JPH08246422A - 視覚障害者誘導装置とそれを用いた視覚障害者誘導システム - Google Patents

視覚障害者誘導装置とそれを用いた視覚障害者誘導システム

Info

Publication number
JPH08246422A
JPH08246422A JP7074688A JP7468895A JPH08246422A JP H08246422 A JPH08246422 A JP H08246422A JP 7074688 A JP7074688 A JP 7074688A JP 7468895 A JP7468895 A JP 7468895A JP H08246422 A JPH08246422 A JP H08246422A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
visually impaired
induction
block
handicapped person
guidance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7074688A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Sato
剛 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AZUMA SHOKAI KK
Original Assignee
AZUMA SHOKAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AZUMA SHOKAI KK filed Critical AZUMA SHOKAI KK
Priority to JP7074688A priority Critical patent/JPH08246422A/ja
Publication of JPH08246422A publication Critical patent/JPH08246422A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Road Signs Or Road Markings (AREA)
  • Rehabilitation Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 路面に配設される誘導ブロック1に取付けら
れた電磁コイル9に太陽電池15等の適当な電源から高
周波電流を印加し、誘導ブロックの表面に交番磁界を発
生させる。誘導ブロック表面に視覚障害者が所持する杖
3を近付けると、その先端に設けた受信器27の誘導コ
イル31が磁界内に入ることによって電磁誘導による電
力が発生し、杖の握り部に設けられている出力手段29
を動作させる。出力手段は、振動や信号音を発生するこ
とにより、杖を保持している視覚障害者に必要な情報を
伝達する。 【効果】 通行する視覚障害者に通路の方向や危険区
域、障害物の存在等の情報を的確に知らせて安全かつ確
実に誘導することができ、しかも、従来の点字ブロック
と同様に比較的低コストかつ簡単に配設可能で、メンテ
ナンスが容易かつ消費電力が少ないため運用コストが安
価であり、視覚障害者の使用する受信手段が無電源化に
より取扱いが容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路、交差点、駅のプ
ラットホーム、階段、建物の出入口やその中の通路、エ
レベータ・エスカレータ等の各種設備の周辺等におい
て、視覚障害者の通行を常に安全にかつ確実に誘導する
ための視覚障害者誘導装置及びこれを用いた視覚障害者
誘導システムに関し、例えば歩道や駅のプラットホーム
等に既設の点字ブロックに代えて又はそれらと組み合わ
せて、もしくは従来点字ブロック等が設けられていなか
った通路等にも使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、視覚障害者が歩行する際に誘
導するための視覚障害者誘導手段としては、歩道、道路
交差点や駅のプラットホーム等に配設される点字ブロッ
ク(視覚障害者誘導ブロック又はタイル)がよく知られ
ており、これは既に多くの場所に設けられている。一般
に、点字ブロックは、その表面に特定の突起パターンを
有しており、視覚障害者は、手に持った杖の先で突起パ
ターンに触れることにより杖を握っている手先から、又
はそれを足で踏むことにより靴底を介して足の裏から伝
わる突起の感触によって、点字ブロックの存在を確認
し、また突起パターンの種類から交差点の存在等、その
意図する情報を認識する。
【0003】また、比較的大きな道路の交差点における
視覚障害者誘導装置として、信号機により交通管制を行
う際に、歩行者用信号機の点灯状態に応じて、周辺のス
ピーカからメロディを流すものがよく知られている。
【0004】最近では、点字ブロック以外の新たな視覚
障害者誘導装置として、例えば特開昭58−18015
6号公報に示されているように、歩道等の通路に沿って
電磁誘導線を埋設し、視覚障害者が保持する誘導コイル
を内蔵した視覚障害者用杖が電磁誘導線に近付くと、該
誘導コイルに電磁誘導による電力を発生させ、その電力
により視覚障害者用杖に内蔵されている振動発生器又は
警告音発生器を動作させるものが知られている。
【0005】更に、特開昭51−139800号公報に
示されているように、電磁誘導線に供給される搬送波
を、予め地理案内情報等の視覚障害者を誘導するための
様々な情報を組み込んだ信号波によって変調し、それを
上述した特開昭58−180156号公報と同様に、電
磁誘導によって視覚障害者用杖等に内蔵される受信器の
誘導コイルに伝送し、復調して視覚障害者に可聴音とし
て情報を伝達する視覚障害者誘導装置が知られている。
【0006】また、これら以外の視覚障害者誘導装置と
して、磁性体を特定の配列パターンにして路面材タイル
に埋め込み、視覚障害者用杖に組み込まれた磁気センサ
によって路面材タイルの磁性体を検知し、その検出した
信号に基づいて視覚障害者用杖に設けられている振動発
生器を動作させて、視覚障害者に情報を出力するものが
特開平1−278609号公報に示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の点字ブロックによる視覚障害者誘導装置では、
視覚障害者は、点字ブロックの突起パターンに触れる杖
を握っている手先や足の裏から伝わる突起の感触だけで
点字ブロックの存在を認識するのであるから、常に経験
と相当な注意力とが必要であり、視覚障害者をより確実
かつ安全に誘導する点において、必ずしも十分に満足し
得るものではない。
【0008】また、道路の交差点でスピーカよりメロデ
ィを流す方式では、視覚障害者が聞き逃さないような或
程度大きい音量が必要で、常に騒音の問題が発生し、市
街地や商業地等で適用できても、静粛性が要求される住
宅地域では容易に適用できない場合がある。
【0009】上述した特開昭58−180156号公報
及び特開昭51−139800号公報に示されている従
来の視覚障害者誘導装置は、何れも電磁誘導線を新たに
歩道や道路等に沿って埋設する必要があるため、相当大
掛かりな施設工事が必要になり、多大な労力、工事費、
時間等を要する。更に、電磁誘導線と視覚障害者用杖に
設けられている誘導コイルとの間で相互誘導作用が確実
に生じるように、電磁誘導線に常時大電流を流す必要が
あるため、設備が大規模で消費電力が大きく、そのため
にランニングコスト及びメンテナンスコストが高くなる
という問題が生じる。
【0010】また、特開平1−278609号公報に示
されている視覚障害者誘導装置は、路面材タイルに埋め
込まれている磁性体が経時劣化する虞があり、しかも視
覚障害者用杖には、電池等による独立した電源が必要と
なって、特に視覚障害者にとって煩わしく面倒な電池交
換作業を定期的に行うことが要求される。
【0011】本発明は、上述の如き従来の問題点に鑑み
てなされたものであり、第1に、視覚障害者が道路、交
差点、駅のプラットホーム、建物の出入口・その内部通
路、階段・エレベータ・エスカレータ等の各種設備の周
辺等を通行する際に、必要な情報、例えば交差点、障害
物や危険区域の存在、又は通路の方向のような案内情報
等を常に確実に知らせることによって、視覚障害者の誘
導をより安全に行うことができ、しかも、新たに大掛か
りな施設工事を必要とすることなく、比較的簡単な作業
で低コストで設置することができ、設置後のメンテナン
スが容易でランニングコストが安く、また、視覚障害者
に対して電池交換等の面倒な作業を要求しない確実に動
作可能な視覚障害者誘導装置及び視覚障害者誘導システ
ムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的を達成す
るために、請求項1記載の視覚障害者誘導装置は、路面
に配設される誘導ブロックと、前記誘導ブロックと一体
をなす電磁コイルと、前記電磁コイルに所定の高周波電
流を供給するための高周波電源とからなることを特徴と
している。
【0013】請求項2記載の視覚障害者誘導装置は、上
述した請求項1記載の特徴点に加え、前記電磁コイルに
印加される高周波電流を変調する変調器を更に有するこ
とを特徴としている。
【0014】請求項3記載の視覚障害者誘導装置は、前
記高周波電源が再充電可能なバッテリからなることを特
徴としている。
【0015】更に請求項4記載の視覚障害者誘導装置
は、前記高周波電源が、前記バッテリに接続された太陽
電池を有することを特徴としている。
【0016】請求項5記載の視覚障害者誘導システム
は、上述した請求項1乃至請求項4のいずれか記載の視
覚障害者誘導装置と、誘導コイル及びそれに電気的に接
続された出力手段を有する携帯可能な受信装置とからな
ることを特徴としている。
【0017】また、請求項6記載の視覚障害者用誘導シ
ステムは、上述した請求項2記載の視覚障害者誘導装置
と、互いに電気的に接続された誘導コイル、復調器及び
出力手段を有する携帯可能な受信装置とからなることを
特徴としている。
【0018】
【作用】請求項1記載の視覚障害者誘導装置によれば、
電磁コイルに高周波電流を印加することによって、比較
的小さい電力で誘導ブロック上に交番磁界が発生する。
これに誘導コイルを近付けると、電磁誘導によって電力
が生じるから、この電力を用いることによって振動発生
器、音発生器等を動作させることにより、視覚障害者に
誘導ブロックの存在を的確に認識させることができる。
ここで、誘導ブロック上に発生する交番磁界の単位時間
当たりの変化量、換言すれば磁束変化量は、誘導コイル
に印加する交流電流の周波数が高いほど大きくなるか
ら、電磁コイルに印加する高周波電流が小さくしても、
ファラデー・ノイマンの電磁誘導の法則より、2次側の
誘導コイルに生じる電力は大きいものになり、比較的小
電流で受信側に所要の電力が得られる。また、電磁コイ
ルを一体化した誘導ブロックは、高周波電源を用いるこ
とによって比較的小型に構成できるから、例えば既設の
点字ブロックに代えて、又はこれと組み合わせて配設す
ることができ、施工が容易である。
【0019】請求項2記載の視覚障害者誘導装置によれ
ば、変調器によって、電磁コイルに供給される高周波電
流を搬送波として、それに視覚障害者誘導のための情報
信号を付加することができる。この被変調波は、電磁誘
導によって受信側の誘導コイルに伝送されるから、情報
信号は、例えば復調器を用いて弁別されることによっ
て、視覚障害者に出力することができ、誘導ブロックの
存在だけでなく、より多くの誘導情報を伝達することが
できる。この場合、誘導情報の伝達は、誘導情報の内容
に応じて予め設定されたルールによる振動パターン、信
号音の発生パターンにより行うことが可能であり、また
音発生器がスピーカやイヤホーンである場合には、音声
により直接的に行うことも可能である。
【0020】上述したように、請求項1又は請求項2記
載の視覚障害者用誘導装置は比較的少ない消費電力で動
作可能であるから、その電力は再充電可能なバッテリに
よって十分に賄うことができ、大規模な電源や配線を必
要とすることなく、常時安定した十分な電源が確保でき
ると共に、その構成全体を簡単にすることができる。
【0021】更に請求項4の視覚障害者誘導装置によれ
ば、高周波電流の電源としてのバッテリに、太陽電池に
よる充電が行われるので、商用電源等の外部電源を必要
とせず、誘導ブロックの施設工事が簡単になると共に、
メンテナンスを簡単にすることができる。
【0022】また、請求項5記載の視覚障害者用誘導シ
ステムによれば、電池等の独立した電源を全く有しない
受信装置を使用し、その誘導コイルを誘導ブロックに近
付けるだけで、常に確実に出力手段を動作させることが
でき、視覚障害者を安全に誘導できると共に、受信装置
をメンテナンスフリーにすることができる。
【0023】更に、請求項6記載の視覚障害者用誘導シ
ステムによれば、誘導ブロックにおいて生成された被変
調波が電磁誘導により受信装置の誘導コイルに伝達さ
れ、かつその中に含まれる情報信号が復調器によって弁
別されるので、伝達された情報信号に応じて出力手段を
動作させて、単なる誘導ブロックの存在に加えて必要な
情報を視覚障害者に伝達することができる。
【0024】
【実施例】以下に添付の図を参照して本発明を実施例に
ついて詳細に説明する。図1は、本発明による視覚障害
者誘導装置の一実施例を示している。この視覚障害者誘
導装置は、道路、交差点、横断歩道、階段、駅プラット
ホーム、建物の出入口・その内部、階段・エレベータ・
エスカレータの周辺等、様々な通路の路面に配設される
誘導ブロック1からなる。誘導ブロック1は、通常既存
の従来の突起パターンを有する点字ブロック(またはタ
イル)の施設位置に、その点字ブロックに置き換えて、
又はそれらと組み合わせて、その上面が施設位置におけ
る歩行面と実質的に同一高さになるように、埋め込み式
又ははめ込み式に設置される。本実施例では、後述する
ように誘導ブロック1を探索する視覚障害者用杖3が同
時に使用される。
【0025】誘導ブロック1は、図2乃至図4に示され
ているように、内部に収納空間を有する概ね直方体のボ
ックス体5と、該ボックス体の上部開口に着脱可能に取
り付けられた上部表面板7とを有する。上部表面板7の
表面には、従来の点字ブロックと同様に突起パターンを
設けることができ、かつその裏面(下底面)には、珪素
鋼板等からなる磁心に銅線等の巻線を組み合わせた電磁
コイル9が、ボックス体5内部に収容されるように一体
的に取り付けられている。また、前記突起パターンは、
必ずしも設けなくてもよい。
【0026】本実施例の誘導ブロック1は、上部表面板
7の一部に採光用開口11が形成されており、かつ採光
用開口11は、ガラス・合成樹脂等の透明保護板13に
より液密にシールドされている。ボックス体5内部に
は、透明保護板13と対応する位置に太陽電池15が設
けられており、太陽電池15は、透明保護板13を透過
して入射する太陽光線を受けると、光起電力効果により
電力を発生する。更にボックス体5内部には、電磁コイ
ル9に対する通電を制御する制御装置17と、再充電可
能なバッテリ(蓄電池)19とが設けられている。
【0027】図5は、制御装置17とバッテリ19とを
含む誘導ブロック1の電気的構成の一例を示している。
制御装置17は、太陽電池15から給電されてバッテリ
19の充電を行う充電器21と、充電器21から供給さ
れる電力により周波数が数KHz〜数100KHzの高
周波電流を生成するインバータ23と、変調器25とを
有している。変調器25は、インバータ23が発生する
高周波電流を搬送波として、視覚障害者誘導のための様
々な情報信号を前記高周波電流に付加するように、振幅
変調あるいは周波数変調を行う。変調器25の出力は、
電磁コイル9に接続されている。このようなインバータ
としては、例えば市販の蛍光灯等に使用されている程度
の小型のものでも良い。
【0028】視覚障害者誘導のための前記情報信号に
は、誘導ブロックを設置した横断歩道、階段、駅プラッ
トホーム等における障害物や危険区域の存在又はその種
類、通路の方向、道路交差点における信号機の青、黄、
赤の点灯内容、地名等の情報が含まれ、これらを予め決
められた所定のルールで符号化することができる。
【0029】視覚障害者用杖3は、図1に示されている
ように、杖先端部に配置された受信器27と、杖握り部
近傍に配置された視覚障害者への出力手段29とを各々
内蔵している。図6は、視覚障害者用杖3に内蔵される
これらの機器の電気的構成を例示している。受信器27
は、誘導コイル31と、誘導コイル31に接続された整
流・電圧安定化回路33と、整流・電圧安定化回路33
に接続されたLED等の警告灯35及び復調器37とを
有する。復調器37には、増幅器39を介して出力手段
29を構成する圧電素子等の振動発生器41が接続され
ている。
【0030】上述の如き構成によれば、太陽電池15の
光電効果により得られる電力が充電器21によってバッ
テリ19に充電され、バッテリ19から蓄電した電力が
インバータ23に供給される。インバータ23は、バッ
テリ19から供給される直流電流を、上述した範囲内の
所定の高周波数の交流電流、即ち高周波電流に変換し、
これを変調器25へ出力する。変調器25は、インバー
タ23から供給される高周波電流を搬送波として、視覚
障害者誘導のための情報信号をその高周波電流に付加す
る振幅変調あるいは周波数変調を行い、その結果得られ
た被変調波を電磁コイル9へ出力する。これにより、電
磁コイル9は前記被変調波で励磁され、被変調波の周波
数により決まる交番磁界を上部表面板7上に発生させ
る。
【0031】この状態で、視覚障害者が杖3の先端を誘
導ブロック1の上部表面板7上に当てがうと、杖3に内
蔵される誘導コイル31が電磁コイル9による交番磁界
中に置かれることになるので、電磁相互誘導によって誘
導コイル31に交流電流が生じる。この交流電流は、整
流・電圧安定化回路33によって直流に整流され、所定
電圧に安定化されて警告灯35と復調器37とに印加さ
れる。
【0032】これにより、被変調波に含まれている前記
情報信号が、復調器37により検波弁別され、この情報
信号に基づいて振動発生器41が所定のパターンをもっ
て振動する。この振動が、杖3を握る手から伝達される
ことによって、視覚障害者は、誘導ブロックの存在を知
覚すると同時に、その振動パターンの種類から判断し
て、横断歩道、階段、駅プラットホーム等における障害
物・危険区域の種類・位置、通路の方向、信号灯の青、
黄、赤の点灯内容等の様々な誘導情報を得ることができ
る。また、回路33から供給される直流電流によって、
警告灯35が点灯し、特に夜間では他の歩行者や自動車
の運転者等の第三者による視覚障害者の存在の認識が容
易に行われるようになる。このように、視覚障害者用杖
3には、独立した電池等の特別な電源が必要でなく、無
電源化により視覚障害者用杖3は、少なくとも電池交換
に関してメンテナンスフリーになる。
【0033】ここで、電磁相互誘導により誘導コイル3
1に発生する起電力は、ファラデー・ノイマンの電磁誘
導の法則により下式(1)に決まる。
【0034】U=−N(dΦ1/dt) …(1) ただし、Uは起電力、Nは電磁コイルの巻数、(dΦ1
/dt)は鎖交磁束の単位時間当たりの変化量である。
【0035】起電力Uは(dΦ1/dt)に比例するか
ら、電磁コイルの巻数N、電磁コイル9の鎖交磁束数Φ
1が少なくても、(dΦ1/dt)が大きいほど、大きい
起電力Uが得られる。従って、電磁コイル9の交番磁界
の変化速度を決定することになる電磁コイル9に流れる
電流の周波数を数KHz〜数100KHzと高く設定す
ることにより、大きい起電力Uが得られる。従って、電
磁コイル9に供給する電流が小さくても、受信器27の
動作に必要な所要の電力を得ることができ、電磁コイル
9に常時電流を供給する場合でも、その消費電力が少な
く済ませることができる。これにより、太陽電池の小型
化を容易に図ることができる。
【0036】また、電磁コイルの磁束密度が低くても、
受信器27に所要の電力を発生させることができるか
ら、上部表面板7上の磁界強度は弱いものであり、使用
により上部表面板7上に、例えば路上に存在する砂鉄や
ごみ等に含まれる磁性物が強く付着したり、その結果多
量の磁性物が堆積することはない。従って、長期間に亘
る使用によって、誘導ブロックの配設場所の美観を損ね
る虞がない。
【0037】上述の実施例では、誘導ブロックの電源を
構成する太陽電池15及びバッテリ19、情報信号を発
生させるための高周波電流供給手段であるインバータ2
3及び電磁コイル9の全てが、誘導ブロック1に一体に
組み込まれ、かつ各誘導ブロック1が個々に自律動作す
るから、これらに電源や信号を供給するための外部配線
を全く必要とせず、従って施工時に電気工事を必要とし
ない。このため、誘導ブロックを新たに設置する場合、
及び既存の点字ブロックに置き換えて設置する場合に、
従来の点字ブロックの施設工事と同程度のコスト及び手
間で、特別な技術・設備を要することなく施工すること
ができる。
【0038】尚、上述の実施例では、視覚障害者用杖3
に受信器27及び出力手段29を設けたが、別の実施例
では、これらを図7に示されているように、視覚障害者
が使用する靴43に組み込まれてもよい。更に別の実施
例では、受信器27を視覚障害者用杖3、靴43等に組
み込み、かつ出力手段29をこれらと別個に例えば携帯
可能に構成することができる。
【0039】また出力手段29は、図8に示されている
ように、信号音発生用振動子、スピーカ、イヤホーン等
による音発生器45であってもよい。この場合、音発生
器45が発生する信号音、音声により誘導ブロックの存
在を聴覚により確認すると同時に、その信号音の発生パ
ターン、音声により、横断歩道、階段、駅プラットホー
ム等における通路の方向や危険区域・障害物の種類、信
号灯の青、黄、赤の点灯内容等の誘導情報を同時に得る
ことができる。また、音声による場合には、地名、交差
点名を知らせることができる。
【0040】図9は、本発明による視覚障害者誘導装置
の別の実施例を示している。尚、図9に於いて、図2〜
図4に対応する部分は、図2〜図4に付した符号と同一
の符号を付してその説明を省略する。
【0041】この実施例においては、太陽電池15が誘
導ブロック1とは別個に構成されている。太陽電池15
は、例えば道路に立設されたポール47先端に取り付け
られており、リード線49によって誘導ブロック1のボ
ックス体5内部に収納された充電器21のコネクタ51
に接続されている。本実施例によれば、電磁コイル9の
電源として使用される太陽電池15は、誘導ブロック1
とは別個に屋外や建築物の屋上、アーケードの屋根等の
十分に光源を確保し得る適当な場所に設置できるから、
誘導ブロック1は、地下街や公共施設、大規模店舗等の
屋内等にも設置可能になる。また、誘導ブロック1内部
に太陽電池を収容する必要がないので、上部表面板7に
採光用開口を設ける必要がなく、かつボックス体5もよ
り小型にすることができるので、各ブロックの製造コス
トを低減できると共に、既存設備・施設への設置が一層
容易になる。
【0042】また、本実施例では、一つの太陽電池15
より複数個の誘導ブロック1の各々に配電することが可
能であり、更に充電器21、バッテリ19も同様に誘導
ブロック1とは別体にし、一個の充電器21、バッテリ
19を複数個の誘導ブロック1で共用することもでき
る。更に、誘導ブロック1に電磁コイル9のみを組み込
み、インバータ23等を含む制御装置17も同様に誘導
ブロック1と別体とし、一つの制御装置17を複数個の
誘導ブロック1で共用することもできる。
【0043】上述したいずれの実施例でも、電源として
太陽電池15を使用したが、本発明による視覚障害者誘
導装置の電源は、図10に示されているように商用交流
電源53であってもよい。この場合、商用交流電源53
が地下に埋設されていれば、地下配線のみで誘導ブロッ
ク1に必要な電力を供給することができる。このように
商用交流電源53を使用する場合には、バッテリ19、
充電器21を省略できるが、停電時のためにバッテリ1
9、充電器21を設けてもよい。
【0044】更に、上述したいずれの実施例において
も、誘導ブロック1は、電磁コイル9等を収容する内部
空間を有するボックス体5と、その上部開口を閉塞する
上部表面板7とから構成されるが、別の実施例では、ボ
ックス体5を省略することができる。この場合、電磁コ
イル9、バッテリ19、太陽電池15等は、従来の点字
ブロックに類似するタイル状の上部表面板7の裏面に一
体的に取り付けられ、必要に応じてその外面に防錆・防
水処理を施し、かつ/又はケーシング等を被装して保護
することができる。また、上部表面板には電磁コイルの
みを取り付け、別個に配設したバッテリ及び太陽電池か
ら、又は外部商用電線等の他の電源から複数の上部表面
板に配電することもできる。この場合には、この上部表
面板をより小型化でき、かつコストを低減できると共
に、路面に埋設する作業がより簡単になるので、有利で
ある。
【0045】以上に於ては、本発明を特定の実施例につ
いて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施例のも
のに限定されるものではなく、本発明の技術的範囲内に
て種々の実施例が可能であることは当業者にとって明ら
かであろう。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、請求
項1記載の視覚障害者誘導装置によれば、誘導ブロック
に一体的に設けられた電磁コイルに所定の高周波電流を
印加することによって、誘導ブロック上に交番磁界が発
生し、前記高周波電流が比較的小さい電流であっても、
2次側の誘導コイルに相互電磁誘導作用によって十分に
大きい電力を発生させることができるから、この電力を
電源として用いることにより視覚障害者にブロックの存
在を知覚させるための出力手段を確実に動作させること
ができ、視覚障害者の誘導をより安全に行うことができ
る。特に、このように視覚障害者が保持することになる
受信器側に電源を設ける必要がないから、視覚障害者に
とって煩わしく面倒な電池交換等の保守・点検作業を強
いることがなく、視覚障害者の誘導をより確実にするこ
とができる。また、誘導ブロックが比較的簡単に構成さ
れ、かつ施工に大掛かりな配線工事等を必要としないか
ら、従来の点字ブロック等の施設工事と同程度の簡単な
工事によって、多大な労力や新たな技術を要することな
く非常に低コストで、従来の点字ブロックに代えて又は
それらと組み合わせてもしくは新たに、建物内部の床面
等を含めて様々な通路や場所に適用することができ、し
かも電磁コイルに印加される高周波電流の消費電力が小
さいことから、常時運転してもランニングコストが安価
であり、視覚障害者を常に安全に誘導することができ
る。
【0047】請求項2の視覚障害者誘導装置によれば、
高周波電流を搬送波として情報信号を含んだ被変調波に
よって、視覚障害者が所持する受信手段の誘導コイルに
電磁誘導により電力を発生させることができるから、そ
の情報信号に応じた動作によって、視覚障害者に誘導ブ
ロックの存在だけでなく、同時に様々な誘導情報を与え
ることができ、視覚障害者の誘導がより一層明確かつ安
全に行われるようになる。
【0048】請求項3の視覚障害者誘導装置によれば、
再充電可能なバッテリを電源とすることによって、必要
な電力を個々の誘導ブロックで確保して自律動作させる
ことができるから、外部配線を全く必要とせず、施工時
に電気工事を必要としなくなり、従来の誘導ブロックと
同等の取扱いにより視覚障害者誘導装置を施工すること
ができると共に、施工後のメンテナンスが容易になっ
て、より一層ランニングコストの低減を図ることができ
る。
【0049】更に請求項4の視覚障害者誘導装置によれ
ば、太陽電池により電力を発生してバッテリに充電する
ことができるから、商用電力等の外部電源を必要とせ
ず、特に屋外用の誘導ブロックでは、誘導ブロックに太
陽電池を一体化することによって、電力供給のための外
部配線も必要なくなるので、施工・運転双方の点から経
済的であると共に、略安定して電源を確保できるので、
視覚障害者誘導装置の確実な動作を期待できる。
【0050】請求項5の視覚障害者誘導システムによれ
ば、上述した請求項1乃至請求項4のいずれか記載の視
覚障害者誘導装置と組み合わせて、誘導コイル及び出力
手段を有する携帯可能な受信装置が使用されることによ
って、かかる受信装置は無電源化されるから、視覚障害
者は電池交換等の面倒な作業から開放され、かつ電池切
れにより作動しなくなる虞が無く、誘導システムのより
安全かつ確実な動作が確保されると共に、例えば視覚障
害者が使用する杖や靴に容易に組み込むことができるの
で、携帯に有利である。
【0051】更に請求項6の視覚障害者誘導システムに
よれば、受信装置を同様に視覚障害者が使用する杖や靴
に容易に組み込むことができるので、視覚障害者は、よ
り多くの誘導情報を簡単にかつ確実に得ることができ、
より安全に誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による視覚障害者誘導装置の概要を示す
概略図である。
【図2】本発明による視覚障害者誘導装置に使用される
誘導ブロックの実施例を示す平面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図2の線IV−IVに沿った断面図である。
【図5】本実施例に使用される誘導ブロックの電気的構
成を示すブロック線図である。
【図6】本発明に使用される視覚障害者用杖の電気的構
成を示すブロック線図である。
【図7】本発明に使用される視覚障害者用靴の実施例を
示す斜視図である。
【図8】本発明に使用される視覚障害者用杖の電気的構
成の別の実施例を示すブロック線図である。
【図9】本発明による視覚障害者誘導装置の別の実施例
を示す概略構成図である。
【図10】本発明による視覚障害者誘導装置の更に別の
実施例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 誘導ブロック 3 視覚障害者用杖 5 ボックス体 7 上部表面板 9 電磁コイル 11 採光用開口 13 透明保護板 15 太陽電池 17 制御装置 19 バッテリ 21 充電器 23 インバータ 25 変調器 27 受信器 29 出力手段 31 誘導コイル 33 整流・電圧安定化回路 35 警告灯 37 復調器 39 増幅器 41 振動発生器 43 靴 45 音発生器 47 ポール 49 リード線 51 コネクタ 53 商用交流電源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面に配設される誘導ブロックと、前記
    誘導ブロックと一体をなす電磁コイルと、前記電磁コイ
    ルに所定の高周波電流を供給するための高周波電源とか
    らなることを特徴とする視覚障害者誘導装置。
  2. 【請求項2】 前記電磁コイルに印加される前記高周波
    電流を変調するための変調器を更に有することを特徴と
    する請求項1記載の視覚障害者誘導装置。
  3. 【請求項3】 前記高周波電源が、再充電可能なバッテ
    リを有することを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の視覚障害者誘導装置。
  4. 【請求項4】 前記高周波電源が、前記バッテリに接続
    された太陽電池を有することを特徴とする請求項3記載
    の視覚障害者誘導装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか記載の
    視覚障害者誘導装置と、誘導コイル及びそれに電気的に
    接続された出力手段を有する携帯可能な受信装置とから
    なることを特徴とする視覚障害者誘導システム。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の視覚障害者誘導装置と、
    互いに電気的に接続された誘導コイル、復調器及び出力
    手段を有する携帯可能な受信装置とからなることを特徴
    とする視覚障害者誘導システム。
JP7074688A 1995-03-08 1995-03-08 視覚障害者誘導装置とそれを用いた視覚障害者誘導システム Pending JPH08246422A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7074688A JPH08246422A (ja) 1995-03-08 1995-03-08 視覚障害者誘導装置とそれを用いた視覚障害者誘導システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7074688A JPH08246422A (ja) 1995-03-08 1995-03-08 視覚障害者誘導装置とそれを用いた視覚障害者誘導システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08246422A true JPH08246422A (ja) 1996-09-24

Family

ID=13554415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7074688A Pending JPH08246422A (ja) 1995-03-08 1995-03-08 視覚障害者誘導装置とそれを用いた視覚障害者誘導システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08246422A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000000262A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Railway Technical Res Inst 視覚障害者用誘導案内システム
JP2005046607A (ja) * 2004-06-25 2005-02-24 Railway Technical Res Inst 視覚障害者用誘導案内システム
JP2007033713A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Sony Corp 信号処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体
KR101410050B1 (ko) * 2013-01-21 2014-06-20 한국과학기술원 시각 장애인의 횡단보도 도보를 보조하는 방법 및 보행 보조장치
CN109208422A (zh) * 2018-10-30 2019-01-15 郝诗敏 一种触碰式磁感应警报盲道地砖
CN110593149A (zh) * 2019-08-27 2019-12-20 朱建华 一种基于空间压缩的新型能量转化与储存装置
US11992454B2 (en) 2019-04-23 2024-05-28 Nec Corporation Movement support system, tool and method for physically disabled person

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000000262A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Railway Technical Res Inst 視覚障害者用誘導案内システム
JP2005046607A (ja) * 2004-06-25 2005-02-24 Railway Technical Res Inst 視覚障害者用誘導案内システム
JP2007033713A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Sony Corp 信号処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体
KR101410050B1 (ko) * 2013-01-21 2014-06-20 한국과학기술원 시각 장애인의 횡단보도 도보를 보조하는 방법 및 보행 보조장치
CN109208422A (zh) * 2018-10-30 2019-01-15 郝诗敏 一种触碰式磁感应警报盲道地砖
US11992454B2 (en) 2019-04-23 2024-05-28 Nec Corporation Movement support system, tool and method for physically disabled person
CN110593149A (zh) * 2019-08-27 2019-12-20 朱建华 一种基于空间压缩的新型能量转化与储存装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104346924A (zh) 盲人智能道路交通引导系统
WO2011083963A2 (ko) Rfid 블록을 이용한 시각장애인 보행방향 안내 유도시스템 및 그 방법
JP6032439B2 (ja) 視覚障害者用道路案内システム
JPH08246422A (ja) 視覚障害者誘導装置とそれを用いた視覚障害者誘導システム
JP2010288394A (ja) 車両充電システム及び車両
KR101239481B1 (ko) 시각장애인 안내용 난간
CA1132005A (en) Street crossing signal device for blind persons
WO2011068347A2 (ko) 시각장애인 보행안내를 위한 점자블록 rfid태그 및 그 제조방법
JPH09149915A (ja) 視覚障害者誘導システム
JP2016171972A (ja) 視覚障害者支援システムおよびこれに使用する視覚障害者用白杖
KR100643336B1 (ko) 보행 안내 조명 겸용 시각 장애자 안내 보도블록 및 시스템
JP2001190589A (ja) 情報誘導案内システム
JPH0868840A (ja) 視覚障害者歩行無線誘導装置
JPH0432891A (ja) 視覚障害者誘導案内方法およびその装置
JP2007200017A (ja) 利用者案内システム
JPH07334076A (ja) 視覚障害者用の識別装置
JPH0962981A (ja) 位置検知システム、歩行者誘導システム、視覚障害者誘導システム及びゴルフ場管理システム
JP2001327526A (ja) 盲人の歩行誘導装置
KR20090099111A (ko) 시각장애인 보행 안내시스템
JP3017635U (ja) 案内装置
JP2902574B2 (ja) 視覚障害者誘導システム
JPS6125481Y2 (ja)
JP2004133701A (ja) 視覚障害者誘導装置、視覚障害者進路案内装置、杖および視覚障害者歩行支援システム
KR200368241Y1 (ko) 시각장애인용 통행유도장치
JP2787542B2 (ja) 視覚障害者誘導案内用の敷設板

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040608