JPH0824660A - キシレン類の異性化触媒およびキシレン類の異性化方法 - Google Patents

キシレン類の異性化触媒およびキシレン類の異性化方法

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JPH0824660A
JPH0824660A JP6163657A JP16365794A JPH0824660A JP H0824660 A JPH0824660 A JP H0824660A JP 6163657 A JP6163657 A JP 6163657A JP 16365794 A JP16365794 A JP 16365794A JP H0824660 A JPH0824660 A JP H0824660A
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catalyst
zeolite
xylene
silica
main cavity
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JP6163657A
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Masato Yoshikawa
正人 吉川
Hidekazu Minomiya
英一 蓑宮
Hisashi Matsuyoshi
寿 松好
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Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】主空洞の大きさが酸素10員環からなり、かつ
シリカ/アルミナ比が35より小さいゼオライト、およ
び、主空洞の大きさが酸素10員環からなり、かつシリ
カ/アルミナ比が35以上のゼオライト、を含むキシレ
ン類の異性化触媒、および該触媒を用いたキシレン類の
異性化方法。 【効果】本発明の触媒を用いてエチルベンゼンを含むキ
シレンの異性化を行うと、エチルベンゼンの脱アルキ
ル、及びオルソキシレン、メタキシレンのパラキシレン
への異性化をバランス良く達成でき、キシレン回収率が
向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチルベンゼンを含む
キシレン類を水素の存在下で、気相にてある特定の触媒
と接触せしめ、キシレン類を異性化すると共にエチルベ
ンゼンを他の芳香族炭化水素に変換せしめることに係る
ものである。
【0002】
【従来の技術】キシレン混合物のうち、現在工業的に重
要なものは、p−キシレンとo−キシレンである。p−
キシレンは合成繊維ポリエステルの原料として、これま
でその需要は著しく増大してきた。今後もその傾向は変
わらないとものと予想される。o−キシレンはポリ塩化
ビニルの可塑剤フタル酸エステルの粗原料として利用さ
れている。しかしo−キシレンはp−キシレンに比べて
その需要が少ないのが現状である。一方m−キシレンの
工業的用途はほとんど無い。このことからo−キシレ
ン、m−キシレンをp−キシレンに変換することは工業
的に非常に重要なことである。
【0003】キシレン混合物はその沸点が接近している
ため、特にp−キシレンとm−キシレンとの間の沸点が
極めて近いため、蒸留法によりp−キシレン分離するの
は経済的に不利である。
【0004】従って、p−キシレンの工業的分離は融点
の差を利用する深冷分離によって行われてきた。深冷分
離法の場合は共晶点のため、1パス当たりのp−キシレ
ンの回収率には限界があり、せいぜい(60%)/1パ
スである。その結果、p−キシレンを回収した後のラフ
ィネート流体中のp−キシレン濃度はかなり高い。
【0005】一方、特公昭49−17246,49−2
8181,50−10547,50−11343,51
−46093号公報などに示されるように新しい分離技
術として吸着分離法が開発された。この吸着分離法で
は、p−キシレンは1パスあたり100%回収可能とな
る。すなわち、吸着分離後のラフィネ−ト流体中のp-キ
シレン濃度は極めて低く理論的には0となる。
【0006】o−キシレンはこれまでのところ、一般に
精密蒸留法によって分離されている。
【0007】このようにしてp−キシレン、o−キシレ
ンを分離した残りのラフィネート流体は異性化工程に送
られ、m−キシレンおよび/またはo−キシレンは熱力
学的平衡組成に近いp−キシレン濃度まで異性化され、
その後新鮮な供給原料と混合して分離工程に送られ、こ
のサイクルが繰り返される。このような組み合わせプロ
セスにおいて、深冷分離によりp−キシレンを分離した
残りのラフィネート流体を異性化工程に供給する場合に
は、前述したようにラフィネート流体中のp−キシレン
濃度は相対的に高いが、p−キシレン吸着分離法によっ
て分離した後のラフィネート流体の場合は、p−キシレ
ン濃度は極めて低い。従って、異性化工程における反応
は、後者の方がより大きな過酷度を要求される。
【0008】一般に、工業的に利用されるキシレン原料
はナフサを改質処理し、その後芳香族抽出及び分留によ
って得られる改質油系のキシレン、あるいはナフサの熱
分解により副生する分解ガソリンを芳香族抽出及び分留
によって得られる分解油系のキシレンである。分解油系
キシレンにおいて、特に特徴的なことはエチルベンゼン
の濃度が改質油系に比べて2倍以上も高いことである。
その代表的組成を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】この様に、一般にキシレン混合物にはエチ
ルベンゼンがかなりの量存在しているが、エチルベンゼ
ンを何らかの手段で除去しなければ分離工程と異性化工
程をリサイクルしていくにしたがってエチルベンゼンが
蓄積し、その濃度が増大していくという好まざる状況と
なる。このようなことから新鮮な供給原料として改質油
系キシレンが好ましく利用されているのが現状である
が、いずれにしてもエチルベンゼン濃度を低下させるこ
とが必要であり、いくつかの方法が工業的に実施され、
またいくつかの方法が提案されている。その方法として
大きく分類して、1つはエチルベンゼンをそのまま分離
するという方法であり、もう一つは反応により他の有用
な化合物に変換せしめる方法である。
【0011】エチルベンゼンを分離する方法として蒸留
法があげられる。この方法の場合、キシレン類との間の
沸点差が小さいため、超精密蒸留による必要があり、工
業的に莫大なる設備投資を要し、更に運転経費も高く、
経済的に不利な方法である。更に、特開昭52−102
23号公報などに示されるように、吸着分離法によりエ
チルベンゼンを分離しようとする提案もあるがその分離
性能充分満足のいくものではない。
【0012】エチルベンゼンを除去する他の方法とし
て、他の有用なる成分に変換せしめるいくつかの方法が
ある。その最も代表的な方法は、特公昭49−4660
6,49−47733,51−15044,51−36
253,特開昭54−16390号公報に示されている
ように、エチルベンゼンをキシレンに変換する方法であ
る。しかしこの方法では触媒中に極めて高価な貴金属で
ある白金を含有する事が必須である。
【0013】更にエチルベンゼンをキシレンに変換する
には、その間にナフテン、パラフィンのごとき非芳香族
成分の介在が反応メカニズム上必要であり、生成物中に
存在する濃度は数%から10数%の範囲に及んでいる。
さらにはエチルベンゼンの転化率は熱力学的平衡(表
2)によって律せられるため、その限界があるなどの欠
点がある。
【0014】
【表2】
【0015】更に白金を用いる方法とは異なったメカニ
ズムでエチルベンゼンをキシレンにする方法が、特公昭
53−41658号公報に開示されている。この方法で
はZSM−5,ZSM−12,ZSM−21ゼオライト
を含有する触媒を用いているが、しかしこの方法ではキ
シレンの異性化が遅いという欠点がある。特にp−キシ
レン含量の低いキシレン類、例えばp−キシレンを吸着
分離したラフィネート流体を異性化させるには、m−キ
シレン更にはo−キシレンをもp−キシレンに高度に異
性化させる必要がある。この様なp−キシレン含量の低
いキシレン類を異性化するには、致命的な欠陥となる。
【0016】また、エチルベンゼンをキシレン以外の他
の成分に変える方法が特公昭53−41657,特開昭
52−148028号公報などに提案されている。この
方法はキシレンを異性化すると同時にエチルベンゼンを
不均化反応によりベンゼンとジエチルベンゼンに変換
し、キシレンとの大きな沸点差を利用して分離しようと
いうものである。このようにして得られたベンゼンは合
成繊維ナイロンの粗原料として大きな需要があるが、ジ
エチルベンゼンの需要はほとんどなく、さらに他の有用
な化合物に変換する必要があり経済的に不利である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エチ
ルベンゼンをベンゼンに脱エチル化すると同時に、キシ
レンを高度に異性化し、しかもその反応の選択性を向上
することにより、芳香族炭化水素を変換する方法を提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、主空洞の大きさが酸素10員環からなり、
かつシリカ/アルミナ比が35より小さいゼオライト、
および、主空洞の大きさが酸素10員環からなり、かつ
シリカ/アルミナ比が35以上のゼオライトを含む触
媒、を含むキシレン類の異性化触、およびその触媒を水
素の存在下p−キシレン濃度が平衡濃度より低いエチル
ベンゼンを含むキシレン類と接触せしめるキシレン類の
異性化方法を提供するものである。
【0019】本発明の触媒は、主空洞の大きさが酸素1
0員環からなり、かつシリカ/アルミナ比が35より小
さいゼオライト及び主空洞の大きさが酸素10員環から
なり、かつシリカ/アルミナ比が35以上のゼオライト
の2種類のゼオライトよりなることが必要である。
【0020】主空洞の大きさが酸素10員環からなるゼ
オライトを触媒として利用する理由は、従来知られてい
るように細孔径が小さいためキシレン不均化等好ましく
ない副反応やコーキングが起きにくいためである。シリ
カ/アルミナ比の異なる2つのゼオライトを利用したと
きに好ましい結果となる理由は明らかではないが、この
ような2つのゼオライトを含む触媒を用いると、エチル
ベンゼンの転化能が高く、キシレン異性化率が高く、そ
れでいてキシレンの損失が小さくなることを見い出し
た。
【0021】本発明に使用する主空洞の大きさが酸素1
0員環からなるゼオライトは、例えば、米国特許389
4106号公報にその組成及び製造法が、Nature
271,30 March,437(1978)にその
結晶構造が記載されているZSM−5,英国特許133
4243号公報に記載されているZSM−8,特公昭5
3−23280号公報に記載されているZSM−11,
米国特許4001346号公報に記載されているZSM
−21,特開昭53−144500号公報に記載されて
いるZSM−35,特開昭51−67299号公報に記
載されているゼオライトゼータ1及び特開昭51−67
298号公報に記載されているゼオライトゼータ3等で
ある。
【0022】本発明に最も好ましく使われるゼオライト
は、特公昭61−8011に記載された方法により合成
される。すなわちシリカ源、アルミナ源、アルカリ源及
び脂肪族カルボン酸もしくはその塩からなる水性反応混
合液を下記組成範囲 より好ましい範囲 SiO2 /Al2 3 5〜500 5〜200 H2 O/SiO2 5〜500 10〜50 OH- /SiO2 0.01〜1.0 0.02〜0.8 A/Al2 3 0.1〜200 0.5〜100 にはいるように調製し、結晶が生成するまで反応させる
ことにより製造できる。シリカ源としては、例えばシリ
カゾル、シリカゲル、シリカエローゲル、シリカヒドロ
ゲル、ケイ酸、ケイ酸エステル、ケイ酸ソーダ等が使用
される。
【0023】アルミナ源としては、アルミン酸ソーダ、
硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、アルミナゾル、
アルミナゲル、活性化アルミナ、ガンマアルミナ、アル
ファアルミナ等が使用される。アルカリ源としては、カ
セイソーダ、カセイカリ等が使用されるが、好ましくは
カセイソーダである。これらのアルカリ源は系中にOH
- が好ましくは上記組成で存在するように添加される。
【0024】脂肪族カルボン酸もしくはその塩として
は、炭素数1〜12,好ましくは3〜6のものであり具
体的には一塩基オキシカルボン酸であるグリコール酸、
乳酸、ヒドロアクリル酸、オキシ酪酸もしくはそれらの
塩、二塩基及び多塩基オキシカルボン酸であるタルトロ
ン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸もしくはそれらの
塩、一塩基カルボン酸例えばギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、クロトン酸、メタクリ
ル酸もしくはそれらの塩、二塩基及び多塩基カルボン
酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸もしくはそれら
の塩が使用される。塩としては水溶性の塩が好ましい。
これらの脂肪族カルボン酸もしくはその塩は、適宜1種
または2種以上使用しても良い。
【0025】かくの如くして調製された水性反応混合物
はできるだけ均一なスラリー状にし密閉容器、例えば鉄
製、ステンレス製、あるいはテフロンで内張されたオー
トクレーブの中に入れて、結晶化される。結晶化のため
の反応条件は、反応温度80〜250℃、好ましくは1
00〜200℃であり反応時間は5時間から30日間、
好ましくは10時間から10日間である。反応混合物は
結晶化を行っている間、連続的にあるいは定期的に撹拌
し、均一な状態に保つのが好ましい。結晶化した反応生
成物は、冷却後密閉容器から取り出され、水洗、濾過さ
れ必要によって乾燥される。このようにして合成された
ゼオライトの代表的なX線回折パターンは、表3の通り
である。
【0026】X線回折パターンの測定は通常の方法にし
たがって行った。すなわちX線照射は銅のK−α線によ
り記録装置付きのガイガー、カウンター分光器を用い回
折パターンを得る。この回折パターンから相対強度10
0I/I0 (I0 は最も強い線)及び格子面間隔d(単
位nm)を求める。
【0027】
【表3】
【0028】本発明の触媒は、主空洞の大きさが酸素1
0員環からなり、かつシリカ/アルミナ比が35より小
さいゼオライトおよびシリカ/アルミナ比が35以上の
ゼオライトの2種類のゼオライトよりなるのが必須であ
る。シリカ/アルミナ比が35より小さいゼオライトは
合成の仕込み段階でこのような組成になるように仕込む
ことによって得られる。シリカ/アルミナ比が35以上
のゼオライトも同様に合成の仕込み段階でこのような組
成になるように仕込むことによって得られるが、シリカ
/アルミナ比が35より小さいゼオライトを脱アルミニ
ウムすることによっても得られる。脱アルミニウムは例
えばスチーミング等の処理によって行われる。
【0029】主空洞の大きさが酸素10員環からなるゼ
オライトであってシリカ/アルミナ比の異なる2つのゼ
オライトは混合して用いるか、あるいは反応器中に別個
の床に充填して用いる。別個の触媒床に充填して用いる
場合、好ましくはシリカ/アルミナ比が35以上のゼオ
ライトを含む触媒を先に反応原料に接触させる。触媒は
通常2種類のゼオライトとバインダーを混合し、押し出
し成型により成型して使用する。バインダーとしてはア
ルミナゾル、アルミナゲルシリカゾル、チタニアゾル、
ジルコニアゾルなど無機酸化物の微粒子やカオリン、ベ
ントナイト、モンモリロナイト等の粘土類が通常用いら
れる。バインダーの添加量は70%以下、好ましくは4
0%以下である。バインダー以外に、アルミナ、シリ
カ、ジルコニア、チタニア等の無機酸化物の粉末も成型
性の改善の目的や、水添金属の良好な担体として、添加
されることもある。このような押し出し成型以外にも圧
縮成型等を用いても良い。
【0030】ゼオライトのシリカ/アルミナ比は、例え
ば合成後、水洗したゼオライトそのものの場合、X線回
折で結晶化していることを確認の上、原子吸光法で測定
できる。成型体あるいはゼオライトに対してスチーミン
グ処理などを施したものの場合は、Si−NMRで測定
する事ができる。
【0031】上記のようにして得られるゼオライト成型
体は、そのままでは固体酸性を持たない。芳香族炭化水
素の変換反応に用いる触媒とするためにはゼオライトに
固体酸性を付与せしめ、酸型にすることが必要である。
酸型のゼオライトは良く知られているようにゼオライト
中のカチオンとして水素イオンまたはアルカリ土類金属
イオン、希土類イオン等の2価以上の多価カチオンを有
するものであり、これらは通常ナトリウム等の1価のア
ルカリ金属イオンの少なくとも一部を水素イオン、水素
イオン前駆体であるアンモニウムイオン、または多価カ
チオンでイオン交換し焼成することにより得られる。
【0032】本発明においては、酸及び/またはアンモ
ニウム塩化合物を含む溶液で処理し、ゼオライトに水素
イオン及び/または水素イオン前駆体を導入するイオン
交換処理が好ましい。イオン交換処理は一般に水溶液で
行われる。使用できる酸としては無機酸あるいは有機酸
であるが、無機酸がより一般的である。無機酸としては
塩酸、硝酸、燐酸、炭酸などが例としてあげられるが、
もちろんこれ以外のものでも水素イオンを含有するもの
であればよい。無機酸を使用する場合、あまり高濃度の
溶液で処理すると、結晶構造の破壊が起こるので好まし
くない。好ましく用いられる酸の濃度は、酸の種類によ
り大きく変化するので一義的に定めにくく、使用にあた
っては結晶構造の破壊が起こらないように十分注意する
必要がある。
【0033】アンモニウム塩化合物としては,硝酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸
アンモニウム、アンモニア水等の如き無機アンモニウム
塩あるいはギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、クエ
ン酸アンモニウム等の如き有機酸のアンモニウム塩も同
様に使用できるがより好ましくは無機アンモニウム塩で
ある。使用されるアンモニウム塩の濃度は、好ましくは
0.05から4規定の溶液が用いられるが、より好まし
くは約0.1から2規定である。酸および/またはアン
モニウム塩溶液によりゼオライトをイオン交換処理する
方法として、バッチ式あるいは流通式いずれの方法も好
ましく用いられる。バッチ式で処理する場合には、固液
比はゼオライトが液と充分接触できる量以上、約1リッ
トル/kg以上が好ましい。処理時間は0.1から72時
間で充分であり、好ましくは0.5から24時間であ
る。処理温度は沸点以下であればよいが、イオン交換速
度を促進するために加温するのが好ましい。流通式で処
理する場合は固定床方式、流動床方式等が利用できる
が、流体の偏流が起きないように、あるいはイオン交換
処理が不均一にならないように注意する必要がある。イ
オン交換処理されたゼオライトはその後水洗される。水
洗液としては、好ましくはイオン交換水または蒸留水が
使用され、水洗はバッチ式、あるいは流通式いずれでも
良い。
【0034】この様にして、ゼオライトに水素イオンお
よび/または水素イオン前駆体であるアンモニウムイオ
ンが導入され、焼成することにより固体酸性が付与され
る。ゼオライトには水素イオンおよび/または水素イオ
ン前駆体以外のカチオンが存在しててもよく、例えばシ
リカ/アルミナ比の異なる2つのゼオライトを混合して
用いる場合は、水素イオン以外のカチオンサイトの少な
くとも一部がアルカリ土類金属イオンで交換されている
と好ましい結果が得られる。アルカリ土類金属イオンの
中でもカルシウムイオンが最も好ましく用いられる。ま
たシリカ/アルミナ比の異なる2つのゼオライトを別々
に触媒として成型し反応器中に別個の床に充填して用い
る場合も、シリカ/アルミナ比が35以上のゼオライト
はバリウムイオンおよび/またはストロンチウムイオ
ン、シリカ/アルミナ比が35より低いゼオライトはリ
チウムイオンが水素イオン以外のカチオンサイトの少な
くとも一部に交換されていると好ましい結果が得られ
る。
【0035】この様に水素イオン以外のカチオンサイト
の少なくとも一部が実質的に水素イオン以外のカチオン
で交換されているゼオライトを得る方法としては、特に
限定されないが、例えば成型したゼオライトに前述の水
素イオンおよび/または水素イオン前駆体であるアンモ
ニウムイオンを導入するイオン交換処理と同時にまたは
その前もしくはその後に、水素イオン以外のカチオン
(例えばカルシウムイオン、バリウムイオン、リチウム
イオン、ストロンチウムイオン)を導入するイオン交換
処理をする方法があげられる。この水素イオン以外のカ
チオン(例えばカルシウムイオン、バリウムイオン、リ
チウムイオン、ストロンチウムイオン)を導入するイオ
ン交換処理は一般に水溶液で行われる。これらのカチオ
ンは無機塩例えば硝酸塩、塩化物、硫酸塩で使用される
のが一般的であるが、これに限定されるものではない。
【0036】シリカ/アルミナ比の異なるゼオライトを
別個の触媒床に充填する場合、シリカ/アルミナ比が3
5以上のゼオライトはヘテロポリ酸で処理するとキシレ
ン収率を向上させるので、好ましく用いられる。ヘテロ
ポリ酸とは例えばリンタングステン酸、ケイタングステ
ン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸などであ
る。これらの処理はイオン交換処理と同時にまたはその
前もしくはその後に行われる。処理は通常水溶液で行わ
れる。
【0037】シリカ/アルミナ比の異なるゼオライトを
別個の触媒床に充填する場合、主空洞の大きさが酸素1
0員環からなり、かつシリカ/アルミナ比が35以上の
ゼオライトを含有する触媒層は、ナトリウム型のゼオラ
イトを共存させると、エチルベンゼンの転化能、キシレ
ンの異性化能、キシレン回収率が向上することもあり好
ましい。その理由は明らかではないが、推定される理由
は以下の通りである。シリカ/アルミナ比が35以上の
ゼオライトを含む触媒床の主な働きは、エチルベンゼン
の水素化分解である。従って、発熱を伴う。この発熱を
緩和する働きが考えられる。またある種の吸着作用によ
り主反応をスムーズに行わせることができるのかもしれ
ない。理由は不明であるが、驚くべき事に反応成績は向
上する。しかも、ゼオライト製造時に発生する不良ゼオ
ライト、余剰ゼオライト等を使用できるので触媒製造の
コストダウンも可能である。
【0038】このゼオライトの種類は何でもよい。有機
アミンを使用しないでしかもアルカリ種としてナトリウ
ムしか含まない条件で合成されたゼオライトはイオン交
換処理を施すこと無く、そのまま使用することができ
る。共存のさせ方としては、例えばこのゼオライトを成
型後、なるべく均一になるように混合する。
【0039】本発明の触媒には水添金属成分を含ませる
ことが好ましい。最も好ましく用いられる水添金属成分
はレニウムである。これらの金属成分の添加方法として
は、混練り法、含浸法、粉体同志の物理的混合法などを
挙げる事ができる。レニウムとして使用できるのは酸化
レニウム、過レニウム酸、過レニウム酸アンモニウム、
硫化レニウム等を挙げる事ができる。レニウムの添加効
果が期待できる量は触媒全体の重量に対し、元素状とし
て0.005重量%以上である。しかし添加量が多すぎ
ると水添分解反応などの副反応が併発するので3重量%
以下好ましくは1重量%以下である。この最適値は水添
金属成分の種類、反応条件によって異なる。
【0040】以上のようにしてゼオライトを合成し、成
型し、イオン交換処理し、水添金属成分を付加した触媒
は、引き続き乾燥され、その後焼成される。乾燥は50
〜250℃で0.1時間以上、好ましくは0.5〜48
時間行われる。焼成は300〜700℃で0.1時間以
上、好ましくは400〜600℃で0.5〜24時間行
われる。尚、このような焼成によって、イオン交換処理
で導入されたアンモニウムイオンは水素イオンに変換し
さらには水素イオンは更に焼成温度を上げていくと脱カ
チオン型に変換していくが、勿論このようになった触媒
も充分使用可能である。
【0041】シリカ/アルミナ比が35より小さいゼオ
ライト(A)とシリカ/アルミナ比が35以上のゼオラ
イト(B)の触媒中の存在比は両触媒の活性のバランス
によって決めなければならない。例えば、両ゼオライト
の等量混合物を用いて反応させたとき、エチルベンゼン
転化率が不足していればゼオライト(A)に対してゼオ
ライト(B)の量を多くして用いれば良い。ゼオライト
(B)とゼオライト(A)はそれぞれ調製条件を変える
事により、活性をコントロールできるので、一概に両ゼ
オライトの最適混合比は決まらない。
【0042】以上のように調製された触媒は、次のよう
な反応条件のもとで使用される。即ち反応操作温度は3
00〜600℃、好ましくは、350〜550℃であ
る。反応操作圧力は大気圧から10MPa、好ましくは
大気圧から5MPaである。反応の接触時間を意味する
タイム・ファクターW/F( g−cat*hr/g−m
ol供給原料)(W:触媒重量、F:1時間当たりのモ
ル供給原料)は0.1〜200好ましくは1〜100で
ある。反応系の水素は必須である。水素濃度が低すぎる
とエチルベンゼンの脱エチル反応が充分に進行しない
し、更には触媒上への炭素質の沈着により、活性の経時
劣化をもたらす。逆に水素濃度を過度に高くすると水添
分解反応が増大するので好ましくない。水素濃度は反応
系における水素と供給原料のモル比(水素/F)で表し
て1〜50である。この最適値は水添金属成分の種類と
量によって異なる。
【0043】供給原料としては、エチルベンゼンを含む
キシレン混合物が用いられるが、キシレン混合物中での
エチルベンゼン濃度に特に制限はない。キシレン混合物
中におけるパラキシレン濃度は、通常、熱力学的平衡濃
度以下のものが使用される。供給原料には他の芳香族成
分例えばベンゼン、トルエン、トリメチルベンゼン、エ
チルトルエン、ジエチルベンゼン、エチルキシレン等を
含んでいても構わない。 以下本発明を実施例により説
明する。
【0044】実施例1 特開昭59−62347実施例1に記載されている方法
で、シリカ/アルミナ比50のゼオライトを調製した。
得られた生成物は表3に示すようなX線回折パターンを
有するゼオライトであった。
【0045】実施例2 特開昭59−147085実施例1に記載されている方
法で、シリカ/アルミナ比25のゼオライトを調製し
た。得られた生成物は表3に示すようなX線回折パター
ンを有するゼオライトであった。
【0046】実施例3 実施例2で合成したゼオライトに絶乾ベースでゼオライ
トに対してアルミナとして15重量%含むようにアルミ
ナゾルを加え混練し押出し成型した。120℃で一晩乾
燥後、500℃で2時間焼成した。この成型品に成型品
重量の2倍の水と成型品に含まれるゼオライト量に対し
15重量%の塩化アンモニウムを加え、80℃で1時間
処理する操作を4回繰り返した後、80℃の水で充分に
水洗した。120℃で一晩乾燥後、乾燥品を水蒸気分圧
20kPa、温度550℃で6時間焼成した。Si−N
MRでゼオライト骨格中のシリカ/アルミナ比を測定し
たところ、約120であった。この後成型品に対して
0.2重量%相当のReを担持し、120℃で一晩乾燥
し520℃で1時間焼成し触媒とした。
【0047】実施例4 反応混合物の組成を SiO2 /Al2 3 25 H2 O/SiO2 20 OH- /SiO2 0.17 A/Al2 3 2.5 (Aは酒石酸) になるように、原料の添加量を調整した以外は、実施例
1と同様にゼオライトを合成した。生成したゼオライト
のシリカ/アルミナ比は約20であった。このゼオライ
トは表3に示すようなX線回折パターンが得られた。
【0048】比較例1 実施例1で合成したゼオライトをアルミナと混ぜて押し
出し成型した。絶乾ベースでゼオライト:アルミナ=2
5:75の組成比の混合物に対してアルミナとして15
重量%含むようにアルミナゾルを加え成型した。120
℃で一晩乾燥後500℃で2時間焼成した成型品に、成
型品の重量の2倍の水と成型品に含まれるゼオライトに
対して20重量%の塩化カルシウム2水和物と塩化アン
モニウムを添加し、80℃で4時間処理した。80℃の
温水で充分に水洗した後、成型品に対して0.2重量%
相当のReを担持し、120℃で一晩乾燥後、520℃
で1時間焼成し触媒とした。この触媒を流通式反応装置
に充填し、以下の反応条件で反応を行った。
【0049】反応温度370℃、W/F=30g・h/
mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率59%,PX/(PX+OX+M
X)=22%,キシレン(XY)回収率98.2%であ
った。
【0050】比較例2 実施例4で合成したゼオライトをアルミナと混ぜて押し
出し成型した。絶乾ベースでゼオライト:アルミナ=2
5:75の組成比の混合物に対してアルミナとして15
重量%含むようにアルミナゾルを加え成型した。120
℃で一晩乾燥後、500℃で2時間焼成した成型品に、
成型品重量の2倍の水と成型品に含まれるゼオライトに
対して20重量%の塩化カルシウム2水和物と塩化アン
モニウムを添加し、80℃で4時間処理した。80℃の
温水で充分に水洗した後、成型品に対して0.2重量%
相当のReを担持し、120℃で一晩乾燥後、520℃
で1時間焼成し触媒とした。この触媒を流通式反応装置
に充填し、以下の反応条件で反応を行った。
【0051】反応温度370℃、W/F=30g・h/
mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率16%,PX/(PX+OX+M
X)=23.2%,キシレン(XY)回収率99.2%
であった。
【0052】実施例5 絶乾ベースで実施例1のゼオライト:実施例4のゼオラ
イト:アルミナ=17.5:7.5:75の組成比の混
合物に対してアルミナとして15重量%含むようにアル
ミナゾルを加え混練り後押し出し成型した。120℃で
一晩乾燥後、500℃で2時間焼成した成型品に、成型
品重量の2倍の水と成型品に含まれるゼオライトに対し
て20重量%の塩化カルシウム2水和物と塩化アンモニ
ウムを添加し、80℃で4時間処理した。80℃の温水
で充分に水洗した後、成型品に対して0.2重量%相当
のReを担持し、120℃で一晩乾燥後、520℃で1
時間焼成し、流通式反応装置に充填した。以下の反応条
件で反応を行った。
【0053】反応温度370℃、W/F=30g・h/
mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率61%,PX/(PX+OX+M
X)=23.2%,キシレン(XY)回収率98.8%
であった。
【0054】実施例6 絶乾ベースで実施例1のゼオライト:実施例4のゼオラ
イト:アルミナ=17.5:7.5:75の組成比の混
合物に対してアルミナとして15重量%含むようにアル
ミナゾルを加え混練り後押し出し成型した。120℃で
一晩乾燥後、500℃で2時間焼成した成型品に、成型
品重量の2倍の水と成型品に含まれるゼオライトに対し
て20重量%の塩化カルシウム2水和物と塩化アンモニ
ウムを添加し、80℃で4時間処理した。80℃の温水
で充分に水洗した後、120℃で一晩乾燥、500℃で
1時間焼成し、成型品重量の2倍の水と成型品に含まれ
るゼオライトに対して10重量%の硝酸ストロンチウム
を添加し、80℃で4時間処理した。80℃の温水で充
分に水洗した後、成型品に対して0.2重量%相当のR
eを担持し、120℃で一晩乾燥後、520℃で1時間
焼成し、流通式反応装置に充填した。以下の反応条件で
反応を行った。
【0055】反応温度370℃、W/F=30g・h/
mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率62%,PX/(PX+OX+M
X)=23.2%,キシレン(XY)回収率99.0%
であった。
【0056】実施例7 実施例4で合成したゼオライトに対してアルミナとして
15重量%になるようにアルミナゾルを添加し押しだし
成型した。120℃で一晩乾燥後、500℃で2時間焼
成した成型品に、成型品の重量の2倍の10重量%硝酸
リチウム水溶液を加え、80℃で1時間処理を5回繰り
返した後、成型品に含まれるゼオライトに対して1重量
%の塩化アンモニウムと成型品重量の2倍の水を添加
し、80℃で4時間処理した。80℃の温水で充分に水
洗した後、成型品に対して0.2重量%相当のReを担
持し、120℃で一晩乾燥後、520℃で1時間焼成し
て触媒とした。
【0057】実施例8 実施例1で調製したゼオライトをアルミナと混ぜて押し
だし成型した。すなわち絶乾ベースでゼオライト:アル
ミナ=25:75の組成比の混合物に対してアルミナと
して15重量%になるようにアルミナゾルを添加して成
型した。120℃で一晩乾燥後500℃で2時間焼成し
た成型品に成型品重量の2倍の水と成型品に含まれるゼ
オライトに対して20重量%の硝酸バリウムと40重量
%の塩化アンモニウムを添加し、80℃で4時間処理し
た。80℃の温水で充分に水洗した後、成型品に対して
0.2重量%相当のReを担持し、120℃で一晩乾燥
後、520℃で1時間焼成した。この触媒と実施例7で
作った触媒を8:2の比で、フィードが先にこの触媒と
接触するようにして、流通式反応装置に充填した。以下
の反応条件で反応を行った。
【0058】反応温度395℃、W/F=30g・h/
mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率60%,PX/(PX+OX+M
X)=23.2%,キシレン(XY)回収率99.5%
であった。
【0059】実施例9 実施例1で調製したゼオライトをアルミナと混ぜて押し
だし成型した。すなわち絶乾ベースでゼオライト:アル
ミナ=25:75の組成比の混合物に対してアルミナと
して15重量%になるようにアルミナゾルを添加して成
型した。120℃で一晩乾燥後、500℃で2時間焼成
した成型品に成型品重量の2倍の水と成型品に含まれる
ゼオライトに対して20重量%の硝酸バリウムと10重
量%のリンタングステン酸と10重量%の塩化アンモニ
ウムを添加し、80℃で4時間処理した。80℃の温水
で充分に水洗した後、成型品に対して0.2重量%相当
のReを担持し、120℃で一晩乾燥後、520℃で1
時間焼成した。この触媒と実施例7で作った触媒を8:
2の比で流通式反応装置に充填した。フィードが先にこ
の触媒と接触するようにして、以下の反応条件で反応を
行った。
【0060】反応温度375℃、W/F=30g・h/
mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率60%,PX/(PX+OX+M
X)=23.2%,キシレン(XY)回収率99.6%
であった。
【0061】実施例10 反応混合物の組成を SiO2 /Al2 3 50 H2 O/SiO2 20 OH- /SiO2 0.17 A/Al2 3 4.2 (Aは酒石酸) になるように、原料の添加量を調整した以外は、実施例
1と同様にゼオライトを合成した。生成したゼオライト
のシリカ/アルミナ比は約36であった。このゼオライ
トは表3のようなX線回折パターンが得られた。
【0062】実施例11 実施例10で調製したゼオライトをアルミナと混ぜて押
し出し成型した。すなわち絶乾ベースでゼオライト:ア
ルミナ=25:75の組成比の混合物に対してアルミナ
として15重量%になるようにアルミナゾルを添加して
成型した。120℃で一晩乾燥後、500℃で2時間焼
成した成型品に成型品重量の2倍の水と成型品に含まれ
るゼオライトに対して20重量%の硝酸バリウムと10
重量%のリンタングステン酸と10%の塩化アンモニウ
ムを添加し、80℃で4時間処理した。80℃の温水で
充分に水洗した後、成型品に対して0.2重量%相当の
Reを担持し、120℃で一晩乾燥後、520℃で1時
間焼成し触媒化した。この触媒と実施例7で作った触媒
を8:2の比で流通式反応装置に充填した。フィードが
先にこの触媒と接触するようにして、以下の反応条件で
反応を行った。
【0063】反応温度380℃、W/F=30g・h/
mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率60%,PX/(PX+OX+M
X)=23.2%,キシレン(XY)回収率99.5%
であった。
【0064】比較例3 実施例4で合成したゼオライトに対してアルミナとして
15重量%になるようにアルミナゾルを添加し押し出し
成型した。120℃で一晩乾燥後、500℃で2時間焼
成した成型品に成型品重量の2倍の水と成型品に含まれ
るゼオライトに対して10重量%の塩化アンモニウムを
添加し、80℃で4時間処理した。80℃の温水で充分
に水洗した後、成型品に対して0.2重量%相当のRe
を担持し、520℃で1時間焼成し触媒化した。
【0065】この触媒を流通式反応装置に充填し以下の
条件で反応を行った。
【0066】反応温度336℃、W/F=30g・h/
mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率65%,PX/(PX+OX+M
X)=24%,キシレン(XY)回収率92.7%であ
った。
【0067】実施例12 絶乾ベースで実施例1のゼオライト:実施例4のゼオラ
イト:アルミナ=17.5:7.5:75の組成比の混
合物に対してアルミナとして15重量%含むようにアル
ミナゾルを加え混練り後押し出し成型した。120℃で
一晩乾燥後、500℃で2時間焼成した成型品に成型品
重量の2倍の水と成型品に含まれるゼオライトに対して
10重量%の塩化アンモニウムを添加し、80℃で4時
間処理した。80℃の温水で充分に水洗した後、成型品
に対して0.2重量%相当のReを担持し、120℃で
一晩乾燥後、520℃で焼成し、流通式反応装置に充填
した。以下の反応条件で反応を行った。
【0068】反応温度332℃、W/F=30g・h/
mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率65%,PX/(PX+OX+M
X)=24%,キシレン(XY)回収率93.2%であ
った。
【0069】1種類のゼオライトを使った比較例3に比
べて、ゼオライト含量が少ないにもかかわらず、同等の
活性が得られ、しかもキシレン回収率も0.5%向上し
た。
【0070】実施例13 実施例3で調製した触媒と比較例3で調製した触媒を
7:3の比率でこの順で反応原料と接するように充填
し、以下の反応条件で反応を行った。
【0071】反応温度340℃、W/F=30g・h/
mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率65%,PX/(PX+OX+M
X)=24%,キシレン(XY)回収率95.6%であ
った。
【0072】1種類のゼオライトを使った比較例3に比
べて、活性は同等だが、キシレン回収率は2.9%向上
した。
【0073】実施例14 実施例1で合成したゼオライトをアルミナゾルと混練り
し押し出し成型した。絶乾ベースでゼオライトに対して
アルミナとして15重量%含むようにアルミナゾルを加
え成型した。120℃で一晩乾燥後、500℃で2時間
焼成した成型品に、成型品重量の2倍の水と成型品に含
まれるゼオライトに対して60重量%の硝酸バリウムと
10重量%の塩化アンモニウムを添加し、80℃で4時
間処理した。80℃の温水で充分に水洗した後、成型品
に対して0.2重量%相当のReを担持し、520℃で
焼成した。以下これを触媒Aという。
【0074】実施例7で調製した触媒を以下触媒Bとい
う。
【0075】触媒A:B=37:63の割合で、流通式
反応装置に充填した。以下の反応条件で反応を行った。
【0076】反応温度400℃、W/F=14.3g・
h/mol,H2 /F=3.5mol/mol,圧力1
MPa,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パ
ラキシレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29
%,メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2
% 反応結果はEB転化率60%,PX/(PX+OX+M
X)=23.5%,キシレン(XY)回収率98.7%
であった。
【0077】実施例15 実施例7の触媒と同じ方法で、イオン交換処理を行わな
いものを成型品Cとする。すなわち成型品Cはナトリウ
ム型のゼオライトが主成分の成型品である。
【0078】触媒A:成型品Cを7:3の割合で混合し
たものと触媒Bを5:6の比率で流通式反応装置に充填
した。以下の反応条件で反応を行った。
【0079】反応温度400℃、W/F=14.3g・
h/mol(Wには成型品Cの重さは含まれていな
い),H2 /F=3.5mol/mol,圧力1MP
a,フィード組成エチルベンゼン(EB)8%,パラキ
シレン(PX)1%,オルソキシレン(OX)29%,
メタキシレン(MX)60%、トルエン(TL)2% 反応結果はEB転化率65%,PX/(PX+OX+M
X)=23.8%,キシレン(XY)回収率98.7%
であった。
【0080】
【発明の効果】本発明の触媒を用いてエチルベンゼンを
含むキシレンの異性化を行うと、エチルベンゼンの脱ア
ルキル、及びオルソキシレン、メタキシレンのパラキシ
レンへの異性化をバランス良く達成でき、キシレン回収
率が向上する。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主空洞の大きさが酸素10員環からなり、
    かつシリカ/アルミナ比が35より小さいゼオライト、
    および、主空洞の大きさが酸素10員環からなり、かつ
    シリカ/アルミナ比が35以上のゼオライト、を含むキ
    シレン類の異性化触媒。
  2. 【請求項2】水添金属成分を含むことを特徴とする請求
    項1記載のキシレン類の異性化触媒。
  3. 【請求項3】主空洞の大きさが酸素10員環からなるゼ
    オライトが格子面間隔d(nm)表示で、1.12±0.0
    2,1.01±0,02,0.386±0.008,
    0.372±0.008及び0.365±0.008の
    位置にピークを有するX線回折パターンを示す請求項1
    または2記載のキシレン類の異性化触媒。
  4. 【請求項4】触媒(A):主空洞の大きさが酸素10員
    環からなり、かつシリカ/アルミナ比が35より小さい
    ゼオライトを含む触媒と、 触媒(B):主空洞の大きさが酸素10員環からなり、
    かつシリカ/アルミナ比が35以上のゼオライトを含む
    触媒が、別個の触媒床に配置されることを特徴とする請
    求項1から3のいずれか1項記載のキシレン類の異性化
    触媒。
  5. 【請求項5】触媒(B)の触媒層を先にキシレン類に接
    触させるように充填することを特徴とする請求項4記載
    のキシレン類の異性化触媒。
  6. 【請求項6】主空洞の大きさが酸素10員環からなるゼ
    オライトのカチオンサイトの一部が水素イオンで交換さ
    れており、残りのサイトの少なくとも一部がアルカリ土
    類金属イオンで交換されていることを特徴とする請求項
    1から5のいずれか1項記載のキシレン類の異性化触
    媒。
  7. 【請求項7】触媒(B)のゼオライトのカチオンサイト
    の一部が水素イオンで交換されており、残りのサイトの
    少なくとも一部がバリウムイオンおよび/またはストロ
    ンチウムイオンで交換されていることを特徴とする請求
    項4記載のキシレン類の異性化触媒。
  8. 【請求項8】触媒(A)のゼオライトのカチオンサイト
    の一部が水素イオンで交換されており、残りのサイトの
    少なくとも一部がリチウムイオンで交換されていること
    を特徴とする請求項4記載のキシレン類の異性化触媒。
  9. 【請求項9】触媒(B)の触媒層が、主空洞の大きさが
    酸素10員環からなり、かつシリカ/アルミナ比が35
    以上のゼオライトおよびカチオンサイトが実質的にナト
    リウムイオンのみで占められているゼオライトを含有し
    ていることを特徴とする請求項4記載のキシレン類の異
    性化触媒。
  10. 【請求項10】水添金属成分がレニウムであることを特
    徴とする請求項2記載のキシレン類の異性化触媒。
  11. 【請求項11】主空洞の大きさが酸素10員環からなる
    ゼオライトであってシリカ/アルミナ比が35以上のゼ
    オライトをヘテロポリ酸で処理することを特徴とする請
    求項4記載のキシレン類の異性化触媒。
  12. 【請求項12】主空洞の大きさが酸素10員環からな
    り、かつシリカ/アルミナ比が35より小さいゼオライ
    ト、および、主空洞の大きさが酸素10員環からなり、
    かつシリカ/アルミナ比が35以上のゼオライト、を含
    む触媒を、水素の存在下p−キシレン濃度が平衡濃度よ
    り低いエチルベンゼンを含むキシレン類と接触せしめる
    ことを特徴とするキシレン類の異性化方法。
  13. 【請求項13】触媒が水添金属成分を含むことを特徴と
    する請求項12記載のキシレン類の異性化方法。
  14. 【請求項14】主空洞の大きさが酸素10員環からなる
    ゼオライトが格子面間隔d(nm)表示で、1.12±
    0.02,1.01±0,02,0.386±0.00
    8,0.372±0.008および0.365±0.0
    08の位置にピークを有するX線回折パターンを示すこ
    とを特徴とする請求項12または13記載のキシレン類
    の異性化方法。
  15. 【請求項15】触媒(A):主空洞の大きさが酸素10
    員環からなり、かつシリカ/アルミナ比が35より小さ
    いゼオライトを含む触媒と、 触媒(B):主空洞の大きさが酸素10員環からなり、
    かつシリカ/アルミナ比が35以上のゼオライトを含む
    触媒が、別個の触媒床に配置されることを特徴とする請
    求項12から14のいずれか1項記載のキシレン類の異
    性化方法。
  16. 【請求項16】触媒(B)の触媒層を先にキシレン類に
    接触させるように充填することを特徴とする請求項15
    記載のキシレン類の異性化方法。
  17. 【請求項17】触媒(B)のゼオライトのカチオンサイ
    トの一部が水素イオンで交換されており、残りのサイト
    の少なくとも一部がアルカリ土類金属イオンで交換され
    ていることを特徴とする請求項13記載のキシレン類の
    異性化方法。
  18. 【請求項18】触媒(B)のゼオライトのカチオンサイ
    トの一部が水素イオンで交換されており、残りのサイト
    の少なくとも一部がバリウムイオンおよび/またはスト
    ロンチウムイオンで交換されていることを特徴とする請
    求項15記載のキシレン類の異性化方法
  19. 【請求項19】触媒(A)のゼオライトのカチオンサイ
    トの一部が水素イオンで交換されており、残りのサイト
    の少なくとも一部がリチウムイオンで交換されているこ
    とを特徴とする請求項15記載のキシレン類の異性化方
  20. 【請求項20】触媒(B)の触媒層が、主空洞の大きさ
    が酸素10員環からなり、かつシリカ/アルミナ比が3
    5以上のゼオライトおよびカチオンサイトが実質的にナ
    トリウムのみで占められているゼオライトを含有してい
    ることを特徴とする請求項15記載のキシレン類の異性
    化方法。
  21. 【請求項21】水添金属成分がレニウムであることを特
    徴とする請求項13記載のキシレン類の異性化方法。
  22. 【請求項22】触媒(B)のゼオライトをヘテロポリ酸
    で処理することを特徴とする請求項15記載のキシレン
    類の異性化方法。
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