数設けたり(請求項
3)、上記第1の保持層4にて上記質量体3の全表面を
覆った構成としてもよい(請求項4)。
ン系、スチレン系、またはウレタン系の熱可塑性エラス
トマーが好適に使用される(請求項2)。上記第1の連
結部6または第2の連結部7を複数設けたり(請求項
3)、上記第1の保持層4にて上記質量体3の全表面を
覆った構成としてもよい(請求項4)。
【0010】
【作用】本発明の構成では、本体部2に連続する第1の
保持層4および第2の保持層5にて、質量体3および基
板1の周囲を覆い、さらに、上記質量体3および基板1
を貫通する第1の連結部6および第2の連結部7を設け
て、これら第1および第2の保持層4、5と本体部2と
を連結している。従って、接着剤を用いることなく、上
記質量体3および基板1を確実に保持固定できるので、
振動入力時の弾性体のずれ等のおそれがなく、ばね特性
の低下を防止するとともに、接着工程の省略による製作
工程の簡略化が可能となる。第1および第2の連結部
6、7を複数設け、あるいは上記質量体3の全表面を上
記第1の保持層4で包み込んだ構成とすれば、弾性体の
ずれ等のおそれがさらに小さくなり、安定性が一段と向
上する。
保持層4および第2の保持層5にて、質量体3および基
板1の周囲を覆い、さらに、上記質量体3および基板1
を貫通する第1の連結部6および第2の連結部7を設け
て、これら第1および第2の保持層4、5と本体部2と
を連結している。従って、接着剤を用いることなく、上
記質量体3および基板1を確実に保持固定できるので、
振動入力時の弾性体のずれ等のおそれがなく、ばね特性
の低下を防止するとともに、接着工程の省略による製作
工程の簡略化が可能となる。第1および第2の連結部
6、7を複数設け、あるいは上記質量体3の全表面を上
記第1の保持層4で包み込んだ構成とすれば、弾性体の
ずれ等のおそれがさらに小さくなり、安定性が一段と向
上する。
【0011】また、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性
樹脂としての性状を保持しつつ、ゴム材と同等の性能を
発揮する。よって、ゴム材を加硫成形する場合のように
成形型を加熱保持する必要がなく、短時間で成形が可能
となるので、これを本体部2、第1、第2の保持層4、
5、および第1、第2の連結部6、7を構成する弾性体
として使用すれば、製作時間がさらに短縮され、コスト
低減が可能となる。
樹脂としての性状を保持しつつ、ゴム材と同等の性能を
発揮する。よって、ゴム材を加硫成形する場合のように
成形型を加熱保持する必要がなく、短時間で成形が可能
となるので、これを本体部2、第1、第2の保持層4、
5、および第1、第2の連結部6、7を構成する弾性体
として使用すれば、製作時間がさらに短縮され、コスト
低減が可能となる。
【0012】
【実施例】以下に本発明のダイナミックダンパの一実施
例を図面に基づいて説明する。図1において、基板1は
鉄板等の金属板材よりなり、その左右両端部にそれぞれ
設けた取付け孔11によって振動体上に固定される。上
記基板1の中央部上面には、弾性体よりなるブロック状
の本体部2が配され、該本体部2に支持せしめて厚肉金
属製の質量体3が配設してある。上記質量体3は鋳物、
亜鉛合金または鉄板等で構成される。
例を図面に基づいて説明する。図1において、基板1は
鉄板等の金属板材よりなり、その左右両端部にそれぞれ
設けた取付け孔11によって振動体上に固定される。上
記基板1の中央部上面には、弾性体よりなるブロック状
の本体部2が配され、該本体部2に支持せしめて厚肉金
属製の質量体3が配設してある。上記質量体3は鋳物、
亜鉛合金または鉄板等で構成される。
【0013】上記本体部2を構成する弾性体の上端縁
は、図1、2の如く、上記質量体3の側面および上面を
包み込むように延び、上記質量体3を保持固定する第1
の保持層4となしてある。また、上記質量体3には上下
方向に貫通孔が複数設けてあり、上記本体部2よりこれ
ら貫通孔を充填して延びる弾性体にて、上記第1の保持
層4の上面と上記本体部2とを連結する第1の連結部6
が形成してある。
は、図1、2の如く、上記質量体3の側面および上面を
包み込むように延び、上記質量体3を保持固定する第1
の保持層4となしてある。また、上記質量体3には上下
方向に貫通孔が複数設けてあり、上記本体部2よりこれ
ら貫通孔を充填して延びる弾性体にて、上記第1の保持
層4の上面と上記本体部2とを連結する第1の連結部6
が形成してある。
【0014】一方、上記本体部2を構成する弾性体の下
端縁は、図1、3のように、上記基板1の幅方向外周囲
を取り巻くように延び、上記基板1を保持固定する第2
の保持層5を形成している。上記基板1には、上下方向
に多数の貫通孔が設けてあり、これら貫通孔に弾性体を
充填して、上記第2の保持層5の下面と上記本体部2と
を連結する第2の連結部7となしてある。なお、上記基
板1は中央部を上方にやや突出せしめてあって、上記第
2の保持層5の下面と、上記基板1の左右端部下面とが
面一になるようにしてある。
端縁は、図1、3のように、上記基板1の幅方向外周囲
を取り巻くように延び、上記基板1を保持固定する第2
の保持層5を形成している。上記基板1には、上下方向
に多数の貫通孔が設けてあり、これら貫通孔に弾性体を
充填して、上記第2の保持層5の下面と上記本体部2と
を連結する第2の連結部7となしてある。なお、上記基
板1は中央部を上方にやや突出せしめてあって、上記第
2の保持層5の下面と、上記基板1の左右端部下面とが
面一になるようにしてある。
【0015】上記本体部2、保持層4,5、連結部6,
7を構成する弾性体としては、熱可塑性エラストマー
(TPE)、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマー
(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TP
S)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)等が
好適に使用でき、これらは単独または混合して使用され
る。なかでも材料物性、すなわち強度と弾性率のバラン
スの点で、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TP
O)を用いることが好ましい。TPOは、エチレンと炭
素数3ないし4のα−オレフィンとからなる共重合体ゴ
ム(EPM、EPDM)および軟質ポリマーをベースと
し、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等
のオレフィン系熱可塑性樹脂、軟化剤等を配合したもの
が好適に用いられる。好ましくは、PPにEPDMをブ
レンドした、JIS硬度Hs80以下、好ましくはHs
45〜65のTPOが好適に使用され、熱可塑性樹脂と
しての性状を保持しつつ、従来のゴム材と同等のゴム弾
性を実現することができる。
7を構成する弾性体としては、熱可塑性エラストマー
(TPE)、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマー
(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TP
S)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)等が
好適に使用でき、これらは単独または混合して使用され
る。なかでも材料物性、すなわち強度と弾性率のバラン
スの点で、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TP
O)を用いることが好ましい。TPOは、エチレンと炭
素数3ないし4のα−オレフィンとからなる共重合体ゴ
ム(EPM、EPDM)および軟質ポリマーをベースと
し、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等
のオレフィン系熱可塑性樹脂、軟化剤等を配合したもの
が好適に用いられる。好ましくは、PPにEPDMをブ
レンドした、JIS硬度Hs80以下、好ましくはHs
45〜65のTPOが好適に使用され、熱可塑性樹脂と
しての性状を保持しつつ、従来のゴム材と同等のゴム弾
性を実現することができる。
【0016】ここで、TPO(PP/EPDMブレンド
品;商品名サントプレン、AESジャパン(株)製)の
特性を従来のゴム材(天然ゴム/SBRブレンド品)と
比較して下記表に示す。 このように、TPOは従来材と同等な硬度、弾性率を示
し、TPOを使用することで、従来と同様なばね設計が
可能となる。よって、脚部を極端に細くしたりするなど
不安定で無理のある形状にする必要がなく、安定した本
体部2形状を実現できる。
品;商品名サントプレン、AESジャパン(株)製)の
特性を従来のゴム材(天然ゴム/SBRブレンド品)と
比較して下記表に示す。 このように、TPOは従来材と同等な硬度、弾性率を示
し、TPOを使用することで、従来と同様なばね設計が
可能となる。よって、脚部を極端に細くしたりするなど
不安定で無理のある形状にする必要がなく、安定した本
体部2形状を実現できる。
【0017】上記構成のダイナミックダンパを製作する
には、所定位置に貫通孔を形成した基板1および質量体
3を、所定間隔をおいて型内に配し、溶融温度以上(通
常200℃程度)に加熱した熱可塑性エラストマーを流
し込み、冷却固化するまで保持すればよい(通常30秒
程度)。
には、所定位置に貫通孔を形成した基板1および質量体
3を、所定間隔をおいて型内に配し、溶融温度以上(通
常200℃程度)に加熱した熱可塑性エラストマーを流
し込み、冷却固化するまで保持すればよい(通常30秒
程度)。
【0018】このように、第1、第2の保持層4、5に
て上記基板1および質量体3の周囲を包み込むととも
に、第1、第2の連結部6、7にてこれら第1、第2の
保持層4、5と本体部2を連結することで、上記基板1
および質量体3を確実に保持固定し、本体部2と一体化
することができる。従って、接着剤を用いなくとも、振
動入力による弾性体のずれ等が生じることがなく、振動
特性が変動するおそれがない。さらに弾性体として熱可
塑性エラストマーを用いたので、加硫工程が不要で型加
熱の必要がなく、また冷却固化するまでの時間が短時間
であるので、成形サイクルが大幅に短縮でき、製作コス
トを大きく低減できる。
て上記基板1および質量体3の周囲を包み込むととも
に、第1、第2の連結部6、7にてこれら第1、第2の
保持層4、5と本体部2を連結することで、上記基板1
および質量体3を確実に保持固定し、本体部2と一体化
することができる。従って、接着剤を用いなくとも、振
動入力による弾性体のずれ等が生じることがなく、振動
特性が変動するおそれがない。さらに弾性体として熱可
塑性エラストマーを用いたので、加硫工程が不要で型加
熱の必要がなく、また冷却固化するまでの時間が短時間
であるので、成形サイクルが大幅に短縮でき、製作コス
トを大きく低減できる。
【0019】上記基板1または質量体3に防錆処理を施
す場合には、これらを型内に配する以前に、予めメッキ
処理等を施しておけばよい。このように、安価なメッキ
による防錆処理を利用でき、成形後に防錆塗装する必要
がないので、さらにコストを低減できる。
す場合には、これらを型内に配する以前に、予めメッキ
処理等を施しておけばよい。このように、安価なメッキ
による防錆処理を利用でき、成形後に防錆塗装する必要
がないので、さらにコストを低減できる。
【0020】なお、上記構成において、上記第1、第2
の連結部6、7は、少なくとも1つ設ければよいが、よ
り安定性を高めるためには、小径の貫通孔を複数設けて
弾性体を充填し、第1、第2の連結部6、7を複数設け
ることが好ましい。また、上記実施例では、上記第1の
保持層4は、上記質量体3の全表面を覆うように構成し
たが、本発明の効果を得るには、少なくとも幅方向また
は長手方向の周囲を取り巻くように形成されていればよ
い。
の連結部6、7は、少なくとも1つ設ければよいが、よ
り安定性を高めるためには、小径の貫通孔を複数設けて
弾性体を充填し、第1、第2の連結部6、7を複数設け
ることが好ましい。また、上記実施例では、上記第1の
保持層4は、上記質量体3の全表面を覆うように構成し
たが、本発明の効果を得るには、少なくとも幅方向また
は長手方向の周囲を取り巻くように形成されていればよ
い。
【0021】図4には本発明の第2の実施例を示す。例
えば、質量体3の質量に対しこれを支持する本体部2の
断面積が比較的小さい場合に、図のように、上記本体部
2をブロック状とせず、左右両端に設けた一対の脚部2
1にて上記質量体3を支持する構成とすることがある。
このような場合には、上記基板1に形成される第2の連
結部7の少なくとも1つが、上記脚部21の直下に位置
するようにするのがよい。上記のように構成すること
で、第2の連結部7により脚部21と保持層5が連続す
るので脚部21と保持層5との密着性が向上し、ばね特
性の安定に寄与する。なお、本実施例では質量体3に設
ける第1の連結部6を1つとしたが、これを複数設ける
場合には、それぞれ上記脚部21直上に設けることで同
様の効果が得られることはもちろんであり、密着性がよ
り向上する。
えば、質量体3の質量に対しこれを支持する本体部2の
断面積が比較的小さい場合に、図のように、上記本体部
2をブロック状とせず、左右両端に設けた一対の脚部2
1にて上記質量体3を支持する構成とすることがある。
このような場合には、上記基板1に形成される第2の連
結部7の少なくとも1つが、上記脚部21の直下に位置
するようにするのがよい。上記のように構成すること
で、第2の連結部7により脚部21と保持層5が連続す
るので脚部21と保持層5との密着性が向上し、ばね特
性の安定に寄与する。なお、本実施例では質量体3に設
ける第1の連結部6を1つとしたが、これを複数設ける
場合には、それぞれ上記脚部21直上に設けることで同
様の効果が得られることはもちろんであり、密着性がよ
り向上する。
【0022】
【発明の効果】以上、本発明の構成によれば、接着工程
が不要となり、製作工程が簡略化できるので、大幅にコ
ストを低減することができる。しかもダイナミックダン
パとして高い性能を有するので、実用上、利用価値が大
きい。
が不要となり、製作工程が簡略化できるので、大幅にコ
ストを低減することができる。しかもダイナミックダン
パとして高い性能を有するので、実用上、利用価値が大
きい。
【図1】本発明のダイナミックダンパの一例を示す全体
断面図である。
断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII −III 線断面図である。
【図4】本発明のダイナミックダンパの他の例を示す全
体断面図である。
体断面図である。
【図5】従来のダイナミックダンパの一例を示す全体断
面図である。
面図である。
1 基板 11 取付孔 2 本体部 21 脚部 3 質量体 4 第1の保持層 5 第2の保持層 6 第1の連結部 7 第2の連結部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 悟美 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 野々垣 晴彦 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 基板上に弾性体を介して質量体を支持せ
しめたダイナミックダンパであって、上記弾性体が、上
記質量体を弾性支持する本体部と、該本体部より延びて
上記質量体の周囲を覆いこれを保持する第1の保持層
と、上記本体部より延びて上記基板の周囲を覆いこれを
保持する第2の保持層と、上記質量体を貫通して上記本
体部と上記第1の保持層を連結する第1の連結部と、上
記基板を貫通して上記本体部と上記第2の保持層を連結
する第2の連結部とを具備することを特徴とするダイナ
ミックダンパ。 - 【請求項2】 上記弾性体がオレフィン系、スチレン
系、またはウレタン系熱可塑性エラストマーである請求
項1記載のダイナミックダンパ。 - 【請求項3】 上記第1の連結部または第2の連結部を
複数設けた請求項1または2記載のダイナミックダン
パ。 - 【請求項4】 上記第1の保持層にて上記質量体の全表
面を覆った請求項1ないし3記載のダイナミックダン
パ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7963395A JPH08247213A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | ダイナミックダンパ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7963395A JPH08247213A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | ダイナミックダンパ |
Publications (1)
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JPH08247213A true JPH08247213A (ja) | 1996-09-24 |
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JP7963395A Pending JPH08247213A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | ダイナミックダンパ |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2024166597A1 (ja) * | 2023-02-08 | 2024-08-15 | 株式会社パイオラックス | ダイナミックダンパ |
-
1995
- 1995-03-10 JP JP7963395A patent/JPH08247213A/ja active Pending
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