JPH08247167A - 変速機用クラッチピストン - Google Patents

変速機用クラッチピストン

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Publication number
JPH08247167A
JPH08247167A JP7052501A JP5250195A JPH08247167A JP H08247167 A JPH08247167 A JP H08247167A JP 7052501 A JP7052501 A JP 7052501A JP 5250195 A JP5250195 A JP 5250195A JP H08247167 A JPH08247167 A JP H08247167A
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JP
Japan
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clutch
plate
hydraulic pressure
piston
transmission
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Application number
JP7052501A
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English (en)
Inventor
Toshiharu Kazama
敏治 風間
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Yamakawa Industrial Co Ltd
Original Assignee
Yamakawa Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品の共通化を図り、多品種少量生産を行っ
ても製造コストを抑制することが出来る変速機用クラッ
チピストンを提供する。 【構成】 クラッチドラム7内に配設されて、クラッチ
ドラム7と共に、クラッチドラム内底室14を形成し、
クラッチドラム内底室14内の油圧が高い状態で、移動
して多板クラッチプレート13を押圧し、油圧が低い状
態では、リターンスプリング9によって復帰する変速機
用クラッチピストンである。クラッチピストン15は、
クラッチドラム内底室14内の油圧を受圧する油圧受圧
部材16と、油圧受圧部材16に接合されて多板クラッ
チプレート13に当接して押圧力を付与するクラッチ押
圧部材17とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両における変速機
用クラッチピストンに係り、主に多板クラッチプレート
の枚数変更等への対応性に優れた変速機用クラッチピス
トンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、変速機用クラッチピストンとして
は、図11及び図12に示す特開昭61−175327
号公報に記載されているようなものが知られている。
【0003】このような変速機用クラッチは、ケースと
してのクラッチドラム7内にピストン板1が矢印方向に
スライド自在に配設され、このピストン板1により、複
数のドライブプレート11…及びドリブンプレート12
…からなる多板クラッチプレート13が、押圧又は押圧
解除されるようになっている。
【0004】ピストン板1は、一枚の鋼板材から形成さ
れており、周囲にリム2が折曲形成されて、クラッチ板
押圧部3が形成されると共に、このリム2の基部が内周
面側へU字形に凹まされて、環状溝5が形成されてい
る。
【0005】この環状溝5には、クラッチドラム7との
間をシールする外側オイルシールリング6が嵌着されて
いる。また、このピストン板1の貫通孔1aの周縁に
は、リターンスプリング9…を受け止める円形バネ座8
が配設されている。そして、前記ピストン板1と、この
円形バネ座8との間には、内側オイルシールリング10
が嵌着されている。これにより、クラッチドラム7とピ
ストン板1との間に油圧室としてのクラッチドラム内底
室14が形成されている。
【0006】このように構成された従来の変速機用クラ
ッチピストンでは、油圧室としてのクラッチドラム内底
室14内に流入した油圧によって、前記ピストン板1が
リターンスプリング9…の付勢力に抗して図12中左方
向へ移動する。
【0007】この移動により、前記クラッチ板押圧部3
が、前記ドライブプレート11…及びドリブンプレート
12…を押圧して、クラッチを結合状態とするようにし
ている。
【0008】また、クラッチドラム内底室14内の油圧
の低下によって、前記ピストン板1がリターンスプリン
グ9…の弾性力によって図12中右方向へ移動する。
【0009】この移動により、前記クラッチ板押圧部3
が、前記ドライブプレート11…及びドリブンプレート
12…間の押圧を解除して、クラッチを非結合状態とす
るようにしている。
【0010】なお、他のこの種のものとしては、特公平
2−21895号公報等に記載されているようなものが
知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の変速機用クラッチピストンでは、前記ドライ
ブプレート11…及びドリブンプレート12…によって
構成される多板クラッチプレート13の容量等の設計変
更に伴い、一端側である底面から他端側である前記クラ
ッチ板押圧部3までの高さ(図11中、距離Aで示す高
さ)の異なるピストン板1をクラッチの種類に応じて、
多種類揃える必要がある。
【0012】このため、ピストン板1の折曲げ加工に用
いる型も、ピストン板1の種類分、用意しなければなら
ず、製造コストが増大してしまうといった問題があっ
た。
【0013】特に、リム2外周面に形成されるU字曲壁
4による環状溝5が共通寸法である場合でも、この環状
溝5を形成するため、多数の曲げ加工を可能とする複雑
なプレス装置を用いなければならない。また、多板クラ
ッチプレート13の種類に対応して複雑な形状の型を複
数、用意しなければならない。
【0014】そして、アルミダイカスト一体成形により
ピストン板1が形成される場合でも、一体成形後、別
途、環状溝5等の切削成形を施さなければならない。し
かし、切削形成には、剛性確保の為、所定の肉厚が必要
となり、原材料を含めた製造コストが増大してしまうと
いった問題があった。
【0015】そこで、この発明は、部品の共通化を図
り、多品種少量生産を行なっても製造コストを抑制する
ことが出来る変速機用クラッチピストンを提供すること
を課題としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載のものでは、ケース内に配設
されて、該ケースと共に、油圧室を形成し、該油圧室内
の油圧が高い状態で、移動して多板クラッチプレートを
押圧し、油圧が低い状態では、リターンスプリングによ
って復帰する変速機用クラッチピストンであって、前記
クラッチピストンは、前記油圧室内の油圧を受圧する油
圧受圧部材と、前記油圧受圧部材に接合されて多板クラ
ッチプレートに当接して押圧力を付与するクラッチ押圧
部材とを有する変速機用クラッチピストンを特徴として
いる。
【0017】また、請求項2に記載されたものでは、前
記油圧受圧部材は、中厚鋼板板金プレス加工により形成
されている変速機用クラッチピストンを特徴としてい
る。
【0018】そして、請求項3に記載されたものでは、
前記クラッチ押圧部材は、薄鋼板板金プレス加工により
形成されている各請求項1又は2記載の変速機用クラッ
チピストンを特徴としている。
【0019】また、請求項4に記載されたものでは、前
記クラッチ押圧部材には、前記リターンスプリングを固
着するバネ受け部が形成されている請求項3記載の変速
機用クラッチピストンを特徴としている。
【0020】そして、請求項5に記載されたものでは、
前記油圧受圧部材の周面部には、該油圧受圧部材と前記
ケースとの間に介在するオイルシールリングを嵌着する
シールリング溝が形成されている各請求項1乃至4記載
の変速機用クラッチピストンを特徴としている。
【0021】
【作 用】かかる構成の請求項1に記載されたものによ
れば、油圧受圧部材とクラッチ押圧部材とを別々に形成
して接合するようにしているので、一つの油圧受圧部材
に、寸法の異なるクラッチ押圧部材を接合するだけで、
様々な寸法、及び形状の多板クラッチプレートに対応す
ることが出来る。
【0022】このように、油圧受圧部材を共通化するこ
とにより、オイルシール溝等の加工に手間が掛かる形状
部分を有する油圧受圧部材を一律して多量に形成し、製
造コストを抑制する事が出来る。
【0023】また、請求項2に記載されたものでは、ク
ラッチ押圧部材と別々に形成される油圧受圧部材を中厚
鋼板板金加工するようにしているので、曲げ工程を簡略
化しつつ、加工精度の良好なものとして、製造コストを
抑制できる。
【0024】また、クラッチ押圧部材の素材として薄鋼
板を用いているので、この点においても原材料費を抑え
て製造コストを抑制できると共に、軽量化を図ることが
出来る。
【0025】そして、請求項3に記載されたものでは、
クラッチ押圧部材が薄鋼板板金プレス加工により形成さ
れているので、寸法、及び形状を比較的容易に変更可能
である。このため、前記多板クラッチプレートの形状、
大きさ等の変更に対応したクラッチピストンを、製造コ
ストを抑制して提供する事が出来る。
【0026】また、請求項4に記載されたものでは、薄
鋼板がクラッチ押圧部材の素材として用いられているの
で、バネ受け部のバーリング加工が容易である。また、
バネ受け部をカシメ止めして、リターンスプリングを容
易に固着させることが出来る。
【0027】そして、請求項5に記載されたものでは、
クラッチ押圧部材と別々に形成される油圧受圧部材の周
面部には、オイルシールリングを嵌着するシールリング
溝が、形成されている。このため、受圧力の封鎖に必要
な加工精度を容易に向上させることが出来る。また、増
肉成形等によってシールリング溝を形成する場合、増肉
による影響をクラッチ押圧部材の多板クラッチプレート
当接部分に与えることがないので、容易に成形加工を施
すことが出来る。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ説明する。
【0029】図1乃至図3は、この発明の第1実施例を
示すものである。なお、従来例と同一乃至均等な部分に
ついては同一符号を付して説明する。
【0030】まず構成を説明すると、図3中符号15
は、この第1実施例のクラッチピストンで、このクラッ
チピストン15は、ケースとしてのクラッチドラム7内
に矢印方向にスライド自在に配設され、複数のドライブ
プレート11…及びドリブンプレート12…からなる多
板クラッチプレート13が、押圧又は押圧解除されるよ
うになっている。
【0031】このクラッチピストン15は、油圧の作用
により移動する油圧受圧部材16と、この油圧受圧部材
16とプロジェクション溶接により接合し、しかも、こ
の油圧受圧部材16の移動により、多板クラッチプレー
ト13に当接して押圧力を付与するクラッチ押圧部材1
7とから、主に構成されている。
【0032】このうち、前記油圧受圧部材16は、中厚
鋼板板金プレス加工により形成され、外周部には、外側
シールリング溝18が、内周部には、内側シールリング
溝19が各々増肉成形されている。
【0033】この外側シールリング溝18及び、内側シ
ールリング溝19には、前記外側オイルシールリング6
及び内側オイルシールリング10が嵌着されている。
【0034】また、前記クラッチ押圧部材17には、前
記貫通孔1aを中央部に有して同心円となるように配列
される複数のバネ受け部20…が、一端側である底部1
7aに略均等間隔を置いてバーリング加工により形成さ
れている。このバネ受け部20…には、前記リターンス
プリング9…が各々一端9aをカシメ止めして配設され
る。
【0035】このクラッチ押圧部材17の周囲には、リ
ム21が折曲形成されている。このリム21には、略均
等間隔を置いて複数の補強用ビード22…が形成されて
いる。このリム21の前端部には、前記多板クラッチプ
レート13に当接するクラッチ板押圧部23が、円周に
沿って折曲形成されて、このクラッチ押圧部材17の他
端側を構成している。
【0036】そして、前記外側シールリング溝18に
は、外側オイルシールリング6が嵌着されると共に、内
側シールリング溝19には、内側オイルシールリング1
0が嵌着されて、図3に示すように、ケースとしてのク
ラッチドラム7内に組み込まれる。
【0037】前記クラッチドラム7内のクラッチ板押圧
部23端面には、複数のドライブプレート11…及びド
リブンプレート12…からなる多板クラッチプレート1
3が、ディッシュプレート13aを介して当接されて配
設されている。
【0038】このクラッチドラム7と前記油圧受圧部材
16の底部との間には、油圧室14が形成されている。
また、前記リターンスプリング9の他端9bは、前記ク
ラッチドラム7に固定されているスプリングリテーナ9
cによって支持されている。
【0039】そして、この油圧室14内の油圧が高い状
態で、前記クラッチピストン15は移動して多板クラッ
チプレート13を押圧し、油圧が低い状態では、リター
ンスプリング9によって復帰するように構成されてい
る。
【0040】次に、この第1実施例の作用について図1
を用いて説明する。
【0041】この第1実施例の変速機用クラッチピスト
ンでは、多板クラッチプレート13に対応して寸法の異
なるクラッチピストン15を製造する場合、加工に手間
が掛かる外側シールリング溝18及び、内側シールリン
グ溝19を各々増肉成形した油圧受圧部材16と、底面
からクラッチ板押圧部23前端までの高さ(図1中、距
離Bで示す高さ)を有するクラッチ押圧部材17とを別
々に形成する。
【0042】そして、この油圧受圧部材16に、クラッ
チ押圧部材17を接合するだけで、様々な寸法、及び形
状を有する多板クラッチプレート13に適合する寸法の
クラッチピストンである底面17aから前記クラッチ板
押圧部23までの高さ(図1中、距離Aで示す高さ)を
有するクラッチピストン15を得ることが出来る。
【0043】このように、油圧受圧部材16とクラッチ
押圧部材17とを別々に形成して接合するようにしてい
るので、一つの油圧受圧部材16に、寸法Bの異なるク
ラッチ押圧部材17を接合するだけで、様々な寸法、及
び形状の多板クラッチプレート13に設計上の変更があ
っても対応することが出来る。例えば、締結力を変更す
るため、多板クラッチプレート13のドライブプレート
11…及びドリブンプレート12の枚数を変更しても、
寸法Bの異なるクラッチ押圧部材17に変更するだけ
で、寸法Aの異なるクラッチピストン15を得ることが
出来、対応性が良好である。
【0044】そして、油圧受圧部材16を共通化するこ
とにより、外側シールリング溝18及び、内側シールリ
ング溝19等の複雑な形状部分を有する油圧受圧部材1
6を一律して多量に形成することができる。また、クラ
ッチ押圧部材17は、従来のように、外側オイルシール
リング6を嵌着する環状溝5等の複雑な曲げ加工の必要
がなくなり、薄板板金プレス加工により形成されること
により、一端側である底面17aから他端側であるクラ
ッチ板押圧部23までの高さAを比較的容易に変更可能
である。このため、前記多板クラッチプレート13の形
状、大きさ等の変更に対応したクラッチピストン15
を、製造コストを抑制して提供する事が出来、多品種小
量生産に適している。
【0045】また、この外側シールリング溝18及び、
内側シールリング溝19には、前記外側オイルシールリ
ング6及び内側オイルシールリング10が嵌着されてい
るので、油圧室としてのクラッチドラム内底室14に油
圧が導入された際に、この油圧を良好に封鎖して、ピス
トン板1の底面に効率良く作用させる。クラッチピスト
ン15の底面17aから前記クラッチ板押圧部23まで
の高さAは、配設される多板クラッチプレート13に適
合しているので、良好な結合,非結合動作が行なわれ
る。
【0046】この第1実施例では、油圧受圧部材16
が、中厚鋼板板金プレス加工により形成されていて、し
かも、外周部には、外側シールリング溝18が、内周部
には、内側シールリング溝19が各々増肉成形されてい
る。増肉成形では、アルミダイカスト加工後、切削加工
を施すものに比して、外,内側シールリング溝18,1
9周縁の肉厚を、剛性を考慮して厚く取る必要がない。
【0047】このため、原材料の無駄を省くと共に、剛
性を保持しつつ素材の薄板化を計り、軽量化及び製造コ
ストの抑制を行なうことが出来る。
【0048】また、増肉形成は、切削加工に比して比較
的容易に回転成形により行なうことが出来るので、この
点においても製造コストを抑制することが出来る。
【0049】しかも、増肉成形によって、外,内側シー
ルリング溝18,19を形成する場合、これらの外,内
側シールリング溝18,19が形成される油圧受圧部材
16と、多板クラッチプレート当接部分であるクラッチ
板押圧部23が形成されるクラッチ押圧部材17とが、
分割されて別途形成されているので、クラッチ押圧部材
17のクラッチ板押圧部23までの高さAに、増肉によ
る影響を与えることがない。このため、従来のようにク
ラッチ板押圧部23に配慮して加工する必要がなく、容
易に外,内側シールリング溝18,19の成形加工を施
すことが出来る。
【0050】また、外,内シールリング溝18,19
が、クラッチ押圧部材17と別途形成される油圧受圧部
材16の周面部に形成されているので、油圧受圧部材1
6を加工する際の精度を向上させるだけで、受圧力の封
鎖に必要な加工精度を向上させることが出来る。したが
って、この点においても、従来、クラッチ板押圧部23
まで含めて精度の高い加工を必要としていたものに比し
て、製造コストを削減することが出来る。
【0051】そして、この第1実施例では、薄鋼板をク
ラッチ押圧部材17の素材として用いているので、バネ
受け部20…のバーリング加工が容易である。例えば、
リム21形成時に同時に加工することも出来る。また、
バネ受け部20…がガイドとして機能して位置決めが容
易であると共に、一端9a…をカシメ止めして、複数の
リターンスプリング9…を容易に固着させることが出
来、位置決め配設時間を短縮して製造コストを更に、抑
制することが出来る。
【0052】更に、バネ受け部20…を、前記貫通孔1
aを中央部に有して同心円となるように複数形成する場
合でも、薄板を一括してバーリング加工できるので、こ
の点においても製造コストを抑制しつつ、貫通孔1aを
中心として均等なリターンスプリング9…の復帰力を得
ることが出来る。
【0053】図4及び図5は、この発明の第2実施例を
示すものである。なお、前記第1実施例と同一乃至均等
な部分については同一符号を付して説明する。
【0054】この第2実施例の変速機用クラッチピスト
ン24では、クラッチ押圧部材25のリム26に、半径
方向へ突出及び陥没を交互に繰り返す凹凸形状が、一定
間隔で複数形成されている。
【0055】また、油圧受圧部材16の底面には、前記
リターンスプリング9の一端9aを固定するバネ受け部
20a…が、複数個、周上に沿って形成されている。そ
して、前記クラッチ押圧部材25の底部25aに形成さ
れた挿通孔25bから、バネ受け部20a…の先端部を
各々突出させるようにしている。
【0056】このように構成された第2実施例のクラッ
チピストン24では、リム先端部分に折曲げ加工を施さ
なくても、クラッチ板押圧部27の面積を増大させるこ
とが出来る。しかも、前記凹凸形状によって多板クラッ
チプレート13を押圧する際の負荷に耐える剛性を、ク
ラッチ押圧部材25の材料として薄鋼板を用いても充分
に確保することが出来る。このため、更に、製造コスト
を抑制する事が出来る。
【0057】また、クラッチ押圧部材25の底部25a
には、バネ受け部20…を形成する必要がないので、更
に、製造コストを抑制する事が出来る。
【0058】他の構成及び作用については、前記第1実
施例のクラッチピストン15と略同一であるので、記載
を省略する。図6は、この発明の第3実施例を示すもの
である。なお、前記第2実施例と同一乃至均等な部分に
ついては同一符号を付して説明する。
【0059】この第3実施例の変速機用クラッチピスト
ン28では、クラッチ押圧部材25のリム30に、一定
周期で半径方向へ湾曲する波型形状が形成されている。
【0060】このように構成された第3実施例のクラッ
チピストン28では、リム先端部分に折曲げ加工を施さ
なくても、クラッチ板押圧部27の面積を増大させるこ
とが出来る。しかも、波型形状によって、多板クラッチ
プレート13を押圧する際の負荷に耐える剛性を充分に
確保することが出来る。このため、更に、製造コストを
抑制する事が出来る。
【0061】他の構成及び作用については、前記第2実
施例のクラッチピストン24と略同一であるので、記載
を省略する。
【0062】図7は、この発明の第4実施例を示すもの
である。なお、前記第2実施例と同一乃至均等な部分に
ついては同一符号を付して説明する。
【0063】この第4実施例の変速機用クラッチピスト
ン31では、内側オイルシールリング10を嵌着する内
側オイルシール溝32aが、クラッチドラム7内の周面
に環状に形成されている。そして、この内側オイルシー
ル溝32aには、内側オイルシールリング10が嵌着さ
れるようにしている。
【0064】このように構成された第4実施例のクラッ
チピストン31では、油圧受圧部材32に、内側オイル
シール溝の加工を施さなくてもよい。このため、更に、
クラッチピストン31の製造コストを抑制する事が出来
る。
【0065】他の構成及び作用については、前記第2実
施例のクラッチピストン24と略同一であるので、記載
を省略する。
【0066】図8は、この発明の第5実施例を示すもの
である。なお、前記第2実施例と同一乃至均等な部分に
ついては同一符号を付して説明する。
【0067】この第5実施例の変速機用クラッチピスト
ン33では、クラッチ押圧部材34の底面にバーリング
加工を施すことによって、前記リターンスプリング9…
の一端を固着するバネ受け部20…が、周上に複数個形
成されている。
【0068】このため、前記第2実施例の油圧受圧部材
16に比して、油圧受圧部材16に、バネ受け部20a
…を形成しなくとも、薄鋼板である前記クラッチ押圧部
材34の底面に、他の部分の形成と同時にバーリング加
工を施せば、容易にバネ受け部20を形成できるため、
油圧受圧部材16の製造コストを抑制する事が出来る。
【0069】他の構成及び作用については、前記第2実
施例のクラッチピストン24と略同一であるので、記載
を省略する。
【0070】図9は、この発明の第6実施例を示すもの
である。なお、前記第1実施例と同一乃至均等な部分に
ついては同一符号を付して説明する。
【0071】この第6実施例の変速機用クラッチピスト
ン35では、クラッチ押圧部材36のクラッチ板押圧部
33を更に、折曲加工して、延設部37を形成し、この
延設部37の先端38を前記油圧受圧部材16の外周部
前端面39に当接させるように構成されている。
【0072】このようにして構成された第6実施例のク
ラッチピストン35では、延設部37の先端38が、前
記油圧受圧部材16の外周部前端面39に当接させられ
ているので、更に、クラッチ押圧部材36を薄鋼板材で
構成しても、多板クラッチプレート13を押圧する際の
負荷に耐える剛性を充分に確保することが出来る。
【0073】他の構成及び作用については、前記第1実
施例のクラッチピストン15と略同一であるので、記載
を省略する。
【0074】図10は、この発明の第7実施例を示すも
のである。なお、前記第1実施例と同一乃至均等な部分
については同一符号を付して説明する。
【0075】この第7実施例の変速機用クラッチピスト
ン40では、クラッチ押圧部材41のリム42に、三角
ビード43…が一定間隔を置いて複数個形成されてい
る。また、このクラッチ押圧部材41のリム42の内側
には、補強用ビード44…が一定間隔を置いて複数個形
成されている。
【0076】他の構成及び作用については、前記第1実
施例のクラッチピストン15と略同一であるので、記載
を省略する。
【0077】以上、この発明の前記各実施例を図面によ
り詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施例に限
らず、この発明の用紙を逸脱しない範囲の設計の変更等
があってもこの発明に含まれる。
【0078】また、前記各実施例では、油圧受圧部材1
6とクラッチ押圧部材17とをプロジェクション溶接に
より接合しているが、特にこれに限らず、例えば、圧接
合又は、カシメ止め等、油圧受圧部材16とクラッチ押
圧部材17とを油圧が洩れなく接合するものであるなら
ば、どのような方法で接合されていてもよいことは当然
である。
【0079】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の請
求項1に記載されたものによれば、油圧受圧部材とクラ
ッチ押圧部材とを別々に形成して接合するようにしてい
るので、一つの油圧受圧部材に、寸法の異なるクラッチ
押圧部材を接合するだけで、様々な寸法、及び形状の多
板クラッチプレートに対応することが出来る。
【0080】このように、油圧受圧部材を共通化するこ
とにより、オイルシール溝等の複雑な形状部分を有する
油圧受圧部材を一律して多量に形成し、製造コストを抑
制することが出来る。
【0081】また、請求項2に記載されたものでは、ク
ラッチ押圧部材と別々に形成される油圧受圧部材を中厚
鋼板板金加工するようにしているので、曲げ工程を簡略
化しつつ、加工精度の良好なものとして、製造コストを
抑制できる。
【0082】また、クラッチ押圧部材の素材として薄鋼
板を用いているので、この点においても原材料費を抑え
て製造コストを抑制できると共に、軽量化を図ることが
出来る。
【0083】そして、請求項3に記載されたものでは、
クラッチ押圧部材が薄板板金プレス加工により形成され
ているので、寸法、及び形状を比較的容易に変更可能で
ある。このため、前記多板クラッチプレートの形状、大
きさ等の変更に対応したクラッチピストンを、製造コス
トを抑制して提供することが出来る。
【0084】また、請求項4に記載されたものでは、薄
鋼板がクラッチ押圧部材の素材として用いられているの
で、バネ受け部のバーリング加工が容易である。また、
バネ受け部をカシメ止めして、リターンスプリングを容
易に固着させることが出来る。
【0085】そして、請求項5に記載されたものでは、
クラッチ押圧部材と別々に形成される油圧受圧部材の周
面部には、オイルシールリングを嵌着するシールリング
溝が、形成されている。このため、受圧力の封鎖に必要
な加工精度を容易に向上させることが出来る。また、増
肉成形等によってシールリング溝を形成する場合、増肉
による影響をクラッチ押圧部材の多板クラッチプレート
当接部分に与えることがないので、容易に成形加工を施
すことが出来る、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の変速機用クラッチピスト
ンを示し、図2のA−A線に沿った位置の断面図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例の変速機用クラッチピスト
ンを示す正面図である。
【図3】本発明の第1実施例の変速機用クラッチピスト
ンを変速機内に組み込んだ様子を示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施例の変速機用クラッチピスト
ンを変速機内に組み込んだ様子を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施例の変速機用クラッチピスト
ンを示し、図4のB−B線に沿った位置の断面図であ
る。
【図6】本発明の第3実施例の変速機用クラッチピスト
ンを示し、図4のB−B線に沿った位置に対応する位置
の断面図である。
【図7】本発明の第4実施例の変速機用クラッチピスト
ンを変速機内に組み込んだ様子を示す断面図である。
【図8】本発明の第5実施例の変速機用クラッチピスト
ンを変速機内に組み込んだ様子を示す断面図である。
【図9】本発明の第6実施例の変速機用クラッチピスト
ンを変速機内に組み込んだ様子を示す断面図である。
【図10】本発明の第7実施例の変速機用クラッチピス
トンを変速機内に組み込んだ様子を示す断面図である。
【図11】従来例の変速機用クラッチピストンを示す断
面図である。
【図12】従来例の変速機用クラッチピストンを変速機
内に組み込んだ様子を示す断面図である。
【符号の説明】
7 クラッチドラム(ケース) 9 リターンスプリング 13 多板クラッチプレート 14 クラッチドラム内底室(油圧室) 15,24,28,31,33,35,40 クラッチピストン 16,32 油圧受圧部材 17,25,34,36,41 クラッチ押圧部材 20 バネ受け部 シールリング溝 18 外側シールリング溝 19 内側シールリング溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内に配設されて、該ケースと共
    に、油圧室を形成し、該油圧室内の油圧が高い状態で、
    移動して多板クラッチプレートを押圧し、油圧が低い状
    態では、リターンスプリングによって復帰する変速機用
    クラッチピストンであって、 前記クラッチピストンは、前記油圧室内の油圧を受圧す
    る油圧受圧部材と、前記油圧受圧部材に接合されて多板
    クラッチプレートに当接して押圧力を付与するするクラ
    ッチ押圧部材とを有することを特徴とする変速機用クラ
    ッチピストン。
  2. 【請求項2】 前記油圧受圧部材は、中厚鋼板板金プレ
    ス加工により形成されていることを特徴とする変速機用
    クラッチピストン。
  3. 【請求項3】 前記クラッチ押圧部材は、薄鋼板板金プ
    レス加工により形成されていることを特徴とする各請求
    項1又は2記載の変速機用クラッチピストン。
  4. 【請求項4】 前記クラッチ押圧部材には、前記リター
    ンスプリングを固着するバネ受け部が形成されているこ
    とを特徴とする請求項3記載の変速機用クラッチピスト
    ン。
  5. 【請求項5】 前記油圧受圧部材の周面部には、該油圧
    受圧部材と前記ケースとの間に介在するオイルシールリ
    ングを嵌着するシールリング溝が形成されていることを
    特徴とする各請求項1乃至4記載の変速機用クラッチピ
    ストン。
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